JP2018189759A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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恵士 山本
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惠瑜 王
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Abstract

【課題】PED安定性及びPEBsに優れた感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物等を提供する。【解決手段】明細書中に記載の一般式(a−1)又は(a−2)で表される繰り返し単位を有する樹脂(A)と、一般式(b−1)又は(b−2)で表される光酸発生剤(B)とを含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関し、例えば、半導体又はIC(Integrated Circuit)等の電子デバイス製造工程、サーマルヘッド等の回路基板の製造、インプリント用モールド構造体の作製、更にその他のフォトファブリケーション工程などに使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。
化学増幅レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする反応によって、活性光線又は放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。従来、IC等の半導体デバイスの製造プロセスにおいては、種々のレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われており、解像性をはじめとする各種性能の向上を目的として、レジスト組成物に用いる樹脂又は光酸発生剤についての研究が盛んに行われている。
例えば、特許文献1〜3には、アクリル酸誘導体等のα位に特定の置換基を有するモノマーを重合して得られる樹脂を含むレジスト組成物が記載されている。特許文献4及び5には、スルホニル基を含む特定の基を有する樹脂を含むレジスト組成物が記載されている。特許文献6及び7には、特定の構造を有する光酸発生剤を含むレジスト組成物が記載されている。
特開2016−57415号公報 特開2016−99482号公報 特開2016−161790号公報 特開2016−71206号公報 特開2016−71207号公報 国際公開第2014/046097号 特開2015−194703号公報
一方、製造プロセス上の要請で、露光から露光後加熱(PEB;Post Exposure Bake)までの時間経過による性能への影響が少ないこと、PEB温度の揺らぎによる性能への影響が少ないことが望まれている。本発明者らの検討により、上記特許文献1〜7に記載の樹脂又は光酸発生剤を用いたレジスト組成物は、特に、露光部の面積が非露光部の面積に対して広く、酸の発生量が多い場合のパターン(たとえば、ネガ型のパターン形成方法であれば孤立スペースパターン(特にスペースの幅が50nm以下のパターン)、ポジ型のパターン形成方法であれば孤立ラインパターン(特にラインの幅が50nm以下のパターン))の形成において、これらの要求性能を満たしていないことが分かった。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、特に、露光部の面積が非露光部の面積に対して広く、酸の発生量が多い場合のパターン(たとえば、ネガ型のパターン形成方法であれば孤立スペースパターン、ポジ型のパターン形成方法であれば孤立ラインパターン)の形成において、PED(Post Exposure time Delay)安定性、及びPEBs(Post Exposure Bake temperature sensitivity)に優れたパターンの形成に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
<1>
下記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する樹脂(A)と、
下記一般式(b−1)で表される化合物及び下記一般式(b−2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(B)と
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(a−1)中、Ra及びRaは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
Raは水素原子又は1価の有機基を表し、
Zaはフェニレン基、ナフチレン基、又は−CO−を表し、
Xaは−O−又は−NRa101−を表し、Ra101は水素原子、1価の炭化水素基、又は1価のフッ素化炭化水素基を表し、
Aaはヘテロ原子を含む1価の有機基を表す。
AaとRaは互いに結合し、環構造を形成してもよい。
一般式(a−2)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、
Laはヘテロ原子を含む基で置換された脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基を表す。
一般式(b−1)中、Rbは1価の炭化水素基又は1価の複素環基を表し、
Rbは、アルカンジイル基又はフッ素原子数が炭素原子数よりも小さいフッ素化アルカンジイル基を表し、
は、1価のカチオンを表す。
一般式(b−2)中、Rは、2価の脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基を表し、
は、炭素原子を表し、
は、下記一般式(b−3)で表される1価の有機基を表し、
kbは、1〜3の整数を表す。kbが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
F1、RF2及びRF3は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基を表し、
ibは、0〜9の整数を表す。但し、ibが0の場合、kbは1又は2である。ibが2以上の場合、複数のRF1は同一でも異なっていてもよく、複数のRF2は同一でも異なっていてもよい。
F3が複数の場合、複数のRF3は同一でも異なっていてもよい。
ただし、RF1、RF2及びRF3のうちの少なくとも1つはフッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。
は、1価のカチオンである。
一般式(b−3)中、Rはアルキル基を表し、
Ybは単結合又はアルキレン基を表し、
*は上記一般式(b−2)中のRとの結合手を表す。
<2>
上記樹脂(A)が上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位を有し、上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される繰り返し単位である、<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
13は、1価の有機基を表し、
14は、水素原子又は1価の有機基を表し、
11及びX12は、それぞれ独立して、−O−又は−NR101−を表し、R101は、水素原子、1価の炭化水素基、又は1価のフッ素化炭化水素基を表し、
11は、フェニレン基、ナフチレン基、又は−CO−を表す。
13とR14は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
101とR13、R101とR14は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
一般式(2)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
23は、水素原子又は1価の有機基を表し、
21は、ヘテロ原子を含む、下記一般式(2−a)又は(2−b)で表される1価の基を表し、
21は、1〜5の整数を表す。
一般式(2−a)及び(2−b)中、R24及びR25は、それぞれ独立して、−CN、−NO、1価のフッ素化炭化水素基、極性基で置換されている1価の炭化水素基、又は−Y21−Z21で表される1価の基を表し、Y21は、−CO−、−COO−、−SO−、又は−SOO−を表し、Z21は、1価の有機基を表し、
26は、水素原子、フッ素原子、−NO、又は1価の有機基を表し、
*は、上記一般式(2)で表される構造単位のX21以外の部分に結合する結合手を表す。
21が複数存在する場合、複数のY21は同一でも異なっていてもよく、Z21が複数存在する場合、複数のZ21は同一でも異なっていてもよい。
一般式(2−a)中、R24、R25及びR26のうちの2以上は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
一般式(2−b)中、R24及びR25は互いに結合し、環構造を形成してもよい。
一般式(3)中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
33は、水素原子又は1価の有機基を表し、
31は、2価の炭化水素基を表し、
31は、下記一般式(3−a)又は(3−b)で表される2価の基を表し、
31は、1価の有機基又はヒドロキシ基を表す。
一般式(3−a)及び(3−b)中、*及び**は、一方が上記一般式(3)中のE31に結合する結合手を表し、他方が上記一般式(3)中のX31に結合する結合手を表す。
<3>
上記樹脂(A)中の上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位の含有量の総量が、上記樹脂(A)中の全繰返し単位に対して5〜20モル%である、<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<4>
上記樹脂(A)が、更に、上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位とは異なる、酸の作用により分解し極性が増大する基を含む繰り返し単位(a−4)を有する、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<5>
上記樹脂(A)が、更に、上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位とは異なる、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含む繰り返し単位(a−3)を有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<6>
上記繰り返し単位(a−3)が、下記一般式(a−3L)で表される繰り返し単位である<5>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(a−3L)中、Rlは、水素原子又はメチル基を表し、
Rlは、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表し、
Rl〜Rlは、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。
但し、RlとRl、及びRlとRlは互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
<7>
上記化合物(B)が上記一般式(b−2)で表される化合物であり、上記一般式(b−2)におけるkbの値が1である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<8>
上記化合物(B)が上記一般式(b−2)で表される化合物であり、上記一般式(b−2)におけるR及びRが、Rとしての上記脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基の環構造上の同一炭素原子に結合するか、又は互いに隣接する2つの炭素原子にそれぞれ結合している、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<9>
更に、下記一般式(d1−1)で表される化合物、下記一般式(d1−2)で表される化合物、及び下記一般式(d1−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(d1−1)〜(d1−3)中、Rd〜Rdはアルキル基又はアルケニル基を表す。ただし、一般式(d1−2)中のRdにおける、硫黄原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子は結合していないものとする。
Ydは単結合又は2価の連結基を表し、
mは1以上の整数を表し、
Mdm+はそれぞれ独立にm価のカチオンを表す。
<10>
<1>〜<9>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成される感活性光線性又は感放射線性膜。
<11>
(i)<1>〜<9>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって感活性光線性又は感放射線性膜を支持体上に形成する工程、
(ii)上記感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射する工程、及び、
(iii)上記活性光線又は放射線が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、現像液を用いて現像する工程、
を有するパターン形成方法。
<12>
上記現像液が、有機溶剤を含有する現像液である、<11>に記載のパターン形成方法。
<13>
上記現像液が、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を含有する現像液である<12>に記載のパターン形成方法。
<14>
<11>〜<13>のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、特に、露光部の面積が非露光部の面積に対して広く、酸の発生量が多い場合のパターン(たとえば、ネガ型のパターン形成方法であれば孤立スペースパターン、ポジ型のパターン形成方法であれば孤立ラインパターン)の形成において、PED(Post Exposure time Delay)安定性、及びPEBs(Post Exposure Bake temperature sensitivity)に優れたパターンの形成に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び上記パターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
本明細書中における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。また、本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV: Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による描画も含む。
本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種を表し、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルの少なくとも1種を表す。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー(株)製HLC−8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー(株)製TSK gel Multipore HXL−M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
〔感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物〕
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について説明する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する樹脂(A)と、一般式(b−1)で表される化合物及び一般式(b−2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(B)(「光酸発生剤(B)」とも呼ぶ。)とを含有する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、レジスト組成物であることが好ましく、ポジ型のレジスト組成物であっても、ネガ型のレジスト組成物であってもよい。また、アルカリ現像用のレジスト組成物であっても、有機溶剤現像用のレジスト組成物であってもよい。
本発明のレジスト組成物は、典型的には、化学増幅型のレジスト組成物である。
以下、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう)に含まれる成分について詳述する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、剛直性を有する構造を含む繰返し単位である一般式(a−1)又は(a−2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を有する樹脂(A)と、酸拡散性の低い光酸発生剤である化合物(B)とを含むものであり、樹脂(A)と化合物(B)の両者を併用することにより、化合物(B)から生じる酸の拡散長を適度に短く制御することが可能となり、得られるパターンの、露光からPEBまでの時間経過、及びPEB温度の振れに対しての安定性が高まり、PEBs及びPED安定性が向上するものと推定している。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する。
一般式(a−1)で表される繰り返し単位、及び一般式(a−2)で表される繰り返し単位は、いずれも剛直性を有する構造を含む繰返し単位である。
以下、各一般式で表される繰り返し単位につき詳細に説明する。
[一般式(a−1)で表される繰り返し単位]
一般式(a−1)中、Ra及びRaは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
Raは水素原子又は1価の有機基を表し、
Zaはフェニレン基、ナフチレン基、又は−CO−を表し、
Xaは−O−又は−NRa101−を表し、Ra101は水素原子、1価の炭化水素基、又は1価のフッ素化炭化水素基を表し、
Aaはヘテロ原子を含む1価の有機基を表す。
AaとRaは互いに結合し、環構造を形成してもよい。
上記Ra及びRaで表されるアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が挙げられる。
上記Raで表される1価の有機基としては、炭素数1〜30の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜30の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端にヘテロ原子含有基を含む基(α)、これらの基の有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基等が挙げられる。ここで「ヘテロ原子」とは、炭素原子及び水素原子以外の原子をいう。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子が好ましい。
上記炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜30の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば−CO−、−CS−、−O−、−S−、−NRa102−、−COO−、−SO−、−SOO−、又はこれらを組み合わせた基等が挙げられる。Ra102は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。
上記置換基としては、例えば
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
カルボキシ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアネート基、スルホ基等の極性基などが挙げられる。
上記置換基は、カチオン基とアニオンとの組み合わせ、又はアニオン基とカチオンとの組み合わせにより形成されるイオン性基であってもよい。上記カチオン基としては、例えば−(NR 、−(SR 、−(IR等が挙げられる。Rは、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。上記アニオンとしては、例えばF、Cl、Br、I、過塩素酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸二水素イオン、四フッ化ホウ酸イオン、脂肪族スルホン酸イオン、芳香族スルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、六フッ化リン酸イオン、六塩化アンチモン酸イオン等が挙げられる。上記アニオン基としては、例えば−SO 、−COO等が挙げられる。上記カチオンとしては、例えばスルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウムカチオンなどが挙げられる。また、上記オニウムカチオンは、後述する化合物(B)が含む感放射線性オニウムカチオンであってもよい。
上記Xaの−NRa101−における、Ra101で表される1価の炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価の炭化水素基が好ましい。炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の炭素数3〜10の1価の脂環式炭化水素基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記Ra101で表される1価のフッ素化炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価のフッ素化炭化水素基が好ましい。炭素数1〜10の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロエテニル基、フルオロエチニル基等の炭素数1〜10の1価のフッ素化鎖状炭化水素基;
フルオロシクロプロピル基、フルオロシクロブチル基、ジフルオロシクロペンチル基、フルオロシクロヘキシル基、ジフルオロノルボルニル基、ジフルオロシクロペンテニル基、フルオロシクロヘキセニル基等の炭素数3〜10の1価のフッ素化脂環式炭化水素基;
フルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、フルオロトリル基、フルオロナフチル基、ジフルオロベンジル基等の炭素数6〜10の1価のフッ素化芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記Ra101としては、水素原子及びアルキル基が好ましく、水素原子及び炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基及びi−プロピル基がさらに好ましい。
上記Aaで表されるヘテロ原子を含む1価の有機基としては、ヘテロ原子を含む炭素数1〜30の1価の有機基が好ましい。なお、前述の通り「ヘテロ原子」とは、炭素原子及び水素原子以外の原子をいうものであり、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子が好ましい。ヘテロ原子を含む炭素数1〜30の1価の有機基としては、上記Raで表される1価の有機基に記載の基の中でヘテロ原子を含む基、すなわち、炭素数1〜30の1価の炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基、炭素数1〜30の1価の炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基、炭素数1〜30の1価の炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基等が挙げられる。
上記AaとRaとが互いに結合し、環構造を形成してもよい。上記環構造としては、これらの基の間に存在する原子鎖と共に形成する環員数5〜20の環構造であることが好ましく、例えば、ジオキサシクロヘキサン構造、ジオキサシクロヘプタン構造等のジオキサシクロアルカン構造、ジオキサシクロヘキセン構造、ジオキサシクロヘプテン構造等のジオキサシクロアルケン構造、ジオキサベンゾシクロヘキサン構造、ジオキサベンゾシクロヘプタン構造等ジオキサベンゾシクロアルカン構造などが挙げられる。
一般式(a−1)で表される繰り返し単位は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位、下記一般式(2)で表される繰り返し単位、又は下記一般式(3)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
<一般式(1)で表される繰り返し単位>
一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
13は、1価の有機基を表し、
14は、水素原子又は1価の有機基を表し、
11及びX12は、それぞれ独立して、−O−又は−NR101−を表し、R101は、水素原子、1価の炭化水素基、又は1価のフッ素化炭化水素基を表し、
11は、フェニレン基、ナフチレン基、又は−CO−を表す。
13とR14は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
101とR13、R101とR14は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
上記R11及びR12で表されるアルキル基は、上記一般式(a−1)中のRa及びRaで表されるアルキル基と同義である。
上記R11及びR12としては、一般式(1)で表される繰り返し単位を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R13及びR14で表される1価の有機基としては、炭素数1〜20の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(α)、上記炭化水素基及び基(α)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、上記一般式(a−1)中のRaで表される炭素数1〜30の1価の炭化水素基のうち、炭素数が1〜20の基が挙げられる。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば、−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR102−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R102は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、−COO−が好ましい。
上記1価のヘテロ原子含有基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。これらの中で、フッ素原子が好ましい。
上記R13とR14とが互いに結合し、環構造を形成してもよい。上記環構造としては、上記一般式(a−1)中のAaとRaとが互いに結合し、形成しうる環構造が挙げられる。
上記R13としては、炭化水素基、フッ素化炭化水素基及び下記一般式(r−1)〜(r−3)で表される基が好ましい。
上記一般式(r−1)中、Rは、1価の有機基である。上記1価の有機基としては、飽和鎖状炭化水素基及び飽和脂環式炭化水素基が好ましい。また、Rは、R−Rで表される基であることが好ましい。Rは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基又は炭素数1〜20の2価のフッ素化炭化水素基である。Rは、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、オキシ炭化水素基、ラクトン環基、カーボネート環基、スルトン環基、オキサシクロアルキル基、オキサシクロアルケニル基、−COOR又は−O−CR−ORである。R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
上記一般式(r−2)中、RC1は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。RC2及びRC3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに結合し、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
上記一般式(r−3)中、Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
13としては、これらの中で、炭化水素基、フッ素化炭化水素基及び上記一般式(r−1)で表される基が好ましく、上記一般式(r−1)で表される基がより好ましく、上記一般式(r−1)で表され、かつRが水素原子である基、すなわちカルボニル炭化水素基及びカルボニルフッ素化炭化水素基がさらに好ましい。
上記炭化水素基としては、鎖状炭化水素基及び脂環式炭化水素基が好ましく、メチル基及びシクロヘキシル基がより好ましい。
上記フッ素化炭化水素基としては、フッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
上記カルボニル炭化水素基及びフッ素化カルボニル炭化水素基としては、上記一般式(r−1)におけるRがアルカンジイル基、シクロアルカンジイル基、及びフッ素化アルカンジイル基が好ましく、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、シクロヘキサンジイル基、及びトリフルオロメチル基がより好ましい。
上記R14は、酸の作用により分解し脱離するの基(脱離基)であっても、酸の作用により分解しない基であってもよい。
脱離基としては、例えば後述する繰り返し単位(a−4)が有する酸分解性基における脱離基と同じもの、例えばアセタール構造を含む基等が挙げられる。
上記R14の酸の作用により分解しない基としては、例えばラクトン環基、カーボネート環基、スルトン環基、ヒドロキシ炭化水素基、フッ素化炭化水素基、ヒドロキシ置換フッ素化炭化水素基、カルボニルオキシ炭化水素基置換炭化水素基等が挙げられる。
上記フェニレン基及びナフチレン基の置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
上記X11及びX12の−NR101−におけるR101で表される1価の炭化水素基、1価のフッ素化炭化水素基としては、上記一般式(a−1)中のXaの−NRa101−における、Ra101で表される1価の炭化水素基、1価のフッ素化炭化水素基と同義であり、好ましい例も同様である。
上記R101とR13と又はR101とR14とは、互いに結合し、環構造を形成してもよい。上記環構造としては、これらが結合する窒素原子と共に形成する環員数3〜20の環構造であることが好ましく、例えば、アザシクロペンタン構造、アザシクロヘキサン構造、アザシクロヘプタン構造等のアザシクロアルカン構造などが挙げられる。
上記X11としては、一般式(1)で表される繰り返し単位を与える単量体の共重合性がより高くなる観点から、−O−が好ましい。
上記X12としては、一般式(1)で表される繰り返し単位を与える単量体の共重合性がより高くなる観点から、−O−が好ましい。
上記Z11としては、−CO−及びフェニレン基が好ましく、−CO−がより好ましい。
一般式(1)で表される繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(1−1)〜(1−40)のいずれかで表される繰り返し単位等が挙げられる。
上記一般式(1−1)〜(1−40)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。
これらの中でも、一般式(1−1)〜(1−32)のいずれかで表される繰り返し単位が特に好ましい。
一般式(1)で表される繰り返し単位は、例えば特開2016−57415号公報などに記載の公知の方法で得ることができる。
<一般式(2)で表される繰り返し単位>
上記一般式(2)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
23は、水素原子又は1価の有機基を表し、
21は、下記一般式(2−a)又は(2−b)で表される1価の基を表し、
21は、1〜5の整数を表す。
上記一般式(2−a)及び(2−b)中、R24及びR25は、それぞれ独立して、−CN、−NO、1価のフッ素化炭化水素基、極性基で置換されている1価の炭化水素基、又は−Y21−Z21で表される1価の基を表し、Y21は、−CO−、−COO−、−SO−、又は−SOO−を表し、Z21は、1価の有機基を表し、
26は、水素原子、フッ素原子、−NO、又は1価の有機基を表し、
*は、上記一般式(2)で表される繰り返し単位のX21以外の部分に結合する結合手を表す。
21が複数存在する場合、複数のY21は同一でも異なっていてもよく、Z21が複数存在する場合、複数のZ21は同一でも異なっていてもよい。
一般式(2−a)中、R24、R25及びR26のうちの2以上は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
一般式(2−b)中、R24及びR25は互いに結合し、環構造を形成してもよい。
上記R21及びR22としては、一般式(2)で表される繰り返し単位を与える単量体の共重合性の観点から水素原子が好ましい。
上記R23で表される1価の有機基としては、炭素数1〜30の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜30の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基、これらの基の有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基等が挙げられる。
上記炭素数1〜30の1価の有機基としては、上記一般式(a−1)中のRaで表される炭素数1〜30の1価の有機基が挙げられる。
23は、炭素数1〜30の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。すなわち、炭素数1〜30の1価の飽和鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の1価の飽和脂環式炭化水素基であることが好ましい。
上記R23は、酸の作用により分解し脱離するの基(脱離基)であっても、酸の作用により分解しない基であってもよい。また、上記R23は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
上記R23としては、酸の作用により分解しない基が好ましく、置換又は非置換の炭化水素基がより好ましく、水素原子の一部又は全部がヒドロキシ基又はフッ素原子で置換された炭化水素基、及び非置換の炭化水素基がさらに好ましく、水素原子の一部又は全部がヒドロキシ基又はフッ素原子で置換されたアルキル基、及び非置換のアルキル基が特に好ましい。
上記R23の炭素数の下限としては、1が好ましく、2がより好ましい。上記R23の炭素数の上限としては、20が好ましく、10がより好ましく、5がさらに好ましく、3が特に好ましい。
上記一般式(2−a)又は(2−b)中のR24及びR25で表される1価のフッ素化炭化水素基としては、炭素数1〜30の1価のフッ素化炭化水素基が好ましい。炭素数1〜30の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜30の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基等の有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基などが挙げられる。
上記R24及びR25の極性基で置換されている1価の炭化水素基としては、極性基で置換されている炭素数1〜30の1価の炭化水素基が好ましい。極性基で置換されている炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば上記1価の炭化水素基の有する水素原子の一部又は全部が極性基で置換された基などが挙げられる。
上記極性基としては、例えばカルボキシ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアネート基、スルホ基等が挙げられる。なお、フッ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子は極性基には含まれない。
上記Z21で表される1価の有機基としては、炭素数1〜30の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば上記R23で表される1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R24及びR25としては、−Y21−Z21で表される1価の基が好ましい。上記Y21としては、−CO−が好ましい。上記Z21としては、置換又は非置換の炭化水素基が好ましく、フッ素化炭化水素基及び非置換の炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基及びアルキル基がさらに好ましく、トリフルオロメチル基及びメチル基が特に好ましい。
上記R26で表される1価の有機基としては、炭素数1〜30の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば上記R23で表される1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R26としては、水素原子及び炭化水素基が好ましく、水素原子、芳香族炭化水素基及び鎖状炭化水素基がより好ましく、水素原子、アリール基及びアルキル基がさらに好ましく、水素原子、フェニル基、メチル基及びエチル基が特に好ましく、水素原子がさらに特に好ましい。
上記R26で表される有機基の炭素数の上限としては、20が好ましく、10がより好ましく、6がさらに好ましく、3が特に好ましい。
上記一般式(2−a)において、上記R24、R25及びR26のうちの2以上は互いに結合し、環構造を形成してもよい。上記環構造としては、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造が好ましく、例えば脂環構造、脂肪族複素環構造、芳香環構造、芳香族複素環構造等が挙げられる。
上記脂環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造などが挙げられる。
上記脂肪族複素環構造としては、例えば
アザシクロペンタン構造、アザシクロへキサン構造等のアザシクロアルカン構造;
オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造等のオキサシクロアルカン構造;
チアシクロペンタン構造、チアシクロへキサン構造等のチアシクロアルカン構造;
オキサゾリジン、1,4,2−ジオキサゾリジン、チアゾリジン等が挙げられる。
上記芳香環構造としては、例えばベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン構造、フェナントレン構造等が挙げられる。
上記芳香族複素環構造としては、例えばフラン構造、ピリジン構造、キノリン構造、ピロール構造、インドール構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、オキサゾール構造、イソチアゾール構造等が挙げられる。
上記一般式(2−b)において、上記R24及びR25は互いに結合し、環構造を形成してもよい。上記環構造としては、これらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造が好ましく、例えば脂肪族複素環構造、芳香族複素環構造等が挙げられる。上記脂肪族複素環構造及び芳香族複素環構造としては、例えば一般式(2−a)において例示した脂肪族複素環構造及び芳香族複素環構造と同様の構造等が挙げられる。
上記n21としては、樹脂(A)の主鎖の剛直性をより適度に高める観点から、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記一般式(2)で表される繰り返し単位は、一般式(2)中のX21が一般式(2−a)で表される1価の基であることが好ましく、下記一般式(2A)で表される繰り返し単位であることがより好ましい。
一般式(2A)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
23は、水素原子又は1価の有機基を表し、
21、B21、及びC21は、1価の有機基を表す。
21、B21、及びC21は、A21、B21、及びC21のうちの2つが互いに結合し、環構造を形成してもよい。
一般式(2A)中、R21、R22、及びR23は、一般式(2)中のR21、R22、及びR23と同義である。
一般式(2A)中、A21及びB21で表される1価の有機基としては、上記Z21で表される1価の有機基と同義である。
一般式(2A)中、C21で表される1価の有機基としては、一般式(2)中のR26で表される1価の有機基と同義である。
21、B21、及びC21のうちの2つが互いに結合し、形成しうる環構造としては、上記一般式(2−a)中のR24、R25及びR26のうちの2以上が互いに結合して形成しうる環構造と同様の構造等が挙げられる。上記環構造としては、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数5〜6の環構造が好ましい。
一般式(2)で表される繰り返し単位としては、例えば下記一般式(2−1)〜(2−21)のいずれかで表される繰り返し単位等が挙げられる。
上記一般式(2−1)〜(2−21)中、R21〜R23は、上記一般式(2)中のR21〜R23と同義である。
一般式(2)で表される繰り返し単位は、例えば特開2016−99482号公報などに記載の公知の方法で得ることができる。
<一般式(3)で表される繰り返し単位>
一般式(3)中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
33は、水素原子又は1価の有機基を表し、
31は、2価の炭化水素基を表し、
31は、下記一般式(3−a)又は(3−b)で表される2価の基を表し、
31は、1価の有機基又はヒドロキシ基を表す。
一般式(3−a)及び(3−b)中、*及び**は、一方が上記一般式(3)中のE31に結合する結合手を表し、他方が上記一般式(3)中のX31に結合する結合手を表す。
一般式(3−a)及び(3−b)中、*は、上記一般式(3)で表される繰り返し単位中のE31に結合する結合手を表し、**は、X31に結合する結合手を表すことが好ましい。
上記R31及びR32としては、一般式(3)で表される繰り返し単位の共重合性の観点から水素原子が好ましい。
上記E31で表される2価の炭化水素基は、置換又は非置換の炭素数1〜5の2価の炭化水素基であることが好ましい。置換又は非置換の炭素数1〜5の2価の炭化水素基における炭化水素基としては、鎖状炭化水素基が好ましく、直鎖状炭化水素基がより好ましく、アルカンジイル基がさらに好ましい。また、上記E31で表される炭化水素基の炭素数としては、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
上記E31で表される炭化水素基の置換基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等のアルカンジイル基などの炭化水素基;
カルボキシ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアネート基、スルホ基等の極性基などが挙げられる。
後述の(3−13)で表される繰り返し単位は、上記E31で表される炭化水素基として、2つのメチル基で置換されているメタンジイル基を有する。また、後述の(3−14)で表される繰り返し単位は、上記E31で表される炭化水素基として、プロパンジイル基で置換されているプロパンジイル基を有する。
上記E31で表される炭化水素基の置換基としては、アルキル基及びアルカンジイル基が好ましい。
上記E31としては、樹脂(A)の主鎖の剛直性をより適度に高める観点から、置換又は非置換のメタンジイル基が好ましく、非置換のメタンジイル基、すなわちメチレン基がより好ましい。
上記L31としては、上記一般式(3−a)で表される2価の基であることが好ましい。
上記X31で表される1価の有機基としては、炭素数1〜30の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜30の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端にヘテロ原子含有基を含む基、これらの基の有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基等が挙げられる。
上記炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜30の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜30の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の1価の芳香族炭化水素基、ヘテロ原子含有基、置換基としては、上記一般式(a−1)中のRaで表される各基が挙げられる。
上記X31は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
上記X31で表される1価の有機基としては、炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基が好ましい。上記炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がさらに好ましい。樹脂(A)は、上記X31が炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であることで、極性がより適度に調整される。
上記炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;
エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基等の1価のオキシ鎖状炭化水素基、
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の単環のシクロアルキルオキシ基;
シクロプロペニルオキシ基、シクロブテニルオキシ基、シクロペンテニルオキシ基等の単環のシクロアルケニルオキシ基;
ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロドデシルオキシ基等の多環のシクロアルキルオキシ基;
ノルボルネニルオキシ基、トリシクロデセニルオキシ基、テトラシクロドデセニルオキシ基等の多環のシクロアルケニルオキシ基等の1価のオキシ脂環式炭化水素基等、
フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基等のアラルキルオキシ基などが挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基が有する炭化水素基は、酸の作用により分解し脱離するの基(脱離基)であっても、酸の作用により分解しない基であってもよいが、脱離基であることが好ましい。
さらに、上記X31で表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含む基も好ましい。樹脂(A)は、上記X31がラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含む基であることで、極性がより適度に調整され、より適度に高い剛直性を有することができる。
さらに、上記X31で表される1価の有機基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基も好ましい。上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基及び炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基が好ましい。樹脂(A)は、上記X31が炭素数1〜20の1価の炭化水素基であることで、極性がより適度に調整される。
上記R33で表される1価の有機基としては炭素数1〜30の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば上記X31で表される1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R33は、酸の作用により分解し脱離するの基(脱離基)であっても、酸の作用により分解しない基であってもよい。また、上記R33は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
33は、炭素数1〜30の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。
一般式(3)で表される繰り返し単位としては、例えば下記(3−1)〜(3−32)のいずれかで表される繰り返し単位等が挙げられる。
一般式(3)で表される繰り返し単位は、例えば特開2016−161790号公報などに記載の公知の方法で得ることができる。
[一般式(a−2)で表される繰り返し単位]
一般式(a−2)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、
Laはヘテロ原子を含む基で置換された脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基である。
上記Laで表されるヘテロ原子を含む基で置換された脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基としては、ヘテロ原子を含む基で置換された環員数3〜20の脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基が好ましい。
上記Laにおける脂環式炭化水素基としては、環員数3〜20の脂環式炭化水素基が好ましい。環員数3〜20の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記Laにおける脂肪族複素環基としては、環員数3〜20脂肪族複素環基が好ましい。環員数3〜20脂肪族複素環基としては、例えばオキサシクロヘキシル基、チアシクロヘキシル基、アザシクロヘキシル基等が挙げられる。
Laとしては、脂環式炭化水素基が好ましく、単環のシクロアルキル基がより好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基がさらに好ましい。
上記ヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子等が挙げられる。これらのうち、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はこれらの組み合わせが好ましく、酸素原子がより好ましい。
上記ヘテロ原子を含む基としては、ヒドロキシ基、ケト基(=O)、−COORa、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。Raは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。
これらのうち、上記ヘテロ原子を含む基としては、ヒドロキシ基、ケト基(=O)、−COORaが好ましく、−COORaがより好ましい。
上記Raで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、上記炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基、上記炭化水素基及び上記2価のヘテロ原子含有基を含む基が有する水素原子の一部又は全部を置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、上記一般式(a−1)中のRaで表される炭素数1〜30の1価の炭化水素基のうち、炭素数が1〜20の基が挙げられる。
上記2価のヘテロ原子含有基が有するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子等が挙げられる。これらの中で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−CS−、−NRa501−、これらを組み合わせた基等が挙げられる。Ra501は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。
Raの1価の有機基としては、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する基、OHを有する脂環式炭化水素基が好ましく、ラクトン構造を有する基であることがより好ましい。
Raとしては、水素原子も好ましい。
一般式(a−2)で表される繰り返し単位は、下記一般式(5)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(5)中、R51は、水素原子又はメチル基を表し、
51は、アルキレン基を表し、
51は、ラクトン構造を含む1価の有機基を表す。
上記A51におけるアルキレン基は、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。上記アルキレン基中の各炭素は、−CO−又は−O−に置き換わってもよい。
51は、−COO−であることが好ましい。
上記B51におけるラクトン構造を含む1価の有機基は、上記Raで表される炭素数1〜20の1価の有機基の中で、ラクトン構造を含む基が挙げられる。
一般式(a−2)又は一般式(5)で表される繰り返し単位としては、例えば下記一般式(5−1−a)〜(5−9−a)のいずれかで表される繰り返し単位が好ましい。
上記一般式(5−1−a)〜(5−9−a)中、R51は、上記一般式(a−2)中のRaと同義である。
一般式(5)で表される繰り返し単位は、例えば特開2016−71207号公報などに記載の公知の方法で得ることができる。
また、別の好ましい態様として、一般式(a−2)で表される繰り返し単位が、下記一般式(4)で表される繰り返し単位であることも好ましい。
<一般式(4)で表される繰り返し単位>
上記一般式(4)中、R41は、水素原子又はメチル基を表し、
41は、脂環式炭化水素構造又は脂肪族複素環構造を有する2価の基を表し、
41は、*−COO−又は*−O−である。*は、上記L41に結合する結合手を示す。
42は、1価の脱離基である。
上記L41の2価の基が有する脂環式炭化水素構造としては、環員数3〜20の脂環式炭化水素構造が好ましい。環員数3〜20の脂環式炭化水素構造としては、例えばシクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造等が挙げられる。
上記L41の2価の基が有する脂肪族複素環構造としては、環員数3〜20の脂肪族複素環構造が好ましい。環員数3〜20の脂肪族複素環構造としては、オキサシクロペンタン構造、チアシクロペンタン構造、アザシクロペンタン構造等の脂肪族複素環構造等が挙げられる。
上記L41の2価の基は、環員数3〜20の脂環式炭化水素構造を有することが好ましく、シクロヘキサン構造を有することがより好ましい。
42は1価の脱離基である。
上記一般式(4)におけるA41が*−COO−である場合、上記R42で表される1価の脱離基としては、下記一般式(4−a)で表される基が好ましい。
上記一般式(4−a)中、R43は1価の炭化水素基である。R44及びR45は、それぞれ独立して1価の鎖状炭化水素基若しくは1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに結合し脂環構造を形成する。*は、上記A41に結合する結合手を示す。
上記R43で表される1価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基が好ましく、例えば炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記1価の炭化水素基としては、例えば、上記一般式(a−1)中のRaと同様の1価の炭化水素基が挙げられる。
43としては、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R44及びR45で表される1価の鎖状炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基が好ましく、例えば上記R43で例示した1価の鎖状炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記R44及びR45で表される1価の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基が好ましく、例えば上記R43で例示した脂環式炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
44及びR45が互いに結合して脂環構造を形成する場合の脂環構造としては、炭素数3〜20の脂環構造が好ましく、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。
これらの中で、単環のシクロアルカン構造が好ましく、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造がより好ましい。
上記一般式(4)におけるA41が−O−である場合、R42で表される1価の脱離基としては、下記一般式(4−b)で表される基も好ましい。
上記一般式(4−b)中、R46及びR47は、それぞれ独立して1価の鎖状炭化水素基若しくは1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに結合し脂肪族複素環構造を表す。R48は、水素原子又は1価の炭化水素基である。*は、上記A41に結合する結合手を示す。
上記R46及びR47で表される1価の鎖状炭化水素基としては、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基が好ましく、例えば上記R43で例示した鎖状炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記R46及びR47で表される1価の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基が好ましく、例えば上記R43で例示した脂環式炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
46及びR47が互いに結合して脂肪族複素環構造を形成する場合の脂肪族複素環構造としては、炭素数3〜20の脂肪族複素環構造が好ましく、例えばオキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造等のオキサシクロアルカン構造等が挙げられる。これらのうち、オキサシクロヘキサン構造が好ましい。
48で表される1価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基が好ましく、例えば上記R43で例示した1価の炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
48としては、水素原子が好ましい。
一般式(4)で表される繰り返し単位としては、例えば下記一般式(4−1)〜(4−7)のいずれかで表される繰り返し単位が好ましい。
上記一般式(4−1)〜(4−7)中、R41は、上記一般式(4)中のR41と同義である。
一般式(4)で表される繰り返し単位は、例えば特開2016−71206号公報などに記載の公知の方法で得ることができる。
樹脂(A)は、上記一般式(a−1)又は(a−2)で表される繰り返し単位のうち、上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位を有することがポリマーの剛直性の観点から好ましい。
樹脂(A)が有する上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位、又は上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位は、それぞれ1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
樹脂(A)が有する上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位の含有量の総量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、5〜20モル%であることが好ましく、5〜15モル%であることがより好ましく、5〜10モル%であることが更に好ましい。上記範囲とすることで、本来ポリマーが有している、現像液に対する溶解性及び基盤密着性を損なうことなく、剛直性を付与することが可能となる。
[繰り返し単位(a−3)]
樹脂(A)は、上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位とは異なる、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位(a−3)を有することが好ましい。
ラクトン構造又はスルトン構造としては、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造又は5〜7員環スルトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているもの、又は5〜7員環スルトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているもの、がより好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−21)のいずれかで表されるラクトン構造、又は下記一般式(SL1−1)〜(SL1−3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する繰り返し単位を有することがさらに好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−8)、(LC1−16)、(LC1−21)、(SL1−1)である。
ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、及び酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位は、下記一般式(III)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
上記一般式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nが0である場合、−R−Z−は存在せず、単結合となる。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。Rは、複数個ある場合には各々独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。Zは、複数個ある場合には各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。
は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
のアルキレン基又はシクロアルキレン基は置換基を有してもよい。
Zは好ましくは、エーテル結合、又はエステル結合であり、より好ましくはエステル結合である。
以下に一般式(III)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例、及び一般式(A−1)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されない。下記の具体例は、一般式(III))におけるR及び一般式(A−1)におけるR がメチル基である場合に相当するが、R及びR は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基に任意に置換することができる。
樹脂(A)は、繰り返し単位(a−3)として、下記一般式(a−3L)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
一般式(a−3L)中、Rlは、水素原子又はメチル基を表し、
Rlは、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表し、
Rl〜Rlは、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。
但し、RlとRl、及びRlとRlは互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
上記Rl〜Rlで表される1価の有機基としては、炭素数1〜20の1価の有機基が好ましい。炭素数1〜20の有機基としては、例えば炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、環員数3〜10の複素環基、エポキシ基、シアノ基、カルボキシ基、−R’−Q−R’’で表される基等が挙げられる。但し、R’は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基である。R’’は、置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は環員数3〜10の複素環基である。Qは、−O−、−CO−、−NH−、−SO−、−SO−又はこれらを組み合わせてなる基である。上記鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は、フッ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、カルボキシ基、水酸基、チオール基、トリアルキルシリル基等で置換されていてもよい。
上記炭素数1〜20の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ビニル基、イソプロペニル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
上記炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の単環の脂環式炭化水素基;ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記環員数3〜10の複素環基を構成する複素環としては、例えばラクトン環、環状カーボネート、スルトン環、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環等が挙げられる。これらのうち、ラクトン環、環状カーボネート、スルトン環が好ましく、ラクトン環がより好ましい。
上記−R’−Q−R’’におけるR’及びR’’で表される炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。それぞれについては、上記Rl〜Rlで表される炭素数1〜20の有機基として例示した基と同様の基を挙げることができる。また、R’’で表される環員数3〜10の複素環基については、上記Rl〜Rlで表される環員数3〜10の複素環基の説明を適用できる。
RlとRl、及びRlとRlが、互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共にそれぞれ形成していてもよい環構造としては、環員数3〜10の環構造が好ましい。環員数3〜10の環構造としては、例えばシクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン等の脂環を有する脂環式構造、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、オキソラン、ジオキサン等の酸素原子を含む環を有する複素環構造、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシド、テトラヒドロチオピラン1,1−ジオキシド、シクロペンタンチオン、シクロヘキサンチオン等の硫黄原子を含む環を有する複素環構造、ピペリジン等の窒素原子を含む環を有する複素環構造等のヘテロ原子を含む環を有する複素環構造等が挙げられる。これらのうち、シクロペンタン、シクロヘキサン、又はアダマンタンを有する脂環式構造、及び環状エーテル、ラクトン環、又はスルトン環を有する複素環構造が好ましい。ここで、RlとRl、及びRlとRlが、互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共にそれぞれ形成していてもよい環員数3〜10の環構造における「環構造」とは、環を含む構造をいい、環のみから形成されていてもよいし、環と置換基等の他の基から形成されていてもよい。なお、RlとRl、及びRlとRlが、互いに結合している場合における上記結合は、化学反応を経由した結合に限定されるものではない。
RlとRlが、互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共に環員数3〜10の環構造を形成している構造単位であることが好ましい。
RlとRlが、互いに結合して形成している上記環構造が、極性基を有するとよい。なお、上記環構造が極性基を有する場合とは、上記環の骨格を構成する原子の一部が極性基又は極性基の一部として機能する場合、上記環が置換基を有しその置換基の少なくとも1つが極性基である場合のいずれであってもよい。上記極性基としては、例えばエーテル基、カルボニル基、ラクトン基、スルフィド基、スルホニル基、水酸基、カルボキシ基等が挙げられる。これらのうち、エーテル基、ラクトン基及び水酸基が好ましい。
一般式(a−3L)で表される繰り返し単位としては、例えば下記一般式(L−1)〜(L−71)のいずれかで表される繰り返し単位等が挙げられる。
これらのうち、Rl〜Rlの少なくとも1つの基が酸素原子を含む繰り返し単位、Rl〜Rlの少なくとも1つの基が環状の有機基である繰り返し単位、RlとRlが結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成している繰り返し単位、極性基を有する繰り返し単位等が好ましい。中でも、上記式(L−1)〜(1L−9)、(L−12)〜(L−21)、(L−25)〜(L−47)、(L−55)〜(L−67)、(L−69)〜(L−71)で表される繰り返し単位がより好ましく、(L−1)〜(L−8)、(L−15)、(L−16)、(L−25)〜(L−36)、(L−42)〜(L−47)、(L−65)〜(L−67)、(L−69)で表される構造単位のように、上記RlとRlが結合してそれらが結合している炭素原子と共に環構造を形成し、これらの環の骨格を構成する原子の一部が極性基又は極性基の一部として機能するもの、(L−13)、(L−17)、(L−19)、(L−21)、(L−37)〜(L−41)、(L−57)〜(L−60)で表される繰り返し単位のように、上記環が置換基として極性基を有するものがさらに好ましく、(L−1)、(L−17)、(L−19)、(L−70)及び(L−71)で表される繰り返し単位が特に好ましい。
樹脂(A)は、カーボネート構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。カーボネート構造は、環状炭酸エステル構造であることが好ましい。
環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位は、下記一般式(A−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(A−1)中、R は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
nは0以上の整数を表す。
は、置換基を表す。R は、nが2以上の場合は各々独立して、置換基を表す。
Aは、単結合、又は2価の連結基を表す。
Zは、式中の−O−C(=O)−O−で表される基と共に単環構造又は多環構造を形成する原子団を表す。
樹脂(A)は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位として、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0370]〜[0414]に記載の繰り返し単位を有することも好ましい。
樹脂(A)は、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位を、1種単独で含んでもよく、2種以上を併用して含んでもよい。
樹脂(A)に含まれるラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位の含有量(ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位が複数存在する場合はその合計)は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、5〜70モル%であることが好ましく、10〜65モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい
[繰り返し単位(a−4)]
樹脂(A)は、上記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び上記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位とは異なる、酸の作用により分解して極性が増大する基(酸分解性基)を含む繰り返し単位(a−4)を含むことが好ましい。
酸分解性基は、極性基が酸の作用により分解し脱離する基(脱離基)で保護された構造を有することが好ましい。
極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基等の酸性基(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中で解離する基)、ならびにアルコール性水酸基等が挙げられる。
なお、アルコール性水酸基とは、炭化水素基に結合した水酸基であって、芳香環上に直接結合した水酸基(フェノール性水酸基)以外の水酸基をいい、水酸基としてα位がフッ素原子などの電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール基など)は除く。アルコール性水酸基としては、pKa(酸解離定数)が12以上20以下の水酸基であることが好ましい。
好ましい極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、及びスルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらの基の水素原子を酸の作用により脱離する基(脱離基)で置換した基である。
酸の作用により脱離する基(脱離基)としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、及び−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、及びオクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、及びシクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、及びアンドロスタニル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01及びR02のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントリル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、及びナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、及びシクロへキセニル基等を挙げることができる。
36とR37とが互いに結合して形成される環としては、シクロアルキル基(単環又は多環)であることが好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、又はノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
酸分解性基として、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、又は第3級のアルキルエステル基等が好ましく、アセタール基、又は第3級アルキルエステル基がより好ましい。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位として、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
一般式(AI)に於いて、
Xaは、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx〜Rxは、それぞれ独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx〜Rxのいずれか2つが結合して環構造を形成してもよく、形成しなくてもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、−COO−Rt−、及び−O−Rt−等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−が好ましい。Rtは、炭素数1〜5の鎖状アルキレン基が好ましく、−CH−、−(CH−、又は−(CH−がより好ましい。Tは、単結合であることがより好ましい。
Xaは、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
Xaのアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、水酸基、及びハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)が挙げられる。
Xaのアルキル基は、炭素数1〜4が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及びトリフルオロメチル基等が挙げられる。Xaのアルキル基は、メチル基であることが好ましい。
Rx、Rx及びRxのアルキル基としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、及びt−ブチル基などが好ましく挙げられる。アルキル基の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。Rx、Rx及びRxのアルキル基は、炭素間結合の一部が二重結合であってもよい。
Rx、Rx及びRxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、又はノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx、Rx及びRxの2つが結合して形成する環構造としては、シクロペンチル環、シクロヘキシル環、シクロヘプチル環、及びシクロオクタン環などの単環のシクロアルカン環、又はノルボルナン環、テトラシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、及びアダマンタン環などの多環のシクロアルキル環が好ましい。シクロペンチル環、シクロヘキシル環、又はアダマンタン環がより好ましい。Rx、Rx及びRxの2つが結合して形成する環構造としては、下記に示す構造も好ましい。
以下に一般式(AI)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されない。下記の具体例は、一般式(AI)におけるXaがメチル基である場合に相当するが、Xaは、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基に任意に置換することができる。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位として、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0336]〜[0369]に記載の繰り返し単位を有することも好ましい。
また、樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位として、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0363]〜[0364]に記載された酸の作用により分解してアルコール性水酸基を生じる基を含む繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を、1種単独で含んでもよく、2種以上を併用して含んでもよい。
樹脂(A)に含まれる酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量(酸分解性基を有する繰り返し単位が複数存在する場合はその合計)は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、30〜70モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、極性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、及びフッ素化アルコール基等が挙げられる。
極性基を有する繰り返し単位は、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましい。また、極性基を有する繰り返し単位は、酸分解性基を有さないことが好ましい。極性基で置換された脂環炭化水素構造における、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、又はノルボルナン基が好ましい。
以下に極性基を有する繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されない。
この他にも、極性基を有する繰り返し単位の具体例としては、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0415]〜[0433]に開示された繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(A)は、極性基を有する繰り返し単位を、1種単独で含んでもよく、2種以上を併用して含んでもよい。
極性基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、10〜25モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、更に、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位を有することができる。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位は、脂環炭化水素構造を有することが好ましい。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位としては、例えば、米国特許出願公開2016/0026083A1号明細書の段落[0236]〜[0237]に記載された繰り返し単位が挙げられる。酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位に相当するモノマーの好ましい例を以下に示す。
この他にも、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位の具体例としては、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0433]に開示された繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(A)は、酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位を、1種単独で含んでもよく、2種以上を併用して含んでもよい。
酸分解性基及び極性基のいずれも有さない繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、5〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、上記の繰り返し単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、単量体に相当する繰り返し単位を挙げることができるが、これらに限定されない。
単量体としては、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、及びビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
樹脂(A)において、各繰り返し単位の含有モル比は、種々の性能を調節するために適宜設定される。
本発明の組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光の透過性の観点から樹脂(A)は実質的には芳香族基を有さないことが好ましい。より具体的には、樹脂(A)の全繰り返し単位中、芳香族基を有する繰り返し単位が全体の5モル%以下であることが好ましく、3モル%以下であることがより好ましく、理想的には0モル%、すなわち芳香族基を有する繰り返し単位を有さないことが更に好ましい。また、樹脂(A)は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
樹脂(A)は、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されることが好ましい。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が樹脂(A)の全繰り返し単位に対して50モル%以下であることが好ましい。
本発明の組成物が、KrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)は芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。樹脂(A)がフェノール性水酸基を含む繰り返し単位を含むことがより好ましい。フェノール性水酸基を含む繰り返し単位としては、ヒドロキシスチレン繰り返し単位やヒドロキシスチレン(メタ)アクリレート繰り返し単位を挙げることができる。
本発明の組成物が、KrF露光用、EB露光用又はEUV露光用であるとき、樹脂(A)は、フェノール性水酸基の水素原子が酸の作用により分解し脱離する基(脱離基)で保護された構造を有することが好ましい。
樹脂(A)に含まれる芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して、30〜100モル%が好ましく、40〜100モル%がより好ましく、50〜100モル%が更に好ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜200,000が好ましく、2,000〜20,000がより好ましく、3,000〜15,000が更に好ましく、3,000〜11,000が特に好ましい。分散度(Mw/Mn)は、通常1.0〜3.0であり、1.0〜2.6が好ましく、1.0〜2.0がより好ましく、1.1〜2.0が更に好ましい。
本発明の組成物に含まれる樹脂(A)は1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
本発明の組成物の全固形分中の樹脂(A)の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。本発明の組成物の全固形分中の樹脂(A)の含有量の上限は特に制限されないが、99.5質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、97質量%以下が更に好ましい。
<光酸発生剤>
本発明の組成物は、光酸発生剤を含有する。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
本発明の組成物は、光酸発生剤として、一般式(b−1)で表される化合物及び一般式(b−2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(B)を含む。一般式(b−1)で表される化合物、及び一般式(b−2)で表される化合物は、その構造に由来する低酸拡散性を有する化合物である。
<一般式(b−1)で表される化合物>
一般式(b−1)中、Rbは1価の炭化水素基又は1価の複素環基を表し、
Rbは、アルカンジイル基又はフッ素原子数が炭素原子数よりも小さいフッ素化アルカンジイル基を表し、
は、1価のカチオンを表す。
一般式(b−1)で表される化合物は、その構造中にスルホン酸基以外にさらにスルホン酸エステル構造を有し、極性が高く、酸拡散性の低い化合物となっている。
上記一般式(b−1)で表される化合物中、Rbは、置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の環原子数3〜30の1価の複素環基であることが好ましい。Rbは、炭素数1〜30のアルカンジイル基又はフッ素数が炭素数よりも小さい炭素数2〜30のフッ素化アルカンジイル基であることが好ましい。
上記炭素数は炭化水素基に含まれる炭素数をいい、任意の置換基に含まれる炭素数は含まない。また、上記環原子数は、複素環基に含まれる炭素原子及びヘテロ原子の個数をいい、任意の置換基に含まれる炭素数等は含まない。
上記一般式(b−1)で表される化合物はアニオンとカチオン(Q)とを含む。
上記炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、sec−ペンチル基、neo−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、n−ヘプチル基、i−ヘプチル基、n−オクチル基、i−オクチル基、n−ノニル基、i−ノニル基、n−デシル基、i−デシル基等のアルキル基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の多環のシクロアルキル基;
エテニル基、1−プロペン−1−イル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
炭化水素基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましい。
上記複素環基としては、例えば、
フリル基、ピロリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、テトラゾリル基、ピラゾリル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、チアジアゾリル基、ジベンゾフラニル基等の芳香族複素環基(すなわちヘテロアリール基);
ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、オキセタニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ジオキサニル基、ピペラジニル基等の脂肪族複素環基等が挙げられる。
複素環基の環原子数としては、3〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。
上記炭化水素基及び複素環基は、本発明の効果を損なわない範囲で、それらの水素原子の一部又は全部が任意の置換基によって置換されていてもよい。上記置換基としては、所望の物性を得ることができる限り特に限定されず、例えば、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシ基、カルボニル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、アジ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、エーテル基、エステル基、ラクトン構造を有する基、アルキルカルボニル基、オキソ基、ハロゲン原子等の公知の基が挙げられる。上記置換基としては、これらの中でも、オキソ基が好ましい。
また、上記炭化水素基及び複素環基は、本発明の効果を損なわない範囲で、カルボニル基、アミド基、イミド基、アゾ基、エーテル基、エステル基等を含んでいてもよい。
上記Rbはカルボニル基を含むことが好ましい。
上記Rbとしては、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロアルキル基、置換又は非置換の芳香族複素環基が好ましく、非置換のアルキル基、置換シクロアルキル基、非置換の芳香族複素環基がより好ましく、非置換の炭素数1〜4のアルキル基、オキソ基で置換されたシクロアルキル基、酸素原子を構成原子として含む芳香族複素環基がさらに好ましく、メチル基、n−ブチル基、10−カンファー基、ジベンゾフラニル基が特に好ましい。
上記Rbで表されるアルカンジイル基又はフッ素数が炭素数よりも小さいフッ素化アルカンジイル基としては、炭素数1〜30のアルカンジイル基又はフッ素数が炭素数よりも小さい炭素数2〜30のフッ素化アルカンジイル基であることが好ましく、より好ましくはフッ素数が炭素数よりも小さい炭素数2〜30のフッ素化アルカンジイル基である。
上記アルカンジイル基としては、例えば、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基等が挙げられる。
上記フッ素化アルカンジイル基としては、例えば、上記アルカンジイル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換された基のうち、フッ素数が炭素数よりも小さい基等が挙げられる。
上記アルカンジイル基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。また、上記フッ素化アルカンジイル基の炭素数としては、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。
アルカンジイル基及びフッ素化アルカンジイル基は、直鎖状であってよく、或いは側鎖を有していてもよい。
上記Rbはフッ素化アルカンジイル基であり、このフッ素化アルカンジイル基のフッ素数は2以上であることが好ましい。
フッ素数が2以上のフッ素化アルカンジイル基としては、例えば、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基等の任意の水素原子をフッ素原子で2以上置換したもの等が挙げられる。
上記フッ素数としては、2〜10がより好ましく、2〜8がさらに好ましい。なお、上記フッ素数は上記フッ素化アルカンジイル基の炭素数より小さい。
上記フッ素化アルカンジイル基としては、下記一般式(Fi)で表されることが好ましい。
上記一般式(Fi)中、Rbは、炭素数3以上のアルカンジイル基又は炭素数3以上のフッ素化アルカンジイル基である。
なお、上記一般式(Fi)の−CF−基は上記一般式(b−1)の−SO 基と結合する。
上記Rbとしては、例えば、1個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のプロパンジイル基、1個又は2個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のブタンジイル基、1個〜3個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のペンタンジイル基、1個〜4個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のヘキサンジイル基、1個〜5個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のヘプタンジイル基、1個〜6個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のオクタンジイル基、1個〜7個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のノナンジイル基、1個〜8個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のデカンジイル基等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、いずれの水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。
上記Rbの炭素数としては、アルカンジイル基及びフッ素化アルカンジイル基のいずれの場合であっても、3〜29が好ましく、3〜19がより好ましく、3〜9がさらに好ましい。
上記Rbとしては、1個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のプロパンジイル基、1個又は2個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のブタンジイル基、1個〜3個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のペンタンジイル基、1個〜4個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のヘキサンジイル基、1個〜5個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のヘプタンジイル基、1個〜6個の水素原子がフッ素原子で置換されているか又は非置換のオクタンジイル基が好ましく、プロパンジイル基、ジフルオロブタンジイル基、ジフルオロオクタンジイル基、ヘキサフルオロオクタンジイル基がより好ましい。
上記一般式(b−1)で表される化合物のアニオンとしては、例えば、下記式(5−1)〜(5−14)で表されるアニオン等が挙げられる。これらのアニオンは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(b−1)で表される化合物のアニオンとしては、上記式(5−1)、(5−4)、(5−5)、(5−6)、(5−7)、(5−8)及び(5−11)で表されるアニオンが好ましく、上記式(5−1)で表されるアニオンがより好ましい。
上記Qは1価のカチオンであり、好ましくは1価の光分解性有機カチオンであり、特に限定されず、例えば、公知の光分解性有機カチオンが挙げられる。「光分解性有機カチオン」は、露光により分解し、プロトンを発生することができる炭素原子を含むカチオンである。
上記Qに含まれるカチオンとしては、例えば、スルホニウムイオン、ヨードニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ホスホニウムイオン等が挙げられ、これらの中でも、スルホニウムイオン、ヨードニウムイオンが好ましい。これらのカチオンは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記Qとしては、下記一般式(Q−2−1)で表されるスルホニウムカチオン及び下記一般式(Q−2−2)で表されるヨードニウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。これにより、レジストパターンの感度を高めることができる。
上記一般式(Q−2−1)中、Rb、Rb及びRbは、それぞれ独立して、アルキル基若しくはアリール基であるか、又はこれらの基のうちのいずれか2つ以上が互いに結合し、これらが結合する硫黄原子と共に構成される環構造を表す。
上記一般式(Q−2−2)中、Rb及びRbは、それぞれ独立して、アルキル基若しくはアリール基であるか、又はこれらの基が互いに結合し、これらが結合するヨウ素原子と共に構成される環構造を表す。
上記炭素数は各官能基に含まれる炭素数をいい、任意の置換基に含まれる炭素数は含まない。
上記Rb〜Rbが有していてもよい任意の置換基としては、例えば、Rbが有していてもよい置換基において例示したような公知の官能基が挙げられる。
上記Rb、Rb及びRbに含まれるアルキル基としては、例えば、Rbにおいて例示したようなもの等が挙げられる。上記アルキル基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。
上記Rb、Rb及びRbに含まれるアリール基としては、例えば、Rbにおいて例示したようなもの等が挙げられる。上記アリール基としては、これらの中でも、フェニル基が好ましい。上記アリール基の炭素数としては、6〜30が好ましく、6〜25がより好ましく、6〜20が更に好ましい。
上記Rb、Rb及びRbは、これらの基のうちのいずれか2つ以上が互いに結合し、これらが結合する硫黄原子と共に構成される環構造を表していてもよい。環構造としては、例えば、脂環構造内の1つの炭素原子を硫黄原子で置換した構造等が挙げられる。環原子数としては、3〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。
上記スルホニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルスルホニウムカチオン、シクロヘキシル2−オキソシクロヘキシルメチルスルホニウムカチオン、ジシクロヘキシル2−オキソシクロヘキシルスルホニウムカチオン、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムカチオン、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムカチオン、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムカチオン、4−t−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカチオン等の公知のカチオンが挙げられる。上記スルホニウムカチオンとしては、これらの中でも、トリフェニルスルホニウムカチオンが好ましい。
上記Rb及びRbに含まれるアルキル基としては、例えば、Rbにおいて例示したもの等が挙げられる。上記アルキル基の炭素数としては、1〜15が好ましく、1〜10がより好ましい。
上記Rb及びRbに含まれるアリール基としては、例えば、Rbにおいて例示したもの等が挙げられる。上記アリール基としては、これらの中でも、フェニル基が好ましい。上記アリール基の炭素数としては、6〜25が好ましく、6〜20がより好ましい。
上記Rb及びRbは、これらの基が互いに結合し、これらが結合するヨウ素原子と共に構成される環構造を表していてもよい。環構造としては、例えば、脂環構造内の1つの炭素原子をヨウ素原子で置換した構造等が挙げられる。環原子数としては、3〜20が好ましく、3〜15がより好ましい。還原子数が上記範囲内であると、レジストパターンの感度を高められる傾向がある。
上記ヨードニウムカチオンとしては、例えば、ジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム等の公知のカチオンが挙げられる。上記ヨードニウムカチオンとしては、これらの中でも、ジフェニルヨードニウムカチオンが好ましい。
上記一般式(b−1)で表される化合物としては、例えば、上述のアニオンと光分解性有機カチオンとの組み合わせ等が挙げられる。
上記一般式(b−1)で表される化合物としては、下記式で表される化合物が好ましい。
一般式(b−1)で表される化合物は、例えば、国際公開第2014/046097号に記載された方法などの公知の方法に従って製造することができる。
<一般式(b−2)で表される化合物>
一般式(b−2)中、Rは、2価の脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基を表し、
は、炭素原子を表し、
は、下記一般式(b−3)で表される1価の有機基を表し、
kbは、1〜3の整数を表す。kbが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
F1、RF2及びRF3は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基を表し、
ibは、0〜9の整数を表す。但し、ibが0の場合、kbは1又は2である。ibが2以上の場合、複数のRF1は同一でも異なっていてもよく、複数のRF2は同一でも異なっていてもよい。
F3が複数の場合、複数のRF3は同一でも異なっていてもよい。
ただし、RF1、RF2及びRF3のうちの少なくとも1つはフッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。
は、1価のカチオンである。
一般(b−3)中、Rはアルキル基を表し、
Ybは単結合又はアルキレン基を表し、
*は上記一般式(b−2)中のRとの結合手を表す。
一般式(b−2)で表される化合物は、その構造中に環構造を有するため嵩高く、且つ、スルホン酸基以外にさらにカルボン酸エステル構造を有するため極性が高い。これらの構造に起因して、一般式(b−2)で表される化合物は、酸拡散性の低い化合物となっている。
上記一般式(b−2)中、Rは2価の脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基を表す。上記2価の脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基としては、環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、上記脂環式炭化水素基の炭素−炭素間に−O−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SOO−、−NHCOO−、−SiR −若しくはこれらの組み合わせを含む脂肪族複素環基、又は上記脂環式炭化水素基及び上記脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を−OH、−CN、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基、ハロゲン原子若しくはこれらの組み合わせで置換した基であることが好ましい。Rは、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基を表す。
上記Rで表される環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンタン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,1−ジイル基等の単環シクロアルカン−1,1−ジイル基;
シクロペンテン−1,1−ジイル基、シクロヘキセン−1,1−ジイル基等の単環シクロアルケン−1,1−ジイル基;
ノルボルナン−1,1−ジイル基、トリシクロデカン−1,1−ジイル基等の多環シクロアルカン−1,1−ジイル基;
ノルボルネン−1,1−ジイル基等の多環シクロアルケン−1,1−ジイル基;
シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基等の単環シクロアルカン−1,2−ジイル基;
シクロペンテン−1,2−ジイル基、シクロヘキセン−1,2−ジイル基等の単環シクロアルケン−1,2−ジイル基;
ノルボルナン−1,2−ジイル基、トリシクロデカン−1,2−ジイル基等の多環シクロアルカン−1,2−ジイル基;
ノルボルネン−1,2−ジイル基等の多環シクロアルケン−1,2−ジイル基などが挙げられる。
上記Rで表される脂環式炭化水素基としては、単環シクロアルカンジイル基、単環シクロアルケンジイル基、多環シクロアルカンジイル基及び多環シクロアルケンジイル基が好ましく、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘキセンジイル基、ノルボルナンジイル基及びノルボルネンジイル基がより好ましく、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基及びノルボルネンジイル基がさらに好ましい。
上記Rで表される脂環式炭化水素基の炭素−炭素間に−O−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SOO−、−NHCOO−、−SiR −若しくはこれらの組み合わせを含む脂肪族複素環基としては、例えば
オキサシクロヘキサン構造等の環状エーテル構造;
ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、シクロヘキサンラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
エチレンカーボネート構造等の環状カーボネート構造;
オキソシクロヘキサン構造等の環状ケトン構造;
チアシクロヘキサン構造等の環状スルフィド構造;
ノルボルナンスルトン構造等のスルトン構造;
オキサゾリジノン構造等の環状ウレタン構造;
環状シロキサン構造等の環状シリル構造を含む基などが挙げられる。
上記Rで表される脂肪族複素環基としては、環状エーテル構造、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造を含む基が好ましく、オキサシクロヘキサン構造、オキサノルボルナン構造、ブチロラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造、エチレンカーボネート構造、チアノルボルナン構造及びノルボルナンスルトン構造を含む基がより好ましく、オキサシクロヘキサン構造、オキサノルボルナン構造、ブチロラクトン構造及びチアノルボルナン構造を含む基がさらに好ましい。
上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖状又は分枝鎖状の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の1級又は2級のアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のオキシ芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基及びシクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が好ましい。これらの中で、シクロヘキシル基及びメチル基がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Rにおける置換基として例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば上記Rにおける置換基として例示した炭素数1〜20の1価の炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記Rは、R、RF3並びにRF1及びRF2が結合する炭素原子に結合する炭素原子であり、kbが3の場合、R並びにRF1及びRF2が結合する炭素原子に結合する炭素原子である。
上記Rとしての、一般式(b−3)で表される1価の有機基において、上記Rで表されるアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
上記Rは、エチル基であることが好ましい。
上記Rとしての、一般式(b−3)で表される1価の有機基において、上記Ybで表されるアルキレン基は、炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましい。
上記Ybで表される炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。
上記Ybは、単結合又はメチレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
kbとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記RF1、RF2及びRF3がアルキル基を表す場合のアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはフッ素原子が好ましい。アルキル基の炭素数は1〜20が好ましい。
上記RF1、RF2及びRF3で表される炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
上記RF1、RF2及びRF3で表される炭素数1〜20のフッ素化アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基等が挙げられる。
これらの中で、水素原子、フッ素原子、メチル基及びトリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、トリフルオロメチル基及びフッ素原子がより好ましい。
SO に隣接する炭素原子に結合するRF1、RF2及びRF3のうちの少なくともいずれかがフッ素原子又はパーフルオロアルキル基であることが好ましく、SO に隣接する炭素原子に結合するRF1及びRF2の両方又は複数のRF3がフッ素原子又はパーフルオロアルキル基であることがより好ましく、SO に隣接する炭素原子に結合するRF1及びRF2の両方又は複数のRF3がフッ素原子であることがさらに好ましい。
ibとしては、0〜4の整数が好ましく、0〜2がより好ましく、0及び1がさらに好ましい。
上記Mで表される1価のカチオンは、活性光線又は放射線の作用により分解するカチオンである。露光部では、このカチオンの分解により生成するプロトンと、上記一般式(b−2)で表される化合物のスルホネートアニオンとからスルホン酸を生じる。例えば上記Mで表される1価のカチオンとしては、例えばS、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含む光分解性オニウムカチオンが挙げられる。元素としてS(イオウ)を含むカチオンとしては、例えばスルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられ、元素としてI(ヨウ素)を含むカチオンとしては、ヨードニウムカチオン等が挙げられる。これらの中で、下記一般式(X−1)で表されるスルホニウムカチオン及び下記一般式(X−2)で表されるヨードニウムカチオンが好ましく、下記一般式(X−1)で表されるスルホニウムカチオンがより好ましい。
上記一般式(X−1)中、R、R10及びR11は、それぞれ独立してアルキル基、1価の芳香族炭化水素基、−OSO−RA若しくは−SO−RBであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環構造を表す。RA及びRBは、それぞれ独立して、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基又は1価の芳香族炭化水素基である。p、q及びrは、それぞれ独立して、0〜5の整数である。R〜R11、RA及びRBがそれぞれ複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のR10は同一でも異なっていてもよく、複数のR11は同一でも異なっていてもよく、複数のRAは同一でも異なっていてもよく、複数のRBは同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(X−2)中、R12及びR13は、それぞれ独立してアルキル基、1価の芳香族炭化水素基、−OSO−RC若しくは−SO−RDであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環構造を表す。RC及びRDは、それぞれ独立して、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基又は1価の芳香族炭化水素基である。s及びtは、それぞれ独立して、0〜5の整数である。R12、R13、RC及びRDがそれぞれ複数の場合、複数のR12は同一でも異なっていてもよく、複数のR13は同一でも異なっていてもよく、複数のRCは同一でも異なっていてもよく、複数のRDは同一でも異なっていてもよい。
上記R〜R13がアルキル基を表す場合、アルキル基としては、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基が好ましい。非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記R〜R13が1価の芳香族炭化水素基を表す場合、1価の芳香族炭化水素基としては、置換若しくは非置換の環員数6〜12の1価の芳香族炭化水素基が好ましい。非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記R〜R13としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”及び−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基及び非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
上記RA及びRBは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の環員数5〜25の1価の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数6〜12の1価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
上記RC及びRDは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の環員数5〜25の1価の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数6〜12の1価の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(X−1)におけるp、q及びrとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記一般式(X−2)におけるs及びtとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記R及び下記Rは、Rにおける上記脂環式炭化水素基又は上記脂肪族複素環基の環構造上の同一炭素原子に結合するか、又は互いに隣接する2つの炭素原子にそれぞれ結合していることが好ましい。すなわち、一般式(b−2)で表される化合物としては、下記化合物(b−2−1)、化合物(b−2−1’ −a)で表されることが好ましい。
[化合物(b−2−1)]
化合物(b−2−1)は、下記一般式(b−2−1)で表される。
上記一般式(b−2−1)中、R、R、RF1、RF2、RF3、kb、ib及びMは、上記一般式(b−2)中のR、R、RF1、RF2、RF3、kb、ib及びMと同義である。Rb21は、この基が結合する炭素原子と共に環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、上記脂環式炭化水素基の炭素−炭素間に−O−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SOO−、−NHCOO−、−SiR −若しくはこれらの組み合わせを含む脂肪族複素環基、又は上記脂環式炭化水素基及び上記脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を−OH、−CN、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基、ハロゲン原子若しくはこれらの組み合わせで置換した基を構成する基である。Rは、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。
上記Rb21とこの基が結合する炭素原子とが構成する環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば上記Rとして例示した環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基と同様の基等が挙げられる。これらのうちシクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキセン−1,2−ジイル基、ノルボルナン−1,2−ジイル基、トリシクロデカン−1,2−ジイル基及びノルボルネン−1,2−ジイル基が好ましく、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、ノルボルナン−1,2−ジイル基、トリシクロデカン−1,2−ジイル基及びノルボルネン−1,2−ジイル基がより好ましい。
上記Rb21を含む上記脂環式炭化水素基の炭素−炭素間に−O−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SOO−、−NHCOO−、−SiR −若しくはこれらの組み合わせを含む脂肪族複素環基としては、例えば上記Rとして例示した脂肪族複素環基と同様の基等が挙げられる。これらのうち、−O−、−COO−、−S−及びこれらの組み合わせを含む基が好ましく、−O−及び−S−を含む基がより好ましい。
上記Rb21を含む脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示した基と同様の基等が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基及びシクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が好ましい。これらの中で、シクロヘキサン基及びメチル基がより好ましい。
上記Rb21を含む脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
上記Rb21を含む脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換するハロゲン原子としては、例えば上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換するハロゲン原子として例示した基と同様の基等が挙げられる。
[化合物(1−1)]
化合物(b−2−1)としては、例えば下記一般式(1−1)(以下、「化合物(1−1)」ともいう)で表される化合物等が挙げられる。
上記一般式(1−1)中、R、RF1、RF2、RF3、ib及びMは、上記一般式(b−2)中のR、RF1、RF2、RF3、ib及びMと同義であり、好ましい範囲も同様である。R及びYbは、上記一般式(b−3)中のR及びYbと同義である。Rは、この基が結合する炭素原子と共に環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基又は上記脂環式炭化水素基が有する水素原子の一部若しくは全部を炭素数1〜20の1価の炭化水素基で置換した基を構成する基である。
上記Rとこの基が結合する炭素原子とが構成する環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば上記Rとして例示した環員数3〜20の2価の脂環式炭化水素基と同様の基等が挙げられる。これらのうちシクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキセン−1,2−ジイル基、ノルボルナン−1,2−ジイル基、トリシクロデカン−1,2−ジイル基及びノルボルネン−1,2−ジイル基が好ましく、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、ノルボルナン−1,2−ジイル基、トリシクロデカン−1,2−ジイル基及びノルボルネン−1,2−ジイル基がより好ましい。
上記Rを含む脂環式炭化水素基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Rxで表される脂環式炭化水素基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示した基と同様の基等が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基及びシクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が好ましい。これらの中で、シクロヘキシル基及びメチル基がより好ましい。
[化合物(1−a)〜(1−d)]
化合物(1−1)としては、例えば下記一般式(1−a)で表される化合物(以下、「化合物(1−a)」ともいう)、下記一般式(1−b)で表される化合物(以下、「化合物(1−b)」ともいう)、下記一般式(1−c)で表される化合物(以下、「化合物(1−c)」ともいう)、下記一般式(1−d)で表される化合物(以下、「化合物(1−d)」ともいう)等が挙げられる。
上記一般式(1−a)〜(1−d)中、R、R、Yb、RF1、RF2、RF3、ib及びMは、上記一般(1−1)と同義である。R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基又は環員数3〜20の1価の脂環式炭化水素基である。mは、1〜10の整数である。aは、0〜(2m+2)の整数である。aが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。bは、0〜8の整数である。bが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。cは、0〜8の整数である。cが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。dは、0〜6の整数である。dが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Aは、それぞれ独立して−CH−、−CHCH−、−O−又は−S−である。
上記R〜Rで表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば上記RF1及びRF2として例示した基のうち、炭素数1〜10のもの等が挙げられる。これらの中で、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基及びプロピル基がより好ましく、メチル基及びエチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記R〜Rで表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、上記Rで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基と同様の基等が挙げられる。これらのうち、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
上記一般式(1−a)におけるmとしては、2〜8の整数が好ましく、3〜6の整数がより好ましく、4及び5がさらに好ましく、4が特に好ましい。
上記一般式(1−a)〜(1−d)におけるa〜dとしては、0〜3の整数が好ましく、0〜2がより好ましく、0及び1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
上記Aとしては、−CH−、−O−、−S−が好ましい。
上記化合物(1−a)としては、例えば下記一般式(1−a−1)〜(1−a−8)で表される化合物(以下、「化合物(1−a−1)〜(1−a−8)」ともいう)、上記化合物(1−b)としては、例えば下記一般式(1−b−1)〜(1−b−9)で表される化合物(以下、「化合物(1−b−1)〜(1−b−9)」ともいう)、上記化合物(1−c)としては、例えば下記一般式(1−c−1)〜(1−c−15)で表される化合物(以下、「化合物(1−c−1)〜(1−c−15)」ともいう)、上記化合物(1−d)としては、例えば下記一般式(1−d−1)〜(1−d−5)で表される化合物(以下、「化合物(1−d−1)〜(1−d−5)」ともいう)等が挙げられる。Etはエチル基を表す。
上記一般式(1−a−1)〜(1−a−8)、一般式(1−b−1)〜(1−b−9)、一般式(1−c−1)〜(1−c−15)及び一般式(1−d−1)〜(1−d−5)中、Mは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
これらの中で、化合物(1−a−1)〜(1−a−5)、化合物(1−b−1)〜(1−b−9)、化合物(1−c−1)、(1−c−3)、(1−c−5)〜(1−c−15)及び化合物(1−d−1)〜(1−d−5)が好ましく、化合物(1−a−1)、化合物(1−c−3)、(1−c−5)〜(1−c−15)及び化合物(1−d−2)がより好ましい。
[化合物(b−2−1’−a)]
化合物(b−2−1’−a)は、下記一般式(b−2−1’−a)で表される。
上記一般式(b−2−1’−a)中、R、RF1、RF2、RF3、kb、ib及びMは、上記一般式(b−2)中のR、RF1、RF2、RF3、kb、ib及びMと同義であり、好ましい範囲も同様である。R及びYbは、上記一般式(b−3)中のR及びYbと同義であり、好ましい範囲も同様である。R’は、この基が結合する炭素原子と共に2価の脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基を構成する基である。
上記R’とこの基が結合する炭素原子とが構成する2価の脂環式炭化水素基としては、例えば上記Rとして例示した2価の脂環式炭化水素基と同様の基等が挙げられる。これらのうち、シクロペンタン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,1−ジイル基、シクロペンテン−1,1−ジイル基、シクロヘキセン−1,1−ジイル基、ノルボルナン−1,1−ジイル基及びノルボルネン−1,1−ジイル基が好ましく、シクロペンタン−1,1−ジイル基及びシクロヘキサン−1,1−ジイル基がより好ましい。
上記R’とこの基が結合する炭素原子とが構成する2価の脂肪族複素環基としては、上記R’を含む上記脂環式炭化水素基の炭素−炭素間に−O−、−COO−、−OCOO−、−S−、−SOO−、−NHCOO−、−SiRS−若しくはこれらの組み合わせを含む脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基としては、例えば上記Rとして例示した脂肪族複素環基と同様の基等が挙げられる。これらのうち、−O−、−COO−、−S−及びこれらの組み合わせを含む基が好ましく、−O−及び−COO−を含む基がより好ましい。
上記R’で表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Rxで表される脂環式炭化水素基及び脂肪族複素環基が有する水素原子の一部若しくは全部を置換する炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
上記R’を含む脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、上記Rが有していてもよい置換基と同様である。
化合物(b−2−1’−a)の具体例としては例えば以下の化合物が挙げられるがこれに限定されるものではない。
上記一般式(b−2)で表される化合物は、例えば特開2015−194703号公報に記載された方法などの公知の方法により合成することができる。
本発明の組成物は、上記一般式(b−1)又は(b−2)で表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物(B)以外の光酸発生剤を含んでいてもよい。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物が好ましい。例えば、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物、ジアゾジスルホン化合物、ジスルホン化合物、及びo−ニトロベンジルスルホネート化合物を挙げることができる。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物を、単独又はそれらの混合物として適宜選択して使用することができる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0125]〜[0319]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0086]〜[0094]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0323]〜[0402]に開示された公知の化合物を好適に使用できる。
酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であることが好ましい。
酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,000以下が更に好ましい。
酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、前述した樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
酸発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
化合物(B)の組成物中の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜35質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%が更に好ましく、3〜15質量%が特に好ましい。
また、本発明の組成物が化合物(B)以外の光酸発生剤を含む場合においては、化合物(B)及び化合物(B)以外の光酸発生剤の含有量の合計が、上記範囲となることが好ましい。
<酸拡散制御剤(D)>
本発明の組成物は、酸拡散制御剤(D)を含有することが好ましい。酸拡散制御剤(D)は、露光時に酸発生剤等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性基を有する繰り返し単位を有する樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用するものである。例えば、塩基性化合物(DA)、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)、酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)、又はカチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)等を酸拡散制御剤として使用することができる。本発明の組成物においては、公知の酸拡散制御剤を適宜使用することができる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0627]〜[0664]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0095]〜[0187]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0403]〜[0423]、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0259]〜[0328]に開示された公知の化合物を酸拡散制御剤(D)として好適に使用できる。
塩基性化合物(DA)としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
一般式(A)及び(E)中、
200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表す。R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、各々独立に、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、置換基を有していても無置換であってもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
塩基性化合物(DA)としては、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、又はピペリジン等が好ましく、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造若しくはピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/若しくはエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、又は水酸基及び/若しくはエーテル結合を有するアニリン誘導体等がより好ましい。
活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)(以下、「化合物(DB)」ともいう。)は、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解して、プロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化する化合物である。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基又は電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジン、イミダゾール、及びピラジン構造などを挙げることができる。
化合物(DB)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下若しくは消失し、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここでプロトンアクセプター性の低下若しくは消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(DB)とプロトンとからプロトン付加体が生成するとき、その化学平衡における平衡定数が減少することを意味する。
プロトンアクセプター性は、pH測定を行うことによって確認することができる。
活性光線又は放射線の照射により化合物(DB)が分解して発生する化合物の酸解離定数pKaは、pKa<−1を満たすことが好ましく、−13<pKa<−1がより好ましく、−13<pKa<−3が更に好ましい。
酸解離定数pKaとは、水溶液中での酸解離定数pKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に定義される。酸解離定数pKaの値が低いほど酸強度が大きいことを示す。水溶液中での酸解離定数pKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測できる。あるいは、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示す。
ソフトウェアパッケージ1: Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) Software V8.14 for Solaris (1994−2007 ACD/Labs)。
本発明の組成物では、酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)を酸拡散制御剤として使用することができる。
酸発生剤と、酸発生剤から生じた酸に対して相対的に弱酸である酸を発生するオニウム塩とを混合して用いた場合、活性光線性又は放射線の照射により酸発生剤から生じた酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると、塩交換により弱酸を放出して強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため、見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩としては、下記一般式(d1−1)〜(d1−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
本発明の組成物は、酸拡散制御剤として、下記一般式(d1−1)で表される化合物、下記一般式(d1−2)で表される化合物、及び下記一般式(d1−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが特に好ましい。
一般式(d1−1)〜(d1−3)中、Rd〜Rdはアルキル基又はアルケニル基を表す。ただし、一般式(d1−2)中のRdにおける、硫黄原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子は結合していないものとする。
Ydは単結合又は2価の連結基を表し、
mは1以上の整数を表し、
Mdm+はそれぞれ独立にm価のカチオンを表す。
・一般式(d1−1)で表される化合物((d1−1)成分とも呼ぶ。)
(d1−1)成分のアニオン部:
一般式(d1−1)中、Rdは置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基、または置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基であることが好ましい。
置換基を有していてもよい環式基:
上記環式基は、環状の炭化水素基であることが好ましく、上記環状の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。また、脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Rdにおける芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。上記芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜10が最も好ましい。ただし、上記炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
Rdにおける芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
Rdにおける芳香族炭化水素基として具体的には、上記芳香環から水素原子を1つ除いた基(アリール基:たとえば、フェニル基、ナフチル基など)、上記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。上記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
Rdにおける環状の脂肪族炭化水素基は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
この構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
上記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
上記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。上記モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、上記ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Rdの環状の炭化水素基における置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基(−C(=O)−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、ニトロ基等が挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の水素原子の一部または全部が上記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
置換基としてのカルボニル基(−C(=O)−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)は、環状の炭化水素基を構成するメチレン基(−CH−)を置換する基である。
また、Rdにおける環状の炭化水素基は、複素環等のようにヘテロ原子を含んでもよい。
置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基:
Rdの鎖状のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基:
Rdの鎖状のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましく、3が特に好ましい。直鎖状のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
鎖状のアルケニル基としては、上記の中でも、ビニル基、プロペニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
Rdの鎖状のアルキル基またはアルケニル基における置換基としては、たとえば、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基(−C(=O)−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、ニトロ基、アミノ基、上記Rdにおける環式基等が挙げられる。
置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の水素原子の一部または全部が上記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
置換基としてのカルボニル基(−C(=O)−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)は、鎖状のアルキル基またはアルケニル基を構成するメチレン基(−CH−)を置換する基である。
これらのなかでも、Rdとしては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、又は置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基が好ましい。これらの基が有していてもよい置換基としては、水酸基、フッ素原子又はフッ素化アルキル基が好ましい。
上記芳香族炭化水素基としては、フェニル基もしくはナフチル基がより好ましい。
上記脂肪族環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
上記鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜10であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基;1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
以下に(d1−1)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
(d1−1)成分のカチオン部:
一般式(d1−1)中、Mdm+はm価のカチオンである。mは1であることが好ましい。
カチオンとしては、有機カチオンであることが好ましく、特開2014−191061号公報の段落番号〔0171〕〜〔0180〕に記載の一般式(ca−1)〜(ca−4)でそれぞれ表されるカチオンと同様のものが好適に挙げられ、下記式(ca−1−1)〜(ca−1−16)でそれぞれ表されるカチオンが具体的なものとして挙げられる。
(d1−1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・一般式(d1−2)で表される化合物((d1−2)成分とも呼ぶ。)
(d1−2)成分のアニオン部:
一般式(d1−2)中、Rdとしては、上記一般式(d1−1)中のRdと同様のものが挙げられる。
ただし、Rdにおける、硫黄原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子は結合していない(フッ素置換されていない)ものとする。これにより、(d1−2)成分のアニオンが適度な弱酸アニオンとなり、酸拡散制御剤としてのクエンチング能が向上する。
Rdとしては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等から1個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい);カンファー等から1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
Rdの炭化水素基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては、上記一般式(d1−1)のRdにおける炭化水素基(芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基)が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
以下に(d1−2)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
(d1−2)成分のカチオン部:
一般式(d1−2)中、Mdm+はm価のカチオンであり、、上記一般式(d1−1)中のMdm+と同様である。mは1であることが好ましい。
(d1−2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・一般式(d1−3)で表される化合物((d1−3)成分とも呼ぶ。)
(d1−3)成分のアニオン部:
一般式(d1−3)中、Rdとしては、上記一般式(d1−1)中のRdと同様のものが挙げられ、フッ素原子を含む環式基、鎖状のアルキル基、又は鎖状のアルケニル基であることが好ましい。中でも、フッ素化アルキル基が好ましく、上記Rdのフッ素化アルキル基と同様のものがより好ましい。
一般式(d1−3)中、Rdとしては、上記一般式(d1−1)中のRdと同様のものが挙げられる。
中でも、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、環式基であることが好ましい。
一般式(d1−3)中、Ydは、単結合または2価の連結基である。
Ydにおける2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基(脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基)、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。
以下に(d1−3)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
(d1−3)成分のカチオン部:
一般式(d1−3)中、Mdm+はm価のカチオンであり、、上記一般式(d1−1)中のMdm+と同様である。mは1であることが好ましい。
(d1−3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(d1−1)〜(d1−3)のいずれかで表される化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、一般式(d1−1)又は(d1−2)で表される化合物を少なくとも1種用いることがより好ましく、少なくとも1種の一般式(d1−2)で表される化合物を用いることが特に好ましい。
また、上記一般式(d1−1)〜(d1−3)のいずれかで表される化合物としては、上記光酸発生剤として用いた成分が露光により発生する酸の酸解離定数(pKa)よりも、相対的に大きいpKaをもつ酸を露光により発生する成分が好適に用いられる。上記一般式(d1−1)〜(d1−3)のいずれかで表される化合物が露光により発生する酸のpKaは、好ましくは0超であり、より好ましくは1以上であり、さらに好ましくは1〜7である。
酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)は、カチオン部位とアニオン部位を同一分子内に有し、かつ、上記カチオン部位とアニオン部位が共有結合により連結している化合物(以下、「化合物(DCA)」ともいう。)であってもよい。
化合物(DCA)としては、下記一般式(C−1)〜(C−3)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
一般式(C−1)〜(C−3)中、
、R、及びRは、各々独立に炭素数1以上の置換基を表す。
は、カチオン部位とアニオン部位とを連結する2価の連結基又は単結合を表す。
−Xは、−COO、−SO 、−SO 、及び−N−Rから選択されるアニオン部位を表す。Rは、隣接するN原子との連結部位に、カルボニル基(−C(=O)−)、スルホニル基(−S(=O)−)、及びスルフィニル基(−S(=O)−)のうち少なくとも1つを有する1価の置換基を表す。
、R、R、R、及びLは、互いに結合して環構造を形成してもよい。また、一般式(C−3)において、R〜Rのうち2つを合わせて1つの2価の置換基を表し、N原子と2重結合により結合していてもよい。
〜Rにおける炭素数1以上の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、及びアリールアミノカルボニル基などが挙げられる。好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基である。
2価の連結基としてのLは、直鎖若しくは分岐鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、及びこれらの2種以上を組み合わせてなる基等が挙げられる。Lは、好ましくは、アルキレン基、アリーレン基、エーテル結合、エステル結合、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる基である。
窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)(以下、「化合物(DD)」ともいう。)は、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体であることが好ましい。
酸の作用により脱離する基としては、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又はヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、又はヘミアミナールエーテル基がより好ましい。
化合物(DD)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が更に好ましい。
化合物(DD)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
一般式(d−1)において、
Rbは、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)、アリール基(好ましくは炭素数3〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、又はアルコキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。Rbは相互に連結して環を形成していてもよい。
Rbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立にヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
Rbとしては、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基が好ましく、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基がより好ましい。
2つのRbが相互に連結して形成する環としては、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環式炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造としては、米国特許公報US2012/0135348A1号明細書の段落[0466]に開示された構造を挙げることができるが、これに限定されない。
化合物(DD)は、下記一般式(6)で表される構造を有するものであることが好ましい。
一般式(6)において、
lは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、l+m=3を満たす。
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。lが2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に連結して式中の窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。この複素環には式中の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。
Rbは、上記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(6)において、Raとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立にRbとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が置換されていてもよい基として前述した基と同様な基で置換されていてもよい。
上記Raのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらの基は、上記基で置換されていてもよい)の具体例としては、Rbについて前述した具体例と同様な基が挙げられる。
本発明における特に好ましい化合物(DD)の具体的な構造としては、米国特許出願公開2012/0135348A1号明細書の段落[0475]に開示された化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
カチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)(以下、「化合物(DE)」ともいう。)は、カチオン部に窒素原子を含む塩基性部位を有する化合物であることが好ましい。塩基性部位は、アミノ基であることが好ましく、脂肪族アミノ基であることがより好ましい。塩基性部位中の窒素原子に隣接する原子の全てが、水素原子又は炭素原子であることが更に好ましい。また、塩基性向上の観点から、窒素原子に対して、電子求引性の官能基(カルボニル基、スルホニル基、シアノ基、及びハロゲン原子など)が直結していないことが好ましい。
化合物(DE)の好ましい具体的な構造としては、米国特許出願公開2015/0309408A1号明細書の段落[0203]に開示された化合物を挙げることができるが、これに限定されない。
本発明の組成物において、酸拡散制御剤(D)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸拡散制御剤(D)の組成物中の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%、がより好ましい。
<疎水性樹脂(E)>
本発明の組成物は、疎水性樹脂(E)を含有してもよい。なお、疎水性樹脂(E)は、樹脂(A)とは異なる樹脂であることが好ましい。
本発明の組成物が、疎水性樹脂(E)を含有することにより、感活性光線性又は感放射線性膜の表面における静的/動的な接触角を制御することができる。これにより、現像特性の改善、アウトガスの抑制、液浸露光における液浸液追随性の向上、及び液浸欠陥の低減等が可能となる。
疎水性樹脂(E)は、レジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂(E)は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“ケイ素原子”、及び“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含む場合、疎水性樹脂(E)における上記フッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(E)がフッ素原子を含む場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又はフッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂(E)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有することが好ましい。
(x)酸基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、極性変換基ともいう)
(z)酸の作用により分解する基
酸基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、又はビス(アルキルカルボニル)メチレン基が好ましい。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(y)としては、例えば、ラクトン基、カルボン酸エステル基(−COO−)、酸無水物基(−C(O)OC(O)−)、酸イミド基(−NHCONH−)、カルボン酸チオエステル基(−COS−)、炭酸エステル基(−OC(O)O−)、硫酸エステル基(−OSOO−)、及びスルホン酸エステル基(−SOO−)などが挙げられ、ラクトン基又はカルボン酸エステル基(−COO−)が好ましい。
これらの基を含んだ繰り返し単位は、樹脂の主鎖にこれらの基が直接結合している繰り返し単位であり、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等が挙げられる。この繰り返し単位は、これらの基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合していてもよい。あるいは、この繰り返し単位は、これらの基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に樹脂(A)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%が好ましく、3〜98モル%がより好ましく、5〜95モル%が更に好ましい。
疎水性樹脂(E)における、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、樹脂(A)で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、フッ素原子及びケイ素原子の少なくともいずれかを有していてもよい。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、1〜80モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜60モル%が更に好ましい。
疎水性樹脂(E)は、更に、上述した繰り返し単位とは別の繰り返し単位を有していてもよい。
フッ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)に含まれる全繰り返し単位に対して、10〜100モル%が好ましく、30〜100モル%がより好ましい。また、ケイ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)に含まれる全繰り返し単位に対して、10〜100モル%が好ましく、20〜100モル%がより好ましい。
一方、特に疎水性樹脂(E)が側鎖部分にCH部分構造を含む場合においては、疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及びケイ素原子を実質的に含有しない形態も好ましい。また、疎水性樹脂(E)は、炭素原子、酸素原子、水素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子のみによって構成された繰り返し単位のみで実質的に構成されることが好ましい。
疎水性樹脂(E)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましい。
疎水性樹脂(E)に含まれる残存モノマー及び/又はオリゴマー成分の合計含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。また、分散度(Mw/Mn)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3の範囲である。
疎水性樹脂(E)としては、公知の樹脂を、単独又はそれらの混合物として適宜に選択して使用することができる。例えば、米国特許出願公開2015/0168830A1号明細書の段落[0451]〜[0704]、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0340]〜[0356]に開示された公知の樹脂を疎水性樹脂(E)として好適に使用できる。また、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0177]〜[0258]に開示された繰り返し単位も、疎水性樹脂(E)を構成する繰り返し単位として好ましい。
疎水性樹脂(E)を構成する繰り返し単位の好ましい例を以下に示す。

疎水性樹脂(E)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
表面エネルギーが異なる2種以上の疎水性樹脂(E)を混合して使用することが、液浸露光における液浸液追随性と現像特性の両立の観点から好ましい。
疎水性樹脂(E)の組成物中の含有量は、本発明の組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましい。
<溶剤(F)>
本発明の組成物は、通常、溶剤を含有する。
本発明の組成物においては、公知のレジスト溶剤を適宜使用することができる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0665]〜[0670]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0210]〜[0235]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0424]〜[0426]、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0357]〜[0366]に開示された公知の溶剤を好適に使用できる。
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキル等の有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤として、構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、及び水酸基を含有しない溶剤としては、前述の例示化合物を適宜選択できるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、又は乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、又は乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有してもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、又は酢酸アルキル等が好ましく、これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、エチルエトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は2−ヘプタノンが更に好ましい。水酸基を含有しない溶剤としては、プロピレンカーボネートも好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量比)は、1/99〜99/1であり、10/90〜90/10が好ましく、20/80〜60/40がより好ましい。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が、塗布均一性の点で好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶剤でもよいし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤ででもよい。
<架橋剤(G)>
本発明の組成物は、酸の作用により樹脂を架橋する化合物(以下、架橋剤(G)ともいう)を含有してもよい。架橋剤(G)としては、公知の化合物を適宜に使用することができる。例えば、米国特許出願公開2016/0147154A1号明細書の段落[0379]〜[0431]、米国特許出願公開2016/0282720A1号明細書の段落[0064]〜[0141]に開示された公知の化合物を架橋剤(G)として好適に使用できる。
架橋剤(G)は、樹脂を架橋しうる架橋性基を有している化合物であり、架橋性基としては、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、アシルオキシメチル基、アルコキシメチルエーテル基、オキシラン環、及びオキセタン環などを挙げることができる。
架橋性基は、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、オキシラン環又はオキセタン環であることが好ましい。
架橋剤(G)は、架橋性基を2個以上有する化合物(樹脂も含む)であることが好ましい。
架橋剤(G)は、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を有する、フェノール誘導体、ウレア系化合物(ウレア構造を有する化合物)又はメラミン系化合物(メラミン構造を有する化合物)であることがより好ましい。
架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋剤(G)の含有量は、レジスト組成物の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%が好ましく、5〜30質量%が更に好ましい。
<界面活性剤(H)>
本発明の組成物は、界面活性剤を含有してもよいし、含有しなくてもよい。界面活性剤を含有する場合、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(具体的には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、又はフッ素原子とケイ素原子との両方を有する界面活性剤)が好ましい。
本発明の組成物が界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを得ることができる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0276]に記載の界面活性剤が挙げることができる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.0001〜2質量%が好ましく、0.0005〜1質量%がより好ましい。
一方、界面活性剤の含有量が、組成物の全固形分に対して10ppm以上とすることにより、疎水性樹脂の表面偏在性が上がる。それにより、感活性光線性又は感放射線性膜の表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性が向上する。
(その他の添加剤)
本発明の組成物は、更に、酸増殖剤、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤、又は溶解促進剤等を含有してもよい。
本発明の組成物からなる感活性光線性膜又は感放射線性膜の膜厚は、解像力向上の観点から、90nm以下が好ましく、85nm以下がより好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性又は製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明の組成物の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であり、2.0〜5.7質量%が好ましく、2.0〜5.3質量%がより好ましい。固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量の質量百分率である。
<調製方法>
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは上記混合溶剤に溶解し、これをフィルター濾過した後、所定の支持体(基板)上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.03μm以下が更に好ましい。このフィルターは、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又はナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば日本国特許出願公開第2002−62667号明細書(特開2002−62667)に開示されるように、循環的な濾過を行ってもよく、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ってもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理等を行ってもよい。
<用途>
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明の組成物は、IC(Integrated Circuit)等の半導体製造工程、液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造、インプリント用モールド構造体の作製、その他のフォトファブリケーション工程、又は平版印刷版、若しくは酸硬化性組成物の製造に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。本発明において形成されるレジストパターンは、エッチング工程、イオンインプランテーション工程、バンプ電極形成工程、再配線形成工程、及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等において使用することができる。
〔パターン形成方法〕
本発明は上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法にも関する。以下、本発明のパターン形成方法について説明する。また、パターン形成方法の説明と併せて、本発明の感活性光線性又は感放射線性膜(典型的には、レジスト膜)についても説明する。
本発明のパターン形成方法は、
(i)上述した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって感活性光線性又は感放射線性膜を支持体上に形成する工程(成膜工程)、
(ii)上記感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射する工程(露光工程)、及び、
(iii)上記活性光線又は放射線が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、現像液を用いて現像する工程(現像工程)、
を有する。
本発明のパターン形成方法は、上記(i)〜(iii)の工程を含んでいれば特に限定されず、更に下記の工程を有していてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程における露光方法が、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の前に、(iv)前加熱(PB:PreBake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の後、かつ、(iii)現像工程の前に、(v)露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(iv)前加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(v)露光後加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法において、上述した(i)成膜工程、(ii)露光工程、及び(iii)現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
また、必要に応じて、感活性光線性又は感放射線性膜と支持体との間にレジスト下層膜(例えば、SOG(Spin On Glass)、SOC(Spin On Carbon)、反射防止膜)を形成してもよい。レジスト下層膜としては、公知の有機系又は無機系の材料を適宜用いることができる。
感活性光線性又は感放射線性膜の上層に、保護膜(トップコート)を形成してもよい。保護膜としては、公知の材料を適宜用いることができる。例えば、米国特許出願公開第2007/0178407号明細書、米国特許出願公開第2008/0085466号明細書、米国特許出願公開第2007/0275326号明細書、米国特許出願公開第2016/0299432号明細書、米国特許出願公開第2013/0244438号明細書、国際特許出願公開第2016/157988A号明細書に開示された保護膜形成用組成物を好適に使用することができる。保護膜形成用組成物としては、上述した酸拡散制御剤を含むものが好ましい。
上述した疎水性樹脂を含有する感活性光線性又は感放射線性膜の上層に保護膜を形成してもよい
支持体は、特に限定されるものではなく、IC等の半導体の製造工程、又は液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造工程のほか、その他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程等で一般的に用いられる基板を用いることができる。支持体の具体例としては、シリコン、SiO2、及びSiN等の無機基板等が挙げられる。
加熱温度は、(iv)前加熱工程及び(v)露光後加熱工程のいずれにおいても、70〜130℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
加熱時間は、(iv)前加熱工程及び(v)露光後加熱工程のいずれにおいても、30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は、露光装置及び現像装置に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
露光工程に用いられる光源波長に制限はないが、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光(EUV)、X線、及び電子線等を挙げることができる。これらの中でも遠紫外光が好ましく、その波長は250nm以下が好ましく、220nm以下がより好ましく、1〜200nmが更に好ましい。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、EUV(13nm)、又は電子線等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV又は電子線が好ましい。
(iii)現像工程においては、アルカリ現像液であっても、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ともいう)であってもよい。解像性の観点からは有機系現像液が好ましい。
アルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩が用いられるが、これ以外にも無機アルカリ、1〜3級アミン、アルコールアミン、及び環状アミン等のアルカリ水溶液も使用可能である。
さらに、上記アルカリ現像液は、アルコール類、及び/又は界面活性剤を適当量含有してもよい。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10〜15である。
アルカリ現像液を用いて現像を行う時間は、通常10〜300秒である。
アルカリ現像液のアルカリ濃度、pH、及び現像時間は、形成するパターンに応じて、適宜調整することができる。
有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましく、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有する現像液であるのがより好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、及びプロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルー3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、ブタン酸ブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソブチル、及びプロピオン酸ブチル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び炭化水素系溶剤としては、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0715]〜[0718]に開示された溶剤を使用できる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤又は水と混合してもよい。現像液全体としての含水率は、50質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、10質量%未満であることが更に好ましく、実質的に水分を含有しないことが特に好ましい。
有機系現像液に対する有機溶剤の含有量は、現像液の全量に対して、50質量%以上100質量%以下が好ましく、80質量%以上100質量%以下がより好ましく、90質量%以上100質量%以下が更に好ましく、95質量%以上100質量%以下が特に好ましい。
有機系現像液は、必要に応じて公知の界面活性剤を適当量含有できる。
界面活性剤の含有量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
有機系現像液は、上述した酸拡散制御剤を含んでいてもよい。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、又は一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等を適用することができる。
アルカリ水溶液を用いて現像を行う工程(アルカリ現像工程)、及び有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(有機溶剤現像工程)を組み合わせてもよい。これにより、中間的な露光強度の領域のみを溶解させずにパターン形成が行えるので、より微細なパターンを形成することができる。
(iii)現像工程の後に、リンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)を含むことが好ましい。
アルカリ現像液を用いた現像工程の後のリンス工程に用いるリンス液は、例えば純水を使用できる。純水は、界面活性剤を適当量含有してもよい。この場合、現像工程又はリンス工程の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を追加してもよい。更に、リンス処理又は超臨界流体による処理の後、パターン中に残存する水分を除去するために加熱処理を行ってもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いた現像工程の後のリンス工程に用いるリンス液は、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用できる。リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものが挙げられる。
この場合のリンス工程に用いるリンス液としては、1価アルコールを含有するリンス液がより好ましい。
リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、又は環状の1価アルコールが挙げられる。具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、及びメチルイソブチルカルビノールが挙げられる。炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、及びメチルイソブチルカルビノール等が挙げられる。
各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合して使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。含水率を10質量%以下とすることで、良好な現像特性が得られる。
リンス液は、界面活性剤を適当量含有してもよい。
リンス工程においては、有機系現像液を用いる現像を行った基板を有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、例えば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、又は基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等を適用することができる。中でも、回転塗布法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2,000〜4,000rpm(rotation per minute)の回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。この加熱工程によりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程において、加熱温度は通常40〜160℃であり、70〜95℃が好ましく、加熱時間は通常10秒〜3分であり、30秒〜90秒が好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、又はトップコート形成用組成物等)は、金属成分、異性体、及び残存モノマー等の不純物を含まないことが好ましい。上記の各種材料に含まれるこれらの不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、100ppt以下がより好ましく、10ppt以下が更に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が特に好ましい。
上記各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過を挙げることができる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又はナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であってもよい。フィルターとしては、日本国特許出願公開第2016−201426号明細書(特開2016−201426)に開示されるような溶出物が低減されたものが好ましい。
フィルター濾過のほか、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル若しくはゼオライト等の無機系吸着材、又は活性炭等の有機系吸着材を使用することができる。金属吸着剤としては、例えば、日本国特許出願公開第2016−206500号明細書(特開2016−206500)に開示されるものを挙げることができる。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、又は装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法が挙げられる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
上記の各種材料は、不純物の混入を防止するために、米国特許出願公開第2015/0227049号明細書、日本国特許出願公開第2015−123351号明細書(特開2015−123351)、日本国特許出願公開第2017−13804号明細書(特開2017−13804)等に記載された容器に保存されることが好ましい。
本発明のパターン形成方法により形成されるパターンに、パターンの表面荒れを改善する方法を適用してもよい。パターンの表面荒れを改善する方法としては、例えば、米国特許出願公開第2015/0104957号明細書に開示された、水素を含有するガスのプラズマによってレジストパターンを処理する方法が挙げられる。その他にも、日本国特許出願公開第2004−235468号明細書(特開2004−235468)、米国特許出願公開第2010/0020297号明細書、Proc. of SPIE Vol.8328 83280N−1“EUV Resist Curing Technique for LWR Reduction and Etch Selectivity Enhancement”に記載されるような公知の方法を適用してもよい。
また、上記の方法によって形成されたレジストパターンは、例えば日本国特許出願公開第1991−270227号明細書(特開平3−270227)及び米国特許出願公開第2013/0209941号明細書に開示されたスペーサープロセスの芯材(Core)として使用できる。
〔電子デバイスの製造方法〕
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法にも関する。本発明の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイスは、電気電子機器(例えば、家電、OA(Office Automation)関連機器、メディア関連機器、光学用機器、及び通信機器等)に、好適に搭載される。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されない。
本発明の樹脂(A)に相当するPolymer−01〜Polymer−20、及び比較例に用いたPolymer−0に含まれる繰り返し単位の種類及び全繰り返し単位に対する含有量(モル%)、重量平均分子量(Mw)、及び、分散度(Mw/Mn)を、下記表1に示す。表1中、繰り返し単位(a−3)及び(a−4)について、複数の繰り返し単位を有するものは、「/」で区切って示しているが、各繰り返し単位の種類と含有量とは左から順に対応している。
(レジスト組成物の調製)
下記表2に示す成分からなる溶液を調製し、さらに0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過することで、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)を調製した。下記のレジスト組成物中、resist−1〜40が本発明のレジスト組成物であり、resist−41〜45は比較用レジスト組成物である。表2中、樹脂、光酸発生剤、及び溶剤について、複数の化合物を用いたものについては、「/」で区切って示しているが、各化合物の種類と質量とは左から順に対応している。
表2における光酸発生剤、酸拡散制御剤、疎水性樹脂、及び溶剤は下記の通りである。Etはエチル基を表す。
〔光酸発生剤〕
上記光酸発生剤中、B−02〜B−12は一般式(b−2)で表される化合物に相当し、B−14〜B−16は一般式(b−1)で表される化合物に相当する。
〔酸拡散制御剤〕
〔疎水性樹脂〕
上記疎水性樹脂N−1〜N−12の各繰り返し単位の組成比、重量平均分子量(Mw)、及び、分散度(Mw/Mn)を、下記表3に示す。組成比は、各疎水性樹脂が含む上記繰り返し単位の含有モル比率(モル%)を左から順に示したものである。
〔溶剤〕
S−1: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA:1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S−2: プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
S−3: γ−ブチロラクトン
〔実施例1〕
<レジスト組成物の塗設>
シリコンウエハ上に有機反射防止膜ARC29SR(Brewer社製)を塗布し、205℃で60秒間ベークを行い膜厚98nmの反射防止膜を形成し、その上に、レジスト組成物としてresist−1を塗布し、100℃で60秒間に亘ってベークを行い、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。
<ArF露光及び現像−ネガ型のパターン形成>
上記のようにして得られたレジスト膜を形成したウエハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA(numerical aperture)1.20、C−Quad、アウターシグマ0.730、インナーシグマ0.630、XY偏向)を用い、ライン線幅100nm、スペース幅50nmの2:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後100℃で、60秒間加熱した後、有機現像液である酢酸ブチルで30秒間現像し、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
<ArF露光及び現像−ポジ型のパターン形成>
得られたレジスト膜を形成したウエハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.730、インナーシグマ0.630、XY偏向)を用い、ライン線幅50nm、スペースの幅100nmの1:2ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後100℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
〔実施例2〜40、比較例1〜5〕
レジスト組成物を表2に記載のレジスト組成物に変更した以外は実施例1と同様にして、ネガ型及びポジ型のラインアンドスペースパターンをそれぞれ形成した。
<レジストパターンの評価>
測長走査型電子顕微鏡(SEM(株)日立製作所S−9380II)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、PED安定性、及びPEBsについて評価した。
(PED安定性評価 ネガ型)
ライン線幅100nm、スペース幅50nmの2:1ラインアンドスペースパターンのライン線幅寸法が100nmとなる露光量において、露光した後速やかにPEB処理した場合のライン線幅寸法(L0h)と、露光した2時間後にPEB処理した場合のライン線幅寸法(L2h)を測長し、線幅変化率を以下の式により算出した。なおPEB処理としては100℃で60秒間の加熱を行った。
線幅変化率(%)=100×(L2h−L0h)nm/100nm
値が小さいほど良好な性能であることを示し、PED安定性の指標とした。
(PED安定性評価 ポジ型)
ライン線幅50nm、スペース幅100nmの1:2ラインアンドスペースパターンのライン線幅寸法が50nmとなる露光量において、露光した後速やかにPEB処理した場合のライン線幅寸法(L0h)と、露光した2時間後にPEB処理した場合のライン線幅寸法(L2h)を測長し、線幅変化率を以下の式により算出した。なおPEB処理としては100℃で60秒間の加熱を行った。
線幅変化率(%)=100×(L2h−L0h)nm/50nm
値が小さいほど良好な性能であることを示し、PED安定性の指標とした。
(PEBs評価 ネガ型)
100℃で60秒間の露光後加熱(PEB)した際にライン線幅100nm、スペース幅50nmの2:1ラインアンドスペースパターンを再現する露光量を最適露光量とし、次に最適露光量で露光を行った後に、上記PEB温度(100℃)に対して、+2℃及び−2℃(すなわち102℃及び98℃)の2つの温度で60秒間露光後加熱を行い、各々得られたラインアンドスペースパターンを測長し、それらのライン線幅L1及びL2を求めた。PEBsを、PEB温度変化1℃あたりの線幅の変動と定義し、下記の式により算出した。
PEBs(nm/℃)=|L1−L2|/4
値が小さいほど温度変化に対する性能変化が小さく良好であることを示す。
(PEBs評価 ポジ型)
100℃で60秒間の露光後加熱(PEB)した際にライン線幅50nm、スペース幅100nmの1:2ラインアンドスペースパターンを再現する露光量を最適露光量とし、次に最適露光量で露光を行った後に、上記PEB温度(100℃)に対して、+2℃及び−2℃(すなわち102℃及び98℃)の2つの温度で60秒間露光後加熱を行い、各々得られたラインアンドスペースパターンを測長し、それらのライン線幅L1及びL2を求めた。PEBsを、PEB温度変化1℃あたりの線幅の変動と定義し、下記の式により算出した。
PEBs(nm/℃)=|L1−L2|/4
値が小さいほど温度変化に対する性能変化が小さく良好であることを示す。
評価結果を下記表4に示す。
表4より、樹脂(A)及び光酸発生剤(B)を含有する組成物を用いた実施例は、比較例と比べて、PED安定性及びPEBsが優れたものとなった。

Claims (14)

  1. 下記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び下記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する樹脂(A)と、
    下記一般式(b−1)で表される化合物及び下記一般式(b−2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の活性光線又は放射線により酸を発生する化合物(B)と
    を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

    一般式(a−1)中、Ra及びRaは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
    Raは水素原子又は1価の有機基を表し、
    Zaはフェニレン基、ナフチレン基、又は−CO−を表し、
    Xaは−O−又は−NRa101−を表し、Ra101は水素原子、1価の炭化水素基、又は1価のフッ素化炭化水素基を表し、
    Aaはヘテロ原子を含む1価の有機基を表す。
    AaとRaは互いに結合し、環構造を形成してもよい。

    一般式(a−2)中、Raは水素原子又はメチル基を表し、
    Laはヘテロ原子を含む基で置換された脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基を表す。

    一般式(b−1)中、Rbは1価の炭化水素基又は1価の複素環基を表し、
    Rbは、アルカンジイル基又はフッ素原子数が炭素原子数よりも小さいフッ素化アルカンジイル基を表し、
    は、1価のカチオンを表す。

    一般式(b−2)中、Rは、2価の脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基を表し、
    は、炭素原子を表し、
    は、下記一般式(b−3)で表される1価の有機基を表し、
    kbは、1〜3の整数を表す。kbが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
    F1、RF2及びRF3は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基を表し、
    ibは、0〜9の整数を表す。但し、ibが0の場合、kbは1又は2である。ibが2以上の場合、複数のRF1は同一でも異なっていてもよく、複数のRF2は同一でも異なっていてもよい。
    F3が複数の場合、複数のRF3は同一でも異なっていてもよい。
    ただし、RF1、RF2及びRF3のうちの少なくとも1つはフッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。
    は、1価のカチオンである。

    一般式(b−3)中、Rはアルキル基を表し、
    Ybは単結合又はアルキレン基を表し、
    *は前記一般式(b−2)中のRとの結合手を表す。
  2. 前記樹脂(A)が前記一般式(a−1)で表される繰り返し単位を有し、前記一般式(a−1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

    一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
    13は、1価の有機基を表し、
    14は、水素原子又は1価の有機基を表し、
    11及びX12は、それぞれ独立して、−O−又は−NR101−を表し、R101は、水素原子、1価の炭化水素基、又は1価のフッ素化炭化水素基を表し、
    11は、フェニレン基、ナフチレン基、又は−CO−を表す。
    13とR14は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
    101とR13、R101とR14は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。

    一般式(2)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
    23は、水素原子又は1価の有機基を表し、
    21は、ヘテロ原子を含む、下記一般式(2−a)又は(2−b)で表される1価の基を表し、
    21は、1〜5の整数を表す。

    一般式(2−a)及び(2−b)中、R24及びR25は、それぞれ独立して、−CN、−NO、1価のフッ素化炭化水素基、極性基で置換されている1価の炭化水素基、又は−Y21−Z21で表される1価の基を表し、Y21は、−CO−、−COO−、−SO−、又は−SOO−を表し、Z21は、1価の有機基を表し、
    26は、水素原子、フッ素原子、−NO、又は1価の有機基を表し、
    *は、前記一般式(2)で表される構造単位のX21以外の部分に結合する結合手を表す。
    21が複数存在する場合、複数のY21は同一でも異なっていてもよく、Z21が複数存在する場合、複数のZ21は同一でも異なっていてもよい。
    一般式(2−a)中、R24、R25及びR26のうちの2以上は、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
    一般式(2−b)中、R24及びR25は互いに結合し、環構造を形成してもよい。

    一般式(3)中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、
    33は、水素原子又は1価の有機基を表し、
    31は、2価の炭化水素基を表し、
    31は、下記一般式(3−a)又は(3−b)で表される2価の基を表し、
    31は、1価の有機基又はヒドロキシ基を表す。

    一般式(3−a)及び(3−b)中、*及び**は、一方が前記一般式(3)中のE31に結合する結合手を表し、他方が前記一般式(3)中のX31に結合する結合手を表す。
  3. 前記樹脂(A)中の前記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び前記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位の含有量の総量が、前記樹脂(A)中の全繰返し単位に対して5〜20モル%である、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  4. 前記樹脂(A)が、更に、前記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び前記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位とは異なる、酸の作用により分解し極性が増大する基を含む繰り返し単位(a−4)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 前記樹脂(A)が、更に、前記一般式(a−1)で表される繰り返し単位及び前記一般式(a−2)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位とは異なる、ラクトン構造、スルトン構造、及びカーボネート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含む繰り返し単位(a−3)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記繰り返し単位(a−3)が、下記一般式(a−3L)で表される繰り返し単位である請求項5に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

    一般式(a−3L)中、Rlは、水素原子又はメチル基を表し、
    Rlは、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表し、
    Rl〜Rlは、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。
    但し、RlとRl、及びRlとRlは互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
  7. 前記化合物(B)が前記一般式(b−2)で表される化合物であり、前記一般式(b−2)におけるkbの値が1である請求項1〜6のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 前記化合物(B)が前記一般式(b−2)で表される化合物であり、前記一般式(b−2)におけるR及びRが、Rとしての前記脂環式炭化水素基又は脂肪族複素環基の環構造上の同一炭素原子に結合するか、又は互いに隣接する2つの炭素原子にそれぞれ結合している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  9. 更に、下記一般式(d1−1)で表される化合物、下記一般式(d1−2)で表される化合物、及び下記一般式(d1−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。

    一般式(d1−1)〜(d1−3)中、Rd〜Rdはアルキル基又はアルケニル基を表す。ただし、一般式(d1−2)中のRdにおける、硫黄原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子は結合していないものとする。
    Ydは単結合又は2価の連結基を表し、
    mは1以上の整数を表し、
    Mdm+はそれぞれ独立にm価のカチオンを表す。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成される感活性光線性又は感放射線性膜。
  11. (i)請求項1〜9のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって感活性光線性又は感放射線性膜を支持体上に形成する工程、
    (ii)前記感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射する工程、及び、
    (iii)前記活性光線又は放射線が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、現像液を用いて現像する工程、
    を有するパターン形成方法。
  12. 前記現像液が、有機溶剤を含有する現像液である、請求項11に記載のパターン形成方法。
  13. 前記現像液が、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を含有する現像液である請求項12に記載のパターン形成方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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WO2023153294A1 (ja) * 2022-02-08 2023-08-17 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物及びパターン形成方法

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