本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る照明器具1について説明する。図1は、照明器具1が取り付けられた室内Rを示す模式的側面図である。
図1に示すように、照明器具1は、例えば、室内Rに取り付けられる。照明器具1は、例えば、室内Rの天井Cに取り付けられるスポットライトである。照明器具1は、室内Rの照射領域に光をスポット照射する。スポット照射とは、特定の領域に集中して光を照射することである。本実施形態では、特定の領域は、照射領域である。本実施形態の照明器具1は、互いに離間した複数の照射領域に同時に光をスポット照射する。
室内Rには、第1棚S1と第2棚S2とが、互いに間隔を空けて配置される。照明器具1は、例えば、第1照射領域α1に第1光L1をスポット照射し、第2照射領域α2に第2光L2をスポット照射する。第1照射領域α1は、第1棚S1が位置する領域を示す。第2照射領域α2は、第2棚S2が位置する領域を示す。
図2は、照明器具1の斜視図である。図3は、照明器具1の模式的断面図である。
図2及び図3に示すように、照明器具1は、光源10と、ヒートシンク20と、光学素子30と、反射部材40と、枠体50と、案内部60と、第1フランジ部71と、支持体72と、取付バネ73と、第2フランジ部74とを備える。なお、図3では、図面の簡略化のため、ヒートシンク20を省略している。
光源10は光を出射する。具体的には、光源10は、発光部11と、基板12とを含む。発光部11は、基板12に形成される。発光部11は、本実施形態では、単数又は複数のLED(Light Emitting Diode)素子を含む。発光部11は、光を発光する。なお、発光部11は、LED素子に限定されない。発光部11は、光を発光する素子を有していればよい。発光部11は、例えば、半導体レーザーのような半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)、又は無機ELのような固体発光素子を有してもよい。
発光部11は、COB(Chip on Board)タイプである。COBタイプは、複数のLEDを蛍光体で封止することにより発光部11を基板12に形成するタイプである。なお、発光部11は、SMD(Surface Mount Device)タイプであってもよい。SMDタイプは、LEDと蛍光体とを1ユニット化してLEDチップを形成し、複数のLEDチップを基板12の実装面に載置して基板12の導電パターンに電気的に接続することにより発光部11を形成するタイプである。
ヒートシンク20は、底部21を有する。ヒートシンク20の底部21の略中央部には、基板12が取り付けられる。ヒートシンク20は、基板12上の発光部11が発した熱を放散する。熱の放散とは、放熱のことである。
光学素子30は、光を透過する。光学素子30は、例えば、略板状である。光学素子30は、第1外面部31と、第2外面部32と、光透過部33とを備える。
第1外面部31は、照明器具1の外側に向くように配置可能である。従って、第1外面部31は、照明器具1の外側に向くように配置される。
第2外面部32は、光源10に対向可能である。従って、第2外面部32は、光源10に対向する。
光学素子30の第2外面部32は、光学素子30の第1外面部31よりも光源10に近い。光透過部33は、第1外面部31と第2外面部32との間に介在する。光透過部33は、光を透過する。
第1外面部31と第2外面部32と光透過部33とは一体形成される。なお、第1外面部31と第2外面部32と光透過部33とを一体形成することは、光学素子30の一例である。
第1外面部31と第2外面部32と光透過部33とは、光源10の光軸LA上に配置され、光軸LAに沿って並ぶ。光軸LAは、光源10から光学素子30に向かって延びる。詳細には、光軸LAは、光源10の中心から光学素子30の中心に向かって延びる。光源10の中心は、例えば、発光部11の中央部を示す。光学素子30の中心は、例えば、光学素子30のうち光が通過する領域の中央部を示す。本実施形態において、光軸LAは鉛直方向に沿っている。
光軸LAに沿う方向を、光軸方向Xと記載する。光軸方向Xに沿いつつ、光学素子30から光源10に向かう方向を、第1光軸方向X1と記載する。第1光軸方向X1と反対方向を、第2光軸方向X2と記載する。
反射部材40は、光源10の出射した光を、光学素子30に向けて反射する。反射部材40は、光源10と光学素子30との間に介在する。
反射部材40は、例えば、中空の略円錐台形状を有する。反射部材40は、第1開口41と、第2開口42とを有する。第1開口41は、反射部材40のうち第1光軸方向X1の端部に位置する。第2開口42は、反射部材40のうち第2光軸方向X2の端部に位置する。第1開口41及び第2開口42の各々は、例えば、略円形状である。
第1開口41は、ヒートシンク20の底部21に対向し、ヒートシンク20の底部21で閉塞される。第1開口41の内側には、光源10が配置される。第2開口42は、光学素子30に対向し、光学素子30で閉塞される。従って、反射部材40は、光源10と光学素子30との間の空間を閉塞する。反射部材40は、光源10の出射する光を光学素子30に向けて反射する。その結果、光のロスを低減することが可能となる。光のロスは、光源10の出射する光が、光学素子30へ到達しないことを示す。
枠体50は、ヒートシンク20の底部21に取り付けられる。枠体50は、光源10の出射した光が、光学素子30を透過することなく、照明器具1の外側に漏れることを抑制する。照明器具1の外側は、例えば、天井C裏を示す。
枠体50は、例えば、略筒形状を有する。枠体50は、第3開口と、第4開口52と、爪部51とを有する。第3開口は、枠体50のうち第1光軸方向X1の端部に位置する。第4開口52は、枠体50のうち第2光軸方向X2の端部に位置する。第3開口には、爪部51が形成される。爪部51は、ヒートシンク20の底部21に係合する。その結果、枠体50がヒートシンク20に固定される。枠体50の第4開口52の内側には、光学素子30が配置される。枠体50の内側には、反射部材40が配置される。従って、枠体50は、反射部材40を囲む。その結果、光学素子30を透過することなく反射部材40から漏れた光が、照明器具1の外側に出射することを抑制できる。
案内部60は、枠体50に連なり、枠体50から第2光軸方向X2に向かって突出する。案内部60は、張り出し部61と、第5開口62と、第6開口63と、連結部64と、段差部65とを有する。張り出し部61と、第5開口62と、第6開口63と、連結部64と、段差部65とは、第2光軸方向X2に向かって、張り出し部61、段差部65、第5開口62、連結部64、及び第6開口63の順に配置される。
張り出し部61は、例えば、略円筒形状を有する。張り出し部61の内側には、枠体50の先端部が配置される。枠体50の先端部は、枠体50のうち第2光軸方向X2の先端側に位置する部分である。第5開口62は、光学素子30と対向する。従って、光学素子30から出射した光は、第5開口62を通じて、案内部60の内部に進入する。
張り出し部61と第5開口62との間には、段差部65が形成される。段差部65は、案内部60の内部空間の面積を光軸LAに対して垂直な方向に絞った形状を有する。段差部65には、枠体50の第4開口52が対向する。従って、段差部65で第4開口52を押さえて、枠体50と案内部60との連結部の密閉性を向上させることができる。その結果、枠体50と案内部60との連結部から光が漏れることを抑制できる。また、照明器具1を組み立てる際、枠体50の第4開口52に対し、段差部65を突き合わせることで、枠体50に対する案内部60の位置決めを容易に行える。その結果、照明器具1の組み立てを円滑に行うことができる。
第6開口63は、案内部60の内部と案内部60の外部とを連通する。連結部64は、光軸方向Xの両端が開口する筒形状を有する。連結部64の開口のうち第1光軸方向X1の端部に位置する開口が、第5開口62である。連結部64の開口のうち第2光軸方向X2の端部に位置する開口が、第6開口63である。
反射部材40の内部空間と案内部60の内部空間とは、光源10の出射した光の通路Tを形成する。
第6開口63の内径D2は、第1開口41の内径D1よりも大きい。(D1<D2)。従って、第1開口41から第6開口63に向かう程、光の通路Tの面積が大きくなる。光の通路Tの面積は、光軸LAに対して垂直な光の通路Tの断面の面積を示す。その結果、光源10から出射した光が広がりながら進行する。内径D1に対する内径D2の大きさを変更することで、光の広がりの程度を調整することができる。
発光部11が出射した光は、反射部材40の内部を進行する。反射部材40の内部を進行する光の一部は、反射部材40で反射されて、第4開口52から出射する。また、反射部材40の内部を進行する光の他の一部は、第4開口52から直接出射する。
第4開口52から出射した光は、光学素子30の第2外面部32に入射する。第2外面部32に入射した光は、光透過部33に入射する。光透過部33に入射した光は、光透過部33を透過する。光透過部33を透過した光は、第1外面部31に入射する。第1外面部31に入射した光は、第1外面部31から出射する。
第1外面部31から出射した光は、第5開口62に入射する。第5開口62に入射した光は、連結部64の内部を進行し、第6開口63から出射する。
第1フランジ部71は、張り出し部61と枠体50との間に介在する。第1フランジ部71は、ヒートシンク20の底部21に取り付けられる。
支持体72は、第1フランジ部71に取り付けられる。支持体72は、第1フランジ部71から第6開口63に亘って設置される。支持体72には、取付バネ73と第2フランジ部74とが取り付けられる。取付バネ73は、第2光軸方向X2に向かって付勢される。第2フランジ部74は、第6開口63の外周部に配置される。取付バネ73と第2フランジ部74とが、天井Cを挟持し、照明器具1を天井Cに取り付ける。
[第1実施形態]
次に、図4(a)〜図5を参照して、光学素子30について説明する。図4(a)は光学素子30の側面図である。具体的には、図4(a)は、光軸方向Xに対して垂直な方向から光学素子30を見た図である。図4(b)は、光学素子30の平面図である。具体的には、図4(b)は、光学素子30を第2光軸方向X2に見た図である。図5は、図4(a)に示す光学素子30の一部拡大図である。
図4(a)〜図5に示すように、光学素子30は、第3フランジ部34と、操作部35とをさらに備える。第3フランジ部34は、光学素子30のうち縁部に位置する部分を示す。第3フランジ部34は、例えば、略円環形状を有する。従って、第3フランジ部34の内側に、第1外面部31と第2外面部32とが位置する。操作部35は、第1外面部31に固定された突起である。操作部35は、第2光軸方向X2に突出する。操作部35は、第1外面部31の縁部に位置する。操作部35は、複数設けられる。第1実施形態では、操作部35は、2つ設けられる。2つの操作部35は、光軸LA回りに180度の間隔を空けて配置される。なお、操作部35は、1つでもよい。
第1外面部31は、第1平面36を有する。第1平面36は、光が透過可能である。第1平面36は、光軸LAに対して垂直な平面である。第1平面36には光軸LAが交わる。
第2外面部32は、分光部Qを有する。分光部Qは、第2平面37と、第3平面38と、頂部81と、底部82と、突部83とを有する。第2平面37と第3平面38とは光が透過可能である。第2平面37及び第3平面38は、光透過部33を介して第1平面36に対向する。つまり、第2平面37及び第3平面38と、第1平面36との間には、光透過部33が介在する。また、第2平面37及び第3平面38は、第1平面36に対し、光軸方向Xに間隔を空けて配置される。
第2平面37と第3平面38とは、第1平面36に対して互いに異なる方向に傾斜する。
従って、第2平面37と第3平面38とは、光学素子30に入射する光を、異なる方向に屈折させることができる。その結果、1つの照明器具1を使用して、互いに離間した複数の照射領域に同時に光をスポット照射することができる。
加えて、複数の照明器具を使用して光をスポット照射する場合に比べ、装置構成を簡素化することができる。従って、光学素子30を使用することで、簡素な装置構成で、互いに離間した複数の照射領域に同時に光をスポット照射することができる。また、複数の照明器具を設ける必要がなく、装置の製造コストを低減することができる。
第2平面37の頂端部37aは、第2平面37のうち第1平面36から遠い側の端部を示す。第2平面37の底端部37bは、第2平面37のうち第1平面36に近い側の端部を示す。
第3平面38の頂端部38aは、第3平面38のうち第1平面36から遠い側の端部を示す。第3平面38の底端部38bは、第3平面38のうち第1平面36に近い側の端部を示す。
第2平面37の頂端部37aと、第3平面38の頂端部38aとが互いに連結される。第2平面37の底端部37bと、第3平面38の底端部38bとが互いに連結される。
頂部81は、頂端部37aと頂端部38aとの連結部である。底部82は、底端部37bと底端部38bとの連結部である。図4(b)において、頂部81は、一点鎖線で表される。底部82は、実線で表される。
第1方向M1に対する第2平面37の第1傾斜角度θaは鋭角である。第1方向M1は、第1平面36に沿って第2平面37から第3平面38に向かう方向を示す。第1平面36に沿うとは、第1方向M1が第1平面36に平行であることを示す。
第2方向M2に対する第3平面38の第2傾斜角度θbは鋭角である。第2方向M2は、第1方向M1と反対方向を示す。
なお、第1実施形態では、第1傾斜角度θaは、第2傾斜角度θbと等しい。従って、第1実施形態では、光学素子30を長手方向Yに見ると、頂部81と、第2平面37の底端部37bと、第3平面38の底端部38bとを頂点とする三角形Vが、二等辺三角形になる。
突部83は、略三角柱形状を有する。突部83は、頂部81と、第2平面37の底端部37bと、第3平面38の底端部38bとを結んで形成される。従って、突部83は、三角形Vが長手方向Yに延びた形状を有する。
以上、図4(a)〜図5を参照して説明したように、第1傾斜角度θaは鋭角であり、第2傾斜角度θbは鋭角である。従って、第2平面37と第3平面38とが互いに異なる向きに傾斜する。その結果、第2平面37と第3平面38とは、光学素子30に入射する光を、互いに異なる方向に効果的に屈折させることができる。例えば、壁に挟まれた空間の天井に照明器具1を設置することで、照明器具1の両側に位置する壁の各々に同時に光をスポット照射することができる。
続いて、図4(a)及び図4(b)を参照して、頂部81と底部82との配列について説明する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、分光部Qは、複数の第2平面37と、複数の第3平面38と、複数の頂部81と、複数の底部82と、複数の突部83とを有する。
分光部Qは、複数の第2平面37と、複数の第3平面38とを交互に1つずつ配置する。具体的には、分光部Qは、複数の第2平面37と、複数の第3平面38とを、幅方向Zに沿って交互に1つずつ配置する。幅方向Zは、長手方向Yに対して垂直な方向である。また、幅方向Zは、光軸LAに対して垂直な方向である。
複数の第2平面37と複数の第3平面38とのうち、幅方向Zに隣り合う第2平面37の頂端部37aと第3平面38の頂端部38aとが互いに連結される。その結果、複数の頂部81が形成される。
複数の第2平面37と複数の第3平面38とのうち、幅方向Zに隣り合う第2平面37の底端部37bと第3平面38の底端部38bとが互いに連結される。その結果、複数の底部82が形成される。
複数の頂部81と、複数の底部82とは、互いに平行であり、交互に1つずつ配置される。複数の頂部81と、複数の底部82とは、幅方向Zに沿って並ぶ。また、複数の突部83は、幅方向Zに沿って並ぶ。
以上、図4(a)及び図4(b)を参照して説明したように、複数の頂部81と複数の底部82とが交互に1つずつ配置される。従って、第2平面37と第3平面38との傾斜角度を変えずに頂部81の個数と底部82の個数とを増やす程、各突部83の高さが低くなり光学素子30の光軸方向Xの寸法を小さくすることができる。その結果、光学素子30の厚みの増加を抑制することができる。また、複数の第2平面37と、複数の第3平面38とを第2外面部32に効率的に配置することができる。
次に、図6〜図8(b)を参照して、光学素子30が複数の照射領域に光をスポット照射する第1原理について説明する。
図6は、光学素子30を透過する光の進行方向を示す側面図である。
図7は図6の一部拡大図である。図7において、領域β1は、光源10と光学素子30との間の領域を示す。領域β2は、光学素子30の内部の領域を示す。領域β3は、光学素子30から出射した光が進行する領域を示す。
図8(a)は、光の照射領域を示す側面図である。図8(b)は、光の照射領域を示す平面図である。具体的には、図8(b)は、光の照射領域を第2光軸方向X2に見た図である。図8(a)、及び図8(b)において、第1棚S1が位置する第1照射領域α1と、第2棚S2が位置する第2照射領域α2とに同時に光をスポット照射する。
図6及び図7に示すように、光源10は、第1照射領域α1と第2照射領域α2とに同時に光をスポット照射する。第1照射領域α1は、光源10よりも下方に位置し、光源10よりも幅方向Zの一側に位置する。第1照射領域α1には、第1棚S1が位置する。第2照射領域α2は、光源10よりも下方に位置し、光源10よりも幅方向Zの他側に位置する。第2照射領域α2には、第2棚S2が位置する。
光源10の出射する光は、第1光L1と、第2光L2とを含む。第1光L1は、光源10が出射する光のうち、第1照射領域α1側に向かう光を示す。第2光L2は、光源10が出射する光のうち、第2照射領域α2側に向かう光を示す。
第1原理では、光源10の出射した光は、光軸方向Xに対して傾斜しつつ光学素子30に入射する。この場合、第1光L1は、光軸方向Xに対して幅方向Zの一側に傾斜しつつ第2平面37に入射する光を示す。この場合、第2光L2は、光軸方向Xに対して幅方向Zの他側に傾斜しつつ第3平面38に入射する光を示す。
第1光L1の進行方向の変化について説明する。
第1光L1は、第1光部L11と、第2光部L12と、第3光部L13とを有する。
光軸方向Xに対する第1光部L11の進行方向の傾斜角度を、第1光軸角度と記載する。光軸方向Xに対する第2光部L12の進行方向の傾斜角度を、第2光軸角度と記載する。光軸方向Xに対する第3光部L13の進行方向の傾斜角度を、第3光軸角度と記載する。
領域β1において、第1光部L11が、第1光軸角度θ1で進行する。第2光部L12が、第2光軸角度θ2で進行する。第3光部L13が、第3光軸角度θ3で進行する。第1光軸角度θ1は、第2光軸角度θ2よりも大きい。第3光軸角度θ3は、第1光軸角度θ1よりも大きい(θ2<θ1<θ3)。
まず、領域β2での、第1光部L11と第2光部L12と第3光部L13との進行方向の変化について、(1−1)、(2−1)及び(3−1)の順に説明する。なお、空気に対する光学素子30の屈折率は、屈折率nである。屈折率nは、1よりも大きい。
(1−1)第1光部L11は、入射角0度で光学素子30の第2平面37に入射し、屈折しない。従って、領域β1での第1光軸角度と、領域β2での第1光軸角度とを比較すると、第1光軸角度は変化せず、角度θ1のままである。従って、第1光部L11が光学素子30に入射しても、第1光部L11の進行方向が変化しない。
(2−1)第2光部L12は、入射角θ21で光学素子30の第2平面37に入射し、屈折角θ22で光学素子30に進入する。入射角θ21よりも、屈折角θ22の方が小さい(θ22<θ21)。理由は、屈折率nが1よりも大きいからである。従って、領域β1での第2光軸角度と、領域β2での第2光軸角度とを比較すると、第2光軸角度は、角度θ2から角度θ23に変化する。角度θ23は、角度θ2よりも大きい(θ23>θ2)。従って、第2光部L12が光学素子30に入射すると、第2光部L12の第2光軸角度が大きくなる。その結果、第2光部L12の進行方向が、第1光部L11の進行方向に近づく。
(3−1)第3光部L13は、入射角θ31で光学素子30の第2平面37に入射し、屈折角θ32で光学素子30に進入する。入射角θ31よりも、屈折角θ32の方が小さい(θ32<θ31)。理由は、屈折率nが1よりも大きいからである。従って、領域β1での第3光軸角度と、領域β2での第3光軸角度とを比較すると、第3光軸角度は、角度θ3から角度θ33に変化する。角度θ33は、角度θ3よりも小さい(θ33<θ3)。従って、第3光部L13が光学素子30に入射すると、第3光部L13の第3光軸角度が小さくなる。その結果、第3光部L13の進行方向が、第1光部L11の進行方向に近づく。
従って、(1−1)〜(3−1)に示すように、第1光L1は、光学素子30の第2平面37に入射する。従って、領域β2において、第1光L1に含まれる複数の光部の進行方向が、第1光部L11の進行方向に近づく。その結果、第1光L1が広がることを抑えることができる。つまり、第2平面37は、第1光L1の広がりを抑え、第1光L1の進行方向を第2光部L12の進行方向に近づける。その結果、領域β2において、第1光L1の進行方向が、第2光部L12の進行方向に沿うように整えられる。
次に、領域β3での、第1光部L11と第2光部L12と第3光部L13との進行方向の変化について、(1−2)、(2−2)及び(3−2)の順に説明する。なお、光学素子30に対する空気の屈折率は、屈折率(1/n)である。屈折率(1/n)は、0よりも大きく、1よりも小さい。
(1−2)第1光部L11は、入射角θ1で光学素子30の第1平面36に入射し、屈折角θ14で光学素子30から出射する。入射角θ1よりも、屈折角θ14の方が大きい(θ14>θ13)。理由は、屈折率(1/n)が1よりも小さいからである。従って、領域β2での第1光軸角度と、領域β3での第1光軸角度とを比較すると、第1光軸角度は、角度θ1から角度θ14に変化する。角度θ14は、角度θ1よりも大きい(θ14>θ1)。従って、第1光部L11が光学素子30から出射すると、第1光部L11の第1光軸角度が増加する。その結果、第1光部L11の進行方向が、幅方向Zの一側にさらに傾く。
(2−2)第2光部L12は、入射角θ23で光学素子30の第1平面36に入射し、屈折角θ24で光学素子30から出射する。入射角θ23よりも、屈折角θ24の方が大きい(θ23<θ24)。理由は、屈折率(1/n)が1よりも小さいからである。従って、第2光部L12が光学素子30から出射すると、第2光部L12の第2光軸角度が、角度θ23から角度θ24に増加する。その結果、第2光部L12の進行方向が、幅方向Zの一側にさらに傾く。
(3−2)第3光部L13は、入射角θ33で光学素子30の第1平面36に入射し、屈折角θ34で光学素子30から出射する。入射角θ33よりも、屈折角θ34の方が大きい(θ33<θ34)。理由は、屈折率(1/n)が1よりも小さいからである。従って、第3光部L13が光学素子30から出射すると、第3光部L13の第3光軸角度が、角度θ33から角度θ34に増加する。その結果、第3光部L13の進行方向が、幅方向Zの一側にさらに傾く。
従って、(1−2)〜(3−2)に示すように、第1光L1が光学素子30の第1平面36から出射するとき、第1光L1の進行方向が幅方向Zの一側にさらに傾く。
以上、図6及び図7を参照して説明したように、第2平面37が、第1光L1の進行方向を整える。具体的には、第2平面37は、第1光L1の広がりが抑え、第1光L1の進行方向を、第2光部L12の進行方向に沿うように整える。そして、第1平面36が、第1光L1の進行方向を、幅方向Zの一側にさらに傾ける。その結果、図8(a)及び図8(b)に示すように、第1照射領域α1に対し、第1光L1を効果的にスポット照射することが可能となる。
なお、第1光L1のうち第3平面38に入射する光部Laについては考慮しない。なぜなら、第1光L1の進行方向に対し第2平面37が対向するように配置される。従って、第1光L1の大部分が第2平面37に入射するからである。
また、第1光L1について記載した第1原理((1−1)〜(3−2))と同様の原理で、光学素子30は、第2光L2の進行方向を変更する。具体的には、光学素子30の第3平面38が、第2光L2の広がりを抑え、第2光L2の進行方向を第4光部の進行方向に沿うように整える。第4光部は、第2光L2のうち、入射角0度で第3平面38に入射する光を示す。そして、第1平面36が、第2光L2の進行方向を、幅方向Zの他側にさらに傾ける。その結果、第2照射領域α2に対し、第2光L2を効果的にスポット照射することが可能となる。
以上、図6〜図8(b)を参照して説明したように、光学素子30は、光軸LAよりも幅方向Zの一側へ第1光L1をスポット照射し、光軸LAよりも幅方向Zの他側へ第2光L2をスポット照射する。その結果、光学素子30は、光の指向性を複数の方向に高めることができ、互いに離間した複数の照射領域に同時に光をスポット照射することが可能となる。なお、第1実施形態の光学素子30は、2つの照射領域に同時に光をスポット照射する。
次に、図9を参照して、光学素子30が複数の照射領域に光をスポット照射する第2原理について説明する。図9は、光学素子30を透過する光の進行方向を示す側面図である。
図9に示すように、第2原理では、光源10の出射した光は、光学素子30に対し、光軸方向Xに略沿って入射する。この場合、第1光L1は、光源10が出射した光のうち第2平面37を透過する光を示す。また、この場合、第2光L2は、光源10が出射した光のうち第3平面38を透過する光を示す。
光軸方向Xに対する第1光L1の進行方向の傾斜角度を、第5光軸角度と記載する。光軸方向Xに対する第2光L2の進行方向の傾斜角度を、第6光軸角度と記載する。
領域β1において、第1光L1は、第2光軸方向X2に進行する。従って、第5光軸角度は0度になる。
第1光L1は、入射角θ51で光学素子30の第2平面37に入射し、屈折角θ52で光学素子30に進入する。従って、第1光L1が光学素子30に進入する際、第1光L1は屈折し、領域β2において、第5光軸角度が0度から角度θ53に増加する。その結果、第1光L1の進行方向が幅方向Zの一側に傾く。
第1光L1は、入射角θ53で光学素子30の第1平面36に入射し、屈折角θ54で光学素子30から出射する。入射角θ53よりも、屈折角θ54の方が大きい(θ53<θ54)。理由は、屈折率(1/n)が1よりも小さいからである。従って、第1光L1が光学素子30から出射すると、第1光L1の第5光軸角度が、角度θ53から角度θ54に増加する。その結果、第1光L1の進行方向が、幅方向Zの一側にさらに傾く。
以上、図9を参照して説明したように、第2平面37が、第1光L1の進行方向を幅方向Zの一側に傾ける。そして、第1平面36が、第1光L1の進行方向を、幅方向Zの一側にさらに傾ける。その結果、第1照射領域α1に対し、第1光L1を効果的にスポット照射することが可能となる(図8(a)及び図8(b)参照)。
なお、第1光L1について記載した第2原理と同様の原理で、光学素子30は、第2光L2の進行方向を変更する。具体的には、光学素子30の第3平面38は、第2光L2の進行方向を幅方向Zの他側に傾ける。そして、第1平面36が、第2光L2の進行方向を、幅方向Zの他側にさらに傾ける。その結果、第2照射領域α2に対し、第2光L2を効果的に照射することが可能となる(図8(a)及び図8(b)参照)。
以上、図9を参照して説明したように、光学素子30は、光軸LAよりも幅方向Zの一側へ第1光L1をスポット照射し、光軸LAよりも幅方向Zの他側へ第2光L2をスポット照射する。従って、光学素子30は、光の指向性を複数の方向に高めることができ、互いに離間した複数の照射領域に同時に光をスポット照射することが可能となる。
次に、図10〜図11(b)を参照して、光学素子30を支持する支持機構90について説明する。図10は、支持機構90を示す斜視図である。図11(a)及び図11(b)は、光の照射領域を示す平面図である。具体的には、図11(a)及び図11(b)は、光の照射領域を第2光軸方向X2に見た図である。
図10に示すように、照明器具1は、支持機構90をさらに備える。支持機構90は、第3フランジ部34と、操作部35と、係止部91と、第1挟持部92と、第2挟持部93とを有する。
係止部91は、枠体50に固定される。具体的には、係止部91は、第4開口52の内面に固定される。係止部91は、第4開口52の内側に突出する。係止部91は、複数設けられる。第1実施形態では、係止部91は、4つ設けられる。4つの係止部91は、光軸LA回りに90度ずつ間隔を空けて配置される。なお、係止部91は、少なくとも2つ設けられればよい。この場合、2つの係止部91が、光軸LA回りに180度の間隔を空けて配置される。互いに対向する係止部91の内縁部の間隔P1は、光学素子30の径よりも大きい。従って、光学素子30は、複数の係止部91に干渉されることなく、第4開口52から枠体50の内部に進入する。
第1挟持部92は、例えば、略円環形状を有する。第1挟持部92は、枠体50の内部に配置され、枠体50の内面から枠体50の内側へ突出する。第1挟持部92は、複数の係止部91に対し、第1光軸方向X1に間隔を空けて配置される。第1挟持部92は、枠体50の内面から枠体50の内側へ突出する。第1挟持部92は、光学素子30に対応した形状を有する。つまり、第1挟持部92は、第3フランジ部34に対しては光軸方向Xに重なり、第2外面部32に対しては光軸方向Xに重ならない形状を有する。従って、光源10の出射した光は、第1挟持部92に干渉されることなく、第2外面部32に入射する。
第2挟持部93は、例えば、略円環形状である。第2挟持部93は、第1挟持部92と略同じ形状である。第2挟持部93は、切欠部94を有する。切欠部94は、第2挟持部93の外縁部に形成される。切欠部94は、係止部91と同数設けられる。従って、第1実施形態では、切欠部94は、4つ設けられる。4つの切欠部94は、光軸LA回りに90度ずつ間隔を空けて配置される。第2挟持部93の外縁部において、隣り合う切欠部94の間の部分を膨出部95と記載する。膨出部95は、切欠部94に比べ、第2挟持部93の径方向へ膨出する形状を有する。互いに対向する切欠部94の間隔P2は、互いに対向する係止部91の間隔P1よりも小さい(P2<P1)。これに対し、互いに対向する膨出部95の間隔P3は、互いに対向する係止部91の間隔P1よりも大きい(P3>P1)。
第2挟持部93は、光学素子30に対応した形状を有する。つまり、第2挟持部93は、光学素子30のうち第3フランジ部34に対しては光軸方向Xに重なり、光学素子30のうち第1外面部31に対しては光軸方向Xに重ならない形状を有する。従って、第1外面部31を透過した光は、第2挟持部93に干渉されることなく、照明器具1の外側へ出射する。
光学素子30を第4開口52に取り付ける動作について説明する。
まず、光学素子30を第4開口52に挿入する。光学素子30を第4開口52に挿入した後、切欠部94の光軸LA回りの位相と、係止部91の光軸LA回りの位相とを一致させて、第2挟持部93を第4開口52に挿入する。第2挟持部93を第4開口52に挿入した後、第2挟持部93を光軸LA回りに回動し、膨出部95に係止部91を下方から接触させる。係止部91が膨出部95に接触すると、係止部91が第2挟持部93を第4開口52に係止する。その結果、光学素子30が、第1挟持部92と第2挟持部93とで挟持され、第4開口52に取り付けられる。
光学素子30は、第4開口52に取り付けられると、光軸LA回りに回動可能に支持される。具体的には、第1挟持部92と第2挟持部93とが、光学素子30の回動を許容する程度の強さで、光学素子30を挟持する。
照明器具1からの光の照射範囲を変更する動作について説明する。
光学素子30が第4開口52に取り付けられた状態で、ユーザーは、操作部35を把持して光学素子30を光軸LA回りに回動する。その結果、照明器具1が光をスポット照射する照射領域を変更することが可能となる。具体的には、照明器具1が光をスポット照射する照射領域を、光軸LA回りに変更することが可能となる。第1実施形態では、ユーザーは、光軸LAを中心に、光学素子30を反時計回りに90度回動する。その結果、照明器具1が第1光L1をスポット照射していた領域が、反時計回りに90度変わる。具体的には、照明器具1が第1光L1をスポット照射していた領域が、第1照射領域α1(図11(a))から第3照射領域α3(図11(b))に変わる。また、照明器具1が第2光L2をスポット照射していた領域が、反時計回りに90度変わる。具体的には、照明器具1が第2光L2をスポット照射していた領域が、第2照射領域α2(図11(a))から第4照射領域α4(図11(b))に変わる。
以上、図10〜図11(b)を参照して説明したように、支持機構90は、光学素子30を光軸LA回りに回動自在に支持する。その結果、ユーザーは、光学素子30を光軸LA回りに回動し、光をスポット照射する照射領域を変更することができる。
また、照明器具1の装置構成を変更することなく光の照射領域を変更することができる。従って、照明器具1の利便性を向上させることができる。
また、光学素子30を光軸LA回りに回動し、光の照射領域を調整することができる。従って、狙った領域に精度よく光をスポット照射することができる。
[第2実施形態]
図12(a)及び図12(b)を参照して、第2実施形態の光学素子30について説明する。図12(a)は、第2実施形態の光学素子30の平面図である。具体的には、図12(a)は、第2実施形態の光学素子30を第2光軸方向X2に見た図である。図12(b)は、光の照射領域を示す平面図である。具体的には、図12(b)は、光の照射領域を上方から見た図である。第2実施形態の光学素子30は、分光部を複数有する点で、第1実施形態の光学素子30と異なる。
第2実施形態の光学素子30と、第1実施形態の光学素子30とは、同じ構成の第1外面部31と、光透過部33とを備える。従って、第2実施形態の光学素子30の第1外面部31と、光透過部33との説明は省略する。
これに対し、第2実施形態の光学素子30と、第1実施形態の光学素子30とは、異なる構成の第2外面部32を備える。以下、第2実施形態の光学素子30の第2外面部32について説明する。
図12(a)及び図12(b)に示すように、第2外面部32は、複数の領域と、複数の分光部とを有する。複数の領域は、第1領域γ1と、第2領域γ2とを含む。光学素子30のうち第2外面部32の占める領域は、第1領域γ1と第2領域γ2とに2分割される。第1領域γ1と第2領域γ2とは、例えば、光軸LAを中心とした略半円形状を有する。
複数の分光部のうちの1つは第1分光部Qaである。複数の分光部のうちの他の1つは第2分光部Qbである。第1分光部Qaは、複数の頂部81aと、複数の底部82aとを有する。第2分光部Qbは、複数の頂部81bと、複数の底部82bとを有する。頂部81a及び頂部81bは、分光部Qの頂部81に相当する。底部82a及び底部82bは、分光部Qの底部82に相当する。第1分光部Qaは、第1領域γ1に配置される。第2分光部Qbは、第2領域γ2に配置される。第2実施形態の光学素子30を側面視したときの形状は、図5に示す第1実施形態の光学素子30の側面図の形状と同じ形状を含む。具体的には、図12(a)に示す第1分光部Qaの頂部81aが図5に示す頂部81に相当する場合、図12(a)に示す第1分光部Qaの底部82aが図5に示す底部82に相当する。また、図12(a)に示す第2分光部Qbの頂部81bが図5に示す頂部81に相当する場合、図12(a)に示す第2分光部Qbの底部82bが図5に示す底部82に相当する。
頂部81aの延びる方向は、頂部81bの延びる方向と異なる。第2実施形態では、頂部81aは、長手方向Yに沿って延びる。これに対し、頂部81bは、幅方向Zに沿って延びる。頂部81aの延びる方向に対し、頂部81bの延びる方向が垂直である。
第2実施形態の光学素子30によると、第1分光部Qaは、第1照射領域α1に第1光L1をスポット照射する。また、第1分光部Qaは、第2照射領域α2に第2光L2をスポット照射する。第2分光部Qbは、第3照射領域α3に第3光L3をスポット照射する。また、第2分光部Qbは、第4照射領域α4に第4光L4をスポット照射する。第1照射領域α1〜第4照射領域α4は、光軸LA回りに90度間隔で離れて並ぶ。従って、第2実施形態の光学素子30によると、互いに離間した4つの領域に同時に光をスポット照射することが可能となる。
第2実施形態の光学素子30を備える照明器具は、例えば、飲食店において、第1照射領域α1〜第4照射領域α4の各々にテーブルを配置し、4つのテーブルの各々を上方からスポット照射する際に用いられる。その結果、1つの照明器具で、4つのテーブルを同時にスポット照射することが可能となる。
以上、図12(a)及び図12(b)を参照して説明したように、第2外面部32は、複数の分光部を有する。従って、第2実施形態の光学素子30は、互いに離間した複数の照射領域に同時に光をスポット照射することができる。その結果、装置構成を簡素化することができ、装置の製造コストを低減することができる。
次に、図13(a)及び図13(b)を参照して、第2実施形態の光学素子30の変形例について説明する。図13(a)及び図13(b)は、変形例の光学素子30を示す平面図である。具体的には、図13(a)及び図13(b)は、変形例の光学素子30を第2光軸方向X2に見た図である。変形例の光学素子30は、4つの分光部を有する点で、第2実施形態の光学素子30と異なる。
変形例の光学素子30と、第1実施形態の光学素子30とは、同じ構成の第1外面部31と、光透過部33とを備える。従って、変形例の光学素子30の第1外面部31と、光透過部33との説明は省略する。
これに対し、変形例の光学素子30と、第1実施形態の光学素子30とは、異なる構成の第2外面部32を備える。以下、変形例の光学素子30の第2外面部32について説明する。
図13(a)及び図13(b)に示すように、第2外面部32は、複数の領域と、複数の分光部とを有する。複数の領域は、第1領域γ1と、第2領域γ2と、第3領域γ3と、第4領域γ4とを含む。光学素子30のうち第2外面部32の占める領域は、第1領域γ1と第2領域γ2と、第3領域γ3と、第4領域γ4とに4分割される。第1領域γ1と第2領域γ2と第3領域γ3と第4領域γ4とは、例えば、光軸LAを中心とした略四半円形状を有する。
複数の分光部は、第1分光部Qaと、第2分光部Qbとを含む。第1分光部Qaは、第1領域γ1と第3領域γ3とに配置される。第2分光部Qbは、第2領域γ2と第4領域γ4とに配置される。変形例の光学素子30を側面視したときの形状は、図5に示す第1実施形態の光学素子30の側面図の形状と同じ形状を含む。具体的には、図13(a)及び図13(b)に示す第1分光部Qaの頂部81aが図5に示す頂部81に相当する場合、図13(a)及び図13(b)に示す第1分光部Qaの底部82aが図5に示す底部82に相当する。また、図13(a)及び図13(b)に示す第2分光部Qbの頂部81bが図5に示す頂部81に相当する場合、図13(a)及び図13(b)に示す第2分光部Qbの底部82bが図5に示す底部82に相当する。
変形例の光学素子30によると、第2実施形態の光学素子30と同様に、互いに離間した4つの領域に同時に光をスポット照射することが可能となる(図12(b)参照)。
[第3実施形態]
図14(a)及び図14(b)を参照して、第3実施形態の光学素子30について説明する。図14(a)は、第3実施形態の光学素子30を示す平面図である。具体的には、図14(a)は、第3実施形態の光学素子30を第2光軸方向X2に見た図である。図14(b)は、光の照射領域を示す側面図である。第3実施形態の光学素子30は、第2外面部32が第1平面36に平行な平面を有する点で、第1実施形態の光学素子30と異なる。
第3実施形態の光学素子30と、第1実施形態の光学素子30とは、同じ構成の第1外面部31と、光透過部33とを備える。従って、第3実施形態の光学素子30の第1外面部31と、光透過部33との説明は省略する。
これに対し、第3実施形態の光学素子30と、第1実施形態の光学素子30とは、異なる構成の第2外面部32を備える。詳細には、第3実施形態の光学素子30の第2外面部32は、第1実施形態の光学素子30の第2外面部32に、第4平面39を追加した構成を有する。以下、第3実施形態の光学素子30の第2外面部32について説明する。
図14(a)及び図14(b)に示すように、第2外面部32は、第4平面39をさらに有する。第4平面39は、第1平面36に平行である。第4平面39は、光透過部33を介して第1平面36と対向する。第4平面39は、例えば、第2外面部32の中央部に配置される。第4平面39は、例えば、略円形状である。第4平面39の周囲には、分光部Qが配置される。第3実施形態の光学素子30を側面視したときの形状は、図5に示す第1実施形態の光学素子30の側面図の形状と同じ形状を含む。具体的には、図14(a)に示す頂部81が図5に示す頂部81に相当し、図14(a)に示す底部82が図5に示す底部82に相当する。
以上、図14(a)及び図14(b)を参照して説明したように、第2外面部32には第4平面39が配置される。従って、光源10の出射した光の一部である第5光L5は、第4平面39に入射し、第1平面36から出射する。第5光L5は、照明器具1から下方に向かって進み、照明器具1の下方をスポット照射する。また、光源10の出射した光の一部である第1光L1は、分光部Qに入射し、第1平面36から出射する。第1光L1は、照明器具1よりも幅方向Wの一側に位置する第1照射領域α1をスポット照射する。また、光源10の出射した光の一部である第2光L2は、分光部Qに入射し、第1平面36から出射する。第2光L2は、照明器具1よりも幅方向Wの他側に位置する第2照射領域α2をスポット照射する。従って、第3実施形態の光学素子30は、互いに離間した3つの照射領域に同時に光をスポット照射することが可能となる。
また、第1外面部31の第1平面36に拡散部を設けてもよい。拡散部は、例えば、光透過部33を介して第4平面39と対向する。拡散部は、光を拡散させる。本明細書において、光の拡散は、光を広げること又は光を散乱することを含む概念である。光の散乱は、光を乱反射等して光を散らすことを示す。具体的には、拡散部は、拡散部に入射した光を拡散させて出射するように、拡散部に入射した光を拡散させる。拡散部は、例えば、白色半透明であってもよい。拡散部は、例えば、光拡散材料を含有した樹脂を成形することによって形成してもよいし、透明材料で成形した後に表面に光拡散処理を施して形成してもよい。拡散部を設けることで、第5光L5の照射対象に照度ムラが発生することを抑制できる。また、拡散部を設けることで、グレアを低減することが可能となる。
なお、第4平面39を第2実施形態の光学素子30に設けてもよい。その結果、互いに離間した5つの照射領域に同時に光をスポット照射することが可能となる。
以上、図面(図1〜図14(b))を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(3))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)図5に示すように、第1実施形態では、第1傾斜角度θaと第2傾斜角度θbとが等しく、三角形Vは二等辺三角形である。しかし、本発明はこれに限定されない。第1傾斜角度θaと第2傾斜角度θbとが異なっていてもよい。
第1傾斜角度θaを変更し、第2平面37の第1平面36に対する傾きを変更することで、光軸LAに対する第1光L1の進行方向の傾きを変更することができる。また、第2傾斜角度θbを変更し、第3平面38の第1平面36に対する傾きの程度を変更することで、光軸LAに対する第2光L2の進行方向の傾きの程度を変更することができる。
例えば、図6に示す第1光L1の場合、第1傾斜角度θaが大きくなると、第2平面37の第1平面36に対する傾きが大きくなる。その結果、光軸LAに対する第1光L1の傾きが小さくなり、第1光L1が照明器具1に近接した領域をスポット照射する。従って、第1傾斜角度θaと第2傾斜角度θbとをそれぞれ変更することで、第1光L1がスポット照射する第1照射領域α1の位置と、第2光L2がスポット照射する第2照射領域α2の位置とをそれぞれ変更することが可能となる。
(2)図4(a)及び図5に示すように、三角形Vの頂部81aの角度を角度θcと記載する。第1実施形態では、全ての三角形Vの角度θcが互いに等しい。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、光軸LAから離れた三角形V程、角度θcが小さくなるように構成してもよい。その結果、第1光L1と第2光L2の各々の広がりを抑えつつ、第1光L1と第2光L2とをそれぞれの照射領域に向けて進行させることができる。また、光軸LAから離れた三角形V程、角度θcが大きくなるように構成してもよい。その結果、第1光L1と第2光L2との各々の広がりを促進させつつ、第1光L1と第2光L2とをそれぞれの照射領域に向けて進行させることができる。
(3)第1実施形態では、第2外面部32が光源10に対向する。しかし、本発明はこれに限定されない。第1外面部31が光源10に対向してもよい。しかし、第2外面部32が光源10に対向する方が、光学素子30が光の指向性を複数の方向により効果的に高めることができる点で有利である。