JP2018183475A - 医療用スタンド装置 - Google Patents

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勝之 中村
Katsuyuki Nakamura
勝之 中村
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Abstract

【課題】縦アームを回転させても振動が発生しない医療用スタンド装置を提供する。
【解決手段】第1ピニオンギア14と第2ピニオンギア15とを2本の平行なラックギア16、17により連結して平行リンク機構を形成するため、基端アーム11の垂直状態は維持される。剛性の高いラック&ピニオン構造を利用して平行リンク機構を構成するため振動が生じない。
【選択図】 図4

Description

本発明は医療用スタンド装置に関するものである。
手術顕微鏡やカメラなどの医療機器は、フロアに設置されたスタンド装置に支持されて、任意の位置に移動できるようになっている。スタンド装置は医療機器の垂直状態を維持したまま前後・上下に移動できるように平行リンク機構を利用した構造になっている。平行リンク機構には常に垂直が維持される部品が必要で、それが基準となって平行リンク機構内で医療機器の垂直が維持される。
それが中空の縦アームの上端に設置される基端アームである。縦アームはスタンド本体の一部に設定された第1回転軸に前後回転自在に軸支されるが、その縦アームの上端に設けられている基端アームは、それ自体の水平部材の両端と、スタンド本体の第1回転軸に固定された不回転の水平部材の両端とが、平行な2本のシャフトにより連結されることで垂直状態が維持される。
これは基端アームの水平部材と、スタンド本体側の水平部材と、2本のシャフトにより平行リンク機構が形成され、2本のシャフトが長手方向に沿うトルク伝達手段として機能するからである。そのため縦アームを前後に回転させても、水平部材が不回転のため、基端アームの垂直状態は維持され、その基端アームに関連付けられて手術顕微鏡も垂直が維持される。
特許第4480703号公報
しかしながら、このような関連技術にあっては、2本のシャフトによりトルク伝達して基端アームの垂直を維持するため、縦アームを回転させる際にシャフトが振動して、その残余振動が回転後にスタンド本体を介して手術顕微鏡に伝達するおそれがある。また、縦アームの傾斜角が大きくなると縦アーム間の幅が小さくなるため平行リンク機構の動作が不安定化することがある。
本発明は、このような関連技術の課題に着目してなされたものであり、縦アームを回転させても振動が発生しない医療用スタンド装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、スタンド本体の一部に設定された第1回転軸に縦方向に延びる中空構造をした縦アームの途中部分が回転自在に取付けられ、該縦アームの上端付近に設定された第2回転軸に横方向に延びる横アームの基端側が該第2回転軸を貫通させた状態で回転自在に取付けられ、横アームを貫通した第2回転軸に垂直方向に延びる基端アームの下端が取付けられ、横アームの先端側に垂直方向に延び且つ下端に手術顕微鏡を支持した先端アームが回転自在に取付けられ、基端アームと先端アームの上端同士が横アームと機構的に平行な横サブアームにより連結された医療用スタンド装置であって、前記第1回転軸に不回転の第1ピニオンギアを設け、第2回転軸に第1ピニオンギアと同一ギア形状で且つ基端アームと一体的に回転する第2ピニオンギアを設け、第1ピニオンギアと第2ピニオンギアを挟んだ状態で該第1ピニオンギアと第2ピニオンギアにそれぞれ噛合する2本の平行なラックギアを設けると共に、2本のラックギアをそれぞれ縦アームに対して長手方向においてスライド自在に取付けたことを特徴とする。
本発明の第2の技術的側面によれば、横アーム及び横サブアームがそれぞれ上側へ湾曲していることを特徴とする。
本発明の第1の技術的側面によれば、縦アームの上下に設けた第1ピニオンギアと第2ピニオンギアとを2本の平行なラックギアにより連結して平行リンク機構を形成するため、第1回転軸を中心に縦アームを回転させても、第1ピニオンギアが不回転のため、第2ピニオンギアも回転せず、基端アームの垂直状態は維持される。剛性の高いラック&ピニオン構造を利用して平行リンク機構を構成するため振動が生じない。
本発明の第2の技術的側面によれば、横アーム及び横サブアームがそれぞれ上側へ湾曲しているため、横アームの下方に入り込んで作業をする者の上方スペースを広く確保することができる。
スタンド装置を示す斜視図。 スタンド装置を示す側面図。 縦アームの内部構造を示す説明図。 縦アームの内部構造を示す分解斜視図。 縦アームを回転させた状態を示す説明図。 第1・第2ピニオンギアに対してラックギアがスライドする状態を示す説明図。
図1〜図6は本発明の好適な実施形態を示す図である。以上及び以下において前後左右の方向性は図1に示された通りである。
スタンド装置1は手術室内で医療機器としての手術顕微鏡2を吊り下げて使用するためのものである。スタンド本体3には第1回転軸4が設定され、縦アーム5の途中部分がその第1回転軸4を中心に前後方向で回転自在に取付けられている。
この縦アーム5は鋳物製で上下に長い中空形状をしている。縦アーム5の上端には横アーム6の基端側が第2回転軸7により上下回転自在に軸支されている。横アーム6は横方向に延びる上側へ湾曲した形状の金属管により形成されている。縦アーム5の下側には後方に延びる下アーム8が設けられ、下アーム8の端部にはカウンタウェイト9が取付けられている。横アーム6の端末と下アーム8の途中部分は縦サブアーム10により連結されている。これにより縦アーム5と縦サブアーム10を含む縦方向の平行リンク機構(第1平行リンク機構)が形成される。
縦アーム5の第2回転軸7は横アーム6の基端側を貫通し、その先端には第2回転軸7と一体的に回転する基端アーム11の下端が固定されている。一方、横アーム6の先端には先端アーム12の途中部分が軸支されている。基端アーム11の上端と先端アーム12の上端は上側に湾曲した横サブアーム13により連結されている。これにより横アーム6と横サブアーム13を含む横方向の平行リンクが形成される。横アーム6及び横サブアーム13の両方が上側へ湾曲しているのは、その下に入り込んで手術や補助作業をするドクターやアシスタントの上方スペースを広く確保するためである。
図4は縦アーム5の一方の側面を省略して図示した内部構造を示している。縦アーム5の内部において、第1回転軸4には第1ピニオンギア14が固定され、第2回転軸7には第2ピニオンギア15が固定されている。第1ピニオンギア14と第2ピニオンギア15は全く同一のギア形状を有している。
縦アーム5は第1回転軸4に対して回転自在だが、第1回転軸4自体は回転せず、第1回転軸4に固定されている第1ピニオンギア14も回転しない。第2回転軸7は縦アーム5及び横アーム6に対して回転自在で、それに固定されている第2ピニオンギア15や基端アーム11も第2回転軸7と一体的に回転する。
この上下の第1ピニオンギア14及び第2ピニオンギア15に対して、両側から2本の直線状のラックギア16、17が噛合している。第1ピニオンギア14及び第2ピニオンギア15が同一ギア形状(同一ピッチ円直径)のため、両者に噛合した状態でラックギア16、17は平行である。第1ピニオンギア14と第2ピニオンギア15とが平行な2本のラックギア16、17により連結されているため、これにより一種の平行リンク機構(第2平行リンク機構)が形成される。
第2平行リンク機構は、縦アーム5に位置固定された第1回転軸4と第2回転軸7を連結する仮想縦リンク要素4−7を共有し、2つのラックギア16、17に含まれ仮想縦リンク要素4−7と長さが等しい仮想リンク要素をそれぞれ構成要素とする2つのサブ平行リンクから構成される。なお、第1ピニオンギア14と第2ピニオンギア15にはそれぞれ第2平行リンク機構の仮想横アームが含まれる。
このラックギア16、17のギア側の側端は第1・第2ピニオンギア14、15に噛合した状態だが、その反対側の側端は複数のスライダ18を介して長手方向で縦アーム5に対して相対的にスライドするように取付けられている。
基端アーム11は垂直状態で取付けられており、例えば縦アーム5を図3のような垂直な状態から第1回転軸4を中心にして図5のように前後に回転させると、第2ピニオンギア15は第1ピニオンギア14に対して前後に移動するが、第2ピニオンギア15自体は第2回転軸7を中心に回転せず基端アーム11の垂直状態は保たれる。基端アーム11の垂直が保たれるため、横サブアーム13を介して連結されている先端アーム12も垂直が保たれ、そこに支持されている手術顕微鏡2も垂直状態のままである。
図6に示すように、縦アーム5を前後に回動させることにより、基準となる第1ピニオンギア14に対して第2ピニオンギア15が前後に移動するが、第1ピニオンギア14が不回転のため、2本のラックギア16、17が第1・第2ピニオンギア14、15に対して相対的にスライドする。すなわち第2ピニオンギア15を前側に回転させた場合は、前側のラックギア16が上側へスライドして、後側のラックギア17が下側へスライドする。第2ピニオンギア15を後側へ回転させた場合はその逆である。このようにラックギア16、17が縦アーム5に対して相対的にスライドすることになるが、ラックギア16、17は縦アーム5の内面に対してスライダ18を介して長手方向でスライド自在に取付けられているため問題ない。
以上説明したように、この実施形態によれば、剛性の高いラック&ピニオン構造を利用して基端アーム11の垂直状態を維持するため、縦アーム5の内部で振動が生じることはない。また、第2平行リンク機構を構成する2つのサブ平行リンクは縦アーム5の傾斜角度によらず常に同一の長方形状を維持するので、トルク伝達効率がよく安定動作することができる。
この実施形態ではカウンタウェイト9により手術顕微鏡2の重量を相殺するバランス構造としたが、途中部分が第1回転軸4により軸支された縦アーム5の下部にその他のバランス方式(バネ等)を設けても良い。
1 スタンド装置
2 手術顕微鏡
3 スタンド本体
4 第1回転軸
5 縦アーム
6 横アーム
7 第2回転軸
11 基端アーム
12 先端アーム
14 第1ピニオンギア
15 第2ピニオンギア
16、17 ラックギア

Claims (2)

  1. スタンド本体の一部に設定された第1回転軸に縦方向に延びる中空構造をした縦アームの途中部分が回転自在に取付けられ、該縦アームの上端付近に設定された第2回転軸に横方向に延びる横アームの基端側が該第2回転軸を貫通させた状態で回転自在に取付けられ、横アームを貫通した第2回転軸に垂直方向に延びる基端アームの下端が取付けられ、横アームの先端側に垂直方向に延び且つ下端に手術顕微鏡を支持した先端アームが回転自在に取付けられ、基端アームと先端アームの上端同士が横アームと機構的に平行な横サブアームにより連結された医療用スタンド装置であって、
    前記第1回転軸に不回転の第1ピニオンギアを設け、第2回転軸に第1ピニオンギアと同一ギア形状で且つ基端アームと一体的に回転する第2ピニオンギアを設け、
    第1ピニオンギアと第2ピニオンギアを挟んだ状態で該第1ピニオンギアと第2ピニオンギアにそれぞれ噛合する2本の平行なラックギアを設けると共に、2本のラックギアをそれぞれ縦アームに対して長手方向においてスライド自在に取付けたことを特徴とする医療用スタンド装置。
  2. 横アーム及び横サブアームがそれぞれ上側へ湾曲していることを特徴とする請求項1記載の医療用スタンド装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109656008A (zh) * 2019-01-16 2019-04-19 吴伟祥 一种生物显微镜
CN113057739A (zh) * 2021-03-11 2021-07-02 深圳熙谷威生物医疗科技有限公司 一种方便医护人员监控病人基础生命体征监护仪

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