JP2018188154A - 低温液貯留用タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】タンク径及びタンク高さを抑えつつ最大貯液量を増大するように設計された低温液貯留用タンクを提供する。【解決手段】低温液貯留用タンクは、筒状の外槽側板及び外槽屋根板を有する外槽と、外槽側板を取り囲むPC防液堤と、外槽側板の内方に立設された筒状の内槽側板、外槽屋根板の下方に設けられた内槽屋根板、及び内槽側板の上端部と内槽屋根板の周縁部とをつなげるナックルプレートを有する内槽と、を備え、内槽の内部空間に貯留される低温液の設計液面がナックルプレートの下端部と上端部の間に設定され、PC防液堤の上端部が、ナックルプレートの上端部よりも上側にある。【選択図】図1

Description

本発明は、液化天然ガス等の低温液を貯留する低温液貯留用タンクに関する。
従来から、液化天然ガス等の低温液を貯留する低温液貯留用タンクが知られている。例えば、特許文献1には、円筒状のプレストレス・コンクリート(以下、「PC」)防液堤と、該PC防液堤の内方に設けられた外槽と、該外槽の内方に設けられた、低温液が貯留される内槽とを備えた低温液貯留用タンクが開示されている。
PC防液堤は、内槽内に貯留された低温液が漏出した場合に備えて、内槽内の貯留液全量を収容できるように設計されている。外槽は、PC防液堤の内周面に付設された円筒状の外槽側板と、PC防液堤の上端部に周縁部が支持された球面状の外槽屋根板を有している。内槽は、外槽側板の内方に立設された円筒状の内槽側板、外槽屋根板の下方に設けられた球面状の内槽屋根板、及び内槽側板の上端部と内槽屋根板の周縁部とをつなげるナックルプレートを有している。ナックルプレートは、内槽の内圧の作用により円周方向に圧縮力が作用するため、これに接続される内槽側板や内槽屋根板よりも板厚を大きくして強度を確保している。
特開2015−96758号公報
ところで、このような低温液貯留用タンクでは、最大貯液量ができる限り増大するように設計されることが望まれるが、低温液貯留用タンクの高さや径は、容易に大きくすることができないのが現状である。例えば、タンク高さが所定の高さ(例えば60m)を超えた場合、タンクの存在を飛行中の航空機に示すために防爆構造を備えた航空障害灯をタンクに設置する必要が生じ現実的ではない。このため、タンクの高さは、航空障害灯を設置せずにすむ高さに抑えたいという要望がある。また、タンクの径、すなわち内槽の円筒部直径を大きくする場合、ナックルプレートの板厚も大きくなる。ところが、9%Ni鋼等の低温鋼材が用いられるナックルプレートは、所定の厚さを越えると現場溶接部の熱処理を行わねばならず、ナックルプレートが当該所定の厚さ以内となるように内槽円筒部の直径も制限される。このように、タンク高さや内槽円筒部の直径には様々な制約があり、従来のタンクよりも最大貯液量を大きくしたタンクを設計及び製造することは難しいというのが現状であった。
そこで、本発明は、タンク径及びタンク高さを抑えつつ最大貯液量を増大するように設計された低温液貯留用タンクを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る低温液貯留用タンクは、筒状の外槽側板及び外槽屋根板を有する外槽と、前記外槽側板を取り囲むPC防液堤と、前記外槽側板の内方に立設された筒状の内槽側板、前記外槽屋根板の下方に設けられた内槽屋根板、及び前記内槽側板の上端部と前記内槽屋根板の周縁部とをつなげるナックルプレートを有する内槽と、を備え、前記内槽の内部空間に貯留される低温液の設計液面が前記ナックルプレートの下端部と上端部の間に設定され、前記PC防液堤の上端部が、前記ナックルプレートの前記上端部よりも上側にある。
上記の構成によれば、設計液面がナックルプレートの下端部より上側にあるため、設計液面がナックルプレートの下端部より下側にあるように設計されていた従来のタンクに比べて、最大貯液量を増大させることができる。また、PC防液堤の上端部がナックルプレートの上端部よりも上側にあるため、万が一ナックルプレートが破損した場合でもPC防液堤外に低温液が漏れ出ることがない。
また、上記の低温液貯留用タンクにおいて、前記外槽屋根板及び前記内槽屋根板は、略部分球面状であり、前記外槽屋根板の曲率中心が、前記内槽屋根板の曲率中心より下方に位置してもよい。この構成によれば、外槽屋根板の曲率中心が内槽屋根板の曲率中心より下方に位置するため、PC防液堤の上端部がナックルプレートの上端部よりも上側にある場合でも外槽屋根板の頂部を低く保ち、タンク高さを抑えることができる。
また、上記の低温液貯留用タンクは、前記ナックルプレートの前記上端部より上方に放出口を有する受入配管を更に備えてもよい。この構成によれば、受入配管の放出口がナックルプレートの上端部より上方にあるため、ナックルプレートの上端部と下端部の間の高さに液面が存在する場合でも、低温液を確実に気相に放出させることができる。
また、上記の低温液貯留用タンクにおいて、前記受入配管は、前記内槽屋根板を貫通する第1受入配管であり、前記低温液貯留用タンクは、前記内槽屋根板を貫通し、前記内槽の下部に放出口を有する第2受入配管を更に備え、前記第1受入配管は、前記第2受入配管が前記内槽屋根板を貫通する位置よりも前記内槽屋根板の中央側で前記内槽屋根板を貫通してもよい。この構成によれば、第2受入配管を内槽側面に支持しやすくするとともに、第1受入配管が内槽屋根板を貫通する位置から設計液面までの間隔を広げて、第1受入配管の放出口を内槽内の低温液の液面よりも確実に上方に位置付けることができる。
また、上記の低温液貯留用タンクは、前記内槽内で低温液が蒸発したボイルオフガス(以下、「BOG」)を前記内槽屋根板の中央に配置された吸込口から吸い込み、前記内槽の外部に排出するBOG配管であって、前記内槽内を前記吸込口から前記内槽屋根板に沿って径方向外向きに延び、前記ナックルプレートの前記上端部より上方の位置で前記内槽屋根板及び前記外槽屋根板を貫通するBOG配管を更に備えてもよい。この構成によれば、BOG配管が、内槽内を吸込口から内槽屋根板に沿って径方向外向きに延び、ナックルプレートの上端部より上方の位置で内槽屋根板及び外槽屋根板を貫通するため、外槽屋根板の頂部よりも下方にBOG配管を配置させることができる。これにより、タンク高さを抑えつつ、より温度の高い内槽内のBOGをBOG配管を通じて低温液貯留用タンクから排出できる。
また、上記の低温液貯留用タンクにおいて、前記BOG配管は、前記吸込口から前記内槽屋根板に沿って径方向外向きに延びる延伸部と、前記延伸部の端から一旦下方に延び、折り返されて上方に延びるU字湾曲部とを含み、前記U字湾曲部の下部には、BOGがBOG配管内で再液化した液を外部に排出するための孔が形成されていてもよい。この構成によれば、BOGがBOG配管内で再液化した液をBOG配管から確実に排出させることができる。
また、上記の低温液貯留用タンクにおいて、前記U字湾曲部の最下部は、前記ナックルプレートの前記上端部よりも上側にあってもよい。この構成によれば、内槽に貯留された低温液が、前記孔を通ってU字湾曲部内に侵入するのを防ぐことができる。
本発明によれば、タンク径及びタンク高さを抑えつつ最大貯液量を増大するように設計された低温液貯留用タンクを提供することができる。
一実施形態に係る低温液貯留用タンクの概略断面図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明の発明者等は、従来のタンクよりも貯液量を増大させた低温液貯留用タンクの設計を検討した。タンク径やタンク高さを大きくすれば、タンクの貯液量を増大させることができるが、上述のとおり、タンク径やタンク高さには様々な制約があるため、タンク径及びタンク高さを抑えつつ最大貯液量を増大させることが望まれた。
そこで、本発明の発明者等は、従来のタンクの設計液面に着目した。従来のタンクでは設計液面が内槽のナックルプレートより下方に設定されている。しかし、ナックルプレートの高さ範囲内に設計液面を設定することができれば、タンク径及びタンク高さを抑えつつ最大貯液量を増大させることが可能になる。
ナックルプレートまで貯液した場合、ナックルプレートにはガス圧の代わりに液圧が外方に加わることになるため、本発明の発明者等は、ナックルプレートまで貯液した場合の内圧による内槽への影響について検討を行った。従来のタンクのようにナックルプレートより下方に液面がある場合、内槽屋根板や内槽側板は、内圧により内槽外方に膨らみ、それにより内槽屋根板と内槽側板の間のナックルプレートは、内槽内方にへこむように変形する。これに対して、ナックルプレートまで貯液した場合には、ナックルプレートがそれに接続された内槽屋根板や内槽側板と同じように内槽外方へ膨らむように変形することを見出した。ナックルプレートの高さ範囲内まで貯液した場合の内槽の変形は、ナックルプレートより下方に液面がある場合に比べて、内圧によって内槽に生じる応力を緩和する傾向にあるという知見を得た。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
(実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係る低温液貯留用タンクについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態に係る低温液貯留用タンク1の概略断面図である。低温液貯留用タンク1は、液化天然ガス等の低温液が貯留されるタンクである。低温液貯留用タンク1は、円筒状のPC防液堤2と、該PC防液堤2の内方に設けられた外槽3と、該外槽3の内方に設けられた、低温液が貯留される内槽4とを備えている。PC防液堤2、外槽3、及び内槽4は、鉄筋コンクリート製の基礎版5上に設置されている。
外槽3は、外槽底板31、外槽側板32及び外槽屋根板33を有している。外槽3は、外槽底板31、外槽側板32及び外槽屋根板33により、気密構造をなしている。外槽底板31は、基礎版5上に敷設されている。外槽側板32は、円筒状であり、外槽底板31の周縁部から立ち上がるように設けられている。外槽側板32は、それを取り囲むように設けられた円筒状のPC防液堤2の内周面に付設されている。外槽屋根板33は、下方に開口した略部分球面形状であり、外槽屋根板33の周縁部は、PC防液堤2の上端部21に固定されている。
内槽4は、内槽底板41、内槽側板42、内槽屋根板43及びナックルプレート44を有している。内槽4は、内槽底板41、内槽側板42、内槽屋根板43及びナックルプレート44により、液密及び気密構造をなしており、その内部に低温液が貯留される。内槽底板41は、外槽底板31上に保冷材61を介して設けられている。内槽側板42は、円筒状であり、外槽側板32の内方に所定隙間を隔てて立設されている。内槽側板42と外槽側板32の間には、保冷材62が充填されている。内槽屋根板43は、下方に開口した略部分球面形状であり、外槽屋根板33の下方に所定隙間を隔てて設けられている。内槽屋根板43と外槽屋根板33の間には、保冷材63が充填されている。
ナックルプレート44は、内槽側板42の上端部と内槽屋根板43の周縁部とをつなげている。より詳しくは、内槽側板42の上端部がナックルプレート44の下端部に接続されており、ナックルプレート44の上端部が内槽屋根板43の周縁部に接続されている。ナックルプレート44は、内槽側板42の上端部及び内槽屋根板43の周縁部よりも厚く形成されている。ナックルプレート44は、自身の板厚で内圧に耐える構成となっている。
本実施形態において、内槽4に貯留される低温液の設計液面Lは、ナックルプレート44の下端部44bと上端部44aの間に設定されている。ここで、設計液面Lは、内槽4に低温液を貯留することが許容されている最高液面である。また、PC防液堤2の上端部21が、ナックルプレート44の上端部44aよりも上側にある。即ち、図1左側に示すように、PC防液堤2の上端部21の位置HPCは、設計液面Lよりも上側にある。
また、本実施形態では、外槽屋根板33の頂部33aを低くしてタンク高さを抑えるために、外槽屋根板33の曲率中心C1が内槽屋根板43の曲率中心C2より下方(鉛直下方)に位置している。外槽屋根板33と内槽屋根板43の距離が最小となる部分、即ち頂部33a,34aの近傍でも十分な保冷性能が得られるように、曲率中心C1と曲率中心C2の相対位置が設定される。
また、低温液貯留用タンク1は、外部から内槽4に低温液を導く第1受入配管7及び第2受入配管8を備えている。第1受入配管7は、外部から導いた低温液を、内槽4の内部空間の気相に放出し、第2受入配管8は、外部から導いた低温液を、内槽4の内部空間の液相底部に放出する。例えば、重質分が多い低温液を、第1受入配管7を介して内槽24の内部空間の気相に放出させ、重質分が少ない低温液を、第2受入配管8を介して内槽4の内部空間の液相底部に放出させることにより、液相内での成分の均質化が図られる。本実施形態では、第1受入配管7及び/又は第2受入配管8は、低温液貯留用タンク1にそれぞれ1つずつ備えられているが、複数の第1受入配管7又は複数の第2受入配管8が低温液貯留用タンク1に備えられていてもよい。
外槽屋根板33には、第1受入配管7が貫通する第1外貫通孔33bと、第2受入配管8が貫通する第2外貫通孔33cが設けられている。また、内槽屋根板43には、第1受入配管7が貫通する第1内貫通孔43bと、第2受入配管8が貫通する第2内貫通孔43cとが設けられている。第1外貫通孔33bと第1内貫通孔43bは、鉛直方向に並ぶように配置されており、また、第2外貫通孔33cと第2内貫通孔43cは、鉛直方向に並ぶように配置されている。第1外貫通孔33b及び第1内貫通孔43bは、低温液貯留用タンク1を平面視したときに、低温液貯留用タンク1の中心から互いに等しい距離にあるように配置されている。また、第2外貫通孔33c及び第2内貫通孔43cは、低温液貯留用タンク1を平面視したときに、低温液貯留用タンク1の中心から互いに等しい距離にあるように配置されている。なお、低温液貯留用タンク1を平面視したときに、第1内貫通孔43b(又は第1外貫通孔33b)と、第2内貫通孔43c(又は第2外貫通孔33c)と、内槽屋根板43の頂部43a(又は外槽屋根板33の頂部33a)とは、一直線上に並んでいてもよいし、一直線上に並んでいなくてもよい。
第1受入配管7は、外槽屋根板33の上方から、第1外貫通孔33bと第1内貫通孔43bを貫通して下方に延び、その端部には放出口71が設けられている。第1受入配管7は、第1外貫通孔33bにて伸縮管を介して外槽屋根板33に支持されている。また、第1受入配管7は、第1内貫通孔43bにて内槽屋根板43に溶接されている。放出口71は、ナックルプレート44の上端部44aより上方に位置している。このため、ナックルプレート44の下端部44bと上端部44aの間の高さに液面が存在する場合でも、第1受入配管7から低温液を確実に気相に放出させることができる。なお、第1受入配管7は最下部において略水平方向にリング状に展開されていてもよく、この場合、リング状部分に複数の放出口71が形成されていてもよい。
第2受入配管8は、外槽屋根板33の上方から、第2外貫通孔33cと第2内貫通孔43cを貫通して下方に延び、その端部には放出口81が設けられている。第2受入配管8は、第2外貫通孔33cにて伸縮管を介して外槽屋根板33に支持されている。第2受入配管8は、第2内貫通孔43cにて内槽屋根板43に溶接されており、内槽側板42の内周面に固定された支持部材82により支持されている。
本実施形態では、第1内貫通孔43bが第2内貫通孔43cよりも内槽屋根板43の中央側に配置されている。言い換えれば、第1受入配管7は、第2受入配管8が内槽屋根板43を貫通する位置よりも内槽屋根板43の中央側で内槽屋根板43を貫通している。ここで、「内槽屋根板の中央」とは、内槽4を平面視したときの内槽4(内槽側板42)の半径の半分よりも内側を示す。
また、低温液貯留用タンク1は、内槽4内で発生したボイルオフガスを外部に排出するBOG配管9を備えている。BOG配管9は、内槽屋根板43の中央に配置された吸込口91を有しており、当該吸込口91から内槽4内のBOGが吸い込まれる。
外槽屋根板33及び内槽屋根板43には、それぞれ、BOG配管9が貫通する第3外貫通孔33d及び第3内貫通孔43dが鉛直方向に並ぶように設けられている。第3外貫通孔33d及び第3内貫通孔43dは、ナックルプレート44の上端部44aより上方に位置している。BOG配管9は、内槽4内を吸込口91から内槽屋根板43に沿って内槽4の径方向外向きに延び、内槽屋根板43及び外槽屋根板33を貫通している。BOG配管9は、第3外貫通孔33dにて伸縮管を介して外槽屋根板33に支持されている。また、BOG配管9は、第3内貫通孔43dにて内槽屋根板43に溶接されており、内槽屋根板43の下面に固定された複数の支持部材92により支持されている。
BOG配管9は、内槽4内に、吸込口91から内槽4の径方向外向きに延びる延伸部93と、延伸部93における吸込口91とは反対側の端部から一旦下方に延び、折り返されて第3内貫通孔43dに向かって上方に延びるU字湾曲部94とを有する。延伸部93は、必ずしも内槽4の径方向と平行である必要はなく、全体的に見て径方向外向きに延びていればいかなる態様であってもよい。例えば、延伸部93は、平面視して直線状であってもよいし、曲線状の部分を含んでいてもよい。
U字湾曲部94の下部には、ボイルオフガスがBOG配管9内で再液化した液を外部に排出するための孔95が形成されている。延伸部93やU字湾曲部94内でBOGが再液化した液は、U字湾曲部94の下部へと流れ、孔95から排出され、内槽4に貯留された低温液に戻される。
また、U字湾曲部94の最下部は、ナックルプレート44の上端部44aより上側にある。このため、U字湾曲部94に形成された孔95を内槽4内の低温液の液面よりも確実に上方に位置付けることができるため、内槽4に貯留された低温液が、孔95を通ってU字湾曲部94内に侵入するのを防ぐことができる。
以上に説明したように、本実施形態の低温液貯留用タンク1は、設計液面Lがナックルプレート44の下端部44bより上側にあるため、設計液面Lがナックルプレート44の下端部44bより下側にあるように設計されていた従来のタンクに比べて、最大貯液量を増大させることができる。また、PC防液堤2の上端部21がナックルプレート44の上端部44aよりも上側にあるため、万が一ナックルプレート44が破損した場合でもPC防液堤2外に低温液が漏れ出ることがない。
また、本実施形態では、外槽屋根板33の曲率中心C1が内槽屋根板43の曲率中心C2より下方に位置している。このため、PC防液堤2の上端部21がナックルプレート44の上端部44aよりも上側にある場合でも、外槽屋根板33の頂部33aを低く保ち、タンク高さを抑えることができる。
また、本実施形態では、第1内貫通孔43bが第2内貫通孔43cよりも内槽屋根板43の中央側にある。すなわち、第1受入配管7は、第2受入配管8が内槽屋根板43を貫通する位置よりも内槽屋根板43の中央側で内槽屋根板43を貫通している。このため、支持部材82を介して内槽側板42に第2受入配管8を支持しやすくなり、また、第1内貫通孔43bから設計液面までの間隔を広げて、第1受入配管7の放出口71を内槽4内の低温液の液面よりも確実に上方に位置付けることができる。
また、本実施形態では、BOG配管9が、内槽4内を吸込口91から内槽屋根板43に沿って径方向外向きに延び、ナックルプレート44の上端部44aより上方の位置で内槽屋根板43及び外槽屋根板33を貫通するため、外槽屋根板33の頂部33aよりも下方にBOG配管9を配置させることができる。これにより、タンク高さを抑えつつ、より温度の高い内槽4内のBOGをBOG配管9を通じて低温液貯留用タンク1から排出できる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、外槽屋根板33の曲率中心C1が内槽屋根板43の曲率中心C2より下方に位置していたが、これに限られず、外槽屋根板33の曲率中心C1と内槽屋根板43の曲率中心C2とが一致していてもよい。
また、上記実施形態では、第1受入配管7の放出口71がナックルプレート44の上端部44aより上方に配置されているが、これに限られず、例えば第1受入配管7の放出口71が、ナックルプレート44の下端部44bと上端部44aの間にあってもよい。但し、第1受入配管7の放出口71がナックルプレート44の上端部44aより上方に配置されている場合、放出口71から低温液が逆流する虞がないため、特に好ましい。
また、第1受入配管7及び第2受入配管8の配置や構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、第1内貫通孔43bが第2内貫通孔43cよりも内槽屋根板43の中央側に配置されていたが、第2内貫通孔43cと第1内貫通孔43bが、低温液貯留用タンク1を平面視したときに、低温液貯留用タンク1の中心から互いに等しい距離にあるように配置されていてもよい。
また、BOG配管9は上記の構成に限定されず、例えばBOG配管9は、内槽屋根板43の頂部43a及び外槽屋根板33の頂部33aを貫通する構成であってもよい。但し、上記実施形態のように、BOG配管9が、内槽4内を吸込口91から内槽屋根板43に沿って内槽4の径方向外向きに延び、内槽屋根板43及び外槽屋根板33を貫通している場合、BOG配管9を外槽屋根板33の頂部33aよりも下方に配置させることができる。このため、外槽屋根板の頂部を貫通するBOG配管を備えた従来のタンクに比べて、BOG配管9を含めたタンク全体の高さを維持しつつ、内槽4の高さを高くして、最大貯液量をより増大させることができる。
1 低温液貯留用タンク
2 PC防液堤
3 外槽
32 外槽側板
33 外槽屋根板
4 内槽
42 内槽側板
43 内槽屋根板
44 ナックルプレート
7 第1受入配管
71 放出口
8 第2受入配管
81 放出口
9 BOG配管
91 吸込口
L 設計液面
C1,C2 曲率中心

Claims (7)

  1. 筒状の外槽側板及び外槽屋根板を有する外槽と、
    前記外槽側板を取り囲むプレストレス・コンクリート(以下、「PC」)防液堤と、
    前記外槽側板の内方に立設された筒状の内槽側板、前記外槽屋根板の下方に設けられた内槽屋根板、及び前記内槽側板の上端部と前記内槽屋根板の周縁部とをつなげるナックルプレートを有する内槽と、を備え、前記内槽の内部空間に貯留される低温液の設計液面が前記ナックルプレートの下端部と上端部の間に設定され、前記PC防液堤の上端部が、前記ナックルプレートの前記上端部よりも上側にある、低温液貯留用タンク。
  2. 前記外槽屋根板及び前記内槽屋根板は、球面状であり、
    前記外槽屋根板の曲率中心が、前記内槽屋根板の曲率中心より下方に位置する、請求項1に記載の低温液貯留用タンク。
  3. 前記内槽を貫通し、前記ナックルプレートの前記上端部より上方に放出口を有する受入配管を更に備える、請求項1又は2に記載の低温液貯留用タンク。
  4. 前記受入配管は、前記内槽屋根板を貫通する第1受入配管であり、
    前記低温液貯留用タンクは、前記内槽屋根板を貫通し、前記内槽の下部に放出口を有する第2受入配管を更に備え、
    前記第1受入配管は、前記第2受入配管が前記内槽屋根板を貫通する位置よりも前記内槽屋根板の中央側で前記内槽屋根板を貫通する、請求項3に記載の低温液貯留用タンク。
  5. 前記内槽内で低温液が蒸発したボイルオフガス(以下、「BOG」)を前記内槽屋根板の中央に配置された吸込口から吸い込み、前記内槽の外部に排出するBOG配管であって、前記内槽内を前記吸込口から前記内槽屋根板に沿って径方向外向きに延び、前記ナックルプレートの前記上端部より上方の位置で前記内槽屋根板及び前記外槽屋根板を貫通するBOG配管を更に備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の低温液貯留用タンク。
  6. 前記BOG配管は、前記吸込口から前記内槽屋根板に沿って径方向外向きに延びる延伸部と、前記延伸部の端から一旦下方に延び、折り返されて上方に延びるU字湾曲部とを含み、前記U字湾曲部の下部には、BOGがBOG配管内で再液化した液を外部に排出するための孔が形成されている、請求項5に記載の低温液貯留用タンク。
  7. 前記U字湾曲部の最下部は、前記ナックルプレートの前記上端部よりも上側にある、請求項6に記載の低温液貯留用タンク。
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