JP2018182384A - 無線基地局制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スループット期待値を算出する処理時間を短縮し、期待値に基づくシステムスループットを考慮し消費電力を低減する無線基地局制御方法を提供する。【解決手段】無線システム100において、第1無線方式を用いる複数の第1無線基地局と、より通信範囲の広い第2無線方式を用いる第2無線基地局とを備える。第1無線基地局の運用開始前に、通信環境毎に第1無線基地局のスループット期待値を計算し、その期待値と通信環境の情報とをそれぞれ対応付けたリファレンステーブルを作成し、第1無線基地局の運用開始後に、第1無線基地局及び第2無線基地局から取得される通信環境の情報に基づいて、第1無線基地局のスループット期待値をリファレンステーブルから読み出すとともに第2無線基地局のスループット期待値を算出し、第1無線基地局のスループット期待値及び第2無線基地局のスループット期待値に基づいて第1無線基地局の動作を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、通信範囲の異なる複数の無線基地局を有する無線システムにおいて、ユーザ端末数やトラヒックの変動時にスループット期待値を算出して無線基地局を制御する方法に関する。
近年、モバイルトラヒックが急速に増加しており、従来のマイクロ波無線LAN(Local Area Network)の帯域はより一層混雑していくものと考えられている。その解決策として、従来のマイクロ波通信によるマクロセルのエリア内にミリ波通信を用いるスモールセル基地局を設置してトラヒックをオフロードする検討が行われている。例えば、ミリ波帯域を用いた無線LAN規格であるIEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11adに対応した機器は非常に高速な通信が可能であるが、ミリ波は信号の直進性が高く大気や水分による減衰が大きいために、ミリ波はマイクロ波通信よりも通信範囲が狭くなるという問題がある。そこで、ミリ波通信の通信範囲を確保するために多数のミリ波無線LAN基地局を設置する方法があるが、多数のミリ波無線LAN基地局を常にアクティブな状態にしておく場合、無線LANシステム全体の消費電力が増大するという問題が生じる。
そこで、無線LANシステム全体の消費電力を削減するために、ユーザ端末数やトラヒックに応じて一部のミリ波無線LAN基地局をスリープ状態にする制御(スリープ制御)を行う方法が考えられている。ミリ波無線LAN基地局をスリープ状態にすることで、マイクロ波通信しか利用できないユーザは増えるが、無線LANシステム全体の消費電力を抑えることができる。ここで、スリープ制御の際には、消費電力だけでなくスループットも考慮されることが望ましい。この場合、例えばミリ波無線LAN基地局のユーザ端末数やトラヒックに応じて動的にスリープ制御を行うことが求められる。
一方、非特許文献1では、ユーザ密度やトラヒックからスループットの期待値をモデル化することにより、スループットの期待値の合計を最大化するミリ波基地局の最適な配置方式について検討し、接続ユーザ数を最大化する配置方式と比べて合計のシステムスループットを向上できるという結果が得られている。ミリ波通信では見通し通信が基本であるため、例えば移動するユーザの位置に応じて通信路遮蔽が発生して短期的にシステムスループットが変化する。そこで、非特許文献1では、通信路遮蔽を確率的に取り扱い、システムスループットの期待値をモデル化している。また、ミリ波通信でスループットに大きな影響を与える制御フレームによるオーバヘッドについても考慮している。具体的にはミリ波無線LAN基地局を設置したときのシステムスループットの期待値をミリ波無線LAN基地局のカバーエリアと、カバーエリアに含まれる端末数と、各端末の印加トラヒックと、ペイロード長とを既知として定式化している。
ここで、システムスループット期待値は通信路遮蔽モデル、データ送信区間のスループットモデル、制御フレームのオーバヘッドモデルから導出される。先ず、通信路遮蔽モデルでは、ミリ波通信可能端末数の期待値、及び、期待受信信号電力分布をモンテカルロシミュレーションで算出する。また、データ送信区間のスループットモデルでは、通信路遮蔽モデルで得られたミリ波通信可能端末数の期待値、及び、期待受信信号電力分布を用いて、周知の技術によりアンテナの指向性制御などを行う制御フレームのオーバヘッドを無視したシステムスループット期待値を算出する。非特許文献2では、Bianchiモデルを使用することで制御フレームのオーバヘッドを無視したシステムスループット期待値を導出している。そして、最後に、制御フレームのオーバヘッドモデルより、制御フレームによるオーバヘッドを考慮したシステムスループット期待値を求める。
このようにして、通信路遮蔽モデルから受信信号電力分布を得てシステムスループット期待値を算出することができる。
江上晃弘,西尾理志,守倉正博,村山大輔,中平勝也,"遮蔽環境におけるミリ波無線LANスループットのモデル化と基地局配置最適化,"信学技報,vol.116,no.171,MoNA2016-7,pp.7-12,Aug.2016. G.Bianchi,"Performance analysis of the IEEE 802.11 distributed coordination function,"IEEE J. Sel.Areas Commun.,vol.18,no.3,pp.535-547,March 2000.
ところが、通信路遮蔽モデルから受信信号電力分布を得るためには、ユーザ端末数やトラヒックが変化する度にシミュレーションを行うため、処理時間がかかるという問題がある。さらに、データ送信区間のスループットモデルでは非線形連立方程式を解く必要があり、計算処理時間がかかるという問題がある。
本発明では、無線基地局のスループット期待値を算出する運用時の処理時間を短縮し、算出されたスループット期待値に基づいてシステムスループットを考慮した消費電力の低減が可能となる無線基地局制御方法を提供することである。
第1の発明は、第1無線方式を用いる複数の第1無線基地局と、複数の前記第1無線基地局の通信範囲を含み前記第1無線基地局よりも通信範囲の広い第2無線方式を用いる第2無線基地局とを備え、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局の通信環境の情報に基づいて前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局のスループット期待値を算出し、算出された前記スループット期待値に基づいて前記第1無線基地局の動作を制御する無線基地局制御方法であって、前記第1無線基地局の運用開始前に、複数の前記通信環境を想定して、複数の前記通信環境ごとに前記第1無線基地局のスループット期待値を計算し、複数の前記通信環境のそれぞれに対する前記第1無線基地局のスループット期待値と前記通信環境の情報とを対応付けたリファレンステーブルを作成し、前記第1無線基地局の運用開始後に、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局から取得される通信環境の情報に基づいて、前記第1無線基地局のスループット期待値を前記リファレンステーブルから読み出すとともに前記第2無線基地局のスループット期待値を算出し、前記第1無線基地局のスループット期待値及び前記第2無線基地局のスループット期待値に基づいて前記第1無線基地局の動作を制御することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1無線基地局の運用開始後に、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局の消費電力の情報を取得し、前記消費電力の情報と、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局のスループット期待値と、に基づいて、システム全体のスループット期待値の和、又は、消費電力あたりのスループット期待値の和、が最大となるように、複数の前記第1無線基地局のうちスリープ状態にすべき前記第1無線基地局の組み合わせを決定し、決定された前記第1無線基地局をスリープ状態に制御することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記通信環境の情報は、ユーザ端末数、通信範囲及びトラヒックの情報を少なくとも含むことを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記第1無線基地局の運用開始後の制御は、前記ユーザ端末数及び前記トラヒックの少なくとも一方の値が変動したときに実行されることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれかの発明において、前記リファレンステーブルは、システム全体のユーザ端末数、前記第1無線方式で通信可能な平均ユーザ端末数及び平均伝送レートの情報を含む通信路遮蔽パラメータのリファレンステーブルと、前記第1無線方式で通信可能な平均ユーザ端末数、平均伝送レート、ペイロード長及び前記第1無線基地局のスループット期待値の情報を含むスループット期待値リファレンステーブルと、の少なくとも一方を有することを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれかの発明において、過去に使用された前記通信環境の情報又は過去に作成された前記リファレンステーブルの情報の少なくとも一方を参照して、新たなリファレンステーブルを作成することを特徴とする。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれかの発明において、前記第1無線方式は、ミリ波無線LAN方式であり、前記第2無線方式は、マイクロ波無線LAN方式であることを特徴とする。
本発明に係る無線基地局制御方法は、無線基地局のスループット期待値を算出する運用時の処理時間を短縮し、算出されたスループット期待値に基づいてシステムスループットを考慮した消費電力の低減が可能となる。
本実施形態に係る無線システム100の適用例を示す図である。 本実施形態に係る無線システム100の構成例を示す図である。 従来の無線システム700の構成例を示す図である。 本実施形態に係る基地局設置時の処理例を示す図である。 本実施形態に係る基地局運用時の処理例を示す図である。 従来の基地局運用時の処理例を示す図である。 本実施形態の方式と従来の方式との処理時間の比較例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係る無線基地局制御方法を適用する無線システムの実施形態について説明する。
本実施形態で説明する無線システムは、通信範囲が異なる2つの無線方式(ミリ波を用いる第1無線方式とマイクロ波を用いる第2無線方式)を使用し、両方の無線方式に対応するユーザ端末を持つ複数のユーザが通信サービスエリア内を移動するようなシステムを想定している。
ここで、ミリ波は、直進性が高いために見通し通信を基本とし、大気や水分による減衰も大きいため、マイクロ波と比較すると通信範囲が狭い。このため、ミリ波を用いる通信(ミリ波通信)では、ユーザが利用できる範囲を広くするために、多数のミリ波無線LAN基地局を設置する必要がある。一方、マイクロ波を用いる通信(マイクロ波通信)は、遮蔽物があっても通信できるため、例えば多数のミリ波無線LAN基地局の通信範囲を含む広範囲な通信範囲を1台のマイクロ波無線LAN基地局で対応することができる。
図1は、本実施形態に係る無線システム100の一例を示す。図1の例では、ビル、学校、イベント会場などの建屋の中の複数の小部屋(図1では9部屋)に仕切られた環境を想定している。図1において、ミリ波無線LAN基地局101(1)からミリ波無線LAN基地局101(9)までの9つのミリ波無線LAN基地局101は、部屋161(1)から部屋161(9)までの9つの部屋161のそれぞれに1台ずつ設置されている。ユーザ端末104はユーザに保持され、ユーザは各部屋161の中や部屋161間を自由に移動することができる。ユーザ端末104は、ミリ波通信とマイクロ波通信との両方に対応するが、壁などで仕切られた他の部屋161のミリ波無線LAN基地局101と通信を行うことはできない。また、ユーザ端末104は、同じ部屋161内のミリ波無線LAN基地局101と見通し通信を行うため(ここでは、反射は考えない)、机や棚などの障害物や他のユーザの身体、或いはユーザ自身の身体などで見通し通信路が遮蔽された場合もミリ波通信が切断されたり誤り率が大きくなるなどの通信障害が生じる。なお、図1の例では、1台のマイクロ波無線LAN基地局102が中央の部屋に設置されているように描いてあるが、建屋の外に設置されていてもよい。いずれの場合でも、マイクロ波無線LAN基地局102は、ミリ波無線LAN基地局101の通信範囲を含む広範囲な通信範囲を有する。図1において、例えば、ミリ波無線LAN基地局101(1)は部屋161(1)内の通信範囲152(1)を有し、ミリ波無線LAN基地局101(2)からミリ波無線LAN基地局101(9)についても同様の通信範囲を有する。そして、マイクロ波無線LAN基地局102の通信範囲151は、ミリ波無線LAN基地局101の通信範囲よりも広く、ミリ波無線LAN基地局101(1)からミリ波無線LAN基地局101(9)までの通信範囲を全て含んでいる。
ここで、以降の説明において、ミリ波無線LAN基地局101(1)からミリ波無線LAN基地局101(9)に共通の説明を行う場合は、符号末尾の(番号)を省略してミリ波無線LAN基地局101と表記する。また、部屋161(1)から部屋161(9)についても同様に表記する。
本実施形態に係る無線システム100では、ミリ波通信よりも通信範囲は広いが通信速度の遅いマイクロ波通信と、マイクロ波通信よりも高速通信は可能だが通信範囲の狭いミリ波通信とが併用される。そして、ユーザは、ミリ波通信が可能な場合、トラヒックをマイクロ波通信からミリ波通信へオフロードして端末を使用する。また、従来技術で説明したように、ミリ波通信の通信範囲を確保するためには多数のミリ波無線LAN基地局101を設置する必要があり、常に多数のミリ波無線LAN基地局101をアクティブな状態にしておく場合は、システム全体の消費電力が増大するという問題がある。そこで、本実施形態に係る無線システム100は、無線システム100全体の消費電力を削減するために、ユーザ端末数、通信範囲及びトラヒックなどの通信環境の情報に応じてミリ波無線LANシステムスループット期待値(以降、ミリ波スループット期待値と称する)及びマイクロ波無線LANシステムスループット期待値(以降、マイクロ波スループット期待値と称する)を算出し、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定する。そして、決定されたミリ波無線LAN基地局101のスリープ制御を行ってスリープ状態にし、システム全体の消費電力を低減する。このように、本実施形態に係る無線システム100は、通信環境に応じたシステムスループットを考慮した動的なスリープ制御を行って消費電力を低減することができる。
図2は、本実施形態に係る無線システム100の構成例を示す。図2において、本実施形態に係る無線システム100は、N台(N≧1の整数)のミリ波無線LAN基地局101(1)、・・・、ミリ波無線LAN基地局101(N)と、1台のマイクロ波無線LAN基地局102と、基地局制御装置103とを有する。なお、図1の例は、図2のN=9の場合に対応する。
ここで、本実施形態に係る無線システム100は、通常、マイクロ波無線LAN基地局102と通信しているユーザ端末104のトラヒックをオフロードしてミリ波無線LAN基地局101側に切り替えることにより、ユーザに高速通信を提供するとともにマイクロ波無線LANが過密状態になってスループットが低下しないようにし、無線システム100全体のスループットの向上を図っている。
また、ミリ波無線LAN基地局101は、消費電力を抑えるためにユーザ端末104との通信ができないスリープ状態と、ユーザ端末104との通信が可能なアクティブ状態との2つの状態を有する。そして、基地局制御装置103は、マイクロ波無線LAN基地局102に比べて設置台数の多いミリ波無線LAN基地局101の全体の消費電力を低減するために、効率が悪いミリ波無線LAN基地局101をスリープ状態に切り替える制御を行う。なお、基地局制御装置103は、スリープ制御信号により、ミリ波無線LAN基地局101をアクティブ状態からスリープ状態へ、又は、スリープ状態からアクティブ状態へ切り替えることができる。
基地局制御装置103は、マイクロ波無線LAN基地局102及びミリ波無線LAN基地局101、或いは外部入力により、ユーザ端末数、トラヒック、通信範囲、或いは消費電力などの制御に必要な情報を取得する。そして、基地局制御装置103は、ミリ波スループット期待値とマイクロ波スループット期待値とを算出し、算出された各期待値とミリ波無線LAN基地局101及びマイクロ波無線LAN基地局102から取得する消費電力の情報とに基づいて、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定する。そして、基地局制御装置103は、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101にスリープ制御信号を出力して、当該ミリ波無線LAN基地局101をスリープ状態にする。なお、マイクロ波無線LAN基地局102は、常にアクティブ状態であるものとする。
図2において、基地局制御装置103は、ミリ波無線LANシステムスループット期待値処理部201(以降、ミリ波スループット期待値処理部201と称する)、マイクロ波無線LANシステムスループット期待値算出部202(以降、マイクロ波スループット期待値算出部202と称する)、ミリ波無線LAN基地局スリープ組み合わせ決定部203(以降、スリープ組み合わせ決定部203と称する)及びスリープ指令部204を有する。そして、ミリ波スループット期待値処理部201は、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301及びミリ波無線LANシステムスループット期待値算出/読出部302(以降、ミリ波スループット期待値算出/読出部302と称する)を有する。
ミリ波スループット期待値処理部201の通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前(設置時)に行う処理、及び、ミリ波無線LAN基地局101の運用時に行う処理の2つの処理状態を有する。通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、運用開始前(設置時)の処理として、様々な通信環境を想定して複数の通信路遮蔽モデルを作成し、通信環境ごとの通信路遮蔽パラメータを算出する。そして、算出された通信路遮蔽パラメータを通信環境ごとに対応付けた通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aを作成する。また、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、運用開始後(運用時)の処理として、マイクロ波無線LAN基地局102及びミリ波無線LAN基地局101から取得する通信環境の情報に対応する通信路遮蔽パラメータを通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aから読み出し、ミリ波スループット期待値算出/読出部302に出力する。なお、マイクロ波無線LAN基地局102は、運用中であってもよいし、運用開始前であってもよい。
ミリ波スループット期待値処理部201のミリ波スループット期待値算出/読出部302は、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前(設置時)に行う処理、及び、ミリ波無線LAN基地局101の運用時に行う処理の2つの処理状態を有する。ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、運用開始前(設置時)の処理として、マイクロ波無線LAN基地局102から取得又は過去のトラヒックの情報を参照して、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301の通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aに記載された複数の通信路遮蔽パラメータのそれぞれに対して、ミリ波無線LAN基地局101のスループット期待値を算出する。そして、算出されたスループット期待値を通信路遮蔽パラメータごとに対応付けたミリ波無線LANシステムスループット期待値リファレンステーブル302a(以降、ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aと称する)を作成する。また、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、運用開始後(運用時)の処理として、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301が通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aから読み出す通信路遮蔽パラメータに対応するミリ波スループット期待値をミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aから読み出してミリ波基地局スリープ組み合わせ決定部203に出力する。
マイクロ波スループット期待値算出部202は、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するユーザ端末数及びトラヒックの情報に基づいて、マイクロ波スループット期待値を算出する。なお、マイクロ波スループット期待値は、ミリ波無線LANの通信範囲に入らないユーザ端末数を算出し、例えば非特許文献2に開示されているBianchiモデルにより算出される。ここで、ミリ波無線LANの通信範囲に入らないユーザ端末数は、例えば通信路遮蔽パラメータから算出できる。表1の例では、ユーザ端末数が50台の場合、平均ミリ波通信可能端末数は40台なので、ミリ波無線LANの通信範囲に入らないユーザ端末数は、50−40=10台となる。なお、Bianchiモデルでは、例えば各ユーザ端末のフレーム送信時にコンスタントかつ独立的に衝突が発生すると仮定し、衝突確率や送信確率などの複数の確率を計算してユーザ端末のスループット期待値を算出する。
スリープ組み合わせ決定部203は、ミリ波無線LAN基地局101及びマイクロ波無線LAN基地局102から取得する消費電力の情報と、ミリ波スループット期待値及びマイクロ波スループット期待値とに基づいて、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101を決定する。なお、スリープ状態にしないミリ波無線LAN基地局101は、アクティブ状態にあるものとする。
ここで、スリープ組み合わせ決定部203は、例えば、システムスループット期待値の和が最大となるようにスリープ状態にするミリ波無線LAN基地局101を決定する方法や、消費電力あたりのシステムスループット期待値の和が最大となるようにスリープ状態にするミリ波無線LAN基地局101を決定する方法などにより、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定する。
スリープ指令部204は、スリープ組み合わせ決定部203により決定されたスリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101に対してスリープ制御信号を出力する。なお、スリープ指令部204は、前の処理でスリープ状態に切り替えられたミリ波無線LAN基地局101がスリープ状態にすべき候補に含まれた場合はそのままスリープ状態を維持するが、スリープ状態にすべき候補に含まれなかった場合はアクティブ状態に切り替える制御信号を当該ミリ波無線LAN基地局101に出力して、アクティブ状態にする。そして、スリープ指令部204からスリープ状態にする制御信号を受け取ったミリ波無線LAN基地局101は、スリープ状態に切り替わり、スリープ指令部204からアクティブ状態にする制御信号を受け取ったミリ波無線LAN基地局101は、アクティブ状態に切り替わる。
このように、本実施形態に係る無線システム100は、ミリ波スループット期待値とマイクロ波スループット期待値とを算出し、算出された各期待値とミリ波無線LAN基地局101及びマイクロ波無線LAN基地局102から取得する消費電力の情報とに基づいて、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定する。そして、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101にスリープ制御信号が出力され、当該ミリ波無線LAN基地局101はスリープ状態になる。これにより、システムスループットを考慮しながらシステム全体の消費電力が低減される。
以下、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301が通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aを作成する処理、及び、ミリ波スループット期待値算出/読出部302がミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成する処理について、それぞれ詳しく説明する。
[通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301]
(運用開始前の処理)
ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前において、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、様々な通信環境を想定して複数の通信路遮蔽モデルを作成し、通信環境ごとの通信路遮蔽パラメータを算出する。ここで、通信環境は、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するユーザ端末数と、各ミリ波無線LAN基地局101の通信範囲の情報とに基づいて様々なユーザ端末密度を想定し、複数の通信路遮蔽モデルを作成する。なお、ユーザ端末数は、マイクロ波無線LAN基地局102が運用中であれば、マイクロ波無線LAN基地局102からシステム全体のユーザ端末数を取得して、想定すべきユーザ端末数の範囲を決めてもよいし、マイクロ波無線LAN基地局102が運用されていない場合は過去の情報又は外部から入力される情報を使用してもよい。このように、過去に使用された通信環境の情報又は過去に作成された通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aの情報の少なくとも一方を参照して、新たなリファレンステーブルを作成してもよい。ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aについても同様である。
ここで、ユーザ端末密度は、ユーザ端末数と通信範囲の情報から求められる。例えばユーザ端末密度は、図1の場合、部屋161の中のユーザ端末数(ユーザ数と同じものとする)を部屋161の面積で除算して求めることができる。なお、ユーザ端末数は、ランダムに数値を振る方法も考えられるが、効率が良くないので、ユーザ端末数の範囲をある程度予測しておくのが望ましい。例えば予測方法の1つとして、過去の平均ユーザ数の情報を利用して、平均ユーザ数の前後X人(X:整数)を将来的なユーザ端末数の増減範囲として使用する方法や、部屋161の床面積をS_room、ユーザの床に占める面積をS_userとしたとき、S_room / S_userの計算を行って物理的に部屋161に入ることができる最大人数を求め、最大人数からユーザ人数(ユーザ端末数)の上限を予測することができる。このように、様々な通信環境を想定した複数の通信路遮蔽モデルを作成する際のユーザ端末数や通信範囲は、ランダムに値を振るのではなく、ある程度の許容範囲を予め決めておくのがよい。例えば、ユーザ端末数の許容範囲を20人以下としたり、通信範囲を例えば設置するビル内の最大の広さの部屋以下とするなど、ある程度の許容範囲を予め決めておくことで、シミュレーション時間などを短縮できる。或いは、過去に設置したときの通信路遮蔽モデルの通信路遮蔽パラメータを参照してもよい。
なお、ミリ波無線LAN基地局101の通信範囲の情報は、ミリ波無線LAN基地局101を設置する際に、保守者などが基地局制御装置103に外部入力する。例えば図1の場合、通信範囲の情報は、設置する部屋161の広さだけでもよいが、机や棚などの設置物の配置、ミリ波無線LAN基地局101の設置位置(平面位置、高さ)等の詳細な情報であってもよい。なお、保守者が通信範囲の情報を各ミリ波無線LAN基地局101のメモリなどに入力しておき、適宜、基地局制御装置103が読み出せるようにしてもよい。
このようにして、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、ユーザ端末数や通信範囲などの通信環境を変えた複数の通信路遮蔽モデルを作成し、作成した通信路遮蔽モデルに対してシミュレーションを行い、マイクロ波無線LAN基地局102から得られる無線システム100全体のユーザ端末数に対するミリ波通信が可能な平均端末数(平均ミリ波通信可能端末数)及び平均伝送レートを算出する。ここで、通信路遮蔽モデルは、図1に示した各部屋161ごとにユーザ端末104の位置やユーザ位置及びユーザ端末104を保持するユーザの向きなどの通信環境を想定したモデルである。作成された通信路遮蔽モデルごとに、ミリ波通信可能端末数の期待値、及び、期待受信信号電力分布をモンテカルロシミュレーションにより算出する(非特許文献1参照)。そして、算出された期待受信信号電力分布から各端末の伝送レートが推定され、平均伝送レートが求められる。ここで、通信路遮蔽パラメータは、例えばシステム全体のユーザ端末数と、平均ミリ波通信可能端末数と、平均伝送レートとを有する。そして、通信路遮蔽モデルに応じて、システム全体のユーザ端末数に対する平均ミリ波通信可能端末数が異なり、そのときの平均伝送レートも異なる。例えば図1の場合、1つの部屋161に多数のユーザが存在すると、ユーザの身体による遮蔽が発生する確率が増加し、制御フレームのオーバヘッドも多くなってシステムのスループットが低下する。
表1は、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aの一例を示す。
Figure 2018182384
通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aは、表1に示すように、マイクロ波無線LAN基地局102から得られるシステム全体のユーザ端末数に対する平均ミリ波通信可能端末数と平均伝送レートとの対応を示すテーブルである。例えば表1において、ユーザ端末数が1台の場合、ミリ波通信が可能な平均ミリ波通信可能端末数が1台、そのときの平均伝送レートが1752.83Mbit/sである。同様に、ユーザ端末数:2台の場合、平均ミリ波通信可能端末数:2台、平均伝送レート:1769.80Mbit/sとなり、ユーザ端末数:3台の場合、平均ミリ波通信可能端末数:3台、平均伝送レート:1744.76Mbit/sとなる。なお、ユーザ端末数:50台の場合は、ミリ波通信ができないユーザ端末数が10台あり、平均ミリ波通信可能端末数:40台、平均伝送レート:1615.32Mbit/sとなる。
ここで、例えば、モンテカルロシミュレーションによりユーザ端末の位置を変化させてミリ波無線LAN基地局101との距離や見通し通信が可能であるかなどを判別することにより、ミリ波通信ができないユーザ端末の割合や受信信号電力分布がわかる。そして、受信信号電力分布がわかれば、受信信号電力に適した伝送レートの分布がわかり、受信信号電力により通信の可否を判断できる。例えばミリ波通信ができないユーザ端末の判断は、受信信号電力分布から各ユーザ端末が位置する場所の受信信号電力を求め、その受信信号電力がシングルキャリア伝送でミリ波通信可能な受信信号電力の下限よりも低いか否かにより行うことができる。
このようにして、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、様々な通信環境を想定した複数の通信路遮蔽モデルに対応する平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レートの算出が可能である。
なお、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、部屋161のサイズやユーザ端末数や通信範囲など通信環境が異なる過去に算出した通信路遮蔽パラメータを蓄積しておき、新たにミリ波無線LAN基地局101を設置するときに参照してもよい。これにより、過去の類似する通信路遮蔽モデルにおける通信路遮蔽パラメータの計算を行う必要がなくなる。
ここで、本実施形態では、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301が通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aを作成するものとして説明したが、外部のコンピュータなどにより、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aを作成して、運用開始前に通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301に設定してもよい。
(運用開始後の処理)
ミリ波無線LAN基地局101の運用開始後、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aを参照して、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するユーザ端末数に対応する通信路遮蔽パラメータを読み出し、ミリ波スループット期待値算出/読出部302に出力する。例えば、表1において、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するユーザ端末数が50の場合、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aのユーザ端末数が50の欄を参照して、平均ミリ波通信可能端末数:40台、平均伝送レート:1615.32Mbit/sの情報を読み出すことができる。
このように、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、運用時に通信路遮蔽パラメータの計算を行わずに、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aから通信路遮蔽モデルに対応する予め計算された通信路遮蔽パラメータを読み出すだけでよい。これにより、本実施形態に係る無線システム100は、シミュレーションや計算に要する時間を低減することができる。
[ミリ波スループット期待値算出/読出部302]
(運用開始前の処理)
ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前において、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301の通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aの複数の通信路遮蔽パラメータの情報に対応するミリ波スループット期待値を算出する。なお、スループット期待値の詳細な算出方法については後述する。
ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前に、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aに記載されている様々な通信環境を想定した複数の通信路遮蔽モデルの通信路遮蔽パラメータごとにミリ波スループット期待値を計算し、各通信路遮蔽パラメータごとにミリ波スループット期待値を対応させたミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成する。
表2は、ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aの一例を示す。
Figure 2018182384
表2の例では、平均ミリ波通信可能端末数:40台、平均伝送レート:1615.32Mbit/sの場合、MACペイロード長:7920Byteのときのシステムスループット期待値574.51Mbit/s、又は、MACペイロード長:1500Byteのときのシステムスループット期待値104.32Mbit/s、の情報を読み出すことができる。ここで、ミリ波無線LAN基地局101で使用しているMACペイロード長の情報は、ミリ波無線LAN基地局101から得られるので、例えばミリ波無線LAN基地局101が使用しているMACペイロード長が1500Byteのとき、システムスループット期待値は104.32Mbit/sとなる。
このようにして、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、様々な通信環境を想定した複数の通信路遮蔽パラメータに対応するMACペイロード長(B(Byte))及びミリ波無線LAN基地局101のシステムスループット期待値(Mbit/s)を算出して、ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成することができる。
なお、過去に算出した通信路遮蔽パラメータとMACペイロード長及びシステムスループット期待値を蓄積しておき、新たにミリ波無線LAN基地局101を設置するときにミリ波スループット期待値算出/読出部302が参照できるようにしてもよい。これにより、過去の類似する通信路遮蔽パラメータにおけるMACペイロード長及びシステムスループット期待値の計算を行う必要がなくなる。
ここで、本実施形態では、ミリ波スループット期待値算出/読出部302がミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成するものとして説明したが、外部のコンピュータなどにより、ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成して、運用開始前にミリ波スループット期待値算出/読出部302に設定してもよい。
(運用開始後の処理)
ミリ波無線LAN基地局101の運用開始後、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを参照して、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aから読み出される平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レートの情報に対応するシステムスループット期待値を読み出し、スリープ組み合わせ決定部203に出力する。
このようにして、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、運用時にシステムスループット期待値などの計算を行わずに、ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aから通信路遮蔽パラメータに対応する予め計算されたシステムスループット期待値を読み出すだけでよい。これにより、本実施形態に係る無線システム100は、シミュレーションや計算に要する時間を低減することができる。
[システムスループット期待値の算出方法について]
本実施形態では、システムスループット期待値の算出方法として、非特許文献1及び非特許文献2に開示された周知技術を使用し、IEEE802.11ad規格に準拠する60GHz帯のミリ波無線LANを想定している。ここで、同規格でのデータフレームの伝送レートは385Mbit/sから最大4620Mbit/s(シングルキャリア伝送)である。一方、制御フレームの伝送レートは27.5Mbit/sである。このため、ミリ波通信を行うユーザ端末数が多くなると制御フレームが増加し、システムスループットが低下する。同規格では、100msのBI(Beacon Interval)区間に、アンテナ指向性制御やセクタ情報などを含むヘッダフレームのBHI(Beacon Header Interval)と、ユーザデータを送受信するデータフレームのDTI(Data Transmission Interval)とを有する。
ミリ波スループット期待値を算出する場合、非特許文献1に記載されているように、ミリ波無線LANのシステムスループットの期待値をモデル化する。例えば、ミリ波通信では見通し通信路遮蔽の発生により、システムスループットがその時々のユーザの配置に応じて変化するので、通信路遮蔽を確率的に取り扱い、システムスループットの期待値をモデル化する。また、ミリ波通信でスループットに大きな影響を与える制御フレームによるオーバヘッドについても考慮する。
具体的には、ミリ波無線LAN基地局101を設置したときのシステムスループットの期待値をミリ波無線LAN基地局101の通信範囲と、通信範囲に含まれるユーザ端末数と、各ユーザ端末の印加トラヒックと、ペイロード長とを既知として定式化する。そして、非特許文献1と同様に、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、システムスループット期待値を通信路遮蔽モデル、データ送信区間(DTI区間)のスループットモデル、制御フレーム(BHI)のオーバヘッドモデルから導出する。先ず、通信路遮蔽モデルでは、ミリ波通信可能端末数の期待値、及び、期待受信信号電力分布をモンテカルロシミュレーションで算出する。そして、DTI区間のスループットモデルでは、通信路遮蔽モデルで得られたミリ波通信が可能な端末数の期待値、及び、期待受信信号電力分布を用いて、既存技術によりスループット期待値を算出する。スループット期待値を算出する既存技術には例えば非特許文献2のBianchiモデルがあり、Bianchiモデルを使用することで指向性制御などのBHIのオーバヘッドを無視したスループットの期待値を導出できる。そして、受信信号電力分布から伝送レートの分布が導出されるので、データフレーム時間長の分布を求めることができ、平均データフレーム時間長を用いて、BianchiモデルをもとにDTI区間のスループットの期待値を求めることができる。最後に、BHIのオーバヘッドモデルでは、制御フレームによるオーバヘッドを考慮したスループットの期待値を求める。ここで、例えば非特許文献1に記載されているように、BHIのオーバヘッドを考慮したスループット期待値は、DTI区間のスループットから求めることができる。
このようにして、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、ミリ波無線LANシステムのスループット期待値を算出することができる。
[従来の無線システム700]
図3は、従来の無線システム700の構成例を示す。なお、図3において、図2と同符号のブロックは、図2と同一又は同様に動作する。図3の無線システム700と、図2の無線システム100との違いは、図2のミリ波スループット期待値処理部201に対応するミリ波無線LANシステムスループット期待値処理部801(以降、ミリ波スループット期待値処理部801と称する)の処理である。
図3において、ミリ波スループット期待値処理部801は、通信路遮蔽パラメータ算出部901及びミリ波無線LANシステムスループット期待値算出部902(以降、ミリ波スループット期待値算出部902と称する)を有する。
通信路遮蔽パラメータ算出部901は、ミリ波無線LAN基地局101の運用時に、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するユーザ端末数と、各ミリ波無線LAN基地局101の通信範囲の情報とに基づいて通信路遮蔽パラメータを算出し、スリープ組み合わせ決定部203に出力する。なお、通信路遮蔽パラメータの算出方法については、図2の通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301の設置時の動作と同様なので、重複する説明は省略する。
ミリ波スループット期待値算出部902は、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するトラヒックの情報と、通信路遮蔽パラメータ算出部901が出力する平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レートの情報とに基づいて、ミリ波スループット期待値を算出し、スリープ組み合わせ決定部203に出力する。なお、ミリ波スループット期待値の算出方法については、図2のミリ波スループット期待値算出/読出部302の設置時の動作と同様なので、重複する説明は省略する。
以降、スリープ組み合わせ決定部203及びスリープ指令部204の処理は、図2と同様に行われる。
このように、従来の無線システム700では、通信路遮蔽モデルから受信信号電力分布を得るために、運用時にシミュレーションを行う必要があり、処理時間がかかるという問題がある。また、システムスループット期待値の計算には非線形連立方程式を解く必要があるため、計算処理時間が長くなるという問題もある。さらに、ミリ波無線LAN基地局101の消費電力を削減するために行うスリープ制御は、ユーザ密度やトラヒックの変化に伴い動的に行う必要があるため、処理時間増大によるスリープ制御の遅延が生じないようにしなければならず、高価な高速演算装置などを使用する必要がある。
これに対して、本実施形態に係る無線システム100は、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前に予め作成された通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを参照して、通信路遮蔽パラメータやミリ波スループット期待値を求めることができるので、運用時にこれらの計算を行う従来の方法と比較して、シミュレーションや計算に要する時間及び処理負荷などを低減することができる。
[ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前に行う処理]
図4は、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前(設置時)に行う処理例を示す。なお、マイクロ波無線LAN基地局102は、運用中であるものとする。
ステップS101において、通信サービスの提供者は、保守者などにより、ミリ波無線LAN基地局101の設置を行う。ここで、設置時に、保守者は各ミリ波無線LAN基地局101の通信範囲の情報を基地局制御装置103に入力する。或いは、先に説明したように、保守者が通信範囲の情報を各ミリ波無線LAN基地局101のメモリなどに入力しておいてもよい。
ステップS102において、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、図2で説明したように、ユーザ端末数や通信範囲などの様々な通信環境を想定した複数の通信路遮蔽モデルを作成し、通信路遮蔽モデルごとの複数の通信路遮蔽パラメータを計算する。そして、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、表1で説明したように、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aを作成する。
ステップS103において、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、図2で説明したように、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するトラヒックの情報と、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301の通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aから取得する複数の通信路遮蔽パラメータ(平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レート)の情報とに基づいて、ミリ波スループット期待値を算出する。そして、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、表2で説明したように、ミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成する。
ステップS104において、基地局制御装置103は、ミリ波無線LAN基地局101の設置時に行う処理を終了する。
このようにして、本実施形態に係る無線システム100は、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301及びミリ波スループット期待値算出/読出部302により、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前に、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを予め作成しておく。
ここで、本実施形態では、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301及びミリ波スループット期待値算出/読出部302が通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成するものとして説明したが、外部のコンピュータなどにより、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを作成してもよい。
[ミリ波無線LAN基地局101の運用開始後(運用時)に行う処理]
図5は、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始後(運用時)に行う処理例を示す。なお、ミリ波無線LAN基地局101の運用中、基地局制御装置103は、マイクロ波無線LAN基地局102からトラヒックやユーザ端末数の情報を常にモニタし、トラヒックやユーザ端末数に変動があった場合、ミリ波スループット期待値やマイクロ波スループット期待値を修正し、ミリ波無線LAN基地局101の消費電力の情報を収集する。そして、ミリ波無線LANシステムのスループットを考慮しながらシステム全体の消費電力を低減すべく、ミリ波無線LAN基地局101のスリープ制御を行う。
ステップS201において、基地局制御装置103は、トラヒックやユーザ端末数(少なくとも一方)に変動があった場合に処理を開始する。
ステップS202において、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、ミリ波無線LAN基地局101及びマイクロ波無線LAN基地局102からユーザ端末数やトラヒック等の情報を取得する。
ステップS203において、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301は、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aを参照して、ステップS202で取得したユーザ端末数に対応する平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レートの情報を読み出す。例えば表1において、ユーザ端末数が50台の場合、平均ミリ波通信可能端末数:40台、平均伝送レート:1615.32Mbit/sの情報を読み出す。
ステップS204において、ミリ波スループット期待値算出/読出部302は、ミリ波スループット期待値の計算を行わずにミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを参照して、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301が出力する平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レートに対応するミリ波スループット期待値を読み出す。
ステップS205において、マイクロ波スループット期待値算出部202は、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するユーザ端末数及びトラヒックの情報と、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301が出力する平均ミリ波通信可能端末数の情報とに基づいて、ミリ波無線LANのカバーエリアに入らないユーザ端末数を算出し、マイクロ波スループット期待値を算出する。
ステップS206において、スリープ組み合わせ決定部203は、ミリ波スループット期待値及びマイクロ波スループット期待値と、ミリ波無線LAN基地局101及びマイクロ波無線LAN基地局102から取得する消費電力の情報とに基づいて、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定する。ここで、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定する方法として、例えば、マイクロ波無線LAN基地局102及びミリ波無線LAN基地局101の各基地局から収集した消費電力を参照して、消費電力あたりのシステムスループット期待値の和が最大化するように、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定する。或いは、ミリ波無線LAN基地局101及びマイクロ波無線LAN基地局102のスループット期待値の和が最大化するように、スリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101の組み合わせを決定してもよい。
ステップS207において、スリープ指令部204は、スリープ組み合わせ決定部203が決定したスリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101に対して、スリープ制御信号を出力する。なお、前の処理でスリープ状態になっていたミリ波無線LAN基地局101をアクティブ状態にする制御も同時に行われる。
ステップS208において、基地局制御装置103は、トラヒックやユーザ端末数に変動があった場合に行う一連の処理を終了する。
このようにして、本実施形態に係る無線システム100は、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前に予め作成された通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを参照して、通信路遮蔽パラメータやミリ波スループット期待値を読み出すことができるので、運用時にこれらの計算を行う従来の方法と比較して、シミュレーションや計算に要する時間及び処理負荷を低減することができる。
[従来の無線システム700の処理]
図6は、従来の無線システム700の処理例を示す。なお、図6において、図5と同符号の処理は、図5と同一又は同様に実行される。図5の処理との違いは、図6に示すステップS903及びステップS904の処理である。また、ステップS201、ステップS202及びステップS205からステップS208の処理は、図5の処理と同様である。以下、図5の処理と異なる処理について説明する。
ステップS903において、通信路遮蔽パラメータ算出部901は、運用時に、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するユーザ端末数と、各ミリ波無線LAN基地局101の通信範囲の情報とに基づいて通信路遮蔽モデルを作成し、作成された通信路遮蔽モデルに対してシミュレーションを行い、ユーザ端末数に対する通信路遮蔽パラメータ(平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レート)を算出する。
ステップS904において、ミリ波スループット期待値算出部902は、運用時に、マイクロ波無線LAN基地局102から取得するトラヒックの情報と、通信路遮蔽パラメータ算出部901が算出する平均ミリ波通信可能端末数及び平均伝送レートの情報とに基づいて、ミリ波スループット期待値を算出する。
以降、ステップS205からステップS208までの処理は、図5と同様に実行され、スリープ組み合わせ決定部203により決定されたスリープ状態にすべきミリ波無線LAN基地局101に対して、スリープ指令部204はスリープ制御信号を出力し、スリープ状態に切り替える。
このようにして、従来の無線システム700は、シミュレーションや計算を運用時に行ってミリ波スループット期待値及びマイクロ波スループット期待値を算出するので、シミュレーションや計算に要する時間及び処理負荷が大きくなるという問題がある。
これに対して、本実施形態に係る無線システム100は、図5のステップS203及びステップS204のように、運用開始前に予め作成された通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを参照して、通信路遮蔽パラメータやミリ波スループット期待値を読み出すだけでよいので、運用時にこれらの計算を行う従来の方法と比較して、シミュレーションや計算に要する時間及び処理負荷を低減することができる。
[効果]
図7は、従来の方式と本実施形態の方式の処理時間の比較例を示す。ここで、従来の方式は図3及び図6で説明した方式、本実施形態の方式は図2、図4及び図5で説明した方式である。また、図7で比較する処理時間は、運用時に通信路遮蔽パラメータ及びミリ波スループット期待値を求める時間に相当し、従来の方式では図6のステップS903とステップS904の合計処理時間であり、本実施形態の方式では図5のステップS203とステップS204の合計処理時間である。つまり、従来の方式では、ステップS903で通信路遮蔽パラメータを算出する時間と、ステップS904でミリ波スループット期待値を算出する時間とが必要である。これに対して、本実施形態の方式では、ステップS203で予め作成された通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301aから通信路遮蔽パラメータを読み出す時間と、ステップS204で予め作成されたミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aからミリ波スループット期待値を読み出す時間とがあればよい。
なお、図7は、次の条件を想定して求めた処理時間である。
・図1において、8m四方の部屋161の中心(高さ2.5m)にミリ波無線LAN基地局101を設置。
・ミリ波無線LAN基地局101の周囲にユーザ端末104を持つユーザ20人を一様ランダムに配置。
・ミリ波無線LAN基地局101の送信電力は10dBm、送受信アンテナ利得は共に15dB。
上記条件において、ユーザの配置をランダムに10000回変えてモンテカルロシミュレーションを行い、ユーザの身体による通信路遮蔽を考慮して平均伝送レート及び平均ミリ波通信可能端末数を導出する。そして、非特許文献2の手法を用いて制御フレームのオーバヘッドを無視したスループットの期待値を導出し、最後に、制御フレームのオーバヘッドモデルより、制御フレームによるオーバヘッドを考慮したミリ波スループット期待値を導出する。
本実施形態で説明した方式では、運用開始前に予め様々な通信環境を想定した複数の通信路遮蔽モデルを作成し、各通信路遮蔽モデルに対して通信路遮蔽パラメータ及びミリ波スループット期待値を導出し、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aに保存しておく。そして、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを参照して通信路遮蔽パラメータやスループット期待値を読み出す時間が本実施形態での運用時の処理時間である。図7の結果では、従来の方式での処理時間が105秒であったのに対して、本実施形態の方式での処理時間は0.027秒であり、大幅に処理時間が短縮されていることを示している。
このように、本実施形態に係る無線システム100は、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301及びミリ波スループット期待値算出/読出部302により、ミリ波無線LAN基地局101の運用開始前に、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aを予め作成しておくことにより、運用時にこれらの計算を行う従来の方法と比較して、シミュレーションや計算に要する時間及び処理負荷を低減することができる。
なお、本実施形態では、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301及びミリ波スループット期待値算出/読出部302の両方において、運用開始前に通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a及びミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aをそれぞれ作成するようにしたが、通信路遮蔽パラメータ算出/読出部301及びミリ波スループット期待値算出/読出部302のいずれか一方において、通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル301a又はミリ波スループット期待値リファレンステーブル302aのいずれかを作成するようにしてもよい。
以上、実施形態で説明したように、本願発明に係る無線基地局制御方法は、運用時におけるスループット期待値の算出時間を短縮し、システムスループットを考慮しながらシステム全体の消費電力を低減することができる。特に、本発明に係る無線基地局制御方法は、従来の運用時に行う処理を運用開始前に実行してリファレンステーブルを作成しておくだけなので、ミリ波無線LAN基地局101やマイクロ波無線LAN基地局102及び基地局制御装置103の構成や処理を大幅に変更する必要はなく、基地局制御装置103の処理を少し変更するだけで対応可能である。
100、700・・・無線システム;101・・・ミリ波無線LAN基地局;102・・・マイクロ波無線LAN基地局;103・・・基地局制御装置;201・・・ミリ波スループット期待値処理部;202・・・マイクロ波スループット期待値算出部;203・・・スリープ組み合わせ決定部;204・・・スリープ指令部;301・・・通信路遮蔽パラメータ算出/読出部;302・・・ミリ波スループット期待値算出/読出部;301a・・・通信路遮蔽パラメータリファレンステーブル;302a・・・ミリ波スループット期待値リファレンステーブル;801・・・ミリ波スループット期待値処理部;901・・・通信路遮蔽パラメータ算出部;902・・・ミリ波スループット期待値算出部

Claims (7)

  1. 第1無線方式を用いる複数の第1無線基地局と、複数の前記第1無線基地局の通信範囲を含み前記第1無線基地局よりも通信範囲の広い第2無線方式を用いる第2無線基地局とを備え、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局の通信環境の情報に基づいて前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局のスループット期待値を算出し、算出された前記スループット期待値に基づいて前記第1無線基地局の動作を制御する無線基地局制御方法であって、
    前記第1無線基地局の運用開始前に、複数の前記通信環境を想定して、複数の前記通信環境ごとに前記第1無線基地局のスループット期待値を計算し、複数の前記通信環境のそれぞれに対する前記第1無線基地局のスループット期待値と前記通信環境の情報とを対応付けたリファレンステーブルを作成し、
    前記第1無線基地局の運用開始後に、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局から取得される通信環境の情報に基づいて、前記第1無線基地局のスループット期待値を前記リファレンステーブルから読み出すとともに前記第2無線基地局のスループット期待値を算出し、前記第1無線基地局のスループット期待値及び前記第2無線基地局のスループット期待値に基づいて前記第1無線基地局の動作を制御する
    ことを特徴とする無線基地局制御方法。
  2. 請求項1に記載の無線基地局制御方法において、
    前記第1無線基地局の運用開始後に、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局の消費電力の情報を取得し、前記消費電力の情報と、前記第1無線基地局及び前記第2無線基地局のスループット期待値と、に基づいて、システム全体のスループット期待値の和、又は、消費電力あたりのスループット期待値の和、が最大となるように、複数の前記第1無線基地局のうちスリープ状態にすべき前記第1無線基地局の組み合わせを決定し、決定された前記第1無線基地局をスリープ状態に制御する
    ことを特徴とする無線基地局制御方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無線基地局制御方法において、
    前記通信環境の情報は、ユーザ端末数、通信範囲及びトラヒックの情報を少なくとも含む
    ことを特徴とする無線基地局制御方法。
  4. 請求項3に記載の無線基地局制御方法において、
    前記第1無線基地局の運用開始後の制御は、前記ユーザ端末数及び前記トラヒックの少なくとも一方の値が変動したときに実行される
    ことを特徴とする無線基地局制御方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線基地局制御方法において、
    前記リファレンステーブルは、
    システム全体のユーザ端末数、前記第1無線方式で通信可能な平均ユーザ端末数及び平均伝送レートの情報を含む通信路遮蔽パラメータのリファレンステーブルと、
    前記第1無線方式で通信可能な平均ユーザ端末数、平均伝送レート、ペイロード長及び前記第1無線基地局のスループット期待値の情報を含むスループット期待値リファレンステーブルと、
    の少なくとも一方を有する
    ことを特徴とする無線基地局制御方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線基地局制御方法において、
    過去に使用された前記通信環境の情報又は過去に作成された前記リファレンステーブルの情報の少なくとも一方を参照して、新たなリファレンステーブルを作成する
    ことを特徴とする無線基地局制御方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の無線基地局制御方法において、
    前記第1無線方式は、ミリ波無線LAN方式であり、
    前記第2無線方式は、マイクロ波無線LAN方式である
    ことを特徴とする無線基地局制御方法。
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