JP2018196972A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷開始までに要する時間を短縮する。【解決手段】印刷装置は、媒体を搬送する搬送部と、前記媒体の読み取りを実行する読取部と、前記媒体へ印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記読み取りに必要な設定を指示する読取設定コマンドに基づいて、前記印刷の開始時の前記媒体の位置である印刷開始位置を求め、前記印刷データを受信する前に、前記搬送部に前記媒体の当該印刷開始位置への搬送を開始させる。【選択図】図3
Description
本発明は、印刷装置および印刷方法に関する。
媒体を読み取る機能と当該媒体へ印刷する機能とを兼ね備えた印刷装置が知られている。
関連技術として、スキャナーによる記録媒体の光学的な読み取りを実行し、読み取られた画像データに基づき文字の解析処理を実行し、その後、ホストコンピューターから印刷実行命令を受信した場合に、記録媒体を記録ヘッドの下まで搬送して記録媒体へ印刷を行うドットインパクトプリンターが開示されている(特許文献1参照)。
上述のように媒体の読み取りと印刷とを実行する場合に、印刷開始までに要する時間を短縮する余地があった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、時間短縮に効果を発揮する印刷装置および印刷方法を提供する。
本発明の態様の一つは、印刷装置は、媒体を搬送する搬送部と、前記媒体の読み取りを実行する読取部と、前記媒体へ印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記読み取りに必要な設定を指示する読取設定コマンドに基づいて、前記印刷の開始時の前記媒体の位置である印刷開始位置を求め、前記印刷データを受信する前に、前記搬送部に前記媒体の当該印刷開始位置への搬送を開始させる。
当該構成によれば、制御部は、印刷データを受信する前に搬送部に媒体の印刷開始位置への搬送を開始させるため、印刷実行命令つまり印刷データを受信してから媒体を印刷に必要な位置へ搬送していた場合と比較して、印刷開始までに要する時間を短縮することができる。
本発明の態様の一つは、前記読取設定コマンドには、前記媒体における読取範囲を指示する読取範囲情報が含まれており、前記制御部は、受信した前記読取設定コマンドに含まれている前記読取範囲情報と、前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報とを対応付けて記録しているテーブルと、に基づいて前記印刷開始位置を求めるとしてもよい。
当該構成によれば、制御部は、受信した読取設定コマンドに含まれている読取範囲情報と、既に得ている読取範囲情報と印刷開始位置の情報との対応関係(前記テーブル)とに基づいて、印刷開始位置を効率的に求めることができる。
当該構成によれば、制御部は、受信した読取設定コマンドに含まれている読取範囲情報と、既に得ている読取範囲情報と印刷開始位置の情報との対応関係(前記テーブル)とに基づいて、印刷開始位置を効率的に求めることができる。
本発明の態様の一つは、前記読取設定コマンドには、前記媒体の読取対象とする面を指示する読取対象面情報が更に含まれており、前記制御部は、受信した前記読取設定コマンドに含まれている前記読取対象面情報および前記読取範囲情報と、前記読取対象面情報および前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報とを対応付けて記録しているテーブルと、に基づいて前記印刷開始位置を求めるとしてもよい。
当該構成によれば、制御部は、印刷開始位置をより正確に求めることができる。
当該構成によれば、制御部は、印刷開始位置をより正確に求めることができる。
本発明の態様の一つは、前記制御部は、受信した前記読取設定コマンドに含まれている少なくとも前記読取範囲情報と、当該読取設定コマンドに基づく前記媒体の読み取り後に受信した前記印刷データに含まれている前記印刷開始位置の情報とを対応付けて前記テーブルに記録するとしてもよい。
当該構成によれば、制御部は、読取設定コマンドに基づいて印刷開始位置を求める際に有用な前記テーブルを生成することができる。
当該構成によれば、制御部は、読取設定コマンドに基づいて印刷開始位置を求める際に有用な前記テーブルを生成することができる。
本発明の態様の一つは、前記制御部は、前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報との組み合わせ毎に、当該組み合わせを前記読取設定コマンドと前記印刷データとの受信に応じて取得した回数を記録し、当該回数が所定のしきい値以上となった前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報との組み合わせを、前記テーブルにおいて有効な記録とするとしてもよい。
当該構成によれば、制御部は、前記時間短縮に繋がる可能性が所定程度以上に高い読取範囲情報と印刷開始位置の情報との組み合わせだけを前記テーブルにおいて有効な情報として記録することができる。
当該構成によれば、制御部は、前記時間短縮に繋がる可能性が所定程度以上に高い読取範囲情報と印刷開始位置の情報との組み合わせだけを前記テーブルにおいて有効な情報として記録することができる。
本発明の態様の一つは、前記制御部は、前記読取設定コマンドと前記印刷データとの受信の度に取得した前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報との複数の組み合わせに、同じ前記読取範囲情報と異なる前記印刷開始位置の情報との組み合わせが含まれている場合、その後に受信した前記読取設定コマンドに基づく前記媒体の読み取り後、前記印刷データを受信する前に、前記搬送部に、前記媒体の中央領域を前記印刷部の位置に合わせる搬送を開始させるとしてもよい。
当該構成によれば、制御部は、媒体に対する読取範囲は同じであるが媒体の印刷開始位置は異なるという状況が続く場合には、読取設定コマンド(読取範囲情報)に基づいて印刷開始位置を求めることは困難であるため、媒体の中央領域を印刷部の位置に合わせる搬送をさせることで、その後の媒体の搬送量をできるだけ少なくすることができる。
当該構成によれば、制御部は、媒体に対する読取範囲は同じであるが媒体の印刷開始位置は異なるという状況が続く場合には、読取設定コマンド(読取範囲情報)に基づいて印刷開始位置を求めることは困難であるため、媒体の中央領域を印刷部の位置に合わせる搬送をさせることで、その後の媒体の搬送量をできるだけ少なくすることができる。
本発明の技術的思想は、印刷装置というカテゴリー以外にも様々な態様にて実現される。例えば、媒体を搬送する搬送工程と、前記媒体の読み取りを実行する読取工程と、前記媒体へ印刷データに基づく印刷を実行する印刷工程と、前記読み取りに必要な設定を指示する読取設定コマンドに基づいて、前記印刷の開始時の前記媒体の位置である印刷開始位置を求め、前記印刷データを受信する前に、前記搬送工程の一部として、前記媒体の当該印刷開始位置への搬送を開始する印刷方法を、一つの発明として捉えることができる。
また、前記方法をハードウェア(コンピューター)に実行させるプログラムや、プログラムを記憶したコンピューター読取可能な記憶媒体も、それぞれ発明として成立する。
また、前記方法をハードウェア(コンピューター)に実行させるプログラムや、プログラムを記憶したコンピューター読取可能な記憶媒体も、それぞれ発明として成立する。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。
1.装置の概略的説明:
図1は、本実施形態にかかる印刷装置10の構成を簡易的に示している。
印刷装置10は、例えば、制御部11、搬送部12、読取部13、印刷部14、通信インターフェイス(IF)15、記憶部16等を備える。制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有する1つ又は複数のICや、その他のメモリー等を含んで構成される。制御部11は、インストールされたプログラムとハードウェアとが協働することにより、印刷装置10全体の挙動を制御する。記憶部16は、不揮発性の記憶装置である。記憶部16は、制御部11の一部であってもよい。印刷装置10は、据え置き型のプリンターであってもよいし、持ち運び可能な小型のプリンター(モバイルプリンター)であってもよい。
図1は、本実施形態にかかる印刷装置10の構成を簡易的に示している。
印刷装置10は、例えば、制御部11、搬送部12、読取部13、印刷部14、通信インターフェイス(IF)15、記憶部16等を備える。制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有する1つ又は複数のICや、その他のメモリー等を含んで構成される。制御部11は、インストールされたプログラムとハードウェアとが協働することにより、印刷装置10全体の挙動を制御する。記憶部16は、不揮発性の記憶装置である。記憶部16は、制御部11の一部であってもよい。印刷装置10は、据え置き型のプリンターであってもよいし、持ち運び可能な小型のプリンター(モバイルプリンター)であってもよい。
搬送部12は、制御部11による制御下で媒体を搬送する。媒体とは、代表的には用紙であるが、紙以外の素材による媒体であってもよい。搬送部12は、例えば、図2に示すように、媒体Pを搬送するためのローラー12aや、ローラー12aを回転させるための動力を発生させるモーター12bや、モーター12bが生み出した動力をローラー12aへ伝えるためのギア輪列(不図示)等の構成を備える。
読取部13は、搬送部12により搬送される媒体Pを制御部11による制御下で光学的に読み取る。読取部13は、知られているように、光源、光学系、撮像素子等を含んでいる。光源が照射する光は、読取対象の媒体Pによって反射され、媒体Pからの反射光は光学系によって撮像素子に結像する。撮像素子は、結像した光に応じて読取結果を出力する。制御部11は、撮像素子から出力された読取結果に対して、適宜、画像処理や解析を加えたり、切り出しを行なったりし、読取結果としての画像データを、例えば記憶部16に保存したり、外部へ送信したりすることができる。
印刷部14は、搬送部12により搬送される媒体Pに対して、制御部11による制御下で印刷データに基づく印刷を実行する。印刷部14が採用する印刷方式は、インクジェット方式であったり、電子写真方式であったり様々である。印刷部14はインクジェット方式を採用する場合、知られているように、ノズルからインクを吐出する印刷ヘッド、印刷ヘッドを主走査方向に沿って移動させるキャリッジ、印刷ヘッドへ供給するインクを保有するカートリッジ等を含んでいる。
通信IF15は、公知の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線あるいは無線で外部と通信を実行するIFである。例えば、通信IF15に対して外部のホストコンピューター20が接続され、媒体Pの読取結果としての画像データが通信IF15を介してホストコンピューター20へ送信される。また、ホストコンピューター20から印刷装置10に対して送信された読み取りや印刷に関する各種コマンド等が、通信IF15を介して印刷装置10により受信される。
印刷装置10は、媒体Pに対して、読取部13による読み取りと、印刷部14による印刷との一方のみを実行したり、両方を実行したりすることができる。読取部13を有する点で、印刷装置10をスキャナーと呼んでもよい。また、読取部13および印刷部14を有する点で、印刷装置10をスキャナーおよびプリンターを兼ねた複合機と呼ぶこともできる。図示は省略しているが、印刷装置10は、視覚的情報を表示するための表示部や、ユーザーからの操作を受け付けるためのタッチパネルや物理ボタン等の操作部といった公知の構成を適宜備える。
図2は、印刷装置10の筐体内の一部分を簡易的に示している。図2では、左側を印刷装置10の前面側FS、右側を印刷装置10の背面側RSと呼ぶ。媒体Pは、例えば、前面側FSに形成された挿入排出口17から印刷装置10内へ挿入され、搬送部12(12a,12b)により搬送方向Dに沿って搬送される。また、印刷装置10内の媒体Pは、搬送部12により搬送方向Dに沿って搬送され、挿入排出口17から印刷装置10外へ排出される。つまり、搬送部12は、ローラー12aの回転方向を切り替えることにより、搬送方向Dにおいて、前面側FSから背面側RSへの向き(正方向)に媒体Pを搬送したり、背面側RSから前面側FSへの向き(逆方向)に媒体Pを搬送したりすることができる。詳しい説明は省くが、印刷装置10は、ローラー12aの回転量や回転方向を検出するエンコーダーを有しており、制御部11は、エンコーダーからの出力に応じてモーター12bの駆動をフィードバック制御する。なお図2では、媒体Pを搬送するためのローラー12aを1つ(1対)しか示していないが、ローラー12aの数は限定されない。
読取部13および印刷部14は搬送方向Dにおいて離間して配設されており、図2の例では、読取部13よりも印刷部14の方が前面側RSに配設されている。ただし、読取部13と印刷部14との位置関係は逆であってもよい。読取部13は、搬送方向Dと直交する方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って並ぶ複数の撮像素子によるラインセンサーを有しており、1回の読取動作で1ラインの画像を読み取る。読取部13は、搬送部12による搬送中の媒体Pを対象として1ライン分の読み取りを所定の頻度で繰り返すことにより、媒体Pの面の読取結果を得る。図2では、媒体Pの搬送経路Wを挟んで対向する2つの読取部13を示している。つまり、制御部11は、2つの読取部13それぞれに読取動作を実行させることにより、媒体Pの両面の読取結果を得ることができる。便宜上、図2において媒体Pの上側の面を媒体Pの表面と呼び、図2において媒体Pの下側の面を媒体Pの裏面と呼ぶ。
印刷部14がインクジェット方式を採用する場合、印刷ヘッドが移動する主走査方向は、搬送方向Dと直交する方向(図2の紙面に垂直な方向)となる。制御部11は、搬送部12により印刷部14に対して搬送した媒体Pについて、搬送部12による所定距離(例えば、搬送方向Dにおける印刷ヘッドの幅に相当する距離)の搬送(紙送り)と、印刷ヘッドの駆動(主走査方向に沿った移動を伴うインク吐出)とを交互に実行させることにより、媒体Pへの印刷を実現させる。なお、印刷部14は、上述のようにキャリッジにより主走査方向へ移動する印刷ヘッドの替わりに、固定されて移動しない印刷ヘッドであって主走査方向に沿って複数のノズルを有するいわゆるライン型ヘッドを有する構成であってもよい。
図2に示す前面側FSに挿入排出口17が設けられた構成は一例である。挿入排出口17は、例えば、背面側RSに設けてもよい。あるいは、媒体Pの挿入口と排出口を分け、前面側FSと背面側RSの一方に挿入口を設け、他方に排出口を設けてもよい。
2.読取印刷処理の説明:
次に、本実施形態における媒体Pの読取印刷処理(印刷方法)を説明する。ホストコンピューター20には、印刷装置10による媒体Pの読み取りおよび当該媒体Pへの印刷を制御するアプリケーションが搭載されている。印刷装置10は、ホストコンピューター20(アプリケーション)からの指示に応じて、媒体Pの読み取りを実行し、当該媒体Pへの印刷を実行する。また、印刷装置10による媒体Pの読み取りと印刷との間には、媒体Pの読取結果に対するホストコンピューター20(アプリケーション)による照合処理が実行される。
次に、本実施形態における媒体Pの読取印刷処理(印刷方法)を説明する。ホストコンピューター20には、印刷装置10による媒体Pの読み取りおよび当該媒体Pへの印刷を制御するアプリケーションが搭載されている。印刷装置10は、ホストコンピューター20(アプリケーション)からの指示に応じて、媒体Pの読み取りを実行し、当該媒体Pへの印刷を実行する。また、印刷装置10による媒体Pの読み取りと印刷との間には、媒体Pの読取結果に対するホストコンピューター20(アプリケーション)による照合処理が実行される。
図3は、印刷装置10が実行する1枚の媒体Pを対象とした読取印刷処理をフローチャートにより示している。印刷装置10は、媒体P毎に当該読取印刷処理を実行する。
ホストコンピューター20は、先ず、スキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドを生成し、印刷装置10へ送信する。この結果、印刷装置10の制御部11は、通信IF15を介してホストコンピューター20からスキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドを受信する(ステップS100)。
ホストコンピューター20は、先ず、スキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドを生成し、印刷装置10へ送信する。この結果、印刷装置10の制御部11は、通信IF15を介してホストコンピューター20からスキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドを受信する(ステップS100)。
スキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドを受信した制御部11は、スキャン設定コマンドに従って読取条件を設定する(ステップS110)。スキャン設定コマンドは、媒体Pの読み取りに必要な設定を指示するコマンドである。具体的には、スキャン設定コマンドは、読取解像度、読取モード(カラースキャンモードまたはモノクロスキャンモード)、読取対象面(表面、裏面、表面および裏面の両方、のいずれか)、読取範囲、等といった種々の条件を具体的に指示している。そのため、制御部11は、これから搬送部12および読取部13を制御して実行する媒体Pの読み取りに際して採用する読取条件を、スキャン設定コマンドが指示する通りに設定する。
スキャン実行コマンドは、スキャン設定コマンドに従った設定による媒体Pの読み取りおよび読取結果の送信の指示である。そこでステップS120では、制御部11は、ステップS110で設定した読取条件の下で、搬送部12および読取部13を制御し、読取部13による媒体Pの読み取りを実行させる。なお、前記ではステップS100で印刷装置10がホストコンピューター20から受信するコマンドを、スキャン設定コマンド、スキャン実行コマンドというように分けて称したが、これらコマンドをまとめて、例えば、スキャンコマンド等と称してもよい。
図4は、読取印刷処理の対象となる媒体Pの一例を示している。媒体Pが印刷装置10へ挿入されたときに背面側RSを向く媒体Pの端部を、媒体Pの先端PEと呼ぶ。図4に示す媒体Pは、特定の業務等に用いられる帳表であるとする。当該帳表(媒体P)は、所定の固有情報領域に固有情報が付されており、また、印刷用の印刷領域Zが予め設けられている。図4の例では、先端PEの近傍の破線の矩形で示した領域が、固有情報領域である。ただし、このような破線の矩形が、実際に媒体P上に描かれている訳ではない。固有情報は、ホストコンピューター20(アプリケーション)による照合処理に用いられる情報である。例えば、ユーザー(社員あるいは顧客等の、業務上想定されるユーザー)を識別するための識別情報や、帳表1枚1枚を識別するためのシリアル番号等が固有情報の具体例に該当する。図4の例では、“12345***”というように文字列が固有情報として媒体Pに付されている。ただし、固有情報は、人間が視認可能な文字の形態以外にも、バーコード(2次元バーコード含む)等の形態で媒体Pに付されているとしてもよい。
印刷装置10は、このような固有情報を読み取る。言い換えると、ステップS100で受信するスキャン設定コマンドは、媒体P上の固有情報領域の読み取りに必要な設定を指示するコマンドである。固有情報領域が設けられている媒体Pの面が、例えば表面である場合、読取対象面として表面がスキャン設定コマンドにより指示されている。また、スキャン設定コマンドは、固有情報領域を読取範囲として指示している。具体的には、固有情報領域の起点(当該領域の左上の隅)を示す座標(xS,yS)および固有情報領域の終点(当該領域の右下の隅)を示す座標(xE,yE)が、スキャン設定コマンドにより指示されている。起点(xS,yS)および終点(xE,yE)は、例えば、媒体Pの原点(媒体Pの左上の隅)を基準とした位置情報である(図4参照)。“y”で示す座標は媒体Pにおける縦方向(搬送方向D)の座標を、“x”で示す座標は媒体Pにおける横方向(搬送方向Dと直交する方向=ラインセンサーの長手方向)の座標を、それぞれ意味しているとする。
印刷装置10は、例えば、挿入排出口17から挿入されてローラー12aによる搬送が開始された直後の媒体Pの先端PEを検知する媒体端センサーを有する。そのため、制御部11は、媒体端センサーにより媒体Pの先端PEが検出された後は、前記エンコーダーからの出力に応じて、搬送方向Dにおける媒体Pの現在位置(先端PEの現在位置)を認識している。従って、制御部11は、ステップS100で受信したスキャン設定コマンド(ステップS110で設定した読取条件)に従うことにより、ステップS120では、搬送部12によって搬送される媒体Pが読取部13を通過する過程で、読取対象面の読取範囲(起点(xS,yS)および終点(xE,yE)によって定義される矩形)を読取部13に読み取らせることにより、媒体Pの一部分、つまり固有情報領域の読取結果を得ることができる。
ただし、ステップS120における媒体Pの読み取りは、読取範囲を媒体Pの固有情報領域に厳密に規制した読み取りではなく、媒体P上の固有情報領域を含む範囲を読み取る処理であってもよい。例えば、制御部11は、ステップS120では、搬送部12によって搬送される媒体Pが読取部13を通過する過程で、読取対象面のy=yS〜yEの範囲を読取部13に読み取らせる。そして、制御部11は、読取部13から取得した読取結果から、必要な範囲(x=xS〜xEの範囲)の画像データを切り出すことにより、結果的に、媒体Pの固有情報領域の読取結果を得るとしてもよい。
ステップS130では、制御部11は、媒体Pの読取範囲情報に基づき、当該媒体Pの印刷の開始時の位置(印刷開始位置)を特定する。ステップS130で用いる読取範囲情報とは、当然、ステップS100で受信したスキャン設定コマンド(ステップS110で設定した読取条件)が指示する読取範囲(起点(xS,yS)および終点(xE,yE))の情報である。ステップS130では、制御部11は、記憶部16に保存されているテーブル30を参照し、読取範囲情報に対応付けられた印刷開始位置情報がテーブル30に記録されている場合に、当該印刷開始位置情報をテーブル30から読み出すことにより印刷開始位置を特定する。
図5は、テーブル30の記録内容が遷移する様子を例示している。テーブル30は、読取範囲情報と印刷開始位置情報とを対応付けて記録している。ただし、初期状態のテーブル30(図5の上段に示すテーブル30)は空の状態、つまり読取範囲情報と印刷開始位置情報との対応関係が一切記録されていない状態である。テーブル30への情報の記録は、後述するようにステップS210で実行される。従って、読取印刷処理(図3)が少なくとも1回実施された後の読取印刷処理(図3)におけるステップS130でなけば、制御部11は、媒体Pの読取範囲情報に基づいて印刷開始位置を特定することはできない。
ステップS130で読取範囲情報に対応付けられた印刷開始位置情報をテーブル30から読み出すことができた場合、つまり印刷開始位置の特定に成功した場合、制御部11は、ステップS140の分岐で“Yes”と判定し、ステップS150へ進む。
一方、ステップS130で読取範囲情報に対応付けられた印刷開始位置情報をテーブル30から読み出すことができなかった場合、つまり印刷開始位置の特定に失敗した場合、制御部11は、ステップS140の分岐で“No”と判定し、ステップS160へ進む。
なお、ステップS130,S140の処理は、ステップS110の後であれば実行可能であるため、制御部11は、ステップS120(媒体Pの読み取り)と並行してステップS130,S140の処理を実行してもよい。
一方、ステップS130で読取範囲情報に対応付けられた印刷開始位置情報をテーブル30から読み出すことができなかった場合、つまり印刷開始位置の特定に失敗した場合、制御部11は、ステップS140の分岐で“No”と判定し、ステップS160へ進む。
なお、ステップS130,S140の処理は、ステップS110の後であれば実行可能であるため、制御部11は、ステップS120(媒体Pの読み取り)と並行してステップS130,S140の処理を実行してもよい。
ステップS150では、制御部11は、ステップS120で実行(開始)した媒体Pの読み取り終了後、引き続き搬送部12を制御し、ステップS130で特定した印刷開始位置情報が示す印刷開始位置へ媒体Pを搬送させる。
一方、ステップS160では、制御部11は、ステップS120で実行(開始)した媒体Pの読み取り終了後、搬送部12による媒体Pの搬送を停止させる。
一方、ステップS160では、制御部11は、ステップS120で実行(開始)した媒体Pの読み取り終了後、搬送部12による媒体Pの搬送を停止させる。
テーブル30が記録する印刷開始位置情報を、縦方向位置情報と呼ぶ。縦方向位置情報は、媒体Pの先端PEを基準とした媒体Pにおける縦方向(搬送方向D)の位置情報であり、図4では符号“V”により例示している。媒体Pが図4に示すような帳表である場合、縦方向位置情報Vは、例えば、先端PEから印刷領域Z内の1行目までの距離を示す値となっている。
そこで、ステップS150では、制御部11は、ステップS130でテーブル30から読み出した縦方向位置情報Vが示す媒体P上の位置が、印刷部14の所定位置HP(図2参照)と一致する位置へ、媒体Pを搬送する。所定位置HPは、搬送方向Dにおける、印刷部14が有する印刷ヘッドの所定位置である。上述したように、制御部11は、搬送方向Dにおける媒体Pの先端PEの現在位置を把握している。また、搬送方向Dにおける印刷部14の位置は不変であるため、所定位置HPは既知である。従って、制御部11は、搬送方向Dにおける、現在の先端PEを基準とした縦方向位置情報Vが示す媒体P上の位置と、所定位置HPとの距離を算出し、当該算出した距離が0となるように搬送部12に媒体Pを搬送させる。このような縦方向位置情報Vは、直接的には、媒体P上における印刷開始位置を示す情報であるが、当該Vが異なれば、印刷開始時の媒体Pの印刷部14との相対的な位置が異なるため、印刷開始時の媒体Pの位置を示す情報であるとも言える。
ステップS170では、制御部11は、ステップS120の媒体Pの読み取りで得られた固有情報領域の読取結果(画像データ)を、通信IF15を介して、スキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドの送信元であるホストコンピューター20へ送信する。制御部11は、ステップS170を、ステップS120の媒体Pの読み取り終了後に実行する。従って、ステップS140の分岐からステップS150へ進んだ場合には、制御部11は、ステップS150の媒体Pの搬送と、ステップS170の画像データの送信とを並行して実行するとしてもよい。
媒体Pの固有情報領域の読取結果(画像データ)を印刷装置10から受信したホストコンピューター20(アプリケーション)は、当該画像データを解析して当該画像データに含まれている固有情報を抽出する。そして、抽出した固有情報を用いて照合処理を実行する。照合処理の具体例は様々であるが、ホストコンピューター20は、例えば、ユーザーの識別情報である前記抽出した固有情報を、予め記憶したユーザー(登録ユーザー)毎の識別情報と照合する。そして、前記抽出した固有情報がいずれかの登録ユーザーの識別情報と一致する場合に、前記抽出した固有情報に対応するユーザー(登録ユーザーの1人)に専用の印刷データを生成する。ユーザーに専用の印刷データの内容も様々であるが、例えば、ユーザー(社員)の勤務記録や給与明細を印刷するための印刷データであったり、ユーザー(顧客)が保有するサービスポイントを印刷するための印刷データであったりする。
あるいは、ホストコンピューター20は、媒体Pのシリアル番号である前記抽出した固有情報を、予め記憶した媒体P毎のシリアル番号(登録シリアル番号)と照合する。そして、前記抽出した固有情報がいずれかの登録シリアル番号と一致する場合に、前記抽出した固有情報が示すシリアル番号に専用の印刷データを生成する。シリアル番号に専用の印刷データの内容も様々であるが、例えば、シリアル番号に紐付けられた請求書や注文書や伝票類を印刷するための印刷データが該当する。
いずれにしても、媒体Pの固有情報領域の読取結果(画像データ)を印刷装置10から受信したホストコンピューター20は、当該画像データを解析して抽出した固有情報が、正当な固有情報であるか否かを照合し、正当な固有情報である場合に、当該固有情報に紐付けられた内容の印刷データを生成する。そして、ホストコンピューター20は、このように生成した印刷データを、スキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドの送信先(媒体Pの固有情報領域の読取結果(画像データ)の送信元)である印刷装置10へ送信する。
従って、ステップS170の後、制御部11は、通信IF15を介してホストコンピューター20から印刷データを受信する(ステップS180)。上述のようにホストコンピューター20が生成する印刷データは、例えば、所定のページ記述言語やビットマップ形式等、印刷装置10(印刷部14)が印刷実行に際して解釈可能なフォーマットで表現されている。また、このような印刷データは、印刷実行に必要な印刷設定も含んでおり、印刷設定の中には、媒体Pの先端PEを基準とした媒体P上の印刷開始位置、つまり縦方向位置情報Vも含まれている。
ステップS190では、制御部11は、ステップS180で受信した印刷データが示す印刷開始位置と、媒体Pの現在位置とを比較する。“印刷データが示す印刷開始位置”とは、当該印刷データに含まれている縦方向位置情報Vが示す媒体P上の位置が搬送方向Dにおいて所定位置HPと一致する状態の媒体Pの位置、である。制御部11は、印刷データが示す印刷開始位置と媒体Pの現在位置とが一致する場合には、ステップS200の分岐で“Yes”と判定し、ステップS220へ進む。一方、印刷データが示す印刷開始位置と媒体Pの現在位置とが一致しない場合には、ステップS200の分岐で“No”と判定し、ステップS210へ進む。
ステップS140の分岐からステップS160へ進んだ場合は、媒体Pの現在位置は、読み取り(ステップS120)終了時点で搬送が停止したときの位置のままである。そのため、ステップS200の判定は“No”となり、ステップS210へ進むことになる。
一方、ステップS140の分岐からステップS150へ進んだ場合は、ステップS150の搬送により、媒体Pは、ステップS130で読み出された縦方向位置情報Vが示す位置が所定位置HPと一致する位置に在る状態となる。そのため、ステップS200の判定は“Yes”となとなり、ステップS210をスキップしてステップS220へ進むことになる。
一方、ステップS140の分岐からステップS150へ進んだ場合は、ステップS150の搬送により、媒体Pは、ステップS130で読み出された縦方向位置情報Vが示す位置が所定位置HPと一致する位置に在る状態となる。そのため、ステップS200の判定は“Yes”となとなり、ステップS210をスキップしてステップS220へ進むことになる。
ステップS210では、制御部11は、搬送部12を制御し、印刷データが示す印刷開始位置へ媒体Pを搬送させる。つまり、ステップS180で受信した印刷データに含まれている縦方向位置情報Vが示す媒体P上の位置が搬送方向Dにおいて所定位置HPと一致するように、媒体Pを搬送させる。ステップS210における媒体Pの搬送は、ホストコンピューター20からの印刷指示(印刷データ)に従った通常の搬送である。
さらにステップS210では、制御部11は、読取範囲情報と印刷開始位置情報との新たな対応関係をテーブル30へ追加記録する。ここで言う新たな対応関係とは、現時点でテーブル30に記録されていない対応関係であり、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報(固有情報領域の起点および終点)と、ステップS180で受信した印刷データに含まれている縦方向位置情報との対応関係である。図5の中段に示すように、ステップS210の結果、例えば、読取範囲情報としての起点(x1,y1)および終点(x2,y2)と、縦方向位置情報v1とが対応付けられてテーブル30へ記録されたとする。
ステップS220では、制御部11は、搬送部12および印刷部14を制御し、ステップS180で受信した印刷データに基づく媒体Pへの印刷を実行させる。ステップS220の時点では、媒体Pは印刷開始位置に在るため、上述した印刷ヘッドの駆動と紙送りとの繰り返しを開始することにより、媒体Pの印刷領域Zに印刷データが表現する内容を印刷することができる。以上で、1枚の媒体Pを対象とした読取印刷処理が終了する。言うまでもないが、制御部11は、印刷を終えた媒体Pを、搬送部12を制御して挿入排出口17から排出させる。
ここで、図5の中段に示すテーブル30が記憶部16に保存されている状態で、1枚の媒体Pを対象として読取印刷処理を実行する具体的ケースを幾つか説明する。
先ず、第1のケースとして、ステップS100でホストコンピューター20から受信したスキャン設定コマンドが、読取範囲情報として起点(x1,y1)および終点(x2,y2)を指示している場合を想定する。第1のケースでは、制御部11は、ステップS130でテーブル30を参照し、テーブル30において起点(x1,y1)および終点(x2,y2)に対応付けられている縦方向位置情報v1を読み出すことができる。従って、ステップS140の分岐では“Yes”と判定し、ステップS150へ進み、媒体Pの読み取り(ステップS120)終了後、縦方向位置情報v1に基づいて媒体Pを印刷開始位置へ搬送する。その後、ステップS180でホストコンピューター20から受信する印刷データには、印刷開始位置として、起点(x1,y1)および終点(x2,y2)に対応する縦方向位置情報v1が含まれていることが想定されるが、縦方向位置情報v1が示す印刷開始位置へ媒体Pが既に搬送されているため、ステップS200の分岐で“Yes”と判定し、ステップS210をスキップして即座にステップS220(印刷)を開始することができる。
先ず、第1のケースとして、ステップS100でホストコンピューター20から受信したスキャン設定コマンドが、読取範囲情報として起点(x1,y1)および終点(x2,y2)を指示している場合を想定する。第1のケースでは、制御部11は、ステップS130でテーブル30を参照し、テーブル30において起点(x1,y1)および終点(x2,y2)に対応付けられている縦方向位置情報v1を読み出すことができる。従って、ステップS140の分岐では“Yes”と判定し、ステップS150へ進み、媒体Pの読み取り(ステップS120)終了後、縦方向位置情報v1に基づいて媒体Pを印刷開始位置へ搬送する。その後、ステップS180でホストコンピューター20から受信する印刷データには、印刷開始位置として、起点(x1,y1)および終点(x2,y2)に対応する縦方向位置情報v1が含まれていることが想定されるが、縦方向位置情報v1が示す印刷開始位置へ媒体Pが既に搬送されているため、ステップS200の分岐で“Yes”と判定し、ステップS210をスキップして即座にステップS220(印刷)を開始することができる。
次に、第2のケースとして、ステップS100でホストコンピューター20から受信したスキャン設定コマンドが、読取範囲情報として起点(x3,y3)および終点(x4,y4)を指示している場合を想定する。第2のケースでは、制御部11は、ステップS130では起点(x3,y3)および終点(x4,y4)に対応する縦方向位置情報をテーブル30から読み出すことはできない。従って、ステップS140の分岐では“No”と判定し、ステップS160へ進み、媒体Pの読み取り(ステップS120)終了後、媒体Pの搬送を停止する。その後、ステップS180でホストコンピューター20から受信する印刷データには、印刷開始位置として、起点(x3,y3)および終点(x4,y4)に対応する縦方向位置情報(例えば、縦方向位置情報v2)が含まれている。第2のケースのステップS190の段階では、媒体Pの現在位置は、読み取り(ステップS120)終了時点で搬送が停止したときの位置のままであるから、ステップS200の分岐で“No”と判定し、ステップS210へ進む。
第2のケースでは、制御部11は、ステップS210において、縦方向位置情報v2に基づいて媒体Pを印刷開始位置へ搬送し、かつ、読取範囲情報と印刷開始位置情報との新たな対応関係をテーブル30へ追加記録する。第2のケースにおける新たな対応関係とは、当然、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報(起点(x3,y3)および終点(x4,y4))と、ステップS180で受信した印刷データに含まれている縦方向位置情報v2との対応関係である。従って、第2のケースのステップS210の結果、図5の下段に示すように、読取範囲情報としての起点(x3,y3)および終点(x4,y4)と、縦方向位置情報v2とが対応付けられてテーブル30へ記録される。
以後も、媒体P毎の読取印刷処理(図3)が繰り返し実行され、第1のケースのように、スキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報に基づいてテーブル30から印刷開始位置情報(縦方向位置情報)を読み出すことができたり(ステップS130,S140→S150)、第2のケースのように、スキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報に基づいてテーブル30から印刷開始位置情報(縦方向位置情報)を読み出すことができなかったりする(ステップS130,S140→S160)。第2のケースのように、その時点でテーブル30に記録されていない読取範囲情報を含んだスキャン設定コマンドがホストコンピューター20から送信されるケースが続けば、テーブル30に記録される読取範囲情報と印刷開始位置情報(縦方向位置情報)との組み合わせが増えることになる。
3.本実施形態による効果:
このように本実施形態によれば、印刷装置10は、媒体Pを搬送する搬送部12と、媒体Pの読み取りを実行する読取部13と、媒体Pへ印刷データに基づく印刷を実行する印刷部14と、制御部11とを備える。そして、制御部11は、読み取りに必要な設定を指示するスキャン設定コマンドに基づいて、印刷開始時の媒体Pの位置である印刷開始位置を求め(ステップS100,S130)、印刷データを受信(ステップS180)する前に、搬送部12に媒体Pの当該印刷開始位置への搬送を開始させる(ステップS150)。つまり、制御部11は、スキャン設定コマンドに基づいて印刷開始位置を求めることができた場合(印刷開始位置の特定に成功した場合、ステップS140において“Yes”)印刷データの受信を待たずに、搬送部12に媒体Pの印刷開始位置への搬送を開始させる。そのため、従来のように印刷データを受信してから印刷データに基づいて媒体Pを印刷に必要な位置へ搬送していた場合と比較して、印刷データを受信してから印刷(ステップS220)を開始するまでに要する時間を短縮することができる(時短効果を奏する)。この結果、媒体Pの読み取りおよび印刷を完了するまでのトータルの時間を短縮することができる。
このように本実施形態によれば、印刷装置10は、媒体Pを搬送する搬送部12と、媒体Pの読み取りを実行する読取部13と、媒体Pへ印刷データに基づく印刷を実行する印刷部14と、制御部11とを備える。そして、制御部11は、読み取りに必要な設定を指示するスキャン設定コマンドに基づいて、印刷開始時の媒体Pの位置である印刷開始位置を求め(ステップS100,S130)、印刷データを受信(ステップS180)する前に、搬送部12に媒体Pの当該印刷開始位置への搬送を開始させる(ステップS150)。つまり、制御部11は、スキャン設定コマンドに基づいて印刷開始位置を求めることができた場合(印刷開始位置の特定に成功した場合、ステップS140において“Yes”)印刷データの受信を待たずに、搬送部12に媒体Pの印刷開始位置への搬送を開始させる。そのため、従来のように印刷データを受信してから印刷データに基づいて媒体Pを印刷に必要な位置へ搬送していた場合と比較して、印刷データを受信してから印刷(ステップS220)を開始するまでに要する時間を短縮することができる(時短効果を奏する)。この結果、媒体Pの読み取りおよび印刷を完了するまでのトータルの時間を短縮することができる。
また本実施形態によれば、スキャン設定コマンドには、媒体Pにおける読取範囲を指示する読取範囲情報が含まれており、制御部11は、ホストコンピューター20から受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報と、読取範囲情報と印刷開始位置情報とを対応付けて記録しているテーブル30と、に基づいて印刷開始位置を求める(ステップS130)。当該構成によれば、制御部11は、受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報と、既に得ている読取範囲情報と印刷開始位置情報との対応関係を記録したテーブル30とに基づいて、印刷データを受信する前に印刷開始位置を効率的に求めることができる。
また本実施形態によれば、制御部11は、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報と、スキャン設定コマンドに基づく媒体Pの読み取り(ステップS120)の後にステップS180で受信した印刷データに含まれている印刷開始位置情報とを対応付けてテーブル30に記録する(ステップS210)。当該構成によれば、制御部11は、今後受信するスキャン設定コマンドに基づいて印刷開始位置を求める際に有用なテーブル30を生成することができる。
本実施形態の効果を、具体的な場面を想定して更に説明する。
印刷装置10は、同一形式の媒体(例えば、図4に示すような帳表としての媒体P)を対象として読み取りおよび印刷を行う場合がある。同一形式とは、媒体サイズを始めとして、媒体内の固有情報領域の位置や印刷領域の位置が同じという意味である。例えば、印刷装置10は、ユーザー毎の固有情報が固有情報領域に付された同一形式の複数の帳表(媒体P)を対象として、固有情報領域の読み取りおよび固有情報に応じた印刷データに基づく印刷(読取印刷処理、図3)を繰り返し実行する。このとき、帳表(媒体P)は同一形式であるから、固有情報領域の読取範囲情報と印刷開始位置との対応関係を一度把握すれば、以後は、同じ読取範囲情報を得たとき、当該対応関係を参照することで印刷開始位置を知ることができる。
印刷装置10は、同一形式の媒体(例えば、図4に示すような帳表としての媒体P)を対象として読み取りおよび印刷を行う場合がある。同一形式とは、媒体サイズを始めとして、媒体内の固有情報領域の位置や印刷領域の位置が同じという意味である。例えば、印刷装置10は、ユーザー毎の固有情報が固有情報領域に付された同一形式の複数の帳表(媒体P)を対象として、固有情報領域の読み取りおよび固有情報に応じた印刷データに基づく印刷(読取印刷処理、図3)を繰り返し実行する。このとき、帳表(媒体P)は同一形式であるから、固有情報領域の読取範囲情報と印刷開始位置との対応関係を一度把握すれば、以後は、同じ読取範囲情報を得たとき、当該対応関係を参照することで印刷開始位置を知ることができる。
本実施形態では、このような観点により、媒体における固有情報領域の読取範囲情報と印刷開始位置との対応関係を記録し、以後は、記録済みの読取範囲情報と同じ読取範囲情報をスキャン設定コマンドから得たとき、当該対応関係を参照し、印刷データを受信するよりも前に印刷開始位置を特定するようにしている。従って、印刷データを受信するよりも前に、当該特定した印刷開始位置へ媒体を搬送することができ、上述したような時短効果を生じさせる。このように本実施形態は、同一形式の媒体を対象とした読取印刷処理を複数回実行する場面において特に大きな効果を発揮すると言える。
4.変形例:
本実施形態は上述の態様に限られない。以下に本実施形態に含まれる様々な変形例について説明する。各変形例については、これまで説明した実施形態と異なる事項を説明する。
本実施形態は上述の態様に限られない。以下に本実施形態に含まれる様々な変形例について説明する。各変形例については、これまで説明した実施形態と異なる事項を説明する。
第1変形例:
上述したようにスキャン設定コマンドには、読取対象面を指示する情報も含まれている。そこで、制御部11は、ステップS210では、制御部11は、読取対象面情報と読取範囲情報と印刷開始位置情報との新たな対応関係をテーブル30へ追加記録するとしてもよい。ここで言う新たな対応関係とは、ステップS210の時点でテーブル30に記録されていない対応関係であり、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取対象面を示す読取対象面情報と、読取範囲情報(固有情報領域の起点および終点)と、ステップS180で受信した印刷データに含まれている縦方向位置情報との対応関係である。
上述したようにスキャン設定コマンドには、読取対象面を指示する情報も含まれている。そこで、制御部11は、ステップS210では、制御部11は、読取対象面情報と読取範囲情報と印刷開始位置情報との新たな対応関係をテーブル30へ追加記録するとしてもよい。ここで言う新たな対応関係とは、ステップS210の時点でテーブル30に記録されていない対応関係であり、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取対象面を示す読取対象面情報と、読取範囲情報(固有情報領域の起点および終点)と、ステップS180で受信した印刷データに含まれている縦方向位置情報との対応関係である。
図6は、読取対象面情報と、読取範囲情報(固有情報領域の起点および終点)と、印刷開始位置情報(縦方向位置情報)との対応関係を記録したテーブル30(第1変形例にかかるテーブル30)を示している。第1変形例においては、制御部11は、ステップS130では、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取対象面情報および読取範囲情報の組み合わせに対応付けられている印刷開始位置情報をテーブル30から読み出して、印刷開始位置を特定する。
このような第1変形例によれば、制御部11は、媒体Pの固有情報領域を読み取る際の読取対象面および読取範囲の組み合わせに基づいて印刷開始位置を特定するため、当該媒体Pに印刷を行う際の印刷開始位置をより正確に求めることができる。例えば、第1の媒体Pの表面に印刷領域が設けられており、第2の媒体Pの裏面に印刷領域が設けられている状況を想定する。第1の媒体P、第2の媒体Pそれぞれの固有情報領域を示す読取範囲情報が偶然一致している場合にも、第1変形例では読取対象面の違いまで考慮して印刷開始位置を特定することで、誤って印刷開始位置を特定してしまうことを回避することができる。
第2変形例:
制御部11は、読取範囲情報と印刷開始位置情報との組み合わせ(対応関係)毎に、当該組み合わせをスキャン設定コマンドと印刷データとの受信に応じて取得した回数を記録し、当該回数が所定のしきい値(第1しきい値)以上となった組み合わせを、テーブル30において有効な記録としてもよい。
制御部11は、読取範囲情報と印刷開始位置情報との組み合わせ(対応関係)毎に、当該組み合わせをスキャン設定コマンドと印刷データとの受信に応じて取得した回数を記録し、当該回数が所定のしきい値(第1しきい値)以上となった組み合わせを、テーブル30において有効な記録としてもよい。
図7は、第2変形例にかかるテーブル30を示している。図7によれば、テーブル30は、読取範囲情報と印刷開始位置情報との組み合わせ毎に、情報の取得回数および有効か無効かを示す有効無効情報を記録している。第2変形例においては、制御部11は、ステップS130でテーブル30を参照するとき、テーブル30に記録されている読取範囲情報と印刷開始位置情報との組み合わせのうち、有効無効情報が“有効”とされている組み合わせのみ参照する。
図7の例では、テーブル30において読取範囲情報(起点(x1,y1)および終点(x2,y2))と縦方向位置情報v1との組み合わせのみ“有効”とされている。従って、このようなテーブル30が記憶部16に保存されている状況で、ステップS130,S140を実行したとき、制御部11は、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報が、起点(x1,y1)および終点(x2,y2)であればテーブル30から縦方向位置情報v1を読み出して、ステップS140で“Yes”と判定することができる。しかし、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報が、起点(x3,y3)および終点(x4,y4)や、起点(x5,y5)および終点(x6,y6)や(図7参照)、テーブル30に記録されていない情報であれば、制御部11は、テーブル30から縦方向位置情報を読み出すことはせず、ステップS140で“No”と判定する。
ステップS210では、これまで説明したように、制御部11は、読取範囲情報と印刷開始位置情報との新たな対応関係(ステップS210の時点でテーブル30に記録されていない対応関係)をテーブル30へ追加記録するが、第2変形例では更に、情報の取得回数および有効無効情報をテーブル30に記録する。つまり、読取範囲情報と印刷開始位置情報との新たな組み合わせをテーブル30に記録したときは、当該組み合わせに対応付けて、情報の取得回数を“1”と記録し、かつ有効無効情報を“無効”と記録する。
また、第2変形例のステップS210では、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報と、ステップS180で受信した印刷データに含まれている印刷開始位置情報との組み合わせが既にテーブル30に記録されている場合には、制御部11は、当該組み合わせの現在の取得回数に“1”を加えて更新するとともに、当該更新後の取得回数が第1しきい値以上であるか否かを判定する。そして、制御部11は、当該更新後の取得回数が第1しきい値に達した場合、当該組み合わせに対応付けてテーブル30に記録している現在の有効無効情報を“無効”から“有効”に変更する。なお、前記取得回数と比較する第1しきい値は、例えば“5”程度の値とすることができる。
このような第2変形例によれば、媒体P毎の読取印刷処理(図3)を繰り返し実行する中で、制御部11は、取得回数がある程度多い読取範囲情報と印刷開始位置情報との組み合わせ、つまり、情報同士の結びつきの信頼性が高い組み合わせのみ、テーブル30において有効とする。従って、上述したような時短効果を確実に生じさせることができる。言い換えると、印刷データの受信前の媒体Pの搬送(ステップS150)を実行したにもかかわらずステップS190の比較の結果ステップS200で“No”と判定する、といったケース(ステップS150の搬送が無駄になるケース)を無くすことができる。
第3変形例:
第3変形例では、媒体P毎の読取印刷処理(図3)を繰り返し実行する中で、スキャン設定コマンドに含まれる読取範囲情報は同じであるが印刷データに含まれる印刷開始位置情報が異なる、という場合を想定する。例えば、媒体Pが銀行や郵便局などの預金通帳であり、印刷装置10が当該通帳に入出金履歴や預金残高等を記帳(印刷)する場面が考えられる。通帳は、決まった位置に口座番号や口座名義人の情報が記載されている一方で、入出金履歴や預金残高等は、ページ内の毎回異なる位置に記帳される。
第3変形例では、媒体P毎の読取印刷処理(図3)を繰り返し実行する中で、スキャン設定コマンドに含まれる読取範囲情報は同じであるが印刷データに含まれる印刷開始位置情報が異なる、という場合を想定する。例えば、媒体Pが銀行や郵便局などの預金通帳であり、印刷装置10が当該通帳に入出金履歴や預金残高等を記帳(印刷)する場面が考えられる。通帳は、決まった位置に口座番号や口座名義人の情報が記載されている一方で、入出金履歴や預金残高等は、ページ内の毎回異なる位置に記帳される。
より具体的には、印刷装置10は、ホストコンピューター20から送信されたスキャン設定コマンドおよびスキャン実行コマンドに従って、通帳の口座番号等(固有情報)が記載されている所定位置(固有情報領域)を読み取り(ステップS100〜S120)、読取結果としての画像データをホストコンピューター20へ送信する(ステップS170)。ホストコンピューター20は、印刷装置10から送信された画像データを解析して口座番号等を抽出し、抽出した情報を照合した上で、当該口座番号等に対応する印刷データ(入出金履歴や預金残高等を通帳に記帳させるための印刷データ)を生成し、印刷装置10へ送信する。印刷装置10は、ホストコンピューター20から受信した印刷データ(ステップS180)に基づいて、通帳に入出金履歴や預金残高等を記帳する(ステップS220)。
第3変形例においても、制御部11は、第2変形例と同様に、読取範囲情報と印刷開始位置情報との組み合わせ(対応関係)毎に、当該組み合わせをスキャン設定コマンドと印刷データとの受信に応じて取得した取得回数を記録し、取得回数が所定のしきい値以上となった組み合わせを、テーブル30において有効な記録として扱う。
さらに第3変形例では、制御部11は、ステップS140で“No”と判定した場合、図8に示すフローチャートへ進む。図8は、第3変形例にかかるステップS160の詳細を示すフローチャートである。第3変形例においては、これまでの実施形態や第1,2変形例と異なり、ステップS160では、ステップS161,S162の判定を経て、媒体Pの中央領域を印刷部14の位置に合わせる搬送(ステップS163)か、搬送の停止(ステップS164)かを選択する。
さらに第3変形例では、制御部11は、ステップS140で“No”と判定した場合、図8に示すフローチャートへ進む。図8は、第3変形例にかかるステップS160の詳細を示すフローチャートである。第3変形例においては、これまでの実施形態や第1,2変形例と異なり、ステップS160では、ステップS161,S162の判定を経て、媒体Pの中央領域を印刷部14の位置に合わせる搬送(ステップS163)か、搬送の停止(ステップS164)かを選択する。
図9は、第3変形例にかかるテーブル30を示している。図9によれば、図7と同様に、テーブル30は、読取範囲情報と印刷開始位置情報との組み合わせ毎に、情報の取得回数および有効無効情報を記録している。図9のテーブル30における読取範囲情報および印刷開始位置情報に注目すると、読取範囲情報はいずれも同じ値(起点(x1,y1)および終点(x2,y2))であるが、印刷開始位置情報は異なる値(縦方向位置情報v1,v2,v3)となっている。いずれの組み合わせも、取得回数は「1」であり、有効無効情報は当然“無効”である。これは、通帳(媒体P)における固有情報領域(読取範囲)の位置は毎回同じであるが、印刷開始位置(通帳のページ内における入出金履歴や預金残高等の記帳開始位置)が毎回異なっていることを示している。制御部11は、このようなテーブル30を参照してステップS130を実行した場合は、ステップS140の分岐で“No”と判定し、ステップS160(図8のフローチャート)へ進むことになる。
ステップS161では、制御部11は、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報と共通する読取範囲情報が、ステップS130で参照したテーブル30に記録されているか否かを判定する。共通の読取範囲情報がテーブル30に記録されていればステップS161において“Yes”と判定し、ステップS162へ進む。一方、共通の読取範囲情報がテーブル30に記録されていなければステップS161において“No”と判定し、ステップS164へ進む。
ステップS162では、制御部11は、ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報と共通する読取範囲情報を有し、かつ互いに異なる印刷開始位置情報を有する情報の組み合わせの数が、ステップS130で参照したテーブル30において、所定のしきい値(第2しきい値)以上であるか否かを判定する。このような情報の組み合わせの数がテーブル30において第2しきい値以上であれば、ステップS162において“Yes”と判定し、ステップS163へ進む。一方、このような情報の組み合わせの数がテーブル30において第2しきい値未満であれば、ステップS162において“No”と判定し、ステップS164へ進む。
ステップS100で受信したスキャン設定コマンドに含まれている読取範囲情報が、仮に、起点(x1,y1)および終点(x2,y2)であるとする。この場合、ステップS130で参照した図9に示すテーブル30には、読取範囲情報として起点(x1,y1)および終点(x2,y2)が記録されているから、ステップS161では“Yes”の判定となる。また、図9に示すテーブル30には、共通の読取範囲情報(起点(x1,y1)および終点(x2,y2))に対して夫々異なる印刷開始位置情報(縦方向位置情報v1,v2,v3)が対応付けられた情報の組み合わせが3通り記録されている。この場合、仮に第2しきい値を“2”や“3”とすると、ステップS162でも“Yes”の判定となり、ステップS163へ進むことになる。
ステップS163では、制御部11は、ステップS120で実行(開始)した媒体Pの読み取り終了後、引き続き搬送部12を制御し、媒体Pの中央領域を印刷部14の位置に合わせる搬送を開始させる。媒体Pの中央領域とは搬送方向Dにおける媒体Pの中央位置を含む媒体P上の一定範囲である。制御部11は、ホストコンピューター20からの通知により、媒体Pの長さ(搬送方向Dにおける長さ)を取得する。例えば、スキャン設定コマンドに、媒体Pの長さ情報が含まれている。従って、制御部11は、媒体Pの先端PEの現在位置および当該媒体Pの長さに基づいて、搬送方向Dにおける媒体Pの現在の中央位置を把握することができる。媒体Pの中央領域を印刷部14の位置に合わせる搬送とは、媒体Pの中央領域に含まれるいずれかの位置を、搬送方向Dにおいて、例えば印刷部14の所定位置HPに一致させる搬送である。
一方、ステップS164では、制御部11は、ステップS120で実行(開始)した媒体Pの読み取り終了後、搬送部12による媒体Pの搬送を停止させる。
一方、ステップS164では、制御部11は、ステップS120で実行(開始)した媒体Pの読み取り終了後、搬送部12による媒体Pの搬送を停止させる。
このような第3変形例によれば、制御部11は、スキャン設定コマンドと印刷データとの受信の度に取得した読取範囲情報と印刷開始位置情報との複数の組み合わせに、同じ読取範囲情報と異なる印刷開始位置情報との組み合わせが含まれている場合(例えば、図9のテーブル30参照)、その後に受信したスキャン設定コマンドに基づく媒体Pの読み取り後、印刷データを受信する前に、搬送部12に、媒体Pの中央領域を印刷部14の位置に合わせる搬送を開始させる(ステップS163)。
すなわち、媒体Pが例えば前記通帳である場合のように、読取範囲は同じであるが印刷開始位置は毎回異なるという状況では、制御部11は、スキャン設定コマンド(読取範囲情報)に基づいて印刷開始位置を求めることは困難である。このような状況で、第3変形例では、媒体Pの中央領域を印刷部14の位置に合わせる搬送をさせる(ステップS163)。このような搬送をした場合、当該搬送後の媒体Pの位置と、その後ステップS180で受信する印刷データが示す印刷開始位置とは殆どの場合一致しない。そのため、ステップS200では“No”と判定し、ステップS210で再び媒体Pを搬送する必要が有る。しかし、中央領域を印刷部14に位置合わせした媒体Pを印刷データが示す印刷開始位置へ搬送する際の搬送量は、読取終了後の位置から当該印刷開始位置へ搬送する際の搬送量と比べると大幅に少ない。従って、ステップS210で実行する媒体Pの搬送に要する時間を減らし、上述した時短効果を奏することができる。
その他の変形例:
これまでは、ホストコンピューター20から印刷装置10へ送信されるスキャン設定コマンドに媒体Pの読取範囲情報が含まれており、制御部11は、この読取範囲情報に基づいてテーブル30から印刷開始位置情報を読み出す実施形態を説明した。しかし、ホストコンピューター20は、媒体Pに関するスキャン設定コマンドに、当該媒体Pに関する印刷開始位置情報を含ませて印刷装置10へ送信してもよい。このような構成とすれば、制御部11は、受信したスキャン設定コマンドに基づいて、より容易にステップS150の搬送に必要な印刷開始位置を求めることができる。
これまでは、ホストコンピューター20から印刷装置10へ送信されるスキャン設定コマンドに媒体Pの読取範囲情報が含まれており、制御部11は、この読取範囲情報に基づいてテーブル30から印刷開始位置情報を読み出す実施形態を説明した。しかし、ホストコンピューター20は、媒体Pに関するスキャン設定コマンドに、当該媒体Pに関する印刷開始位置情報を含ませて印刷装置10へ送信してもよい。このような構成とすれば、制御部11は、受信したスキャン設定コマンドに基づいて、より容易にステップS150の搬送に必要な印刷開始位置を求めることができる。
第2、第3変形例においても、第1変形例のテーブル30(図6)と同様に、テーブル30(図7,9)に読取対象面情報を併せて記録し、読取対象面も印刷開始位置情報の特定に際して考慮するとしてもよい。
上述の実施形態では、CPU(プロセッサ)が各処理を実行する例を説明した。ここで、本明細書において、CPUは、1又は複数のCPUにより構成されていてもよいし、1又は複数の集積回路[例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)]により構成されていてもよい。また、CPUは、1又は複数のCPUと、1又は複数の集積回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。
10…印刷装置、11…制御部、12…搬送部、12a…ローラー、12b…モーター、13…読取部、14…印刷部、15…通信IF、16…記憶部、17…挿入排出口、20…ホストコンピューター、30…テーブル、P…媒体
Claims (7)
- 媒体を搬送する搬送部と、
前記媒体の読み取りを実行する読取部と、
前記媒体へ印刷データに基づく印刷を実行する印刷部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記読み取りに必要な設定を指示する読取設定コマンドに基づいて、前記印刷の開始時の前記媒体の位置である印刷開始位置を求め、前記印刷データを受信する前に、前記搬送部に前記媒体の当該印刷開始位置への搬送を開始させることを特徴とする印刷装置。 - 前記読取設定コマンドには、前記媒体における読取範囲を指示する読取範囲情報が含まれており、
前記制御部は、受信した前記読取設定コマンドに含まれている前記読取範囲情報と、前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報とを対応付けて記録しているテーブルと、に基づいて前記印刷開始位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。 - 前記読取設定コマンドには、前記媒体の読取対象とする面を指示する読取対象面情報が更に含まれており、
前記制御部は、受信した前記読取設定コマンドに含まれている前記読取対象面情報および前記読取範囲情報と、前記読取対象面情報および前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報とを対応付けて記録しているテーブルと、に基づいて前記印刷開始位置を求めることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。 - 前記制御部は、受信した前記読取設定コマンドに含まれている少なくとも前記読取範囲情報と、当該読取設定コマンドに基づく前記媒体の読み取り後に受信した前記印刷データに含まれている前記印刷開始位置の情報とを対応付けて前記テーブルに記録することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報との組み合わせ毎に、当該組み合わせを前記読取設定コマンドと前記印刷データとの受信に応じて取得した回数を記録し、当該回数が所定のしきい値以上となった前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報との組み合わせを、前記テーブルにおいて有効な記録とすることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記読取設定コマンドと前記印刷データとの受信の度に取得した前記読取範囲情報と前記印刷開始位置の情報との複数の組み合わせに、同じ前記読取範囲情報と異なる前記印刷開始位置の情報との組み合わせが含まれている場合、その後に受信した前記読取設定コマンドに基づく前記媒体の読み取り後、前記印刷データを受信する前に、前記搬送部に、前記媒体の中央領域を前記印刷部の位置に合わせる搬送を開始させることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
- 媒体を搬送する搬送工程と、
前記媒体の読み取りを実行する読取工程と、
前記媒体へ印刷データに基づく印刷を実行する印刷工程と、
前記読み取りに必要な設定を指示する読取設定コマンドに基づいて、前記印刷の開始時の前記媒体の位置である印刷開始位置を求め、前記印刷データを受信する前に、前記搬送工程の一部として、前記媒体の当該印刷開始位置への搬送を開始することを特徴とする印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017103345A JP2018196972A (ja) | 2017-05-25 | 2017-05-25 | 印刷装置および印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020104496A (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-09 | 株式会社沖データ | 画像形成装置及び画像形成方法 |
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2017
- 2017-05-25 JP JP2017103345A patent/JP2018196972A/ja active Pending
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