本発明に係る棒金収納装置の一実施形態としての硬貨処理装置を図面を参照して以下に説明する。以下の説明における「前」は硬貨処理装置の操作者側、「後」は硬貨処理装置の操作者とは反対側、「左」は硬貨処理装置の操作者から見て左、「右」は硬貨処理装置の操作者から見て右である。
本実施形態に係る硬貨処理装置10は、図1に示すように、バラの硬貨(以下、硬貨と称す)に関する処理を行う硬貨処理部11と、包装硬貨、即ち棒金Bに関する処理を行う棒金処理部12とを有している。硬貨処理部11内には、棒金処理部12を含めて硬貨処理装置10の全体を制御する制御部15と、硬貨処理装置10に電源を供給する電源部16とが設けられている。
[硬貨処理部11]
硬貨処理部11は、外部から入金された硬貨の入金処理を行う硬貨入金部21と、硬貨入金部21から硬貨を受け入れて収納する収納処理を行うと共に収納している硬貨を外部に取り出し可能に出金する硬貨収納出金部22とを有している。
硬貨入金部21は、外部から硬貨が投入されると共に投入された硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す入金ホッパ31と、入金ホッパ31から繰り出された硬貨を搬送しつつ入金識別計数部32で真偽、金種及び正損を識別して計数する入金搬送部33と、入金識別計数部32で偽つまり受け入れ不可と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の入金リジェクト案内部34と、入金リジェクト案内部34で入金搬送部33から案内された硬貨を収納する入金リジェクト部35とを有している。
図2に示すように、入金ホッパ31は、硬貨処理装置10の装置本体41の上面に開口する開口部44を有している。この開口部44には、これを開閉するシャッタ45が設けられている。入金リジェクト部35は、箱状であって、装置本体41から前方に引き出されて取り外され、これにより硬貨が外部に取り出し可能となる。
図1に示すように、硬貨入金部21は、入金識別計数部32で真つまり受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の包装案内部55を有している。包装案内部55で案内された硬貨は棒金処理部12に搬送される。ここで、入金ホッパ31に投入された硬貨の中から、設定金種の硬貨を包装して棒金Bとするローカル包装処理時に、入金識別計数部32の識別結果に基づいて、設定金種の硬貨を包装案内部55が棒金処理部12に案内し、設定金種以外の硬貨を入金リジェクト案内部34が入金リジェクト部35に案内する。棒金処理部12は、硬貨処理部11から送り込まれた硬貨を所定の包装単位枚数(例えば50枚)ずつ集積させて包装する。
硬貨入金部21は、入金識別計数部32で受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から金種別に分類して落下案内する貯留案内部61と、貯留案内部61で入金搬送部33から案内された硬貨を金種別に分類して一時貯留する入金貯留部62と、入金貯留部62が貯留している硬貨を金種別に分類して収納する収納専用の硬貨収納部64と、入金貯留部62が貯留している硬貨を外部に取り出し可能に返却する硬貨返却部65とを有している。
図2に示すように、硬貨返却部65は、箱状であって、硬貨処理装置10の装置本体41から前方に引き出されて取り外され、これにより硬貨が外部に取り出し可能となる。
図1に示すように、硬貨収納出金部22は、入金貯留部62が貯留している硬貨を、金種別に分類して出金可能に収納する硬貨収納繰出部71を有している。硬貨収納繰出部71は、硬貨収納部64とは別に設けられて硬貨を収納する。入金貯留部62は、硬貨を貯留すると共に貯留している硬貨の収納先を硬貨収納繰出部71と硬貨収納部64と硬貨返却部65とに選択的に切り替える。
図2に示すように、硬貨収納繰出部71は、硬貨処理装置10の装置本体41に対し引き出し可能であり、装置本体41から前方に引き出されてメンテナンスが行われる。
図1に示すように、硬貨収納出金部22は、硬貨収納繰出部71から繰り出された硬貨を搬送しつつ金種を識別して計数する硬貨出金搬送部75と、硬貨出金搬送部75で搬送されてきた硬貨を収納する硬貨出金部76と、硬貨出金部76に収納されている硬貨を案内する出金リジェクト案内部77と、出金リジェクト案内部77で硬貨出金部76から案内された硬貨を収納する出金リジェクト部78とを有している。硬貨出金搬送部75は、金種識別及び計数結果に基づいて、硬貨出金部76に硬貨を収納させたり、硬貨出金部76の硬貨を更に出金リジェクト案内部77で出金リジェクト部78に収納させたりする。硬貨収納繰出部71は、収納している硬貨の繰り出し先を、硬貨出金搬送部75と、棒金処理部12とに選択的に切り替える。
図2に示すように、硬貨出金部76及び出金リジェクト部78は、いずれも、箱状であって、硬貨処理装置10の装置本体41から前方に引き出されて取り外され、これにより硬貨が外部に取り出し可能となる。
[棒金処理部12]
図1に示すように、棒金処理部12は、硬貨収納出金部22の硬貨収納繰出部71から硬貨を受け入れて包装し棒金Bとする包装処理を行う包装部91と、包装部91で作製した棒金Bを出金可能に収納する棒金収納繰出部92と、包装部91及び棒金収納繰出部92から棒金Bを受け入れて外部に取り出し可能に出金する棒金出金部93とを有している。包装部91は、硬貨収納繰出部71から繰り出された硬貨を受け取って包装すると共に、入金ホッパ31から繰り出され、包装案内部55で棒金処理部12に案内されてきた硬貨を受け取って包装する。
包装部91は、棒金処理部12における硬貨処理部11側にあって、硬貨処理部11から硬貨を受け入れると共に、受け入れた硬貨を、金種識別しつつ計数して包装単位枚数(50枚)ずつ繰り出す硬貨識別計数部101と、硬貨識別計数部101から繰り出された包装単位枚数の硬貨を集積させて紙或いは樹脂フィルムからなる包装紙を巻き回し、この包装紙を切断した後、集積方向に両側の包装紙の余長部分を内側に丸めるように加締めることにより棒金Bとする硬貨集積包装部102とを有している。
図2に示すように、硬貨識別計数部101は、硬貨処理装置10の装置本体41から前方に引き出し可能であり、装置本体41から引き出され取り外されて、メンテナンスが行われる。
図1に示すように、包装部91は、硬貨集積包装部102で作製されて下方に繰り出された棒金Bを3方向に振り分けて搬送する棒金振分搬送部103と、棒金振分搬送部103で第1の方向に振り分けられた棒金Bを収納する自動時端数棒金収納部104と、棒金振分搬送部103で第2の方向に振り分けられた棒金Bを収納するローカル時端数棒金収納部105とを有している。自動時端数棒金収納部104は、自動包装処理において、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金を収納することになり、ローカル時端数棒金収納部105は、ローカル包装処理において、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金を収納することになる。
図2に示すように、自動時端数棒金収納部104及びローカル時端数棒金収納部105は、いずれも、箱状であって、硬貨処理装置10の装置本体41から前方に引き出されて取り外され、これにより端数棒金が外部に取り出し可能となる。
棒金出金部93は、棒金振分搬送部103で硬貨処理部11とは反対の第3の方向に振り分けられた棒金Bを受け取って昇降搬送する棒金搬送リフト111を有している。棒金振分搬送部103で第3の方向に振り分けられる棒金Bは、端数棒金以外の棒金Bつまり包装単位枚数の硬貨を包装して作製した正常棒金Bである。棒金出金部93は、棒金搬送リフト111で搬送されてきた棒金Bを外部に放出する下部棒金放出口112と、棒金搬送リフト111で搬送されてきた棒金Bを受け取って外部に取り出し可能に収納する上部棒金出金口113と、棒金搬送リフト111で搬送されてきた棒金Bを外部に取り出し可能に収納する棒金一括収納部114とを有している。
図2に示すように、下部棒金放出口112は、硬貨処理装置10の装置本体41の前面下部に開口しており、棒金搬送リフト111から受け取った棒金Bを、その前方に配置された図示略の受箱に放出する。上部棒金出金口113は、硬貨処理装置10の装置本体41の上面から前面にかけて開口する開口部117を有している。この開口部117には、これを開閉するシャッタ118が設けられている。上部棒金出金口113は、棒金搬送リフト111から受け取った棒金Bを外部に一括で取り出し可能に収納する。棒金一括収納部114は、箱状であって、装置本体41から前方に引き出されて取り外され、これにより棒金Bが外部に取り出し可能となる。
ここで、図1においては、図示の便宜上、下部棒金放出口112、上部棒金出金口113及び棒金一括収納部114の硬貨処理部11側に棒金搬送リフト111を示しているが、実際には、下部棒金放出口112、上部棒金出金口113及び棒金一括収納部114が硬貨処理装置10の前面側に設けられ、これらの後側に棒金搬送リフト111が設けられている。また、図1においては、棒金出金部93の硬貨処理部11側に包装部91と棒金収納繰出部92とを示しているが、実際には、硬貨処理装置10の前面側における棒金処理部12の硬貨処理部11とは反対側(右側)に棒金出金部93が配置され、硬貨処理装置10の前面側における棒金処理部12の硬貨処理部11と棒金出金部93との間に包装部91が配置され、棒金処理部12における棒金出金部93の棒金搬送リフト111の後側に棒金収納繰出部92が配置されている。
図1に示すように、棒金収納繰出部92は、その上部に設けられ、棒金収納繰出部92外の棒金搬送リフト111で搬送されてきた棒金Bを受け入れて後方に水平搬送する棒金受入搬送部121と、棒金収納繰出部92の上下方向の中間部に設けられ、棒金受入搬送部121で搬送されてきた棒金Bを受け取って金種別に分類して収納すると共に収納している棒金Bを計数して繰り出す棒金収納部123と、棒金収納繰出部92の下部に設けられて、棒金収納部123から繰り出された棒金Bを、棒金収納部123外の棒金搬送リフト111に向け前方に水平搬送して棒金搬送リフト111に受け渡す棒金払出搬送部124とを有している。棒金受入搬送部121は、棒金収納部123外の棒金搬送リフト111から搬送された棒金Bを一本ずつ棒金収納部123に搬送する。棒金収納繰出部92は、棒金受入搬送部121の棒金Bを受け取る側と、棒金払出搬送部124の棒金Bを繰り出す側とが同じ側となっている。
棒金搬送リフト111は、棒金収納部123から繰り出され、棒金払出搬送部124で搬送される棒金Bを受け取って、上部棒金出金口113及び棒金一括収納部114に振り分ける。なお、棒金払出搬送部124で搬送される棒金Bを下部棒金放出口112に振り分けるようにしても良い。
「入金処理」
図示略の操作部に入金処理実行の操作入力がなされると、制御部15は、入金ホッパ31のシャッタ45を開く。入金ホッパ31内に硬貨が投入されたことを図示略のセンサで検出すると、制御部15は、入金ホッパ31のシャッタ45を閉じ、入金ホッパ31によって硬貨を一枚ずつ分離した状態で入金搬送部33に繰り出し、入金搬送部33で搬送しながら、入金識別計数部32で真偽、金種及び正損を識別して計数する。そして、入金識別計数部32で偽つまり受け入れ不可と識別された硬貨を入金リジェクト案内部34で入金搬送部33から案内して入金リジェクト部35に収納する。他方、入金識別計数部32で受け入れ可能と識別された硬貨を貯留案内部61で入金搬送部33から案内して、入金貯留部62に金種別に分類して貯留させる。そして、入金ホッパ31内にあった全ての硬貨が入金リジェクト部35或いは入金貯留部62に至ったと判定すると、制御部15は、入金識別計数部32の識別結果から、受け入れ可能な入金硬貨の金種別の枚数データを図示略の表示部に表示させると共に、図示略の操作部に了解操作及びキャンセル操作の何れか一方の選択入力を受け付ける状態になって入金処理を終了する。
「入金収納処理」
入金処理後、操作部に了解操作が入力されると、制御部15は、硬貨収納繰出部71が硬貨を繰り出す繰出処理を行っているか否かを判定する。硬貨収納繰出部71が硬貨を繰り出す繰出処理を行っている場合、制御部15は、入金貯留部62から、その分類状態のままで硬貨収納部64に硬貨を収納する。なお、入金処理、入金収納処理及び繰出処理を並行処理することが好ましいが、繰出処理の終了を待って硬貨収納繰出部71に収納するようにしても良い。
入金処理後、操作部に了解操作が入力された時点で、硬貨収納繰出部71が硬貨を繰り出す繰出処理を行っていなければ、制御部15は、量的に、入金貯留部62の貯留硬貨が、硬貨収納繰出部71に収納可能であるか否かを判定する。入金貯留部62の貯留硬貨が、硬貨収納繰出部71に収納可能であれば、制御部15は、入金貯留部62から、その分類状態のままで硬貨収納繰出部71に硬貨を収納する。入金貯留部62の貯留硬貨が、硬貨収納繰出部71に収納可能でなければ、制御部15は、入金貯留部62から、その分類状態のままで硬貨収納部64に硬貨を収納する。
「入金返却処理」
入金処理後、操作部にキャンセル操作が入力されると、制御部15は、入金貯留部62の硬貨を、その分類状態のままで硬貨返却部65に収納する。硬貨返却部65は、装置本体41から取り外されて、収納していた硬貨が外部に取り出される。なお、混合状態のままで硬貨返却部65に収納するようにしても良い。
「自動包装処理」
制御部15は、硬貨収納繰出部71に、硬貨量がニアフル値を超えた金種の硬貨があると、この金種の硬貨を硬貨収納繰出部71から棒金処理部12に向け繰り出す繰出処理を行って、硬貨収納繰出部71の硬貨量を減らす。このとき、硬貨収納繰出部71から包装単位枚数或いはその倍数分の枚数を繰り出すようにする。そして、硬貨収納繰出部71から繰り出された硬貨を棒金処理部12で包装する。
即ち、包装部91において、硬貨処理部11から受け入れた硬貨を硬貨識別計数部101で計数して包装単位枚数(50枚)の硬貨を硬貨集積包装部102に繰り出し、硬貨集積包装部102が、このように繰り出された包装単位枚数の硬貨を集積させて、その周囲に包装紙を巻き回し包装紙を両側を加締めて棒金Bとする。即ち、包装部91は、硬貨収納繰出部71から繰出処理により繰り出された硬貨を集積させて包装する。
そして、このように硬貨集積包装部102で作製された棒金Bを、棒金振分搬送部103、棒金出金部93の棒金搬送リフト111及び棒金収納繰出部92の棒金受入搬送部121で搬送して棒金収納部123に金種別に収納させる。ここで、棒金収納部123の対応金種の棒金Bが満杯である場合、硬貨集積包装部102で作製された棒金Bを、棒金振分搬送部103及び棒金搬送リフト111で棒金一括収納部114に収納する。
硬貨収納繰出部71に、硬貨量がニアフル値を超えた金種が複数ある場合、制御部15は、何れか一金種について繰出処理を開始したら、繰り出した全ての硬貨が、硬貨集積包装部102に送り込まれて包装されるまで待機して、次の金種について繰出処理を開始し、この金種について繰り出した全ての硬貨が、硬貨集積包装部102に送り込まれて包装されたら、次の金種について繰出処理を開始するということを繰り返して、一金種ずつ包装する。
そして、硬貨収納繰出部71の全金種の硬貨量がニアフル値を所定値を超えて下回る状態となり、硬貨収納繰出部71から繰り出された硬貨が全て棒金Bとなって棒金収納部123或いは棒金一括収納部114に収納されると、制御部15は、自動包装処理を終了する。
自動包装処理としては、上記のように、硬貨収納繰出部71の硬貨量が包装基準値よりも大きくなった場合に行われる処理以外に、棒金処理部12の棒金Bの収納量(在高)に応じて、硬貨収納繰出部71から硬貨を繰り出し棒金処理部12に搬送して棒金Bを作製する処理もある。
ここで、硬貨処理装置10は、自動包装処理の実行中であって、硬貨収納繰出部71から硬貨を繰り出す繰出処理中であっても、これと並行して、上記した入金処理及び入金収納処理が可能となっている。その際に、制御部15は、入金貯留部62の硬貨を硬貨収納部64に収納する。
「硬貨出金処理」
図示略の操作部に出金させる硬貨の金種別の枚数を含む出金処理操作が入力されると、制御部15は、硬貨収納繰出部71の対応する金種の硬貨を繰り出す繰出処理を行って硬貨出金部76に搬送する。
ここで、硬貨処理装置10は、この硬貨出金処理の実行中であって、硬貨収納繰出部71から硬貨を繰り出す繰出処理中であっても、これと並行して、上記した入金処理及び入金収納処理が可能となっている。その際に、制御部15は、入金貯留部62の硬貨を硬貨収納部64に収納する。
次に、棒金収納繰出部92について更に説明する。
棒金収納繰出部92は、硬貨集積包装部102で作成された棒金Bが棒金搬送リフト111で搬送されて繰り出されると、これを繰り出し可能に収納する。棒金収納繰出部92は、上述したように、棒金収納繰出部92よりも棒金供給側に設けられた棒金搬送リフト111から繰り出される棒金Bを受け取って水平に搬送する棒金受入搬送部121と、棒金受入搬送部121から棒金Bを受け取って金種別に分類して収納する棒金収納部123と、棒金収納部123から繰り出された棒金Bを棒金搬送リフト111に向け搬送して棒金搬送リフト111に受け渡す棒金払出搬送部124とを備えている。
{棒金受入搬送部121}
棒金受入搬送部121は、図3に示すように、その上部であって棒金収納繰出部92の上部に設けられて水平に直線状に延在するガイドレール131と、ガイドレール131に摺動可能に支持される運搬部132と、運搬部132をガイドレール131上で移動させる図示略の運搬モータを含む運搬駆動部とを有している。ガイドレール131は、図1に示す棒金搬送リフト111の上部から後方に水平延在しており、よって、前後方向に水平延在している。このガイドレール131の延在方向が棒金受入搬送部121の棒金搬送方向となっている。
図4に示すように、運搬部132は、ガイドレール131に支持されてガイドレール131を摺動する摺動部材141と、摺動部材141の下部に取り付けられる中間支持部材142と、中間支持部材142の下部に支持される前後一対(図4において一方のみ図示)の下部支持部材143と、下部支持部材143に支持される一対の支持軸144,145と、一対の支持軸144,145に支持される一対の歯車147,148と、一対の支持軸144,145に支持される一対の運搬部材151,152と、図示略の閉方向付勢部材とを有している。
中間支持部材142は、その上部に、摺動部材141に固定される基板部161と、基板部161の棒金搬送リフト111側(図4における右側)に設けられ、基板部161から棒金搬送リフト111側ほど上側に位置するように傾斜して延出する上部案内板部162と、基板部161の棒金搬送リフト111とは反対側(図4における左側)に設けられ、基板部161から棒金搬送リフト111とは反対側ほど下側に位置するように傾斜して延出する規制板部163とを有している。また、中間支持部材142は、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向とは直交する水平方向における基板部161の両端部から下方に延出する一対(図4において一方のみ図示)の支持板部164を有している。一対の支持板部164には、これらを結ぶ方向に貫通して支持穴165が形成されている。
一対の下部支持部材143は、支持穴165に挿入される挿入軸171をそれぞれ有しており、支持穴165を中心に回転可能となるように一対の支持板部164に支持されている。よって、一対の下部支持部材143は、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向とは直交する水平方向に沿う軸線を中心に揺動可能となっている。
一対の支持軸144,145は、一対の下部支持部材143に、これら下部支持部材143を結ぶように取り付けられており、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。一対の支持軸144,145は、一対の下部支持部材143を一体に連結しており、中間支持部材142に対して、一対の下部支持部材143と一体に揺動する。一対の支持軸144,145は、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向とは直交する水平方向に沿っている。
一対の歯車147,148は、互いの軸方向の位置を重ね合わせて一対の支持軸144,145に支持されており、同じ歯数で互いに噛み合っている。棒金搬送リフト111側の一方の支持軸144に支持された一方の歯車147は支持軸144の中心軸線を中心に回転可能であり、棒金搬送リフト111とは反対側の他方の支持軸145に支持された一方の歯車148は支持軸145の中心軸線を中心に回転可能となっている。
一対の運搬部材151,152は、一対の支持軸144,145に支持されている。棒金搬送リフト111側の一方の支持軸144に支持される一方の運搬部材151は、支持軸144の軸線方向の両端側に支持される一対(図4において一方のみ図示)の側板部181と、一対の側板部181の下端縁部同士を結ぶ底板部182と、底板部182と同一平面状をなして底板部182から棒金搬送リフト111側に延出する受板部183とを有している。この一方の運搬部材151は、一方の側板部181が歯車147に一体回転可能に連結されており、支持軸144の中心軸線を中心に回転する。
棒金搬送リフト111とは反対側の他方の支持軸145に支持される他方の運搬部材152は、支持軸145の軸線方向の両端側に支持される一対(図4において一方のみ図示)の側板部191と、一対の側板部191の下端縁部同士を結ぶ底板部192とを有している。この他方の運搬部材152は、一方の側板部191が歯車148に一体回転可能に連結されており、支持軸145の中心軸線を中心に回転する。
一対の運搬部材151,152は、図4に示すように互いの底板部182,192同士を近接させる閉状態となるように図示略の閉方向付勢部材で付勢されており、この付勢力に抗して底板部182,192同士を離間させるように揺動して開状態となる。一対の下部支持部材143が中間支持部材142に対して揺動していない基本状態で、一対の運搬部材151,152が閉状態にあるとき、一方の運搬部材151は、底板部182及び受板部183が、棒金搬送リフト111側ほど上側に位置するように傾斜し、他方の運搬部材152は、底板部192が、棒金搬送リフト111から離れるほど上側に位置するように傾斜する。即ち、一対の運搬部材151,152は、互いの底板部182,192が近接側ほど下側に位置するように傾斜して下方に凹状をなす。中間支持部材142の上部案内板部162は、一方の運搬部材151の底板部182の鉛直上方に位置し、規制板部163は、他方の運搬部材152の底板部192の鉛直上方に位置する。
棒金搬送リフト111から繰り出される棒金Bは、その中心軸線を、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向とは直交する水平方向に沿わせており、この姿勢のまま、閉状態にある一対の運搬部材151,152のうちの運搬部材151の受板部183と、中間支持部材142の上部案内板部162との間に繰り出されることになる。棒金搬送リフト111から繰り出された棒金Bは、一方の運搬部材151の受板部183及び底板部182の傾斜で他方の運搬部材152の方向に転がる。このように転がる棒金Bは、中間支持部材142の規制板部163に当接して、それ以上の棒金搬送リフト111とは反対側への移動が規制される。このように運搬部132に放出された棒金Bは、最終的に、閉状態にある一対の運搬部材151,152の底板部182,192の傾斜でこれらの相互近接側に跨がって支持され、その際に、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に対し直交する水平方向に中心軸線を沿わせて支持される。運搬部132は、このように棒金Bを支持した状態で図示略の運搬駆動部により駆動されてガイドレール131に沿って移動して、棒金Bを運搬する。
更に、運搬部132は、棒金搬送リフト111側の一方の運搬部材151の底板部182に取り付けられる入力部材201を有している。入力部材201は、一方の運搬部材151の底板部182及び受板部183の下面に固定されて下方に延出する延出部材202と、延出部材202の下部の棒金搬送リフト111とは反対側に軸部203において支持される入力ローラ204とを有している。入力ローラ204は、軸部203が棒金受入搬送部121の棒金搬送方向とは直交する水平方向に中心軸線を沿わせており、この中心軸線を中心に回転する。
運搬部132は、棒金Bの搬送中、棒金搬送方向に沿って棒金搬送リフト111から離れる方向に移動する摺動部材141に対して、入力部材201の入力ローラ204の移動が停止させられると、入力部材201が取り付けられた一方の運搬部材151が、支持軸144を中心に歯車147と一体に回転し、歯車147に噛み合う歯車148が他方の運搬部材152と一体に回転して、一対の運搬部材151,152が底板部182,192を離す。これにより、運搬部132は、棒金Bを下方に落下させる。このときも棒金Bは、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に対し直交する水平方向に中心軸線を沿わせた姿勢で落下する。
{棒金収納部123}
図3に示すように、棒金収納部123は、水平方向に複数個(図3においては便宜上両端の2個のみ図示)並設される収納部211と、収納部211のそれぞれに設けられて棒金受入搬送部121から棒金Bを受け取って収納部211内に収納する棒金収納機構212と、収納部211のそれぞれに設けられて、収納部211に収納された棒金Bを繰り出す棒金繰出機構213とを有している。収納部211と、何れもこの収納部211に設けられた棒金収納機構212及び棒金繰出機構213とが、個別に棒金Bを繰り出し可能に収納する個別収納繰出部215を構成している。個別収納繰出部215が、水平方向に複数個(図3においては便宜上両端の2個のみ図示)並設されている。
複数個の個別収納繰出部215は、同様の構成であり、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向(即ち前後方向)に並んでいる。複数個の個別収納繰出部215は、互いに鉛直方向の位置を重ね合わせ、互いに棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に直交する水平方向(即ち左右方向)の位置を重ね合わせている。個別収納繰出部215は、金種別に棒金Bを収納することになり、よって、棒金収納部123には、1円棒金、5円棒金、10円棒金、50円棒金、100円棒金、500円棒金の6金種分となる6個の個別収納繰出部215が設けられている。
それぞれが収納部211を1つずつ含む複数個の個別収納繰出部215の上方に、これらを結ぶように上記した棒金受入搬送部121が設けられている。棒金受入搬送部121は、全部の個別収納繰出部215に対して棒金Bを搬送可能であり、これらの中から選択された1つに棒金Bを搬送する。即ち、棒金受入搬送部121は、全ての個別収納繰出部215に対し選択して棒金Bを搬送可能となっている。
「収納部211」
収納部211は、鉛直方向に延在し上下に開口する角筒状(箱状)の周囲壁部221と、図5に示すように、周囲壁部221内に投入された棒金Bを周囲壁部221の下部で支持する支持部222とを有している。支持部222は、収納部211に収納された棒金Bを繰り出す棒金繰出機構213をも構成する。周囲壁部221は、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向(図5における左右方向)に並ぶ一対の壁部225,226と、図6に示すように、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向(図6における右上から左下方向)に直交する水平方向に並ぶ一対の壁部227,228とを有している。一対の壁部225,226は、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に対し直交するように広がっており、一対の壁部227,228は、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に沿い鉛直方向に沿うように広がっている。
一対の壁部227,228は、棒金Bの軸線方向の長さよりも広い間隔をあけており、一対の壁部225,226は、棒金Bを棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に複数列配置可能な間隔をあけている。これにより、図5に示すように、周囲壁部221には、棒金Bが、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に複数列、具体的には3列収納される。周囲壁部221は、内側の空間が上下方向に延びており、棒金Bが、隣り合うもの同士が径方向に接触する状態で鉛直方向に複数段積み上げられて収納される。よって、収納部211には、棒金Bが複数列複数段に収納される。
支持部222は、鉛直方向の位置が合い、最も棒金搬送リフト111側(図5における右側)の棒金Bを支持する支持ピン231及び支持ピン232と、支持ピン232とで、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向中間の棒金Bを支持する支持ピン233と、支持ピン233とで、棒金受入搬送部121の最も棒金搬送リフト111とは反対側(図5における左側)の棒金Bを支持する支持ピン234とを有している。支持ピン231及び支持ピン232は鉛直方向の位置を合わせている。支持ピン232〜234は、同一直線上に並んでおり、この直線が棒金搬送リフト111から離れるほど下側に位置するように傾斜している。
図5では、断面とした関係上、壁部227側の支持ピン231〜234のみを示しているが、支持部222は、壁部228側にも、壁部227側と対称状に支持ピン231〜234を有している。支持部222は、支持する収納部211内の最下段の3つの棒金Bが、最も棒金搬送リフト111側の棒金Bに対して、その棒金搬送リフト111とは反対側に隣り合う棒金Bが半径分下側に位置し、この棒金Bに対し、その棒金搬送リフト111とは反対側に隣り合う棒金Bが半径分下側に位置するように支持することになる。即ち、支持部222は、収納部211内の最下段の3つの棒金Bを、それぞれの中心軸線は水平に配置した状態で、全体として水平に対し傾斜して並ぶように支持する。
一対の壁部225,226は、横方向に隣り合う棒金Bの列同士が、およそ棒金Bの半径分だけ鉛直方向に位置をずらした状態で、同じ1列の棒金Bが鉛直方向に直線状に重ねられ、このような列が3列だけ並ぶように、棒金Bを収納する。支持部222が支持する収納部211内の最下段の3つの棒金Bの並びの傾斜角度は、例えば、水平に対し30度である。これにより、棒金Bは、収納部211内で、所謂、俵積み状態となり、その結果、収納量に対して壁部225,226の幅を効果的にコンパクト化できることになる。収納部211内で同じ段を構成する複数の棒金Bの並びの傾斜角度は、水平に対し30度となっている。
「棒金収納機構212」
図3に示すように、棒金収納機構212は、棒金受入搬送部121から棒金Bを受け取る受取部241と、受取部241で受け取った棒金Bを収納部211内で搬送する昇降可能な昇降搬送部242とを有している。
図6に示すように、受取部241は、収納部211の上端部の棒金搬送リフト111側(図6における右上側)に設けられている。受取部241は、収納部211の棒金搬送リフト111側の壁部225の上端で構成される受取構成部251と、この受取構成部251の棒金搬送リフト111とは反対側に配置される受取部材252と、受取部材252を付勢する受取付勢部材253とを有している。受取部材252は、一対の軸部255において一対の壁部227,228に回転可能に支持されている。受取部材252は、一対の軸部255の中心軸線が棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に直交する水平方向に沿っており、この中心軸線を中心に揺動する。
受取付勢部材253は、受取部材252が、下側ほど受取構成部251に近づく受取状態となって一対の壁部227,228の一対のストッパ部257に当接するように付勢することになり、この状態で、受取部241は、受取構成部251と受取部材252との間に、棒金受入搬送部121から放出された棒金Bを受け取って載置させる。このとき、棒金Bは、棒金受入搬送部121からの放出状態である、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に対し直交する水平方向に中心軸線を沿わせた状態で受取部241に載置される。また、このとき、受取部241に載置された棒金Bは、収納部211内の最も壁部225側の列の棒金Bの真上に位置することになる。この状態から、受取部材252が、受取付勢部材253の付勢力に抗してその下部を受取構成部251から離間させるように揺動させられると、受取部241は、受取構成部251と受取部材252との間からこれらよりも下方への棒金Bの移動を許容することになる。
昇降搬送部242は、受取部241内に一部突出して、受取部241で受け取った棒金Bを軸線方向両側から把持可能な一対のクランプレバー261,262と、一対のクランプレバー261,262を回動可能に支持する支持部材263と、支持部材263と一対のクランプレバー261,262との間に設けられて一対のクランプレバー261,262を付勢するトグルスプリング(トーションスプリング)からなる一対の支持付勢部材264,265とを有している。また、昇降搬送部242は、図7,図8に示すように、支持部材263を昇降させる昇降駆動部266(駆動部)を有している。昇降駆動部266は、支持部材263を昇降させることにより、一対のクランプレバー261,262を鉛直方向に移動させる。
図6に示すように、一方のクランプレバー261は、壁部227に鉛直方向に延在するように形成されたスリット268を介して一部が収納部211内に入り込むようになっており、他方のクランプレバー262は、壁部228に鉛直方向に延在するように形成されたスリット269を介して一部が収納部211内に入り込むようになっている。よって、昇降駆動部266は、一対のクランプレバー261,262のそれぞれの一部を収納部211内で上下に移動させる。
図7,図8に示すように、昇降駆動部266は、収納部211の側方に立設された柱状部材270と、柱状部材270に上下に離間して配置された一対のタイミングプーリ271,272と、これらタイミングプーリ271,272に巻回される無端のタイミングベルト273と、一方の下側のタイミングプーリ271を回転駆動するステッピングモータからなる昇降モータ274とを有している。図8に示すように、支持部材263は、収納部211の壁部225の外側に固定された一対の昇降ガイド277に摺動可能に支持されており、一部がタイミングベルト273に固定されている。これにより、昇降モータ274の駆動でタイミングプーリ271、タイミングベルト273及びタイミングプーリ272が回転すると、支持部材263が一対の昇降ガイド277で案内されて壁部225に沿って昇降する。
支持部材263は、板状であって一対の昇降ガイド277に支持されてタイミングベルト273に連結される支持部材本体281と、図6に示すように、受取部241に載置された棒金Bの軸線方向の両側に位置するように支持部材本体281に固定された一対の軸部材282,283と、受取部241に載置された棒金Bの軸線方向の両側に位置し一対の軸部材282,283の上側に位置するように支持部材本体281に固定された一対のスタッド284,285とを有している。一対の軸部材282,283は、互いに鉛直方向の位置を合わせており、何れも中心軸線を棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に沿わせている。一対のスタッド284,285も、互いに鉛直方向の位置を合わせており、何れも中心軸線を棒金受入搬送部121の棒金搬送方向に沿わせている。
一対のクランプレバー261,262は、一方のクランプレバー261が一方の軸部材282に、他方のクランプレバー262が他方の軸部材283に、それぞれ回動可能に支持されている。一対のクランプレバー261,262は、同形状の部品であり、互いに向きを反対にして軸部材282,283に連結されている。軸部材282,283に支持された状態の一対のクランプレバー261,262は、互いに、棒金受入搬送部121の棒金搬送方向及び鉛直方向の位置を合わせている。一対のクランプレバー261,262は、それぞれが、上下方向に延びるベース部291と、ベース部291の軸部材282,283よりも下側の上下方向中間部から相互近接側に突出する凸部292(支承部)と、ベース部291の軸部材282,283よりも下側の上下方向中間部から相反側に突出する背面突出部293と、ベース部291の下端部から相互近接側に突出する解除部294とを有している。解除部294には、下部に、相互に近づくほど上側に位置するように傾斜する面取部295が形成されている。ベース部291には、軸部材282,283よりも上側の上端部に係合穴296が形成されている。
一対の支持付勢部材264,265のうちの一方の支持付勢部材264は、スタッド284とクランプレバー261の係合穴296とに係合されており、このクランプレバー261を支持部材263に対し付勢する。他方の支持付勢部材265は、スタッド285とクランプレバー262の係合穴296とに係合されており、このクランプレバー262を支持部材263に対し付勢する。
支持付勢部材264は、クランプレバー261が、図6に示すようにベース部291を鉛直方向に沿わせ、壁部227に形成されたスリット268を介して凸部292及び解除部294を収納部211内に突出させた進入状態を維持するように付勢することになる。また、支持付勢部材264は、この進入状態からクランプレバー261が、凸部292及び解除部294を収納部211から退避させる方向に所定の切替位置を越えて回動させられると、クランプレバー261を更に回動させて、凸部292及び解除部294を収納部211から退避させた退避状態に維持するように付勢する。また、支持付勢部材264は、この退避状態からクランプレバー261が、凸部292及び解除部294を収納部211に進入させる方向に切替位置を越えて回動させられると、クランプレバー261を更に回動させて、凸部292及び解除部294を収納部211に進入させた進入状態に維持するように付勢する。即ち、支持付勢部材264は、クランプレバー261に、進入状態と退避状態とを切替位置を境に切り替える所謂スナップアクションを行わせる。
支持付勢部材265は、クランプレバー262が、ベース部291を鉛直方向に沿わせ、壁部228に形成されたスリット269を介して凸部292及び解除部294を収納部211内に突出させた進入状態を維持するように付勢することになる。また、支持付勢部材265は、この進入状態からクランプレバー262が、凸部292及び解除部294を収納部211から退避させる方向に所定の切替位置を越えて回動させられると、クランプレバー262を更に回動させて、凸部292及び解除部294を収納部211から退避させた退避状態に維持するように付勢する。また、支持付勢部材265は、この退避状態からクランプレバー262が、凸部292及び解除部294を収納部211に進入させる方向に切替位置を越えて回動させられると、クランプレバー262を更に回動させて、凸部292及び解除部294を収納部211に進入させた進入状態に維持するように付勢する。即ち、支持付勢部材265も、クランプレバー262に、進入状態と退避状態とを切替位置を境に切り替える所謂スナップアクションを行わせる。
昇降搬送部242は、図7に示すように、壁部227に連結部材301を介して固定される当接ピン302と、壁部228に連結部材303を介して固定される当接ピン304とを有している。これら当接ピン302,304は、収納部211の上部位置に配置されており、互いに鉛直方向の位置を合わせている。昇降駆動部266の駆動で、図9に示すように、支持部材263が退避状態にあるクランプレバー261,262と共に収納部211の上部から上端部に向け移動して最上位置に位置すると、当接ピン304が、図10に示すように、退避状態にあるクランプレバー262の背面突出部293に当接する。すると、クランプレバー262はその上降の力で、当接ピン304から反力を受けて、切替位置を越えて回動させられる。これにより、支持付勢部材265の付勢力でクランプレバー262が進入状態に切り替わる。これと並行して、クランプレバー261も、背面突出部293において、当接ピン302に当接し、切替位置を越えて回動させられる。これにより、支持付勢部材264の付勢力でクランプレバー261も進入状態に切り替わる。クランプレバー261,262は鉛直方向の位置を合わせており、当接ピン302,304も鉛直方向の位置を合わせているため、クランプレバー261,262は、退避状態から略同時に進入状態に切り替わる。
以上のような退避状態から進入状態への切り替え時に、図6に示すように、受取部241に棒金Bがあると、クランプレバー261,262は、互いの凸部292でこの棒金Bをその軸線方向両側、即ち、その長手方向から両側から挟持する。棒金Bは、軸線方向の両端に包装紙の余長部分を内側に丸めて加締めた円形の加締部Kが形成されており、クランプレバー262の凸部292は、一方の加締部Kの内側に入り込んで一端部の硬貨Cに当接し、クランプレバー261の凸部292は、他方の加締部Kの内側に入り込んで他端部の硬貨Cに当接する。進入状態にあるクランプレバー261,262は、それぞれの凸部292が一本の棒金Bの両端の加締部K内に入り込むため、棒金Bは、凸部292を越える径方向移動が規制されることになり、棒金Bが自重により下がっても、クランプレバー261,262のそれぞれの凸部292に加締部Kの上部が下側から支持される。
このように進入状態にあるクランプレバー261,262で棒金Bを把持した状態で、昇降駆動部266の駆動で、支持部材263がクランプレバー261,262と共に下降して棒金Bを受取部241から下降させると、クランプレバー261,262で下降させられる棒金Bは、受取部241の受取部材252を受取付勢部材253の付勢力に抗して回動させながら、受取部材252と受取構成部251との間を通過する。即ち、受取部241よりも下方に移動させられる。
図11に示すように、更に、昇降駆動部266の駆動で、支持部材263がクランプレバー261,262と共に下降すると、クランプレバー261,262は、収納部211に既に収納されている棒金Bの最も壁部225側の上端のものの軸線方向の両端部に面取部295が当接し、図12に示すように、クランプレバー261,262の下降の力で、この棒金Bから解除部294が反力を受けて、進入状態から切替位置を越えて回動する。これにより、支持付勢部材264,265の付勢力でクランプレバー261,262が退避状態に切り替わる。ここで、クランプレバー261,262を回動させる棒金Bも、軸線方向の両端部の鉛直方向の位置を合わせて収納部211に収納されているため、クランプレバー261,262は、進入状態から略同時に退避状態に切り替わる。その結果、クランプレバー261,262はそれぞれの凸部292が棒金Bの加締部Kから離れて棒金Bを放出する。
以上のようにして、クランプレバー261,262は、棒金Bを把持及び放出する。棒金Bを収納する際に、支持部材263は、既に収納されている棒金Bの有無にかかわらず、常に最下位置まで下降するようになっている。
図13に示すように、収納部211のスリット268の下端位置には、内部に棒金Bが収納されていない状態で、支持部材263が最下位置まで下降すると、支持部材263と共に下降するクランプレバー261の面取部295に当接し、クランプレバー261の解除部294を、クランプレバー261の下降の力の反力で押して、進入状態にあるクランプレバー261を切替位置を越えて回動させる突起状の当接部311が形成されている。図8,図14に示すように、収納部211のスリット269の下端位置にも、内部に棒金Bが収納されていない状態で、支持部材263が最下位置まで下降すると、支持部材263と共に下降するクランプレバー262の面取部295に当接し、クランプレバー262の解除部294を、クランプレバー262の下降の力の反力で押して、進入状態にあるクランプレバー262を切替位置を越えて回動させる突起状の当接部312が形成されている。当接部311,312も鉛直方向の位置を合わせており、これにより、当接部311,312に当接したクランプレバー261,262は、支持付勢部材264,265の付勢力で略同時に退避状態に切り替わる。その結果、クランプレバー261,262はそれぞれの凸部292が棒金Bの加締部Kから離れて棒金Bを放出する。
よって、クランプレバー261,262のそれぞれの面取部295を含む解除部294は、収納部211に収納されている棒金B又は収納部211に形成された当接部311,312に接触するとクランプレバー261,262のそれぞれの凸部292を棒金Bの両端から離間させる。
なお、支持部材263は、このように当接部311,312でクランプレバー261,262を退避状態にできる最下位置からクランプレバー261,262を進入状態にすることのない位置までの間に基本位置が設定されることになり、具体的には、図6に示すようにクランプレバー261,262を進入状態にする最上位置よりも1段下がった図8,図9に示す位置が基本位置となっている。支持部材263は、棒金Bの収納時に一旦最下位置まで移動した後、次の棒金Bの収納までの間は、この基本位置で待機する。動作開始時において、クランプレバー261,262が開いていない可能性がある場合、一旦、支持部材263を最下位置まで下降させてクランプレバー261,262を開かせてから、基本位置に戻す。
図11に示すように、クランプレバー261,262は、最も壁部225側(最も棒金搬送リフト111側)の列の棒金Bにほぼ沿って移動し、図12に示すように、この最も壁部225側の列の最上部の棒金Bに接触すると、棒金Bを放出することになる。図5に示すように、このとき、最も壁部225側の列の最上部の棒金Bよりも1段上に棒金Bがなければ、放出された棒金Bは、壁部226に当接するまで、図5中に実線矢印で示すように、下側の棒金Bの傾斜で転がる。また、最も壁部225側の列の最上部の棒金Bよりも1段上に1個の棒金Bがあると、この棒金Bは下側の棒金Bの傾斜で壁部226に当接しており、放出された棒金Bは、この1個の棒金Bに当接するまで、下側の棒金Bの傾斜で転がって、この1個の棒金Bと同じ段を構成する2つ目の棒金Bとなる。また、最も壁部225側の列の最上部の棒金Bよりも1段上に2個の棒金Bがあると、これらは下側の棒金Bの傾斜で壁部226に当接しており、放出された棒金Bは、これら2個の棒金Bと同じ段の3つ目の棒金Bとなる。
ここで、クランプレバー261,262は、最も壁部225側の列の棒金Bと、その隣りの列の棒金Bとの間位置で、これらの棒金Bの何れかに解除部294を当接させて棒金Bを放出するようにしても、放出された棒金Bは、図5中に破線矢印で示すように転がって、上記と同様に収納されることになる。また、これにより、放出された棒金Bが壁部225と当接して壁部226に向けて転がらずに壁部225側の列に積み上がることをより確実に防止できる。
図4に示すように、棒金受入搬送部121は、棒金搬送リフト111から棒金Bを受け取ると、図15に示すように、この棒金Bを把持して、この棒金Bの金種用の個別収納繰出部215に向かって移動することになるが、これに合わせて、この個別収納繰出部215の昇降搬送部242が、図8,図9に示すように基本位置にある支持部材263を、図7,図10に示すように最上位置まで上昇させる。
そして、この上昇中に、図16に示すように、支持部材263は、支持部材本体281において、棒金受入搬送部121の運搬部132の入力部材201に当接して、図17に示すように、運搬部材151,152を開状態として、運搬部132の棒金Bを、この個別収納繰出部215の受取部241に受け渡し、その後、図7,図10に示すように更に最上位置まで上昇してクランプレバー261,262を当接ピン302,304に当接させて、図6に示すようにクランプレバー261,262を進入状態にして受取部241の棒金Bを把持させる。
即ち、個別収納繰出部215の支持部材263は、基本位置からの一回の上昇で、棒金受入搬送部121の運搬部材151,152を開状態とした後、クランプレバー261,262を進入状態にする。その際に、この個別収納繰出部215よりも棒金搬送リフト111側にある個別収納繰出部215は、図18に示すように、支持部材263が基本位置にあって上昇することはなく、移動する棒金受入搬送部121の入力部材201を当接させずに通過させる。このように、支持部材263の基本位置は、移動する棒金受入搬送部121の入力部材201に当接しない位置となっている。
「棒金繰出機構213」
図5に示すように、棒金繰出機構213は、棒金Bを繰り出す繰出部321と、繰出部321で繰り出される棒金Bよりも上段の棒金Bを支持する上記した支持部222と、支持部222で支持された棒金Bを繰出部321に搬送する搬送部322とを有している。
繰出部321は、支持部222が支持する収納部211内の最下段の3つの棒金Bの並びの傾斜と同様に傾斜して並ぶ一対のタイミングプーリ331,332と、これらタイミングプーリ331,332に巻回される無端の歯付タイミングベルト333(歯付ベルト)と、一対のタイミングプーリ331,332のうちの一方を駆動するステッピングモータからなる図示略の繰出モータとを有している。歯付タイミングベルト333には、外周側に歯335が周方向に等間隔で複数形成されている。歯付タイミングベルト333は、その傾斜する上面に棒金Bを載置させ、傾斜下側に向けて棒金Bを繰り出す。繰出部321は、このように繰り出された棒金Bを繰り出す繰出口336を、歯付タイミングベルト333の上面の延長方向に有している。図3に示すように、個別収納繰出部215の下部の繰出口336から繰り出された棒金Bは、棒金払出搬送部124に受け渡される。
図19〜図22に示すように、支持部222は、壁部227,228にそれぞれ設けられた支持ピン231〜234を収納部211内に進入させたり、収納部211内から退避させたりする進退駆動部341を有している。進退駆動部341は、壁部227側の支持ピン231〜234が固定される支持板342と、壁部228側の支持ピン231〜234が固定される支持板343と、進退モータ344と、進退モータ344の回転軸345に固定され、進退モータ344の駆動で回転軸345と一体に回転する回転板346とを有している。回転板346は、鉛直方向に長い帯板状であり、回転軸345に長手方向の中央部が固定されている。
進退駆動部341は、回転板346の長手方向の一端部と支持板342とを連結させる連結ピン351と、回転板346の長手方向の他端部に連結される連結ピン352と、連結ピン352に一端側が連結されて支持板343側に延出するリンク板353と、リンク板353の他端側を支持板343に連結させる連結ピン354とを有している。
進退モータ344が第1位置にあるとき、図19,図20に示すように、支持板342,343が近づいた状態にあって、支持板342,343がそれぞれに取り付けられた支持ピン231〜234を収納部211内に進入させる。これにより、支持部222は、支持板342,343のそれぞれに取り付けられた支持ピン231〜234が収納部211の底部を構成し、収納部211内の棒金Bを支持する状態になる。
この状態から進退モータ344が回転して第2位置に位置すると、図21,図22に示すように、支持板342,343が遠ざかった状態になって、支持板342,343がそれぞれに取り付けられた支持ピン231〜234を収納部211から退避させる。これにより、支持部222は、支持板342,343のそれぞれに取り付けられた支持ピン231〜234が、収納部211内の棒金Bを支持しない状態になる。
図23〜図26に示すように、搬送部322は、搬送台361と、搬送台361を昇降させる搬送駆動部362とを有している。図27に示すように、搬送台361は、一方向に長いベース体365と、ベース体365の両端に取り付けられるナット部材366,367と、ベース体365の中央に取り付けられる台部368とを有している。図28に示すように、搬送台361は、支持ピン231〜234で支持された収納部211内の最下段の棒金Bを台部368の支持板部369で支持する。支持板部369は、支持部222が支持する収納部211内の最下段の3つの棒金Bの並びの傾斜と同様に傾斜している。
図24,図26に示すように、搬送駆動部362は、壁部227の壁部228とは反対側に立設されて搬送台361のナット部材366に螺合されるボールネジ371と、ボールネジ371に固定されたタイミングプーリ372と、壁部228の壁部227とは反対側に立設されて搬送台361のナット部材367に螺合されるボールネジ373と、ボールネジ373に固定されたタイミングプーリ374とを有している。図23,図25に示すように、搬送駆動部362は、壁部228の壁部227とは反対側に、ボールネジ373と並んで設けられたステッピングモータからなる搬送モータ375と、搬送モータ375の図示略の回転軸に固定されたタイミングプーリ377と、タイミングプーリ372,374,377に巻回される無端のタイミングベルト378とを有している。ナット部材366及びボールネジ371はボールネジ機構を構成し、ナット部材367及びボールネジ373もボールネジ機構を構成している。
これにより、搬送モータ375が正逆駆動されてその回転軸が回転すると、タイミングプーリ377がタイミングベルト378及びタイミングプーリ372,374を回転させることになり、その結果、ボールネジ371,373が同期して回転する。すると、ボールネジ371,373にナット部材366,367を螺合させている搬送台361が、図23,図24に示すように下降したり、図25,図26に示すように上昇したりする。図28に示すように、搬送台361が最も上昇すると、その支持板部369が、支持ピン231〜234で支持された、収納部211内の最下段の棒金Bを支持する状態となる。また、図5に示すように、搬送台361が最も下降すると、その支持板部369が、歯付タイミングベルト333と上面の位置を揃えることになり、歯付タイミングベルト333とで棒金Bを支持する状態になる。
歯付タイミングベルト333上には、以下のように、支持部222に支持された、収納部211内の最下段の3個の棒金Bが搬送部322で上から搬送されて受け渡されることになるが、その際に、歯付タイミングベルト333は、搬送部322の支持板部369とで3個の棒金Bを支持することになる。即ち、最も繰出口336側の棒金Bとその隣りの棒金Bとを歯付タイミングベルト333及び支持板部369が支持し、最も繰出口336とは反対側の棒金Bを支持板部369だけが支持する。支持板部369は、この位置が基本位置となっている。下降する支持板部369から棒金Bを受け取る際に、図5に示すように、歯付タイミングベルト333は、繰出口336と最も繰出口336側の棒金Bとの間と、最も繰出口336側の棒金Bとその隣りの棒金Bとの間と、この棒金Bと最も繰出口336とは反対側の棒金Bとの間と、それぞれ歯335を配置する回転位置で棒金Bを受け取ることになる。
歯335は、歯付タイミングベルト333の上面上の棒金Bの乗り越えを規制することになり、これにより、歯付タイミングベルト333の周方向に隣り合う歯335と歯335との間には1個の棒金Bが配置されることになる。その結果、図示略の繰出モータの回転を制御することで、歯付タイミングベルト333は、棒金Bを1個ずつ繰り出すことになり、棒金Bの繰り出し数を制御することになる。
図5に示すように、支持部222が支持ピン231〜234を収納部211内に突出させて収納部211内の棒金Bを支持する状態で、繰出部321は、支持部222で支持する棒金Bから離間して支持部222の下側の歯付タイミングベルト333上に載置された棒金Bを、図示略の繰出モータの駆動による歯付タイミングベルト333の回転で繰出口336から、繰出モータの回転量に応じた数だけ繰り出すことになる。その際に、搬送部322は、その搬送台361の支持板部369の上面を歯付タイミングベルト333の上面と略面一に配置しており、歯付タイミングベルト333とで棒金Bを支持している。
上記のように繰出部321で棒金Bが繰り出されて、その歯付タイミングベルト333に載置されている棒金Bがなくなると、搬送部322が、その搬送駆動部362の駆動で図5に示すように基本位置にあった支持板部369を、図28に示すように上昇させる。すると、支持板部369が、支持部222の支持ピン231〜234で支持されている収納部211内の棒金Bを支持する状態となる。
なお、繰出部321が、歯付タイミングベルト333と支持板部369とで棒金Bを載置させるのではなく、壁部225側から突出する突片を設けて、この突片と歯付タイミングベルト333とで棒金Bを載置させるようにしても良い。この場合、支持板部369が、支持部222の支持ピン231〜234で支持されている収納部211内の棒金Bを支持する位置を基本位置としても良い。
次に、支持部222が、進退駆動部341の駆動で支持ピン231〜234を収納部211内から退避させる。すると、収納部211内の棒金Bは、支持ピン231〜234による支持が解除され、搬送部322の搬送台361により単独で支持される状態となる。
次に、搬送部322が、その搬送駆動部362の駆動で搬送台361を下降させる。すると、搬送台361の支持板部369が、収納部211内にある全ての棒金Bを下降させることになる。この搬送台361の支持板部369に接触する最下段の棒金Bが、支持ピン231〜234と繰出部321の歯付タイミングベルト333との間に位置すると、一旦、搬送部322が、その搬送駆動部362の駆動を停止させて搬送台361を停止させる。
次に、支持部222が、進退駆動部341の駆動で支持ピン231〜234を収納部211内に突出させる。すると、支持ピン231〜234は、搬送台361の支持板部369に接触する最下段の棒金Bと、その1段上の段の棒金Bとの間に入り込む。
次に、搬送部322が、その搬送駆動部362の駆動で搬送台361を下降させる。すると、搬送台361の支持板部369が接触する最下段の棒金Bを下降させることになり、その際に、その1段上の段の棒金Bを支持ピン231〜234が支持して、下降する最下段の棒金Bから離す。そして、図5に示すように、搬送部322は、支持板部369が歯付タイミングベルト333と共に繰出口336側の2個の棒金Bを支持し、最も繰出口336とは反対側の棒金Bについては、支持板部369が支持する状態を維持することになる。
以上のように、棒金繰出機構213は、繰出部321で繰出部321上にある全ての棒金Bが繰り出されると、搬送部322が上昇して支持部222で支持された棒金Bを支持し、支持部222が搬送部322で支持された棒金Bの支持を解除し、搬送部322が下降して繰出部321に棒金Bを搬送し、その途中で、支持部222が繰出部321に搬送された棒金Bよりも上段の棒金Bを支持する。
なお、繰出部321は、繰り出す棒金Bがなくなった後、搬送部322で棒金Bが搬送されると、次の棒金Bの繰り出しが実行可能となる。即ち、例えば、第1の繰出処理で、最下層の3個の棒金Bのうちの2個を繰り出し、歯付タイミングベルト333に棒金Bが1個残り、その後、第2の繰出処理で、再度3個の棒金Bを繰り出す場合、先ず、歯付タイミングベルト333に残っている1個の棒金Bを繰り出した後に、上記のように、支持部222で支持されている最下段の3個の棒金Bを搬送部322で繰出部321に搬送することになり、その後、繰出部321が歯付タイミングベルト333で残り2個の棒金Bを繰り出すことになる。
{棒金払出搬送部124}
図3に示すように、棒金払出搬送部124は、全ての個別収納繰出部215の収納部211の下方に設けられ、全ての個別収納繰出部215の棒金繰出機構213から繰り出された棒金Bを棒金収納部123外の図1に示す棒金搬送リフト111に搬送する。図3に示すように、棒金払出搬送部124は、全ての個別収納繰出部215の繰出口336を結んでおり、全ての個別収納繰出部215の繰出口336から繰り出された棒金Bを、棒金搬送リフト111側(図3における右側)に搬送して棒金搬送リフト111に受け渡す。
棒金払出搬送部124は、棒金搬送リフト111側に設けられた搬送軸部391と、最も棒金搬送リフト111とは反対側の個別収納繰出部215の繰出口336よりも棒金搬送リフト111とは反対側に設けられた搬送軸部392と、これら搬送軸部391,392に巻回された複数本の無端の搬送ベルト393と、搬送軸部391,392の一方を駆動する図示略の移動モータとを有している。
棒金払出搬送部124は、棒金収納部123の少なくとも何れか一つの個別収納繰出部215から棒金Bを繰り出す際に、図示略の移動モータの駆動で搬送ベルト393をその上面が棒金搬送リフト111に向かうように回転させることになる。これにより、棒金払出搬送部124は、個別収納繰出部215の繰出口336から繰り出された棒金Bを搬送ベルト393の上面に載置させて棒金搬送リフト111に搬送することになる。なお、搬送ベルト393として歯付きのベルトを使用するようにしても良く、これにより、個別収納繰出部215の繰出口336から繰り出された棒金Bをより確実に棒金搬送リフト111に搬送することができる。
以上に述べた硬貨処理装置10によれば、収納部211に棒金Bが鉛直方向に積み上げられて収納されるため、無駄なスペースを削減可能となり、小型化可能となる。
また、収納部211に棒金Bが複数列複数段に収納されるため、無駄なスペースを更に削減可能となり、更に小型化可能となる。
また、収納部211が水平方向に複数個並設されるため、棒金Bを金種別等に分類して収納することができる。
また、棒金収納機構212は、クランプレバー261,262を昇降駆動部266で上下に移動させるため、棒金Bの放出位置を収納部211の棒金収納量に合わせることができる。従って、放出する棒金Bの収納済み棒金Bへの落下を抑制でき、棒金Bの損傷や騒音を抑制することができる。
また、クランプレバー261,262を昇降駆動部266で上下に移動させると、解除部294が、収納部211に収納されている棒金B又は収納部211に形成された当接部311,312に接触して凸部292を棒金Bの両端から離間させるため、昇降駆動部266の駆動を利用して、凸部292を棒金Bの両端から離間させて棒金Bを放出させることができる。従って、部品点数増及びコスト増を抑制することができる。
また、棒金収納部123外から搬送された棒金Bを、収納部211の上方に設けられた棒金受入搬送部121で棒金収納機構212に搬送することができる。従って、複数並べられた個別収納繰出部215に良好に棒金Bを振り分けて収納することができる。
また、棒金繰出機構213は、繰出部321で棒金Bが繰り出されると、搬送部322が上昇して支持部222で支持された棒金Bを支持し、支持部222が搬送部322で支持された棒金Bの支持を解除し、搬送部322が下降して繰出部321に棒金Bを搬送し、支持部222が繰出部321に搬送された棒金Bよりも上段の棒金Bを支持するため、繰出部321から繰り出される棒金Bを、それよりも上段の棒金Bと分離することができる。よって、繰出部321で円滑に棒金Bを繰り出すことができる。
歯付タイミングベルト333が棒金Bを歯335で支持して1個ずつ繰り出すため、棒金Bを良好に1個ずつ繰り出すことができる。
棒金繰出機構213から繰り出された棒金Bを、収納部211の下方に設けられた棒金払出搬送部124で棒金収納部123外に搬送することができる。
以上の実施形態を以下の変形例のように変更することができる。
[変形例1]
クランプレバー261,262は、それぞれの凸部292が棒金Bの加締部K内に入り込んで加締部Kの上部を下側から支持する以外にも、図29にクランプレバー261を例示するように、クランプレバー261,262に、凸部292及び解除部294を2つずつ設けて、4つの凸部292で棒金Bの両端の下部を下側から支持するようにしても良い。
[変形例2]
図30にクランプレバー261を例示するように、クランプレバー261,262の解除部294の上面に凹部401を設けて、クランプレバー261,262の凹部401で棒金Bの両端の下部を下側から支持するようにしても良い。
[変形例3]
図31に示すように、繰出部321を、タイミングプーリ331,332、歯付タイミングベルト333及び図示略の繰出モータで構成するのではなく、最下位置にある支持板部369で支持された棒金Bを、最下位置の支持板部369の繰出口336側に設けられた繰出プレート405で繰り出しを規制すると共に、この繰出プレート405を駆動部で図31に矢印で示すように円弧運動(回動)させて棒金Bを1個ずつ繰り出すようにしても良い。
[変形例4]
収納部211に棒金Bを縦に複数列複数段収納することで従来よりも多くの棒金Bを収納することができるようになり好ましいが、これに限定されず、縦一列に収納するようにしても良い。更に、図示されているように3列で収納することに限定されず、2列或いは4列以上で収納するようにしても良い。
[変形例5]
全金種分、金種別に収納部211を有することが好ましいが、1又は複数の特定の金種だけの収納部211を設けて棒金Bを収納させるようにしても良い。更に、収納部211を6個有することに限定されず、1〜5個或いは7個以上有するようにしても良い。
[変形例6]
また、硬貨処理装置10内に、棒金収納繰出部92を複数個備えて、より多くの棒金Bを収納できるようにしても良い。
[変形例7]
棒金受入搬送部121の棒金Bを受け取る側と、棒金払出搬送部124の棒金Bを繰り出す側とを同じ側とすることに限定されず、逆側にしても良い。