JP2018194021A - 止水プラグ - Google Patents

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【課題】配管を一挙に閉塞することができるとともに、安全に使用することのできるバイパスタイプの止水プラグを提供する。【解決手段】左右に貫通する流路1aを有する芯管1と、芯管1の一端側の外周面に固着された固定フランジ2と、芯管1の他端側の外周面で芯管1の軸方向に摺動可能に取り付けられた可動フランジ3と、これらフランジ2、3の間を密閉状に覆う筒状のカバー4と、カバー4の内面に沿って円周方向に配列された複数の受板5と、受板5をそれぞれ放射方向に押し上げてカバー4を膨張させる伸縮自在な複数のリンク機構6と、これらリンク機構6を駆動するシリンダ7とからなり、リンク機構6は可動フランジ3に連動連結され、シリンダ7により可動フランジ3を芯管1の軸方向に移動させることによりリンク機構6が伸縮するように形成されている構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、建築用配水管や上下水道管などの配管を一時的に止水するために使用する止水プラグに関する。
建築用配水管や上下水道管などの配管の一部を取り替えたり、修理したりするときには、配管の上流側を一時的に止水して行われる。このとき、配管内の流水を完全に停止させずに工事を行いたい場合には、配管の工事区間部分を挟んでその上流側と下流側に止水プラグを取り付け、各止水プラグにバイパス管を接続してバイパス流路を形成するようにしている。
このようなバイパス流路を形成するための止水プラグとして、例えば特許文献1や特許文献2で開示されたものがある。
特許文献1の止水プラグでは、バイパス管を接続する貫通管を備えたプラグ本体(蓋体)の外周面に中空構造のOリングが設けられ、このOリングをネジで貫通管の軸方向に押圧することにより、Oリングの外周部を拡径させ、下水管の内周面にOリングの外周部を密着させるようにしている。
また、特許文献2の図7に示されている止水プラグは、バイパス管を接続する貫通穴を備えた筒状プラグ本体の外周面にリング状のゴムを設け、このゴムをネジで放射方向に押圧することによりゴムを膨出させて下水管の内周面に密着させるようにしている。
しかし、特許文献1、2の止水プラグの構造では、Oリングやリング状のゴム材を下水管の内周面に密着させるのに多数のネジを1つ1つ締め付けねばならず、その作業が大変面倒であるとともに時間がかかっていた。
また、圧力流体により膨張する中空チューブを用いて、一挙に下水管を封止するバイパスタイプの止水プラグも一般的に知られている。
この止水プラグは、図7に示すように、貫通管11の周りに内部を中空としたゴム製の中空チューブ12が設けられている。中空チューブ12は貫通管11の両端外周に固定された円板状の金属製フランジ14、15の間に配置され、一方のフランジ14に設けた注入栓13から圧縮エアを中空チューブ12内に注入することにより、図7の仮想線で示すように中空チューブ12を膨張させて配管10の内壁面に密着させ、止水するように形成されている。
特開2005−180569号公報 特開2013−256809号公報
このような中空チューブを用いた止水プラグでは、チューブの外周面を配管内壁面に密着させるのにエアを注入するだけで一挙に行うことができるとともに、構造が簡単で比較的安価に製作できるといったメリットがある。その反面、チューブの外周面が外部に露出しているので、チューブ挿入時にチューブの外周面が配管内壁面に接触して傷付き、反復使用により強度が劣化して使用時にバーストすることがあるといった問題点があった。また、チューブのバーストは、作業者の操作ミスにより設定圧以上のエアを注入したときや、不使用時の管理上の不注意によるチューブの損傷によっても生じることがある。チューブのバーストが発生すると、チューブの破片や注入栓などの金属部品が飛散して作業者が危険であるとともに、工事を中断して破片物の除去作業や回復作業などを行う必要があり、大きな作業ロスが発生することになる。
そこで本発明は、配管を一挙に閉塞することができるとともに、中空チューブの場合のようなバーストの生じるおそれをなくして安全に使用することのできるバイパスタイプの止水プラグを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明の止水プラグは、左右に貫通する流路を有する芯管と、前記芯管の一端側の外周面に固着された固定フランジと、前記芯管の他端側の外周面で前記芯管の軸方向に摺動可能に取り付けられた可動フランジと、これらフランジの間を密閉状に覆う弾性シート材で形成された筒状のカバーと、前記カバーの内面に沿って円周方向に配列された複数の受板と、前記受板をそれぞれ放射方向に押し上げて前記カバーを膨張させる伸縮自在な複数のリンク機構と、これらリンク機構を駆動するシリンダとからなり、前記各リンク機構は前記可動フランジに連動連結され、前記シリンダにより前記可動フランジを前記芯管の軸方向に移動させることにより前記リンク機構が伸縮するように形成されている構成とした。
ここで、前記可動フランジの外側で前記芯管の外周面に取り付け用フランジが固着され、この取り付け用フランジに前記シリンダを取り付ける構成とするのが好ましい。
本発明の止水プラグでは、シリンダによって各リンク機構を一挙に伸長させてカバーを膨張させることにより配管を閉塞するものであるから、従来の多数のビスの締め付けによるセッティング手段に比べて短時間で簡単に行うことができる。また、カバーは中空チューブのような圧縮エアの内圧によって風船のように膨らむものでないから、バーストするおそれがなく、安全に使用することができて作業者の危険を回避することができるといった効果がある。
本発明において、前記各リンク機構は、X状に交わってその交点で枢支された第一リンクおよび第二リンクで形成され、前記第一リンクの基端が前記固定フランジに枢支されるとともに他端が前記受板の第一の長穴にスライド可能に連結されており、前記第二リンクの基端が前記可動フランジに枢支されるとともに他端が前記受板の第二の長穴に枢支されている構成とするのがよい。
これにより、可動フランジをスライドさせることで各リンク機構を同時に伸縮させることができるとともに、リンク機構を簡単な機構で形成することができる。
本発明において、前記可動フランジを前記シリンダ側に弾圧して前記リンク機構を常時収縮方向に付勢する復帰スプリングが前記可動フランジと前記固定フランジの間に装着されている構成とするのがよい。
これにより、前記シリンダによる押し付けを解除したときに速やかに可動フランジを元位置に移動させ、前記リンク機構をカバーとともに元の収縮姿勢に復元させることができる。
本発明に係る止水プラグの収縮時の状態を示す斜視図。 図1に示す止水プラグの収縮時の姿勢を示す断面図。 図1に示す止水プラグの膨張時の姿勢を示す断面図。 図1に示す止水プラグの膨張時のカバーを取り外したときの側面図。 本発明に係る止水プラグにおけるリンク機構の説明図。 バイパス流路を形成したときの使用状態を示す説明図。 従来の止水プラグの一例を示す断面図。
以下において、本発明の詳細をその実施の形態を示す図1〜図6に基づいて説明する。
本実施例の止水プラグAは、左右に貫通する流路1aを有する金属製の芯管1を備えている。芯管1の一端側の外周面には固定フランジ2が固着され、他端側の外周面には可動フランジ3が芯管1の軸方向に摺動可能に取り付けられている。また、これらフランジ2、3の間を密閉状に覆うゴムなどの弾性シート材で作られた筒状のカバー4が両フランジ2、3に取り付けられている。
カバー4の内側には、当該カバー4を受ける複数の、本実施例では20個の受板5が円周方向に沿って配列されている。この受板5は長辺が芯管1の軸方向に沿った細長い長方形の形態で形成され、その上面が筒状のカバー4の内周曲面に沿った円弧面で形成されている。
さらに、それぞれの受板5を放射方向に押し上げてカバー4を膨張させる伸縮自在な複数のリンク機構6と、これらリンク機構6を駆動するシリンダ7とが設けられている。
リンク機構6の構成を、図5において詳細に示す。図5(a)は収縮時であり、図5(b)は伸長時であり、(c)は伸長時の斜視図である。
各リンク機構6は、X状に交わってその交点で枢軸6aにより枢支された第一リンク6bおよび第二リンク6cで形成されており、第一リンク6bの基端が固定フランジ2に枢軸6dで枢支され、他端が受板5の第一の長穴5aに枢軸6eを介してスライド可能に連結されている。また、第二リンク6cの基端が可動フランジ3に枢軸6fにより枢支され、他端が受板5の第二の長穴5bに枢軸6gを介してスライド可能に連結されている。
また、上記シリンダ7は、オイルや水などの圧力流体を利用してプランジャ7aを出し入れする構造の一般的な流体シリンダであって、可動フランジ3の外側で芯管1の外周面に固着された取り付け用フランジ8に取り付けられている。このシリンダ7のプランジャ7aを可動フランジ3の外側面に押し付けて当該可動フランジ3を内方向(図5(a)の矢印方向)に移動させることにより、図5(b)、(c)および図3に示すようにリンク機構6が伸長してカバー4が放射方向に膨張するように形成されている。
可動フランジ3と固定フランジ2との間には、シリンダ7による押し付け力を解除したときに可動フランジ3を元位置に復帰させるための復帰スプリング9が内装されている。本実施例では、上記シリンダ7並びに復帰スプリング9がそれぞれ均等な間隔をあけて3つずつ設けられている。
止水プラグAを使用するときは、図6に示すように、配管10の工事区間部分Lを挟んでその上流側と下流側に止水プラグA、Aを1つずつ取り付け、各止水プラグA、Aの芯管1にバイパス管16を接続してバイパス流路を形成して用いられる。
また、各止水プラグA、Aを配管10にセットするときは、図2に示すように、シリンダ7にオイルや水などの圧力流体を供給するポンプPに連なるダクト17を接続して止水プラグAを配管10内に挿入する。そして、図3に示すように、ポンプPからの圧力流体をシリンダ7に供給してプランジャ7aを押し出し、可動フランジ3を介して各リンク機構6を一挙に伸長させてカバー4を膨張させ、当該カバー4の外周面を配管10の内壁面に密接させることにより配管10を閉塞する。
本発明の止水プラグAでは、シリンダ7によって各リンク機構6を一挙に伸長させてカバー4を膨張させることにより配管10を閉塞するものであるから、従来のように多数のビスの締め付けによるセッティング手段に比べて短時間で簡単に設置することができる。また、カバー4は中空チューブのような圧縮エアの内圧によって膨らむものでないから、バーストするおそれがなく、安全に使用することができて作業者の危険を回避することができる。
本発明に係る止水プラグは、比較的大径の、例えば直径200mmの小径の配管から直径1800mmの大径の配管に好適に対応して幅広く製作することができる。このとき、止水プラグの構成部材である芯管1やリンク機構6、カバー4などの構成部材の寸法や強度は、使用対象となる配管の直径によって変更されることは勿論である。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものではない。例えば、上記実施例では、シリンダ7や復帰スプリング9を3つ用いたが、製品サイズによってその数は増減して取り付けられる。その他本発明では、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明は、建築用配水管や上下水道管などの配管を一時的に止水するバイパス流路形成用の止水プラグとして利用することができる。
A 止水プラグ
1 芯管
1a 流路
2 固定フランジ
3 可動フランジ
4 カバー
5 受板
6 リンク機構
7 シリンダ
8 取り付け用フランジ
9 復帰スプリング
10 配管
16 バイパス管

Claims (4)

  1. 左右に貫通する流路を有する芯管と、
    前記芯管の一端側の外周面に固着された固定フランジと、
    前記芯管の他端側の外周面で前記芯管の軸方向に摺動可能に取り付けられた可動フランジと、
    これらフランジの間を密閉状に覆う弾性シート材で形成された筒状のカバーと、
    前記カバーの内面に沿って円周方向に配列された複数の受板と、
    前記受板をそれぞれ放射方向に押し上げて前記カバーを膨張させる伸縮自在な複数のリンク機構と、
    これらリンク機構を駆動するシリンダとからなり、
    前記各リンク機構は前記可動フランジに連動連結され、前記シリンダにより前記可動フランジを前記芯管の軸方向に移動させることにより前記リンク機構が伸縮するように形成されている止水プラグ。
  2. 前記各リンク機構は、X状に交わってその交点で枢支された第一リンクおよび第二リンクで形成され、前記第一リンクの基端が前記固定フランジに枢支されるとともに他端が前記受板の第一の長穴にスライド可能に連結されており、前記第二リンクの基端が前記可動フランジに枢支されるとともに他端が前記受板の第二の長穴に枢支されている請求項1に記載の止水プラグ。
  3. 前記可動フランジの外側で前記芯管の外周面に取り付け用フランジが固着され、この取り付け用フランジに前記シリンダが取り付けられている請求項1または請求項2に記載の止水プラグ。
  4. 前記可動フランジを前記シリンダ側に弾圧して前記リンク機構を常時収縮方向に付勢する復帰スプリングが前記可動フランジと前記固定フランジの間に装着されている請求項1〜3の何れかに記載の止水プラグ。
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