JP2018184348A - 高純度アセチレンガスの製造方法 - Google Patents

高純度アセチレンガスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で、容易で、かつ、安全な高純度アセチレンガスの製造方法を提供すること。【解決手段】高純度アセチレンガスの製造方法であって、アセチレンガスを吸着する吸着剤を装入した少なくとも一つの吸着塔を使用するものであり、(1)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP1にまで減圧したのち、吸着塔内にアセチレンガスを含む原料ガスを吸着塔内の圧力が大気圧より高い圧力であるP2になるまで導入して、アセチレンガスを吸着剤に吸着させる工程、(2)吸着剤に吸着しなかったガス成分を、吸着塔内の圧力が大気圧になるまで、吸着塔外に排気する工程、および、(3)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP3とすることにより、吸着剤に吸着したアセチレンガスを脱着させ、該脱着したアセチレンガスを回収する工程を含んでなるサイクルを少なくとも1サイクル含んでなる、高純度アセチレンガスの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、高純度アセチレンガスの製造方法に関する。
アセチレンは、主として、溶接溶断や化学工業における原料として使用されている。例えば、溶接溶断用のアセチレンは、人体に有害な成分を除去して、JIS K 1902に規定されている98容量%以上の純度になるように一次精製され、さらに溶解アセチレンとして容器に充填され、市場に供給されている。
市販されている通常の溶解アセチレンにおけるアセチレンの純度は、98.0〜99.5容量%である。この溶解アセチレンには、不純物として、N2、O2、H2、CO2、H2O等が混入しており、また一次精製で98容量%以上の純度になるようにNH3、PH3、H2Sが除去される。代表的な市販溶解アセチレンのガス組成の一例は、アセチレン 99.45容量%(溶剤と水分を除く)、H2 0.01容量%、N2 0.2844容量%、O2 0.0756容量%、CO 0.01容量%、CO2 0.01容量%、CH4 0.13容量%である((株)大阪環境技術センター)。
技術の進歩に伴い、硬質炭素膜の生成原料等として、あるいは、カーボンナノ材料等の新素材の原料ガスとして、高純度のアセチレンガスの需要が高まっている。特に、半導体の炭素原料等として使用される場合には、酸素濃度が低くかつ高純度のアセチレンガスが求められている。
高純度のアセチレンガスの製造方法としては、例えば、特許文献1に開示があるが、この方法では、アセチレンを吸着した吸着剤を40〜90℃に加熱する必要があり、可燃ガスであるアセチレンを取り扱う上で、安全性上の問題があった。
特公平6−18795号公報
本発明は、高純度アセチレンガス、とりわけ、酸素濃度の低いアセチレンガスの製造方法として、安価で、容易で、かつ、安全な方法を提供しようとするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、いわゆる真空圧スイング吸着(Vacuum Pressure Swing Adsorption, VPSA)をアセチレンガスの精製に応用することで、上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]高純度アセチレンガスの製造方法であって、
アセチレンガスを吸着する吸着剤を装入した少なくとも一つの吸着塔を使用するものであり、下記(1)〜(3)の工程を含んでなるサイクルを少なくとも1サイクル含んでなる、高純度アセチレンガスの製造方法、
(1)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP1にまで減圧したのち、吸着塔内にアセチレンガスを含む原料ガスを吸着塔内の圧力が大気圧より高い圧力であるP2になるまで導入して、アセチレンガスを吸着剤に吸着させる工程、
(2)吸着剤に吸着しなかったガス成分を、吸着塔内の圧力が大気圧になるまで、吸着塔外に排気する工程、および、
(3)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP3とすることにより、吸着剤に吸着したアセチレンガスを脱着させ、該脱着したアセチレンガスを回収する工程、
[2]絶対圧で、P1が0.001MPa〜大気圧未満の圧力であり、P2が大気圧超〜0.30MPaの圧力であり、P3が0.001MPa〜大気圧未満の圧力である、上記[1]記載の高純度アセチレンガスの製造方法、
[3]工程(2)における排気が、該排気によって吸着塔内の圧力がP2から大気圧にまで徐々に低下するように行われるものである、上記[1]または[2]記載の高純度アセチレンガスの製造方法、
[4]工程(2)における排気が、1.0L/分以下の流速で行われるものである、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法、
[5]吸着剤が、アセチレンガスを初期吸着させたものである、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法、
[6]原料ガスが、アセチレンガス以外に、不活性ガスおよびアセチレン以外の炭化水素系ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含むものである、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法、
[7]吸着剤が、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性炭およびシリカからなる群から選択される少なくとも一つである、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法、
[8]高純度アセチレンガスが、不純物の合計量が5000ppm以下のアセチレンガスである、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法、
に関する。
本発明によれば、VPSA法を応用することで、高純度のアセチレンガスを、安価かつ容易に提供することができる。また、本発明の方法によれば、可燃ガスであるアセチレンを加熱する必要がないばかりか、溶媒による吸収や精留を行う必要もないので、作業性や安全性に優れる他、健康面に与える影響も少ない。
また、本発明によれば、半導体の炭素原料等として要求される酸素濃度が低くかつ高純度のアセチレンガスを、安価かつ容易に製造することができる。
原料ガスから高純度の精製ガスを得る本発明方法の一例を示した図である。
一の実施形態は、高純度アセチレンガスの製造方法であって、アセチレンガスを吸着する吸着剤を装入した少なくとも一つの吸着塔を使用するものであり、(1)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP1にまで減圧したのち、吸着塔内にアセチレンガスを含む原料ガスを吸着塔内の圧力が大気圧より高い圧力であるP2になるまで導入して、アセチレンガスを吸着剤に吸着させる工程、(2)吸着剤に吸着しなかったガス成分を、吸着塔内の圧力が大気圧になるまで、吸着塔外に排気する工程、および、(3)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP3とすることにより、吸着剤に吸着したアセチレンガスを脱着させ、該脱着したアセチレンガスを回収する工程を含んでなるサイクルを、少なくとも1サイクル含んでなる高純度アセチレンガスの製造方法である。
他の実施形態は、アセチレンガスの精製方法であって、アセチレンガスを吸着する吸着剤を装入した少なくとも一つの吸着塔を使用するものであり、(1)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP1にまで減圧したのち、吸着塔内にアセチレンガスを含む原料ガスを吸着塔内の圧力が大気圧より高い圧力であるP2になるまで導入して、アセチレンガスを吸着剤に吸着させる工程、(2)吸着剤に吸着しなかったガス成分を、吸着塔内の圧力が大気圧になるまで、吸着塔外に排気する工程、および、(3)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP3とすることにより、吸着剤に吸着したアセチレンガスを脱着させ、該脱着したアセチレンガスを回収する工程を含んでなるサイクルを、少なくとも1サイクル含んでなるアセチレンガスの精製方法である。
<高純度アセチレンガスの製造方法>
本実施形態に係る高純度アセチレンガスの製造方法において、「サイクル」とは、吸着工程(1)、排気工程(2)および脱着・回収工程(3)を含み、所望により、さらに、アセチレンガスの製造・精製に係るこれら以外の常法による工程を含み得るものをいう。また、高純度アセチレンガスの製造方法が、「かかるサイクルを少なくとも1サイクル含んでなる」とは、1サイクルのみからなるものであってもよいし、該サイクルを複数回繰り返すものであってもよいことを意味する。該サイクルを繰り返すことで、得られるアセチレンガスの純度は、当該繰り返しに応じて高まってゆくので、より高純度のアセチレンガスを得ることができる。
(原料アセチレンガス)
原料としてのアセチレンガス(原料アセチレンガス)に特に限定はなく、例えば、カーバイドを原料として製造された粗アセチレンから、不純物を除去して、JIS K 1902に規定されている98容量%以上の純度になるように一次精製されたアセチレンガス、あるいは、その一次精製されたアセチレンガスを溶解アセチレンとして容器に充填して得られた溶解アセチレン等が挙げられる。原料アセチレンガスは、アセチレン以外に、上記アセチレンの製造工程、精製工程に由来する他のガスを含み得るものであり、そのようなガスの主要な成分としては、例えば、水素(H2)、窒素(N2)、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)等が挙げられる。代表的な市販溶解アセチレンのガス組成の一例は、(株)大阪環境技術センターの測定で、アセチレン 99.45容量%(溶剤と水分を除く)、H2 0.01容量%、N2 0.2844容量%、O2 0.0756容量%、CO 0.01容量%、CO2 0.01容量%、CH4 0.13容量%である。
原料アセチレンガスとしては、例えば、アセチレンガス以外に、不活性ガスおよびアセチレン以外の炭化水素系ガスからなる群から選択される少なくも1種のガスを含むものが挙げられる。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられ、炭化水素系ガスとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。
(吸着剤)
吸着剤としては、通常、アセチレンガスの精製に使用される吸着剤を、いずれも好適に使用することができる。そのような吸着剤としては、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性炭、シリカ等が挙げられる。中でも、活性炭が好ましい。
吸着剤は、1種単独で、または、2種以上を組合せて使用することができる。
(吸着剤の前処理)
吸着剤は、予め前処理をしておくことが好ましい。ここでいう「前処理」とは、吸着剤に、アセチレンガスを初期吸着させておくことをいう。前処理は、吸着剤の表面に元々吸着していた酸素や水分などの不純物を脱着・排気し、代わりに、吸着剤の表面にアセチレンを予め吸着させる処理である。
前処理は、具体的には、吸着剤を吸着塔に装入した後、原料アセチレンを吸着塔に導入する前に、(1)吸着塔内の気体を窒素ガスでパージする工程、および/または、(2)前記(1)と同様の窒素ガスによるパージを内部温度150℃の条件下に行う工程、並びに、(3)初期吸着させるべきアセチレンを導入して吸着剤表面に吸着させる工程を含んでなるものである。前記パージ工程(1)やパージ工程(2)を行う時間は、吸着剤の種類等により異なるが、当業者であれば、適宜設定することが可能である。例えば、活性炭を用いる場合であってパージ工程(1)とパージ工程(2)の双方を実施する場合、パージ工程(1)は24時間以上行うことが好ましく、パージ工程(2)は3時間以上行うことが好ましい。また、アセチレンの吸着工程(3)は発熱性であるため、吸着塔の内部温度をモニターしながら、内部温度が50℃以上になれば一旦アセチレンの導入を止め、内部温度が下がれば導入を再開するようにして実施するのが望ましい。このように処理することで、吸着塔内の内部温度の大きな上昇を防ぐことができる。
前処理に用いるアセチレンガスの純度は、目的物としてどの程度高純度のアセチレンガスを得ようとするか等により異なるが、目的物のアセチレンガスの純度と同等以上の純度であることが好ましく、当業者であれば、適宜設定できるものである。例えば、純度99.5容量%以上のアセチレンガスを得ようとする場合であれば、前処理に用いるアセチレンガスとしては、純度99.5容量%のものを用いることができる。
(吸着塔)
吸着塔としては、通常この分野で使用されるものをいずれも好適に使用することができる。
(吸着工程)
吸着工程は、吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP1にまで減圧したのち、吸着塔内にアセチレンガスを含む原料ガスを吸着塔内の圧力が大気圧より高い圧力であるP2になるまで導入して、アセチレンガスを吸着剤に吸着させる工程(吸着工程(1))である。
ここで、P1は大気圧より低い圧力であり、絶対圧で0.001MPa以上であることが好ましくい。一方、P2は大気圧より高い圧力であり、絶対圧で0.30MPa以下であることが好ましく、より好ましくは0.20MPa以下である。
(排気工程)
排気工程は、吸着剤に吸着しなかったガス成分を、吸着塔内の圧力が大気圧になるまで、吸着塔外に排気する工程(排気工程(2))である。
該排気は、吸着塔内の圧力がP2から大気圧にまで徐々に低下するように行われるものであることが好ましく、より好ましくは一定の流速で行われるものである。このように処理することで、得られるアセチレンの純度をより一層高めることができる。
排気の流速は、1.0L/分以下であることが好ましく、より好ましくは0.9L/分以下、さらに好ましくは0.8L/分以下、さらに好ましくは0.7L/分以下、さらに好ましくは0.6L/分以下である。一方、排気の流速は、0.1L/分以上であることが好ましく、より好ましくは0.2L/分以上、さらに好ましくは0.3L/分以上、さらに好ましくは0.4L/分以上である。排気の流速は、約0.5L/分であることが最も好ましい。ここで、「約」とは±10%の変動を許容する意味である。
(脱着・回収工程)
脱着・回収工程は、吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP3とすることにより、吸着剤に吸着したアセチレンガスを脱着させ、該脱着したアセチレンガスを回収する工程(脱着・回収工程(3))である。
ここで、P3は大気圧より低い圧力であり、絶対圧で0.001MPa以上であることが好ましくい。
回収は、吸着塔からアセチレンガスを回収できる方法であれば、常法をいずれも好適に使用することができる。そのような方法としては、例えば、回収塔を準備し、これを吸着塔と接続したときに内部圧力がP3となるように予め陰圧とし、その後、該回収塔を吸着塔に接続して、アセチレンガスを回収する方法が挙げられる。また、回収塔に代えて、回収ボンベを準備し、同様に操作して、該ボンベ内にアセチレンガスを回収する方法も挙げられる。
(高純度アセチレンガス)
本実施形態の高純度アセチレンガスは、その不純物の合計量が、5000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。
また、本実施形態の高純度アセチレンガスは、酸素(O2)、水素(H2)、窒素(N2)および一酸化炭素(CO)の各不純物の濃度が所定量以下であることが好ましい。例えば、酸素濃度は10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることがさらに好ましく、0.5ppm以下であることがさらに好ましい。水素濃度は10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることがさらに好ましく、0.7ppm以下であることがさらに好ましい。窒素濃度は100ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、15ppm以下であることがさらに好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。一酸化炭素濃度は10ppm以下であることが好ましく、1ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以下であることがさらに好ましく、0.05ppm以下であることがさらに好ましい。
特に、本実施形態の高純度アセチレンガスは、酸素濃度が所定量以下であることが好ましく、例えば、酸素濃度が10ppm以下であることが好ましく、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下、さらに好ましくは0.5ppm以下である。また、本実施形態の高純度アセチレンガスの製造方法によれば、酸素濃度の分離精製比(原料ガスの酸素濃度(a)/精製ガスの酸素濃度(b))を15.0以上とすることができ、該分離精製比は、より好ましくは16.0以上、さらに好ましくは16.5以上、さらに好ましくは17.0以上、さらに好ましくは18.0以上、さらに好ましくは19.0以上、さらに好ましくは20.0以上、さらに好ましくは21.0以上である。このように高度な分離精製比は、原料ガスとして、酸素濃度が10ppm以下のものを用いた場合においても達成可能である。
(図面による説明)
以下、図面を参照して、本実施形態について説明する。図1は、本実施形態に用いるVPSA装置を示している。同装置10は、1本の吸着塔3を有し、該吸着塔には、アセチレンガスを吸着する吸着剤が装入されている。同装置10では、吸着塔でのアセチレンガスの吸着および脱着を順次行うことができ、これにより、原料ガスC0から回収ガスC2を、連続的に分離回収することができる。
吸着工程(1)では、まず、バルブ4とバルブ5を閉めバルブ2を解放した状態で、真空ポンプ1により、吸着塔3内の圧力を大気圧未満の圧力(P1)にまで減圧し、その後、原料ガスC0を吸着塔内の圧力が大気圧超の圧力(P2)になるまで送気し、バルブ2を閉める。この状態の下、原料ガス中のアセチレンガスが吸着剤に吸着される。
排気工程(2)では、バルブ4を開放し、吸着塔3内の気相部に滞留するガスを、オフガスC1として、吸着塔外に排気する。該排気は、吸着塔内の圧力がP2から大気圧にまで徐々に低下するように行われることが好ましい。さらに、該排気は、所定の流速(L/分)で行われることが好ましい。排気完了後、バルブ4は閉められる。
脱着・回収工程(3)では、真空ポンプ6により、バルブ5より外側の圧力を大気圧未満の圧力とした上で、バルブ5を開放する。これにより、吸着塔3内の吸着剤に吸着されたアセチレンガスが、該吸着剤から脱着し、回収ガスC2として回収される。なお、真空ポンプ6でバルブ5より外側の圧力を大気圧未満の圧力とする代わりに、予め内圧を大気圧未満とした回収タンクをバルブ5の先に取り付け、バルブ5を開放することによっても、同様に、脱着・回収を行うことができる。
<アセチレンガスの精製方法>
アセチレンガスの精製方法は、上記した高純度アセチレンガスの製造方法と同様にして実施することができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
<使用した材料・物>
原料ガス:以下の規格のアセチレンガス
22(vol.%):99.9以上
2(ppm):<25
2(ppm):<20
2(ppm):<100
CO(ppm):<10
窒素:大陽日酸ガス&ウェルディング(株)製の純度99.998容量%のもの
活性炭:大阪ガスケミカル(株)製
実施例1〜3
<高純度アセチレンガスの製造>
図1に示す圧力スイング吸着装置(PSA装置)を用いて、表1に従い、以下に示す各工程を経て、原料アセチレンガス(原料ガス)から、高純度アセチレンガス(精製ガス)を製造した。なお、実施例1の原料ガスのO2濃度は3.71ppm、実施例2では同3.94ppm、実施例3では同9.13ppmであった。
(活性炭の前処理)
吸着剤充填カラム(以下カラム)に活性炭を充填し、窒素を流通させて24時間排気した(N2排気)。ついで、カラムを内部150℃の条件下で、同様に窒素を流通させて3時間排気した(150℃N2排気)。カラム内の圧力を絶対圧で0.001MPaまで下げ、原料アセチレンガスを1.0L/分の流速(アセチレン流入速度)でカラム内の圧力が大気圧になるまで送気した。大気圧以上になった後は、原料アセチレンガスを送気するのとは反対側のカラムの出口を開き、カラム内に原料アセチレンガスを流通させた。一連の操作においては、カラム内部の温度が50℃以上になれば原料アセチレンガスの送気を一旦止め、温度が下がれば再開し、最終的にカラム内部の温度変化がなくなるまで、原料アセチレンガスを送気した。アセチレンの送気量の合計の目安は、約80〜130Lであった。以上により、カラム内の活性炭にアセチレンガスを初期吸着させた。
(吸着工程)
上記で得たアセチレンガスが初期吸着された活性炭を充填したカラム内の圧力を絶対圧で0.010MPa(初期内圧)まで下げた。該カラムに、原料アセチレンガスを、1.0L/分の流速(アセチレン流入速度)で、カラム内の圧力が絶対圧で0.150MPa(終期内圧)になるまで送気した。これにより、原料アセチレンガスを活性炭に吸着させた。この工程における原料アセチレンガスの送気量の目安は約13〜17Lであった。
(排気工程)
カラム内の気相部に滞留するガスを、オフガスとして、0.5L/分の流速(排出速度)で、カラム内の圧力が大気圧(終期内圧)になるまで排気した。
(脱着・回収工程)
回収タンク(3本)の内圧を絶対圧で0.050MPa(初期内圧)まで下げた。該回収タンクを、順次、カラムと連結させ、両者の内圧を均圧にすることで、活性炭に吸着したアセチレンを回収タンク内に回収した。
実施例4
原料ガスとして、O2濃度4.20ppmのものを使用したこと、および、排気工程におけるオフガスの排出速度を0.1L/分としたこと以外は、実施例1と同様に処理して、精製ガスを得た。
実施例5
原料ガスとして、O2濃度3.70ppmのものを使用したこと、および、排気工程におけるオフガスの排出速度を1.0L/分としたこと以外は、実施例1と同様に処理して、精製ガスを得た。
比較例1
原料ガスとして、O2濃度7.87ppmのものを使用したこと、および、活性炭の前処理で「150℃N2排気」は実施しなかったこと以外は、実施例1と同様に処理して、精製ガスを得た。
比較例2
原料ガスとして、O2濃度3.10ppmのものを使用したこと、および、排気工程は原料ガスを送気しながらカラム内圧を0.050MPaに保持しながら行ったこと以外は、実施例1と同様に処理して、精製ガスを得た。
比較例3
原料ガスとして、O2濃度2.89ppmのものを使用したこと、排気工程は原料ガスを送気しながらカラム内圧を絶対圧で0.150MPaに保持しながら行ったこと、および、排気工程におけるオフガスの排出速度を1.0L/分としたこと以外は、実施例1と同様に処理して、精製ガスを得た。
結果を表1に示す。
Figure 2018184348
また、原料ガスの組成、および、それらの精製後の組成のより詳しい結果について、以下の表2に、実施例1〜3のものを記載する。
Figure 2018184348
1、6 真空ポンプ
2、4、5 バルブ
3 吸着塔
10 VPSA装置
0 原料ガス
1 オフガス
2 回収ガス

Claims (8)

  1. 高純度アセチレンガスの製造方法であって、
    アセチレンガスを吸着する吸着剤を装入した少なくとも一つの吸着塔を使用するものであり、下記(1)〜(3)の工程を含んでなるサイクルを少なくとも1サイクル含んでなる、高純度アセチレンガスの製造方法。
    (1)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP1にまで減圧したのち、吸着塔内にアセチレンガスを含む原料ガスを吸着塔内の圧力が大気圧より高い圧力であるP2になるまで導入して、アセチレンガスを吸着剤に吸着させる工程、
    (2)吸着剤に吸着しなかったガス成分を、吸着塔内の圧力が大気圧になるまで、吸着塔外に排気する工程、および、
    (3)吸着塔内の圧力を大気圧より低い圧力であるP3とすることにより、吸着剤に吸着したアセチレンガスを脱着させ、該脱着したアセチレンガスを回収する工程。
  2. 絶対圧で、P1が0.001MPa〜大気圧未満の圧力であり、P2が大気圧超〜0.30MPaの圧力であり、P3が0.001MPa〜大気圧未満の圧力である、請求項1記載の高純度アセチレンガスの製造方法。
  3. 工程(2)における排気が、該排気によって吸着塔内の圧力がP2から大気圧にまで徐々に低下するように行われるものである、請求項1または2記載の高純度アセチレンガスの製造方法。
  4. 工程(2)における排気が、1.0L/分以下の流速で行われるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法。
  5. 吸着剤が、アセチレンガスを初期吸着させたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法。
  6. 原料ガスが、アセチレンガス以外に、不活性ガスおよびアセチレン以外の炭化水素系ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含むものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法。
  7. 吸着剤が、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、活性炭およびシリカからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法。
  8. 高純度アセチレンガスが、不純物の合計量が5000ppm以下のアセチレンガスである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の高純度アセチレンガスの製造方法。
JP2017085155A 2017-04-24 2017-04-24 高純度アセチレンガスの製造方法 Pending JP2018184348A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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