JP2018185022A - 回転軸装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の動力伝達部に関して、回転部を覆う覆い部の構造が複雑化することの防止を図りつつ、低温時の暖機効率向上と高温時のオイル冷却効率向上との両立を図る。
【解決手段】本発明に係る回転軸装置は、動力源から伝達される動力によって回転する軸部と、軸部の回転が伝達されて前記軸部の外周において回転する回転部と、回転部の周囲を覆い内側にオイルが供給される覆い担部を有し、覆い担部において軸部の軸直交方向に貫通された開口が形成された覆い部とを備え、オイルの温度上昇に応じて覆い部の一部の軸部に対する結合度が高まり覆い部が軸部と共に回転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力源から伝達される動力によって回転する軸部と、軸部の回転が伝達されて軸部の外周において回転する回転部と、回転部の周囲を覆う覆い部とを備えた回転軸装置に関し、特に、低温時における暖機効率向上と高温時における冷却効率向上との両立を図るための技術分野に関する。
特開2010−96272号公報
車両の動力伝達装置として、例えばエンジンとしての動力源から伝達される動力によって回転する軸部と、軸部の回転が伝達されて軸部の外周において回転する回転部(例えばギヤ等)と、回転部の周囲を覆う覆い部(例えばバッフル)とを備えた動力伝達装置が知られている。
上記特許文献1には、上記の回転部としてベルト式無段変速機のプーリ(プライマリプーリ、セカンダリプーリ)を備え、上記の覆い部としてプーリとベルトとを覆うベルトケースを備えた動力伝達装置が開示されている。
このような動力伝達装置では、ベルトに供給されて高温となったオイル(潤滑油)がベルトケースに付着することでオイルの熱がベルトケースに奪われることにより、高温となったオイルの冷却が行われる。
但し、上記構成によると、高温となったオイルを効率的に冷却できる一方、低温時に暖機を行いたいときにもオイルの熱がベルトケースによって奪われてしまうため、暖機に比較的長い時間を要してしまう。暖機に長時間を要してしまうと、高粘度のオイルに起因して動力伝達装置の伝達効率が低い状態で維持されてしまい、エンジンを動力源とする車両においては燃費の悪化を招来する。
この点に鑑み、特許文献1では、回転部と覆い部との間に温度により変形するガイド板を回転部の周囲を覆うように複数設け、オイルが低温のときはガイド板が回転部により飛散されるオイルの飛散方向に略直交し、オイルが高温のときは上記飛散方向に略平行となる構成を提案している。これにより、低温時には回転部が飛散するオイルが覆い部に付着し難くなり、オイルの熱が奪われ難くなって暖機効率の向上が図られる。
しかしながら、特許文献1の構成によると、回転部と覆い部との間に熱変形部材を複数配置することを要し、覆い部の内側構造が複雑化してしまう。
そこで、本発明は上記した問題点を克服し、車両の動力伝達部に関して、回転部を覆う覆い部の構造が複雑化することの防止を図りつつ、低温時の暖機効率向上と高温時のオイル冷却効率向上との両立を図ることを目的とする。
本発明に係る回転軸装置は、車両の回転軸装置であって、動力源から伝達される動力によって回転する軸部と、前記軸部の回転が伝達されて前記軸部の外周において回転する回転部と、前記回転部の周囲を覆い内側にオイルが供給される覆い担部を有し、前記覆い担部において前記軸部の軸直交方向に貫通された開口が形成された覆い部と、を備え、前記オイルの温度上昇に応じて前記覆い部の一部の前記軸部に対する結合度が高まり前記覆い部が前記軸部と共に回転するものである。
オイルが低温であれば覆い部の一部と軸部との結合度が低くされ、覆い部は軸部の回転に拘わらず無回転状態又は略無回転状態とされる。覆い部が無回転状態又は略無回転状態とされることで、回転部が飛散するオイルは覆い担部により遮られ易くなり、覆い担部内のオイル貯留量が増加傾向となる。すなわち、熱源としての回転部からオイルへの熱伝達効率が高まる。
一方、オイルが高温であれば覆い部の一部と軸部との結合度が高まって覆い部は軸部と一体回転又は略一体回転する。覆い部が軸部と一体回転又は略一体回転することにより、回転部により飛散され覆い担部の内面に付着したオイルは該内面に対して遠心力により押圧される。このようにオイルが覆い担部の内面に押圧されることで、覆い担部の開口を介したオイルの排出が助長され、動力伝達部外筐にオイルが付着し易くなる。すなわち、オイルと動力伝達部外筐との熱交換が助長されて冷却効率が高まる。
この際、開口を介したオイル排出が助長されるか否かは覆い部が軸部と一体回転又は略一体回転するか否かにより切り替わるため、覆い部の構造を複雑化する必要はない。
上記した本発明に係る回転軸装置においては、前記軸部、又は前記覆い部の少なくとも前記一部が熱膨張することにより前記結合度が高まる構成とすることが可能である。
これにより、オイル温度に応じて結合度を調整するための係脱機構等の追加構成を別途に具備する必要がなくなる。
上記した本発明に係る回転軸装置においては、前記軸部と前記覆い部の前記一部との間にオイルを吐出する吐出口を有する構成とすることが可能である。
これにより、低温時において軸部と覆い部の一部との間に形成される間隙に対してオイルを充填することが可能とされる。
上記した本発明に係る回転軸装置においては、前記覆い部の一部の前記軸部に対する係合/係合解除を行う係脱機構と、前記係脱機構を前記オイルの温度に応じて制御する係脱制御部と、を備えた構成とすることが可能である。
これにより、低温時に覆い部を無回転状態とし、高温時に覆い部を軸部と一体回転させることが容易となる。
上記した本発明に係る回転軸装置においては、前記覆い部には、前記開口の外側において前記開口に対向して位置された遮蔽面を有する遮蔽部が設けられた構成とすることが可能である。
これにより、覆い部内側から開口に向けて飛散されたオイルは遮蔽面に付着される。
上記した本発明に係る回転軸装置においては、前記遮蔽面は、前記軸部の軸周方向における先端に近づくほど軸直交方向外側に変位する面とされた構成とすることが可能である。
これにより、覆い担部の内面にオイルが押圧されるオイル高温時において、遮蔽面を介してオイルが排出され易くなる。
上記した本発明に係る回転軸装置においては、前記軸部は、前記動力源からの入力トルクを駆動輪に伝達する構成とすることが可能である。
これにより、動力源から駆動輪までの間の動力伝達部におけるオイルについて、低温時には覆い担部内側にオイルが貯留され易くなり、高温時には覆い部外部にオイルが排出され易くなるという作用が得られる。
上記した本発明に係る回転軸装置においては、前記回転部が遊星歯車機構とされた構成とすることが可能である。
回転部が係合要素を含むため、覆い担部内側において熱源からの熱を直接的にオイルに伝達することが可能とされる。
本発明によれば、車両の動力伝達部に関して、回転部を覆う覆い部の構造が複雑化することの防止を図りつつ、低温時の暖機効率向上と高温時のオイル冷却効率向上との両立を図ることができる。
実施形態としての回転軸装置を備えた動力伝達装置の要部の概略縦断面図である。 実施形態としての回転軸装置を備えた動力伝達装置の要部を図1に示すA−A’線の位置で切断した概略縦断面図である。 低温時における軸部と覆い部との結合度について説明するための図である。 高温時における軸部と覆い部との結合度について説明するための図である。 低温時における覆い担部内側でのオイル飛散態様を模式的に表した図である。 高温時における覆い担部内側でのオイルの様子を模式的に表した図である。 軸部と覆い部の一部との間にオイルを吐出する吐出口の例について説明するための図である。 軸部と覆い部の結合度を温度に応じて変化させる構成についての変形例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態としての回転軸装置を備えた動力伝達装置1について説明する。
図1は、動力伝達装置1の本発明に係る要部の概略縦断面図であり、図2は動力伝達装置1の該要部を図1に示すA−A’線の位置で切断した概略縦断面図である。
動力伝達装置1は、車両において動力源としてのエンジンから駆動輪までの動力伝達経路中に挿入され、本例では、複数の遊星歯車機構の組み合わせにより前進n段(ただしnは2以上の自然数)及び後退1段の多段変速を行う自動変速機を有した動力伝達装置とされている。
実施形態の回転軸装置は、図中の軸部2、回転部3、及び覆い部4を少なくとも有するものである。
動力伝達装置1は、外筐1aを備えると共に、外筐1aの内側において、エンジンから伝達される動力によって回転する軸部2と、軸部2の回転が伝達されて軸部2の外周において回転する回転部3と、回転部3の周囲を覆う覆い担部41を有し、覆い担部41において軸部2の軸直交方向に貫通された複数の第一開口K1が形成された覆い部4と、覆い担部41の内側にオイルを供給するオイル供給部5と、軸部2の軸方向における覆い部4の位置を規制するためのスナップリング6とを備えている(図1及び図2参照)。
ここで、以下の説明において、「軸方向」「軸直交方向」「軸周方向」は、特に断りがなければ軸部2の「軸方向」「軸直交方向」「軸周方向」をそれぞれ指すものとする。
軸部2は、例えば鉄等の金属製とされ、例えば動力伝達装置1が備えるトルクコンバータからの動力が伝達される。
回転部3は、本例では上記した自動変速機を構成する複数の遊星歯車機構のうち一つの遊星歯車機構の各ギヤ(サンギヤ、複数のピニオンギヤ、及びリングギヤ)とされている。この場合、回転部3の一部として設けられたサンギヤ、複数のピニオンギヤ、及びリングギヤの各ギヤについて、サンギヤは、軸部2に対して軸部2と同軸に連結され、軸部2からの動力が伝達されて軸部2の外周において軸部2と同軸に回転する。また、複数のピニオンギヤは、サンギヤからの動力が伝達されてサンギヤの外周(すなわち軸部2の外周)において回転し、リングギヤはサンギヤ及びピニオンギヤを介して動力が伝達されてピニオンギヤの外周(すなわち軸部2の外周)において軸部2と同軸に回転する。
なお、回転部3は遊星歯車機構を構成するギヤに限定されるものではなく、例えば軸部2を構成する棒状部材の一部を大径とした部分を回転部3とする等、軸部2の回転が伝達されて軸部2の外周において回転するものであればよい。軸部2には、軸部2に連結されたギヤ等の係合要素で生じる熱が伝達されるため、上記のような大径部分を回転部3とした場合においても係合要素で生じた熱を覆い部4内(覆い担部41内)においてオイルに伝達することができる。
遊星歯車機構を回転部3とする場合のように回転部3が係合要素を含むものとすれば、覆い部4内において熱源からの熱を直接的にオイルに伝達することが可能となるため、暖機効率の向上を図る上で望ましい。
覆い部4は、例えば鉄等の金属或いは樹脂等で構成され、上記した覆い担部41を備える共に、覆い担部41と連接され軸部2によって支持される部分としての略輪状による被支持部42とを有している(図1参照)。被支持部42は、内周側の面が被支持面42aとして形成され、被支持面42aの少なくとも一部が軸部2の外周面と当接して覆い部4が軸部2により支持される。
本例において、軸部2は、軸方向におけるスナップリング6と回転部3との間に位置する一部が大径化されて該一部が段部2aとして形成されており、被支持部42は軸方向において段部2aとスナップリング6との間に位置されている。これにより、覆い部4の軸方向における位置が規制されている。
以下、軸方向に関して、覆い部4から見てスナップリング6が位置する側の方向を便宜的に前方向と定義し、前方向とは逆方向を後方向と定義する。
覆い担部41は、被支持部4の後端から外周方向に延設された略円盤状の第一覆い面部41aと、第一覆い面部41aの外周端から軸方向に延設された略輪状の第二覆い面部41bと、第二覆い面部41bの後端から内周方向に延設された第三覆い面部41cとを有している。第一覆い面部41aは回転部3の前側を覆い、第二覆い面部41bは回転部3の外周を覆い、第三覆い面部41cは回転部3の後側を覆っている。
第三覆い面部41cは、軸方向に貫通された排出口Kdが中央部に形成されている。排出口Kdの略中央には軸部2が挿通され、排出口Kdにおいて軸部2が挿通された部分より外周の部分には第三覆い面部41cとの間の間隙が生じている。該間隙により、覆い担部41内側に貯留されたオイルを外部に排出可能とされている。
第二覆い面部41bには、複数の第一開口K1が軸周方向に沿って形成されている(図1及び図2参照)。本例では、軸周方向に沿って配列された複数の第一開口K1の1組を第一開口列としたとき、第二覆い面部41bには第一開口列が軸方向に複数列形成されている(図1では2列の例を示している)。
なお、一つの第一開口列における第一開口K1の数は複数に限らず単数とすることもできる(例えばスリット状に形成する等)。
また、第二覆い面部41bには、第一開口K1ごとに遮蔽部41sが形成されている。各遮蔽部41sは、それぞれ対応する第一開口K1の外側において第一開口K1に対向して位置された遮蔽面Siを有している。各遮蔽部41sにおいて、遮蔽面Siは、それぞれ対応する第一開口K1の全体を軸直交方向への間隙を介して外側から覆うと共に、軸周方向における長さは対応する第一開口41sの軸周方向における長さよりも長くされている(図2参照)。
各遮蔽部41sの軸周方向の先端部と第二覆い面部41bの外面との間には、それぞれ対応する第一開口K1と連通された第二開口K2が形成されている。
本例では、各遮蔽部41sにおける遮蔽面Siは、軸周方向における先端に近づくほど軸直交方向外側に変位する面とされている(図2参照)。すなわち、これにより各第二開口K2は、対応する遮蔽部41sの軸周方向の先端に近づくほど軸直交方向における開口幅が広がっている。
なお、第二開口K2の開口方向は、回転部3の最外周部の回転方向(本例ではリングギヤの回転方向)に対して略同方向としてもよいし略逆方向としてもよい。該開口方向を回転部3の最外周部の回転方向と略逆方向とした場合には、低温時における回転部3の最外周部が飛散するオイルの覆い部4外部への排出抑制効果を高めることができ、暖機効率の向上に寄与する。
オイル供給部5は、覆い担部41内にオイルを供給するための吐出口Ktを有している。本例では、軸部2の内部には軸方向に延在する油路ysが形成されており、吐出口Ktは該油路ysと連通され軸部2の外側に貫通された開口とされている。吐出口Ktは複数形成され、各吐出口Ktの軸方向における位置は回転部3と第三覆い面部41cとの間とされている。
上記のようにオイル供給部5が軸部2の内側から覆い担部41の内側に対してオイルを供給することで、覆い担部41の内側にオイルが貯留され易くなり、低温時における暖機効率の向上に寄与する。
なお、外筐1a内においてオイルが覆い担部41に滴下される構成を採ることもでき、その場合、該滴下されたオイルが第二開口K2と第一開口K1とを介して覆い面部の内側に供給され得る。
上記構成による動力伝達装置1において、オイルが低温のときは、図3に模式的に表すように、被支持部42の被支持面42aと軸部2の外面との間には間隙が生じており、覆い面4と軸部2との結合度が低い状態となる。なお、図3では図示の都合から、被支持面42aが軸部2の外面に対して全く接していないが、低温時において実際には、被支持面42aの一部は軸部2の外面に接しており、これにより覆い部4が被支持部42において軸部2に支持されている。
一方、オイルが低温時よりも上昇して所定温度以上となると、覆い部4(少なくとも被支持部42)が熱膨張することで、図4に示すように被支持面42aの略全体が軸部2の外面に接し、被支持面42aが軸部2の外面に対して押圧される。すなわち、低温時よりも覆い部4と軸部2との結合度が高まる。
なお、熱膨張は軸部2側にも生じ得るものであり、上記のような被支持面42aの軸部2への押圧には軸部2側の熱膨張も寄与し得る。
上記のようにオイルが低温のときは覆い部4と軸部2の結合度が低くなるため、覆い部4は軸部2の回転に拘わらず無回転状態又は略無回転状態とされる。特に、覆い担部41内のオイルが軸部2や回転部3の回転によって攪拌されると被支持面42aと軸部2との間隙にオイルが入り込み易くなり、該オイルの潤滑作用により覆い部4が回転し難くなる。
図5A及び図5Bは、軸部2の回転に応じて回転部3が回転している下で、上記のように覆い部4が無回転状態(或いは略無回転状態)とされた際のオイル飛散の態様を破線矢印により模式的に表している。
この場合、回転中の回転部3によって飛散されるオイルは第二覆い面部41bの内面に付着し、また、仮に第一開口K1の形成位置に飛散しても遮蔽部41sの遮蔽面Siに全部又は大部分が付着する。すなわち、第二開口K2を介した外部へのオイル排出は殆ど行われない。
従って、オイルが低温のときは、回転部3により飛散されたオイルの殆どが覆い担部41の内側に留まり、熱源としての回転部3からオイルに効率良く熱を伝達することができる。すなわち、動力伝達装置1の暖機効率の向上が図られる。
なお、低温時において、覆い担部41内側に貯留されたオイルは、主として排出口Kdより覆い部4外部に排出される。また、該貯留されたオイルの一部は、覆い部4に形成された第二開口K2のうちの一部(紙面下側に位置する第二開口K2)を介しても排出され得る。
一方、オイル温度が所定温度以上に上昇した高温時には、覆い部4と軸部2の結合度が高まり、軸部2に対して覆い部4が一体回転又は略一体回転する。
覆い部4が軸部2と共に回転することで、回転部3によって飛散され第二覆い面部41bの内面に付着したオイルは、遠心力によって第二覆い面部41bの内面に押圧される。
図6は、このように遠心力で押圧されたオイルの様子を梨地模様により模式的に表している。第二覆い面部41bの内面にオイルが押圧されることで、オイルは遮蔽部41sの遮蔽面Siを伝って第二開口K2を介して覆い部4外部に排出され易くなる。このとき、遮蔽面Siが上述のように先端に近づくほど外側に変位する面とされたことで、オイルがさらに排出され易くなっている。
高温時には、上記のような遠心力によるオイルの押圧作用と第二開口K2を設けた作用とにより、覆い部4外部にオイルが排出され易くなり、動力伝達装置1の外筐1aとの熱交換が促進され易くなる。従って、高温時においてオイル冷却効率の向上が図られる。
なお、上記の「第二開口K2を設けた作用」は、遮蔽面Siを第一開口K1よりも外側に位置させた作用とも換言できる。
また、高温時には、覆い部4外部にオイルが排出され易くなることで、覆い担部41内側にオイルが貯留され難くなる。これにより、回転部3によるオイル攪拌抵抗が低減されて動力伝達効率の向上が図られる。
ここで、低温時において、第一開口K1や第二開口K2としての間隙のサイズは、覆い部4の被支持面42aと軸部2との間の間隙のサイズに対して十分に大きい。すなわち、熱膨張に伴うこれら第一開口K1や第二開口K2のサイズの変化が第二開口K2を介したオイルの排出し易さ/し難さに与える影響は少ない。
ところで、上記説明から理解されるように、低温時における覆い担部41内側からのオイル排出の抑制を図る上では、覆い部4はより回転し難くされることが望ましい。
この点を考慮し、例えば図7に示すようなオイルの吐出口Kjを設けることもできる。具体的に、図7に示す構成では、軸部2と被支持面42aとの間に油路ysからのオイルを吐出する吐出口Kjを備えている。
これにより、低温時において軸部2と被支持部42(被支持面42a)との間に形成される間隙に対してオイルを充填することが可能とされ、低温時において覆い部4と軸部2との結合度が抑えられて覆い部4を回転し難くすることができ、暖機効率のさらなる向上を図ることができる。
なお、高温時には被支持面42aが軸部2に密着されるため、吐出口Kjからのオイル排出は殆ど行われない。
また、上記では、覆い部4の熱変形により軸部2と覆い部4との結合度を変化させる構成を例示したが、例えば、図8に示すようなクラッチ機構11等、覆い部4の軸部2に対する係合/係合解除を行う係脱機構を設け、該係脱機構を温度に応じて制御することで軸部2と覆い部4との結合度を変化させることもできる。
図8の例では、クラッチ機構11は、軸方向に配列されそれぞれが軸部2にスプライン勘合されて軸方向に変位自在とされた複数の第一クラッチ板11aと、これら第一クラッチ板11aと軸方向に交互配置され覆い部4にスプライン勘合されて軸方向に変位自在とされた複数の第二クラッチ板11bと、これら第一クラッチ板11aと第二クラッチ板11bとを軸方向に押圧するためのピストン11cと、ピストン11cに作動油圧を印加するための油圧室11dと、油圧室11d内に位置されピストン11cを油圧印加時の変位方向とは逆方向に付勢するリターンスプリング11e、11eとを有している。
この場合、覆い部4は、被支持部42において軸受けベアリング13を介して軸部2に支持されており、クラッチ機構11の係合解除時においては軸部2に対して回転自在とされている。
図8の例では、例えばライン圧が供給される所定の油路yxから分岐し油圧室11dに油圧を供給する油路ydと、これら油路yxと油路ydとの分岐部にオイルの温度に応じて開/閉するサーモバルブ12とが設けられている。サーモバルブ12は、オイルの温度が所定温度以上となると閉状態から開状態に変化する。
図8の構成において、オイルが所定温度未満の低温時には、サーモバルブ12は閉状態であり、油圧室11dに対する油圧供給は行われない。従ってクラッチ機構11は係合解除状態にあり、軸部2と覆い部4(被支持部42)は非結合の状態とされる。すなわち、覆い部4は軸部2の回転に拘わらず無回転状態とされる。
一方、オイルが所定温度以上となった高温時には、サーモバルブ12が開状態となって油路yxからの油圧が油路ydを介して油圧室11dに供給され、ピストン11cが第一クラッチ板11aと第二クラッチ板11bを軸方向に押圧して第一クラッチ板11aと第二クラッチ板11bとが摩擦係合する。これにより高温時には、覆い部4(被支持部42)が軸部2と結合状態とされて覆い部4が軸部2と一体回転する
従って、先の図1及び図2に示した構成の場合と同様、低温時には覆い担部41内側にオイルが貯留され易くなり、高温時には覆い部4外部にオイルが排出され易くなるという作用が得られる。
なお、上記では、覆い部4の一部の軸部2に対する係合/係合解除を行う係脱機構が油圧によって制御される例を挙げたが、ソレノイド等のアクチュエータによって係脱機構の係合/係合解除を制御することもできる。この場合、該アクチュエータは、温度センサによって検出したオイル温度に基づき駆動する。
以上で説明したように、実施形態の回転軸装置(1)は、動力源から伝達される動力によって回転する軸部(同2)と、軸部の回転が伝達されて軸部の外周において回転する回転部(同3)と、回転部の周囲を覆い内側にオイルが供給される覆い担部(同41)を有し、覆い担部において軸部の軸直交方向に貫通された開口(第一開口K1)が形成された覆い部(同4)と、を備え、オイルの温度上昇に応じて覆い部の一部(被支持部42)の軸部に対する結合度が高まり覆い部が軸部と共に回転するものである。
オイルが低温であれば覆い部の一部と軸部との結合度が低くされ、覆い部は軸部の回転に拘わらず無回転状態又は略無回転状態とされる。覆い部が無回転状態又は略無回転状態とされることで、回転部が飛散するオイルは覆い担部により遮られ易くなり、覆い担部内のオイル貯留量が増加傾向となる。すなわち、熱源としての回転部からオイルへの熱伝達効率が高まる。
一方、オイルが高温であれば覆い部の一部と軸部との結合度が高まって覆い部は軸部と一体回転又は略一体回転する。覆い部が軸部と一体回転又は略一体回転することにより、回転部により飛散され覆い担部の内面に付着したオイルは該内面に対して遠心力により押圧される。このようにオイルが覆い担部の内面に押圧されることで、覆い担部の開口を介したオイルの排出が助長され、動力伝達部外筐にオイルが付着し易くなる。すなわち、オイルと動力伝達部外筐との熱交換が助長されて冷却効率が高まる。
この際、開口を介したオイル排出が助長されるか否かは覆い部が軸部と一体回転又は略一体回転するか否かにより切り替わるため、覆い部の構造を複雑化する必要はない。
従って、本実施形態によれば、車両の動力伝達部に関して、回転部を覆う覆い部の構造が複雑化することの防止を図りつつ、低温時の暖機効率向上と高温時のオイル冷却効率向上との両立を図ることができる。
また、実施形態の回転軸装置においては、軸部、又は覆い部の少なくとも一部が熱膨張することにより結合度が高まる構成とされている。
これにより、オイル温度に応じて結合度を調整するための係脱機構等の追加構成を別途に具備する必要がなくなる。
従って、部品点数の削減、及びコスト削減が図られる。
さらに、実施形態の回転軸装置においては、軸部と覆い部の一部との間にオイルを吐出する吐出口(同Kj)を有している。
これにより、低温時において軸部と覆い部の一部との間に形成される間隙に対してオイルを充填することが可能とされる。
従って、低温時において覆い部と軸部との結合度が抑えられて覆い部を回転し難くすることができ、暖機効率のさらなる向上を図ることができる。
また、実施形態の回転軸装置においては、覆い部の一部の軸部に対する係合/係合解除を行う係脱機構(クラッチ機構11)と、係脱機構をオイルの温度に応じて制御する係脱制御部(サーモバルブ12及び油路yd)とを備えている。
これにより、低温時に覆い部を無回転状態とし、高温時に覆い部を軸部と一体回転させることが容易となる。
従って、低温時には覆い担部内側にオイルがより貯留され易く、高温時には覆い部外部にオイルがより排出され易くすることができ、低温時の暖機効率、及び高温時のオイル冷却効率のさらなる向上を図ることができる。
さらにまた、実施形態の回転軸装置においては、覆い部には、開口の外側において開口に対向して位置された遮蔽面(同Si)を有する遮蔽部(同41s)が設けられている。
これにより、覆い部内側から開口に向けて飛散されたオイルは遮蔽面に付着される。
従って、低温時における覆い部外部へのオイル排出抑制効果を高めることができ、さらなる暖機効率向上を図ることができる。
また、実施形態の回転軸装置においては、遮蔽面は、軸部の軸周方向における先端に近づくほど軸直交方向外側に変位する面とされている。
これにより、覆い担部の内面にオイルが押圧されるオイル高温時において、遮蔽面を介してオイルが排出され易くなる。
従って、遮蔽部を設けて低温時におけるさらなる暖機効率向上を図る場合において、高温時におけるオイル排出効果を高めることができる。すなわち、低温時における暖機効率のさらなる向上を図りつつ高温時の冷却効率向上を図ることができる。
さらに、実施形態の回転軸装置においては、軸部は、動力源からの入力トルクを駆動輪に伝達している。
これにより、動力源から駆動輪までの間の動力伝達部におけるオイルについて、低温時には覆い担部内側にオイルが貯留され易くなり、高温時には覆い部外部にオイルが排出され易くなるという作用が得られる。
従って、動力源から駆動輪までの間の動力伝達部に関して、回転部を覆う覆い部の構造が複雑化することの防止を図りつつ、低温時の暖機効率向上と高温時のオイル冷却効率向上との両立を図ることができる。
さらにまた、実施形態の回転軸装置においては、回転部が遊星歯車機構とされている。
回転部が係合要素を含むため、覆い担部内側において熱源からの熱を直接的にオイルに伝達することが可能とされる。
従って、暖機効率のさらなる向上を図ることができる。
なお、本発明は上記で説明した具体例に限定されず、多様な変形例が考えられるものである。
例えば、上記では、覆い担部41が軸部2によってのみ支持される例を挙げたが、覆い担部41はベアリング等を介して外筐1aによって支持されてもよい。
また、上記では、複数の遊星歯車機構を組み合わせて多段変速を行う自動変速機について、それら遊星歯車機構のうち一つの遊星歯車機構のギヤを回転部とする例を挙げたが、本発明としては、例えば前後進切替機構等におけるクラッチ機構のクラッチ板を回転部とした構成も採り得る。
或いは、ハイブリッド車においてエンジンとモータのトルクスプリット用に設けられた遊星歯車機構のギヤを回転部とした構成も採り得る。ハイブリッド車においては、走行中にエンジンが停止状態とされる場合もあるため、エンジンで生じる熱を利用した動力伝達装置の暖機を行うことができない場合がある。従って、本発明の適用により動力伝達装置自身で暖機効率向上が図られるようにすることが好適である。
さらに本発明は、エンジンを動力源とする車両以外にも、モータを動力源とする車両にも好適に適用することができる。
1 動力伝達装置、1a 外筐、2 軸部、2a 段部、3 回転部、4 覆い部、41 覆い担部、41a 第一覆い面部、41b 第二覆い面部、41c 第三覆い面部、41s 遮蔽部、Si 遮蔽面、42 被支持部、42a 被支持面、5 オイル供給部、K1 第一開口、K2 第二開口、Kd 排出口、ys 油路、Kt 吐出口、11 クラッチ機構、12 サーモバルブ

Claims (8)

  1. 車両の回転軸装置であって、
    動力源から伝達される動力によって回転する軸部と、
    前記軸部の回転が伝達されて前記軸部の外周において回転する回転部と、
    前記回転部の周囲を覆い内側にオイルが供給される覆い担部を有し、前記覆い担部において前記軸部の軸直交方向に貫通された開口が形成された覆い部と、を備え、
    前記オイルの温度上昇に応じて前記覆い部の一部の前記軸部に対する結合度が高まり前記覆い部が前記軸部と共に回転する
    回転軸装置。
  2. 前記軸部、又は前記覆い部の少なくとも前記一部が熱膨張することにより前記結合度が高まる
    請求項1に記載の回転軸装置。
  3. 前記軸部と前記覆い部の前記一部との間にオイルを吐出する吐出口を有する
    請求項2に記載の回転軸装置。
  4. 前記覆い部の一部の前記軸部に対する係合/係合解除を行う係脱機構と、
    前記係脱機構を前記オイルの温度に応じて制御する係脱制御部と、を備えた
    請求項1に記載の回転軸装置。
  5. 前記覆い部には、
    前記開口の外側において前記開口に対向して位置された遮蔽面を有する遮蔽部が設けられた
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の回転軸装置。
  6. 前記遮蔽面は、
    前記軸部の軸周方向における先端に近づくほど軸直交方向外側に変位する面とされた
    請求項5に記載の回転軸装置。
  7. 前記軸部は、前記動力源からの入力トルクを駆動輪に伝達する
    請求項1乃至請求項6の何れかに記載の回転軸装置。
  8. 前記回転部が遊星歯車機構とされた
    請求項1乃至請求項7の何れかに記載の回転軸装置。
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