JP2018185798A - 免震構造の設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】合理的な構造の橋梁を簡易に設計することを可能とした免震構造の設計方法を提案する。【解決手段】上部工を支持する複数の下部工に設けられた複数の免震支承からなる免震構造の設計方法であって、全ての免震支承のすべり面数が同数である場合の動的解析を行い、各下部工の応答塑性率または支承部水平変位量を算出する先行解析工程S1と、先行解析工程の動的解析で算出された応答塑性率または支承部水平変位量に基づいて、1又は2以上の下部工を選択する選択工程S2と、選択工程S2において選択された下部工の免震支承のすべり面数を前回の動的解析から増減させた場合の動的解析を新たに行い、各下部工の応答塑性率または支承部水平変位量を算出する後行解析工程S3とを備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、免震構造の設計方法に関する。
兵庫県南部地震以降、高減衰ゴム系の免震支承、鉛プラグ入り積層ゴム支承、スライド支承等を用いて、長周期化と高減衰化により地震力の低減と耐震性の向上を図る免震構造が採用されている。このうち、スライド支承は、上部構造と下部構造との間に摩擦力が小さいすべり面を有した弾性支承を配置し、このすべり面の摩擦力により地震時に下部構造に作用する水平変位を低減して上部構造に伝達するものである。このようなスライド支承は、一方向の水平変位に対応するのが一般的である。
ところが、地震時の水平変位は必ずしも一方向ではない。そのため、本出願人は、水平全方向の変位に対して、上下2面のすべり面により吸収するスライド支承装置(特許文献1参照)や、3面のすべり面により水平変位を吸収するスライド支承装置(特許文献2参照)を開発し、実用化に至っている。また、すべり面を増やすことで、より大きな水平変位を吸収することができる。
橋梁の免震化を図る場合には、上部工を支持し得る構造で、かつ、想定される地震力に対して十分な耐力を備える下部工および基礎工の設計を行うとともに、地震時に下部工から上部工へ伝達される水平力を所望の範囲内に収めることが可能な免震能力を備えた免震構造(免震支承)の設計を行う必要がある。
従来の橋梁の免震設計は、減衰率が同一の支承を各下部工に設けた場合について、橋梁の支承部水平変位量、応答塑性率、せん断力等が許容値に収束するように、支承の形状(面積、厚み等)および下部工の構造(形状寸法や強度等)を変化させながら地震時の応答解析を繰り返し行う必要があった(収束計算)。
特開2014−181522号公報 特開2015−045348号公報
前記従来の橋梁免震化の設計方法では、各下部工や各免震支承に作用(分散)する力を算出するとともに、各下部工および各免震支承の応答塑性率や変位量等が許容値に収束するように個々に設計する必要がある。一方、構成要素(下部工や免震支承)のうちの1つを変更すると、他の構成要素についても調整する必要があった。そのため、下部工や免震支承の寸法や強度等を変化させながら動的解析を多数回行う必要があるため、手間と時間を要していた。特に橋脚の数が多い橋梁の場合には、必然的に、動的解析を行う回数も増加する。また、所定の耐震性を下部工によって確保しようとすると、下部工の構造が大きくなるおそれがあった。
このような観点から、本発明は、合理的な構造の橋梁を簡易に設計することを可能とした免震構造の設計方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明は、上部工を支持する複数の下部工に設けられた複数の免震支承からなる免震構造の設計方法であって、前記各下部工の応答塑性率または支承部水平変位量を動的解析により算出する先行解析工程と、前記先行解析工程で算出された応答塑性率または支承部水平変位量に基づいて1または2以上の下部工を選択する選択工程と、前記選択工程において選択された前記下部工の免震支承のすべり面数を前回の動的解析から増加または減少させた場合の動的解析を新たに行い、前記各下部工の応答塑性率または支承部水平変位量を算出する後行解析工程とを備えている。先行解析工程では、全ての前記免震支承のすべり面数が同数である場合の動的解析を行ってもよいし、少なくとも一つの免震支承のすべり面数が他の免震支承のすべり面数と異なっている場合の動的解析を行ってもよい。なお、動的解析を行う際の免震支承のすべり面数には、0(ゼロ)面も含めるものとする。
かかる免震構造の設計方法によれば、先行解析工程の解析結果に基づいて選択された下部工のみの免震支承のすべり面数を変化させるため、各下部工および各支承を詳細に設計し直す従来の設計方法に比べて、作業の手間を大幅に削減することができる。また、下部工の構造自体を調整する必要がないため、下部工の構造が必要以上に大きくなることもない。したがって、合理的な構造を簡易に設計することができる。
また、前記先行解析工程では、前記免震支承のすべり面数が複数の場合について解析を行うのが望ましい。この場合には、前記選択工程において、応答塑性率または支承部水平変位量が他の下部工に比べて大きい下部工を選択し、前記後行解析工程では、選択された前記下部工の免震支承のすべり面数を減少させればよい。
本発明の橋梁の設計方法によれば、合理的な構造の橋梁を簡易に設計することが可能となる。
本発明の実施形態に係る橋梁を示す側面図である。 すべり支承の概要を示す図であって、(a)はすべり面が2面のすべり支承、(b)すべり面が3面のすべり支承である。 免震構造の設計方法を示すフローチャート図である。 図1に示す橋梁について動的解析を行った結果を示すグラフであって、(a)は支承部水平変位量、(b)は応答塑性率である。 免震構造設計装置を示すブロック図である。
<第一実施形態>
第一実施形態では、橋梁1の免震構造の設計方法について説明する。本実施形態の橋梁1は、例えば、図1に示すように、上部工2を一対の橋台31,37と、5つの橋脚32〜36により支持している。本実施形態の橋梁1では、中央の橋脚34が、他の橋脚に比べて高さが低いが、橋梁1の形状は限定されるものではない。橋梁1の免震化は、上部工2と、下部工3(橋台31,37および橋脚32〜36)との間に免震支承(すべり支承)4を介設することにより行う。なお、上部工2は、必要に応じて強度を高めるとともに断面寸法を小さいものに変更することで、軽量化を図ってもよい。また、本実施形態では、既設の下部工3をそのまま使用するが、必要に応じて下部工3に対して増し厚コンクリートやせん断補強鉄筋等の補強工を施工してもよい。
ここで、支承とは、上部工2を支持するとともに、上部工2等の上載荷重を下部工3に伝達する部材である。すべり支承とは、地震時等の横方向の力が作用した際に、低摩擦のすべり材が平滑な板面(すべり面41)を滑ることにより横方向の力を吸収するように構成された支承である。すべり面数が2面のすべり支承42は、図2(a)に示すように、すべり支承42の上部と下部にそれぞれすべり面41が設けられている。また、すべり面数が3面のすべり支承43には、図2(b)に示すように、すべり支承43の上部と下部に加え、中間部にもすべり面41が配設されている。
本実施形態の免震構造の設計方法は、図3に示すように、先行解析工程S1と、選択工程S2と、後行解析工程S3と、判定S4とを備えている。
先行解析工程S1では、全ての免震支承4のすべり面数を3面として動的解析を行う。本実施形態では、動的解析により各下部工3の応答塑性率を算出する。なお、本実施形態では、橋軸方向の応答塑性率を算出するが、応答塑性率の方向は限定されるものではない。また、応答解析では、応答塑性率に代えて支承部水平変位量を算出してもよいし、応答塑性率と支承部水平変位量との両方を算出してもよい。また、先行解析工程S1における免震支承4のすべり面数は3面に限定されるものではなく、2面であってもよい。すなわち、例えば、現地状況や既設の橋梁1の形状等により支承部水平変位量が制限されている場合には、すべり面数を2面にしておくことで、地震時等の支承部水平変位量を制限してもよい。
選択工程S2では、先行解析工程S1で算出された応答塑性率に基づいて、応答塑性率が他の下部工3の応答塑性率に比べて大きい下部工3(本実施形態では、橋脚34)を選択する。なお、選択工程S2における下部工3の選択基準は限定されるものではなく、例えば、他の下部工3の応答塑性率と比べて比較的大きく異なっている下部工3を選択すればよい。また、選択工程S2では、応答塑性率に代えて、支承部水平変位量によって、選択する下部工3を決定してもよい。
後行解析工程S3は、橋梁1の動的解析を再度行う工程である。後行解析工程S3では、選択工程S2において選択された下部工3(橋脚34)の免震支承4のすべり面数を2面(先行解析工程S1から1面減らした数)に減らした状態で解析を行う。このとき、他の下部工3(橋台31,37、橋脚32、33、35、36)に設けられた免震支承4のすべり面数は、先行解析工程S1から変更しないもの(3面のまま)とする。
判定S4は、橋梁1の免震性能を確認する工程である。本実施形態では、後行解析工程S3の動的解析結果に基づいて、全ての下部工3の応答塑性率が許容値以下であることを確認する。全ての下部工3の応答塑性率が許容値以下であることが確認されたら、終了する。一方、応答塑性率が許容値を上回る下部工3がある場合には、橋脚34のすべり面数をさらに減らした状態(すべり面数を1面にした状態)で解析を再度行う(再度、後行解析工程S3を実行する)。なお、後行解析工程S3は、橋脚34(選択工程S2において選択された下部工3)のすべり面数がゼロ面になるまで繰り返してもよい。
本実施形態の免震構造の設計方法によれば、先行解析工程S1の解析結果に基づいて選択された下部工3(橋脚34)のみについて、免震支承4のすべり面数を変化させるため、各部材(下部工本体、基礎工および免震支承4)の条件を適宜調整する従来の設計方法に比べて、作業の手間を大幅に削減することができる。すなわち、複数の免震支承4の適切な組み合わせを行うことによって、橋梁1全体の減衰効果を向上させるとともに、水平反力が集中し易い下部工3の水平力を他の下部工3に分散させることができる。また、免震支承4の性能により、橋梁1に必要な免震性能を確保しているため、下部工3が過大設計になることもない。したがって、橋梁1を合理的な構造にすることができる。
また、選択された下部工3(橋脚34)の免震支承4のすべり面数(免震性能)を減らすことにより調整しているため、すべり面数の変更による他の下部工3への影響が少ない。そのため、すべり面数の変更により生じた影響の調整に要する手間を省略あるいは低減することができ、ひいては、設計に要する手間および時間を削減することができる。
なお、橋梁1の免震設計では、全ての下部工3に対して、応答塑性率(水平変位量)が略均等に作用(分散)するように設計するのが望ましい。
図1に示す橋梁1について、動的解析を行った計算例を示す。本計算例では、表1に示すように、全ての免震支承4のすべり面数を2面にした場合(実施例1)、全ての免震支承4のすべり面数を3面にした場合(実施例2)、橋脚34の免震支承4のすべり面数のみを2面とし、その他の免震支承4のすべり面数を3面にした場合(実施例3)、橋脚34の免震支承4のみのすべり面数を1面とし、その他の免震支承4のすべり面数を3面にした場合(実施例4)について、それぞれ動的解析を行い、支承部水平変位量と橋脚の応力塑性率を算出した。また、比較例1として、全ての免震支承4を積層ゴム支承にした場合についても同様に動的解析を行った。
解析モデルは、上部工2を全断面剛性の線形部材とし、橋脚(下部工3)の塑性ヒンジ部はM−θの非線形バネ要素とした。また、入力時振動は、道路橋示方書・同解説(公益社団法人日本道路協会、2012年4月)に示されている標準波(II種地盤、レベル2地震動、タイプ1及びタイプ2)6波を用いて、橋軸方向及び橋軸直角方向に対して解析を実施した。
すべり支承は、いわゆるすべり系ゴム支承であって、摩擦抵抗を超えてからゴムが変形し始めるように摩擦抵抗を考慮したバイリニア型のバネ要素とした。なお、すべり支承は、物理的に摩擦抵抗が働くうちは支承が動かないため、一次剛性は剛塑性が無限大となるが、解析を行う上では便宜的に支承降伏時の水平変位を2mmと仮定した降伏点を一次剛性としてモデル化した。
積層ゴム支承は、鉛プラグの剛性を合わせた時に剛性を有するバイリニア型のバネ要素としてモデル化した。
解析結果を図4(a)および(b)に示す。
Figure 2018185798
図4(a)に示すように、免震支承4として、すべり支承(実施例1,2)を採用することで、積層ゴム支承(比較例1)よりも変位量を低減できることが確認できた。また、実施例1,2の結果から、免震支承4のすべり面数を増加することで、より効果的に支承部水平変位量を低減できることが確認できた。図4(b)に示すように、応答塑性率は、比較例1と実施例1との間に大きな差がなかったが、すべり面数を3面(実施例2)にすることで、応答塑性率を低減できることが確認できた。
図4(b)に示すように、実施例2について各橋脚32〜36の応答塑性率で比較すると、中央の橋脚34の負担が大きいことが確認できた。なお、図4(a)に示すように、支承部水平変位量でも、わずかではあるが、中央の橋脚34の負担が大きいことが確認できた。実施例3では、中央の橋脚34のすべり面数を2面に減らすことで、橋脚34の負担が他の橋脚に分散されるため、応答塑性率の均等化を図れることができた。なお、橋脚34のすべり面数の1面にして他の橋脚に分散させると、橋脚32,35,36の負担が大きくなりすぎる結果となった(実施例4)。そのため、本実施形態の橋梁1では、橋脚34のすべり面数を2面とし、その他の橋脚のすべり面数を3面にするのが望ましい。
<第二実施形態>
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、橋梁1の免震構造の設計方法について説明する。第二本実施形態の橋梁1は、例えば、図1に示すように、上部工2を一対の橋台31,37と、5つの橋脚32〜36により支持している。本実施形態の橋梁1では、中央の橋脚34が、他の橋脚に比べて高さが低いが、橋梁1の形状は限定されるものではない。橋梁1の免震化は、上部工2と、下部工3(橋台31,37および橋脚32〜36)との間に免震支承(すべり支承)4を介設することにより行う。なお、上部工2は、必要に応じて強度を高めるとともに断面寸法を小さいものに変更することで、軽量化を図ってもよい。また、本実施形態では、既設の下部工3をそのまま使用するが、必要に応じて下部工3に対して増し厚コンクリートやせん断補強鉄筋等の補強工を施工してもよい。
本実施形態の免震構造の設計方法は、図3に示すように、先行解析工程S1と、選択工程S2と、後行解析工程S3と、判定S4とを備えている。
先行解析工程S1では、他の下部工3に比べて応答塑性率が大きく異なっていることが予想される下部工3(本実施形態では橋脚34)のすべり面数を2面とし、その他の免震支承4のすべり面数を3面として動的解析を行う。なお、各免震支承4のすべり面数は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。すなわち、各下部工3毎に適宜すべり面数を決定してもよい。例えば、橋脚34の次に高さが小さい橋脚36のすべり面数も2面としてもよいし、橋脚34のすべり面を1面、橋脚36のすべり面2面、その他の免震支承4のすべり面を3面にしてもよい。
本実施形態では、動的解析により各下部工3の応答塑性率を算出する。なお、本実施形態では、橋軸方向の応答塑性率を算出するが、応答塑性率の方向は限定されるものではない。また、応答解析では、応答塑性率に代えて支承部水平変位量を算出してもよいし、応答塑性率と支承部水平変位量との両方を算出してもよい。
選択工程S2では、先行解析工程S1で算出された応答塑性率に基づいて、応答塑性率が他の下部工3の応答塑性率に比べて大きい下部工3(本実施形態では、橋脚34)を選択する。なお、選択工程S2における下部工3の選択基準は限定されるものではなく、例えば、他の下部工3の応答塑性率と比べて比較的大きく異なっている下部工3を選択すればよい。また、選択工程S2では、応答塑性率に代えて、支承部水平変位量によって、選択する下部工3を決定してもよい。
後行解析工程S3は、橋梁1の動的解析を再度行う工程である。後行解析工程S3では、選択工程S2において選択された下部工3(橋脚34)の免震支承4のすべり面数を先行解析工程S1から1面減らした数(本実施形態では1面)に減らした状態で解析を行う。このとき、他の下部工3(橋台31,37、橋脚32、33、35、36)に設けられた免震支承4のすべり面数は、先行解析工程S1から変更しないもの(3面のまま)とする。
判定S4は、橋梁1の免震性能を確認する工程である。本実施形態では、後行解析工程S3の動的解析結果に基づいて、全ての下部工3の応答塑性率が許容値以下であることを確認する。全ての下部工3の応答塑性率が許容値以下であることが確認されたら、終了する。一方、応答塑性率が許容値を上回る下部工3がある場合には、橋脚34のすべり面数をさらに減らした状態(すべり面数を1面にした状態)で解析を再度行う(再度、後行解析工程S3を実行する)。なお、後行解析工程S3は、減少させる免震支承4(橋脚34)のすべり面数がゼロ面になるまで繰り返すことができる。
本実施形態の免震構造の設計方法によれば、第一の実施形態の免震構造の設計方法と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、本発明の免震構造の設計方法の対象となる橋梁は、既設の橋梁であってもよいし、新設の橋梁であってもよい。新設の橋梁に適用した場合には、免震支承4によって地震時の水平力を吸収するため、上部工2および下部工3の耐力を必要最小限に抑えることができ、経済的かつ合理的な橋梁設計が可能となる。
また、橋梁の設置個所や規模等は限定されるものではない。また、橋梁の種類は限定されるものではなく、例えば、河川や渓谷等を越えるいわゆる橋梁の他、高架橋、桟橋等も含むものとする。
前記実施形態では、先行解析工程S1において免震支承4のすべり面数が複数である場合について説明したが、先行解析工程S1において全てまたは一部の免震支承4のすべり面数を1面またはゼロ面としてもよい。また、後行解析工程S3では、選択された下部工3の免震支承4のすべり面数を増加してもよい。
前記実施形態では、選択工程S2において選択する下部工3が1つであったが、選択工程S2では、複数の下部工3を選択してもよい。なお、選択工程S2において複数の下部工3を選択した場合には、選択された複数の下部工3のすべり面数は同一として後行解析工程S3を実行する。また、選択工程S2において複数の下部工3を選択した場合において、後行解析工程S3を複数回実行する場合には、2回目以降の後行解析工程S3においてすべり面数を変更する下部工3は、選択工程S2で選択された複数の下部工3のうちの一部のみであってもよい。
判定S4において全ての下部工3の応答塑性率が許容値以下であることが確認された場合であっても、再度、後行解析工程S3を実施してもよい。このように、選択された下部工3(橋脚34)について、すべり面数を2面にした場合と、1面にした場合との両方について解析を行うことで、必要な免震性能を確保することに加え、より経済的、かつ、合理的な橋梁(免震構造)を設計することができる場合がある。選択された橋脚34のすべり面数を2枚にして解析を行った結果、全ての下部工3が許容値をクリアした場合であっても、橋脚34のすべり面数を1枚に減らした場合の方が、各下部工3に対して応力が均等に作用する場合がある。
免震構造の設計には、免震構造設計装置5を利用してもよい。免震構造設計装置5は、いわゆるパーソナルコンピュータからなり、例えば、図5に示すように、橋梁データ入力部51、橋梁データ記憶手段52、動的解析部53、判定部54、橋梁データ出力部55、下部工選択部56およびすべり面数更新部57を備えたものを使用すればよい。橋梁データ入力部51は、ユーザの操作によって橋梁データや操作指示を入力するための手段であって、例えば、キーボードやマウス等によって構成されたものである。なお、橋梁データは、メモリカードやCD−ROM等から読み込んでもよい。橋梁データ記憶手段52は、橋梁データ入力部51を介して入力された橋梁データ(橋梁延長、上部工構造、下部工構造、基礎構造、支承構造等)や、解析結果等を保存するものである。動的解析部53は、開始指示に応じて、橋梁データ記憶手段52に保存されたデータを利用して動的解析を行うものである。判定部54は、動的解析部53の解析結果に基づいて、免震構造の安全性を確認するものである。下部工選択部56は、複数の下部工3の中から、すべり面数を変更する下部工3を選択するものである。すべり面数更新部57は、下部工選択部56によって選択された下部工3のすべり面数を変更して、その結果を動的解析部53に送信するものである。橋梁データ出力部55は、解析結果や橋梁データを出力する手段であって、例えば、モニターやプリンター等によって構成されたものである。
免震構造設計装置5を利用した免震構造の設計では、まず、橋梁データ入力部51を利用して、設計前の橋梁データ(上部工構造、下部工構造等)を入力し、橋梁データ記憶手段52に記憶しておく。このとき、全ての免震支承4のすべり面数を同一にしておく。
次に、開始指示により免震構造設計装置5は動的解析部53を起動させて、動的解析を行う(先行解析工程S1)。動的解析部53は、動的解析後に解析結果を判定部54に送信し、判定部54を起動する。判定部54は、応答塑性率が許容値を超える下部工3の有無を判定する。このとき、必要応じて橋梁データ出力部55が解析結果および判定結果を出力する。また、解析結果は、橋梁データ記憶手段52に保存する。
判定部54による判定の結果、下部工3の一部または全てが許容値を超えている場合には、判定部54は、下部工選択部56を起動する。下部工選択部56は、他の下部工3の応答塑性率に比べて大きい下部工3を選択する(選択工程S2)。
下部工選択部56は、下部工3を選択したら、すべり面数更新部57を起動する。すべり面数更新部57は、下部工選択部56によって選択された下部工3のすべり面数を更新する(減らす)。すべり面数更新部57は、すべり面数の更新結果を橋梁データ記憶手段52に送信するとともに、動的解析部53に再解析指示を送信する。動的解析部53は、再解析指示により、すべり面数が更新された橋梁データに基づいて、再度動的解析を行う(後行解析工程S3)。
動的解析部53による動的解析が終了すると、動的解析部53は判定部54を再起動する。判定部54は、応答塑性率が許容値を超える下部工3の有無を判定する(判定S4)。判定の結果、全ての下部工3の応答塑性率が許容値以下であることが確認されたら、橋梁データ出力部55によって設計後の橋梁データを出力されて、終了する。一方、下部工3の一部または全てが許容値を超えている場合には、判定部54は、下部工選択部56を起動し、再度、下部工3の選択、すべり面数の更新および動的解析を実行する。
1 橋梁
2 上部工
3 下部工
31,37 橋台
32〜36 橋脚
4 免震支承(すべり支承)
S1 先行解析工程
S2 選択工程
S3 後行解析工程
S4 判定

Claims (4)

  1. 上部工を支持する複数の下部工に設けられた複数の免震支承からなる免震構造の設計方法であって、
    前記各下部工の応答塑性率または支承部水平変位量を動的解析により算出する先行解析工程と、
    前記先行解析工程で算出された応答塑性率または支承部水平変位量に基づいて1または2以上の下部工を選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択された前記下部工の免震支承のすべり面数を前回の動的解析から増加または減少させた場合の動的解析を新たに行い、前記各下部工の応答塑性率または支承部水平変位量を算出する後行解析工程と、を備えていることを特徴とする、免震構造の設計方法。
  2. 前記先行解析工程において、全ての前記免震支承のすべり面数が同数である場合の動的解析を行うことを特徴とする、請求項1に記載の免震構造の設計方法。
  3. 前記先行解析工程では、前記各免震支承のすべり面数が複数であり、
    前記選択工程では、応答塑性率または支承部水平変位量が、他の下部工に比べて大きい下部工を選択し、
    前記後行解析工程では、選択された前記下部工の免震支承のすべり面数を減少させることを特徴とする、請求項2に記載の免震構造の設計方法。
  4. 前記先行解析工程または前記後行解析工程において、前記複数の免震支承のうちの少なくとも一部の免震支承のすべり面数がゼロ面であることを特徴とする、請求項1に記載の免震構造の設計方法。
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