JP2018183031A - 直流モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸のアブソリュート回転角を検出する機能を備えた、安価な、直流モータの制御装置を供する。【解決手段】制御ユニットと、1対のMRセンサを有するMRセンサユニットとを備え、回転軸に固定されたアマチュアにブラシを介して供給される電力を制御する、モータ制御装置において、MRセンサユニットは、前記1対のMRセンサの出力に基づいて、回転軸の回転に伴うインクリメンタルなA相、B相の信号と、該A相、B相の出力信号が特定の関係にある状態を示す位置決め情報とを生成して出力し、制御ユニットは、イニシャライズ駆動信号により前記直流モータを正逆双方向に所定の回転数で起動運転し、該直流モータを駆動して得られる前記MRセンサユニットからの位置決め情報と前記A相、B相の出力信号と、前記イニシャライズ駆動信号との同期の関係から、回転軸に対するMRセンサの原点位置(Zα)の情報を取得し、A相、B相、及び相対的原点位置の情報の全データをアブソリュート信号のデータに変換してメモリに記録するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、直流モータの制御装置に関するものであり、特に、被駆動体を駆動する直流モータを目標速度及び目標位置で作動させるサーボ制御に適した、ブラシ付き直流モータの制御装置に係るものである。
ブラシ付き直流モータは、構造が比較的簡単で安定した性能が得られ、かつ、安価なため、各種の制御システムを構成する機器の駆動源として、様々な分野に広く採用されている。例えば、自動車のパワーシート、ワイパアーム、窓やトランクルームあるいはバックドアの開閉の駆動源としてのモータ、あるいは、エンジンの吸気系統や排気系統のバルブの開閉用駆動源として、ブラシ付き直流モータが使用されている。自動車用としては、正逆いずれの方向の回転でも同じトルク特性を有する、永久磁石型のブラシ付き直流モータが、小型でかつ価格も安い利点を生かして、多く採用されている。
特許文献1には、自動車用ワイパアームの駆動装置である電動モータの制御技術として、モータのアマチュア軸の回転をホール素子センサ等の回転センサによって検出すると共に、磁気抵抗素子センサ(MRセンサ)により、出力軸の回転角度、すなわち、ワイパアームの絶対位置(Zo)を認識して、モータの動作を制御する発明が開示されている。
特許文献2には、3個のホール素子と1個のGMR検出器の信号値に基づいて、3相永久磁石モータの任意の特定位置の情報やトルク変動情報を得る発明が開示されている。
また、特許文献3には、ブラシレスDCモータ等のロータリエンコーダ用カウンタの、正転時と逆転時における出力値から、回転体の回転角度に関する情報と回転角度の変化に関する情報とを抽出し、多回転角度情報を生成する発明が開示されている。
特開2013―001237号公報 特開2015―149800号公報 特許第5058334号公報
自動車等の各種被駆動部材において、被駆動体を駆動する直流モータを制御するためには、回転速度、回転方向の判別、回転数等の情報が必要である。これらの情報により、例えば、自動車の各種被駆動部材のスロースタートやスローストップ、速度制御、位置制御等をおこなうことで、自動車の安全な運転が可能になる。さらに、自動運転制御、若しくは自動運転制御を促進するためには、高精度の回転速度、回転方向の判別、回転数等の情報が必要であり、モータの回転軸の回転角度の情報のみならず、回転軸の絶対角度もしくは絶対位置(アブソリュート位置:Zo)の情報も必要になる。
特許文献1に記載の発明では、多回転のアブソリュート位置の情報を得るために、センサとして、モータの位相角を検出する第1の検出手段と、モータの回転速度を検出する第2の検出手段の2種類の検出センサを用いている。特許文献2の発明でも、2種類の検出センサを採用している。このような、2種類の検出センサを採用した従来のアブソリュート位置の情報を得る手段は、構成が複雑で、かつ、高価なものとなる。すなわち、構造が比較的簡単で安定した性能が得られ、しかも価格も安い、というブラシ付き直流モータの利点が損なわれてしまう。
特許文献3に記載の発明は、1組のセンサ素子のデータを利用して、絶対位置に相当する位置情報を算出し、回転体の多回転角度情報を生成している。しかし、ブラシ付き直流モータに関して、絶対位置に相当する情報を高精度に求めることについては開示されていない。
また、自動車の各種被駆動部材を駆動する直流モータは、車載のバッテリを電源としている。バッテリの劣化や電源ラインの断線等、種々の要因で直流モータが停止し、被駆動部材が正常な状態に復帰しないままに、自動車の運転が停止になることもありうる。自動車の安全性をより高めるためには、このようなバッテリ電源の消失に伴う異常停止後であっても、安全に再起動できるのが望ましい。特許文献1〜3には、このような、異常停止後の再起動に関する配慮は開示されていない。
本発明の1つの目的は、1組のセンサ素子を用いた簡単な構成で、モータの回転軸の原点位置に相当する高精度な位置情報を生成する機能を備えた、ブラシ付き直流モータの制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、バッテリ電源の消失に伴う異常停止後もモータの回転軸の回転位相に関する情報を保有し、各種被駆動部材を安全に再起動できるようにした、ブラシ付き直流モータの制御装置を提供することにある。
本発明の1つの態様によれば、直流モータの駆動信号を生成して出力する制御ユニットと、1対のMRセンサにより前記直流モータの回転軸の回転を検知するMRセンサユニットとを備え、前記回転軸に固定されたアマチュアにブラシを介して供給される電力を制御する、モータ制御装置において、前記MRセンサユニットは、前記1対のMRセンサの出力に基づいて、前記回転軸の回転に伴うインクリメンタルなA相、B相の信号と、該A相、B相の出力信号が特定の関係にある状態を示す位置決め情報とを生成して出力し、前記制御ユニットは、イニシャライズ駆動信号により前記直流モータを正逆双方向に所定の回転数で起動運転し、該直流モータを駆動して得られる前記MRセンサユニットからの前記A相、B相の出力信号と前記位置決め情報と、前記イニシャライズ駆動信号との同期の関係から、前記回転軸に対する前記MRセンサの相対的原点位置(Zα)の情報を取得し、前記A相、B相、及び前記相対的原点位置の情報の全データをアブソリュート信号のデータに変換してEEPROMに記録するように構成されている。
これにより、1組のセンサ素子のデータを利用した簡単な構成で、モータの回転軸の相対的原点位置の情報を生成する機能を備えた、ブラシ付き直流モータの制御装置を提供することができる。また、この相対的原点位置の情報がEEPROMに記録されているので、被駆動部材の異常停止の有無を判定し、異常停止の場合でも、次回の被駆動部材の起動時に、安全な運転開始を実現できる。
本発明の他の態様によれば、前記制御ユニットは、前記直流モータの起動運転に伴い得られた、前記回転軸の前記相対的原点位置(Zα)信号と、前記A相又は前記B相の出力信号を用いてZ相の幅信号を生成し、前記Z相の幅信号のデータに前記EEPROMのアドレスを付与して前記アブソリュート信号のデータとするように構成されている。
これにより、1組のセンサ素子のデータを利用した簡単な構成で、Z相の幅信号を含むアブソリュート信号のデータが得られ、ブラシ付き直流モータの制御に利用することができる。
本発明によれば、1対のMRセンサの出力信号を基に得られた前記回転軸の相対的原点位置の情報がアブソリュート位置信号のデータとしてEEPROMに記録されるので、ブラシ付き直流モータにより被駆動部材の位置をきわめて精度良く制御できる。
また、本発明によれば、前記回転軸の相対的原点位置の情報がアアブソリュート位置信号のデータとしてEEPROMに記録されているので、被駆動部材の異常停止の有無を判定し、異常停止の場合でも、次回の起動時に安全な運転開始を実現できる。
本発明の第1の実施例に基づく、直流モータの制御装置を示す機能ブロック図である。 第1の実施例における、MRセンサユニットのマグネットの一例を説明する図である。 第1の実施例における、MRセンサの出力信号の処理方法の概念を示す図である。 第1の実施例における、MRセンサユニットの処理回路部の構成の一例を示す図である。 第1の実施例における、制御ユニットの起動時の処理を示すフローチャートである。 図3Aに示す起動時の処理における、自己イニシャライズ処理の詳細を示すフローチャートである。 自己イニシャライズ処理における、粗な位置決め情報に基づく、相対的原点位置の決定の処理を説明するタイムチャートである。 正回転指令時のMRセンサの出力信号を示す図である。 逆回転指令時のMRセンサの出力信号を示す図である。 粗、密な位置決め情報の組み合わせに基づく、相対的原点位置の決定の処理を説明するタイムチャートである。 第1の実施例における、制御ユニットの相対的原点位置の信号処理の詳細を示すフローチャートである。 図5の相対的原点位置の信号処理を説明する図である。 第1の実施例における、DCサーボ制御部及びPWM信号生成部の動作の詳細を示すフローチャートである。 第1の実施例における、DCモータ駆動回路の構成例を示す図である。 PWM信号と直流モータの回転方向の関係を示す図である。 EEPROMのデータを用いた、直流モータの開ループ制御の一例を示す図である。 本発明を、自動車のスロットル弁駆動装置及びEGR弁駆動装置に適用した、第2の実施例の構成を示す機能ブロック図である。 第2の実施例における、アブソリュート信号とスロットルバルブの目標開度との関係を示す図である。 本発明の第3の実施例に基づく、直流モータの制御装置の機能ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に基づく、ブラシ付き直流モータの制御装置の機能ブロック図である。直流モータ100は、ブラシ付き直流モータ(以下、単に直流モータ)であり、有底筒状に形成されたモータハウジング10の内部に、永久磁石11が固定されている。また、アマチュア12と一体の回転軸13が、モータハウジング10とエンドブラケット(若しくはシールドキャップ)18に設けられた1対の軸受24、25により、回転自在に保持されている。コスト低減の観点から、例えば、軸受として回転軸13の一端のみがボールベアリング25で保持され、他端は平軸受24で保持されている。回転軸13に固定された整流子17に、ブラシホルダーに保持されたブラシ16が摺接している。直流モータ100のアマチュア12には、バッテリ42からイグニッションスイッチ43、DCモータ駆動回路40、給電端子15、ブラシ16、および整流子17を介して、駆動電流が供給される。アマチュア12は、DCモータ駆動回路40から供給される駆動電流の向き・大きさに応じて、正回転または逆回転する。回転軸13の他端には、減速機14を構成するピニオン等が設けられており、回転軸13の回転は、減速機14で減速され、直接もしくはクラッチを介して、被駆動部材50、例えば自動車のワイパアームに伝達される。
回転軸13の一端部には、この回転軸13の回転に伴うインクリメンタル信号を出力するMRセンサユニット20が設けられている。MRセンサユニット20は、回転軸13の一端面に固定された平板状のマグネット21と、このマグネット21に対向する位置で離間してモータハウジング内に固定された、1対のMRセンサ(磁気抵抗素子センサ)22と、処理回路部23とを備えている。1対のMRセンサ22(22A、22B)としては、例えば、GMR、TMR、AMR等を用いることができる。1対のMRセンサ22は、出力されるパルスの位相が互いに所定の角度、例えば90度ずれるように、回転軸13の回転方向に所定の間隔を空けて配置されている。MRセンサ22と処理回路部23は、1枚のプリント基板上に設けられている。このMRセンサユニットのプリント基板は、MRセンサ22がマグネット21に対向し、MRセンサ22及びマグネット21の各回転中心と回転軸13の軸芯とが一致するような関係で、エンドブラケット(若しくはシールドキャップ)18の内側面に固定されている。
1対のMRセンサのアナログ信号は、処理回路部23において、量子化され電気角の内挿処理により多分割された、A相、B相のデジタル信号に変換され、各々パルスカウンタで累積加算され、この累積加算値がインクリメンタルなA相・B相各信号のパルスのデータとして、通信ケーブルを介して直流モータの制御ユニット300へ送信される。直流モータ100の1回転毎にMRセンサユニットから出力されるパルスの数は、制御に必要とされる分解能等に応じて、任意に設定される。MRセンサの素子としてGMRを用いた場合、回転軸の1回転あたり、例えば30000パルスの出力を得ることができる。
直流モータの制御ユニット300は、例えば、必要な複数の機能を論理回路の形で一つのチップにまとめた専用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)として、あるいは、汎用のシングルチップマイコンを用いたIC回路のチップとして実現される。あるいはまた、ホストコンピュータの機能の一部として実現される。以下では、汎用のシングルチップマイコンを用いた具体的な構成例について説明するが、同じ機能を有する直流モータの制御装置を、専用のASICで実現しても良いことは言うまでもない。
直流モータの制御ユニット300は、通信制御部310、メモリ制御部320、自己イニシャライズ処理部341、Z相信号生成部342、Z相の幅信号生成部343、相対的原点位置信号生成部344、DCサーボ制御部345、PWM信号生成部346等の機能を有している。シングルチップマイコンは、CPU、メモリ、発振回路、タイマー、I/Oインタフェース、シリアルI/F等を1つのLSIに集積したものであり、メモリに保持されたプログラムをCPU上で実行することで、直流モータの制御ユニット300の上記各機能が実現される。なお、メモリ330には、ROM331、RAM332、及び少なくとも1つのEEPROM333等が含まれており、バス350を介してCPUと接続されている。ROMには、電源投入時やリセット時に実行するプログラムやプログラム実行中に変化しない定数が保存される。ROMとしてフラッシュメモリを採用しても良い。RAMにはプログラムの変数や、外部からの指令値や、後述する多回転・アブソリュート位置信号のデータ等が保持される。また、RAMには、被駆動部材50の目標の位置やこの位置に対応して設定された直流モータの目標速度(PWM制御のduty比)も格納されている。EEPROMには、A相、B相信号及び多回転・アブソリュート位置信号が、逐次、保持される。
一般に、EEPROMは他のメモリに比して書き込み速度が遅いので、アブソリュート位置信号のデータ等は、一旦、RAMに保持される。このRAMに保持されたインクリメンタルなA相・B相信号のデータは、EEPROMへ書き込むアドレスと共に、EEPROMのアプリケーションプログラムやドライバーによりEEPROMへの書き込み(保存)がなされる。また、EEPROMからRAMへのこれらのデータ等の読み込みも、このアプリケーションプログラムやドライバーにより、アドレスを用いて処理される。
なお、直流モータを駆動するための駆動信号として、PWM信号以外の信号を用いても良いことは言うまでもない。
制御ユニット300は、スイッチ、例えばイグニッションスイッチ43を介してバッテリ42と接続されており、上位のコンピュータ、例えば車載のECU(Electric Control Unit)500等からの外部指令や、MRセンサ22の出力であるA相、B相信号のデジタル値等の入力情報に基づき、直流モータを駆動して被駆動部材50、例えばワイパアーム、の動作形態を切り替える。すなわち、直流モータの制御ユニット300において、A相、B相信号等を基に、相対的原点位置信号やZ相信号が生成され、さらに、多回転・アブソリュート位置信号が生成される。制御ユニット300の情報の一部は、ECU500へも送信される。
制御ユニット300は、メモリ330に記憶された指令値やMRセンサユニット20からの各種の信号に基づいて、ワイパアームを駆動する直流モータの回動位置、ひいては、ワイパアームの回動位置を演算し、ワイパアームが払拭面の上下の反転位置を往復回動するように、直流モータの駆動を制御するPWM信号の情報を生成する。これらの信号に基づくDCモータ駆動用PWM信号の情報が、直流モータの制御ユニット300から、DCモータ駆動制御部41へシリアル通信ラインを介して出力される。
なお、被駆動部材50は、制御ユニット300による開ループ制御の対象であっても良く、閉ループ制御の対象であっても良い。閉ループ制御の場合には、被駆動部材50の回転位置や移動量等がセンサで検知され、その情報(A)は制御ユニット300にフィードバックされ、制御ユニット300により直流モータのサーボ制御が実行される。
直流モータの制御ユニット300は、例えば、DCモータ駆動制御部41やDCモータ駆動回路40と共に1枚のプリント基板600の上に実装し、エンドブラケット(若しくはシールドキャップ)18の内側面でかつ、MRセンサユニット20に近接した位置に固定することもできる。この場合、DCモータ駆動回路40は、給電端子15とブラシ16との間の電源ラインに接続される。また、直流モータが設置される環境によっては、直流モータの外部にプリント基板600を設置しても良い。なお、ブラシホルダー内等に、EMC規格対応のノイズ防止回路が設置される場合、このノイズ防止回路よりもバッテリ側において、MRセンサユニットのプリント基板やプリント基板600がバッテリに接続されるのが望ましい。また、図面上、MRセンサユニット20やプリント基板600等の電源ラインは省略されている。
図1に機能ブロックの形で示した、通信制御部310、メモリ制御部320、自己イニシャライズ処理部341、Z相信号生成部342、Z相の幅信号生成部343、相対的原点位置信号生成部344、DCサーボ制御部345、及びPWM信号生成部346等のプログラムを実行することで実現される各機能は、一例として表示したものである。各機能の区分は任意であり、上記複数の機能を共通のプログラムで実現しても良く、或いは、特定の上記機能を異なる複数のプログラムやIC回路で実現しても良いことは言うまでもない。
図2AにMRセンサユニットのマグネットの一例を示し、図2BにMRセンサの出力信号の処理方法の概念を示す。
回転軸13の一端面に固定された平板状のマグネット21に対向して配置された1対のMRセンサ22は、N極とS極の磁極の切替りによる磁界の抵抗の変化を検出するものである。本発明では、MRセンサ固有の横磁界を使用するため、マグネット21は多局着磁せずN,S単発着磁である。直流モータの一方の軸受に平軸受24を採用すると、直流モータの正転・逆転の切り替えに伴い回転軸13が軸方向に、最大値で例えば0.2mm程度、移動する可能性がある。センサとして縦磁界を使用するホール素子を採用した場合、正転・逆転の切り替えに伴うこのような回転軸の移動があると、センサ出力に大きな影響がある。本発明では、回転軸13の一端面に面対向するMRセンサを配置し、かつ、このMRセンサ固有の横磁界を使用する。そのため、マグネット21が固定された回転軸13が軸方向に若干移動したとしても、MRセンサ22の出力には影響がない。
マグネット21は、Siもしくはガラス基板と、その上に形成されたNi,Fe等の強磁性金属を主成分とする合金の薄膜で構成されている。MRセンサ22を構成する1対の磁気抵抗効果素子は、出力されるパルス信号の位相が互いに90度ずれるように、回転軸13の回転方向に、所定の間隔を空けて配置されている。1対の磁気抵抗効果素子は直列に接続され、その両端に電圧Vccが印加され、両素子の接続点の電位を表す電圧信号がMRセンサ22の出力となる。
MRセンサ22は、作用する磁界の方向に対して電気抵抗値の変化する特性が異なるように設けられている。このため、マグネット21が角度Θだけ回転して各MRセンサに作用する磁界の向きが回転すると、それに対応してMRセンサの電気抵抗値、換言するとMRセンサ22の出力信号の電圧が変動する。回転軸13の1回転に対応して、SIN波、COS波の各々で360度、各々1周期分のパルス信号が出力される。
図2Cに、MRセンサユニット20の処理回路部23の一例を示す。処理回路部23は、AD変換器231、軸ずれ補正処理部232、RAMなどのメモリ233、逆正接演算処理部234、パルスカウンタ235、インクリメンタルA相・B相信号生成部236、位置決め情報生成部237、パラレル・シリアル変換部238、及び、シリアル通信部239の各機能を有している。処理回路部23は、例えば、メモリ付きのマイクロコンピュータ上でプログラムを実行することにより実現される。
処理回路部23では、1対のMRセンサ22A、22Bのアナログ信号の出力を、AD変換器231でデジタル信号に変換し、逆正接演算処理部234で逆正接演算し、パルスカウンタ235で加算し、その累積加算値が、インクリメンタルA相・B相信号生成部236で、インクリメンタルなA相信号及びB相信号(以下、A相・B相信号)として生成され、メモリ233に保持される。
また、位置決め情報生成部237は、MRセンサ22A、22Bのアナログ信号を基に、図2Bの右図に示した、逆正接演算の結果の特定の角度Θに相当する情報を、MRセンサの相対的な原点の位置を決定するための「位置決め情報(Sn)」として生成し、メモリ233に保持する。例えば、回転軸の回転角度0に相当する、図2Bの右図の横軸、横軸の両角度が0度、換言すると、A相信号の0度に対応する立ち上がり時点に相当する、SIN,COS波形の0−0ポイントを、位置決め情報(Sn)とする。この場合、位置決め情報(Sn)は、回転軸13の1回転毎に1つだけ生成される。
なお、位置決め情報(Sn)を生成する回転角度Θは、任意の値で良い。すなわち、SIN波形の値とCOS波形の値が予め設定された特定の関係にある位置において、位置決め情報(Sn)を生成する。
また、位置決め情報(Sn)は、回転軸13の1回転毎に複数個、換言すると、SIN波形の値とCOS波形の値が予め設定された特定の関係にある複数の位置毎に、生成しても良い。あるいは、分解能の異なる異種の信号、例えば、1回転毎に1〜2回程度の粗な信号と、1回転毎に数十回程度の密な信号とを組み合わせても良い。あるいはまた、A相信号とB相信号とを組み合わせて、異種の信号を生成しても良い。
本発明では、このような、A相、B相信号の値、換言するとSIN波形の値とCOS波形の値が予め設定された特定の大きさの関係にある位置を、「A相、B相の出力信号が特定の関係にある状態を示す位置」と定義する。
なお、1対のMRセンサ22A、22Bから得られるA相、B相信号(さらには位置決め情報)は、各センサ等の制作誤差、設置誤差、温度の影響等により、誤差(主に軸ずれ誤差)を含んでいる可能性がある。すなわち、逆正接演算の結果得られたA相・B相信号は、本来、回転軸13の回転角度Θに比例して直線上に位置すべきものである。しかし、軸ずれ等の誤差により、360度毎に、あるいは、1対のMRセンサの位相差90度毎に、繰り返されるひずみを含んでいる場合がある。軸ずれ補正処理部232では、回転軸13の少なくとも1回転分のデータに基づき、1対のMRセンサの回転中心を抽出し、回転角度Θに対するA相、B相信号等のひずみの有無を検知し、ひずみがある場合にはそれらの補正処理を行う。
さらに、パラレル伝送処理により生成されたA相・B相信号、及び、位置決め情報(Sn)は、パラレル・シリアル変換部238で、シリアル伝送通信の規格に適合したシリアル伝送用の送信データ(BUS信号)に変換され、このBUS信号がシリアル通信部239から1本の伝送路を介して直流モータの制御ユニット300へ送信される。
なお、MRセンサユニットのパルスカウンタ235としてアップダウンカウンタを採用し、パルスの累積加減算値に、回転軸13の正逆の回転方向の情報も付加したA相、B相信号を生成し、位置決め情報と共に、直流モータの制御ユニット300へ送信するようにしても良い。本発明では、このようなアップダウンカウンタによる回転方向の情報付きのカウント情報も、累積加算値として扱うものとする。
表1に、MRセンサユニット20で生成され、メモリ233に記録され、制御ユニット300へ送信される各種の情報の一例を示す
Figure 2018183031
次に、図3Aは、本発明の第1の実施例における制御ユニットの、起動時の処理を示すフローチャートである。まず、電源立ち上げ直後に、直流モータの制御ユニット300は、自己イニシャライズ済か否かをチェックする(S301)。否の場合、自己イニシャライズ処理モードに移行する(S302)。
図3Bに、起動時の処理における、制御ユニット300の自己イニシャライズ処理(S302)の詳細を示す。自己イニシャライズ処理では、EEPROMデータの初期化を行い(S311)、自己イニシャライズのためのイニシャライズ駆動信号、例えばPWM信号(・N回転)を生成してDCサーボ制御部345へ出力し(S312)、PWM信号生成部346で駆動信号を生成し、PWM信号により直流モータを駆動する。
電源立ち上げ直後のA相、B相信号の検出は、直流モータを、PWM信号に基づき正逆双方向に回転させ、回転軸13上のマグネット21をMRセンサ22に対して相対運動させることによって行われる(S313)。
なお、イニシャライズ駆動信号は、直流モータのDCサーボ制御信号に代わるものである。対象の直流モータが本来閉ループ制御されるものであっても、まず、自己イニシャライズ処理では、直流モータをオープン制御の状態で、イニシャライズ駆動信号により、直流モータを駆動する。
モータ駆動信号としてPWM信号で直流モータ100を正転、逆転双方向に駆動すると、MRセンサユニット20から、指令値(モータ駆動信号)に対応するA相、B相信号、及び、位置決め情報(Sn)が得られる。
図4Aは、自己イニシャライズ処理時の、PWM信号とMRセンサの出力との関係を示している。図4Bは、PWM信号として正回転指令時、図4Cは、PWM信号として逆回転指令時の、MRセンサの出力信号(A相、B相)を示す図である。位相のずれ方向は、回転軸13の回転方向に応じて反転する。
ここでは、位置決め情報(Sn)は、A相信号の0度に対応する立ち上がり時点に相当する、SIN,COS波形の0−0ポイントで生成されるものとする。この場合、直流モータが正回転の状態で回転軸が原点位置を通過する必要がある。
そこで、図4Aの最下段に示すように、直流モータを起動し、イニシャライズ駆動信号(PWM信号)により、−2.5回転から+3.5回転まで正回転させる。図4Aの最上段に示すように、直流モータが、正回転しながら−2、−1、0、+1、+2、+3の各回転を超える時点で、各々、逆正接演算の結果が0−0ポイントとなる。すなわち、上記各時点で、A相信号の0度に対応するデジタル値の立ち上がりが得られる。このようにして、各時点に対応する位置決め情報(S1)〜(S6)が出力される。
制御ユニット300は、自己イニシャライズ処理時に、表1に記載されたこれらの情報を、MRセンサユニット20から取得する。
得られたA相、B相信号は、自己イニシャライズ処理の指令値と比較され、その累積加算値が正常か否か、すなわち、A相、B相信号の累積加算値がPWM信号の指令値に対応し、直流モータやMRセンサの応答状態が正常であるのか、否かが判定される(S314)。対応関係に異常有りと判定された場合には、指令値とA相、B相の信号の累積加算値とが対応するように、別途、MRセンサの温度特性の補正等の出力補正の処理が行われる(S315)。なお、出力補正の処理(S315)を複数回実施しても正常状態にならない場合は、EEPROM自体に異常がある等の別の原因も考えられるので、その旨のエラー表示を行う。
MRセンサが正常と判定された場合、もしくは補正処理がなされた場合、自己イニシャライズ処理は、次に、MRセンサユニット20から取得した情報のアブソリュート化を行う(S316)。すなわち、EEPROMへの記録のために、A相、B相信号の各データに書き込み用のアドレスの付与(番地付け)を行う。このように、アブソリュート化のために、MRセンサユニットの時系列の出力値であるA相・B相の各信号に、その累積加算値に対応するEEPROMのアドレスを付与して、アブソリュート信号とする。また、モータ駆動信号の0値に同期する位置決め情報(S4)の時点を、暫定的な原点位置(Zβ)とする。暫定的な原点位置(Zβ)は、MRセンサの出力にのみ基づいて成されているため、MRセンサの絶対的な原点の位置(絶対位置Zo)と正確に対応しているかは明確ではない。回転軸13に対してある程度の精度の角度情報を与えるのに適した、暫定的なアブソリュート信号と言える。
そして、この暫定的な原点位置(Zβ)と対応付けられた暫定的なアブソリュート信号のデータを、RAMを経由してEEPROMに記録する(S317)。これらのA相、B相信号の累積加算値のデータと暫定的なアブソリュート信号のデータに、アドレスを付与してEEPROMへ記録することにより、例えば、表2に示すような、簡易アブソリュート値のテーブルを、作成することができる。
Figure 2018183031
次に、MRセンサ22の回転軸13に対する絶対位置(Absolute)に相当する、相対的原点位置Zαの抽出を行う、相対的原点位置の抽出モード(S318)に移行する。MRセンサの絶対的原点位置(Zo)は、回転軸13上のマグネット21の特定の位置に対して、MRセンサ22Aの出力がゼロの状態を指す。本発明では、絶対的原点位置(Zo)を直接検出するのに代えて、間接的に、絶対的原点位置に相当する相対的原点位置Zαを抽出する。
相対的原点位置抽出モード(S318)では、上記定義に基づき、図4Aに示したように、MRセンサのA相、B相信号の逆正接演算の結果から得られる位置決め情報(S1)〜(S6)の中で、PWM信号のONデューティが零に同期、図の例では、位置決め情報(S4)の位置を、A相のパルスの立ち上がり時点に同期する、MRセンサの相対的原点位置(Zα)とする。このようにして、絶対位置(Absolute)に対して、かなり高い精度の相対的原点位置を決定できる。
また、イニシャライズ駆動信号の指令値(PWM信号)の送信タイミングと、A相、B相信号、及び位置決め情報の受信タイミング等の時間情報を利用することで、より精度の高い相対的原点位置Zαの決定を行うことができる。
このように、イニシャライズ駆動信号に対応する高分解能のA相、B相信号及び位置決め情報を基にして、高精度の「MRセンサの相対的原点位置(Zα)」のデータが得られる。
図3Bに戻り、Z相信号生成部342は、次に、Z相信号及びZ層の幅を設定する(S319)。まず、Z相信号を設定する。ここでは、前のステップで得られた相対的原点の位置Zαを基に、インクリメンタルなA相・B相信号に対してZ層信号を設定する。すなわち、A相・B相信号の累積加算値に対して、360度間隔でA相のデジタル出力の各立ち上りに同期する、Z相信号(Z0,Z1,Z2,―,―,Zn)を設定する。例えば、Z0は回転軸13が1回転未満、Z1は回転軸13が1回転以上2回転未満であることを表わしている。なお、Z相信号は、B相のデジタル出力の各立ち上りに同期させても良い。
Z相信号が得られたA相・B相信号の累積加算値は、次に、回転軸13の1回転毎(360度毎)の累積加算値に変換され、これとZ相信号の組み合わせに、EEPROMのアドレスを付与して多回転アブソリュート信号のデータとなる。この多回転アブソリュート信号のデータは、例えば、表3のようなテーブル形式で、EEPROMに記録される。表3に示した、A相、B相信号のデータは、例えば、回転軸に関する、回転数、回転角度(位相)の情報を含んだ、高い精度のアブソリュートの値のテーブルとなる。このテーブルは、直流モータの制御情報として用いることができる。
Figure 2018183031
次に、相対的原点の位置Zαを起点とするZ層の幅を確定する。
まず、図4Bに示すように、各Z相信号(Z0,Z1,Z2,―,―,Zn)の最初のA信号の立ち上がりに同期し、A信号の1/2周期の幅を有する「Z相の幅(1)」の信号を確定する。さらに、A信号の立ち上がりに同期し、A信号の1周期の幅を有する「Z相の幅(2)」の信号を確定する。「Z相の幅(1)」、「Z相の幅(2)」の信号は、各々、360度間隔で繰り返す信号である。
同様にして、図4Cに示すように、各Z相信号(Z0,Z1,Z2,―,―,Zn)の最初のB信号の立ち上がりに同期し、B信号の1/2周期の幅を有する「Z相の幅(3)」の信号を確定する。さらに、B信号の立ち上がりに同期し、B信号の1周期の幅を有する「Zの幅(4)」の信号を確定する。「Z相の幅(3)」、「Z相の幅(4)」も、各々、360度間隔で繰り返す信号である。なお、「Z相の幅」の周期や、「Z相の幅」の数は任意に設定できる。これらのA相、B相信号、Z相のデータに、EEPROMのアドレスを付与して、例えば表4のようにEEPROMに記録する。
Figure 2018183031
次に、MRセンサユニットから得られた全てのA相、B相信号は、相対的原点の位置ZαやZ相信号、「Z相の幅」と関係づけられ、EEPROMのアドレスが付与され、回転軸13の相対的原点位置を表す、多回転・アブソリュート位置信号に変換される(S320)。
そして、自己イニシャライズ処理の結果としての、起動時のA相、B相、相対的原点位置(Zα)、Z相の位置、及び各Z相の幅の信号の全データを、RAMを経由してEEPROMに記録する(S321)。すなわち、表2、表3,表4の各テーブルをリンク付けし、EEPROMアドレスなどで相互に参照可能にして、EEPROMに記録する。
例えば、表4の各データは、回転軸の位置や角度のアブソリュート情報等を与えるテーブルとして、利用することができる。また、各「Z相の幅(1)」〜「Z相の幅(4)」は、PWM信号等、直流モータの各種の制御信号等を生成するのに利用される。
図3Aに戻り、自己イニシャライズ処理済の場合、次に、異常終了判定モードに移行する。このモードでは、EEPROMからRAMを経由して多回転のアブソリュート位置信号のデータを読み込み(S303)、読み込んだアブソリュート位置信号のデータを基に、前回の直流モータの運転の終了が、正常になされたか、異常状態で終了したのかを判定する(S304)。正常終了であれば、EEPROMのアブソリュート位置信号のデータは、直流モータの起動時の回転軸の絶対値0の位置、すなわち、相対的原点の位置Zαに対応しているはずである。アブソリュート位置信号のデータが位置Zα、すなわち絶対値0から離れていれば、異常終了であったと判定される。異常終了の場合、上位のECUにエラー情報を送信し(S305)、ECU側から、被駆動部材50の運転再開に向けた復帰処理がなされる。
異常がなければ、直流モータの制御ユニット300は、正規の運転処理モードに移行する(S306)。
なお、位置決め情報(Sn)は、自己イニシャライズ処理のみで使用され、正規の運転処理モードでは、本来不要なものである。そのため、自己イニシャライズ処理が完了したら、MRセンサユニットから受信した位置決め情報(Sn)のデータのメモリへの記録は停止しても良い。逆に、位置決め情報(Sn)を、相対的原点の位置Zαにより補正して、Z相信号等、正規の運転処理モードにおける角度情報の1つとしてモータの制御に利用しても良い。
また、自動車用のブラシ付き直流モータは、例えば、パワーシート、電子ターボチャージャ、ワイパアーム等の駆動源として、正逆両方向に、数十〜数百回転(rpm)するものがある一方で、エンジンのスロットルバルブの駆動源としての直流モータのように、正逆両方向に1〜2回転以内でしか駆動されないものもある。このような、回転範囲の狭い直流モータにおいては、自己イニシャライズ処理時に、より狭い角度範囲における相対的原点の位置Zαを正確に決定することが求められる。このような要求に応えるために、密、あるいは粗と密の位置決め情報の組み合わせに基づき、原点位置を決定することもできる。
図4Dは、粗と密な位置決め情報の組み合わせに基づく、自己イニシャライズ処理時の、相対的原点位置の決定の処理を説明するタイムチャートである。図4Dの例では、MRセンサユニットの置決め情報生成部237から出力される位置決め情報として、回転軸の180度回転毎に1回の粗な位置決め情報と、回転軸の6度回転毎に1回の密な位置決め情報とが出力される。まず、粗な位置決め情報(−,S20,−,S45,−,)の中でPWM信号のオンデューティが零に同期する、この例では、位置決め情報(S40)の位置を、A相のパルスの立ち上がり時点に同期する、MRセンサの相対的原点位置(Zα)に仮決めする。次に、仮決め位置(S40)付近に関して、密な位置決め情報(−,S388,−,−,S418,−,)を採用し、その付近でPWM信号のオンデューティが零に同期する、この例では、位置決め情報(S406)の位置を、MRセンサの相対的原点位置(Zα)に正式決定する。このようにして、絶対位置(Absolute)に対して、±6度程度の誤差を含む可能性のある、かなり高い精度の相対的原点位置を決定できる。
図5は、正規の運転処理モードにおける、相対的原点位置信号処理の詳細を示すフローチャートである。
直流モータの制御ユニット300は、正規の運転処理モードにおいては、メモリのEEPROMからRAMを経由して表3、表4に示したような相対的原点ZαやZ相信号(Z0,Z1,Z2,―,―,Zn)を取得し(S501)、Z相の幅の信号も取得する(S502)。さらに、MRセンサユニットからのA相・B相信号を、RAMを経由して取得し(S503)、そのインクリメンタルな累積加算値を基に、EEPROMのアドレスを付与して、1回転毎のA相・B相信号のアブソリュート化を行い、RAMに記録する(S504)。さらに、A相・B相信号と、Z相信号とから、直流モータの回転速度と回転角の情報を含む多回転のアブソリュート位置信号を生成し、表3、表4に相当するテーブルを生成し、RAMに記録する(S505)。
図6は、相対的原点位置の信号処理を説明する図である。この図では、特に、A相、B相信号及びZ位置の信号(Z0, Z1,-, Zn)の一例を示している。直流モータの回転軸の正回転、逆回転に応じて、モータの回転軸の1回転毎にZ位置の信号(Z0, Z1,-, Zn)がインクリメント、デクリメントされ、相対的原点位置(Zα)及びA相、B相信号を基にした回転軸の回転角度の情報も、インクリメント、デクリメントされる。
多回転のアブソリュート位置信号として、例えば、図6の下段の例では、1回転の位置P1に対応する、Z1−A相−20435が示されている。これらの情報は、相対的原点位置(Zα)を基準とした直流モータの回転軸の現在位置を表す情報としてMRセンサユニット20で生成され、制御ユニット300に送信され、逐次、RAMを経由してEEPROMに、例えば表3、表4のようなテーブルとして、記録される(S506)。これを、運転処理モードが終了するまで繰り返して行い(S507)、運転終了に伴って終了する。
次に、正規の運転処理モードにおける、DCサーボ制御部345及びPWM信号生成部346の動作につい、図1及び図7を参照しながら、説明する。
DCサーボ制御部345は、EEPROMに表3、表4のようなテーブルなどの形で記録されている、回転速度と回転角の信号、及び、多回転・アブソリュート位置信号に基づいて、直流モータ100の回転軸13の現在の回転角度、ひいては被駆動部材50の現在の相対的原点位置を認識する。DCサーボ制御部345は、これらの情報に基づいて、被駆動部材50の現在位置から目標位置までの速度指令値等を演算する。PWM信号生成部346は、DCサーボ制御部345の出力を受けて、直流モータ100の回転を制御するためのPWM信号を生成し、DCモータ駆動制御部41へ出力する。
図7は、正規の運転処理モードにおける、DCサーボ制御部345及びPWM信号生成部346の動作の詳細を示すフローチャートである。
DCサーボ制御部345は、まず、RAM等のメモリ330から、予め設定された直流モータの運転パターンに基づく、各目標の位置や目標速度を指令値として取得する(S601)。メモリには、被駆動部材であるワイパアームブレードの各目標位置に対応して設定された直流モータの運転パターンに対応する目標速度として、PID制御を前提としたモータ駆動信号、例えばPWM制御信号のデータが格納されている。各目標の位置を含む運転パターンの例として、例えば、ワイパモータは、ワイパアームブレードの反転位置から加速終了までは加速領域、加速終了からブレーキ開始までは定速領域、ブレーキ開始から反転位置までは減速領域となっている。直流モータは、このような所定の運転パターンに従ってPWM制御される。
速度(PWM)信号生成部346は、多回転のアブソリュート位置信号を取得し(S602)、指令値との差分値を算出する(S603)。この算出結果に基づいて、速度(PWM)信号生成部346は、「ずれ」の有無を判定し(S604)、差分が許容値を超えていれば「ずれ」有と判定し、それが2回目である場合(S605、S606)、ずれを含むエラーがエンコーダ(MRセンサユニット20)にあると判定し、ECU500に、異常情報を送信し(S607)、処理を終了する。なお、エンコーダではなく、EEPROM自体に異常がある場合にも、この時点でチェックできる。
ずれの判定(S604)で「ずれ」がなかった場合は、PID制御に基づくPWM信号を生成し(S608)、DCモータ駆動制御部41へ出力する(S609)。そして、MRセンサユニット20からのA相・B相信号に基づく多回転・アブソリュート位置信号を取得し(S610)、PWM信号と多回転・アブソリュート位置信号との差分ずれ量を算出する(S611)。次に、ずれの有無の判定(S612)を行い、もし、2回連続して差分ずれ量が許容値を超えた場合には(S613、S614)、直流モータの異常と判定し、ECU500に直流モータの異常情報を送信し(S615)、処理を終了する。
差分ずれ量の判定(S612)で「ずれ」がなかった場合、新たなPWM信号を生成し(S608)、以下、同様の処理を繰り返す。
図8Aは、DCモータ駆動回路40の構成例を示す図である。DCモータ駆動回路40は、トランジスタから成る4つのスイッチング素子SW1〜SW4をH形に組んだHブリッジ回路となっている。各スイッチング素子SW1〜SW4のベースには、DCモータ駆動制御部41で生成されたPWM信号が入力される。
図8Aにおいて、第1のスイッチング素子SW1は、一端が直流モータの一方のブラシ16Aに接続され、他端が直流電源(Vcc)に接続されている。第2のスイッチング素子SW2は、一端が直流モータの他方のブラシ16Bに接続され、他端が直流電源(Vcc)に接続されている。第3のスイッチング素子SW3は、一端が直流モータの一方のブラシ16Aに接続され他端が接地されている。第4のスイッチング素子SW4は、一端が直流モータの他方のブラシ16Bに接続され、他端が接地されている。
この状態で、イグニッションスイッチ43がオンされると、直流モータの制御ユニット300は、メモリのEEPROMから多回転のアブソリュート位置信号を取得し、ワイパアームの前回の停止時の相対的原点位置を認識する。相対的原点位置が、相対的原点の位置Zαから離れた異常停止に相当する場合、イグニッションスイッチ43によりエンジンが起動されるまでの間に、直流モータでワイパアームを駆動して正常状態に復帰させる処理がなされる。
正常状態として起動が可能な場合に、ワイパのスイッチがオンされると、直流モータの制御ユニット300は、ワイパアームの所定の運転パターンに基づく指令値を取得し、PWM制御にて直流モータ100を駆動する。正常状態で、第1、第4のスイッチング素子SW1、SW4がオンされると、SW1を介してブラシ16Aがバッテリに接続され、SW4を介してブラシ16Bが接地され、ブラシ16A、16B間に直流電流が流れて直流モータは正転する。第2、第3のスイッチング素子SW2、SW3がオンされると、SW2を介してブラシ16Bがバッテリに接続されると共にSW3を介してブラシ16Aが接地され、ブラシ16B、16A間に正転時とは逆向きの直流電流が流れて直流モータは逆転する。
直流モータ100が回転すると、直流モータの制御ユニット300は、MRセンサユニット20からのA相・B相信号に基づいて直流モータの回転速度・回転方向及び相対的原点位置を認識し、認識した回転速度と回転方向、及び相対的原点位置と、指令値とを比較して、PWM制御にて直流モータの運転制御を行う。
このようにして、直流モータの制御ユニット300は、MRセンサユニット20からのA相・B相信号に基づいて逐次ワイパアームの動作状態を認識しながら、直流モータの駆動を継続する。これにより、ワイパアームは所定の角度範囲で、運転パターンに基づく揺動払拭動作を行う。
直流モータの回転速度は、PWM信号オン期間のデューティ比により任意に制御できる。図8Bは、PWM信号と直流モータの回転方向の関係の一例を示す図である。スイッチング素子SW1−SW4のオン・オフ期間の組み合わせやオン期間のデューティ比の制御により、直流モータを任意の速度で正回転回生制動、もしくは逆転回生制動させることもできる。
図8Cは、EEPROMのデータを用いた直流モータ一の開ループ制御の例を示すものである。直流モータは、EEPROMの多回転・アブソリュート位置信号の情報、及びPID制御とPWM制御とを組み合わせた回転指令により、現在位置Pnから目標位置Pn+1まで、正確、かつ、迅速に駆動される。
このようにして、直流モータの制御ユニット300は、MRセンサユニット20からのA相・B相信号に基づいて逐次ワイパアームの動作状態を認識しながら、直流モータの駆動を継続する。これにより、ワイパアームは所定の角度範囲で、運転パターンに基づく揺動払拭動作を行う。
本発明の一実施例によれば、1対のMRセンサの出力信号を基に生成された多回転・相対的原点位置の信号の情報に基づいて、回転軸が駆動されるので、被駆動部材の位置をきわめて精度良く制御でき、かつ、簡単な構成で安価な、直流モータの制御装置を提供することができる。また、1対のMRセンサを有するMRセンサユニットの出力信号を用いた相対的原点位置に基づき生成された多回転・アブソリュート位置信号がEEPROMに記録されている。そのため、被駆動部材の異常停止の有無を判定し、多回転異常停止の場合でも、次回の起動時に、安全な運転開始を実現できる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図9は、本発明を、自動車のスロットル弁駆動装置及びEGR弁駆動装置に適用した、第2の実施例の構成図である。この実施例は、各々ブラシ付き直流モータで駆動される、自動車のスロットル弁駆動装置及びEGR弁駆動装置を含んでいる。
本実施例において、制御ユニット300Aの各機能は、図1の制御ユニット300とは異なり、車載のエンジン制御用のECU700の中に組みこまれている。DCモータ駆動制御部41の機能も、車載のECU700の中に組みこまれている。パワー回路40A、40Bは、図1のDCモータ駆動回路40に対応している。図9の制御ユニット300Aの各機能、パワー回路40A、40B、DCモータ駆動制御部41の機能、及び、直流モータ100A、100Bの構成は、図1の制御ユニット300の各機能、DCモータ駆動回路40、DCモータ駆動制御部41、及び、直流モータ100の機能と同じなので、説明を省略する。
自動車のスロットル弁やEGR弁を駆動する直流モータの回転範囲は、通常、±1〜2回転以内である。そのため、原点位置の情報にはより高い精度が要求される。
特に、被駆動部材を駆動する直流モータの回転軸の回転角度が360度未満の場合には、相対的原点の位置、及び、A相、B相信号を基に、回転軸の1回転内でのアブソリュート位置信号を生成し、EEPROMに記録し、この情報を利用して直流モータの駆動を行う。この場合、相対的原点位置信号344は、1回転のアブソリュート位置信号生成機能部として機能し、位置決め情報として分解能の高い信号や、図4Dで説明したような、分解能の異なる異種の信号を採用して、自己イニシャライズ処理時の相対的原点位置の決定を行うのが望ましい。
制御ユニット300Aは、ECU700等からの外部指令や、第1のMRセンサ22Aの出力であるA相、B相信号のデジタル値等の入力情報に基づき、パワー回路40によりブラシ付き直流モータ100Aを駆動して、エンジン810の吸気管800に設けられたスロットル弁50Aを開閉する。制御ユニット300Aは、また、ECU700等からの外部指令や、第2のMRセンサ22Bの出力であるA相、B相信号のデジタル値等の入力情報に基づき、パワー回路40によりブラシ付き直流モータ100Bを駆動して、排気管812に設けられたEGR弁50Bを開閉する。EGR弁50Bは、排気管812から吸気管800への排気ガスの還流量を制御するものであり、還流路814の途中には、クーラー815が設けられている。
直流モータ100Aにより駆動されスロットル弁50Aを開閉する被駆動部材にはスロットル開度センサが取付けられている。直流モータ100Bにより駆動されEGR弁50Bを開閉する被駆動部材にはEGR弁センサが取付けられている。その他、吸入空気量検出器、空燃比センサ、アクセルペダルの踏み込み量を検知する負荷センサ816、およびクランク角やエンジンの回転数を検出するクランク角センサ817の各出力信号は夫々対応するAD変換器を介してECU700の入力ポートに入力される。ECU700の出力ポートは、対応する駆動回路を介してエンジンの点火栓、燃料噴射弁に接続される。また、ECU700の出力ポートは各パワー回路40A、および40Bを介して、スロットル弁駆動用の直流モータ100A、およびEGR弁駆動用の直流モータ100Bに接続される。
すなわち、直流モータの制御ユニット300Aにおいて、直流モータ100Aに設けられた第1のMRセンサユニット20の出力として得られたA相、B相信号等を用いた相対的原点位置に基づく、アブソリュート位置信号が生成される。そして、PWM信号生成部346が、DCサーボ制御部345の出力を受けてPWM信号を生成し、DCモータ駆動制御部41へ出力する。DCモータ駆動制御部41の出力により、パワー回路(モータ駆動回路)40Aを介して、直流モータ100Aによりスロットル弁50Aを開閉する。同様にして、EGR弁50Bも、パワー回路(モータ駆動回路)40Bを介して直流モータ100Bで開閉される。
スロットル弁50Aが何らかの原因で正常な位置に復帰しないままに電源がオフになった場合、キースイッチが投入された時点で、制御ユニット300Aは、メモリのEEPROMからアブソリュート位置信号を取得し、スロットル弁50Aの前回停止時の相対的原点位置を認識する。相対的原点位置が、相対的原点の位置Zαから離れた異常停止に相当する場合、正常状態での起動に向けた処理がなされる。
スロットル弁50Aの開度は、アブソリュート位置信号を用いて高精度に制御される。
また、スロットル弁50Aの相対的原点位置を示す開度情報が、スロットル開度センサとMRセンサユニット20とから、二重に得られるため、装置としての信頼性が高まる。
さらに、異常停止後の再起動時にアブソリュート位置信号として、EEPROMから例えば、図10に示すような、P2=Z0B028560の情報が得られたと仮定する。ECUは、このアブソリュート位置信号の情報に基づき、PID制御を前提とした適切なPWM制御信号を生成し、出力する。これにより、キースイッチが投入後、ユーザーによりエンジンが起動される前に、PWM信号を生成してDCモータ100Aを駆動し、スロットル弁50Aの開度を、全閉位置に復帰する処理を迅速に実行することができる。
本実施例によれば、1対のMRセンサの出力信号に基づいて生成されたアブソリュート位置信号の情報に基づいて、スロットル弁及びEGR弁が直流モータにより駆動されるので、各弁の位置をきわめて精度良く制御できる。本発明はコンピュータに簡単なプログラムを組み込むことで容易に実現でき、安価で汎用性の高い直流モータの制御装置を提供できる。また、1対のMRセンサの出力信号に基づいて生成されたアブソリュート位置信号がEEPROMに記録されているので、次回の起動時に、自動車のスロットル弁やEGR弁の異常停止の有無を判定し、異常停止の場合でも安全な運転開始を実現できる。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図11は、本発明の第3の実施例に基づく、直流モータの制御装置の機能ブロック図である。
本実施例において、制御ユニット300の各機能は、図1の制御ユニット300とは異なり、車載のECU1000の中に組みこまれている。DCモータ駆動制御部41やDCモータ駆動回路40の機能も、車載のECU1000の中に組みこまれている。ECU1000は、制御ユニット300に対する上位のプロセッサ1010と上位のメモリ1014を含むコントロールユニット1012を備えている。制御ユニット300、DCモータ駆動回路40及びDCモータ駆動制御部41の各機能は、図1の対応するものの機能と同じなので、説明を省略する。
被駆動部材としては、直流モータで駆動される車載の複数の機器を対象とすることができる。例えば、被駆動部材として、先に述べたワイパなどの例の他に、パワーシート、パワーウインド、電子ターボチャージャ、ウオーターポンプ、オイルポンプ等がある。これらの被駆動部材は、ブラシ付きの直流モータ100により、多回転・アブソリュート位置信号に基づく正確な多回転の位置制御がなされるとともに、異常停止後の再起動時にも迅速に正常状態に復帰できる。
また、第3の実施例のECU1000には、図9のECU700と同様に、自動車やエンジンの制御に関係する各種の情報が入力される(図示略)。
各被駆動部材を駆動する直流モータには各々MRセンサユニット20が設けられ、各MRセンサユニット20で生成されたA相・B相信号がISO26262の規格に対応するシリアル信号として、通信ケーブルを介してECU1000に送信される。各被駆動部材を駆動するために必要な情報には、他の被駆動部材と共通の情報も含まれていることが多いので、ECU1000で一括して管理するのが望ましい。
本実施例によれば、1対のMRセンサを有するMRセンサユニットの出力信号を用いた相対的原点位置に基づいて生成されたアブソリュート位置信号の情報に基づいて、各被駆動部材が直流モータにより駆動される。そのため、各被駆動部材の位置をきわめて精度良く制御できる。本発明はコンピュータに簡単なプログラムを組み込むことで容易に実現でき、安価で汎用性の高い直流モータの制御装置を提供できる。また、1対のMRセンサの出力信号に基づいて生成されたアブソリュート位置信号がEEPROMに記録されているので、次回の起動時に、自動車の各被駆動部材の異常停止の有無を判定し、異常停止の場合でも安全な運転開始を実現できる。
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例は、上記各実施例において、MRセンサユニット、制御ユニット、及び、EEPROMにバックアップ電源を付設するものである。EEPROMのデータは、自動車の異常停止後、バッテリからの電力がEEPROMに供給されなくなっても保持されるため、車の安全な再起動に利用できる。ただし、異常停止後に、被駆動部材が、自動車のキースイッチを介した通常の正規の再起動ではなく、被駆動部材のみ強制的に駆動される想定外の不適切な再起動状態になる可能性もある。この場合、被駆動部材が多回転したとしても、EEPROMのデータは更新されない。この想定外の状態でも、自動車が再起動される事態は避けるのが望ましい。そこで、より安全性を高めるために、MRセンサユニットの出力を直流モータの制御ユニットに送信しEEPROMに記録するまでの処理が、自動車の停止後も維持されるような、バックアップ電源を確保する。
EEPROMのバックアップ電源としては、例えば、ボタン電池やリチウム電池などがある。これらのバックアップ電源は、通常は、キースイッチがオンの状態でバッテリ42を電源として充電される。そして、バッテリ電源の消失時には、MRセンサユニット、制御ユニット、及び、EEPROMに対する電源として機能する。これにより、想定外の事態でバッテリ電源が消失しても、異常停止時の被駆動部材の駆動に伴うアブソリュート位置信号が、EEPROMに記録される。
また、何らかの原因で、アブソリュート位置信号をEEPROMに記録している途中で、バッテリからの電力がEEPROMに供給されなくなったり、一時的に電源電圧が定格電圧、例えば1.2Vよりも異常に低下したりすることもありうる。このような場合でも、バックアップ電源をEEPROMに付設しておくことにより、EEPROMに不完全なデータが記録されることを防止することができる。
次に、本発明の第5の実施例について説明する。本発明の直流モータの制御装置は、自動車に搭載される直流モータのみならず、他の分野の、絶対原点の位置の情報に基づく多回転・アブソリュート位置信号を必要とする被駆動部材を駆動する直流モータにも適用可能である。例えば、ロボットのハンドのアクチュエータ等に本発明の直流モータを採用することにより、アクチュエータの位置をアブソリュート位置信号できわめて精度良く制御できる。
10 モータハウジング
11 永久磁石
12 アマチュア
13 回転軸
14 減速機
15 給電端子
16 ブラシ
17 整流子
18 エンドブラケット(若しくはシールドキャップ)
20 MRセンサユニット
21 マグネット
22 MRセンサ
23 処理回路部
24 軸受
25 軸受
40 DCモータ駆動回路
40A パワー回路
40B パワー回路
41 DCモータ駆動制御部
42 バッテリ
43 イグニッションスイッチ
50 被駆動部材
50A スロットル弁
50B EGR弁
100 直流モータ
100A 直流モータ
100B 直流モータ
300 直流モータの制御ユニット
310 通信制御部
320 メモリ制御部
330 メモリ
331 ROM
332 RAM
333 EEPROM
341 自己イニシャライズ処理部
342 Z相信号生成部
343 Z相の幅信号生成部
344 相対的原点位置信号生成部
345 DCサーボ制御部
346 PWM信号生成部
500 車載のECU
600 プリント基板
700 エンジン制御用ECU
1000 ECU。

Claims (1)

  1. 直流モータの駆動信号を生成して出力する制御ユニットと、
    1対のMRセンサにより前記直流モータの回転軸の回転を検知するMRセンサユニットとを備え、
    前記回転軸に固定されたアマチュアにブラシを介して供給される電力を制御する、モータ制御装置において、
    前記MRセンサユニットは、
    前記1対のMRセンサの出力に基づいて、前記回転軸の回転に伴うインクリメンタルなA相、B相の信号と、該A相、B相の出力信号が特定の関係にある状態を示す位置決め情報とを生成して出力し、
    前記制御ユニットは、
    イニシャライズ駆動信号により前記直流モータを正逆双方向に所定の回転数で起動運転し、該直流モータを駆動して得られる前記MRセンサユニットからの前記A相、B相の出力信号と前記位置決め情報と、前記イニシャライズ駆動信号との同期の関係から、前記回転軸に対する前記MRセンサの原点位置(Zα)の情報を取得し、
    前記A相、B相、及び前記原点位置の情報の全データをアブソリュート信号のデータに変換してメモリに記録するように構成されていることを特徴とするモータ制御装置。
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