JP2018189049A - 排気流路バルブ - Google Patents

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諒介 田村
Ryosuke Tamura
諒介 田村
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Nisshinbo Prec Instrument & Machinery Hiroshima Corp
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Nisshinbo Precision Instrument & Machinery Hiroshima Corp
Nisshinbo Mechatronics Inc
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Abstract

【課題】内燃機関が作動している際の温度上昇を抑えNOxの発生を抑制するEGRバルブにおいて、組立性及びシール精度が格段に向上したEGR用の排気流路バルブを提供することを目的とする。【解決手段】 排気流路に連通する連通路が形成されたバルブボディと、連通路に設けられた弁体部を備えた内燃機関の排気ガスが流通する排気流路に装着される排気流路バルブを、前記弁体部は、バルブの開閉時に弁体を旋回させるための駆動用シャフトを弁体と一体に設け、前記弁体は、その外周にシールリングを嵌め込み可能な溝を設け、前記弁体の溝部に嵌め込まれたシールリングは、前記バルブボディに装着されたシートと開閉時接触しながら、駆動用シャフトを旋回させ前記バルブの開度を調整できるように構成した。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気ガスの排気系統に装着されるエギゾーストバルブ用の排気流路バルブに関するものである。
従来、車両のエンジンから排出される排気ガスが流通する排気流路に、流路切替用や流量調整用の排気流路バルブが設置された構成が知られている。例えば、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中のNOx排出量を低減させるべく設置されたEGR装置(排気ガス再循環装置)において、当該排気ガスの還流通路に流路切替バルブを備える構成が公知である。従来技術として以下の技術が公開されている。
特許文献1では、EGR用のバタフライバルブの弁体とシャフトを溶接にて一体化して製造する技術が開示されている。この技術は、以下の問題がある。図9は、従来の排気流路バルブの構造図である。バルブ90のシート部94にシールリング95を介して接触する弁体92Vとシャフト92Bは別体であり溶接にて接合する。このため、溶接時の熱により弁体外周のリング溝92Gが歪みシール精度が低下し、バルブを閉じた場合にガスの漏れ発生の原因となる。
特許4600319号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関が作動している際の温度上昇を抑えNOxの発生を抑制するEGRバルブにおいて、組立性及びシール精度が格段に向上したEGR用の排気流路バルブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明の排気流路バルブは、以下の特徴を有する。
排気流路に連通する連通路が形成されたバルブボディと、連通路に設けられた弁体部を備えた内燃機関の排気ガスが流通する排気流路に装着される排気流路バルブであって、
前記弁体部は、バルブの開閉時に弁体を旋回させるための駆動用シャフトを弁体と一体に設け、
前記弁体は、その外周にシールリングを嵌め込み可能な溝を設け、
前記弁体の溝部に嵌め込まれたシールリングは、前記バルブボディに装着されたシートと開閉時接触しながら、駆動用シャフトを旋回させ前記バルブの開度を調整する。
第1発明によれば、以下の効果が発現する。排気流路バルブの弁体とバルブの開度を調整する駆動用のシャフトは弁体と一体化された構成である。従って弁体と駆動用シャフトを溶接にて接合した従来の場合は、弁体の外周にシールリングを挿入する溝が溶接による熱で歪みシール精度が低下する問題があった。第1発明の排気流路バルブにおいては、そのような問題は皆無となり、シール精度が格段に向上した。
第1発明において、シールリングは排気流路バルブの弁体の溝部に嵌め込むために、C型形状を呈しており、その合口隙間(シールリングの切口部分の隙間)は0.05mm〜0.25mmとすることが好ましい。隙間寸法が0.05mm未満の場合は、シールリングを溝部に嵌め込み作動させた際にシールリングの合口の端面同士が接触し摺動動作に悪影響を及ぼす虞がある。一方隙間寸法が0.25mmを超えると排気流路バルブが全閉の状態でのシール精度が悪化する虞がある。
第2発明の排気流路バルブは、第1発明において、以下の特徴を有する。
前記シールリングは、その断面形状は前記シート部との接触部はR形状を有するカマボコ型を呈し、その円周部は一か所切欠きを備えたC字型であり、自由状態の前記シールリングの外径は前記シートの内径よりも大きく、
前記シールリングを前記弁体の溝部に嵌め込み、前記シートと接触させた際にシートを押し付ける押付力が発生し気密を保つことができる。
第2発明によれば、以下の効果が発現する。内燃機関の燃焼した後に発生する排気ガスの圧力は、0.2MPa〜0.3MPa程度である。その排気ガス圧力が加わると、弁体の溝に嵌め込まれたシールリングは、広がりバルブボディのシートに密着する。またシールリングは、排気ガスの圧力により弁体の溝部の壁に押し付けられる。これらの作用によりシール機能が発揮される。
シールリングのシートとの接触部は、R形状を呈しており、開閉動作時の摺動抵抗を極力低くしている。しかし第2発明の効果を更に有効に発現させるためには、シールリングがシート内径に収まった際の張力は0.3N〜0.8Nが好ましい。シールリングの張力が0.3N未満になると、排気流路バルブが全閉の際のシール効果が低下する虞がある。またその張力が0.8Nを超えるとシールリングがシート面で摺動する際にその摺動抵抗が大きくなり、排気流路バルブの開閉動作に支障をきたす虞がある。
第3発明の排気流路バルブは、第1発明または第2発明において、以下の特徴を有する。
前記バルブボディ、前記シールリング、前記シート、及び前記弁体は、同一材質とし、その材質はオーステナイト系耐熱鋼とした。
第3発明によれば、以下の効果が発現する。本発明の排気流路バルブは、前記バルブボディ、前記シールリング、前記シート、及び前記弁体を同一材質としオーステナイト系耐熱鋼としている。このため各構成部材の線膨張係数が同じであり排気ガスが排気流路バルブ内を流通し各構成部材が温度上昇しても各部材の熱変形は同等であり、シール精度に影響を及ぼすことは無い。従って温度上昇しても高シール精度が維持される。
第4発明の排気流路バルブの製造方法は、以下の特徴を有している。
前記バルブボディに前記駆動用シャフトが摺動するブッシュを挿入する工程(A)と
前記弁体の溝部にシールリングを挿入する工程(B)と
前記駆動シャフトを前記ブッシュに挿入する工程(C)と
前記シートに相当するシート部材をバルブボディに挿入する工程(D)を備え、
前記工程(A)から工程(D)の順に各工程を行い、第1発明から第3発明の排気流路バルブを製造する。
第4発明の排気流路バルブの製造方法によれば、シール精度が格段に向上した排気流路バルブ内を従来に比較して短時間で安価に製造することができる。
本実施の形態におけるディーゼルエンジンの概略構成を示す全体図。 本発明の排気流路バルブの構造図。 本発明の排気流路バルブの排気バルブの作動状態の説明図。 本発明の排気流路バルブのシール機構の説明図 本発明の排気流路バルブの製造方法の説明図(工程A〜工程C)。 本発明の排気流路バルブの製造方法の説明図(工程D・完成品状態E)。 従来の排気流路バルブの製造方法の説明図(工程a〜工程d)。 従来の排気流路バルブの製造方法の説明図(工程e・工程f・完成品状態g)。 従来の排気流路バルブの概略図。
本発明を実施する為の最良の形態を、図を参照しながら説明する。
<1> 内燃機関の構成
以下、本発明の実施例の排気流路バルブを図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明の排気流路バルブを使用した「内燃機関」の一実施の形態であるディーゼルエンジン100の構成を説明する。
図1に示すディーゼルエンジン100は、自動車、船舶、作業用機械などに搭載されるディーゼルエンジン(内燃機関)である。このディーゼルエンジン100は、図1に示すように、エンジン本体11、吸気通路12、排気通路15、ターボチャージャー14、EGR装置(排気ガス再循環装置)20等を備えている。
吸気通路12は、エンジン本体11へ吸気される吸気ガスが流通する通路であり、吸気管12a、吸気管12b、吸気マニホールド12cの順で吸気(新気)が流れるように構成されている。ターボチャージャー14を構成するコンプレッサ17aによって、吸気管12a内に吸気(新気)が流入し、コンプレッサ17aを経由して吸気管12b内へと流れる。このコンプレッサ17aは、後述するタービン17bによって駆動されるようになっている。吸気管12b内を流通した吸気(新気)は、後述するEGR管20dを流通した排気ガスと合流して吸気マニホールド12cへと流入し、新気と排気ガスが合流した当該ガスは、エンジン本体11の各気筒へ吸気されることとなる。
排気通路15は、エンジン本体11から排気された排気ガスが流通する通路であり、排気マニホールド15a、排気管15b、排気管15cの順で排気ガスが流れるように構成されている。エンジン本体11の各気筒から排気マニホールド15aへ流入した排気ガスは、そのほとんどが排気管15bを通じてタービン17b側へと流れ、タービン17bを回転させたのち、排気管15cを通じて排気ガス浄化装置(図示省略)へと流入する。一方、排気マニホールド15aへ流入した排気ガスは、その一部がEGR装置20のEGR通路20a側へと分岐して流れる。
EGR装置20は、排気ガスをディーゼルエンジン100の吸気系に再循環させるEGR(排気ガス再循環)機能を有する装置であり、EGR通路21、EGRクーラー23、制御部(コントローラ)25、排気流路バルブ26、27等を備えている。この排気流路バルブ27が本発明である。
<2>排気流路バルブの構成
次に、本発明の排気流路バルブ27の詳細な構成及び動作を図2〜図4を用いて説明する。
まず、図2を参照しながら、排気流路バルブ27の全体的な構成を説明する。図2は、図1中の排気流路バルブ27の外観説明図である。金属製のバルブボディ271は、排気流路穴H1とバルブボディの排気流路に対して斜め方向の穴H2を備えている。排気流路穴H1の一方の端278は、図1のEGR管20aに、その他端279は、同じくEGR管20dに接続される。277は固定用のボルト穴である。排気流路穴H1の278側にはシート274が圧入される。また斜め穴H2にはブッシュ273が圧入されている。ブッシュ273の内面とシート274の内面にバルブ272が配置されている。このバルブ272は、ブッシュ273にてサポートされて回転摺動するシャフト部272B、排気流路穴H1の開度を調整する弁体272V及び溝部272Gから構成されている。シャフト部272Bと弁体272Vは、一体で構成されている。また溝部272Gは、弁体272Vの外周部に設けられている。この溝部272Gには、シールリング275が嵌め込まれている。この弁体272Vに嵌め込まれたシールリング275がシート274と接触した状態となっている。これら部材の材質は、排気流路バルブ27に排気ガスが流通し温度上昇しても排気流路バルブ27が全閉時のシール精度を確保するために同一素材とすることが好ましい。材質としては、例えばオーステナイト系の耐熱鋼などを使用することができるが、これに限定されるものでは無い。
<3>排気流路バルブの動作
本発明の排気流路バルブ27の動作について図3により説明する。バルブ272は、そのシャフト部272Bがブッシュ273にサポートされ、図示しないアクチュエータによりシャフト部272Bの軸線周りに回転(旋回)動作が可能となっている。アクチュエータを動作させてバルブ272を開閉する。図3(a)は全閉の状態であり、図3(b)は中間状態であり、図3(c)は全開の状態である。バルブは、アクチュエータをY方向に動作させると開く、またY方向と反対に動作させると閉じる。
<4>シール機能(作用)
シールリングは、図4(a)に示すようにO型形状のリングの一部に切口275Sを設けたC型形状である。このシールリング275は、同図に示すように広げ弁体272Vの外周に設けた溝部272Gに嵌め込まれている。シール精度の確保のために、全閉時のシールリングの切口部分の隙間寸法は、0.05mm〜0.25mmが好ましい。またシールリングがシート274の内径部分に収まった際の張力は、0.3N〜0.8Nに調整することが好ましい。調整方法は、シールリングの外径とシート274の内径寸法を適宜設定すれば良い。
<5>本発明の排気流路バルブの製造方法
図5及び図6により、本発明の排気流路バルブ27の製造方法の説明を行う。図5は、本発明の排気流路バルブ27の製造方法の工程(A)から工程(C)までの説明図であり、図6は、工程(D)と完成品状態(E)の説明図である。
発明品27は、工程(A)から工程(D)をこの順に行い4工程で製造可能である。工程(A)では、 前記バルブボディ271にバルブ272のシャフト部272Bが摺動するブッシュ273を挿入する。工程(B)では、前記弁体272Vの溝部272Gにシールリング275を挿入する。挿入方法は、図4(a)に示したとおりである。工程(C)では、シャフト部272Bを前記ブッシュ273に挿入する。工程(D)では、前記シートに相当するシート部材274をバルブボディ271に挿入する。これにより図6(E)の完成品状態となる。本発明品27は、弁体272Vとシャフト部272Bが一体となったものを組み付けるためこのような工程順序となっている。
<6>従来品の製造方法
従来品90の構造は、図9に示すとおりである。その製造方法は、図7及び図8に示すとおりである。工程(a)から工程(f)をこの順に行い6工程で製造する。工程(a)では、バルブボディ91の穴91Hに前記駆動用シャフトが摺動するブッシュ93を挿入する。工程(b)では、シート部に相当するシート部材94をバルブボディ91に挿入する。工程(c)では、弁体92Vの溝部92Gにシールリング95を挿入する。工程(d)では、バルブボディ91に挿入したシート94に弁体92Vを挿入する。工程(e)では、バルブボディ91に挿入したブッシュ93の穴部にシャフト92Bを挿入し、さらに弁体92Vのシャフト穴92Hにシャフト92Bを挿入する。工程(f)では、弁体92Vとそのシャフト穴92Hにシャフト92Bを溶接し接合する。これにより図8(g)の完成品状態となる。
従来品90では、弁体92Vとそのシャフト穴92Hにシャフト92Bを溶接し接合する。従って弁体92Vにシールリング95を嵌め込んだ溝部92Gは、溶接時の熱で歪みが発生し、その歪んだ溝部92Gにシールリングが嵌め込まれているのでシート94との接触部の気密性が損なわれる。また図4(b)に図示した、シールリングが溝の壁に密着することによるシール作用が正常に機能しなくなる。
本発明品27では、弁体272Vとシャフト部272Bは一体であり、上記のような従来品の問題は皆無でありシール精度は格段に向上した。また製造工程も短く生産効率も格段に向上した。
100 :ディーゼルエンジン
11 :エンジン本体
12 :吸気通路
12a、12b:吸気管
12c :吸気マニホールド
14 :ターボチャージャー
15 :排気通路
15a :排気マニホールド
15b,15c:排気管
17a :コンプレッサ
17b :タービン
20 :EGR装置
20a,20d :EGR管
21 :EGR通路
23 :EGRクーラー
25 :コントローラ
26 :排気流路バルブ
27 :排気流路バルブ(発明品)
271 :バルブボディ
272 :バルブ(弁体部)
272B:シャフト部
272V:弁体
272G:溝部
273 :ブッシュ
274 :シート
275 :シールリング
275S:合口(切口)
90 :排気流路バルブ(従来品)
H1 :排気流路穴
H2 :斜め穴

Claims (4)

  1. 排気流路に連通する連通路が形成されたバルブボディと、連通路に設けられた弁体部を備えた内燃機関の排気ガスが流通する排気流路に装着される排気流路バルブであって、
    前記弁体部は、バルブの開閉時に弁体を旋回させるための駆動用シャフトを弁体と一体に設け、
    前記弁体は、その外周にシールリングを嵌め込み可能な溝を設け、
    前記弁体の溝部に嵌め込まれたシールリングは、前記バルブボディに装着されたシートと開閉時接触しながら、駆動用シャフトを旋回させ前記バルブの開度を調整する
    ことを特徴とする排気流路バルブ。
  2. 前記シールリングは、その断面形状は前記シート部との接触部はR形状を有するカマボコ型を呈し、その円周部は一か所切欠きを備えたC字型であり、自由状態の前記シールリングの外径は前記シートの内径よりも大きく、
    前記シールリングを前記弁体の溝部に嵌め込み、前記シートと接触させた際にシートを押し付ける押付力が発生し気密を保つ
    ことを特徴とする請求項1に記載の排気流路バルブ。
  3. 前記バルブボディ、前記シールリング、前記シート、及び前記弁体は、同一材質とし、その材質はオーステナイト系耐熱鋼としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気流路バルブ。
  4. 前記バルブボディに前記駆動用シャフトが摺動するブッシュを挿入する工程(A)と
    前記弁体の溝部にシールリングを挿入する工程(B)と
    前記駆動シャフトを前記ブッシュに挿入する工程(C)と
    前記シートに相当するシート部材をバルブボディに挿入する工程(D)を備え、
    前記工程(A)から工程(D)の順に各工程を行い、請求項1から請求項3に記載の排気流路バルブを製造する製造方法。


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