JP2018194463A - 呼気ミスト捕集装置、呼気ミスト分析システム、呼気ミスト捕集方法及び呼気ミスト分析方法 - Google Patents

呼気ミスト捕集装置、呼気ミスト分析システム、呼気ミスト捕集方法及び呼気ミスト分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】血液等から肺胞を介して放出される不揮発性物質を内包する呼気ミストを効率よく捕集する呼気ミスト捕集装置、呼気ミスト捕集装置により捕集した呼気ミストを高精度で分析するための呼気ミスト分析システム、呼気ミスト捕集方法及び呼気ミスト分析方法を提供する。【解決手段】呼気ミストを吸着剤で捕集する呼気ミスト捕集装置1と、呼気ミスト捕集装置1により捕集された呼気ミストを分析する分析装置2と、スパイログラムにより被験者の肺気量を分画する肺気量分画測定装置3と、を備える。呼気ミスト捕集装置1は、被験者の呼気を吸着剤ユニット11に導入する呼気導入手段10と、吸着剤を脱着可能に配置し、吸着剤に呼気を流通させて呼気ミストを捕集する吸着剤ユニット11と、被験者の呼気量を計測する呼気量計測手段12と、呼気量計測手段12により計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断する判断手段13と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、血液等から肺胞を介して放出される不揮発性物質を内包する呼気ミストを捕集する呼気ミスト捕集装置、当該呼気ミスト捕集装置により捕集した呼気ミストを分析するための呼気ミスト分析システム、呼気ミスト捕集方法及び呼気ミスト分析方法からなる分析システム、すなわち、循環血液中の当該不揮発性物質を非侵襲的に採取・分析するための装置、システムに関するものである。
治療用薬物は用法・用量が定められているが,有効血中濃度範囲が狭く毒性発現濃度が近接している薬物,患者ごとに異なる薬物代謝能や他の薬物との相互作用により血中濃度が大きく変動する薬物については,その血中有効濃度を維持するために治療薬物モニタリング (therapeutic drug monitoring, TDM ) が行われる。TDMの重要性はがん治療においても高まっている。がん治療においては、従来の抗がん剤は正常細胞にも強い毒性を持つことから、抗がん作用が最大で、かつ、副作用が致死に至らない投与量が設定され、副作用を覚悟の上での治療が行われてきた。しかし、近年、従来の抗がん剤に比べてがん細胞に特異的に作用する分子標的薬が開発され治療に供されている。しかし、分子標的薬による治療では、その血中濃度を、抗がん作用が得られる最少濃度と副作用が発現しない最大濃度の間に維持することが求められる。分子標的薬においても、その血中濃度は患者の薬物代謝能等によって変動し、分子標的薬の投与量と血中濃度の関係は患者ごとに異なる。したがって、効果的な治療を行うためにはTDMが必須となっている。このようなTDMにおいては 、従来、採血をともなう侵襲的手法によって測定試料が採取されていた。採血は患者のみならず医療関係者に対しても大きな心身的負担を強いる。また、採血は一日に何度も実施することができず、血中濃度の常時モニタリングは不可能であった。更に、TDMに供する血液試料はある程度の量が必要であり、患者自らが家庭で採血するのは不可能であった。
このような現状において、患者及び医療関係者双方において、採血などの侵襲的手法に代わる非侵襲的手法にたいする大きな要請があった。場所や時間を選ばず医療関係でなくても実施できる非侵襲的手法による生体試料採取は、治療用薬物のみならず、有害物質による中毒の原因化合物の特定、更には麻薬・覚せい剤などの禁止薬物服用の有無確認というような分野でも切望されている。
ここで、非侵襲的手法として、呼気中に含まれる成分を分析し、被験者の状態を検査する方法が検討されている。例えば、非特許文献1には、呼気に放出される揮発性成分と健康、疾病との関係、分析試料である呼気の採取及びその成分の分析法について開示されている。
上述の技術は、呼気に放出される水素、一酸化炭素、一酸化窒素、揮発性有機化合物などの揮発性成分に着目したものであるが、近年、不揮発成分についても注目されている。
血液や肺組織に含まれる不揮発性成分、例えば、治療薬、食品等に含まれ体内に取り込まれた有害化合物、ホルモンなどの生理化性物質、グルコースや脂質などの疾患の指標となる物質などは、呼吸にともなって形成される肺サーファクタントや体液からなる肺胞被覆液のミスト(呼気ミスト)に取り込まれて呼気に放出される。
このような呼気ミスト中の不揮発性成分を分析するために、例えば、特許文献1には、呼気凝縮液を採取してタンパク質、生理活性因子、グルコース、有毒金属)を測定する方法及び装置が開示されている。
また、特許文献2には、呼気に含まれるエアロゾルをフィルタで付着、捕捉して、当該フィルタ付着したエアロゾルを分析する技術が開示されている。
応用物理 第83巻 26−32(2014):下内、近藤
特表2012−521008号公報 特表2014−510914号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、呼気凝縮液を採取する装置は大型になる傾向にあり、また、凝縮液を得るため操作が煩雑で時間を要するというような課題があった。すなわち、非侵襲的手法であるが場所や時間を選ばず誰でも実施できるという手法ではなく、実施上の制限事項が多いという問題があった。
また、特許文献2に記載の技術は、主に禁止薬物の使用の有無を判定するためのものであり、分析対象の定量性に乏しいという問題があった。
発明者らは、呼吸運動にともなって肺胞から排出される呼気ミストは、肺胞内に存在する肺サーファクタントの膜とそれに内包される水分から構成される微粒子の集合体であり、更に、当該微粒子に循環血液から肺胞に浸潤した非揮発性物質が含まれることに注目した。すなわち、肺サーファクタント膜と水分からなる微粒子を捕集することにより、血液から排出された非揮発性物質を効率よく集め、また濃縮できるということを見出した。これにより、治療薬物モニタリング (therapeutic drug monitoring, TDM )など、化合物・物質の血中及び組織中の濃度等をモニタリングして疾病の診断、治療に応用したり、有害物質の体内取り込み状況、更には麻薬・覚せい剤などの禁止薬物服用の有無を把握することができる。そのための手段として、呼気に排出される当該微粒子を捕捉できる吸着剤を内蔵する呼気ミスト捕集装置を完成した。また、捕集した呼気ミストに含まれる化合物・物質を精度よく測定し、定量化する方法を見出した。
本発明は、血液等から肺胞を介して放出される不揮発性物質を内包する呼気ミストを効率よく捕集する呼気ミスト捕集装置、当該呼気ミスト捕集装置により捕集した呼気ミストを高精度で分析するための呼気ミスト分析システム、呼気ミスト捕集方法及び呼気ミスト分析方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、呼気成分を計測するために、血液等から肺胞及び気道を介して放出される不揮発及び難揮発性物質を内包する呼気ミストを吸着剤で捕集する呼気ミスト捕集装置であって、吸着剤を脱着可能に配置し、当該吸着剤に呼気を流通させて呼気ミストを捕集する吸着剤ユニットと、被験者の呼気を前記吸着剤ユニットに導入する呼気導入手段と、前記呼気量計測手段により計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断する判断手段と、を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の呼気ミスト捕集装置において、前記判断手段は、被験者のクロージングキャパシティに基づいて設定した閾値に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断する、という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の呼気ミスト捕集装置において、前記吸着剤は、発蛍光性を持つ目的成分を特異的に捕捉可能な吸着剤である、という技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明では、呼気ミスト分析システムが、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の呼気ミスト捕集装置と、前記吸着剤ユニットにおいて吸着し、捕集された呼気ミストを分析する分析装置と、被験者の肺気量分画を行う肺気量分画測定装置と、を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の呼気ミスト分析システムにおいて、前記肺気量分画測定装置は、被験者のクロージングボリュームを測定可能に構成されている、という技術的手段を用いる。
請求項6に記載の発明では、請求項4または請求項5に記載の呼気ミスト分析システムにおいて、前記分析装置は、蛍光発光分析装置である、という技術的手段を用いる。
請求項7に記載の発明では、呼気ミスト捕集方法が、被験者の呼気を吸着剤に導入し、血液等から肺胞及び気道を介して放出される不揮発及び難揮発性物質を内包する呼気ミストを捕集するステップと、被験者の呼気量を計測するステップと、計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断するステップと、を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の呼気ミスト捕集方法において、前記呼気ミストの捕集条件の適否を判断するステップでは、被験者のクロージングキャパシティに基づいて設定した閾値に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断する、という技術的手段を用いる。
請求項9に記載の発明では、請求項7または請求項8に記載の呼気ミスト捕集方法において、前記吸着剤は、発蛍光性を持つ目的成分を特異的に捕捉可能な吸着剤である、という技術的手段を用いる。
請求項10に記載の発明では、呼気ミスト分析方法において、請求項9に記載の呼気ミスト捕集方法により、前記吸着剤に捕集された呼気ミストを、蛍光発光分析法により分析する、という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の発明によれば、呼気導入手段により被験者の呼気を吸着剤ユニットに導入し、吸着剤ユニットの吸着剤により呼気ミストを捕集することができる。呼気量計測手段により被験者の呼気量を計測し、判断手段により呼気量計測手段により計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断することができるので、呼気ミストを効率よく捕集することができる。
呼気ミストが呼気中に多量に放出されるためには、安静呼気位以下までの呼気を行う必要があるが、安静呼気位では末梢気道の閉塞が少ないため、末梢気道の開放に伴って放出される呼気ミストの量が少ない。呼気ミストは、呼吸の深度が大きくなるにつれて放出量が急増するが、残気量に達する呼出を繰り返すことは、被験者に多大な負荷を強いることになり望ましくない。従って、クロージングボリュームに差し掛かる呼出、つまり、クロージングキャパシティ以下の呼出を繰り返して行うことが、より多くの呼気ミストが放出されるため好ましいので、請求項2に記載の発明のように被験者のクロージングキャパシティに基づいて設定した閾値に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断することにより、より多くの呼気ミストを捕集することができる。
請求項3に記載の発明のように、吸着剤として発蛍光性を持つ目的成分を特異的に捕捉可能な吸着剤を用いると、吸着剤表面での直接固相蛍光検出が可能な状態を作り出すオンレジン固相蛍光検出法を採用することができる。オンレジン固相蛍光検出法によれば、吸着剤に呼気を導入し、吸着剤表面に目的成分を吸着・濃縮・固定し、不要な夾雑成分を洗浄後、目的成分が吸着剤表面に吸着・固定した状態のまま、目的成分に対応する波長を持つ励起光を照射し、目的成分がする蛍光を検出することにより簡便に定量することができる。
請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の呼気ミスト捕集装置に、分析装置と肺気量分画測定装置とを組み合わせて、呼気ミスト分析システムを構築することができる。
請求項5に記載の発明のように、肺気量分画測定装置が、被験者のクロージングボリュームを測定可能に構成することにより、呼気ミストの捕集条件の適否を判断するための、被験者のクロージングキャパシティに基づいて設定した閾値を求めることができる。
請求項6に記載の発明のように、分析装置として蛍光発光分析装置を採用することにより、目的成分を高精度で分析、定量することができる。
請求項7に記載の発明によれば、被験者の呼気量を計測し、計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断して呼気ミストを捕集することができるので、呼気ミストを効率よく捕集することができる。
請求項8に記載の発明によれば、被験者のクロージングキャパシティに基づいて設定した閾値に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断することにより、より多くの呼気ミストを捕集することができるので、好適である。
請求項9に記載の発明によれば、分析方法として蛍光発光分析法を採用して、オンレジン固相蛍光検出法を行うことができる。
請求項10に記載の発明のように、分析方法として蛍光発光分析法を採用することにより、目的成分を高精度で分析、定量することができる。
呼気ミスト捕集システムの構成を示すブロック図である。 呼気ミスト捕集装置の説明図である。図2(A)は外観図であり、図2(B)は呼気ミスト捕集装置の内部構造を示す説明図である。 肺気量分画(A)とクロージングボリューム(B)の説明図である。 呼気ミスト捕集方法を示すフローチャートである。 吸着剤の合成スキームを示す説明図である。 呼気ミストから検出された薬物濃度と血液中の薬物濃度との関係を示す説明図である。 吸着剤の合成スキームを示す説明図である。
(呼気ミスト分析システム)
本発明の呼気ミスト分析システムSは、図1に示すように、血液等から肺胞及び気道を介して放出される不揮発及び難揮発性物質を内包する呼気ミストを吸着剤で捕集する呼気ミスト捕集装置1と、呼気ミスト捕集装置1により捕集された呼気ミストを分析する分析装置2と、スパイログラムにより被験者の肺気量を分画する肺気量分画測定装置3と、を備えている。
本発明の呼気ミスト捕集装置は、呼気成分を計測するために、血液等から肺胞及び気道を介して放出される不揮発及び難揮発性物質を内包する呼気ミストを吸着剤で捕集する。図1及び図2に示すように、呼気ミスト捕集装置1は、被験者の呼気を吸着剤ユニット11に導入する呼気導入手段10と、吸着剤を脱着可能に配置し、吸着剤に呼気を流通させて呼気ミストを捕集する吸着剤ユニット11と、を備えている。
また、呼気ミスト捕集装置1は、被験者の呼気量を計測する呼気量計測手段12と、呼気量計測手段12により計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断する判断手段13と、を備えている。
呼気導入手段10、吸着剤ユニット11及び呼気量計測手段12は、被験者側から見てこの順に並んで接続されている。
呼気導入手段10は、被験者の口元を覆うマスクや被験者が咥えて呼気するマウスピースなど呼気を漏れなく回収する呼気回収部材10aと、被験者が呼気回収部材10aを装着したまま繰り返し呼吸ができるようにする逆止弁10bと、を備えている。ここで、呼気回収部材10aの内面は、呼気ミストを漏れなく吸着剤へ導入するため疎水性であることが好ましい。
吸着剤ユニット11は、吸着剤Kを充填し、通気可能に構成されているメッシュ状の材料やパンチングメタルなどからなるカートリッジ11aと、カートリッジ11aを呼気導入手段10の下流に着脱可能に配置する配置部材11bと、を備えている。ここで、配置部材11bは、カートリッジ11aを着脱可能に配置できれば、その配置方法は、カートリッジ11aを挟み込む、スリットを形成してカートリッジ11aを挿入する、など各種構成を採用することができる。
呼気量計測手段12は、例えば、流量計からなり、被験者の呼気の流量、呼気総量の計測が可能に構成されている。また、呼吸数のカウンタを備え、呼吸数の計測が可能に構成することもできる。
判断手段13は、呼気量計測手段12から送出される呼気量をあらかじめ入力された閾値と比較して、呼気ミストの捕集に良好な呼気条件であるか否かという呼気ミストの捕集条件の適否を判断する。ここで、判断手段13は、被験者が良好な呼気条件を充足するように、音声ガイダンスなどにより呼気を促す通知手段などを備えている。
呼気導入手段10と吸着剤ユニット11との間に、フィルタ、トラップ機構など、吸着剤ユニット11に導入される呼気中の水分及び夾雑物を除去する除去手段を備えた構成を採用することができる。これによれば、被験者の唾液等の液体が吸着剤に流れ込まないようにするとともに、呼気量計測手段12の感度を維持することができる。
分析装置2としては、公知の蛍光発光分析装置、吸光光度分析装置、液体クロマトグラフィー質量分析装置など、測定対象に合わせた分析装置を用いることができる。本実施形態では、目的成分を高精度で分析、定量することができる蛍光発光分析装置を採用した。
肺気量分画測定装置3としては、肺気量分画を行うための公知のスパイロメータ30を用いることができる。スパイロメータ30により取得されたスパイログラムに基づき、肺気量分画を行うことができる。また、併せて、窒素呼出曲線を取得するための窒素分析装置31を備える構成を採用することができる。これにより、後述するクロージングボリュームを測定することができる。
(呼気ミスト)
肺の末梢構造は、終末細気管支が呼吸細気管支に分岐し、更に肺胞管、肺胞嚢へと分岐していく。肺胞の表面は、II型肺胞上皮細胞が産出する肺サーファクタントや肺胞マクロファージの細胞内液、間質の組織液から成る肺胞被覆液に覆われている。
細気管支を含む末梢気道は呼気に伴い閉塞し、吸気により開くので、その開管時に肺胞被覆液や気管支線分泌物を含んだ気道被覆液が飛沫化したり、呼気吸気に伴い形成される乱流により、呼気ミストが形成される。この呼気ミストは、気道被覆液の一部がミスト状となって気道内に放出され、呼気により外部に放出されたものである。
肺サーファクタントは、主成分がリン酸脂質のジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoylphosphatidylcholine)である、脂質と蛋白質との混合物であり、肺胞内から空気が虚脱するのを防ぐための界面活性剤として作用する。肺サーファクタントを構成する蛋白質としては、4種類の表面活性物質関連蛋白(surfactant protein;SP)が知られている。SP-A及びSP-Dが糖蛋白、SP-B及びSP-Cが脂質親和性蛋白である。
肺胞嚢は小さな肺胞の塊で、ここで外気と血液のガス交換が行われる。肺胞被覆液は、肺胞の内面を薄く覆わっており、間質膜を隔てて血液と接している。血液や肺組織に含まれる不揮発及び難揮発性物質、例えば、治療薬、食品等に含まれ体内に取り込まれた有害化合物、ホルモンなどの生理活性物質、グルコースや脂質などの生体のエネルギーなどとなる物質などは、血液から肺胞被覆液中へ移行する。
そして、不揮発及び難揮発性薬物を内包した肺胞被覆液は気管支線からの分泌成分とともに気管支被覆液となり、呼気ミストとして呼気中に放出される。この呼気ミストを吸着剤で捕集し、それに含まれる上記化合物・物質を測定することにより、それらの体内動態を把握することができる。これにより、上記化合物・物質等の血中及び組織中の濃度等をモニタリングして、治療薬物モニタリング、疾病の診断・治療への応用、有害物質の体内取り込み状況の把握、などを行うことができる。
(肺気量分画)
呼気ミストの呼気への放出は、呼吸の深度により放出量に変化が生じる。定性的には、深い呼息時には末梢気道が閉塞し、呼吸が吸気にかわると、閉塞していた末梢気道が開放し、その際に気道上皮被覆液が飛散し、エアロゾルとなって浮遊し、呼気時に放出されるため、深呼吸の方がより多くの呼気ミストが放出される。
図3に、スパイログラム、肺気量分画及び窒素呼出曲線を模式的に示す。肺気量は、最大に息を吸い込んだ呼吸レベルである最大吸気位、最大に息を吐き出した呼吸レベルである最大呼気位、自然に息を吸い込んだ呼吸レベルである安静吸気位及び自然に息を吐き出した呼吸レベルである安静呼気位の4つのレベルで区分される。
また、上記4つのレベル間の気量により、下記の気量が定義される。
・一回換気量:安静吸気位と安静呼気位との差
・予備吸気量:最大吸気位と安静吸気位との差
・予備呼気量:最大呼気位と安静呼気位との差
・肺活量:一回換気量、予備吸気量及び予備呼気量の和
・機能性残気量:予備呼気量と残気量との和
・全肺気量:肺活量と残気量との和
ここで、残気量とは、最大に呼出した後に肺に残存する空気量である。
通常の呼吸は、安静吸気位と安静呼気位とを往復する安静呼吸である。
末梢気道が閉塞するタイミングから息を吐き切るまでに呼出した量をクロージングボリューム (closing volume, CV) という。また、残気量とクロージングボリュームとの和をクロージングキャパシティという。クロージングボリュームは、窒素呼出法等で求める。以下に、クロージングボリュームを測定するために用いる窒素呼出曲線について説明する。
窒素呼出曲線は、気量に対する呼気中の窒素濃度で示される。まず、最大呼気位で純酸素を精一杯吸い込んで肺胞内を満たす。肺尖部と肺底部では高低差があるため、元来肺尖部の圧力は肺底部に比べ低く肺胞腔は大きい。肺底部では肺胞腔は縮小し末梢気道の閉塞率が高く、吸気に伴う酸素の充填率が高い、すなわち窒素含量が低くなる。窒素呼出曲線では、第I相で最初に気道内の純酸素が吐き出され、続く第II相で気道内に肺底部からの窒素が混合し吐き出される。第III相は肺の中心部の比較的窒素濃度の高いガスが吐き出される期間で、窒素の増加率は穏やかである。第IV相では肺底部が閉塞し始め、純酸素との置換が不充分だった肺尖部から窒素が吐き出され、窒素濃度は再上昇する。この第IV相範囲がクロージングボリュームである。
呼気ミストが呼気中に多量に放出されるためには、安静呼気位以下までの呼気を行う必要がある。安静呼気位では末梢気道の閉塞が少ないため、末梢気道の開放に伴って放出される呼気ミストの量が少ない。
J Appl Physiol 108:584-588, 2010によれば、安静呼気位での粒子径0.30−0.40μmの粒子数が6700であるのに対し、クロージングキャパシティでの粒子数は、13000、残気量レベルでの粒子数は44000であり、呼吸の深度が大きくなるにつれて放出量が急増している。
ここで、残気量に達する呼出を繰り返すことは、被験者に多大な負荷を強いることになり望ましくない。従って、クロージングボリュームに差し掛かる呼出を繰り返して行うことが、より多くの呼気ミストが放出されるため好ましい。
(呼気ミスト捕集方法)
次に、図4を参照して呼気ミスト捕集方法について説明する。
まず、ステップS1では、公知の方法により、スパイロメータ30により被験者のスパイログラムを取得し、肺気量分画を行う。また、窒素分析装置31を用いて被験者の窒素呼出曲線を取得し、クロージングボリュームを測定する。
続くステップS2では、呼気ミスト捕集装置1の判断手段13に、安静吸気位、安静呼気位、クロージングボリューム及び呼気ミスト捕集のために行う呼吸回数を入力する。
続くステップS3では、判断手段13において、クロージングキャパシティを基準として算出した閾値Vthとして設定する。
続くステップS4では、被験者に呼気ミスト捕集装置1を装着し、被験者は数回の安静呼吸後に、深い呼気を導入する。被験者が導入した呼気は、吸着剤ユニット11に導入され、吸着剤Kにより呼気ミストが捕集される。被験者が導入した呼気量は、呼気量計測手段12により計測され、呼気流量、呼気容量が判断手段13に送出される。
続くステップS5では、呼気量計測手段12から送出される呼気量を閾値Vthと比較して、呼気ミストの捕集に良好な呼気条件であるか否かという捕集条件の適否を判断する。具体的には、安静吸気位または安静呼気位を基準とした呼気容量により、被験者の呼気レベルがクロージングキャパシティに到達したか否かを判断する。
被験者の呼気レベルがクロージングキャパシティに到達した場合(ステップS5:YES)には、判断手段13が備えた通知手段が、音声などにより呼気を終了する旨を通知し、ステップS6に進む。
被験者の呼気レベルがクロージングキャパシティに到達していない場合(ステップS5:NO)には、判断手段13が備えた通知手段が、音声などにより呼気を促すように通知する。
ステップS6では、判断手段13により呼吸回数をカウントする。
続くステップS7では、呼吸回数が設定した呼吸回数に到達したか否かを判断する。設定した呼吸回数に到達していない場合(ステップS7:NO)には、ステップS4以下を繰り返し、設定した呼吸回数に到達した場合(ステップS7:YES)には、呼気ミストの捕集を終了する。
ここで、クロージングボリュームに差し掛かる呼出は、健常者であれば肺活量の10%程度であり、最大呼気位から肺活量の10%分呼気が少ないレベルをクロージングキャパシティの代表値として用いてもよい。更に簡易的には、身長、年齢、性別などから概算した肺活量に基づいて設定することもできる。
(吸着剤)
呼気ミストは、表面疎水性の逆ミセルと考えられる。吸着剤は、このような呼気ミストを十分に捕捉できれば、各種吸着剤を用いることができるが、本実施形態では、吸着剤として、図5に示すような、グリシジルメタクリレート (GMA) とジビニルベンゼン(DVB) を懸濁重合して得られたポリマーのグリシジル基を硫酸で加水分解したBG15を用いた。この吸着剤の設計思想は、開環ジオール基に由来する親水部とベンゼン環に由来する疎水部が適度に分布することで、疎水部吸着後のミスト表面のミセル崩壊による水滴の離脱を防ぐことにある。本発明に供される吸着剤はGMAとDVBの共重合体に限定されることはなく、例えば、DVBの代わりにエチレングリコールジメチルアクリレート(EGDM)を架橋剤としてGMAとの比率を上記設計思想によって調整した共重合体などが例示される。この設計思想による吸着剤には呼気ミストが捕捉されるので、それに内包されている、疎水性、親水性を問わず、あらゆる薬物が捕捉される。
(呼気ミスト分析方法)
呼気ミストを捕集した吸着剤ユニット11は、呼気ミスト捕集装置1から取り外し、分析に供される。分析装置2としては、蛍光発光分析装置、吸光光度分析装置、液体クロマトグラフィー/質量分析装置など、測定対象に合わせた分析装置を用いることができる。
蛍光発光分析方法として、オンレジン固相蛍光検出法を採用することができる。オンレジン固相蛍光検出法とは、発蛍光性を持つ目的成分を特異的に捕捉可能な吸着剤を使用した場合、吸着剤が充填されたカートリッジ上にはマトリクスが殆ど存在しなくなり、吸着剤表面での直接固相蛍光検出が可能な状態を作り出す検出法である(A.Yamamoto, et al., Anal.Methods, 2013, 5, 773-777.)。本検出法によれば、目的成分が少量の固相抽出剤表面に濃縮されることで高感度化が達成される。
本発明法は呼気ミストを捕捉するものであるが、呼気ミストを捕捉する吸着剤に分析対象の薬物への選択性を付与することもできる。このような吸着剤を用いることにより、直接オンレジン固相蛍光検出法に用いることができる。例えば、BG15をベースゲルに測定対象の成分を特異吸着する官能基を導入した吸着剤を作製し、呼気を吸着した吸着剤をそのまま供することもできる。当該吸着剤に呼気を導入し、吸着剤表面に目的成分を吸着・濃縮・固定し、不要な夾雑成分をアセトニトリルや家庭の場合は薬用エタノールで洗浄後、目的成分が吸着剤表面に吸着・固定した状態のまま、目的成分に対応する波長を持つ励起光を照射し、目的成分がする蛍光を検出することにより簡便に定量することができる。
オンレジン固相蛍光検出法の装置は小型化、可搬型の設計が容易であり、このような装置を用いれば場所を選ばない分析、すなわちオンサイトあるいはベッドサイトの分析が可能となる。更に、この装置にデータ送信機能を付与する、あるいはデータ送信用端末に接続することにより、例えば、治療用薬剤服用中の患者自身またはその介護者が家庭等で呼気ミスト捕集と薬剤の定量を行い、そのデータを主治医等に自動送信することも可能である。また、医療機関において、医師等が本法でベッドサイトモニタリングを実施することも可能である。
呼気ミスト分析システムSでは、分析装置2において検量線による定量値演算機能を持つことが好ましい。この場合、あらかじめ濃度既知の定量対象物を測定して内部標準となる検量線を演算させる方法がある。また定量対象物質が下限量と上限量の間にあることを確認することで目的が達成される場合は、下限量と上限量の標準品の定量値のみを入力しておくことで対応することも可能である。
呼気ミストの発生量は肺からの排気量によって変動する。この変動を補正するには、同時に無機イオン種やSP-Dのようなレファレンスとなりうる物質量を測定し、これに対する薬物量比を血中濃度に換算するという手法が可能である。これらレファレンスの測定には、薬物測定と同様に、蛍光発光分析装置、吸光光度分析装置、液体クロマトグラフィー/質量分析装置などを用いることができる。さらに、抗原抗体反応、酵素反応などを用いる測定法や化学分析法の利用も可能である。また、治療用薬物に呼気で定量可能で無作用な物質を一定比率で含ませて置き、あるいは、それを同時投与し、上記のレファレンスとすることもできる。これらはレファレンスの測定機能を一般家庭用のオンサイト装置に付与することもできるが、可搬・小型を優先させて呼気排気量あたりの薬物量で対応するのが現実的である。呼気排気量あたりの薬物量で判断する場合は呼気ミスト捕集時の呼吸法を標準化するのが好ましい。
この方法の特徴は呼気に放出される不揮発及び難揮発性の成分を短時間かつ簡便に捕集できることである。また、この手法は測定対象物ではなく、それを含む呼気ミストを捕捉するものであり、複数の体液成分を測定する場合でも一種類の呼気ミスト吸着剤で実施可能である。
(変更例)
閾値Vthとして、安静呼気位以下クロージングキャパシティ以上の値を採用することもできる。
(実施形態の効果)
本発明の呼気ミスト捕集装置1及び呼気ミスト捕集方法によれば、呼気導入手段10により被験者の呼気を吸着剤ユニット11に導入し、吸着剤ユニット11の吸着剤Kにより呼気ミストを捕集することができる。呼気量計測手段12により被験者の呼気量を計測し、判断手段13により呼気量計測手段12により計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断することで、呼気ミストを効率よく捕集することができる。
また、呼気ミスト分析システムS及び呼気ミスト分析方法によれば、捕集した呼気ミスト中の目的成分を高精度で分析、定量することができ、治療薬物モニタリングなどに用いることができる。
(実施例1)
(1)吸着剤の合成
吸着剤としては、BG15を用いた。吸着剤のベースゲルは、懸濁重合法で合成した。まず、セパラブルフラスコにモノマー及び架橋剤を溶かした有機溶媒と水を加え二相となす。水層には得られた油滴の合一を防ぐために界面活性剤が、油層には樹脂の表面積を広くするための希釈剤や重合開始剤も含まれている。なお、本実施例では懸濁重合法を用いたが、吸着剤の合成法は懸濁重合法に限定されず、例えば、直接膜乳化法なども利用できる。直接膜乳化法は、重合用モノマーを含む油層を数μmの孔径を持つフィルターを通じて水層に直接分散させていく方法である。
次に、液を撹拌し、o/w型の油滴を水槽中に懸濁させる。油滴径が安定した後、重合を開始する。1℃/min以下でゆっくり加温し、70-80℃で反応層温度が一定となったら、この温度で半日以上反応を継続する。出来上がった樹脂は、ソックスレー等で充分洗浄後、呼気採取に必要な粒径0.5-1.0 mm程度の吸着剤を得るために分球した。なお、直接膜乳化法により、粒径が整った樹脂を合成することもできる。
(2)呼気-血液薬物濃度相関実験
呼気ミストから検出された薬物濃度と血液中の薬物濃度との関係を調べた。被験者は実験当日の朝に抗アレルギー薬として花粉症患者に投与される薬物であるフェキソフェナジンの60 mgの錠剤一錠を服用し、2時間おきに血液とともに呼気を採取した。
呼気ミストの捕集では、セルサイズが φ30×10 mmの吸着剤パッケージに粒径0.5-1.0 mmのものを1 g充填して使用した。圧損による呼吸困難もなく、通常での呼気採取が可能であった。呼気は安静呼吸で10 L採取した。
呼気を捕集した吸着剤はメタノール20 mLで溶出し、水0.1 mLに転溶して検液を作製し、LC-ESI+-MS測定(m/z = 502、検出限界 10 pg/mL)に供した。
血液測定は、PBSで3倍に希釈し、遠心分離で血漿とした後、LC-UV測定に供した。フェキソフェナジン(FF)は、ベンゼン環を持つだけで特徴的な吸収スペクトルは有していないのでUV 220 nmでの検出を行った。
測定結果を図6に示す。図6では、希釈にギ酸を使った全FF血漿値を示した。呼気ミストと血中濃度の比較では、両者極めて良好な相似を示し、呼気ミストの捕集、分析により薬物の血中濃度を把握することができることが示された。
(実施例2)分子標的治療薬の吸着剤
本実施例では、肺がんの治療薬であるゲフィチニブについて、血中濃度をサロゲートマーカーとして個々の患者に合った最適な投与量を決定するTDMを簡易的に行うベッドサイドモニタリングを実現するための吸着剤を作製した。吸着剤表面に捕集した分子標的治療薬を、オンレジン装置で定量することで、分子標的治療薬の血中濃度が有効濃度に達していることを確認し、さらに、飲み忘れなどによる薬効喪失を防ぐことができる。オンレジン装置を用いるのでベッドサイドモニタリングが可能となる。
ゲフィチニブの吸着選択性を評価する目的で、チオ尿素基の隣に共役平面構造を有するナフチル基と、嵩高いシクロヘキシル基を導入した二種類の吸着剤を合成した。図7にその反応スキームを示す。用いたベースゲルは、官能基モノマーGMAと架橋剤エチレングリコールジメタクリレート (EGMA) の割合が30:70のポリマーで、BG15に比べると親水性樹脂である。このグリシジル基をアンモニアで開環してアミノエタノール構造とした。ナフチルイソチオシアネートとシクロヘキシルイソチオシアネートをそれぞれアミノ基を介して導入し、Na-ITCとCH-ITC吸着剤を合成した。予備試験で、これらの吸着剤に銀を担持させることによりゲフィチニブを補足できることを確認した。そこで銀担持ITC吸着剤を使ってゲフィチニブの捕捉特性を評価した。
二種類の吸着剤での銀担持の有無、合わせて4種類の50 mg充填カートリッジにおけるゲフィチニブのアセトニトリル溶液での挙動を調べた。銀担持Na-ITC吸着剤がアセトニトリル中のゲフィチニブをほぼ定量的に捕捉し、メタノールで脱着できることがわかった。この吸着剤は、呼気エアロゾルを捕捉後、水洗浄、次いでアセトニトリル洗浄することで、オンレジン装置による固相蛍光分析に供すること可能であった。以上のように、ゲフィチニブのオンレジン固相蛍光検出法に好適な吸着剤を得ることができた。
1…呼気ミスト捕集装置
2…分析装置
3…肺気量分画測定装置
10…呼気導入手段
10a…呼気回収部材
10b…逆止弁
11…吸着剤ユニット
11a…カートリッジ
11b…配置部材
12…呼気量計測手段
13…判断手段
30…スパイロメータ
31…窒素分析装置
K…吸着剤
S…呼気ミスト分析システム

Claims (10)

  1. 呼気成分を計測するために、血液等から肺胞及び気道を介して放出される不揮発及び難揮発性物質を内包する呼気ミストを吸着剤で捕集する呼気ミスト捕集装置であって、
    吸着剤を脱着可能に配置し、当該吸着剤に呼気を流通させて呼気ミストを捕集する吸着剤ユニットと、
    被験者の呼気を前記吸着剤ユニットに導入する呼気導入手段と、
    被験者の呼気量を計測する呼気量計測手段と、
    前記呼気量計測手段により計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする呼気ミスト捕集装置。
  2. 前記判断手段は、被験者のクロージングキャパシティに基づいて設定した閾値に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断することを特徴とする請求項1に記載の呼気ミスト捕集装置。
  3. 前記吸着剤は、発蛍光性を持つ目的成分を特異的に捕捉可能な吸着剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の呼気ミスト捕集装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の呼気ミスト捕集装置と、
    前記吸着剤ユニットにおいて吸着し、捕集された呼気ミストを分析する分析装置と、
    被験者の肺気量分画を行う肺気量分画測定装置と、
    を備えたことを特徴とする呼気ミスト分析システム。
  5. 前記肺気量分画測定装置は、被験者のクロージングボリュームを測定可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の呼気ミスト分析システム。
  6. 前記分析装置は、蛍光発光分析装置であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の呼気ミスト分析システム。
  7. 被験者の呼気を吸着剤に導入し、血液等から肺胞及び気道を介して放出される不揮発及び難揮発性物質を内包する呼気ミストを捕集するステップと、
    被験者の呼気量を計測するステップと、
    計測された呼気量に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断するステップと、
    を備えたことを特徴とする呼気ミスト捕集方法。
  8. 前記呼気ミストの捕集条件の適否を判断するステップでは、被験者のクロージングキャパシティに基づいて設定した閾値に基づいて呼気ミストの捕集条件の適否を判断することを特徴とする請求項7に記載の呼気ミスト捕集方法。
  9. 前記吸着剤は、発蛍光性を持つ目的成分を特異的に捕捉可能な吸着剤であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の呼気ミスト捕集方法。
  10. 請求項9に記載の呼気ミスト捕集方法により、前記吸着剤に捕集された呼気ミストを、蛍光発光分析法により分析することを特徴とする呼気ミスト分析方法。
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