JP2018189033A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各気筒当たりの駆動回路が1系統しか有しない車両において、ホールド電流回路の異常発生時にも必要な電磁弁開時間を確保することができる電磁弁駆動装置を提供する。【解決手段】燃料噴射装置の駆動コイル105に通電するピーク電流回路210及びホールド電流回路209と、駆動コイルに流れる電流を検出する電流検出部205と、駆動コイルにピーク電流を流す高電圧生成部206と、を備え、ピーク電流回路を通じて駆動コイルにピーク電流を流して燃料噴射装置を開弁させ、ホールド電流回路を通じて駆動コイルにホールド電流を流して開弁を保持する燃料噴射制御装置において、ホールド電流回路の異常時にピーク電流を流すピークホールド時間をピークホールド演算部202eで演算し、ピークホールド時間の間、ピーク電流を継続して流すようにする。【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来、燃料噴射装置の弁体を駆動する手法として、コンデンサにバッテリ電圧(電源電圧)以上の電圧を予め蓄え、燃料噴射弁の駆動コイルに対してコンデンサから高電圧を一気に放電し(ピーク電流を流し)、その後、バッテリ電圧から生成した定電流(ホールド電流)を流す駆動装置がある。こうした手法によれば、ピーク電流により駆動コイルの磁束が急峻に立ち上げられて高速な弁体の開動作(開弁)が実現できると共に、その後の弁体の開状態を所望の期間で保持できる。ところが、ピーク電流生成のためのピーク電流回路と定電流生成のためのホールド電流回路とを有する駆動装置では、ホールド電流回路が異常となった場合、ホールド電流が流れなくなり、弁体の開状態を保持することができず、十分な燃料噴射量が得られなくなる。この場合、エンジンが低速運転となるか、エンジンストールに至る可能性がある。特開平11−200931号公報(特許文献1)には、ホールド電流回路に異常が発生した場合の動作として、該当する気筒の燃料をカットする手法が開示されている。また、特開2002−221066号公報(特許文献2)には、ホールド電流回路に異常が発生した場合、複数の開弁用放電手段、例えば、パイロット噴射用とメイン噴射用の2つの放電手段から連続的に放電を行うことで、弁体の開状態を保持し、1回当たりの燃料噴射時間(弁体開時間)を調整している。
特許文献1の手法では、ホールド電流回路異常時に該当気筒の燃料をカットするため、燃焼タイミングにバラつきが発生しエンジン回転数が揺らぎ(振動)が生じる可能性があり、この揺らぎに対する対策が必要になる。
また、特許文献2の手法では、燃料噴射用の放電手段を複数(例えば、パイロット噴射用とメイン噴射用)有する必要があるため、各気筒当たりの駆動回路を1系統しか有しておらず、単独の放電手段しか有しない車両では実施することができない。また、特許文献2の手法によれば、ピーク電流にバラつきが発生するため、ピーク電流が低下した場合、燃料噴射装置の弁体が閉じてしまい、本来の弁体の開時間を確保することができなくなる可能性があり、このれについての御対策が必要になる。本来の燃料噴射弁の開時間を確保できない場合、十分な燃料噴射量が得られず、エンジンが低速運転となるか、エンジンストールに至る可能性がある。
本発明は上記の課題に着目して成されたものであって、各気筒当たりのピーク電流回路が1系統しか有しない車両においても、ホールド電流回路の異常発生時に、必要な燃料噴射装置の弁体の開時間を確保することができ、エンジン回転数の揺らぎ(振動)を最低限に抑えることのできる燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料噴射制御装置は、
燃料噴射装置の駆動コイルに通電を行うピーク電流回路及びホールド電流回路と、駆動コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、駆動コイルにピーク電流を流す高電圧を生成する高電圧生成部と、を備え、前記ピーク電流回路を通じて前記高電圧を駆動コイルに印加することにより駆動コイルにピーク電流を流して燃料噴射装置を開弁させ、前記ピーク電流を流した後に前記ホールド電流回路を通じて前記高電圧よりも低い低電圧を駆動コイルに印加することにより駆動コイルにホールド電流を流して燃料噴射装置の開弁を保持する燃料噴射制御装置において、
前記ホールド電流回路の異常を検出する燃料噴射駆動診断部と、前記ホールド電流回路の異常時に前記ピーク電流を継続して流すピークホールド時間の演算を行うピークホールド演算部と、を有し、
前記ホールド電流回路の異常時に、前記ピークホールド時間の間、前記ピーク電流を継続して流すピークホールドを行うことにより燃料噴射装置の開弁を保持するようにする。
燃料噴射装置の駆動コイルに通電を行うピーク電流回路及びホールド電流回路と、駆動コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、駆動コイルにピーク電流を流す高電圧を生成する高電圧生成部と、を備え、前記ピーク電流回路を通じて前記高電圧を駆動コイルに印加することにより駆動コイルにピーク電流を流して燃料噴射装置を開弁させ、前記ピーク電流を流した後に前記ホールド電流回路を通じて前記高電圧よりも低い低電圧を駆動コイルに印加することにより駆動コイルにホールド電流を流して燃料噴射装置の開弁を保持する燃料噴射制御装置において、
前記ホールド電流回路の異常を検出する燃料噴射駆動診断部と、前記ホールド電流回路の異常時に前記ピーク電流を継続して流すピークホールド時間の演算を行うピークホールド演算部と、を有し、
前記ホールド電流回路の異常時に、前記ピークホールド時間の間、前記ピーク電流を継続して流すピークホールドを行うことにより燃料噴射装置の開弁を保持するようにする。
本発明の燃料噴射制御装置によれば、各気筒当たりの燃料噴射装置の駆動に用いられるコイルが1系統しか有しない車両においても、ホールド電流回路の異常発生時に、エンジン回転数の揺らぎ(振動)を最低限に抑えることができ、必要な燃料噴射装置の開時間を確保することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明にかかる一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料噴射制御装置を搭載した内燃機関の基本構成を示す構成図である。
図1において、内燃機関101に吸入される空気は、空気流量計120を通過し、スロットル弁119、コレクタ115の順に吸入され、その後、各気筒に備わる吸気管110、吸気弁103を介して燃焼室121に供給される。
一方、燃料は、燃料タンク123から低圧燃料ポンプ124により、内燃機関101に備わる高圧燃料ポンプ125へ送られる。高圧燃料ポンプ125は、排気カム128が備わる排気カム軸(図示せず)から伝達される動力により、高圧燃料ポンプ内に備わるプランジャーを上下に駆動すると共に、ECU109からの制御指令値に基づき、高圧燃料配管129の燃料圧が所望の圧力になる様に吸入口に備わる開閉バルブをソレノイドにより制御して、高圧燃料を高圧燃料配管129に吐出する。
これにより高圧化された燃料は、高圧燃料配管129を介して、燃料噴射装置(燃料噴射弁)105へ送られ、燃料噴射装置105は、ECU109内に備わる燃料噴射制御装置127の指令に基づき、燃料を燃焼室121へ噴射する。
尚、内燃機関101には、高圧燃料ポンプ125を制御するため、高圧燃料配管128内の圧力を計測する燃料圧力センサ126が備わっており、ECU109は、この燃料圧力センサ126が検出する圧力値に基づき、高圧燃料配管129内の燃料圧が所望の圧力になる様、所謂フィードバック制御を行うことが一般的である。更に内燃機関101には、燃焼室121毎に点火コイル107、点火プラグ106が備わり、ECU109により、所望のタイミングで点火コイル107への通電制御と点火プラグ106による点火制御が行われる仕組みとなっている。
これにより、燃焼室121内で吸入空気と燃料が混ざった混合気は、点火プラグ106から放たれる火花により燃焼し、この燃焼により発生する圧力によりピストン102を押し下げる。燃焼により生じた排気ガスは、排気弁104を介して、排気管111に排出される。排気管111には、排気ガスを浄化するための三元触媒112が備えられている。
ECU109には、燃料噴射制御装置127が内蔵され、内燃機関101のクランク軸(図示せず)角度を計測するクランク角度センサ116、吸入空気量を示すAFM(エアーフローメーター:空気流量測定装置)120、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ113、運転者が操作するアクセルの開度を示すアクセル開度センサ122、燃料圧力センサ126等の信号が入力される。
各センサから入力される信号について更に述べると、ECU109は、アクセル開度センサ122の信号から、内燃機関101の要求トルクを算出するとともに、アイドル状態であるか否かの判定等を行う。また、クランク角度センサ116の信号から内燃機関の回転速度(以下、エンジン回転数)を演算する回転数検出手段(回転数検出部)や、水温センサ108から得られる内燃機関101の冷却水温及び内燃機関始動後の経過時間等から三元触媒112が暖機された状態であるか否かを判断する手段などが備えられている。
また、ECU109は、上述の要求トルクなどから内燃機関101に必要な吸入空気量を算出し、それに見合った開度信号をスロットル弁119に出力する。ECU109内の燃料噴射制御装置127は吸入空気量に応じた燃料量を算出して燃料噴射装置105に燃料噴射信号を出力する。またECU109は、点火コイル(107)に点火信号を出力する。
次に、図2を用いてECU109と燃料噴射装置105について詳述する。図2は、燃料噴射制御装置の基本構成を示す構成図である。
まず、バッテリから供給されるバッテリ電圧209は、ヒューズ203とリレー204を介して、ECU109内に備わる燃料噴射制御装置127へ供給される。
次に、燃料噴射制御装置127内の構成について説明する。燃料噴射制御装置127は、燃料噴射駆動制御部202、駆動IC205、高電圧生成部(昇圧装置)206、燃料噴射駆動部207a,207bを備える。
燃料噴射駆動制御部202は、マイコンなどから構成され、燃料噴射パルス信号演算ブロック202a、燃料噴射駆動波形指令ブロック202b、パラメータ入力ブロック202c、燃料噴射駆動診断部202d、ピークホールド演算部202eとして機能する。なお、マイコンは、CPU(演算装置)、メモリ(記憶装置)、IOポートなどから構成される。また、パラメータ入力ブロック202cは、燃料温度、冷却水温度、潤滑油温度、燃料圧力などを各種センサから集める。
高電圧生成部206は、バッテリ電圧209から電磁ソレノイド式の燃料噴射装置(インジェクタ)105が開弁する際に必要となる高い電源電圧(以下、高電圧)210を生成する。高電圧生成部206は、駆動IC205からの指令に基づき、所望の目標高電圧に至る様にバッテリ電圧209を昇圧する。
すなわち、高電圧生成部206は、バッテリから供給されるバッテリ電圧209を昇圧し、バッテリ電圧209より高い高電圧210を生成する。これにより、燃料噴射装置105の電源として、燃料噴射装置105の弁体の開弁力確保を目的とした高電圧210を印加する系統と、開弁した後に弁体が閉弁しない様に開弁した状態を保持させるバッテリ電圧209を印加する系統と、の2系統が備わることになる。
また、燃料噴射装置105の上流側(高電位側)に燃料噴射駆動部207aが備わり、下流側(低電位側、アース側)に燃料噴射駆動部207bが備わり、燃料噴射装置105に対し駆動電流の供給を行う。すなわち、燃料噴射駆動部207a,207bはスイッチング回路により構成される。
高電圧生成部206及び燃料噴射駆動部207a,207bは、駆動IC205により制御されて、燃料噴射装置105に高電圧210もしくはバッテリ電圧209を印加し、燃料噴射装置105に所望の駆動電流が流れるよう制御する。また、駆動IC205は、燃料噴射装置105の駆動期間(すなわち、燃料噴射装置105の通電時間)、駆動電圧の選択、及び駆動電流の設定値を、燃料噴射駆動診断部202dの結果とピークホールド演算部202eの結果とに基づいて、燃料噴射パルス信号演算ブロック202aにて算出された指令値と燃料噴射弁駆動波形指令ブロック202bにて算出された指令値とで制御する。また、燃料噴射装置105の上流側と下流側に燃料噴射駆動部207a,207bが備わり、駆動IC205は燃料噴射駆動部207a,207bを制御して燃料噴射装置105の駆動コイルに対し駆動電流の供給を行う。また駆動IC205は、燃料噴射装置105の駆動コイルを流れる駆動電流の検出を行う。このため、駆動IC205は、駆動コイルを流れる駆動電流を検出する電流検出部を兼ねる。
次に、燃料噴射駆動診断部202dとピークホールド演算部202eについて詳述する。
図3は、燃料噴射駆動診断部202dにおいて、ピーク電流回路、および、ホールド電流回路が正常と判定された場合の燃料噴射装置の駆動状況(正常時の電流波形)を示す図である。
燃料噴射駆動診断部202dは燃料噴射駆動回路の異常を検知するブロックであり、ピークホールド演算部202eはピークホールド時間を決めるブロックである。
燃料噴射パルス信号演算ブロック202aで算出された長さTiの噴射指令信号に対し、ピーク電流回路(高電圧210を印加する回路)で電流をIpまで立ち上げることにより燃料噴射装置105の弁体を急峻にStまで開弁(弁変位)させ、その後電流をIpより小さいIhとなるようにホールド電流回路(バッテリ電圧209を印加する回路)で調整して開弁(弁変位)をStの状態に保持する。これらの電流設定は、燃料噴射駆動波形指令ブロック202bで設定され、駆動IC205により燃料噴射装置105に通電される。ピーク電流回路、および、ホールド電流回路が正常の場合の通電時間TiはTi−Q特性マップを参照して設定する。Ti−Q特性は実験により予め計測して、マップに記憶させておく。尚、Ti−Q特性は、燃圧によっても変化する。燃圧が大きくなるほど開弁時間に対して噴射量が多くなり、燃圧が小さくなると噴射量が少なくなる。したがって、燃料圧力センサ126で計測した燃圧値に応じてTi−Q特性を補正する必要がある。この補正値は予め実験などで計測しておき、テーブルとして設定し、要求噴射量によって決まった通電時間Tiに対して、補正値を乗算することで、実通電時間Tiを算出すると良い。
図4は、燃料噴射駆動診断部202dにおいて、ホールド電流回路が異常と判断した時にピーク電流を保持(ピークホールド)しなかった場合の電流波形(ホールド電流回路異常時の電流波形)を示す図である。
ホールド電流回路に異常が発生した場合、電流を保持することができず、燃料噴射装置105の弁体の開状態を保持することができないため、燃料噴射量が極端に少なくなってしまう。
図5は、燃料噴射駆動診断部(202d)において、ホールド電流回路が異常と判断した時に、ピーク電流を保持(ピークホールド)した時の電流波形(本発明の基本電流波形)を示す図である。
本実施例では、ピーク電流を継続して流すピークホールド(ピークホールド制御)を行う(すなわち、ピーク電流Ipを保持する)ことによって、ホールド電流回路に異常が発生した場合でも、燃料噴射装置105の弁体の開状態を保持することができる。ピークホールド時間は必要な噴射量を最低限確保できる時間よりも長く、かつ、ホールド電流回路の正常時に通電する時間よりも短く設定することが望ましい。ピークホールド時間をホールド電流回路の正常時に通電する時間よりも短く設定するのは、高電圧生成部206に充電された電位が一定以上(放電限界値)放電されてしまうと、次に噴射を行う気筒の開弁に必要な電位を確保できなくなってしまい、開弁できなくなってしまうためである。このようなピークホールド時間の演算は、ピークホールド演算部202eで行う。
ピークホールドの時間は高電圧生成部206に充電された電位によって補正をかけることが望ましく、この時、高電圧生成部206に充電された電位とピークホールド中に放電限界値となるまでの放電時間を予めマップ(放電時間マップ)に記憶させておき、ピークホールド開始時点の電位によってピークホールド時間最大値(充電電位)を算出し、ピークホールド時間最大値(充電電位)以上の時間、ピークホールドを行わない補正を行う。すなわち、ピークホールド開始時点の電位と放電時間マップとに基づいてピークホールド可能時間を算出し、ピークホールド可能時間以上の期間ピークホールドを行わないように制御する。または、高電圧生成部206に充電された電位をピークホールド中に監視し、放電限界値に達するまでの期間、ピークホールドを行うといった補正でもよい。
また、ピークホールドの時間を長くすると駆動コイルが発熱してしまい、一定以上発熱(発熱限界値)すると駆動コイルが壊れてしまう可能性があるため、ピークホールド時間は短いほうが望ましい。この時、ピークホールド開始時点の駆動コイルの温度とピークホールド中(ピーク電流通電中)の駆動コイルの温度上昇値を予めマップ(温度上昇マップ)に記憶させておき、ピークホールド開始時点の駆動コイルの温度によってピークホールド時間最大値(コイル温度)を算出し、ピークホールド時間最大値(コイル温度)以上の時間、ピークホールドを行わない補正を行う。すなわち、ピークホールド開始時点の駆動コイルの温度と温度上昇マップとに基づいてピークホールド可能時間を算出し、ピークホールド可能時間以上の期間、ピークホールドを行わないように制御する。この時、充電電位に基づくピークホールド時間最大値とコイル電位に基づくピークホールド時間最大値のうち短い時間を実質的なピークホールド時間最大値(実質ピークホールド時間最大値)として選択する。または、駆動コイルの温度をピークホールド中に監視し、発熱限界値に達しない範囲でピークホールド時間を補正してもよい。
上記のピークホールド時間の補正等、電流波形の補正は、燃料噴射駆動波形指令ブロック202bで行う。或いは、ピークホールド時間の補正や実質ピークホールド時間最大値の選択等はピークホールド演算部202eで行うようにしてもよい。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
本実施例では、燃料噴射装置(燃料噴射弁)105の弁体の駆動に用いられる一つのコイルに対して、燃料噴射制御装置127にてピーク電流を生成するためのピーク電流回路と、ホールド電流を生成するためのホールド電流回路とを有し、少なくとも2種類以上の駆動電位を用いている。変形例として、一つの駆動電位(バッテリ電圧209)を用いて、少なくとも2種類以上の抵抗値の異なる駆動コイルを燃料噴射装置105に配置し、低抵抗の駆動コイルを開弁コイルとしてピーク電流を生成するために使用し、高抵抗の駆動コイルを保持コイルとしてホールド電流を生成するために使用する構成とし、保持コイルに電流を通電するための回路がオープンとなる等の故障によりホールド電流が保持できなくなった場合に、開弁コイルを使用してピークホールドを行い噴射駆動装置105の開保持を行うようにしてもよい。
また、例えば、燃料噴射装置105の弁体が完全に開弁位置(以下、フルリフト)に達する前の状態(以下、ハーフリフト領域)で高精度の制御を行うハーフリフト制御方式を採用する場合、または、ハーフリフト領域を2つ以上の複数の領域に分割して制御を行う多段ストローク制御方式を採用する場合において、ホールド電流回路に異常が発生した場合、フルリフトの状態でピークホールドすることが望ましい。
このストローク選択は、例えば、ピークホールド演算部202e、または燃料噴射駆動診断部202dで行い、燃料噴射パルス信号演算ブロック202aや燃料噴射駆動波形指令ブロック202bでの演算や補正にストロークの選択結果が活かされる様にするとよい。
次に、図6を用いて、ホールド電流回路が故障したときのストローク選択について説明する。図6は、本発明に係る燃料噴射制御装置が実行する制御のフローチャートである。
初めに、ステップS601で、駆動IC205はホールド電流回路201a,207bの故障診断を行う。このために駆動IC205は、故障診断のためのロジックを有する。ステップS602では、噴射パラメータの演算を行う。噴射パラメータは、例えば噴射指令信号の長さTiなどであり、この噴射指令信号の長さTiは燃料噴射パルス信号演算ブロック202aで演算される。次に、ステップS603にて、燃料噴射駆動診断部202dが故障判定をし、故障が検出された場合は、ステップS604に移行し、ストローク量としてフルリフトを選択する。さらに、ステップS605に進み、上述したピークホールド時間の補正や、実質ピークホールド時間最大値の選択等を行う。故障が検出されなかった場合は、ステップS606に移行し、ストロークの選択を行う。
ホールド電流回路201a,207bが故障した場合、ピークホールドの期間が長いほど、高電圧生成部206に充電された電位が低下してしまう。また、ピークホールド時間が長いと、駆動コイルの発熱量も多くなってしまう。そのため、必要な燃料噴射量を確保し、かつ、ピークホールド期間を最低限の時間に保つため、常にフルリフトの状態とする。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
105…燃料噴射装置(燃料噴射弁、インジェクタ)、109…ECU、127…燃料噴射制御装置、209…バッテリ電圧、202…燃料噴射駆動制御部、202a…燃料噴射パルス信号演算ブロック、202b…燃料噴射駆動波形指令ブロック、202c…パラメータ入力ブロック、202d…燃料噴射駆動診断部、202e…ピークホールド演算部、203…ヒューズ、204…リレー、205…駆動IC、206…高電圧生成部(昇圧装置)、207a,207b…燃料噴射駆動部、210…高い電源電圧(高電圧)。
Claims (7)
- 燃料噴射装置の駆動コイルに通電を行うピーク電流回路及びホールド電流回路と、駆動コイルに流れる電流を検出する電流検出部と、駆動コイルにピーク電流を流す高電圧を生成する高電圧生成部と、を備え、前記ピーク電流回路を通じて前記高電圧を駆動コイルに印加することにより駆動コイルにピーク電流を流して燃料噴射装置を開弁させ、前記ピーク電流を流した後に前記ホールド電流回路を通じて前記高電圧よりも低い低電圧を駆動コイルに印加することにより駆動コイルにホールド電流を流して燃料噴射装置の開弁を保持する燃料噴射制御装置において、
前記ホールド電流回路の異常を検出する燃料噴射駆動診断部と、前記ホールド電流回路の異常時に前記ピーク電流を継続して流すピークホールド時間の演算を行うピークホールド演算部と、を有し、
前記ホールド電流回路の異常時に、前記ピークホールド時間の間、前記ピーク電流を継続して流すピークホールドを行うことにより燃料噴射装置の開弁を保持するようにしたことを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 前記ピークホールド時間は、少なくとも前記高電圧生成部に充電された電位と燃料噴射装置の駆動コイルの発熱状態のいずれかに基づいて補正されることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
- 前記高電圧生成部に充電された電位に対する放電時間を記憶した放電時間マップを有し、
ピークホールド開始時点の電位と前記放電時間マップとに基づいてピークホールド可能時間を算出し、ピークホールド可能時間以上の期間、ピークホールドを行わないことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。 - 前記高電圧生成部に充電された電位をピークホールド中に監視し、前記電位が所定の電位以上の間、ピークホールドを行うことを特徴とする請求項2の燃料噴射制御装置。
- ピークホールド開始時点の燃料噴射装置の駆動コイルの温度に対するピークホールド中の駆動コイルの温度上昇値を記憶した温度上昇マップを有し、
ピークホールド開始時点の駆動コイルの温度と前記温度上昇マップとに基づいてピークホールド可能時間を算出し、ピークホールド可能時間以上の期間、ピークホールドを行わないことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。 - 燃料噴射装置の駆動コイルの温度をピークホールド中に監視し、前記温度が所定の温度以下の間、ピークホールドを行うことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。
- 前記ホールド電流回路の異常時におけるピークホールド時間は、前記ホールド電流回路の正常時における燃料噴射装置の駆動時間よりも短いことを特徴とする請求項1記載燃料噴射制御装置。
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