JP2018188356A - 窓ガラス用発熱フィルム、および前記フィルムを有する窓ガラス - Google Patents

窓ガラス用発熱フィルム、および前記フィルムを有する窓ガラス Download PDF

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Koichiro Isokami
宏一郎 磯上
浩孝 保田
Hirotaka Yasuda
浩孝 保田
淳 小石川
Atsushi Koishikawa
淳 小石川
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Abstract

【課題】曲面追従性に優れ、前方視認性低下の一因となる光の反射が低減された窓ガラス用発熱フィルムを提供すること。
【解決手段】融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物から構成される基材と、該基材上に形成された導電性細線とを有する窓ガラス用発熱フィルムであって、導電性細線の表面の全ての面が低反射率処理されている、窓ガラス用発熱フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物から構成される基材と、該基材上に形成された導電性細線とを有する窓ガラス用発熱フィルムであって、導電性細線の表面の全ての面が低反射率処理されている窓ガラス用発熱フィルムに関する。また、本発明は、複数の透明基板の間に前記窓ガラス用発熱フィルムを有する窓ガラスに関する。
建物または乗物におけるガラスの着氷や曇りを除去する方法として、ガラスに熱風を当てる方法が知られている。しかし、この方法には、十分な前方視認性を得るのに時間がかかる等の問題がある。また、フロントガラス等のガラスに取り付けたカメラやセンサーの誤作動を防ぐため、カメラやセンサーの周りを加熱し、着氷や曇りを除去することが必要とされている。しかし、この除去に燃料の燃焼熱を利用できない電気自動車においては、電気で空気を加熱し、ガラスに熱風を当てる方法では効率が悪く、航続距離の低下に直結するといった問題がある。
そこで、ガラスに電熱線を設置し、通電させることで、着氷や曇りを除去する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、機能層の上下に上側接着層および下側接着層を被せ、これらの上側・下側接着層の上下に上側ガラス板および下側ガラス板を被せ、前記下側接着層と前記下側ガラス板との間に電熱線を介在させてなる電熱線入り合わせガラスが記載されており、具体的には、電熱線としてタングステン線を使用した例が記載されている。
また、特許文献2には、透明基板、前記透明基板の少なくとも一面に備えられた接着剤層、前記接着剤層上に備えられた導電性発熱線、前記導電性発熱線および前記発熱線によって覆われていない接着剤層の上面をカプセル化するコーティング膜、前記導電性発熱線と電気的に連結したバスバー、および前記バスバーと連結した電源部(電極構造)を含む発熱体が記載されており、具体的には、透明基板としてPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを使用した例が記載されている。
また、特許文献3には、PET等の透明基板上に導電性インクを印刷する方法が提案されており、印刷工程後、印刷された配線パターンに黒化処理を行う後処理工程を有していてもよいことが記載されている。
また、特許文献4には、2枚の透明なプレートと少なくとも1枚のシートAおよび少なくとも1枚のシートBとを接着して、導電性構造体とを有する合わせガラス積層体を製造する方法であって、シートAはポリビニルアセタールPAと可塑剤WAとを含有し、シートBはポリビニルアセタールPBと可塑剤WBとを含有する方法が記載されており、ポリビニルアセタールシート上に導電性構造体を形成する方法としては、印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷)、蒸着、スパッタリングおよび電気蒸着という一般的な手法が挙げられている。同文献には、具体的な実施例は記載されていない。
特開2013−056811号公報 特表2013−516043号公報 特開2015−151026号公報 特表2016−539905号公報
しかし、特許文献1に記載された、ガラス板の間に多数のタングステン線を並べ、機能層と一体化させる工程は複雑で生産性に劣る。さらに、太いタングステン線を用いるため、前方視認性に問題が残る。
特許文献2に記載されたPETフィルムを用いた接合ガラスでは、PETフィルムが曲面追従性に劣るため高曲率のフロントガラスには適用できないこと、PETフィルムが伸縮性に劣るため衝突時の頭部衝撃指数が高くなってしまうこと、銅箔をPETフィルムに接着するための接着剤に由来する高いヘイズが生じてしまうことといった問題がある。
また、特許文献3に記載された、PET基板上に導電性構造体を印刷法により形成する方法では、前方視認性に優れた細い均一な金属線を形成することが困難であること、表面の黒化処理を行ったとしても基材との接着面が金属光沢を保ったままとなり、光の反射により前方視認の妨げになることといった問題がある。
特許文献4には印刷法だけではなく、ポリビニルアセタールシート上に導電性構造体を蒸着またはスパッタリングにより形成する方法も記載されているが、黒化処理については記載されていない。仮に最下層と最上層の成分を黒色金属合金とすることで光の反射を低減することは可能だとしても、側面には金属光沢層が残るため、光の反射により前方視認が妨げられる。
本発明が解決しようとする課題は、曲面追従性に優れ、前方視認性低下の一因となる光の反射が低減された窓ガラス用発熱フィルムを提供することである。また、本発明の別の課題は、導電性細線を接着するための接着剤に由来するヘイズが生じない、窓ガラス用発熱フィルムを提供することである。また、本発明の別の課題は、上記フィルムを有する窓ガラスを提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために窓ガラス用発熱フィルムについて詳細に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物から構成される基材と、該基材上に形成された導電性細線とを有する窓ガラス用発熱フィルムであって、導電性細線の表面の全ての面が低反射率処理されている、窓ガラス用発熱フィルム。
[2]前記低反射率処理が黒化処理である、前記[1]に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[3]前記基材と前記導電性細線との間に基材との屈折率差が0.01以上の接着剤層を有さない、前記[1]または[2]に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[4]前記基材と前記導電性細線との間に接着剤層を有さない、前記[1]または[2]に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[5]前記樹脂組成物が基材の総質量に基づいて80質量%以上のポリビニルアセタール樹脂を含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[6]前記樹脂組成物における可塑剤の量が、ポリビニルアセタール樹脂100質量部に対して20質量部以下である、前記[5]に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[7]前記基材の厚みが10〜250μmである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[8]前記ポリビニルアセタール樹脂の、ブルックフィールド型(B型)粘度計を用いて20℃、30rpmで測定された、濃度10質量%のトルエン/エタノール=1/1(質量比)溶液の粘度が200mPa・sより大きい、前記[5]〜[7]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[9]前記基材がアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を含む、前記[5]〜[8]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[10]前記導電性細線に接続されたバスバーを有する、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[11]バスバーが前記導電性細線と一体成形されたものである、前記[10]に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[12]前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量としてのビニルアルコール単位の含有量が26〜34モル%である、前記[5]〜[11]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[13]前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量としてのビニルアルコール単位の含有量が12〜26モル%である、前記[5]〜[11]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[14]前記導電性細線の断面の形状が少なくとも一対の平行な辺を有する、前記[1]〜[13]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[15]前記導電性細線の断面の形状が四角形である、前記[14]に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[16]導電性細線はその断面に低反射率処理されていない部分を有する、前記[1]〜[15]のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
[17]前記[10]〜[16]のいずれかに記載のバスバーを有する窓ガラス用発熱フィルムと、該バスバーに接続された電極とを有する窓ガラスであって、窓ガラス用発熱フィルムが無機ガラスおよび有機ガラスから選択される少なくとも2枚の透明基板の間に配置されてなる、窓ガラス。
[18]前記透明基板の少なくとも1枚が無機ガラスである、前記[17]に記載の窓ガラス。
[19]前記窓ガラス用発熱フィルムが前記透明基板と直接接している、前記[17]または[18]に記載の窓ガラス。
[20]前記少なくとも2枚の透明基板の間に、合わせガラス用中間膜がさらに配置されてなる、前記[17]〜[19]のいずれかに記載の窓ガラス。
[21]前記合わせガラス用中間膜に含まれるポリビニルアセタール樹脂および可塑剤の合計量が、合わせガラス用中間膜の総質量に基づいて90質量%以上である、前記[20]に記載の窓ガラス。
[22]前記導電性細線が前記合わせガラス用中間膜と直接接している、前記[20]または[21]に記載の窓ガラス。
[23]前記基材に含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量と前記合わせガラス用中間膜に含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の差が、ビニルアルコール単位のモル%の差として6モル%以下である、前記[21]または[20]に記載の窓ガラス。
[24]前記合わせガラス用中間膜が、特定波長光遮蔽機能、遮熱機能、遮音機能、発光機能、ディスプレイ機能および二重像防止機能からなる群から選択される少なくとも1つの機能を有する、前記[20]〜[23]のいずれかに記載の窓ガラス。
本発明により、曲面追従性に優れ、前方視認性低下の一因となる光の反射が低減された窓ガラス用発熱フィルムを得ることができる。また、上記フィルムを含む窓ガラスを得ることができる。
本発明の窓ガラス用発熱フィルムは、融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物から構成される基材と、該基材上に形成された導電性細線とを有する窓ガラス用発熱フィルムであって、導電性細線の表面の全ての面が低反射率処理されている窓ガラス用発熱フィルムである。
本発明の窓ガラス用発熱フィルムに用いられる基材は、融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物から構成される。該樹脂組成物の融点及びガラス転移温度の内、最も高い温度は、好ましくは150℃以下、さらに好ましくは130℃以下、特に好ましくは100℃以下、最も好ましくは90℃以下であり、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上、特に好ましくは60℃以上である。融点及びガラス転移温度の内、最も高い温度が前記範囲内であると、窓ガラス作製温度で基材が軟化し、曲率の高いガラスなどに良好に追従できる。なお、上記樹脂組成物が非晶性であり融点を示さない場合は、最も高いガラス転移温度が上記範囲内である。また、上記樹脂組成物がガラス転移温度を有さない場合は、融点が上記範囲内である。上記ガラス転移温度及び融点は、例えば示差走査熱量計(DSC)により測定できる。
上記樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えばポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、又はこれらの共重合体などが挙げられる。中でも、ポリビニルアセタール樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール樹脂が特に好ましい。上記樹脂組成物に含まれる樹脂がポリビニルアセタール樹脂、特にポリビニルブチラール樹脂である場合、耐貫通性が高く、頭部衝撃指数の小さく、特に自動車用窓ガラスとして好適な窓ガラスが得られる。また、上記樹脂組成物に含まれる樹脂は、窓ガラス作製時に併用される合わせガラス用中間膜と同じ種類の樹脂であることが好ましい。このとき、積層される合わせガラス用中間膜との接着性に優れ、且つ屈折率差による界面での光の反射を抑制できる。
上記樹脂の含有量は基材の総質量に基づいて70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。特に上記樹脂がポリビニルアセタール樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体であるとき、その含有量は基材の総質量に基づいて80質量%以上であることが好ましい。上記樹脂の含有量の上限は特に制限されず、基材の総質量に基づいて100質量%以下である。
上記樹脂組成物は、上記樹脂以外の成分を含んでいてもよく、該成分としては、可塑剤、耐衝撃性改良剤、流動性改良剤、架橋剤、顔料、安定剤、遮熱材料、接着調整剤、発光材料、屈折率調整剤などが挙げられる。
上記基材の厚さは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上である。上記基材の厚さが前記範囲内であると、基材の収縮または変形に起因する導電性細線の歪み等の問題が起こりにくい。また、上記基材の厚さは、好ましくは350μm以下、より好ましくは330μm以下、より好ましくは295μm以下、より好ましくは270μm以下、さらに好ましくは250μm以下、特に好ましくは150μm以下、最も好ましくは100μm以下である。上記基材の厚さが前記範囲内であると、上記基材と可塑剤を含むポリビニルアセタール樹脂フィルム(以下、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムと称することがある)とを積層する場合に、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムから上記基材への可塑剤移行量が少なくなり、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルム中の可塑剤量の低下が抑制されるため、頭部衝撃指数が小さくなり、特に乗物用ガラスとして好適に使用される窓ガラス用発熱フィルムが得られる。上記基材の厚さは、厚み計またはレーザー顕微鏡等を用いて測定される。なお、本明細書において「ポリビニルアセタール樹脂フィルム」とは、ポリビニルアセタール樹脂を含むフィルムを意味し、該フィルムにおけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は、フィルムの総質量に基づいて50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましい。
<基材を構成する樹脂組成物に含まれるアイオノマー樹脂>
前記樹脂組成物に含まれるアイオノマー樹脂は、エチレン由来の構成単位、およびα,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位を有し、α,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位の少なくとも一部が金属イオンによって中和された樹脂であれば、特に限定されない。金属イオンとしては例えばナトリウムイオンなどが挙げられる。金属イオンによって中和される前のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体において、α,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位の含有量は、該エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体の質量に基づいて2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、上記α,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位の含有量は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。上記アイオノマー樹脂が有するα,β−不飽和カルボン酸由来の構成単位としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸に由来する構成単位などが挙げられ、中でもアクリル酸またはメタクリル酸に由来する構成単位が特に好ましい。上記アイオノマー樹脂としては、入手容易性の観点から、エチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマーおよびエチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマーがより好ましく、エチレン−アクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体のナトリウムアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のナトリウムアイオノマーが特に好ましい。
<基材を構成する樹脂組成物に含まれるポリビニルアセタール樹脂>
本発明の窓ガラス用発熱フィルムの基材を構成する樹脂組成物は、基材の総質量に基づいて80質量%以上のポリビニルアセタール樹脂を含むことが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、例えばポリビニルアルコールまたはエチレンビニルアルコールコポリマー等のポリビニルアルコール系樹脂のアセタール化によって製造されるポリビニルアセタール樹脂が挙げられる。
上記基材を構成する樹脂組成物は、1つのポリビニルアセタール樹脂を含んでいてもよく、粘度平均重合度、アセタール化度、アセチル基量、水酸基量、エチレン含有量、アセタール化に用いられるアルデヒドの分子量、および鎖長のうちいずれか1つ以上がそれぞれ異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含んでいてもよい。前記基材を構成する樹脂組成物が異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、溶融成形の容易性の観点、並びに窓ガラス作製時の導電性細線の変形、および窓ガラス使用時のガラスのずれ等を防ぐ観点から、ポリビニルアセタール樹脂は、粘度平均重合度の異なる少なくとも2つのポリビニルアセタール樹脂の混合物であるか、または粘度平均重合度の異なる少なくとも2つのポリビニルアルコール系樹脂の混合物のアセタール化物であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば次のような方法によって製造できるが、これに限定されない。まず、濃度3〜30質量%のポリビニルアルコールまたはエチレンビニルアルコールコポリマーの水溶液を80〜100℃の温度範囲で保持した後、10〜60分かけて徐々に冷却する。温度が−10〜30℃まで低下したところで、アルデヒドおよび酸触媒を添加し、温度を一定に保ちながら、30〜300分間アセタール化反応を行う。次に、反応液を30〜200分かけて20〜80℃の温度まで昇温し、30〜300分保持する。その後、反応液を必要に応じて濾過した後、アルカリ等の中和剤を添加して中和し、樹脂を濾過、水洗および乾燥することにより、ポリビニルアセタール樹脂が製造される。
アセタール化反応に用いる酸触媒は特に限定されず、有機酸および無機酸のいずれも使用できる。そのような酸触媒の例として、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸および塩酸等が挙げられる。これらの中でも、酸の強度および洗浄時の除去のしやすさの観点から、塩酸、硫酸および硝酸が好ましく用いられる。
好適な破断エネルギーを有するポリビニルアセタール樹脂が得られやすい観点から、上記ポリビニルアセタール樹脂の製造に使用されるアルデヒドは、2〜10個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状または環状化合物であることが好ましく、直鎖状または分岐状化合物であることがより好ましい。これにより、相応の直鎖状または分岐状のアセタール基がもたらされる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂は、複数のアルデヒドの混合物により、ポリビニルアルコールまたはエチレンビニルアルコールコポリマーをアセタール化して得られるアセタール化物であってもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、少なくとも1つのポリビニルアルコールと、2〜10個の炭素原子を有する1つ以上の脂肪族非分岐のアルデヒドとの反応により生じるものであことが好ましい。そのようなアルデヒドとしては、好適な破断エネルギーを有するポリビニルアセタール樹脂が得られやすい観点から、n−ブチルアルデヒドが好ましい。アセタール化に使用するアルデヒドにおけるn−ブチルアルデヒドの含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましく、100質量%であってもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂を製造するために使用されるポリビニルアルコール系樹脂は、単独であるか、または粘度平均重合度若しくは加水分解度等が異なるポリビニルアルコール系樹脂の混合物であってよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の原料となるポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度は、100以上であることが好ましく、300以上であることがより好ましく、400以上であることがより好ましく、600以上であることがさらに好ましく、700以上であること特に好ましく、750以上であることが最も好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度が上記下限値以上であると、窓ガラスの作製時に導電性細線の変形および断線が抑制されやすく、得られる窓ガラスにおいて熱によりガラスがずれる現象が防止されやすい。また、上記ポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度は、5000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましく、2500以下であることがさらに好ましく、2300以下であることが特に好ましく、2000以下であることが最も好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度が上記上限値以下であると良好な製膜性が得られやすい。ポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定できる。
ポリビニルアセタール樹脂の好ましい粘度平均重合度の数値は、前記したポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度の数値と同一である。前記基材を構成する樹脂組成物が異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂の粘度平均重合度が、上記範囲内であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂中のアセチル基量としての、ポリビニルアセタール樹脂の製造原料であるポリビニルアルコール系樹脂中の主鎖の炭素2個からなる単位(例えば、ビニルアルコール単位、酢酸ビニル単位、エチレン単位など)を一繰返し単位とし、その一繰返し単位を基準としたときの酢酸ビニル単位の含有量は、好ましくは0.1〜20モル%、より好ましくは0.5〜3モル%または5〜8モル%である。原料のポリビニルアルコール系樹脂のケン化度を適宜調整することにより、アセチル基量(以下、酢酸ビニル単位の含有量を意味する)は前記範囲内に調整できる。アセチル基量は、ポリビニルアセタール樹脂の極性に影響を及ぼし、それによって前記基材を構成する樹脂組成物の可塑剤相溶性および基材の機械的強度が変化し得る。前記基材を構成する樹脂組成物が、アセチル基量が前記範囲内であるポリビニルアセタール樹脂を含むと、前記基材と可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとを積層する場合に、良好な接着性および光学歪みの低減等が達成されやすい。前記基材を構成する樹脂組成物が異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量が、上記範囲内であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は特に限定されない。アセタール化度は、ポリビニルアセタール樹脂の製造原料であるポリビニルアルコール系樹脂中の主鎖の炭素2個からなる単位(例えば、ビニルアルコール単位、酢酸ビニル単位、エチレン単位など)を一繰返し単位とし、その一繰返し単位を基準として、アセタールを形成する上記単位の量である。アセタール化度は、40〜86モル%が好ましく、45〜84モル%がより好ましく、50〜82モル%がより好ましく、60〜82モル%がさらに好ましく、68〜82モル%が特に好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂をアセタール化する際のアルデヒドの使用量を適宜調整することにより、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は前記範囲内に調整できる。アセタール化度が前記範囲内であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が低下しにくく、前記基材の力学的強度が十分なものになりやすい。前記基材を構成する樹脂組成物が異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が、上記範囲内であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量としての、ポリビニルアセタール樹脂の製造原料であるポリビニルアルコール系樹脂中の主鎖の炭素2個からなる単位(例えば、ビニルアルコール単位、酢酸ビニル単位、エチレン単位など)を一繰返し単位とし、その一繰返し単位を基準としたときのビニルアルコール単位の含有量は、好ましくは9〜36モル%、より好ましくは18〜34モル%、さらに好ましくは22〜34モル%、さらにより好ましくは26〜34モル%、特に好ましくは26〜31モル%、極めて好ましくは26〜30モル%である。水酸基量(以下、ビニルアルコール単位の含有量を意味する)が前記範囲内であると、前記基材と可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとを積層する場合に、基材と可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとの屈折率差が小さくなり、光学むらの少ない窓ガラスが得られやすい。一方で、さらに遮音性能を合わせて付与するために好ましい範囲は9〜29モル%、より好ましくは12〜26モル%、さらに好ましくは15〜23モル%、特に好ましくは16〜20モル%である。ポリビニルアルコール系樹脂をアセタール化する際のアルデヒドの使用量を調整することにより、水酸基量は前記範囲内に調整できる。前記基材を構成する樹脂組成物が異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が、上記範囲内であることが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂は、通常、アセタール基単位、水酸基単位およびアセチル基単位から構成されており、これらの各単位量は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」または核磁気共鳴法(NMR)によって測定できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂が、アセタール基単位以外の単位を含む場合は、水酸基の単位量とアセチル基の単位量とを測定し、これらの両単位量をアセタール基単位以外の単位を含まない場合のアセタール基単位量から差し引くことで、残りのアセタール基単位量を算出できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂の、ブルックフィールド型(B型)粘度計を用いて20℃、30rpmで測定された、濃度10質量%のトルエン/エタノール=1/1(質量比)溶液の粘度は、好ましくは200mPa・sより大きく、より好ましくは240mPa・s以上、特に好ましくは265mPa・s以上である。粘度平均重合度の高いポリビニルアルコール系樹脂を原料または原料の一部として用いて製造したポリビニルアセタール樹脂を使用または併用することにより、ポリビニルアセタール樹脂の前記粘度は前記下限値以上に調整できる。前記基材を構成する樹脂組成物が複数のポリビニルアセタール樹脂の混合物を含む場合、かかる混合物の前記粘度が上記範囲内であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の前記粘度が前記下限値以上であると、窓ガラスの作製時に導電性細線の変形および断線が抑制されやすく、得られる窓ガラスにおいて熱によりガラスがずれる現象が防止されやすい。前記粘度は、良好な製膜性が得られやすい観点から、通常は1000mPa・s以下、好ましくは800mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下、さらに好ましくは450mPa・s以下、特に好ましくは400mPa・s以下である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のピークトップ分子量は、好ましくは115,000〜200,000、より好ましくは120,000〜160,000、特に好ましくは130,000〜150,000である。粘度平均重合度の高いポリビニルアルコール系樹脂を原料または原料の一部として用いて製造したポリビニルアセタール樹脂を使用または併用することにより、ポリビニルアセタール樹脂のピークトップ分子量は前記範囲内に調整できる。ポリビニルアセタール樹脂のピークトップ分子量が前記範囲内であると、好適なフィルム製膜性および好適なフィルム物性(例えば、ラミネート適性、耐クリープ性および破断強度)が得られやすい。
上記ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布、即ち重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは2.7以上、より好ましくは2.8以上、特に好ましくは2.9以上である。粘度平均重合度の異なるポリビニルアルコール系樹脂の混合物をアセタール化したり、粘度平均重合度の異なるポリビニルアルコール系樹脂のアセタール化物を混合したりすることにより、ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布は前記下限値以上に調整できる。ポリビニルアセタール樹脂の分子量分布が前記下限値以上であると、製膜性および好適なフィルム物性(例えば、ラミネート適性、耐クリープ性および破断強度)を両立させやすい。分子量分布の上限値は特に限定されない。製膜しやすさの観点から、分子量分布は、通常は10以下、好ましくは5以下である。前記基材を構成する樹脂組成物が異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂のピークトップ分子量および分子量分布が、上記範囲内であることが好ましい。ピークトップ分子量および分子量分布は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、分子量既知のポリスチレンを標準として求められる。
前記基材を構成する樹脂組成物は、架橋されたポリビニルアセタール樹脂を含んでもよいが、良好な製膜性が得られやすい観点からは、未架橋のポリビニルアセタールを含むことが好ましい。ポリビニルアセタールを架橋するための方法は、例えば、EP 1527107B1およびWO 2004/063231 A1(カルボキシル基含有ポリビニルアセタールの熱自己架橋)、EP 1606325 A1(ポリアルデヒドにより架橋されたポリビニルアセタール)、およびWO 2003/020776 A1(グリオキシル酸により架橋されたポリビニルアセタール)に記載されている。また、アセタール化反応条件を適宜調整することで、生成する分子間アセタール結合量をコントロールしたり、残存水酸基のブロック化度をコントロールしたりすることも有用な方法である。
<可塑剤>
前記基材を構成する樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含む場合、さらに可塑剤を含んでいてもよい。係る可塑剤の量は、ポリビニルアセタール樹脂100質量部に対して好ましくは20質量部以下、より好ましくは0〜19質量部、さらに好ましくは0〜15質量部、特に好ましくは0〜10質量部、最も好ましくは0〜5質量部である。前記基材を構成する樹脂組成物における可塑剤の量が前記範囲内であると、製膜性および取扱い性に優れた窓ガラス用発熱フィルムが製造されやすく、該フィルムを用いた窓ガラスの作製時に導電性細線の変形および断線が抑制されやすく、その結果、良好な通電性が得られやすい。
前記基材を構成する樹脂組成物に可塑剤が含まれる場合、可塑剤として、好ましくは下記群の1つまたは複数の化合物が使用される。
・多価の脂肪族または芳香族酸のエステル。例えば、ジアルキルアジペート(例えば、ジヘキシルアジペート、ジ−2−エチルブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ヘキシルシクロヘキシルアジペート、ヘプチルアジペート、ノニルアジペート、ジイソノニルアジペート、ヘプチルノニルアジペート);アジピン酸とアルコール若しくはエーテル化合物を含むアルコールとのエステル(例えば、ジ(ブトキシエチル)アジペート、ジ(ブトキシエトキシエチル)アジペート);ジアルキルセバケート(例えば、ジブチルセバケート);セバシン酸と脂環式若しくはエーテル化合物を含むアルコールとのエステル;フタル酸のエステル(例えば、ブチルベンジルフタレート、ビス−2−ブトキシエチルフタレート);および脂環式多価カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル(例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル)が挙げられる。
・多価の脂肪族若しくは芳香族アルコールまたは1つ以上の脂肪族若しくは芳香族置換基を有するオリゴエーテルグリコールのエステルまたはエーテル。例えば、グリセリン、ジグリコール、トリグリコール、テトラグリコール等と、直鎖状若しくは分岐状の脂肪族若しくは脂環式カルボン酸とのエステルが挙げられる。具体的には、ジエチレングリコール−ビス−(2−エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコール−ビス−(2−エチルヘキサノエート)(以下において、「3GO」または「3G8」と称することもある)、トリエチレングリコール−ビス−(2−エチルブタノエート)、テトラエチレングリコール−ビス−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコール−ビス−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコール−ビス−n−ヘキサノエート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、およびジプロピレングリコールベンゾエートが挙げられる。
・脂肪族または芳香族アルコールのリン酸エステル。例えば、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート(TOF)、トリエチルホスフェート、ジフェニル−2−エチルヘキシルホスフェート、およびトリクレジルホスフェートが挙げられる。
・クエン酸、コハク酸および/またはフマル酸のエステル。
また、多価アルコールと多価カルボン酸とからなるポリエステル若しくはオリゴエステル、これらの末端エステル化物若しくはエーテル化物、ラクトン若しくはヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル若しくはオリゴエステル、またはこれらの末端エステル化物若しくはエーテル化物等を可塑剤として用いてもよい。
前記基材を構成する樹脂組成物に可塑剤が含まれるとき、前記基材と別の可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとを積層する場合に基材と可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルム間で可塑剤が移行することに伴う問題を抑制する観点から、基材を構成する樹脂組成物に含まれる可塑剤は、積層する可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるものと同じ可塑剤、または該可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムの物性(例えば、耐熱性、耐光性、透明性および可塑化効率)を損なわない可塑剤であることが好ましい。このような観点から、可塑剤として、トリエチレングリコール−ビス−(2−エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコール−ビス(2−エチルブタノエート)、テトラエチレングリコール−ビス−(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコール−ビスヘプタノエートが含まれることが好ましく、トリエチレングリコール−ビス−(2−エチルヘキサノエート)が含まれることが特に好ましい。
<添加剤>
前記基材を構成する樹脂組成物にポリビニルアセタール樹脂が含まれる場合、該樹脂組成物は別の添加剤をさらに含んでいてよい。そのような添加剤としては、例えば、水、紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着調整剤、増白剤若しくは蛍光増白剤、安定剤、色素、加工助剤、有機若しくは無機ナノ粒子、焼成ケイ酸および表面活性剤等が挙げられる。
前記基材を構成する樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含む場合、該樹脂組成物は、接着調整剤として、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を含むことが好ましい。具体的には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムから選ばれる1つ以上の金属と、少なくとも1つの炭素数2〜12のカルボン酸とからなる塩を含むことが好ましい。添加される接着調整剤に含まれるアルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子の総質量は、前記基材の総質量に対して、好ましくは10ppm以上、より好ましくは30ppm以上、さらに好ましくは50ppm以上、特に好ましくは70ppm以上であり、好ましくは1500ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下、特に好ましくは300ppm以下である。上記下限値以上であると、強すぎないガラスとの接着力を得やすく、十分な耐貫通性を得やすい。また、上記上限値以下であると、吸水して白化したりガラスから剥離したりする傾向が低下しやすい。また、添加されるアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩の総質量に対するアルカリ金属塩の量は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。アルカリ金属塩の比率が上記上限値以下であると、吸水して白化したりガラスから剥離したりする傾向を抑制しやすく、アルカリ金属塩の比率が前記下限値以上であると、耐衝撃性が低下する傾向を抑制しやすい。
ある態様では、前記基材上に形成された導電性細線の腐食を抑制するために、前記基材を構成する樹脂組成物が腐食防止剤を含有することが好ましい。前記基材を構成する樹脂組成物に含有される腐食防止剤の量は、該樹脂組成物の質量に基づいて、好ましくは0.005〜5質量%である。腐食防止剤の例としては、置換された、または置換されていないベンゾトリアゾールが挙げられる。
前記基材は、多成分による層分離構造を有していても良いが、層分離構造は島成分の平均粒径が100nm未満であることが好ましく、80nm未満であることがより好ましく、海島の層分離構造を示さないことが特に好ましい。海島の層分離構造を示さないか、十分に細かい粒径を示すことにより、車のフロントガラスなどにも使用可能な透明性を確保できる。
<基材の製造方法>
基材の製造方法は特に限定されず、前記樹脂、場合により所定量の可塑剤、および必要に応じて他の添加剤を配合し、これを均一に混練した後、押出法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等、公知の製膜方法により基材を製造できる。
公知の製膜方法の中でも特に押出機を用いて基材を製造する方法が好適に採用される。押出時の樹脂温度は150〜250℃が好ましく、170〜230℃がより好ましい。樹脂温度が高くなりすぎると、特に基材を構成する樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含む場合にポリビニルアセタール樹脂が分解を起こし、揮発性物質の含有量が多くなる。一方で温度が低すぎる場合にも、揮発性物質の含有量は多くなる。揮発性物質を効率的に除去するためには、押出機のベント口から、減圧により揮発性物質を除去することが好ましい。
押出機を用いて基材を製造する場合、後述するように、金属箔上に基材を溶融押出してもよい。
<導電性細線>
本明細書において導電性細線とは、線幅が好ましくは1〜100μmである導電性構造体を意味する。導電性細線の線幅は、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは2〜15μm、特に好ましくは3〜12μmである。導電性細線の線幅が前記範囲内であると、十分な発熱量が確保されやすく、かつ所望の前方視認性が得られやすい。また、バスバーとの接続部の線幅が他の部分の線幅よりも太くなっていることが、窓ガラス作製時の断線が低減できる観点でより好ましい。
導電性細線の厚さは、光の反射低減および必要な発熱量が得られやすい観点から、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは3〜15μm、特に好ましくは3〜12μm、最も好ましいのは4〜10μmである。導電性細線の厚さは、厚み計またはレーザー顕微鏡等を用いて測定される。
導電性細線は、エッチングの容易性および金属箔の入手容易性の観点から、好ましくは銅または銀で構成される。即ち、前記金属箔は、好ましくは銅箔または銀箔である。
導電性細線は、前方視認性および必要な発熱量が得られやすい観点から、好ましくは、線状、格子状または網状の形状を有する。ここで、線状の例としては、直線状、波線状およびジグザグ状等が挙げられる。1つの窓ガラス用発熱フィルムにおいて、導電性細線の形状は単一であってもよいし、複数の形状が混在していてもよい。均一で十分な発熱性能が得られる観点から、直線状、波線状、ジグザグ状などの線状の形状であることが好ましく、また、モアレ現象を防ぐ観点から、隣り合う細線の形状や間隔が不均一となっていることも好ましい態様の1つである。
<基材上に導電性細線を形成する方法>
本発明の窓ガラス用発熱フィルムは、融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物から構成される基材と、該基材上に形成された導電性細線とを有する。
導電性細線を前記基材上に形成する方法は特に制限されないが、例えば、前記基材の少なくとも片面に、導電性能を有する材料をコートまたはラミネートにより導電層を形成した後、種々のエッチング方法により細線化する方法などが挙げられる。
前記導電性能を有する材料をコートまたはラミネートする方法は特に限定されない。
前記導電性能を有する材料をコートする方法としては、例えば、前記基材を構成する樹脂組成物の溶融物を金属箔にコートする方法(例えば、金属箔上に前記樹脂組成物を溶融押出する方法、若しくは金属箔上に前記樹脂組成物をナイフ塗布等により塗布する方法);窓ガラス用発熱フィルムを構成する基材に蒸着、スパッタリングまたは電気蒸着により導電層を付与する方法;が挙げられる。
前記導電性能を有する材料をラミネートする方法としては、例えば、導電層と基材とを重ねて熱圧着させる方法;溶媒、若しくは基材を構成する樹脂組成物に溶媒を加えた溶液を、導電層および基材の一方若しくは両方に塗布するか、または導電層と基材との間に注入し、導電層と基材とを接合させる方法;接着剤で導電層と基材とを接合させる方法;が挙げられる。接着剤を使用して接合する方法において使用される接着剤は、当技術分野において一般的に使用されている接着剤を使用してよく、その例としては、アクリレート系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤およびホットメルト接着剤が挙げられる。光学的に優れた特性が求められる態様では、接着剤に由来するヘイズが生じない観点から、基材と接着剤との屈折率差は0.01未満であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましく、0.003以下であることがさらに好ましく、接着剤を使用せずに導電層と基材とを接合する方法が最も好ましい。即ち、本発明の窓ガラス用発熱フィルムは、基材と導電性細線との間に基材との屈折率差が0.01以上の接着剤層を有さないことが好ましく、上記屈折率差が0.005超の接着剤層を有さないことがより好ましく、上記屈折率差が0.003超の接着剤層を有さないことがさらに好ましく、基材と導電性細線との間に接着剤層を有さないことが特に好ましい。
屈折率は、例えばアッベの屈折率計を用いて評価できる。
金属箔により前記基材上に導電層を形成した後、細線化させる方法では、金属箔と前記基材とを接合させる工程は、例えば下記方法(I)〜(IV)により実施される。
(I)基材(例えばポリビニルアセタール樹脂フィルム)と金属箔とを重ねて熱圧着させる方法、
(II)金属箔上に基材を構成する樹脂組成物の溶融物を被覆して接合する方法(例えば、金属箔上に前記樹脂組成物を溶融押出する方法、若しくは金属箔上に前記樹脂組成物をナイフ塗布等により塗布する方法)、または
(III)溶媒、または基材を構成する樹脂組成物に溶媒を加えた溶液若しくは分散液を、金属箔および基材の一方若しくは両方に塗布するか、または金属箔と基材との間に注入し、金属箔と基材とを接合させる方法。
(IV)基材と金属箔との間に接着剤層を設けて圧着する方法。
上記方法(I)における熱圧着時の接合温度は、前記基材を構成する樹脂組成物の種類に依存するが、通常は90〜170℃、好ましくは100〜160℃、より好ましくは110〜155℃、さらに好ましくは110〜150℃である。接合温度が上記範囲内であると、良好な接合強度が得られやすい。
上記方法(II)における押出時の樹脂温度は、前記基材中の揮発性物質の含有量を低下させる観点から、150〜250℃が好ましく、170〜230℃がより好ましい。また、揮発性物質を効率的に除去するためには、押出機のベント口から、減圧により揮発性物質を除去することが好ましい。
上記方法(III)における溶媒としては、ポリビニルアセタール樹脂に通常使用される可塑剤を使用することが好ましい。そのような可塑剤としては、先の<可塑剤>の段落に記載されているものが使用される。
上記方法(IV)における接着剤層は、公知の接着剤を使用することができるが、上述の通り、基材との屈折率差の小さい接着剤を使用することが好ましい。
前記基材上に金属箔等によって形成した導電層を細線化する工程は、公知のフォトリソグラフィの手法などを用いて実施される。前記工程は、例えば後の実施例に記載のとおり、まず基材上に金属箔によって形成された導電層の上にドライフィルムレジストをラミネートした後、フォトリソグラフィの手法を用いてエッチング抵抗パターンを形成し、次いで、エッチング抵抗パターンが付与された基材をエッチング液に浸漬して導電性細線の形状を形成した後、公知の方法により残存するフォトレジスト層を除去する方法によって実施される。
導電性細線の断面の形状は制限されないが、少なくとも一対の平行な辺を有することが好ましい。好ましい線幅を有する細線を効率よく製造するためには金属箔などをエッチングすることにより導電性細線を形成することが好ましく、このとき上記断面は少なくとも一対の平行な辺を有する。また、必要な抵抗値を得つつ、運転席側、即ち窓ガラスの法線方向から見て、最も細く見えにくくする観点から、導電性細線の断面の形状が概ね四角形であることが好ましく、四角形であることがより好ましい。
<低反射率処理>
本発明の窓ガラス用発熱フィルムにおいて、導電性細線の表面の全ての面は低反射率処理されている。導電性細線の表面の全ての面が低反射率処理されている場合、金属光沢による光の反射により、夜間にフロントガラスで対向車や後方車のヘッドライトの光が反射して前方視認性が低下することを抑制できる。本発明において「低反射率処理されている」とは、金属本来の光沢を示さない状態のことをいい、例えばJIS R 3106に準じて測定された可視光反射率が30%以下となるよう処理されていることを意味する。より良好な前方視認性の観点からは、可視光反射率が10%以下となるよう処理されていることがより好ましい。可視光反射率が前記上限値以下であると、後述するように基材と可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとを積層して窓ガラスを作製した際に、所望の可視光反射率が得られやすく、前方視認性に優れる窓ガラスが得られやすいため、乗物用ガラスとして好適に用いられる。
また、本発明において「全ての面が低反射率処理されている」とは、細線の基材との接着面(底面)、接着面に対向する面(表面)、及びこれらの側面が、いずれも低反射率処理されていればよく、各面において、低反射率処理されている部分が50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であることが好ましい。
また、本発明の導電性細線はその断面に低反射率処理されていない部分を有することが、導電性細線の脆化を防ぎ、ラミネート時の断線を防止する観点、並びに通電性を確保しつつ、発熱性能をより細い導電性細線で実現できる観点で好ましい。
低反射率処理の方法としては、例えば、黒化処理(暗色化処理)、褐色化処理およびめっき処理等が挙げられる。工程通過性の観点から、低反射率処理は黒化処理であることが好ましい。従って、良好な前方視認性の観点から、可視光反射率が10%以下となるよう、導電性細線の表面が黒化処理されていることが特に好ましい。
導電性細線の表面の全ての面を低反射率処理する方法は特に制限されず、例えば、導電性細線の基材と接している面が低反射率処理された窓ガラス用発熱フィルムにおいて導電性細線の基材と接していない面をさらに低反射率処理する方法、低反射率処理された導電性細線を基材に貼り付ける方法などが挙げられる。これらの中でも、導電性細線の基材と接している面が低反射率処理された窓ガラス用発熱フィルムにおいて導電性細線の基材と接していない面をさらに低反射率処理する方法が好ましい。さらに具体的には低反射率処理された面を有する金属箔の低反射率処理面を基材に接合し、これをエッチング処理して細線を得た後、さらに低反射率処理する方法が、高温での焼成工程を必要としないこと、多数の細線を接着させる煩雑な工程を含まないことから特に好ましい。
低反射率処理は、対象物を粗化及び/又は黒色等に着色することにより行われる。低反射率処理は、酸化処理、硫化処理、窒化処理、塩素化処理、黒化層被膜形成、黒色メッキなどによって行われることが好ましく、特に酸化処理又は硫化処理によって行われることが好ましい。特に酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、さらに廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
<酸化による黒化>
上記酸化処理は、金属表面に酸化皮膜を形成させる方法であり、これにより金属光沢を抑えることができる。酸化皮膜により、表面形状が針のように変化していてもよい。黒化処理として酸化処理を行う場合、黒化処理液としては、例えば次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが好ましい。特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましく、例えば、亜塩素酸ナトリウム:水酸化ナトリウム=20:1〜2:1程度、水酸化ナトリウム濃度が4〜20g/Lであることがより好ましい。銅をこのような水溶液で処理することで、CuO及び/又はCuOを形成し、表面を黒化することができる。また、燐酸三ナトリウムなどを併用することも好ましい。
<硫化による黒化>
上記硫化処理は、金属表面に硫化皮膜を形成させる方法でありこれにより金属光沢を抑えられる。黒化処理として硫化処理を行う場合、黒化処理液としては、例えば硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが好ましく、硫化ナトリウム、硫化カリウム及び硫化アンモニウムの水溶液を使用することがより好ましい。また、硫化水素による気相処理により硫化することもできる。
<その他の方法による黒化>
その他の黒化処理の方法としては、例えば黒化処理液として、二酸化テルル0.25重量%(テルル濃度として0.2質量%)、塩酸0.45質量%、硫酸20質量%の水溶液を用い、当該処理液に上記窓ガラス用発熱フィルムを処理温度25℃条件下、30秒間浸漬し、銅が露出している部分に塩化テルル(TeCl)を含む黒化層を被覆形成させる方法が挙げられる。また、導電性細線の表面に窒化皮膜や塩素化皮膜を形成させる方法などが挙げられ、これらの方法により金属光沢を抑えることができる。
<バスバー>
本発明の窓ガラス用発熱フィルムは、導電性細線に接続されたバスバーを有する窓ガラス用発熱フィルムであることが好ましい。バスバーとしては、当技術分野において通常使用されているバスバーが使用され、その例としては、金属箔テープ、導電性粘着剤付き金属箔テープおよび導電性ペースト等が挙げられる。また、上記バスバーが上記導電性細線と一体成形されたものであることがより好ましい。バスバーを導電性細線と一体成形する方法としては、導電性細線を形成する際同時に金属箔の一部をバスバーとして残す方法が挙げられる。バスバーにはそれぞれ給電線からなる電極構造が接続され、各給電線が電源に接続されることから、電流が導電性細線に供給される。
導電性細線は、さらに他の樹脂層により保護されていてもよい。例えば、導電性細線の表面の全ての面を低反射率処理した後、基材の導電性細線を有する面上にポリビニルアセタール樹脂層を重ねて熱圧着させるか、ポリビニルアセタール樹脂層を溶融押出することにより製造される。この場合、基材を構成する樹脂組成物と、基材上に熱圧着または溶融押出されたポリビニルアセタール樹脂層を構成する樹脂組成物とは、同じ組成を有していてもよいし、異なる組成を有していてもよい。
<窓ガラス>
本発明はまた、上記バスバー構造を有する窓ガラス用発熱フィルムと、該バスバーに接続された電極とを有する窓ガラスであって、窓ガラス用発熱フィルムが無機ガラスおよび有機ガラスから選択される少なくとも2枚の透明基板の間に配置されてなる窓ガラスに関する。
上記透明基板は、透明性、耐候性および力学強度の観点から、好ましくは無機ガラス(以下、単にガラスと称することもある)、またはメタクリル樹脂シート、ポリカーボネート樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート、若しくはポリシクロオレフィン系樹脂シート等の有機ガラスであり、より好ましくは無機ガラス、メタクリル樹脂シートまたはポリカーボネート樹脂シートであり、特に好ましくは無機ガラスである。即ち、前記透明基板の少なくとも1枚が無機ガラスであることが好ましい。無機ガラスとしては特に制限されないが、フロートガラス、強化ガラス、半強化ガラス、化学強化ガラス、グリーンガラスまたは石英ガラス等が挙げられる。
上記窓ガラスにおいて、窓ガラス用発熱フィルムはガラスに接していても接していなくてもよいが、効率的に一方のガラスを加熱したい場合は加熱したい側のガラスに直接接していることが好ましい。
また、上記窓ガラスにおいて、窓ガラス用発熱フィルムにおける導電性細線は、透明基板と接していてもよいし、後述する合わせガラス用中間膜と接していてもよいし、または後述する別の機能性層と接していてもよい。
透明基板がガラスである場合は、窓ガラス用発熱フィルムにおける導電性細線がガラスと直接接していると、バスバーおよび/または導電性細線の封止が不十分となって水分が侵入してバスバーおよび/または導電性細線の腐食を招いたり、或いは窓ガラス製造時に空気が残存して気泡残存または剥がれの原因を招いたりする虞があるため、窓ガラス用発熱フィルムにおける導電性細線がガラスと直接接しないことが好ましい。
また、窓ガラス端部から水分が侵入して導電性細線の腐食を招く虞があるため、導電性細線は、透明基板の端部より1cm以上内側に配置されていることが好ましい。
<合わせガラス用中間膜>
本発明の窓ガラスは、少なくとも2枚の透明基板の間に、合わせガラス用中間膜がさらに配置されていてもよく、窓ガラスの耐貫通性の観点から、合わせガラス用中間膜が1層以上配置されていることが好ましい。また、合わせガラス用中間膜は、本発明の窓ガラス用発熱フィルムと直接接していることが好ましく、本発明の窓ガラス用発熱フィルムが有する導電性細線と直接接していることがより好ましい。本発明の窓ガラスに使用される合わせガラス用中間膜としては、ポリビニルブチラール樹脂フィルム等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマーフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリ(メタ)アクリレートフィルムなどが挙げられ、中でもポリビニルアセタール樹脂フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマーフィルムが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂フィルムが特に好ましい。なお、上記ポリビニルアセタール樹脂フィルムは可塑剤を含んでいても含んでいなくてもよいが、可塑剤を含んでいること、即ち可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムであることが好ましい。
<可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルム>
可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは、ポリビニルアセタール樹脂を含む。可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルム中のポリビニルアセタール樹脂の含有量は特に制限されないが、窓ガラス用発熱フィルムとの積層前の初期状態において、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを構成する樹脂組成物の総質量に基づいて、好ましくは84.0質量%以下、より好ましくは60.0〜83.9質量%である。
可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは、1つのポリビニルアセタール樹脂を含むか、或いは粘度平均重合度、アセタール化度、アセチル基量、水酸基量、エチレン含有量、アセタール化に用いられるアルデヒドの分子量、および鎖長のうちのいずれか1つ以上がそれぞれ異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含んでよい。
前記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、先の<基材を構成する樹脂組成物に含まれるポリビニルアセタール樹脂>の段落において記載した方法と同様の方法によって製造できる。
可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量は、好ましくは0.1〜20モル%、より好ましくは0.5〜3モル%または5〜8モル%である。原料のポリビニルアルコール系樹脂のケン化度を適宜調整することにより、アセチル基量は前記範囲内に調整できる。可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量が前記範囲内であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が優れる傾向にあり、良好な可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムが得られやすい。可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムが異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂のアセチル基量が、上記範囲内であることが好ましい。
前記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は特に限定されない。アセタール化度は、40〜86モル%であることが好ましく、45〜84モル%であることがより好ましく、50〜82モル%であることがより好ましく、60〜82モル%であることがさらに好ましく、68〜82モル%であることが特に好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂をアセタール化する際のアルデヒドの使用量を適宜調整することにより、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は前記範囲内に調整できる。アセタール化度が前記範囲内であると、窓ガラスにしたときの耐貫通性またはガラスとの接着性に優れた可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムが得られやすい。可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムが異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度が、上記範囲内であることが好ましい。
前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、好ましくは9〜36モル%、より好ましくは18〜34モル%、さらに好ましくは22〜34モル%、さらにより好ましくは26〜34モル%、特に好ましくは26〜31モル%、極めて好ましくは26〜30モル%である。水酸基量が前記範囲内であると、耐貫通性、接着性、または遮音性に優れた窓ガラスが得られやすい。一方で、さらに遮音性能を合わせて付与するために好ましい範囲は9〜29モル%、より好ましくは12〜26モル%、さらに好ましくは15〜23モル%、特に好ましくは16〜20モル%である。ポリビニルアルコール系樹脂をアセタール化する際のアルデヒドの使用量を調整することにより、水酸基量は前記範囲内に調整できる。可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムが異なる2つ以上のポリビニルアセタール樹脂を含む場合、少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂の水酸基量が、上記範囲内であることが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂は、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」または核磁気共鳴法(NMR)によって測定できる。
可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは、良好な製膜性およびラミネート適性が得られやすい観点、並びに乗物用ガラスにおいて衝突時の頭部衝撃が軽減されやすい観点から、未架橋のポリビニルアセタールを含むことが好ましい。可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムが、架橋されたポリビニルアセタールを含むことも可能である。ポリビニルアセタールを架橋するための方法は、先の<基材を構成する樹脂組成物に含まれるポリビニルアセタール樹脂>の段落に記載されている。
可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは、前記ポリビニルアセタール樹脂に加えて、可塑剤を含有する。可塑剤の含有量は、フィルムの積層前の初期状態では、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを構成する樹脂組成物の総質量に基づいて、好ましくは16.0質量%以上、より好ましくは16.1〜36.0質量%、さらに好ましくは22.0〜32.0質量%、特に好ましくは26.0〜30.0質量%である。前記可塑剤含有量が前記範囲内であると、耐衝撃性に優れた窓ガラスが得られやすい。また、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとして、遮音機能を有する可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを用いることもできる。その場合、可塑剤の含有量は、フィルムの積層前の初期状態では、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを構成する樹脂組成物の総質量に基づいて、好ましくは30質量%以上、より好ましくは30〜50質量%、さらに好ましくは31〜40質量%、特に好ましくは32〜35質量%である。
可塑剤としては、先の<可塑剤>の段落において記載した可塑剤を使用してよい。
可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは、必要に応じて、先の<添加剤>の段落において記載した添加剤を含有してよい。また、前記合わせガラス用中間膜に含まれるポリビニルアセタール樹脂および可塑剤の合計量は、合わせガラス用中間膜の総質量に基づいて90質量%以上であることが好ましい。
<可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムの製造方法>
可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは、先の<基材の製造方法>の段落において記載した方法により製造してよい。
本発明の窓ガラスにおいて、前記基材を構成する樹脂組成物がポリビニルアセタール樹脂を含む場合、該ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量と、前記可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量との差が、ビニルアルコール単位のモル%の差として、好ましくは6モル%以下、より好ましくは4モル%以下、特に好ましくは3モル%以下である。基材を構成する樹脂組成物に含まれるポリビニルアセタール樹脂および/または可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるポリビニルアセタール樹脂が複数の樹脂の混合物からなる場合、基材を構成する樹脂組成物に含まれる少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂の水酸基量と、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれる少なくとも1つのポリビニルアセタール樹脂の水酸基量との差が前記範囲内であることが好ましい。前記差が前記上限値以下であると、窓ガラスにおいて可塑剤が移行した後の平衡状態で基材と可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとの屈折率差が小さくなることから、互いに寸法が異なる基材と可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを使用した場合にその境界が視認しにくいため好ましい。
一方、基材を構成する樹脂組成物に含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量を、前記可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量よりも低くすることで、窓ガラスにおいて可塑剤が移行した後の平衡状態における基材中の平均可塑剤量を30質量%以上とすることも好ましい態様の1つである。その場合、前記基材を構成する樹脂組成物に含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、前記可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量よりも、ビニルアルコール単位のモル%の差として、6モル%以上低いことが好ましく、10モル%以上低いことがより好ましい。前記水酸基量の差が前記下限値以上であると、平衡状態での基材の可塑剤量を十分に高くすることができ、遮音機能が付与された窓ガラスが得られやすいため好ましい。
<別の機能性層>
本発明の窓ガラスは、さらに別の機能性層を有してよい。別の機能性層としては、例えば、赤外線反射層、紫外線反射層、色補正層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、蛍光・発光層、遮音層、エレクトロクロミック層、サーモクロミック層、フォトクロミック層、意匠性層、または高弾性率層等が挙げられる。
本発明における窓ガラスは、下記層構成を有することができるが、これらに限定されない。
(1)透明基板A/窓ガラス用発熱フィルム/透明基板Bの3層構成、
(2)透明基板A/窓ガラス用発熱フィルム/別の機能性層/透明基板Bの4層構成、
(3)透明基板A/別の機能性層/窓ガラス用発熱フィルム/透明基板Bの4層構成、
(4)透明基板A/窓ガラス用発熱フィルム/合わせガラス用中間膜/透明基板Bの4層構成、
(5)透明基板A/合わせガラス用中間膜/窓ガラス用発熱フィルム/透明基板Bの4層構成、
(6)透明基板A/合わせガラス用中間膜/窓ガラス用発熱フィルム/合わせガラス用中間膜/透明基板Bの5層構成、
(7)透明基板A/別の機能性層/窓ガラス用発熱フィルム/合わせガラス用中間膜/透明基板Bの5層構成、
(8)透明基板A/窓ガラス用発熱フィルム/別の機能性層/合わせガラス用中間膜/透明基板Bの5層構成、
(9)透明基板A/窓ガラス用発熱フィルム/合わせガラス用中間膜/別の機能性層/透明基板Bの5層構成、
(10)透明基板A/別の機能性層/合わせガラス用中間膜/窓ガラス用発熱フィルム/透明基板Bの5層構成、
(11)透明基板A/合わせガラス用中間膜/別の機能性層/窓ガラス用発熱フィルム/透明基板Bの5層構成、
(12)透明基板A/合わせガラス用中間膜/窓ガラス用発熱フィルム/別の機能性層/透明基板Bの5層構成、
(13)透明基板A/別の機能性層/合わせガラス用中間膜/窓ガラス用発熱フィルム/合わせガラス用中間膜/透明基板Bの6層構成、
(14)透明基板A/合わせガラス用中間膜/別の機能性層/窓ガラス用発熱フィルム/合わせガラス用中間膜/透明基板Bの6層構成、
(15)透明基板A/合わせガラス用中間膜/窓ガラス用発熱フィルム/別の機能性層/合わせガラス用中間膜/透明基板Bの6層構成、
(16)前記層構成(1)〜(15)において、窓ガラス用発熱フィルムの導電性細線を有する面にさらにポリビニルアセタール樹脂フィルムを有する層構成。
これらの中でも、導電性細線が合わせガラス用中間膜と直接接している構成が、導電性細線の断線を防ぐ観点でより好ましい。
主に乗物の外側の透明基板を加熱すること、例えば透明基板に積もった雪を溶かすことが要求される場合、乗物の外側の透明基板に窓ガラス用発熱フィルムが接すること、例えば前記層構成(4)において透明基板Aが外側透明基板で透明基板Bが内側透明基板である構成を有することが好ましい。
主に乗物の内側の透明基板を加熱すること、例えば乗物内の曇りを除去することが要求される場合、乗物の内側の透明基板に窓ガラス用発熱フィルムが接すること、例えば前記層構成(4)において透明基板Aが内側透明基板で透明基板Bが外側透明基板である構成を有することが好ましい。
<窓ガラスの製造方法>
本発明の窓ガラスは当業者に公知の方法で積層することにより製造できる。例えば、透明基板の上に窓ガラス用発熱フィルムおよび積層する場合は合わせガラス用中間膜および/または別の機能性層を任意の順で任意の枚数重ねて配置し、さらにもう1つの透明基板を重ねたものを、予備圧着工程として温度を高めることによって窓ガラス用発熱フィルムおよび積層する場合は合わせガラス用中間膜を透明基板に全面または局所的に融着させ、次いでオートクレーブで処理することで製造できる。また、窓ガラス用発熱フィルム、積層する場合は合わせガラス用中間膜および/または別の機能性層をあらかじめ接着させた上で2つの透明基板の間に配置して高温で互いに融着させることにより、窓ガラスを製造してもよい。
上記予備圧着工程としては、過剰の空気を除去したり隣接するフィルム同士の軽い接合を実施したりする観点から、バキュームバッグ、バキュームリング、または真空ラミネーター等の方法により減圧下に脱気する方法、ニップロールを用いて脱気する方法、および高温下に圧縮成形する方法等が挙げられる。例えばEP 1235683 B1に記載のバキュームバッグ法またはバキュームリング法は、例えば約2×10Paおよび130〜145℃で実施される。
真空ラミネーターは、加熱可能かつ真空可能なチャンバーからなり、このチャンバーにおいて、約20分〜約60分の時間内に窓ガラスが形成される。通常は1Pa〜3×10Paの減圧および100℃〜200℃、特に130℃〜160℃の温度が有効である。真空ラミネーターを用いる場合、温度および圧力に応じて、オートクレーブでの処理を行わなくてもよい。
オートクレーブでの処理は、例えば約1×10Pa〜約1.5×10Paの圧力および約100℃〜約145℃の温度で20分から2時間程度実施される。
最も簡単な層構成の場合、窓ガラスを製造するために、窓ガラス用発熱フィルムを第1の透明基板の上に配置し、積層する場合は合わせガラス用中間膜を同時にまたは続いて配置し、この上に第2の透明基板を配置して複合材料を作製する。ここで、窓ガラス用発熱フィルムと合わせガラス用中間膜の順を逆にしてもよい。次に、この複合材料を前記予備圧着工程に供する。任意に、脱気の工程を含んでいてもよい。
最後に、前記複合材料は、必要に応じてオートクレーブプロセスに供される。
窓ガラス用発熱フィルムを第1の透明基板に配置して、第2の透明基板を置く前に、窓ガラス用発熱フィルムおよび積層する場合の合わせガラス用中間膜を配置する方法は特に限定されず、種々の方法が適用される。例えば、窓ガラス用発熱フィルムおよび合わせガラス用中間膜は、相応の幅のロールから供給し、目的の大きさに切断することで配置してもよいし、あらかじめ目的の大きさに切断しておいたフィルムを配置してもよい。たとえば、窓ガラスが自動車フロントガラスの場合、ロールから供給された可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを加熱・延伸、切断し、扇型に加工したものを用いてもよい。
前記合わせガラス用中間膜は、特定波長光遮蔽機能、遮熱機能、遮音機能、発光機能、ディスプレイ機能および二重像防止機能からなる群から選択させる少なくとも1つの機能を有していてもよい。
自動車分野では、特にフロントガラスを製造する際、ガラスの上部がいわゆるカラーシェード領域を有するよう製造する場合もある。そのため、窓ガラス用発熱フィルムおよび/または積層する場合の合わせガラス用中間膜は、相応に着色されたポリマー溶融物と一緒に押出されるか、または窓ガラス用発熱フィルムおよび合わせガラス用中間膜のうちの少なくとも1つが部分的に異なる着色を有していてよい。このような着色は窓ガラス用発熱フィルムおよび合わせガラス用中間膜のうちの少なくとも1つを完全にまたは部分的に着色することによって実施できる。
従って、前記合わせガラス用中間膜は、特に既に先行するプロセス工程において、フロントガラスの形状に適合されたカラーグラデーションを有してよい。
前記合わせガラス用中間膜は、くさび形の厚さプロファイルを有していてもよい。これにより、本発明の窓ガラスは、ポリビニルアセタール樹脂フィルムの厚さプロファイルが平行平面である場合でもくさび形の厚さプロファイルを有することができ、自動車フロントガラスにおいてヘッドアップディスプレイ(HUD)に使用できる。
好ましい一態様において、合わせガラス用中間膜は、カラーシェードを有するかまたは有していない、かつくさび形の厚さプロファイルを有するかまたは有していない、市販の可塑化ポリビニルブチラールフィルムである。同様に、赤外線遮蔽のために赤外線吸収能または反射能を持つナノ粒子が分散された可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルム、または着色された可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを使用できる。当然、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは遮音機能を有していてもよいため、窓ガラス用発熱フィルムとの組み合わせによって、改善された遮音特性が得られる。また、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムは、先に記載した機能の複数をそれ自体において統合することもできる。
本発明の窓ガラスは、建物または乗物における窓ガラスとして使用される。従って、本発明はまた、前記窓ガラスからなる乗物用ガラスに関する。乗物用ガラスとは、汽車、電車、自動車、船舶または航空機といった乗物のための、フロントガラス、リアガラス、ルーフガラスまたはサイドガラス等を意味する。
本発明の窓ガラス用発熱フィルムを用いて作製された窓ガラスのヘイズは、通常2.0以下であり、好ましくは1.8以下であり、より好ましくは1.5以下である。
前記ヘイズは、例えばJIS R 3106に準じて測定される。窓ガラス用発熱フィルムが有する基材と導電性細線との間に接着剤層を有さない、又は基材と同等の屈折率を有する接着剤を用い、導電性細線の線幅を細くすることにより、前記ヘイズは前記上限値以下に調整できる。窓ガラスが窓ガラス用発熱フィルムと可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムとを有する場合は、窓ガラス用発熱フィルムの有する基材と該基材上に形成された導電性細線との間に接着剤層を有さず、導電性細線の線幅が細く、上記基材を構成する樹脂組成物に含まれるポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度、水酸基量、アセチル基量が可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれるポリビニルアセタール樹脂と同等である窓ガラスが特に好ましく、ヘイズを低く調整できる。
本発明の窓ガラスは、乗車人物または観察者の位置から導電性細線が視認されないことが好ましい。導電性細線が視認されないことにより、特に乗物用フロントガラス等の良好な前方視認性が要求される用途において、本発明における窓ガラスは好適に使用される。導電性細線の視認性は、実施例に記載の方法により官能的に評価される。
合わせガラス用中間膜および透明基板と、それらより寸法の小さい本発明の窓ガラス用発熱フィルムとを用いて窓ガラスを作製する場合、窓ガラス用発熱フィルムの端部は、目視で判別されないことが好ましい。窓ガラス用発熱フィルムの端部が目視で判別されないことにより、特に乗物用フロントガラス等の良好な前方視認性が要求される用途において、本発明の窓ガラスは好適に使用される。窓ガラス用発熱フィルム端部の視認性は、官能的に評価される。
本発明の窓ガラスにおいて、合わせガラス用中間膜として可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムを用い、基材を構成する樹脂組成物にポリビニルアセタール樹脂が含まれる場合、通常、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれる可塑剤は、時間経過に伴って基材に移行し、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれる可塑剤量と基材に含まれる可塑剤量とは同程度となる。本発明において、この平均可塑剤量は、好ましくは18〜35質量%、より好ましくは20〜30質量%、特に好ましくは25〜29質量%である。平均可塑剤量が前記範囲内であると、例えば衝突時の乗車人物の頭部への衝撃が緩和される等、窓ガラスの所望の特性が得られやすい。平均可塑剤量は、後の実施例に記載の方法によって計算される。可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムに含まれる可塑剤の量、可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルムの厚さ、基材に含まれる可塑剤の量、および基材の厚さを調整することにより、平均可塑剤量は前記範囲内に調整できる。
本発明における窓ガラスの可視光反射率と、導電性細線を有さないこと以外は本発明における窓ガラスと同じ構成である窓ガラスの可視光反射率との差は小さいことが好ましい。前記差が小さいと、本発明の窓ガラスは前方視認性に優れ、特に乗物用フロントガラス等の良好な前方視認性が要求される用途において好適に使用される。窓ガラスの可視光反射率は、JIS R 3106に準じて測定される。導電性細線の低反射率処理面が乗車人物側または観察者側に配置されるよう窓ガラスを構成すること、または導電性細線の線幅を細くすることにより、前記差は小さくできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されない。
<ポリビニルアセタール樹脂基材の製造>
ポリビニルブチラール樹脂1(以下、「樹脂1」と称する)を溶融混練するか、または樹脂1およびポリビニルブチラール樹脂2(以下、「樹脂2」と称する)を表2に記載の質量比で溶融混練した。ポリビニルアセタール樹脂基材が可塑剤を含む場合(ポリビニルアセタール樹脂基材c、dおよびe)は、所定量の可塑剤3GOを、樹脂1および樹脂2とともに、または樹脂1とともに溶融混練した。次に、得られた溶融混練物をストランド状に押出し、ペレット化した。得られたペレットを、単軸の押出機とTダイを用いて溶融押出し、金属弾性ロールを用いて表面がスムースなポリビニルアセタール樹脂基材a〜eを得た。用いたポリビニルブチラール樹脂(A〜C)を表1に、製造または使用した基材を表2に示す。
[実施例1]<銅箔が接合された基材の製造>
基材aに、片面が黒化処理された厚み7μmの銅箔を、黒化処理面と基材aとが接するような向きで重ねた。ここで、JIS R 3205(2005)に準じて測定された黒化処理面の可視光反射率は5.2%であった。次に、ポリビニルアセタール樹脂基材と銅箔とを重ねた積層体の上下を厚み50μmのPETフィルムで挟み、140℃に設定した熱圧着ロールの間を通過(圧力:0.2MPa、速度0.5m/分)させた後、PETフィルムをはがすことで、銅箔が接合された基材aを得た。
<窓ガラス用発熱フィルムの製造>
銅箔が接合された基材aの銅箔上に、ドライフィルムレジストをラミネートした後、フォトリソグラフィの手法を用いてエッチング抵抗パターンを形成した。さらに、銅エッチング液に浸漬して導電性細線を形成した後、常法により、残存するフォトレジスト層を除去した。これにより、基材aと、該基材上に形成された銅箔に基づく導電性細線とを有する窓ガラス用発熱フィルム(細線形成領域:細線長さ方向10cm、垂直方向5cm)を得た。得られた窓ガラス用発熱フィルムは、ポリビニルアセタール樹脂基材aと導電性細線との間に接着剤層を有していない。導電性細線は線幅10μmの波線状の銅線が1mm間隔で並んだ構造を有し、導電性細線同士は互いに交差しておらず、両端部の距離が10cmであり、その上辺および下辺がバスバーに相当する幅5mmの銅線構造と接続された構造を有していた。
<導電性細線の状態の評価>
導電性細線の状態をルーペを用いて目視観察し、下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
A 変形および断線は認められなかった。
B 部分的に変形は認められたが、断線は認められなかった。
C 僅かに断線が認められた。
D 断線が顕著であった。
<窓ガラス用発熱フィルムの黒化処理>
黒化液(シーフォース株式会社)2mLをイオン交換水100mLに添加し、1分攪拌する事で黒化処理液を作製した。製造した窓ガラス用発熱フィルムの導電性細線が黒化処理液に面するように配置し、25℃、3分間浸漬させ、前記窓ガラス用発熱フィルムをイオン交換水で洗浄することで、黒化処理をした。
<平板窓ガラスの作製>
実施例1で得た窓ガラス用発熱フィルムを、導電性細線およびバスバーが含まれるよう、縦13cm、横7cmに切り出し、縦20cm、横10cm、厚み3mmのガラスの上に配置した。このとき、前記フィルムの導電性細線を有さない面がガラスと接する向きで、且つ導電性細線がガラスの中央付近にくるように配置した。次に、導電性細線の両端部にある各々のバスバー(5mm幅銅線)に、電極(導電性粘着剤付き銅箔テープ)を、ガラスから外へ各電極端部がはみ出すように貼り付けた。さらに、その上に、合わせガラス用中間膜(可塑化ポリビニルアセタール樹脂フィルム)としての縦20cm、横10cm、厚み0.76mmの〔水酸基量20.0質量%および粘度平均重合度1700を有するポリビニルブチラール樹脂(72質量%)と3GO(28質量%)とを含む〕自動車フロントガラス用中間膜、および縦20cm、横10cm、厚み3mmのガラスを重ねて配置した。
続いて、これを真空バッグに入れ、真空ポンプを用いて室温で15分間減圧にした後、減圧したまま100℃まで昇温し、そのまま60分間加熱した。降温後、常圧に戻し、プレラミネート後、オートクレーブに投入し、140℃、1.2MPaで30分間処理し、平板窓ガラスを作製した。
<曲面窓ガラスの作製>
縦20cm、横10cm、厚み3mmのガラスの代わりに、時計皿(直径:150mm,曲率半径(R):139.7mm)を用いた以外は、上述の<平板窓ガラスの作製>と同様にして曲面窓ガラスを作製した。
<導電性細線の視認性の官能評価>
黒化液で黒化処理した面側を観察者に向けた窓ガラスを、観察者の目線から約50cm離れた位置に、導電性細線が地面と水平方向に並ぶように窓ガラスを設置し、観察者とガラスを挟んだ反対側の窓ガラス面から5cm離れた位置に地面と水平方向の線発光LEDライトを設置した。LEDライトの光源と、窓ガラス面に対する入光点、観察者の目線とを結ぶ角度が180°、135°、90°、45°の4点になるようLEDライトを設置するとともにガラスが該角度を二等分する角度に配置し、導電性細線の金属光沢が視認される角度の数に応じた下記に示す基準で視認性を評価した。光の有無で細線の見え方が変化する場合に「金属光沢が視認される」と判断した。
A 金属光沢が視認される角度0個;導電性細線はほぼ視認できず、且つ全ての角度で視認性良好。
B 金属光沢が視認される角度0個;導電性細線は視認できるが、全ての角度で視認性良好。
C 金属光沢が視認される角度1−2個;視認性は概ね良好だが、一部角度で視認性不良。
D 金属光沢が視認される角度3−4個;視認性不良。
<曲面追従性評価>
得られた曲面窓ガラスの導電性細線を観察し、下記に示す基準で曲面追従性を評価した。結果を表3に示す。
A 断線なし、且つ細線に大きな変形部なし。
B 5%以下の細線に断線が見られる、又は若干の細線変形あり。
C 20%以下の細線に断線が見られる、又明らかな細線変形あり。
D 20%を超える細線に断線が見られる、又は大きな細線変形あり。
[実施例2]
基材aに代えて基材bを使用した以外は実施例1と同様にして黒化処理された窓ガラス用発熱フィルム、平板窓ガラス、及び曲面窓ガラスを作製した。
[実施例3]
基材aに代えて基材cを使用した以外は実施例1と同様にして黒化処理された窓ガラス用発熱フィルム、平板窓ガラス、及び曲面窓ガラスを作製した。
[実施例4]
細線幅を5μmとした以外は実施例2と同様にして黒化処理された窓ガラス用発熱フィルム、平板窓ガラス、及び曲面窓ガラスを作製した。
[実施例5]
基材aに代えて基材dを使用した以外は実施例1と同様にして黒化処理された窓ガラス用発熱フィルム及び曲面窓ガラスを作製した。
また、平板窓ガラスの作製において、ガラスと本発明の窓ガラス用発熱フィルムとの間にPETフィルム(厚み50μm)を挟んだ以外は実施例1と同様にして平板窓ガラスを作製した。1週間毎にPETフィルムを本発明の窓ガラス用発熱フィルムからはがし、窓ガラス用発熱フィルム中に含まれる可塑剤量を反射IR(ATR)により定量追跡した。その結果、4週間後には可塑剤量が38質量%を超えることを確認した。即ち、基材dを用いた場合、本発明の窓ガラスに遮音性能を付与できることが判明した。
[比較例1]
<低Tg基材:高可塑剤量のポリビニルアセタール樹脂フィルム>
基材aに代えて基材e(融点なし,ガラス転移温度のうち最も高い温度は17℃)を使用した以外は実施例1と同様に行った。実施例1と同様にして導電性細線の形成を試みたが、顕著な断線が見られた。
[比較例2]
<高融点基材:PET>
基材として表2に記載のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(PET層、厚み50μm,融点260℃)を用い、銅箔を接合する際に熱圧着ロールを用いて接合したことに代えて、アクリレート系接着剤を用いて接着したこと以外は実施例1と同様にして、表面に基づく導電性細線を有し黒化処理されたPETフィルム、平板窓ガラス、及び曲面窓ガラスを作製した。
[比較例3]
<導電性細線と基材との接合面のみ黒化処理>
導電性細線を形成した後に窓ガラス用発熱フィルムを黒化処理しなかった以外は、実施例1と同様にして窓ガラス用発熱フィルム、平板窓ガラス、及び曲面窓ガラスを作製した。
[比較例4]
<導電性細線と基材との接合面以外を黒化処理>
黒化処理されていない銅箔面を基材aと接着した以外は、実施例1と同様にして黒化処理された窓ガラス用発熱フィルム、平板窓ガラス、及び曲面窓ガラスを作製した。
上記の通り、本発明の窓ガラス用発熱フィルムは、融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物からなる基材を有するため、曲面追従性に優れ、曲面を有するガラスと積層した場合にも導電性細線の断線は見られなかった。また、本発明の窓ガラス用発熱フィルムは、導電性細線の表面の全ての面が低反射率処理されているため、いずれの方向からの強い光に対しても、予期せぬ光の反射を引き起こすことなく、前方視認性に優れていた。そのため、本発明の窓ガラス用発熱フィルムを用いた窓ガラスは、夜間であっても前方視認性が良好なため、特に自動車フロントガラスに好適である。また、基材としてポリビニルアセタール樹脂を用いた実施例1では、合わせガラス用中間膜との界面における接着性に優れ、光学むらの極めて少ない窓ガラスが得られた。

Claims (24)

  1. 融点およびガラス転移温度の内、最も高い温度が30℃以上180℃以下である樹脂組成物から構成される基材と、該基材上に形成された導電性細線とを有する窓ガラス用発熱フィルムであって、導電性細線の表面の全ての面が低反射率処理されている、窓ガラス用発熱フィルム。
  2. 前記低反射率処理が黒化処理である、請求項1に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  3. 前記基材と前記導電性細線との間に基材との屈折率差が0.01以上の接着剤層を有さない、請求項1または2に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  4. 前記基材と前記導電性細線との間に接着剤層を有さない、請求項1または2に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  5. 前記樹脂組成物が基材の総質量に基づいて80質量%以上のポリビニルアセタール樹脂を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  6. 前記樹脂組成物における可塑剤の量が、ポリビニルアセタール樹脂100質量部に対して20質量部以下である、請求項5に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  7. 前記基材の厚みが10〜250μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  8. 前記ポリビニルアセタール樹脂の、ブルックフィールド型(B型)粘度計を用いて20℃、30rpmで測定された、濃度10質量%のトルエン/エタノール=1/1(質量比)溶液の粘度が200mPa・sより大きい、請求項5〜7のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  9. 前記基材がアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩を含む、請求項5〜8のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  10. 前記導電性細線に接続されたバスバーを有する、請求項1〜9のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  11. バスバーが導電性細線と一体成形されたものである、請求項10に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  12. 前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量としてのビニルアルコール単位の含有量が26〜34モル%である、請求項5〜11のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  13. 前記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量としてのビニルアルコール単位の含有量が12〜26モル%である、請求項5〜11のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  14. 前記導電性細線の断面の形状が少なくとも一対の平行な辺を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  15. 前記導電性細線の断面の形状が四角形である、請求項14に記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  16. 導電性細線はその断面に低反射率処理されていない部分を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の窓ガラス用発熱フィルム。
  17. 請求項10〜16のいずれかに記載のバスバーを有する窓ガラス用発熱フィルムと、バスバーに接続された電極とを有する窓ガラスであって、窓ガラス用発熱フィルムが無機ガラスおよび有機ガラスから選択される少なくとも2枚の透明基板の間に配置されてなる、窓ガラス。
  18. 前記透明基板の少なくとも1枚が無機ガラスである、請求項17に記載の窓ガラス。
  19. 前記窓ガラス用発熱フィルムが前記透明基板と直接接している、請求項17または18に記載の窓ガラス。
  20. 前記少なくとも2枚の透明基板の間に、合わせガラス用中間膜がさらに配置されてなる、請求項17〜19のいずれかに記載の窓ガラス。
  21. 前記合わせガラス用中間膜に含まれるポリビニルアセタール樹脂および可塑剤の合計量が、合わせガラス用中間膜の総質量に基づいて90質量%以上である、請求項20に記載の窓ガラス。
  22. 前記導電性細線が前記合わせガラス用中間膜と直接接している、請求項20または21に記載の窓ガラス。
  23. 前記基材に含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量と前記合わせガラス用中間膜に含まれるポリビニルアセタール樹脂の水酸基量との差が、ビニルアルコール単位のモル%の差として6モル%以下である、請求項21または22に記載の窓ガラス。
  24. 前記合わせガラス用中間膜が、特定波長光遮蔽機能、遮熱機能、遮音機能、発光機能、ディスプレイ機能および二重像防止機能からなる群から選択される少なくとも1つの機能を有する、請求項20〜23のいずれかに記載の窓ガラス。
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