JP2018197669A - ガスクロマトグラフ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セプタム等から放出される不所望のガス等の要因によるバックグラウンドノイズが高い状態での不適切な分析の実行を回避しつつ、不要なダミー分析を極力避ける。【解決手段】試料に対する分析の実行前に、消耗品交換判定部12はセプタム等の消耗品の交換直後であるか否かを判定する。非使用時間判定部13は直近の最後の分析からの装置の非使用時間が所定時間以上であるか否かを判定する。ダミー分析実行制御部14は消耗品の交換直後及び非使用時間が所定時間以上であるとき、試料に対する分析に先立って、最大キャリアガス流量、最高カラムオーブン温度でのダミー分析を実行する。これにより、試料気化室1内やカラム7に溜まっていた不所望のガスが排除され、バックグラウンドノイズを低減することができる。一方、不所望のガスが溜まっている可能性が低い場合にはダミー分析が実施されず、時間の無駄等を避けることができる。【選択図】図1

Description

本発明はガスクロマトグラフ装置に関し、更に詳しくは、ガスクロマトグラフ装置の制御に関する。なお、ここでいう「ガスクロマトグラフ装置」は試料成分を検出するための検出器についてはその種類や方式を問わず、検出器として質量分析装置を用いたガスクロマトグラフ質量分析装置を含む。
ガスクロマトグラフ装置(以下、適宜「GC装置」と略す)では一般に、カラムの入口に設けた試料気化室内で気化させた試料をキャリアガスに乗せてカラムに送り込み、該試料に含まれる各種化合物をカラムで時間方向に分離する。そして、その分離された化合物を検出器で順次検出し、その検出信号に基づいてクロマトグラムを作成する。
特許文献1等に記載のように、通常、試料を気化させるための試料気化室の内部にはインサートと呼ばれる略円筒形状のガラス管が収納され、その試料気化室はセプタムと呼ばれるシリコンゴム製の栓で密封される。試料を注入する際には、試料液が収容されたマイクロシリンジのニードルをセプタムに刺入して貫通させ、該マイクロシリンジにより所定量の試料液をインサート内に滴下する。試料気化室はヒータにより適度な温度に加熱されており、滴下された試料液は短時間で気化する。このGC装置を長期間に亘り使用すると、セプタムの密封性は低下する。また、インサートは試料液等による汚染が進行する。そのため、これら部品は消耗品であり、適宜の時点で交換される。
上記GC装置では、僅かではあるがセプタムやカラムの液相からそれぞれの成分に由来するガスが放出される。そのため、分析を行わない状態で数時間程度以上、装置を放置しておくと、そうしたガスが試料気化室内に溜まり、次に分析を行う際にバックグラウンドノイズが高くなる要因となる。また、セプタムやインサート等の消耗品を交換した直後にも、新たに取り付けた部品に付着している夾雑物等の影響で、或いは、部品を交換する際に外気が試料気化室内に入ってしまう影響で、バックグラウンドノイズが高くなることがよくある。こうしたことから、GC装置においてオートサンプラを用い多数の試料を自動的に交換しながら連続分析を実行する際には、バックグラウンドノイズが高い可能性がある1回目の分析をダミー分析として扱うように分析シーケンスを構築するのが一般的である。
しかしながら、こうした従来の分析方法では、実際には連続分析の中の1回目の分析におけるバックグラウンドノイズが2回目以降の分析におけるバックグラウンドノイズと同程度でしかない場合でも、1回目の分析がダミー分析として扱われ、目的試料についての分析結果を得ることができない。そのため、その分だけ分析の所要時間が長くなるだけでなく、キャリアガスなどの消費量もそれだけ多くなり分析コストの増加につながる。
特開2011−242175号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、上述した、セプタムやカラムの液相などから放出される不所望のガス等の要因によるバックグラウンドノイズが高い状態での不適切な分析の実行を回避しつつ、不要なダミー分析を極力避けることで分析時間の無駄やキャリアガスの無駄な消費を軽減することができるGC装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料ガス中の化合物を分離するカラムと、該カラムを内装するカラムオーブンと、前記カラムの入口に設けられ、キャリアガスの流れに乗せて試料を前記カラムに導入する試料導入部と、前記カラムを通過したあとのガス中の化合物を検出する検出部と、を具備するGC装置であって、
a)分析の実行開始前に、当該装置の状態が、バックグラウンドノイズが相対的に高い可能性があるとして予め定められた要注意状態であるか否かを判定する装置状態判定部と、
b)前記装置状態判定部により装置状態が要注意状態であると判定されたとき、試料についての分析の実行に先立って、前記カラムに供給するキャリアガスの流量及び前記カラムオーブンの温度を所定状態に調節しつつダミー分析を実行するダミー分析実行制御部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係るGC装置において、「バックグラウンドノイズが相対的に高い可能性があるとして予め定められた要注意状態」とは、例えば、キャリアガスが検出部に至るまでに通過する流路中に又は該流路に面して設けられた部品や部材が交換された直後の(つまりは実質的に未だ使用されていない)状態である。こうした部品や部材としては、上述したように試料気化室に設けられるセプタムやインサート、或いは、カラムなどがある。また、キャリアガスの供給源であるガスボンベもそうした部品・部材の一つである。
即ち、本発明に係るGC装置において、前記要注意状態は、前記試料導入部に含まれるセプタム若しくはインサート、前記カラム、又はキャリアガスの供給源であるガスボンベを交換した直後の状態であるものとすることができる。なお、「交換した直後の状態」とは、交換されたあとに初めて分析が実行される状態をいう。
また本発明に係るGC装置において、前記要注意状態は、当該装置における直近の最後の分析から所定時間以上が経過した状態であるものとすることができる。
この所定時間はユーザが設定可能としておくことが望ましい。例えば、セプタム等から放出される微量なガスが試料気化室内に溜まる時間を考慮して、前記所定時間は6時間又はそれよりも大きい値とすればよい。
本発明に係るGC装置において、装置状態判定部は、例えば複数の試料に対する連続的な分析の実行を開始する前に、当該GC装置の状態が予め定められた要注意状態であるか否かを判定する。例えばその直前にセプタムが新品に交換されていた場合、装置状態判定部は要注意状態であると判断する。なお、一般にGC装置では、セプタム等の消耗品の交換時期をユーザに知らせるために、各消耗品の使用時間(交換してからの経過時間)が計測され管理されている。したがって、こうして管理されている各消耗品の使用時間の情報に基づいて、交換直後か否かを判定することができる。また、例えば当該GC装置が最後に使用された時点から非使用の状態で所定時間以上が経過している場合にも、装置状態判定部は要注意状態であると判断する。
上述したように装置状態が要注意状態であると判定されると、ダミー分析実行制御部は、指定されている試料についての分析を実行する前に、ダミー分析を実行するように各部を制御する。このダミー分析では、試料導入部を通してカラムに供給するキャリアガスの流量とカラムオーブンの温度とをそれぞれ所定状態に調節する。ダミー分析では、キャリアガスを試料導入部及びカラムに流せばよいので試料を注入する必要はないが、ダミーの試料(例えば溶媒のみの試料)を注入してもよい。このダミー分析によって、バックグラウンドノイズの原因となり得る流路中に溜まっている不所望のガスが除去される。また、カラムオーブンの温度を上げることで、カラム内に付着している汚れを揮発させて除去することもできる。一方、装置状態が要注意状態でない場合には、ダミー分析を実行することなく直ぐに試料についての分析を開始することで、不必要なダミー分析の実行を回避することができる。
本発明に係るGC装置の一実施態様として、前記ダミー分析実行制御部は、ダミー分析の際のキャリアガスの流量を当該装置で設定可能な最大流量に設定するとともに、カラムオーブンの温度を当該装置で設定可能な最高温度に設定する構成とするとよい。
最大流量及び最高温度はユーザが指定するようにしてもよいし、装置が自動的に決めるようにしてもよい。
この構成によれば、流路中に溜まっている不所望のガスが迅速に除去され、またカラムに付着している汚れも短時間で揮発するので、ダミー分析の実行時間が短くても、バックグラウンドノイズ除去の効果を得ることができる。なお、実際の分析への影響を確認するために、カラムオーブンの温度は昇温分析時と同様に徐々に上昇させていき、最終的に当該GC装置で設定可能な最高温度になるようにしてバックグラウンドノイズを確認してもよい。
また本発明に係るGC装置の別の実施態様として、前記ダミー分析実行制御部は、試料についての分析の条件が定められている分析メソッドに基づいて、ダミー分析の際のキャリアガスの流量及びカラムオーブン温度を決定するダミー分析条件決定部、を含む構成としてもよい。
この構成では、連続分析の分析シーケンスが定められている場合に、例えば、その連続分析の最初の、つまりはダミー分析の直後に実行される分析の際の分析メソッドと同じキャリアガスの流量及びカラムオーブンの温度プログラムに従ってダミー分析が実行される。この構成によれば、通常の分析と同じ分析条件で以てダミー分析が実行されるので、カラム等に無理な負荷が掛からない。また、ユーザはダミー分析の条件を考えたり設定したりする必要がない。
また本発明に係るGC装置において、好ましくは、
前記ダミー分析実行制御部の制御の下でのダミー分析の実行中又は該ダミー分析の終了後に、前記検出部による検出信号に基づいてバックグラウンドノイズを計測するノイズ計測部をさらに備え、
前記ダミー分析実行制御部は、前記ノイズ計測部により計測されたバックグラウンドノイズが許容範囲を外れていた場合に、ダミー分析の実行時間を延長する又はダミー分析を繰り返す構成とするとよい。
ノイズ計測部により計測するバックグラウンドノイズの定義は、検出器の種類に応じて適宜に定めておけばよい。例えば検出器として水素炎イオン化検出器(FID)などを用いる場合には、クロマトグラムにおける所定の保持時間の位置における信号の高さ、或いは、所定の時間範囲の信号強度の積算値などをバックグラウンドノイズとみなし、それが予め定めた許容範囲を外れていた場合にバックグラウンドノイズ除去が不十分であると判断すればよい。また、検出器として質量分析装置を用いる場合には、特定の一若しくは複数の質量電荷比値、又は質量電荷比範囲における信号強度をバックグラウンドノイズとみなせばよい。
この構成によれば、すでに実施したダミー分析でバックグラウンドノイズの除去が不十分であった場合に、引き続いてダミー分析を実施することで、バックグラウンドノイズが十分に低下した状態で試料についての分析を行うことができる。また、最初に実施するダミー分析の時間を短めに設定しておき、バックグラウンドノイズが十分に下がらなかったときにダミー分析を追加的に行うことで、無駄なダミー分析の時間を減らすことができる。
本発明に係るGC装置によれば、セプタムやカラム等から放出される不所望のガスが試料気化室やカラムに溜まっている等、バックグラウンドノイズが高い可能性が高いときに、試料についての分析に先立ってバックグラウンドノイズを除去するためのダミー分析を実行することができる。一方、バックグラウンドノイズが問題とならない可能性が高いときには、ダミー分析は実行されず、試料についての分析が速やかに実行される。これにより、バックグラウンドノイズを確実に下げながら、不要なダミー分析の実行を避けることで分析時間の無駄やキャリアガスの無駄な消費を抑えることができる。
本発明の第1実施例によるGC装置の要部の構成図。 第1実施例のGC装置におけるバックグラウンドノイズ除去機能のための制御フローチャート。 第1実施例のGC装置における分析シーケンスの説明図。 本発明の第2実施例によるGC装置の要部の構成図。 第2実施例のGC装置におけるバックグラウンドノイズ除去機能のための制御フローチャート。 第2実施例のGC装置における分析シーケンスの説明図。
[第1実施例]
本発明の第1実施例であるGC装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は第1実施例のGC装置の要部の構成図、図2は第1実施例のGC装置におけるバックグラウンドノイズ除去機能のための制御フローチャート、図3は第1実施例のGC装置における分析シーケンスの説明図である。
本実施例のGC装置は、カラムオーブン5に収容されたカラム7と、カラム7の入口端に設けられた試料気化室1と、カラム7の出口端に設けられた検出器8と、ガスボンベ9から試料気化室1にキャリアガスを供給するべくその途中にフローコントローラ(FC)3が設けられたキャリアガス流路2と、試料気化室1中に試料液を注入するマイクロシリンジ4と、カラムオーブン5内に設けられたヒータ6と、フローコントローラ3を制御する流量制御部20と、ヒータ6による加熱温度を制御する温度制御部21と、それら各部を制御する制御部10と、ユーザが分析条件などを入力する入力部30と、ユーザが入力した情報を確認したり分析結果を表示したりするための表示部31と、を備える。試料気化室1の内部にはガラス製のインサート1aが収容され、その上部はセプタム1bで密封されている。
制御部10は、機能ブロックとして、消耗品使用時間管理部11、消耗品交換判定部12、非使用時間判定部13、ダミー分析実行制御部14、及び、分析実行制御部15、を備える。なお、図1では、検出器8で検出された信号を処理する信号処理部等、本実施例のGC装置の特徴的な動作に関連しない構成要素については記載を省略している。また、図1では、試料気化室1にスプリット流路を設けていないが、スプリット流路を設けスプリット分析が可能な構成としてもよい。
検出器8としては特にその種類は限定されず、GC装置の検出器として一般に利用されている様々な検出器、例えば、水素炎イオン化検出器、炎光光度検出器、フレームサーミオニック検出器、電子捕獲検出器、熱伝導度検出器、誘電体バリア放電イオン化検出器、質量分析装置などを選択的に用いることができる。
また、近年のGC装置の多くがそうであるように、制御部10の少なくとも一部は、パーソナルコンピュータに予めインストールされた専用の制御ソフトウェアを該コンピュータ上で実行することにより、その機能を実現するものとすることができる。
本実施例のGC装置では、インサート1a、セプタム1b、及びカラム7は消耗品であり、或る程度の期間使用したならば新品に交換する必要がある。また、ガスボンベ9は使用すればガスが無くなるため、当然、或る程度の期間使用したならば交換する必要があり、やはり、一種の消耗品である。本実施例のGC装置では、それら消耗品の交換時期をユーザが簡便に把握できるように、消耗品使用時間管理部11は、消耗品毎に交換した時点を起点として使用時間をカウントしている。即ち、ユーザは上述した消耗品を新品に交換する作業を行ったならば、入力部30でその消耗品の使用時間をリセットする操作を行う。また、消耗品が新品に交換されたのを自動的に検知し、その検知に応じて当該消耗品の使用時間を自動的にリセットする機能を有していてもよい。そして、ユーザが入力部30で適宜の操作を行うと、それら消耗品の使用時間がそれぞれ表示部31に表示される。この表示により、ユーザは各消耗品の使用時間をチェックすることができる。
本実施例のGC装置の特徴の一つは、自動バックグラウンド除去機能を有することである。図2、図3を参照してその機能について説明する。
ユーザは入力部30により、例えば、複数の試料に対する連続分析の分析シーケンスを設定する(図3(a)参照)。この分析シーケンスには、各試料に対する分析の順序、各試料に対するGC分析の分析条件を規定した分析メソッド、などが含まれる。分析条件は、キャリアガスの流量(線速度)、カラムオーブン5の温度プログラム、試料注入量などを含む。
ユーザが入力部30から分析の実行開始を指示すると(ステップS1)、分析実行制御部15はまず自動バックグラウンド除去機能が設定されているか否かを判定する(ステップS2)。即ち、本実施例のGC装置では、自動バックグラウンド除去機能自体を使用しないようにすることもでき、自動バックグラウンド除去機能の使用が選択されていない場合にはステップS2でNoと判定され、ステップS2〜S5の処理をパスしてステップS6へと進む。
一方、自動バックグラウンド除去機能の使用が選択されていれば、非使用時間判定部13は、直近の過去における分析が実施された時点から現在までの経過時間が所定の時間ta以上であるか否かを判定する(ステップS3)。この判定のための所定の時間taはユーザが設定可能としておくとよい。例えば時間taは6時間としておけばよい。この場合、前回の分析から6時間以上経過していれば、ステップS3でYesと判定され、6時間未満であればNoと判定される。前回の分析からの経過時間が6時間未満であれば、仮にセプタム1bやインサート1a、或いはカラム7の液相などからの不所望のガスの放出があったとしても、試料気化室1内やカラム7内に溜まるガスの量は多くなく、バックグラウンドノイズに大きな影響を及ぼさないものと判断される。一方、前回の分析からの経過時間が6時間以上であれば、試料気化室1内やカラム7内に溜まっている不所望のガスの量が多くバックグラウンドノイズが高くなっている可能性がある、と判断する。この場合、ステップS3からS5へと進む。
ステップS3でNoと判定された場合、消耗品交換判定部12は、上述したように消耗品使用時間管理部11で管理されている各消耗品の使用時間に基づいて、セプタム1b、インサート1a、ガスボンベ9、又はカラム7のいずれかが交換された直後であるか否か、つまりは交換されたあとに実質的に使用されていないか否かを判定する(ステップS4)。
上記各消耗品の交換作業の際には試料気化室1内やカラム7内に外気が入る可能性がある。また、新品のセプタムやインサートはその表面に汚れが付着している可能性もあるし、使用初期に不所望のガスの放出量が比較的多い場合もある。これらはいずれも、バックグラウンドノイズが高くなる要因であるから、ステップS4でYesと判定された場合にはステップS5へと進む。一方、ステップS3及びS4で共にNoと判定された場合には、バックグラウンドノイズが高い状態である可能性は低いため、ステップS6へと進む。なお、消耗品使用時間管理部11で各消耗品の使用時間が管理されていないような場合には、それら消耗品が新品であるか否かの情報を予めユーザに入力させるようにしてもよい。
一方、上述したようにステップS2、S4からステップS6へ進む場合には、ダミー分析は実行されず、分析実行制御部15は予め設定されている分析シーケンスに従って、複数の試料に対する連続分析を実行するように各部を制御する。したがって、図3(a)に示すように、複数(この場合にはN個)の試料に対する分析、即ち分析A、分析B、…、分析Nが順番に実行される。なお、各分析には分析メソッドが設定されているが、これは同じ分析メソッドでもそれぞれ異なる分析メソッドでもよい。
一方、上述したようにステップS3、S4からステップS5へ進むと、ダミー分析実行制御部14は、複数の試料に対する連続分析に先立ってダミー分析を実行するように流量制御に20、温度制御部21等の動作を制御する。一例としては、フローコントローラ3でのキャリアガスの流量を当該GC装置で設定可能な最大の流量に設定する一方、カラムオーブン5の温度も当該GC装置で設定可能な最高の温度に設定したうえで、所定時間(例えば5分間)、ダミー分析を実行するとよい。そして、ダミー分析が終了すると、分析実行制御部15は予め設定されている分析シーケンスに従って、複数の試料に対する連続分析を実行するように各部を制御する(ステップS6)。
したがって、図3(b)に示すように、図3(a)に示した連続分析の前にダミー分析が加わることになる。図3(b)におけるダミー用メソッドとは、例えば上述したように、当該GC装置で設定可能な最大のキャリアガス流量、当該GC装置で設定可能な最高のカラムオーブン温度を分析条件とする分析メソッドである。ダミー分析によって、試料気化室1内やカラム7内に溜まっている不所望のガスが排出される。また、カラム7は高温になるので汚れが付着している場合でも、汚れ成分が揮発して除去される。これによって、次に試料に対する分析を実施する際のバックグラウンドノイズを低減することができる。
なお、ダミー分析のためのダミー用メソッドにおける分析条件はユーザが予め適宜に定めることができるようにしてもよい。また、ダミー分析実行制御部14は、分析シーケンスに設定されている複数の分析のうちの一つの分析メソッドに含まれる分析条件の中でダミー分析に必要な分析条件のみ(通常は、キャリアガス流量及びカラムオーブン温度)を抽出し、それらを利用してダミー分析を実行するようにしてもよい。
[第2実施例]
本発明の第2実施例であるGC装置について、添付図面を参照して説明する。
図4は第2実施例のGC装置の要部の構成図、図5は第2実施例のGC装置におけるバックグラウンドノイズ除去機能のための制御フローチャート、図6は第2実施例のGC装置における分析シーケンスの説明図である。図4において、図1に示した第1実施例のGC装置と同じ構成要素には同じ符号を付して、特に要しない限り説明を省略する。
この第2実施例のGC装置において、データ処理部22は検出器8で得られた検出信号をデジタル化して所定の処理を行う。また、制御部10はダミー分析再実行判定部16を備えており、ダミー分析再実行判定部16はデータ処理部22による処理結果を用いてダミー分析が適切か否かを判定し、必要に応じてダミー分析を再度実行する又はダミー分析の実行時間を延長するようにダミー分析実行制御部14に指示を与える。
この第2実施例のGC装置における自動バックグラウンド除去機能について、第1実施例のGC装置における自動バックグラウンド除去機能と異なる点を中心に説明する。
第2実施例のGC装置では、ダミー分析実行制御部14の制御の下で所定時間のダミー分析が終了すると、データ処理部22は所定時間の間、検出器8から得られる検出信号に基づいてバックグラウンドノイズを算出する(ステップS7)。例えば、所定時間の間に得られる検出データを積算することでバックグラウンドノイズとしてもよいし、或いは、或る時点で得られた検出データをそのままバックグラウンドノイズとみなしてもよい。そして、ダミー分析再実行判定部16はデータ処理部22で求まったバックグラウンドノイズが予め定めた所定の許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS8)。この許容範囲はユーザが適宜に設定又は変更できるようにするとよい。
バックグラウンドノイズが許容範囲内であると判定されると、ステップS8からステップS6へと進み、上述したように分析シーケンスに従って複数の試料に対する連続分析を実施する。この場合、図6(b)に示すように、連続分析の分析シーケンスの前に1回だけダミー分析が実行されることになる。
一方、バックグラウンドノイズが許容範囲を外れていると(つまりステップS8でNoと)判定されると、ダミー分析再実行判定部16はバックグラウンドノイズの除去が不十分であると判断し、ステップS8からステップS5へと戻り、ダミー分析を再度実行するようダミー分析実行制御部14に指示を与える。これにより、ダミー分析実行制御部14はすでに実施したダミー分析と同じ分析メソッドに従って同じ所定時間だけダミー分析を実施するよう各部を制御する。
そして、2回目のダミー分析の終了後に、再びステップS7、S8の処理を実施し、ステップS8でYesと判定されれば、ステップS8からステップS6へと進み、上述したように分析シーケンスに従って複数の試料に対する連続分析を実施する。この場合、図6(c)に示すように、連続分析の分析シーケンスの前に2回のダミー分析が実行されることになる。ステップS8において再びNoと判定されればステップS5へと戻り、ステップS8においてYesと判定された時点でステップS6へと進む。したがって、複数の試料に対する連続分析の実施前に、最大所定回数のダミー分析が実行されることになる。
ただし、ステップS5〜S8の処理を所定回数繰り返してもバックグラウンドノイズが許容範囲にならない場合には、許容範囲の設定自体が不適切であるか、或いは別の不具合が考えられる。そこで、ステップS5〜S8の処理を所定回数繰り返してもステップS8でNoと判定される場合には、その旨を記録してステップS6に進むか、或いは警告表示を表示部31に出力して分析を中断するとよい。
なお、ダミー分析の実行中にバックグラウンドノイズの測定を実行し、その測定によって得られたバックグラウンドノイズが許容範囲を外れている場合には、所定時間だけダミー分析の実行時間を延長するようにしてもよい。
また、バックグラウンドノイズの定義は適宜に定めることができ、その定義は検出器8の種類にも依存する。例えば検出器8として質量分析装置を利用する場合、特定の1又は複数の質量電荷比における信号強度やそれを所定時間積算した値をバックグラウンドノイズとすることができる。
なお、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜修正、変更、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…試料気化室
1a…インサート
1b…セプタム
2…キャリアガス流路
3…フローコントローラ
4…マイクロシリンジ
5…カラムオーブン
6…ヒータ
7…カラム
8…検出器
9…ガスボンベ
10…制御部
11…消耗品使用時間管理部
12…消耗品交換判定部
13…非使用時間判定部
14…ダミー分析実行制御部
15…分析実行制御部
16…ダミー分析再実行判定部
20…流量制御部
21…温度制御部
22…データ処理部
30…入力部
31…表示部

Claims (6)

  1. 試料ガス中の化合物を分離するカラムと、該カラムを内装するカラムオーブンと、前記カラムの入口に設けられ、キャリアガスの流れに乗せて試料を前記カラムに導入する試料導入部と、前記カラムを通過したあとのガス中の化合物を検出する検出部と、を具備するGC装置であって、
    a)分析の実行開始前に、当該装置の状態が、バックグラウンドノイズが相対的に高い可能性があるとして予め定められた要注意状態であるか否かを判定する装置状態判定部と、
    b)前記装置状態判定部により装置状態が要注意状態であると判定されたとき、試料についての分析の実行に先立って、前記カラムに供給するキャリアガスの流量及び前記カラムオーブンの温度を所定状態に調節しつつダミー分析を実行するダミー分析実行制御部と、
    を備えることを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
  2. 請求項1に記載のガスクロマトグラフ装置であって、
    前記要注意状態は、前記試料導入部に含まれるセプタム若しくはインサート、前記カラム、又はキャリアガスの供給源であるガスボンベを交換した直後の状態であることを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
  3. 請求項1に記載のガスクロマトグラフ装置であって、
    前記要注意状態は、当該装置における直近の最後の分析から所定時間以上が経過した状態であることを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスクロマトグラフ装置であって、
    前記ダミー分析実行制御部は、ダミー分析の際のキャリアガスの流量を当該装置で設定可能な最大流量にするとともに、カラムオーブンの温度を当該装置で設定可能な最高温度にすることを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスクロマトグラフ装置であって、
    前記ダミー分析実行制御部は、試料についての分析の条件が定められている分析メソッドに基づいて、ダミー分析の際のキャリアガスの流量及びカラムオーブン温度を決定するダミー分析条件決定部、を含むことを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスクロマトグラフ装置であって、
    前記ダミー分析実行制御部の制御の下でのダミー分析の実行中又は該ダミー分析の終了後に、前記検出部による検出信号に基づいてバックグラウンドノイズを計測するノイズ計測部をさらに備え、
    前記ダミー分析実行制御部は、前記ノイズ計測部により計測されたバックグラウンドノイズが許容範囲を外れていた場合に、ダミー分析の実行時間を延長する又はダミー分析を繰り返すことを特徴とするガスクロマトグラフ装置。
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