JP2018189566A - 光ファイバセンサケーブル - Google Patents

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【課題】温度、歪みの測定精度を向上させる。【解決手段】外被20と、複数のテンションメンバ30と、外被20により周囲を固定された歪み測定用タイト心線40と、外被20の挿入孔21に隙間を介して挿入された温度測定用ルース心線50と、を備える光ファイバセンサケーブル10であって、光ファイバセンサケーブル10のケーブル長手方向に対して垂直な断面において、複数のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とが同一直線上に並ぶように配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、歪み及び温度検出を行う光ファイバセンサケーブルに関する。
光ファイバの光入射により生じるブリルアン散乱光は、その周波数が光ファイバの歪みや温度に依存することから、ブリルアン散乱光を検出することで、光ファイバを歪みや温度を検出するセンサとして使用することができる。この性質を利用した従来の光ファイバセンサケーブルは、外被内において、ケーブルの中心にテンションメンバが配置され、その周囲に三本の光ファイバのタイト心線と一本の光ファイバのルース心線とが配置されている(例えば、特許文献1参照)。
三本のタイト心線は、外被に対して固定されており、光ファイバセンサケーブルに生じる伸縮による歪みを検出する歪み測定用タイト心線として機能する。ルース心線は、ケーブル全長に渡って形成された円孔に遊挿されており、光ファイバセンサケーブルに生じる伸縮による歪みが伝わらず、温度測定用ルース心線として機能する。そして、これらにより、光ファイバセンサケーブルは、周囲の温度及び歪みの検出を行っている。
特開2000−75174号公報
しかし、特許文献1に記載された光ファイバセンサケーブルは、テンションメンバを中心とし、温度測定用ルース心線は中心から外れた位置に設けられているので、ケーブルはテンションメンバを中心として曲がりが生じるが、中心から外れた位置にある温度測定用ルース心線のケーブル長手方向に沿った変位量が大きくなる。これにより、ルースであっても、温度測定用ルース心線に歪みの影響が生じるおそれがあり、正しい温度を測定できなくなるおそれがあった。また、温度が正しく測定されないと、歪み測定において温度の影響を正しく除くことができず、正しい歪みを測定できないおそれもあった。
本発明は、より正しく測定可能な光ファイバセンサケーブルを提供することをその目的とする。
本発明は、光ファイバセンサケーブルにおいて、外被と、複数のテンションメンバと、前記外被により周囲を固定された歪み測定用タイト心線と、前記外被の挿入孔に隙間を介して挿入された温度測定用ルース心線と、を備える光ファイバセンサケーブルであって、前記光ファイバセンサケーブルのケーブル長手方向に対して垂直な断面において、前記複数のテンションメンバと前記歪み測定用タイト心線と前記温度測定用ルース心線とが同一直線上に並ぶように配置されていることを特徴とする。
また、上記光ファイバセンサケーブルにおいて、前記光ファイバセンサケーブルのケーブル長手方向に対して垂直な断面において、前記直線に平行であって、二本の前記テンションメンバの外周に接する二本の接線の間となる領域内に、前記歪み測定用タイト心線の中心と前記温度測定用ルース心線の中心とが位置するように配置されている構成としても良い。
また、上記光ファイバセンサケーブルにおいて、前記温度測定用ルース心線が挿入された前記外被の挿入孔の内径を、前記テンションメンバの外径よりも小さくしても良い。
また、上記光ファイバセンサケーブルにおいて、前記温度測定用ルース心線の全長を前記外被の全長よりも長くしても良い。
また、上記光ファイバセンサケーブルにおいて、前記外被の挿入孔と前記温度測定用ルース心線との間に、ヤーンを充填しても良い。
また、上記光ファイバセンサケーブルにおいて、前記テンションメンバは、鋼線又はモノフィラメントからなる構成としても良い。
本発明によれば、テンションメンバと温度測定用ルース心線の配置により、より精度良く温度測定が可能となり、これに伴い、歪み測定もより精度良く行うことが可能となる。
発明の実施形態たる光ファイバセンサケーブルの長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 光ファイバセンサケーブルの長手方向に垂直な断面を示し、外被に被覆される各構成の配置、大小の関係を示す断面図である。 歪み・温度の測定装置の構成を示す概略図である。 温度測定用ルース心線の周囲に吸水性のヤーンを充填した温度測定用ルース心線の周囲の断面図である。
[発明の実施形態の概要]
本発明の実施形態としての光ファイバセンサケーブル10について図1〜図3に基づいて説明する。図1は、光ファイバセンサケーブル10のケーブル長手方向(以下、単に「ケーブル長手方向」という)に対して垂直な断面図である。
この光ファイバセンサケーブル10は、光ファイバ心線を撚らないでケーブル長手方向に平行に支持する構造を有する。この光ファイバセンサケーブル10は、外被20と、二本(一対)のテンションメンバ30と、外被20により周囲を固定された歪み測定用タイト心線40と、外被20の挿入孔21に隙間を介して挿入された温度測定用ルース心線50とを備えている。
[テンションメンバ]
光ファイバセンサケーブル10は、図1に示すように、ケーブル長手方向の断面形状が略長方形状であり、その四つの角部は全てが丸みを帯びている。なお、以下の記載では、光ファイバセンサケーブル10のケーブル長手方向に垂直な断面を単に「ケーブル断面」という。
二本のテンションメンバ30は、それぞれ、光ファイバセンサケーブル10の長方形の断面形状における長辺方向の両端部であって、短辺方向の中心部に配置されている。各テンションメンバ30は、光ファイバセンサケーブル10の曲げや変形に対する剛性と引張強度を高めて歪み測定用タイト心線40や温度測定用ルース心線50を保護するために設けられている。このため、各テンションメンバ30は、外被20に隙間なく密着した状態で被覆されている。これにより、光ファイバセンサケーブル10に曲げ、撓み、捻れ、伸び等の応力が加わった場合でも、外被20と二本のテンションメンバ30の境界面は密着状態が維持され、曲げ、撓み、捻れ、伸び等の変形量を低減する。
特に、二本のテンションメンバ30が、長方形のケーブル断面における長辺方向の両端部に個別に配置されている。このため、光ファイバセンサケーブル10は、専ら、ケーブル断面における長辺方向を軸とする曲げ(ケーブル断面における長辺方向に沿った折り目を形成する曲げ)が生じることになる。そして、光ファイバセンサケーブル10は、長辺方向を軸とする曲げに比べて、ケーブル断面における短辺方向を軸とする曲げ(ケーブル断面における短辺方向に沿った折り目を形成する曲げ)の発生が低減される。
各テンションメンバ30は、光ファイバセンサケーブル10の布設時に作用する最大張力およびケーブル許容伸び(一般的には0.2%伸び)により、適当な材質や外径等が選択される。また、各テンションメンバ30の材質は、鋼線、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、高分子モノフィラメント等であればよい。
ただし、FRP等の繊維材料は、引張剛性が圧縮剛性よりも大きいため、小径に曲げた場合の歪の中立面が、曲げないときの材料中心面よりも曲げ外面側に位置する。すなわち、小径に曲げた場合の材料中心面には、圧縮歪みがかかることになる。このことから、FRP等の繊維材料をテンションメンバ30とする光ファイバセンサケーブル10を小径に曲げると、歪み測定用タイト心線40及び温度測定用ルース心線50に余計な圧縮応力が作用するおそれがある。一方、鋼線等の金属材料は引張剛性と圧縮剛性とが同等である。そのため、小径に曲げて光ファイバセンサケーブル10を配線することが事前に分かっている場合には、テンションメンバ30の材質を鋼線又はモノフィラメントとすることが好ましい。
[歪み測定用タイト心線]
歪み測定用タイト心線40は、一般的な光ファイバ素線からなる。本実施形態では、外径0.25[mm]程度の石英ガラス系光ファイバ素線や着色心線とする場合を例示するが、外径、材質、着色の有無等について、特にこの例示に限定されるものではない。
歪み測定用タイト心線40は、外被20に隙間なく密着した状態で被覆されている。これにより、光ファイバセンサケーブル10に曲げ、撓み、捻れ、伸び等の応力が加わった場合に、歪み測定用タイト心線40に対して、伸縮による歪みが伝わりやすくなっており、歪みの測定に適している。したがって、歪み測定用タイト心線40と外被20との高い密着力を得るために、歪み測定用タイト心線40の最外層には滑剤成分が含まれないことが望ましい。
[温度測定用ルース心線]
温度測定用ルース心線50も、一般的な光ファイバ素線からなる。本実施形態では、外径0.25[mm]程度の石英ガラス系光ファイバ素線や着色心線とする場合を例示するが、外径、材質、着色の有無等について、特にこの例示に限定されるものではない。
温度測定用ルース心線50は、外被20の全長に渡って形成された挿入孔21内に格納されている。挿入孔21の内径は、温度測定用ルース心線50の外径よりも大きく、挿入孔21と温度測定用ルース心線50との間には隙間が形成されている。また、温度測定用ルース心線50は、外被20よりも長く、余長分の弛みが生じた状態で挿入孔21内に格納されている。このため、外被20に曲げ、撓み、捻れ等が生じた場合でも、温度測定用ルース心線50には伸縮による歪みが殆ど生じないようになっている。
[外被]
外被20は、二本のテンションメンバ30、歪み測定用タイト心線40、温度測定用ルース心線50が埋設されており、これらを被覆して保護する機能を有する。外被20は、光ファイバセンサケーブル10をモルタルやコンクリートの中に埋設可能とするために耐アルカリ性を有し、土砂やそれに含まれる水分の浸透を防ぐために耐水性を有することが望ましい。
そのため、外被20の材質としては、ポリエチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂やこれ材料を含んだエラストマー系樹脂が望ましい。また、外部からの熱伝導率を上げるための熱伝導性フィラーを含有してもよい。上述した主材料に含有させる添加材料としては、アルミナや溶融シリカ、六方晶窒化ホウ素、窒化アルミ、酸化マグネシウム、無水炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが望ましい。
また、外被20の表面であって、長方形のケーブル断面の長辺側の二つの面には、歪み測定用タイト心線40に向かって凹んだノッチ23が全長に渡って形成されている。このノッチ23は、ここから外被20を裂いて歪み測定用タイト心線40の取り出しを容易にする機能と、外部から歪み測定用タイト心線40の所在を明確にする機能とを有している。なお、このノッチ23は必須のものではないので形成しなくとも良い。また、外被20の上述した二面に、温度測定用ルース心線50の取り出しを容易にするため又は所在を示すためのノッチを新たに形成しても良い。
[ケーブル断面における各構成の配置]
図2は光ファイバセンサケーブル10のケーブル断面における各構成の配置、寸法等の関係を示す断面図である。外被20は、二本のテンションメンバ30及び歪み測定用タイト心線40を、隙間なく密着した状態で保持する。このため、光ファイバセンサケーブル10に曲げ、撓み、捻れ等が生じた場合でも、外被20と二本のテンションメンバ30の境界面及び外被20と歪み測定用タイト心線40の境界面は密着状態を維持し、二本のテンションメンバ30及び歪み測定用タイト心線40には、伸縮による歪みが発生する。
図2に示すように、二本のテンションメンバ30の中心30cと歪み測定用タイト心線40の中心40cと、温度測定用ルース心線50の挿入孔21の中心21cとが、ケーブル断面上の同一直線L上に並ぶように配置されている。また、この直線Lは、光ファイバセンサケーブル10の長方形状の断面における長辺に平行である。
さらに、ケーブル断面において、二本のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と、温度測定用ルース心線50とが、同一直線L上に並ぶように配置されている。より厳密には、ケーブル断面において、直線Lに平行であって、二本のテンションメンバ30に接する二本の接線Sの間となる領域T内に、歪み測定用タイト心線40の中心40cと温度測定用ルース心線50の中心50cとが位置するように配置されている。
歪み測定用タイト心線40及び温度測定用ルース心線50は、いずれもその中心40c,50cが上記領域T内となることが望ましく、歪み測定用タイト心線40及び温度測定用ルース心線50の断面全体が領域T内に入っていることがより望ましい。歪み測定用タイト心線40は、その外径がテンションメンバ30の外径よりも小さく、その中心40cが前述した直線L上に位置することから、歪み測定用タイト心線40の断面全体が領域T内に入っている。
また、温度測定用ルース心線50は、その挿入孔21の内径がテンションメンバ30の外径よりも小さく、挿入孔21の中心21cが前述した直線L上に位置することから、温度測定用ルース心線50の断面全体が領域T内に入っている。なお、挿入孔21の内径がテンションメンバ30の外径よりも大きな場合であっても、挿入孔21の中心21cが直線L上に位置し、挿入孔21の半径r3から温度測定用ルース心線50の半径r2を減じた値がテンションメンバ30の半径r1以下となる場合(r3−r2≦r1)には、少なくとも、温度測定用ルース心線50の中心50cを領域T内に配置することができる。
[光ファイバセンサケーブルの製造について]
上記構成からなる光ファイバセンサケーブル10は、テンションメンバ30と、歪み測定用タイト心線40と、温度測定用ルース心線50とを、ケーブル断面において前述した配置を維持した状態で、かつ、挿入孔21の中心21cが前述した適正な位置となるダイスを用い、外被20の形成材料を押出成形することにより製造することができる。または、二本のテンションメンバ30と、歪み測定用タイト心線40と、内側に挿入孔21が形成されたルースチューブに温度測定用ルース心線50を通線させたコード22(ルースコード)とを用意し、ケーブル断面においてそれぞれが前述した配置を維持した状態でルースコード22の挿入孔21の中心21cが適正な位置となるように維持しながら、外被20の形成材料を押出形成することで製造してもよい。
[光ファイバセンサケーブルを用いた測定方法]
図3は上記光ファイバセンサケーブル10を用いた歪み・温度の測定装置100の概略構成図である。この測定装置100は、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)又はBOTDA(Brillouin Optical Time Domain Analysis)からなる歪み・温度測定器110と、測定時に、既知である基準温度に歪み測定用タイト心線40の一端部及び温度測定用ルース心線50の一端部の温度を維持する恒温槽120とを備えている。
光ファイバセンサケーブル10は、歪み及び温度の測定対象物W(ここでは、コンクリートの構造物を例示する)内にほぼ全長が埋設されている。さらに、光ファイバセンサケーブル10は、その一端部から歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とが外被20の外部に引き出されており、これら歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50は恒温槽120を介して歪み・温度測定器110に接続されている。
恒温槽120は、測定対象物Wの外部に引き出された歪み測定用タイト心線40の一端部と温度測定用ルース心線50の一端部を一定の温度に維持することができ、これにより、測定時において、基準となる温度状態を形成する。
歪み・温度測定器110は、歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50のそれぞれの一端部から測定を行うためのパルス光を入射し、他端部からの反射光の周波数と光強度を測定する。そして、歪み・温度測定器110は、測定された反射光の光強度からブリルアン散乱光の周波数のピーク値を求め、当該周波数のピーク値から光ファイバセンサケーブル10に生じて歪み又は温度を特定し、出力する。また、この歪み・温度測定器110は、パルス光の入射からの経過時間から、光ファイバセンサケーブル10のいずれの位置で歪み又は温度変化が発生しているかを算出することができる。
具体的には、下記(1)〜(3)の工程により、測定対象物Wの歪み、温度の測定が行われる。
(1)温度測定用ルース心線50は、外被20に対して隙間を有し、拘束されないルースな状態であるため、測定対象物Wの内側となる部分も恒温槽120の内側となる部分もいずれも光ファイバセンサケーブル10の変形による歪みがかからない状態(0%)である。恒温槽120の温度を20℃として、歪み・温度測定器110により、温度測定用ルース心線50の恒温槽120の内側となる部分のブリルアン散乱光の周波数に対する測定対象物Wの内側となる部分のブリルアン散乱光の周波数のピーク値のシフト量を求めることで、測定対象物W内の光ファイバセンサケーブル10の周辺の温度を測定することができる。
(2)一方、歪み測定用タイト心線40は、測定対象物Wから受ける光ファイバセンサケーブル10の変形による歪みだけでなく、周囲の温度の影響も受けているため、その測定結果から、温度の影響を取り除く必要がある。測定対象物W内の光ファイバセンサケーブル10周辺の温度は上記(1)の測定結果より得ることができるので、歪み測定用タイト心線40から測定されたブリルアン散乱光の周波数のピーク値から、周辺の温度の影響分を補正し、温度の影響を除き、歪みの影響のみのブリルアン散乱光の周波数のピーク値を求める。
(3)次に、恒温槽120内の歪み測定用タイト心線40は歪み0%であるため、これを基準とする。歪み・温度測定器110により、歪み測定用タイト心線40の恒温槽120の内側となる部分のブリルアン散乱光の周波数に対する測定対象物Wの内側となる部分のブリルアン散乱光の周波数のピーク値のシフト量を求めることで、温度の影響を除外した測定対象物W内の歪み測定用タイト心線40の歪みを測定することができる。
[発明の実施形態の技術的効果]
以上のように、光ファイバセンサケーブル10では、ケーブル断面において、二本のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とが同一直線L上に並ぶように配置されている。この場合、光ファイバセンサケーブル10は、専ら、二本のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とが並ぶ同一直線Lを軸とする方向に曲がりを生じ、他の方向には曲がりを生じにくい構造となる。
そして、二本のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とが、二本のテンションメンバ30の並び方向に一致する同一直線上に並んでいるので、この方向を軸とする曲がりを生じた場合に、軸上に位置する温度測定用ルース心線50のケーブル長手方向に沿った変位量を小さくすることが可能である。したがって、ルースに保持された温度測定用ルース心線50に対する歪みの影響を、従来に比べて低減することができ、温度をより正確に測定することが可能となる。さらに、これに伴い、歪み測定用タイト心線40による歪み測定の場合にも、より正確に温度の影響を正しく除くことができ、より精度良く歪みを測定することが可能となる。
また、光ファイバセンサケーブル10は、ケーブル断面において、直線Lに平行であって、二本のテンションメンバ30の外周に接する二本の接線Sの間となる領域T内に、歪み測定用タイト心線40の中心40cと温度測定用ルース心線50の中心50cとが位置するように配置されている。これにより、二本のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とが並ぶ直線Lを軸とする曲がりを生じた場合の温度測定用ルース心線50のケーブル長手方向に沿った変位量を効果的に小さくすることができ、温度及び歪みをより正確に測定することが可能となる。
また、温度測定用ルース心線50が挿入された外被20の挿入孔21の内径を、テンションメンバ30の外径よりも小さくしている。これにより温度測定用ルース心線50の断面全体が上述した領域T内に入る配置となるので、二本のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とが並ぶ直線Lを軸とする曲がりを生じた場合の温度測定用ルース心線50のケーブル長手方向に沿った変位量をより効果的に小さくすることができ、温度及び歪みをさらに正確に測定することが可能となる。
また、温度測定用ルース心線50の全長を外被20の全長よりも長くしているので、挿入孔21内で温度測定用ルース心線50に余長を持たせて弛み状態で配置することができ、歪みの影響をより低減することができるので、温度及び歪みをさらに正確に測定することが可能となる。
また、テンションメンバ30を鋼線又はモノフィラメントとした場合には、FRP等の繊維材料とした場合に比べ、光ファイバセンサケーブル10を小径に曲げた場合でも、温度測定用ルース心線50に対する圧縮を抑制することができ、温度測定用ルース心線50に対する歪みの影響を抑えて、温度及び歪みを正確に測定することが可能となる。
[その他]
上記実施形態では、発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている場合を例示したが、本発明の範囲を上記実施形態及び図示の例に限定するものではない。
例えば、図4に示すように、温度測定用ルース心線50と挿入孔21との間の隙間には、ヤーン51を充填しても良い。ヤーン51の一例としては、吸水性を有するヤーンを用いることができる。テンションメンバ30や歪み測定用タイト心線40は外被20に密着しているが、温度測定用ルース心線50は挿入孔21との間に隙間がある。その場合、光ファイバセンサケーブル10の端部或いは途中に生じた亀裂などから外部の水分が侵入した場合に、隙間に沿って水分が広範囲に広がってしまう水走りを生じる場合がある。しかし、図4のように、吸水性のヤーン51を隙間に充填すると、浸入箇所で水分が吸収され、広範囲に広がることを防止、低減することが可能となる。なお、ヤーンは吸水性を有するものに限らず、目的に応じて材料を選択することができる。
また、二本のテンションメンバ30は、ケーブル断面の長辺方向の両端部に配置する場合を例示したが、これらは両端部ではなくとも良い。つまり、二本のテンションメンバ30と歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50とは、ケーブル断面の長辺方向に沿っていかなる順番で並んでいても良い。
また、上記実施形態では、テンションメンバ30が二本である場合を例示したが、テンションメンバ30は複数であれば良く、二本より多くしても良い。その場合、全てのテンションメンバ30が歪み測定用タイト心線40と温度測定用ルース心線50と共に同一直線L上に並ぶように配置することが望ましい。
10 光ファイバセンサケーブル
20 外被
21 挿入孔
21c 中心
23 ノッチ
30 テンションメンバ
30c 中心
40 歪み測定用タイト心線
40c 中心
50 温度測定用ルース心線
50c 中心
51 ヤーン
100 温度・歪みの測定装置
110 歪み・温度測定器
120 恒温槽
L 直線
r1 半径
r2 半径
r3 半径
T 領域
W 測定対象物

Claims (6)

  1. 外被と、
    複数のテンションメンバと、
    前記外被により周囲を固定された歪み測定用タイト心線と、
    前記外被の挿入孔に隙間を介して挿入された温度測定用ルース心線と、
    を備える光ファイバセンサケーブルであって、
    前記光ファイバセンサケーブルのケーブル長手方向に対して垂直な断面において、
    前記複数のテンションメンバと前記歪み測定用タイト心線と前記温度測定用ルース心線とが同一直線上に並ぶように配置されていることを特徴とする光ファイバセンサケーブル。
  2. 前記光ファイバセンサケーブルのケーブル長手方向に対して垂直な断面において、
    前記直線に平行であって、二本の前記テンションメンバの外周に接する二本の接線の間となる領域内に、前記歪み測定用タイト心線の中心と前記温度測定用ルース心線の中心とが位置するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサケーブル。
  3. 前記温度測定用ルース心線が挿入された前記外被の挿入孔の内径が、前記テンションメンバの外径よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の光ファイバセンサケーブル。
  4. 前記温度測定用ルース心線の全長が前記外被の全長よりも長いことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光ファイバセンサケーブル。
  5. 前記外被の挿入孔と前記温度測定用ルース心線との間に、ヤーンが充填されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光ファイバセンサケーブル。
  6. 前記テンションメンバは、鋼線又はモノフィラメントからなることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光ファイバセンサケーブル。
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