JP2018183762A - 塗工装置及びその塗工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエブが破れることなく均一に塗工液が塗工でき、浸透させることができる塗工装置を提供する。【解決手段】上ロール12と下ロール14と、上ロール12と下ロール14に架け渡された無端状の透明な合成樹脂製よりなるエンドレスベルト16と、エンドレスベルト16に沿って走行する長尺状の布帛の近傍に設けられたダイ18と、ダイ18の先端にある塗工部30の幅方向にスリット状に開口し、長尺状の布帛に塗工液を塗工する塗工口28とを有する。【選択図】 図1
Description
本発明は、塗工装置及びその塗工方法に関するものである。
不織布や紙などの長尺状のウエブに塗工液を塗工して、ウエブに浸透させる場合には、スプレーによって塗工液をウエブに吹き付けたり、液槽にウエブを浸けている。
しかし、スプレーによって塗工液をウエブに噴射する方法であると、スプレーの位置によってウエブに浸透する量が異なるという問題点があった。
また、ウエブを液槽に浸けて塗工液を浸透させる場合には、ウエブが液槽の中で破れることがあるという問題点があった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、ウエブが均一かつ破れることなく、ウエブに塗工液を浸透させることができる塗工装置及びその塗工方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数のロールと、複数の前記ロールに架け渡された無端状の合成樹脂よりなるエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトに沿って走行する長尺状のウエブの近傍に配されたダイと、前記ダイの先端にある塗工部の幅方向にスリット状に開口し、前記ウエブに塗工液を塗工する塗工口と、を有する塗工装置である。
また、本発明は、上記発明の塗工装置の塗工方法であって、前記エンドレスベルトに沿って前記ウエブを走行させ、前記塗工口を前記ウエブに接触させつつ前記塗工口を前記ウエブに押圧して前記塗工液を塗工する、塗工装置の塗工方法である。
合成樹脂よりなるエンドレスベルトに沿って走行するウエブへダイによって塗工液を塗工するため、ウエブが均一にかつ破れることなく塗工液を浸透させることができる。
以下、本発明の一実施形態の塗工装置10について図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の塗工装置10は、布帛や紙などの破れ易い長尺状のウエブWであって、液体を浸透させる装置である。
(1)塗工装置10の構成
塗工装置10の構成について図1を参照して説明する。上ロール12と下ロール14が上下方向に配されている。上ロール12と下ロール14の回転軸は水平方向であり、他動である。
塗工装置10の構成について図1を参照して説明する。上ロール12と下ロール14が上下方向に配されている。上ロール12と下ロール14の回転軸は水平方向であり、他動である。
上ロール12と下ロール14との間には、無端状のエンドレスベルト16が架け渡されている。このエンドレスベルト16は、透明な合成樹脂製のフィルムにより形成され、上ロール12と下ロール14との間においては、垂直方向に走行する。エンドレスベルト16のウエブWと接触する表面には、撥水処理が行われ撥水性を有している。
エンドレスベルト16の側方にはダイ18が配されている。ダイ18は、上ダイブロック20と下ダイブロック22とが組み合わさったものであり、ダイ18の先端は、断面三角形に形成されて塗工部30となっており、その先端部に塗工口28が形成されている。この塗工口28は、ウエブWの幅方向に沿ってスリット状に形成され、スリット状の塗工口28は水平に配されている。下ダイブロック22の上面には液溜め部24が幅方向に沿って設けられている。液通路26が、上ダイブロック20と下ダイブロック22とが組み合わさった位置に形成され、この液通路26の基部は液溜め部24に繋がり、先端には塗工口28が形成されている。液溜め部24の幅方向における中央には供給口36が開口している。この供給口36にはポンプ32が接続され、ポンプ32には塗工液を溜めたタンク34が接続されている。ポンプ32は、タンク34からの塗工液を単位時間当たり一定量だけ液溜め部24に供給する。
(2)塗工装置10の塗工方法
上記構成の塗工装置10を用いて、不織布又は紙などの破れ易いウエブWに塗工液を塗工して、浸透させる塗工方法について図1〜図4を参照して説明する。
上記構成の塗工装置10を用いて、不織布又は紙などの破れ易いウエブWに塗工液を塗工して、浸透させる塗工方法について図1〜図4を参照して説明する。
第1の工程において、図1に示すように、ダイ18の塗工部30をエンドレスベルト16から離した状態で、エンドレスベルト16の表面にウエブWを配する。また、上ロール12と下ロール14の間にあるエンドレスベルト16の側方にダイ18を配置する。
第2工程において、ポンプ32を駆動させ、タンク34から液溜め部24に塗工液を供給し、そして塗工口28から液出しを行う。
第3工程において、図1に示すように、ウエブWを一定の走行速度(例えば、100m/分)で走行させ、走行させた状態で、液出しをしている塗工部30の塗工口28をウエブWに接触させる。そしてそのまま塗工部30でウエブWをエンドレスベルト16の方向に押圧する。この場合に、図1に示すように、上ロール12と下ロール14の間にあるエンドレスベルト16の途中で、塗工部30によってウエブWを押圧する。したがって、図2に示すように、合成樹脂製のエンドレスベルト16は柔らかく、塗工部30の押圧によってウエブWと共に谷型に撓む。
第4工程において、図2に示すように、ダイ18から供給された塗工液がウエブWの表面から裏面に浸透する。また、塗工部30によって、ウエブWを押圧した分だけエンドレスベルト16が図2に示すように谷型に撓むので、ウエブWが破れない。そして、作業者は透明な合成樹脂製のエンドレスベルト16の裏面からウエブWの裏面を観察し、図4に示すようにウエブの裏面の全面に塗工液が浸透し、透明なエンドレスベルト16の全面に浸透領域が広がっているか否かを確認する。もし、図3に示すように塗工液がウエブWの裏面に一部浸透していない非浸透領域がある場合には、供給する塗工量が少ないと判断し、ポンプ32の単位時間当たりの供給量を、図4に示すように、ウエブWの裏面全面に塗工液が浸透するまで増加させる。そして、作業者は、ウエブWの裏面の全面に塗工液が浸透した状態の供給量で維持して塗工を続ける。
第5工程において、図1に示すように、塗工液が浸透したウエブWは、エンドレスベルト16から離れて、次の乾燥工程などに移行させる。このウエブWがエンドレスベルト16を離れるときに、エンドレスベルト16は上ロール12に沿って回転すると共に、エンドレスベルト16が撥水性であるため、塗工液が浸透したウエブWが破れることなく、次の工程に走行させることができる。
(3)効果
本実施形態によれば、ダイ18の塗工部30をウエブWに接触して押圧した状態で塗工できるため、ウエブWの厚さが、不織布、紙などのように、不均一であっても確実に塗工でき、また、表面張力による不均一な塗工が発生しない。
本実施形態によれば、ダイ18の塗工部30をウエブWに接触して押圧した状態で塗工できるため、ウエブWの厚さが、不織布、紙などのように、不均一であっても確実に塗工でき、また、表面張力による不均一な塗工が発生しない。
また、塗工部30をウエブWに接触状態で塗工するため、塗工液に圧力が掛かり均一性が向上する。
また、必要量のみ塗工液を供給するため、塗工液に無駄が発生しない。
また、透明なエンドレスベルト16の裏面からウエブWの裏面の全体に塗工液が浸透したか否かが判別できるため、塗工液が浸透していない非浸透領域が発生しない。
また、ダイ18の塗工部30によってウエブWを押圧しても、合成樹脂製のエンドレスベルト16が撓み、ウエブWが破れない。
上記実施形態の変更例について説明する。
(1)変更例1
上記実施形態では、上ロール12と下ロール14の2個のロールによってエンドレスベルト16を架け渡したが、これに代えて図5に示すように中ロール38を設け、3個の上ロール12、中ロール38、下ロール14の間にエンドレスベルト16を架け渡してもよい。
上記実施形態では、上ロール12と下ロール14の2個のロールによってエンドレスベルト16を架け渡したが、これに代えて図5に示すように中ロール38を設け、3個の上ロール12、中ロール38、下ロール14の間にエンドレスベルト16を架け渡してもよい。
この場合には、上ロール12と下ロール14との間に架け渡されているエンドレスベルト16の裏面が見易くなるため、より確実にウエブWの裏面に塗工液が浸透したか否かを判別することができる。
(2)変更例2
上記実施形態では、エンドレスベルト16が上下方向に走行している状態でその側方にダイ18を配置したが、これに代えてエンドレスベルト16が水平方向に走行しているときに、ダイ18をエンドレスベルト16の上方又は下方に配置して塗工液をウエブWに塗工してもよい。
上記実施形態では、エンドレスベルト16が上下方向に走行している状態でその側方にダイ18を配置したが、これに代えてエンドレスベルト16が水平方向に走行しているときに、ダイ18をエンドレスベルト16の上方又は下方に配置して塗工液をウエブWに塗工してもよい。
(3)変更例3
上記実施形態では、ダイ18の先端は、断面三角形の塗工部30であったが、これに代えて、図6に示すように、断面三角形の部分から断面長方形の突部40がさらに突出した形状でもよい。
上記実施形態では、ダイ18の先端は、断面三角形の塗工部30であったが、これに代えて、図6に示すように、断面三角形の部分から断面長方形の突部40がさらに突出した形状でもよい。
(4)変更例4
上記変更例3では、ダイ18の塗工部30は、断面三角形の部分から断面長方形の突部40がさらに突出した形状であったが、これに代えて、図7に示すように、その断面長方形の突部の先端を断面曲面形状42にしてもよい。
上記変更例3では、ダイ18の塗工部30は、断面三角形の部分から断面長方形の突部40がさらに突出した形状であったが、これに代えて、図7に示すように、その断面長方形の突部の先端を断面曲面形状42にしてもよい。
(5)その他
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・塗工装置、12・・・上ロール、14・・・下ロール、16・・・エンドレスベルト、18・・・ダイ、28・・・塗工口、30・・・塗工部
Claims (10)
- 複数のロールと、
複数の前記ロールに架け渡された無端状の合成樹脂よりなるエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトに沿って走行する長尺状のウエブの近傍に配されたダイと、
前記ダイの先端にある塗工部の幅方向にスリット状に開口し、前記ウエブに塗工液を塗工する塗工口と、
を有する塗工装置。 - 前記ウエブは、不織布、又は、紙である、
請求項1に記載の塗工装置。 - 前記エンドレスベルトは、透明な合成樹脂製である、
請求項1に記載の塗工装置。 - 前記エンドレスベルトの表面は、撥水性を有する、
請求項1に記載の塗工装置。 - 前記ダイの先端にある塗工部は、断面三角形、断面三角形の部分から断面長方形の突部がさらに突出した形状、又は、前記断面長方形の突部の先端に断面曲面形状が形成されたものである、
請求項1に記載の塗工装置。 - 前記塗工部は、前記ウエブを前記エンドレスベルトに押圧している、
請求項5に記載の塗工装置。 - 前記ダイの前記塗工部は、前記ロールと前記ロールの間に架け渡されている前記エンドレスベルトの位置に配されている、
請求項1に記載の塗工装置。 - 前記ロールは、2個、又は、3個である、
請求項1に記載の塗工装置。 - 請求項1に記載の塗工装置の塗工方法であって、
前記エンドレスベルトに沿って前記ウエブを走行させ、
前記塗工口から前記塗工液を液出しし、
前記塗工口を前記ウエブに接触させつつ前記塗工口を前記ウエブに押圧して前記塗工液を塗工する、
塗工装置の塗工方法。 - 前記エンドレスベルトは、透明な合成樹脂製であり、
前記エンドレスベルトの裏面から前記ウエブの裏面を透視し、
前記裏面の全面に前記塗工液が浸透するまで、前記ダイに供給する単位時間当たりの前記塗工液の供給量を増加させる、
請求項9に記載の塗工装置の塗工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017088852A JP2018183762A (ja) | 2017-04-27 | 2017-04-27 | 塗工装置及びその塗工方法 |
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Publications (1)
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Cited By (2)
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JPWO2021065579A1 (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | ||
JPWO2021182132A1 (ja) * | 2020-03-11 | 2021-09-16 |
-
2017
- 2017-04-27 JP JP2017088852A patent/JP2018183762A/ja active Pending
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KR20220051853A (ko) * | 2019-09-30 | 2022-04-26 | 후지필름 가부시키가이샤 | 다이 헤드 |
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