JP2018180538A - 画像形成装置及びカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した駆動力の伝達を可能とする技術を提供する。【解決手段】動力源95と、動力源95から伝達される駆動力で回転する第1カップリング部材90と、第1カップリング部材90と吸着して回転する第2カップリング部材63と第2カップリング部材63と連結された回転体63とを備えるカートリッジBと、を有し、第1カップリング部材90は、第1カップリング部材90の回転軸線に直交する第1駆動伝達面90cを備え、第2カップリング部材63は、第2カップリング部材63の回転軸線に直交する第2駆動伝達面63cを備え、第1駆動伝達面90cと第2駆動伝達面63cとの間に互いに吸着する力が発生した状態で、第1カップリング部材90から第2カップリング部材63へ駆動力を伝達する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置において装置本体からカートリッジ等へ駆動力を伝達するための駆動力伝達機構に関するものである。
いわゆるプロセスカートリッジ方式の電子写真画像形成装置では、プロセスカートリッジに設けられた感光ドラム等の回転体に回転駆動力を供給すべく、装置本体に設けられた駆動源につらなる動力伝達部材と、感光ドラム等とを駆動力伝達可能に連結する。そのような感光ドラム等を回転駆動させるための駆動力伝達機構として、種々の構成が提案されている。特許文献1には、装置本体に設けるカップリングにねじれた凹部を設け、感光ドラムに設けるカップリングにねじれた凸部を設け、これら凹部と凸部とを嵌合させることで、感光ドラムを駆動可能とする構成が開示されている。また、特許文献2には、感光ドラムのカップリングと装置本体のカップリングとが嵌合した際に接続されるアース接点を設け、感光ドラム端部の回転部分でアースをとる構成が開示されている。
特許第3408082号公報 特許第3839932号公報
ここで、前述のねじれた凹凸形状を嵌合させて駆動伝達するカップリング構成では、製造時に生じる寸法誤差の観点から、凹凸形状の嵌合部に隙間を設ける必要がある。この隙間が感光ドラム等を回転させる際の回転方向のガタ成分となり、感光ドラム等の被駆動部の駆動伝達性能が低下する可能性がある。
本発明の目的は、安定した駆動力の伝達を可能とする技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、
動力源と、
前記動力源から伝達される駆動力で回転する第1カップリング部材と、
前記第1カップリング部材と吸着して回転する第2カップリング部材と前記第2カップリング部材と連結された回転体とを備えるカートリッジと、
を有し、
前記第1カップリング部材は、前記第1カップリング部材の回転軸線に直交する第1駆動伝達面を備え、前記第2カップリング部材は、前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する第2駆動伝達面を備え、前記第1駆動伝達面と前記第2駆動伝達面との間に互いに吸着する力が発生した状態で、前記第1カップリング部材から前記第2カップリング部材へ駆動力を伝達することを特徴とする。
本発明によれば、安定した駆動力の伝達が可能となる。
本発明の実施例1に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例に係る画像形成装置の模式的断面図 本発明の実施例に係るプロセスカートリッジの模式的断面図 本発明の実施例1に係るクリーニングユニットの模式的斜視図 プロセスカートリッジの装置本体に対する着脱の様子を示す模式的斜視図 本発明の実施例1に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 静電吸着力と伝達可能トルクの関係を説明する図 静電吸着力を利用したカップリング構成の等価回路図 静電吸着力、電流、電圧の関係を説明する図 静電吸着力、電流、体積抵抗率の関係を説明する図 本発明の実施例2に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例2に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例3に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例3に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例4に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例4に係るクリーニングユニットの模式的斜視図 本発明の実施例4に係るプロセスカートリッジのカップリングの模式的斜視図 本発明の実施例4に係るプロセスカートリッジの装置本体に対する着脱の様子を示す模式的斜視図 本発明の実施例4に係る装置本体のカップリングの模式的斜視図 本発明の実施例4に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例5に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例5に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の実施例6に係るカップリング、感光ドラム、および駆動装置の断面図 本発明の実施例6に係るクリーナユニットの斜視図 本発明の実施例6に係る装置本体と、プロセスカートリッジの斜視図 本発明の実施例7に係る静電吸着機能部の体積抵抗率および厚みが一定の場合の構成と、各分布図 本発明の実施例7に係る静電吸着機能部の体積抵抗率に分布を持たせた場合の構成と、各分布図 本発明の実施例7に係る静電吸着機能部の厚みに分布を持たせた場合の構成と、各分布図 本発明の実施例7に係る静電吸着機能部に微小孔を付与した構成を示した図 本発明の実施例8に係る静電吸着機能部に中抵抗部と高抵抗部を設けた場合の構成と、各分布図 本発明の実施例8に係る静電吸着機能部に穴を設けた構成を示した図 本発明の実施例8に係る静電吸着機能部にボス、駆動側カップリングに嵌合穴を設けた構成図 本発明の実施例8に係る静電吸着機能部に別部材のボス、駆動側カップリングに嵌合穴を設けた図 本発明の実施例8に係る静電吸着機能部にさらにボスと非駆動側カップリングの絶縁をした構成図 本発明の変形例1に係る駆動力伝達機構の模式的断面図 本発明の変形例1に係る駆動力伝達機構の模式的断面図
以下に本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、この発明の範囲をそれ
らのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1〜図6を参照して、本発明の実施例に係る画像形成装置について説明する。ここで、本発明が適用される画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置であり、具体的には、複写機、プリンタ(LEDプリンタ、レーザプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が該当する。また、本発明が適用される画像形成装置は、プロセスカートリッジ方式を採用した画像形成装置である。すなわち、電子写真感光体である感光ドラム(像担持体)と感光ドラムに作用するプロセス手段とをプロセスカートリッジとして一体化し、このプロセスカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能(装着可能)とした装置構成を有する画像形成装置である。プロセスカートリッジは、感光ドラム、帯電手段、クリーニング手段等を備えたクリーニングユニットや、現像ローラ(現像剤担持体)、現像剤を収容する現像容器等を備えた現像ユニットなどの複数のユニットで構成される場合がある。また、これらユニットが単独で装置本体に対して着脱自在なカートリッジとして構成される場合もある。本発明においてカートリッジとは、プロセスカートリッジだけでなく、上記各ユニットがカートリッジ化されたものも含まれる。
以下の説明において、感光ドラムの回転軸線方向を長手方向とする。また、長手方向において、画像形成装置本体から感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側(図1において被駆動カップリング63側)とし、その反対側を非駆動側とする。
図2及び図3を用いて、本実施例の画像形成装置の全体構成および画像形成プロセスについて説明する。図2は、本発明の実施例に係る画像形成装置の画像形成装置本体(以下、装置本体Aと記載する)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジBと記載する)の模式的断面図である。図3は、カートリッジBの構成を説明する模式的断面図である。ここで、画像形成装置の装置本体Aとは、画像形成装置の構成のうちカートリッジBを除いた構成部分である。
<電子写真画像形成装置全体構成>
図2に示すように、本実施例に係る画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。装置本体Aに装着されたカートリッジBに対して、その上側に露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置されている。また、カートリッジBの下側には画像形成対象となる記録材(以下、シート材Pと記載する)を収容したシートトレイ4が配置されている。更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
<カートリッジ全体の構成>
図3に示すように、カートリッジBは、クリーニングユニット60と現像ユニット20を合体して構成される。クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71、感光ドラム(以下、ドラム)62、帯電ローラ66およびクリーニングブレード77等からなる。一方、現像ユニット20は、底部材22、現像容器23、現像ブレード42、現像ローラ32、マグネットローラ34、搬送部材43、トナーT、等からなる。これらクリーニングユニット60と現像ユニット20を、互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。
<クリーニングユニットの構成>
図1、図3〜図5を参照して、クリーニングユニット60の構成について説明する。図
1は、本実施例に係る駆動力伝達機構の模式的断面図であって、ドラムユニット61近傍の構成について装置本体Aの構成を含めて示した図である。図4は、クリーニングユニット60の構成を説明する模式的斜視図である。図5は、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱の様子を示す模式的斜視図であり、カートリッジBを着脱するために装置本体Aの開閉扉13が開かれた状態を示している。
図3に示すように、クリーニングブレード77は、板金からなる支持部材77aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材77bからなり、クリーニング枠体71に対して支持部材77aの両端をビス(不図示)で固定することで、所定の位置に配置される。弾性部材77bがドラム62と当接し、ドラム62の外周面上から残留トナーを除去する。除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。
図4に示すように、付勢部材74、帯電ローラ軸受66cは、クリーニング枠体71に取り付けられる。帯電ローラ66の軸部は、帯電ローラ軸受66cにはめ込まれる。帯電ローラ66は、バネ等の付勢部材74によって、ドラム62に対して付勢されるとともに、帯電ローラ軸受66cによって回転可能に支持され、ドラム62の回転に伴って従動回転を行う。帯電ローラ66は、不図示の電極板を給電経路として給電される。
ドラム62は、例えばアルミシリンダの筒状体の外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)が塗布されたものであり、アルミシリンダはドラム62における導電部として機能する。図1に示すように、ドラム62は、筒状体の長手方向の一方(駆動側)の筒状端部にドラムフランジ機能部63fを有する被駆動カップリング63が結合され、他方(非駆動側)の筒状端部にフランジ64(フランジ形状部を備えた端部部材)が結合されている。被駆動カップリング63に一体に構成されたドラムフランジ機能部63fと、フランジ64は、それぞれドラム62の筒状体の端面と軸方向に当接している。このように、被駆動カップリング63とフランジ64とがドラム62に一体的に結合され、電子写真感光ドラムユニット(以下、ドラムユニット61)となる。フランジ64の中心に軸孔が設けられており、この軸孔にドラム軸78が挿通嵌合されている。
ドラム62と被駆動カップリング63及びフランジ64との結合方法は、カシメ、接着、溶着等を用いることができる。フランジ機能部63f及びフランジ64は、導電性を有し、同じく導電性を有する第一の電極であるドラム軸78が装置本体Aのアース電極と電気的に導通している。また、フランジ機能部63fには、装置本体Aから駆動力を受けるカップリング基材63aが設けられている。ドラムユニット61は、クリーニング枠体71に回転可能に支持される。
図5に示すように、クリーニングユニット60には、装置本体Aに装着されたときに装置本体Aに精度良く位置決めするため、ドラム軸78と同芯の周面を有する位置決め部80と、回転止め部81とを長手両端にそれぞれ設けられている。この構成により、クリーニングユニット60に結合された現像ユニット20を含むカートリッジBが装置本体Aに精度良く位置決めされる。
<カートリッジ着脱>
図5に示すように、装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられている。開閉扉13を開くと、不図示のリンク機構が開閉扉13の動作に連動して動作することにより、装置本体Aに設けられた駆動カップリング90が、カートリッジBの長手退避方向(駆動カップリング90の回転軸線方向)に移動する。装置本体Aにはガイドレール12が備えてあり、カートリッジBはガイドレール12に沿って装置本体A内に装着される。このとき、上述したクリーニングユニット60に設けた位置決め部80と回転止め部81が、装置本体Aの位置決め部(不図示)と係合することによりカートリッジBが装置本体Aに
位置決めされる。開閉扉13を閉じると、不図示のリンク機構が開閉扉13の動作に連動して動作し、駆動カップリング90が前述とは反対にカートリッジBに設けられた被駆動カップリング63に近づく方向に移動し、カップリングの駆動伝達面同士が接合される。
そして、図1に示すように、装置本体Aのモータ95により駆動される駆動カップリング90は、必要に応じ装置本体Aのコントローラ(制御部)101によってカートリッジBに設けられた被駆動カップリング63(図6)と後述する静電力により吸着される。このことにより、被駆動カップリング63と結合しているドラム62が装置本体Aから駆動力を受けて回転する。
<画像形成プロセス>
図2、図3を参照して、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、ドラム62は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。バイアス電圧が印加された帯電ローラ66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部74を通り、ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
図3に示すように、現像装置としての現像ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。トナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に担持される。トナーTは、現像ブレード42によって、摩擦帯電されつつ現像ローラ32周面の層厚が規制される。そのトナーTは、静電潜像に応じてドラム62へ転移され、トナー像(現像剤像)として可視像化される。
図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から給送される。そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材Pに順次転写されていく。トナー像が転写されたシート材Pは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。上記において、帯電ローラ66、現像ローラ32、クリーニングブレード77がドラム62に作用するプロセス手段である。
<駆動伝達カップリング(駆動力伝達機構)>
図1、図6を参照して、本発明の根幹をなす、駆動伝達カップリングの構成について詳細に説明する。図6は、本実施例に係る駆動伝達カップリング(駆動力伝達機構)の模式的断面図であって、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結される前の状態を示した図である。本発明の駆動伝達カップリングは、装置本体Aに具備される駆動カップリング90と、カートリッジBに具備される被駆動カップリング63と、で構成される。まず、カートリッジBに具備される被駆動側のカップリングである被駆動カップリ
ング63の構成について説明する。
図1、図6に示すように、カートリッジBに取り付けられたドラム62の長手方向一方端部にはカップリング手段としての被駆動カップリング63が設けてある。被駆動カップリング63は、カップリング基材63aを有している。ドラムカップリング基材63aには、直径16mmの駆動伝達機能部63bと、ドラムフランジ機能部63fと、が一体的に設けられている。駆動伝達機能部63bの先端面には、装置本体Aに具備された駆動カップリング90と面構成で接触する駆動伝達機能部としての第二の電極である駆動伝達面63cが、ドラム62及び被駆動カップリング63の回転軸線と直交する方向に延びる面として設けられている。
ここで、駆動伝達面63cの表面粗さ(中心線平均粗さ)Raは、0.2μmに設定した。表面粗さRaは、0.2μm以下であれば適宜選択可能である。表面粗さRaが0.2を超えると、静電吸着力が減少していく。なお、カップリング部材や誘電体の表面粗さRaは、例えば、JIS表面粗さ「JIS B 0601(2001)」に基づき、表面粗さ測定器を用いて測定される中心線平均粗さにより規定することができる。
駆動伝達面63cのドラム62回転軸線上には、一端が駆動カップリング90と嵌合することで、回転中心を規定する直径4mmの円形ボス63dが設けられている。円形ボス63dは、被駆動カップリング63とは別部材であり、他端が被駆動カップリング63の穴63hに嵌合されている。穴63hは、駆動伝達面63cのドラム62の回転軸上に直径4mmで設けられ、さらにその入り口周囲(開口部)に2mmのC面取り63eが施されている。穴63hと円形ボス63dの係合部(嵌合部)は、エポキシ接着剤にて強固に固定している。ここで、カップリング基材63aへの円形ボス63dの固定方法は、エポキシなどの接着剤に限定されることなく、ねじ込み式やローレット加工による圧入など、適宜選択可能である。
被駆動カップリング63は、ドラムフランジ機能部63fのドラム62の軸線方向における駆動伝達機能部63bと反対方向に、ドラム62の筒状端部の内周面に合わせて形成された外周面を有する嵌合部63f1を備えている。被駆動カップリング63をドラム62に固定する際には、嵌合部63f1をドラム62の内面に嵌合するとともに、ドラムフランジ機能部63fをドラム62に位置決め(筒状端部の端面に当接)した状態で、嵌合部63f1とドラム62とをかしめる。なお、ドラムフランジ機能部63fの固定方法は、かしめに限定されることなく接着等、適宜選択可能である。
各構成部材の材質について説明する。カップリング基材63aの材質は、導電性を有するアルミニウムを用いた。しかし、カップリング基材63aの材質は、アルミニウムに限定されるものではない。例えば、鉄や、銅、などの金属や、導電性セラミック、またプロセスカートリッジで一般的に使用される導電性樹脂、具体的にはポリアセタール、ポリエステル、エポキシ樹脂等に導電剤を添加したものを用いた成型品でも構わない。導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤など、適宜選択可能である。目安としては、被駆動カップリング63の体積抵抗率が1×1010Ωcm以下となればよい。以上の構成及び材質を選択することで、被駆動カップリング63は、ドラム62と電気的に導通される。
また、前述のクリーニングユニット60の構成説明で述べたフランジ64が導電性を有し、同じく導電性を有するドラム軸78が装置本体Aのアースと電気的に導通している。以上の構成により被駆動カップリング63は、プロセスカートリッジが装置本体Aに装着された際、ドラム軸78を介して、装置本体Aのアースと電気的に繋がり、駆動カップリング90に対してアース側に位置することになる。
円形ボス63dの材質は、駆動カップリング90と電気的に絶縁関係にするために、絶
縁部材であるポリアセタールを用い、導電性を有するカップリング基材63aと電気的に絶縁状態で別体に構成している。ここで、円形ボス63dの材質においてもカップリング基材63aと電気的に絶縁関係を維持できるものを適宜選択すれば良く、セラミックや、ポリエステル、エポキシ樹脂等、適宜選択可能である。絶縁の目安としては、体積抵抗率で1×1015Ωcm以上である。
次に、装置本体Aに具備される駆動側のカップリングである駆動カップリング90の構成について説明する。図1に示すように、駆動カップリング90は、概略、カップリング基材90aと、静電吸着機能部90gとで構成される。
カップリング基材90aは、直径16mmの円柱形状に構成された駆動伝達機能部90bを有する。駆動伝達機能部90bの先端に静電吸着機能部90gが接着固定されている。駆動伝達機能部90bは、装置本体AにカートリッジBが装着されたとき、被駆動カップリング63の駆動伝達面63cと面構成で相対する相対面90fを有している。相対面90fと駆動伝達面63cは、駆動カップリング90の回転軸と直交する方向に延びる面である。駆動伝達面90cも駆動カップリング90の回転軸(回転軸線)と直交する面である。さらに、カップリング基材90aの相対面90fの回転中心部には、被駆動カップリング63の円形ボス63dが挿通、嵌合されるΦ4の嵌合穴90dが設けられている。嵌合穴90dに嵌合された円形ボス63dは、駆動伝達機能部90bに接触するとともに静電吸着機能部90gにも接触する。更に、嵌合穴90dの入口周辺は、2mmのC面取り90eを施している。
第三の電極である、静電吸着機能部90gは、表面粗さRa0.2μm、厚み120μm、中心部にΦ4の貫通孔を開けた、外径Φ20mmの円形のシート部材で構成されている。ここで、静電吸着機能部90gの厚みは特に限定されるものではなく、後述する静電吸着力と必要電力に応じて適宜選択すれば良い。また、表面粗さRaは、0.2μm以下であれば適宜選択可能である。ここで、表面粗さRaを0.2以下に設定する理由は、表面粗さRaが0.2を超えると、静電吸着力が減少していくことにある。静電吸着機能部90gは、嵌合穴90dの周囲に設けたC面取り90eの直径と同じ、直径8mmの孔を中心に開けた導電両面テープを使用してカップリング基材90aの相対面90fに固定される。固定に際しては、静電吸着機能部90gのΦ4の貫通孔と、Φ4の嵌合孔90dとを位置合わせし、円形ボス63dを静電吸着機能部90gの貫通孔に挿通できるようにする。ここで、前述導電両面テープに設けた孔は、嵌合穴90dの周囲に設けたC面取り90eの直径以上の大きさであれば良く、必要接着強度にあわせて適宜選択可能である。このことで、静電吸着機能部90gは、被駆動カップリング63の駆動伝達機能部63bの駆動伝達面(第2駆動伝達面)63cと当接する駆動伝達機能部90bの駆動伝達面(第1駆動伝達面)90cとして機能する。
各構成部材の材質について説明する。カップリング基材90aの材質は、導電性を有するアルミニウムを用いた。カップリング基材90aの材質は、アルミニウムに限定されるものではない。例えば、鉄や、銅、などの金属や、導電性セラミック、またプロセスカートリッジで一般的に使用される導電性樹脂、具体的にはポリアセタール、ポリエステル、エポキシ樹脂等に導電剤を添加したものを用いた成型品でも構わない。導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤など、適宜選択可能である。目安としては、駆動カップリング90の体積抵抗率が1×1010Ωcm以下となればよい。
静電吸着機能部90gの材質は、誘電体として機能する、体積抵抗率が1×1012Ωcmの変性ポリイミドを用いた。ここで、静電吸着機能部90gとしては、体積抵抗率が1×1010Ωcm〜1×1014Ωcmの範囲で、後述する必要とする静電吸着力に応じて適宜選択すれば良い。そして、その材質もポリアセタールや、ポリフッ化ビニルデン
、ウレタンゴムなど、特に限定されるものでは無く、また、体積抵抗率調整の為の導電剤も、電子導電剤、イオン導電剤など、適宜選択可能である。電子導電剤としては、電子導電性を示すカーボンブラック、グラファイト;酸化錫等の酸化物;銅、銀等の金属;酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電性を付与した導電性粒子が挙げられる。また、イオン導電剤としては、イオン導電性を示す第四級アンモニウム塩、スルホン酸塩等のイオン交換性を有するイオン導電剤が挙げられる。
なお、本発明で定義される誘電体とは、電流を通しにくく、電界を加えると誘電分極を発生する物質であり、導電粒子を含有した絶縁体のような、電導機構に抵抗成分と誘電成分をもつ物質もこれに含まれる。ここで、静電吸着機能部90g(シート部材)の体積抵抗率の測定は、三菱化学アナリック ハイレスタUP MCP−HT450型、およびリングプローブ:URを用い、印加電圧1000vで測定した。
次に、カップリング基材90aと静電吸着機能部90gの固定に用いた導電両面テープは、日立マクセル株式会社製の導電両面テープNo.5805を用いた。ここで、カップリング基材90aと誘電体の結合方法は、導電両面テープに限定されるものではなく、導電接着剤を使用する構成、などから、適宜選択可能である。
一方、駆動カップリング90は、駆動源としてのモータ95の駆動力をドラム62へと伝える大ギヤ97に、その回転軸を同じくして結合されている。大ギヤ97は、はす歯ギヤであって、このはす歯ギヤはモータ95の軸に固定して又は一体に設けられたはす歯の小ギヤ96と噛合っている。ここで、大ギヤ97のはす歯ギヤのねじり方向は、小ギヤ96が、大ギヤ97を駆動したときに、大ギヤ97が、カートリッジB側にスラスト力が働く方向に設定している。
大ギヤ97の材質は、電子写真画像形成装置で使用される摺動グレードのポリアセタールを使用した。ここで、大ギヤ97の材質は、駆動伝達カップリングと電気的に絶縁関係にする必要がある。このことより、大ギヤ97の材質は、摺動グレードのポリアセタールに限定されることなく、体積抵抗率の目安として、1×1015Ωcm以上の材質であれば、適宜選択可能である。小ギヤ96の材質も、電気写真画像形成装置で使用される摺動グレードのポリアセタールを使用した。この材質については、体積抵抗率の制限なく、必要とする寿命などの性能に基づき適宜選択可能である。
あるいは、大ギヤ97の材質を駆動カップリング90と同じ導電性を有する材質を選択し、大ギヤ97と駆動カップリング90とを一体的に成形する構成も可能である。この場合は、小ギヤ96に体積抵抗率の目安として、1×1015Ωcm以上の材質を選択し、小ギヤ96より駆動の上流側を絶縁する。すなわち、駆動カップリングさ90と駆動モータ95の間に介在するいずれかの部品を体積抵抗率が1×1015Ωcm以上の材質を選択することで、絶縁すれば良い。
駆動カップリング90と大ギヤ97の結合構成について説明する。駆動カップリング90と大ギヤ97の結合は、駆動カップリング90の嵌合部にローレットを切った、圧入構成としている。ここで、該結合構成は、前述した圧入構成に限定されることなく、必要な駆動伝達トルクを満足する中で、接着による構成や、インサート成型など適宜選択可能である。そして、駆動カップリング90は、駆動伝達カップリングの回転軸線方向のカートリッジBと反対側の端部において、装置本体Aに設けた給電接点98と当接する。給電接点98は、装置本体Aに具備した高圧電源100と電気的に導通している。この構成により、高圧電源100と駆動カップリング90は電気的に導通された構成になっている。そして、装置本体Aに具備されたコントローラ(制御部)101によって、高圧電源100から駆動カップリング90への給電on/offをコントロールする。
装置本体AへのカートリッジB装着に伴う、駆動伝達カップリングの結合作用について説明する。前述した構成により、装置本体Aの開閉扉13を開けると、装置本体Aに具備された駆動カップリング90が、その回転軸線方向において、カートリッジBと離れる方向に移動する。つぎに、カートリッジBを装置本体Aに装着する。そして、開閉扉13を閉めることにより、先程退避位置に移動していた駆動カップリング90がカートリッジB側に移動する。この移動により、被駆動カップリング63に設けた円形ボス63dと駆動カップリング90に設けた嵌合穴90dが係合し、駆動カップリング90の回転中心が決まる。さらに、駆動カップリング90および被駆動カップリング63の駆動伝達機能部としての駆動伝達面90c、63cが当接する。
<駆動伝達メカニズム>
図1、図6を参照して、駆動伝達カップリングが感光ドラムの駆動するための、前述の駆動伝達面90c、63cにおける駆動伝達メカニズムについて説明する。本発明においては、ジョンセン・ラーベック力による静電吸着作用を、駆動伝達面90c、63cでの摩擦を得る手段として利用している。ジョンセン・ラーベック力とは、誘電体(静電吸着機能部90g)の体積抵抗率を小さくすることで、誘電体内の電荷の移動が容易になり、吸着界面である誘電層最表面(駆動伝達面90c)に電荷が多量に誘起されることで発生する力である。一般的に、誘電体(静電吸着機能部90g)として抵抗成分の非常に大きい絶縁体を用いた場合に発生する力(=クーロン力と呼ばれる)と比べると、大きな力を発生する。すなわち、電極(給電接点98)に印加された電荷は、誘電層(静電吸着機能部90g)を通って誘電層最表面(駆動伝達面90c)に移動する。そして前述の誘電層最表面(駆動伝達面90c)に移動した電荷の一部は被吸着対象(駆動伝達面63c)に流れつつも、この電荷に対して被吸着対象(駆動伝達面63c)が静電誘導あるいは誘電分極により帯電して静電吸着力が発生するものである。
ここで、以上述べたことより、静電吸着力は電極間で電流が流れる領域の広さと印加電圧に比例することがわかる。従って、アース経路である第一の電極(ドラム軸78)は、一点でも通電する領域が確保されていればアースとしての機能を有する。これに対し、第二の電極(駆動伝達面63c)、および第三の電極(静電吸着機能部90g)は、その通電する面積に応じて吸着力が発揮させるところが異なることが分かる。このことより、第二の電極(駆動伝達面63c)と第三の電極(静電吸着機能部90g)は必要とする静電吸着力に応じた接触面積が必要であり、より効果的に接触面積を確保する手段の一つとして、電極の表面粗さがある。この理由により本発明では、静電吸着力を発生させる電極面の表面粗さRaを0.2以下とした。このことにより、第二、第三の電極を通電するための接触面積を、表面粗さRaが0.2より大きい場合に比べ、小さくできるのである。
プリント動作に伴う、駆動伝達カップリングの駆動伝達作用について説明する。前述、CRGの着脱の項で述べた様に、カートリッジBの装置本体Aへの装着動作にともない、駆動伝達カップリングの駆動伝達面90c、63cは接合状態にある。そして、プリント信号に伴い、装置本体Aに具備されたコントローラ101により、高圧電源100から―1kvの電圧を給電接点98を介して駆動伝達カップリングに印加する。これにより、カップリング基材90a⇒誘電層としての静電吸着機能部90g⇒駆動伝達面90c⇒駆動伝達面63c⇒カップリング基材63a⇒感光ドラム62内面の導電部⇒フランジ64⇒ドラム軸78⇒アース接点99を介して、アースへと電流が流れる。
この電流の流れは、前述のジョンセン・ラーベック力の発生メカニズムと照らし合わせると、次のような現象を発生させる。すなわち、電極(一方の電極)としてのカップリング基材90aに印加された電荷は、誘電層(誘電体)としての静電吸着機能部90gを通って、誘電層最表面としての静電吸着機能部90gの表面である駆動伝達面90cに移動
する。この電荷に対し、被吸着対象(他方の電極)としての被駆動カップリング63の駆動伝達面63cが静電誘導または誘電分極により帯電する。このことにより、駆動伝達面90cと駆動伝達面63cの間で静電吸着力が発生する。そして、装置本体Aに具備されたモータ95が駆動され、小ギヤ96を介して、大ギヤ97が駆動される。この動作に伴い、静電吸着力が、駆動伝達面90cと駆動伝達面63cの摩擦力に変換されることで、ドラム62が駆動されるのである。
より具体的には、本実施例の構成は、誘電体を介在させて対向する一対の対向電極間において静電吸着力を発生させる構成として、次のように説明できる。すなわち、第1カップリング部材としての駆動カップリング90における、誘電体としての静電吸着機能部90gとの接合部(相対面90f及びその近傍領域)が、上記対向電極のうちの一方の電極に対応する。また、第2カップリング部材としての被駆動カップリング63における、静電吸着機能部90gとの接合部(駆動伝達面63c及びその近傍領域)が、上記対向電極のうちの他方の電極に対応する。高圧電源100によって駆動カップリング90、静電吸着機能部90g、被駆動カップリング63の間に電圧が印加されると、静電吸着機能部90gの駆動伝達面90cには、マイナス電荷が誘起される。これに伴い、相対する非駆動カップリング63の駆動伝達部63cには、プラス電荷が誘起される。このような電荷配置が形成されることで、駆動カップリング90と静電吸着機能部90gとの間、静電吸着機能部90gと被駆動カップリング63との間にそれぞれ静電吸着力が発生し、互いに吸着される状態となる。この静電吸着力が、動力源としてのモータ95から駆動カップリング90へ伝達される回転駆動力を、静電吸着機能部90gを介して被駆動カップリング63へロスなく伝達可能な程度の強さとなるように、高圧電源100による印加電圧を調整する。本実施例において、高圧電源100やコントローラ(制御部)101、給電接点98、アース接点99等の、上記静電吸着力を発生させる電圧印加の実施に関わる構成が、本発明における電圧印加部に対応する。
実際には、−1kvの電圧を印加することで、約170μAの電流が流れるとともに、約1kgfcmの駆動伝達トルクを得られた。
ここで、駆動側のカップリング基材90aと被駆動側のカップリング基材63aにおいて、円形ボス63dの嵌合部周辺に2mmのC面取り90e、63eと、円形ボス63dと略同寸法の内径の貫通孔を有する静電吸着機能部90gを構成したこと。および、静電吸着機能部90gの外径を、各カップリング基材90a、63aの駆動伝達機能部90b、63bの外径より4mm大きくしたこと。これらのことにより、静電吸着機能部90gを介したカップリング基材90aとカップリング基材63aの沿面距離は、実質4mmとなる。この静電吸着面を介したカップリング基材90aとカップリング基材63a間の沿面距離は、部材間でリーク(静電吸着に寄与しない電流の流れ)が発生するのを抑制するのに十分な距離として設定される。このリーク防止のための沿面距離は、装置構成等に応じて適宜設定されるものである。
また、静電吸着機能部の絶縁耐圧を超える電圧を印加すると、絶縁破壊が起こり、静電吸着力は得られなくなることが分かっている。従って静電吸着力を得るための電圧は、静電吸着機能部90gの絶縁耐圧以下で設定する。
<伝達可能トルクと静電吸着力>
ここで、図7(a)に示したカップリング構成をもとに、静電吸着力を利用した駆動力伝達機構における伝達可能トルクと静電吸着力の関係について説明する。図7(a)に示したカップリング構成は、本実施例のカップリング構成において円形ボスによる芯合せ機構を排して簡略化した構成である。具体的には、駆動カップリグ90の駆動伝達機能部90bの先端面、およびこれに対向する被駆動カップリング63の駆動伝達機能部63bの
先端面が、それぞれ嵌合穴が排された円形端面となっている。また、静電吸着機能部63gは、本実施例の円形ボスを挿通するための貫通孔が排されており、被駆動カップリング63に接着固定されるとともに、駆動伝達機能部90b、63bと同径に形成されている。すなわち、駆動カップリング63の駆動伝達機能部90bの先端面が駆動伝達面となっており、該駆動伝達面と静電吸着機能部63gとが互いに静電吸着することで駆動力が伝達される構成となっている。
図7(b)は、静電吸着力と伝達可能トルクの関係を示すグラフである。静電吸着力と伝達可能トルクは次式で表される。
式(1)において、T:伝達可能トルク[N・m]、μ:静電吸着機能部63gと駆動カップリング90の摩擦係数、D:静電吸着機能部63gの外径[m]、p(r):静電吸着力[Pa]、r:回転中心からの半径方向位置[m]である。
静電吸着力が駆動伝達面内で一定である場合、式(1)は以下のように表される。
式(2)を図で示すと、図7(b)に示すようになる。図7(b)は、外径Dを16mm、摩擦係数μを0.3としたときの計算結果である。この図をみると、伝達可能トルクは、静電吸着力に比例して大きくなることが分かる。例えば、伝達可能トルクを0.1Nmに設定したい場合は、静電吸着力としておよそ300kPa得られればよい。
図8、図9を用いて、静電吸着力について説明する。
図8は、図7(a)に示すカップリング構成における、駆動カップリング90の駆動伝達機能部90bと、静電吸着機能部63gのミクロな接触状態と、その電気的性質を示した等価回路図である。この図において、電圧印加後、十分時間が経過した後の静電吸着力は以下の式で表される。
式(3)において、ε0:雰囲気中の誘電率、Rg:静電吸着機能部63gと駆動伝達機能部90bの接触抵抗[Ω]、Rb:静電吸着機能部63gの体積抵抗[Ω]である。また、V:印加電圧、d:駆動伝達機能部90bと静電吸着機能部63gの平均空隙距離[m]である。式(3)は、静電吸着機能部63eの体積抵抗Rbによって静電吸着力が変化することを示しており、静電吸着力を大きくするには、静電吸着機能部63gの体積抵抗率を小さくすればよいことが分かる。
<体積抵抗率と静電吸着力>
図9は、静電吸着力とそのときに流れた電流を測定した結果である。静電吸着力の測定は、静電吸着機能部63gを具備したカートリッジBを装置本体Aから取り出し、駆動カップリング90に見立てたアルミ板に静電吸着機能部63gを密着させて、静電吸着機能部63gをアルミ板からひきはがす力を測定することで行なった。また、この予備試験には、静電吸着機能部63gの体積抵抗率として1×1011Ωcmと1×1013Ωcmのものを使用し、厚みはいずれも75μmのものを用いた。なお、ここでの体積抵抗率は、印加電圧100Vとしたときの電流値から求めたもので、中抵抗材料では一般的に、材料の温度特性や非オーミック電導機構に依り印加電圧によって体積抵抗率は変化する。
図9(a)の静電吸着力の測定結果をみると、体積抵抗率の小さい方が静電吸着力が大きいことが分かる。これは式(3)で説明したとおりである。このように、体積抵抗率が1×10Ωcm〜1×1014Ωcm程度のいわゆる中抵抗領域で得られる静電吸着力をジョンセン・ラーベック力という。ジョンセン・ラーベック力は大きな力が得られる一方、リーク電流が発生するため、消費電力に注意する必要がある。実際に、図9(b)の電流測定結果をみると、体積抵抗率1×1011Ωcmでは印加電圧400Vのとき、400μA程度の電流が発生し、消費電力としては400V×400μA=0.16Wとなる。
一方、体積抵抗率を小さくし過ぎると、静電吸着力が逆に低下してしまうことが、試験
結果からわかった。図10は、静電吸着力とそのときに流れた電流を測定した結果を体積抵抗率との関係で示したものであり、図9を用いて説明した上記予備試験と同様の試験を、印加電圧を200Vとして行った結果である。図8を用いて説明すると、体積抵抗率が大きいと、電流が流れないため、gapに蓄積される電荷量が小さくなる。そのため、電荷に依存する静電吸着力が小さくなる。すなわち、ジョンセン・ラーベック力が働かない。一方で、体積抵抗率が小さいと、表面に析出する導電カーボンが多くなり、接触抵抗Rgが小さくなる。式(3)からわかるように、体積抵抗Rbに対しRgが小さくなると、ギャップにかかる電圧Vgが小さくなる。すると、静電吸着力が下がる。すなわち、静電吸着機能部63gの体積抵抗率を小さくすれば、必ず静電吸着力が大きくなるかと言うと必ずしもそうではなく、静電吸着力が最も大きくなる体積抵抗率の大きさがあることが分かる。
<本実施例の優れた点>
本実施例では、円形ボス63dを用いて駆動カップリング90と被駆動カップリング63のそれぞれの回転中心軸を合わせる芯合せ構成(回転中心を規定する調芯機能部)を、回転中心軸近傍の領域、すなわち、円形の吸着接合面における中央部に配置している。回転軸線に垂直な円形の接合面におけるロスのない回転駆動力の伝達とは、接合面同士が周方向に互いにずれることがないこと、すなわち、回転方向における駆動カップリング90と被駆動カップリング63との間の相対移動が規制されることである。接合面の周方向のずれの抑制において重要となるのが、接合面積が相対的に広くなる回転軸中心から離れた外周側の領域での吸着力である。式(1)に示したように、伝達可能トルクTは、半径方向位置rとその位置での静電吸着力P(r)との積の積分によって決まる。つまり、静電吸着機能部の半径方向内側(rが小)よりも、半径方向外側(rが大)の静電吸着力が伝達可能トルクに大きく寄与する。したがって、外周側の領域において十分な吸着力を確保できれば、回転軸中心に近い領域では吸着力を働かせなくても、ロスのない回転駆動力の伝達が可能となる。本実施例では、駆動カップリング90、被駆動カップリング63、静電吸着機能部90gの静電吸着接合面を、内径及び外径を有する環状の面とし、該接合面の内側の回転中心部に芯合せ構成を配置している。さらに、芯合せ部材である円形ボス63dを絶縁部材で構成し、各カップリングの嵌合穴の開口部に面取りを施している。またさらに、静電吸着機能部90gの内径及び外径を、各カップリングとの接合領域(接合面)に対して内径側及び外径側にそれぞれ拡張した構成としている。すなわち、静電吸着機能部90gにおける、各カップリングとの対向面の外径が、各カップリングとの接合領域(接合面)の外径よりも大きく、各カップリングとの対向面の内径が、各カップリングとの接合領域(接合面)の内径よりも小さい構成としている。また、静電吸着機能部90gは、環状の接合面の内径側で円形ボス63と接触するように、貫通孔の内径が円形ボス63の外径と略同径とされている。これにより、駆動カップリング90と被駆動カップリング63の確実な芯合せと、リークのない安定した静電吸着力の発生が可能となり、ロスのない駆動力伝達を実現することができる。
(変形例1)
次に本実施例の変形例である変形例1について説明する。本変形例は、上記実施例で説明した静電吸着を利用した駆動伝達カップリングの消費電力を削減する目的で、静電吸着に替えて磁気吸着(磁気吸着力)を利用する構成としてものである。
図35は、変形例1にかかる駆動力伝達機構の模式的断面図であって、駆動カップリング900と被駆動カップリング630とが連結された状態を示した図である。図36は、変形例1にかかる駆動力伝達機構の模式的断面図であって、駆動カップリング900と被駆動カップリング630との連結が解除された状態を示した図である。その他の構成については実施例1と同様であるため、説明は省略する。
図35、図36に示すように、静電吸着機能部に替えて、磁気吸着機能部である被駆動側カップリング630側の磁石部630gと駆動カップリング900側の磁性体部900gを設けた構成とした。
磁石部630gは、Φ4の貫通孔を有し、カップリング基材630aの相対面630f2に、上記貫通孔とΦ4の嵌合穴630hとを位置合わせして、両面テープ等により固定される。同様に、磁性体部900gも、Φ4の貫通孔を有し、カップリング基材900aの相対面900fに、上記貫通孔とΦ4の嵌合穴900dとを位置合わせして、両面テープ等により固定される。
図35に示すように、磁石部630gと磁性体部900gを近づけることで、円形ボス630dが嵌合穴900dに挿入され駆動カップリング900と被駆動カップリング630のそれぞれの回転中心軸を合わせる芯合せが行われた後、磁石部630gの駆動伝達面630cと、磁性体部900gの駆動伝達面900cとが互いに磁気吸着される。これにより、駆動カップリング900と被駆動カップリング630とが確実な芯合わせと共に連結される。なお、駆動伝達面630cは被駆動カップリング630の回転軸線に直交する面であり、駆動伝達面900cは駆動カップリング900の回転軸線に直交する面である。
次に駆動カップリング900と被駆動カップリング630との連結を解除する方法について説明する。図36に示すように、磁石部630gの駆動伝達面630cと磁性体部900gの駆動伝達面900cを離間させるため、装置本体Aに設けた離間部材110を駆動伝達面630c、900cの間に挿入する。これにより、磁石部630gと磁性体部900gの離間動作を行う。この時、駆動カップリング900は、その回転軸線方向で図36の左側に移動し、被駆動側カップリング630との間に離間部材110が入るスペースを形成する。離間部材110の挿入は開閉扉13を開く動作に連動して行われるよう、不図示のリンク機構が開閉扉13と離間部材110との間を連結している。このリンク機構により、離間部材110を駆動伝達面630c、900cの間から抜く動作は、開閉扉13を閉じる動作に連動して行われる。
以上の構成により、駆動伝達カップリングのガタレスな駆動力の伝達が達成可能になる。
本変形例では、磁石部630gはフェライト磁石、磁性体部900gは鉄を用いた。しかし、磁石部630gの材質はフェライト磁石に限るものでなく、ネオジム磁石等の永久磁石も適宜選択可能である。また、磁性体部900gの材質も鉄に限るものでなく、フェライト、コバルト、ニッケル、ガドリニウム等の磁性体も適宜選択可能である。
また、所望の駆動伝達力を得るためには、磁性体部900gの面積、および磁石部630gの磁力を適宜選択することで対応可能であることはいうまでもない。
また、被駆動側カップリング630側に磁性体部、駆動カップリング900側に磁石部を配置した構成をとっても良い。
(実施例2)
図11、図12を参照して、実施例2について説明する。実施例1は、誘電層としての静電吸着機能部90gを駆動カップリング90に配置した構成となっているが、かかる構成に限定されるものではない。
図11は、実施例2にかかる駆動力伝達機構の模式的断面図であって、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結される前の状態を示した図である。図12は、実施例2にかかる駆動力伝達機構の模式的断面図であって、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結された状態を示した図である。
図11、図12に示すように、誘電層としての静電吸着機能部を、被駆動側カップリング63側の静電吸着機能部63g(第2誘電体)と駆動カップリング90側の静電吸着機能部90g(第1誘電体)とに分割して配置した構成としてもよい。静電吸着機能部63gは、Φ4の貫通孔を有し、カップリング基材63aの相対面63f2に、上記貫通孔とΦ4の嵌合穴63hとを位置合わせして、上述の導電両面テープ等により固定される。同様に、静電吸着機能部90gも、Φ4の貫通孔を有し、カップリング基材90aの相対面90fに、上記貫通孔とΦ4の嵌合穴90dとを位置合わせして、上述の導電両面テープ等により固定される。電圧を印加すると各静電吸着機能部63g、90gそれぞれにおいて誘電分極が発生し、静電吸着機能部63gの駆動伝達面63cと、静電吸着機能部90gの駆動伝達面90cとが互いに静電吸着される。これにより、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結される。
(実施例3)
図13、図14を参照して、実施例3について説明する。
図13は、実施例3にかかる駆動力伝達機構の模式的断面図であって、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結される前の状態を示した図である。図14は、実施例3にかかる駆動力伝達機構の模式的断面図であって、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結された状態を示した図である。
図13、図14に示すように、静電吸着機能部を、駆動カップリング90ではなく、被駆動カップリング63に配置しても構わない。静電吸着機能部63gは、Φ4の貫通孔を有し、カップリング基材63aの相対面63f2に、上記貫通孔とΦ4の嵌合穴63hとを位置合わせして、上述の導電両面テープ等により固定される。上述したように、電圧を印加すると静電吸着機能部63gにおいて誘電分極が発生し、静電吸着機能部63gの駆動伝達面63cと、駆動カップリング90の駆動伝達面90cとが互いに静電吸着される。これにより、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結される。
以上説明した構成・作用により、駆動伝達カップリングのガタレスな駆動力の伝達が達成可能になる。ここで、所望の駆動伝達力を得るためには、誘電体としての静電吸着機能部90gの面積、および静電吸着機能部90gに印加する電圧を適宜選択することで対応可能であることはいうまでもない。
なお、本実施例においては、クリーニングユニットと現像ユニットを一体に構成したプロセスカートリッジについて記載したが、装置本体に着脱可能なカートリッジの構成は、本実施例で示した構成に限定されるものではない。クリーニングユニット、現像ユニットがそれぞれ独立してクリーニングカートリッジ(ドラムカートリッジ)、または現像カートリッジとして、装置本体に着脱可能な構成に対しても本発明が適用可能なことは言うまでもない。
また、本発明は、クリーニングブレードを廃止したクリーナレスプロセスを採用する装置構成に対しても効果的に適用可能である。また、現像ユニットの駆動カップリングにも好適に適用可能である。また、多色画像形成プロセスにおいても好適に適用可能である。また、カップリングに印加する電圧のON・OFFによる静電吸着作用のON・OFF作用を利用して、電気クラッチとしても好適に適用可能である。
本実施例に記載されている構成部品の機能、材質、形状その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例4)
図15〜図20を参照して、実施例4の駆動伝達カップリングの構成について詳細に説
明する。図16、図17は、本実施例におけるカートリッジBの被駆動カップリング63の構成を示す模式的斜視図である。図19は、本実施例における装置本体Aの駆動カップリング90の構成を示す模式的斜視図である。図20は、本実施例に係る駆動力伝達機構の模式的断面図であって、駆動カップリング90と被駆動カップリング63とが連結される前の状態を示した図である。
本発明の駆動伝達カップリングは、装置本体Aに具備される駆動カップリング90と、カートリッジBに具備される被駆動カップリング63と、で構成される。
(カートリッジBの被駆動カップリング63の構成の説明)
まず、カートリッジBに具備される被駆動側のカップリングである被駆動カップリング63の構成について説明する。
図15に示すように、カートリッジBに取り付けられたドラム62の長手方向一方端部にはカップリング手段としての被駆動カップリング63が設けてある。被駆動カップリング63は、カップリング基材63aを有している。ドラムカップリング基材63aには、直径16mmの駆動伝達機能部63bと、ドラムフランジ機能部63fと、が一体的に設けられている。駆動伝達機能部63bの先端面には、装置本体Aに具備された駆動カップリング90と面構成で接触する駆動伝達機能部としての第二の電極である駆動伝達面63cが、ドラム62及び被駆動カップリング63の回転軸線と直交する方向に延びる面として設けられている。
さらに、前記駆動伝達機能部63bの先端には、装置本体Aに設けた駆動カップリング90と係合する駆動伝達機能部としての被駆動係合部63hを設けている。被駆動係合部63hは、カップリング基材63aからドラム62の回転軸上で、ドラム62とは反対方向に延びる、8歯から成るスプライン形状で構成し、直径5mmの調芯機能部としての被調芯機能面63iと外径7mmの凸部63jを設けている。被駆動係合部63hは、回転軸線方向に突出する駆動係合部90hが係合する係合凸部である。該係合凸部は、回転軸線方向に突出する調芯機能面63iを外周面とする軸部と、該軸部外面から径方向外向きに突出する係合部としての凸部63jと、を有している。凸部63jは、上記軸部外周面上に周方向に等間隔で8箇所設けられており、それぞれ上記軸部外周面から径方向外向きに高さ1mmで突出する。各凸部63jは被駆動カップリング63の回転軸線に直交する面に交差する係合面(第2係合面)63j1を備える。
(駆動伝達カップリングの結合作用)
図17〜図19を参照して、装置本体AへのカートリッジB装着に伴う、駆動伝達カップリングの結合作用について説明する。
前述した構成により、図18に示すように、装置本体Aの開閉扉13を開けると、装置本体Aに具備された駆動カップリング90が、その回転軸線方向において、カートリッジBと離れる方向に移動する。
つぎに、カートリッジBを装置本体Aに装着する。そして、開閉扉13を閉めることにより、先程退避位置に移動していた駆動カップリング90がカートリッジB側に、回転を伴い、移動する。この駆動カップリング90の回転を伴う移動により、駆動カップリング90の駆動係合部90hとカートリッジBの被駆動係合部63hのスプライン形状の位相が合い、駆動カップリング90が被駆動カップリング63側に更に移動する。そして、駆動係合部90hの調芯機能面90iと被駆動係合部63hの被調芯機能面63iが嵌合すると共に、駆動係合部90hの凹部90jと被駆動係合部63hの凸部63jが係合する。各凹部90jは駆動カップリング90の回転軸線に直交する面に交差する係合面(第1係合面)90j1を備える。その後、駆動伝達面90cと被駆動伝達面63cが当接する。このとき、被駆動係合部63hの被調芯機能面63iが、駆動カップリング90の調芯機能面90iと嵌合することで、駆動カップリング90に対するドラム62の回転中心を
規定し、更に凸部63jが凹部90jと係合することで駆動伝達機能部として機能する。ここで、被駆動係合部63hの凸部63jが駆動カップリング90の凹部90jと係合する状態とは、ドラム62及び被駆動カップリング63の回転軸(回転軸線)に直交する面に対して交差する面同士(係合面90j1、63j1)が接触することで、カップリング90から被駆動カップリング63に駆動力が伝達可能な状態を示す。駆動伝達面90cは駆動カップリング90の回転軸線に直交する面である。
(カップリングの駆動伝達作用)
図15、図17〜図19を参照して、プリント動作に伴う、駆動伝達カップリングの駆動伝達作用について説明する。
装置本体Aに装着されたカートリッジBは、前述した開閉扉13の閉動作により、図1に示すように、駆動伝達機能部としての、駆動カップリング90の駆動係合部93hと被駆動カップリング63被駆動係合部63hが係合されている。プリントスタート信号に基づいて、装置本体Aに具備されたモータ95が駆動され、小ギヤ96を介して、大ギヤ97が駆動される。さらに、大ギヤ97の駆動に連動し、大ギヤ97と一体に構成された駆動カップリング90が駆動する。そして、駆動伝達機能部として、駆動側カップリング90の凹部90jの係合面90j1と、被駆動カップリング63の凸部63jの係合面63j1との係合(当接)により、駆動カップリング90の回転に伴い被駆動カップリング63が回転し、感光体ドラム62に駆動力が伝達される。実際には、駆動カップリング90の駆動係合部93hと被駆動カップリング63被駆動係合部63hが係合により約1.6kgfcmの駆動伝達トルクを得られた。
同時に、装置本体Aに具備されたコントローラ101により、高圧電源100から―1kvの電圧を給電接点98を介して駆動伝達カップリングに印加する。
これにより、カップリング基材90a⇒誘電層としての静電吸着機能部90g⇒駆動伝達面90c⇒駆動伝達面63c⇒カップリング基材63a⇒感光ドラム62内面の導電部⇒フランジ64⇒ドラム軸78⇒アース接点99を介して、アースへと電流が流れる。
この電流の流れは、前述のジョンセン・ラーベック力の発生メカニズムと照らし合わせると、次のような現象を発生させる。すなわち、電極(一方の電極)としてのカップリング基材90aに印加された電荷は、誘電層(誘電体)としての静電吸着機能部90gを通って、誘電層最表面としての静電吸着機能部90gの表面である駆動伝達面90cに移動する。この電荷に対し、被吸着対象(他方の電極)としての被駆動カップリング63の駆動伝達面63cが静電誘導または誘電分極により帯電する。このことにより、駆動伝達面90cと駆動伝達面63cの間で静電吸着力が発生する。そして、装置本体Aに具備されたモータ95が駆動され、小ギヤ96を介して、大ギヤ97が駆動される。この動作に伴い、静電吸着力が、駆動伝達面90cと駆動伝達面63cの摩擦力に変換されることで、駆動カップリング90の回転に伴い被駆動カップリング63が回転し、ドラム62が駆動されるのである。
<本実施例の優れた点>
本実施例では、一方のカップリング部材としての被駆動カップリング63に設けられた凸部としての被駆動係合部63hと、他方のカップリング部材としての駆動カップリング90に設けられた凹部としての駆動係合部90hと、によって凹凸係合部を形成する。この凹凸係合部において被駆動係合部63hと駆動係合部90hとが、駆動カップリング90の回転方向における被駆動カップリング63と駆動カップリング90との相対移動を規制するように、上記回転方向に互いに係合する。一方、駆動カップリング90、静電吸着機能部90g、被駆動カップリング63の間の電圧印加によって、上記相対移動が規制されるように被駆動カップリング63と駆動カップリング90とが誘電体としての静電吸着機能部90gを介して互いに静電吸着される。このような凹凸係合部による機械的な連結
に加えて、静電吸着力を利用した連結を用いることで、駆動カップリング90から被駆動カップリング63へガタのない安定した駆動力伝達が可能となる。すなわち、前述した駆動係合部90hと被駆動係合部63hの構成においては、製造時の寸法誤差の観点から係合部に隙間を設ける必要がある。この隙間が回転方向のガタ成分となり、感光体ドラムなどの被駆動部の駆動伝達性能が悪化する場合がある。本実施例では、駆動伝達機能部として駆動伝達面90cと被駆動伝達面63cとを静電吸着力を用いた摩擦力により結合しているため、前述した駆動係合部90hと被駆動係合部63hの回転方向のガタを無くすことができる。さらに、本実施例では、係合を利用した駆動伝達部と、静電吸着力を用いた摩擦力を利用した駆動伝達部の2種類の駆動伝達部を有することで、本体装置AからカートリッジBにより大きな駆動力を伝達することが可能である。したがって、装置本体Aの駆動カップリング90から、カートリッジBの被駆動カップリング63に連結された感光体ドラム62に、回転方向のガタを無くした駆動力を伝達することができる。以上説明した構成・作用により、駆動カップリングのガタレスが達成可能になる。
また、凹凸係合部の凸部である被駆動係合部63hは、回転軸線方向に突出する軸部と、該軸部の外周面から回転軸線方向に直交する径方向に突出する係合部としての凸部63jと、を有する構成としている。また、凹凸係合部の凹部である駆動係合部90hは、回転軸線方向に凹み上記軸部が嵌合される穴部と、該穴部の内周面から径方向に凹むとともに回転軸線方向に凹み凸部63jが嵌合される被係合部としての凹部90jと、を有する構成としている。カートリッジB装着時に駆動カップリング90と被駆動カップリング63との回転軸線方向の接近に伴い、被駆動係合部63hの軸部外周面である調芯機能面63iと、駆動係合部90hの穴部内周面である調芯機能面90iとが、互いに当接、摺動する。これにより、駆動カップリング90の回転中心軸と被駆動カップリング63の回転中心軸とを合わせる芯合わせ機能が得られる。また同時に、被駆動係合部63hの係合部である凸部63jは、その面取り角部が凹部90jの角部に対して摺動して凹部90jに嵌り込む。これにより、駆動カップリング90と被駆動カップリング63との間の回転位相を調整する機能が得られる。これにより、凸部63jと凹部90jが、回転軸線方向において一致する配置となるとともに周方向において互いに係合する状態となり、駆動カップリング90と被駆動カップリング63との間の回転方向における相対移動を規制することができる。
本実施例では、被駆動係合部63hと駆動係合部90hとによる駆動カップリング90と被駆動カップリング63の係合構成及び芯合せ構成(回転中心を規定する調芯機能部)を、円形静電吸着接合面の中央部、すなわち、回転中心軸近傍の領域に配置している。回転軸線に垂直な円形の接合面におけるロスのない回転駆動力の伝達とは、接合面同士が周方向に互いにずれることがないこと、すなわち、回転方向における駆動カップリング90と被駆動カップリング63との間の相対移動が規制されることである。接合面の周方向のずれの抑制において重要となるのが、接合面積が相対的に広くなる回転軸中心から離れた外周側の領域での吸着力である。式(1)に示したように、伝達可能トルクTは、半径方向位置rとその位置での静電吸着力P(r)との積の積分によって決まる。つまり、静電吸着機能部の半径方向内側(rが小)よりも、半径方向外側(rが大)の静電吸着力が伝達可能トルクに大きく寄与する。したがって、外周側の領域において十分な吸着力を確保できれば、回転軸中心近傍領域では吸着力を働かせなくても、ロスのない回転駆動力の伝達が可能となる。本実施例では、駆動カップリング90、被駆動カップリング63、静電吸着機能部90gの静電吸着接合面を、内径及び外径を有する環状の面とし、該接合面の内側の回転中心部に、被駆動係合部63hと駆動係合部90hとによる凹凸係合部を配置している。さらに、被駆動係合部63hを、被駆動カップリング63とは別部材とし、被駆動カップリング63に設けた回転軸線方向に凹む嵌合穴に嵌合することで固定する構成とし、かつ、絶縁部材で構成している。またさらに、静電吸着機能部90gの外径を、各カップリングとの接合領域(接合面)に対して外径側にそれぞれ拡張した構成としている
。すなわち、静電吸着機能部90gにおける、各カップリングとの対向面の外径が、各カップリングとの接合領域(接合面)の外径よりも大きい構成としている。これにより、駆動カップリング90と被駆動カップリング63の確実な芯合せと、リークのない安定した静電吸着力の発生が可能となり、ロスのない駆動力伝達を実現することができる。
ここで、本実施例では誘電層としての静電吸着機能部90gを駆動カップリング90に配置したが、被駆動カップリング63に配置しても構わない。また、誘電層としての静電吸着機能部を駆動カップリング90、被駆動カップリング63の双方に配置しても構わない。
また、本実施例においては、クリーニングユニットと現像ユニットを一体に構成したプロセスカートリッジについて記載したが、装置本体に着脱可能なカートリッジの構成は、本実施例で示した構成に限定されるものではない。クリーニングユニット、現像ユニットがそれぞれ独立してクリーニングカートリッジ(ドラムカートリッジ)、または現像カートリッジとして、装置本体に着脱可能な構成に対しても本発明が適用可能なことは言うまでもない。
なお、本実施例では、開閉扉13を閉じると、装置本体A駆動カップリング90が、カートリッジBに設けられた被駆動カップリング63に近づく方向に回転を伴って移動し、カップリング同士が係合される構成を例示したが、この構成に限るものではない。例えば装置本体Aのモータ95の駆動に連動し、小ギヤ96と大ギヤ97に構成されたハスバ歯車の作用で大ギヤ97がプロセスカートリッジB側に回転を伴い移動するのを利用し、駆動カップリング90と被駆動カップリング63が係合する構成としても良い。
ここで、本実施例では駆動伝達機能部として、本体装置Aの駆動係合部90hを凹形状、カートリッジBの被駆動係合部63hを凸形状で構成したが、この構成に限るものではない。例えば、本体装置Aの駆動係合部90hを絶縁性の凸形状、カートリッジBの被駆動係合部63hを導電性の凹形状で構成しても良い。
(変形例2)
変形例2には、実施例4の駆動伝達面63cと駆動カップリング90との吸着原理を静電吸着から磁気吸着に変更した構成である。具体的には実施例4の駆動伝達面63cを磁石部の表面として、駆動伝達面90cを磁性体の表面として構成する。この構成であっても実施例4と同様の効果を得ることができる。
(実施例5)
図21、図22を参照して、実施例5について説明する。実施例4では駆動伝達機能部として、本体装置Aの駆動係合部90hとカートリッジBの被駆動係合部63hをそれぞれのカップリングの中心部近傍に設けた構成を例示したが、この構成の限るものではない。すなわち、本実施例では、駆動係合部90hと被駆動係合部63hとからなる凹凸係合部は、駆動カップリング90とカップリング63が対向する領域における回転軸近傍に配置し、凹凸係合部を囲む外周領域に、静電吸着力による連結部を配置した。これに対し、図21、図22に示すように、凹凸係合部による機械的な連結部と、静電吸着力を利用した連結部との配置関係を逆に構成しても良い。すなわち、駆動カップリング90の被駆動カップリング63との対向領域における回転中心部に回転軸線方向に凹む凹部を設け、該凹部の底面を円形の静電吸着面90cとし、該凹部の外周に凹凸係合部を構成する駆動係合部90hを設ける。駆動係合部90hは、駆動カップリング90とは別部材の絶縁部材で構成する。一方、被駆動カップリング63の駆動カップリング90との対向領域における回転中心部に回転軸方向に突出する凸部を設け、該凸部の先端に誘電体である静電吸着機能部を接着固定して円形の静電吸着面63cを形成する。そして、該凸部の外周に凹凸係合部を構成する被駆動係合部63hを設ける。被駆動係合部63hは、被駆動カップリ
ング63のカップリング基材63aと一体化して設ける。以上の駆動係合部90hと被駆動係合部63hの係合によってカップリング同士を連結するよう構成しても良い。この構成においても、前述した実施例と同様に、駆動係合部90hの調芯機能面90iと被駆動係合部63hの被調芯機能面63iが嵌合すると共に、凹部90jと凸部63jが係合し、係合面90j1、63j1とが接触する。その後、駆動伝達面90cと被駆動伝達面63cが当接する構成である。
(その他)
また、本発明は、クリーニングブレードを廃止したクリーナレスプロセスを採用する装置構成に対しても効果的に適用可能である。また、現像ユニットの駆動カップリングにも好適に適用可能である。また、多色画像形成プロセスにおいても好適に適用可能である。本実施例に記載されている構成部品の機能、材質、形状その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(変形例3)
変形例3は、実施例5の駆動伝達面63cと駆動カップリング90との吸着原理を静電吸着から磁気吸着に変更した構成である。具体的には実施例5の駆動伝達面63cを磁石部の表面として、駆動伝達面90cを磁性体の表面として構成する。この構成であっても実施例5と同様の効果を得ることができる。
(実施例6)
図23〜図29を参照して、実施例6について説明する。
<駆動伝達カップリングの概要>
実施例6の駆動伝達カップリングの構成について図23を用いて詳細に説明する。本発明の駆動伝達カップリングは、装置本体Aに具備される駆動カップリング90と、カートリッジBに具備される被駆動カップリング63で構成される。まず、カートリッジBに具備される被駆動カップリング63の構成について説明する。図23に示すように、カートリッジBの内部に取り付けられた感光ドラム62の長手方向一方端部にはカップリング手段としての被駆動カップリング63が設けてある。この被駆動カップリング63は、カップリング基材63aを有している。そして、カップリング基材63aは、直径16mmの駆動伝達機能部63bと、ドラムフランジ機能部63fと、を一体に設けたものである。そして、駆動伝達機能部63bの先端面、すなわち駆動カップリング90と被駆動カップリング63の対向領域には、カップリングの端面同士を吸着させる誘電体としての静電吸着機能部63eが固定されている。この固定には、導電両面テープ(不図示)を用いたが、必要接着強度に応じて接着方法は適宜選択すればよい。静電吸着機能部63eの表面粗さ(中心線平均粗さ)は、Ra=0.2μmに調整した。なお、カップリング部材や後述の誘電体の表面粗さRaは、例えば、JIS表面粗さ「JIS B 0601(2001)」に基づき、表面粗さ測定器を用いて測定される中心線平均粗さにより規定することができる。
なお、ドラムフランジ機能部63fは、感光ドラム62の軸線方向における、駆動伝達機能部63bと反対方向に嵌合部63f1を設けてある。そして、嵌合部63f1は、ドラムフランジ機能部63fを感光ドラム62に取り付ける際に、感光ドラム62の内面に嵌合するとともに、かしめることでドラムフランジ機能部63fと感光ドラム62を固定する。ここで、ドラムフランジ機能部63fの固定方法は、かしめに限定されることなく接着等、適宜選択可能である。
次に、各構成部材の材質について説明する。カップリング基材63aの材質は導電性を有するアルミを用いた。しかし、カップリング基材63aの材質は、前記アルミに限定されるものではなく、鉄や、銅、などの金属や、導電性セラミック、またプロセスカートリ
ッジで一般的に使用される導電性樹脂といった導電性を有するものであればよい。具体的にはポリアセタール、ポリエステル、エポキシ樹脂等に前述導電剤を添加したものを用いた成型品でも構わない。目安としては、体積抵抗率で1×1010Ωcm以下である。
また、静電吸着機能部63eの材質は、誘電体として機能する中抵抗ポリイミドを用いた。中抵抗ポリイミドは、ポリイミドの液状ワニスに抵抗率調整用のカーボンブラックを分散させ、その液状ワニスを型に流し込み、加熱によって溶媒を飛ばして製造した。静電吸着機能部90eの体積抵抗率および、厚みについては後述する。ここで、静電吸着機能部63eの材質はポリアセタールや、ポリフッ化ビニルデン、ウレタンゴムなど、特に限定されるものでは無く、また、体積抵抗率調整の為の導電剤も、電子導電剤、イオン導電剤など、適宜選択可能である。電子導電剤としては、電子導電性を示すカーボンブラック、グラファイト;酸化錫等の酸化物;銅、銀等の金属;酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電性を付与した導電性粒子が挙げられる。また、イオン導電剤としては、イオン導電性を示す第四級アンモニウム塩、スルホン酸塩等のイオン交換性を有するイオン導電剤が挙げられる。なお、本発明で定義される誘電体とは、電流を通しにくく、電界を加えると誘電分極を発生する物質であり、導電粒子を含有した絶縁体のような、電導機構に抵抗成分と誘電成分をもつ物質もこれに含まれる。ここで、前述の静電吸着機能部63eの体積抵抗の測定は、三菱化学アナリック ハイレスタUP MCP−HT450型、およびリングプローブ:URを用い、印加電圧1kVで測定した。
以上の構成、および材質を選択することで、被駆動カップリング63は、感光ドラム62と電気的に導通され、カートリッジBが装置本体Aに装着された際、ドラム軸78を介して、装置本体Aのアース側と電気的に繋がる。
<消費電力を削減する静電吸着機能部の構成>
次に、本発明の根幹をなす、消費電力を削減するための静電吸着機能部63eの構成について詳細に説明する。まず、図26を用いて、静電吸着機能部63eとして、体積抵抗率と厚みに分布を持たない場合の静電吸着力、伝達可能トルクおよび消費電力について説明する。図26(a)は、駆動伝達機能部90bと静電吸着機能部63eが結合する前の状態を示した図である。図26(a)において、静電吸着機能部63eの回転中心からの半径方向の位置をrと定義する。図26(b)は半径方向位置rに対する体積抵抗率の分布を示した図であるが、前述したように、この例では一定の体積抵抗率である。なお、静電吸着機能部63eの材質は、図26で用いた体積抵抗率1×1011Ωcmと同一のものであるが、印加電圧が400Vのときには、体積抵抗率に換算すると2.8×10Ωcmとなる。
このように静電吸着機能部63eの体積抵抗率を一定に設定すると、図26(c)に示したように、静電吸着力も半径方向位置rに対して分布を持たず、一定の値を示す。この静電吸着力を、式(2)に入れると伝達可能トルクが0.1Nmと算出される。このとき、式(2)において、静電吸着機能部63eの直径D=16mm、摩擦係数μ=0.3とした。また、図26(d)に示すように、体積抵抗率が一定の場合、消費電力も半径方向位置rによって分布を持たず、一定の値を示す。この電力分布を積分すると、全体の消費電力が算出され、この場合、消費電力0.16Wとなった。図26(d)の電力分布は、図26(a)の体積抵抗率分布から求めた計算値であるが、その積分値の0.16Wは、図26で示した実測値と一致する。以上示したように、静電吸着機能部63eが一定の体積抵抗率、および一定の厚みの場合、伝達可能トルクを0.1Nm得るには、消費電力が0.16Wとなる。
次に、図27を用いて、本実施例による、静電吸着機能部63eの体積抵抗率に分布を持たせた場合の消費電力について述べる。式(1)に示したように、伝達可能トルクTは
、半径方向位置rとその位置での静電吸着力P(r)との積の積分に決まる。したがって、静電吸着機能部63eの半径方向内側(rが小)(中心領域)よりも、半径方向外側(rが大)(外周領域)の静電吸着力が伝達可能トルクに大きく寄与する。この思想を利用して、本発明では、静電吸着機能部63eの半径方向外側に作用する静電吸着力を大きくすることで、全体として消費電力を下げることを可能としている。具体的には、静電吸着機能部63eを形成する中抵抗ポリイミドなどに抵抗調整用として含ませたカーボンブラックなどの粒子を、静電吸着機能部63eの回転軸線中心近傍の中心領域から半径方向外側の外周領域に向けて、粒子密度が濃くなるように分布させる。そうすることで、図27(b)に示すように、形状を変化させなくても半径方向位置rが大きくなるに従って、体積抵抗率を小さくすることができる。このように構成することで、図27(c)に示すように、半径方向位置rが大きい位置で静電吸着力が大きくなる。図27(c)に示した静電吸着力の分布から、式(1)に従って伝達可能トルクを算出すると、図26と同様に0.1Nmとなる。また、図27(b)の体積抵抗率分布から電力分布を算出すると、図27(d)のようになる。図27(d)に示したように、半径方向位置rが大きい位置で電力分布も大きくなる。この電力分布を積分することで全体の消費電力が算出され、この場合、消費電力は0.13Wとなる。
ここで、図26と、本実施例による図27を比較する。図26のように、体積抵抗率を一定とした場合は、伝達可能トルク0.1Nmで、消費電力は0.16Wであった。また、図27のように、形状を変えずに体積抵抗率に分布を持たせ、半径方向外側で静電吸着力を強くすると、同じく伝達可能トルク0.1Nmで、消費電力は0.13Wであった。すなわち、本発明により、消費電力は0.16−0.13=0.03W小さくでき、割合としては、0.03/0.16≒19%だけ削減することが可能となる。
次いで、図28を用いて、消費電力を削減する他の構成について述べる。図28(a)に示すように、静電吸着機能部63eの半径方向外側に働く静電吸着力を大きくするため、ここでは厚みに分布を持たせた。具体的には、図28(b)に示すように、半径方向位置rが大きくなるに従い、厚みを小さくして、回転軸線方向から直交する方向から見たときに、お椀状になるようにする。このように構成することで、回転軸線方向に向かって厚みが大きい中心部付近は、抵抗値(体積抵抗率)が増えて電流が流れにくくなり、半径方向位置rが大きくなるにつれ、厚みが小さくなるため抵抗値(体積抵抗率)が低くなり、電流が流れやすくなる。そして、図28(c)に示すように、半径方向位置rが大きい位置で静電吸着力が大きくなる。図28(c)に示した静電吸着力の分布から、式(1)に従って伝達可能トルクを算出すると、図26と同様に0.1Nmとなる。また、図28(b)の体積抵抗率分布から電力分布を算出すると、図28(d)のようになる。図28(d)に示したように、半径方向位置rが大きい位置で電力分布も大きくなる。この電力分布を積分することで全体の消費電力が算出され、この場合、消費電力は0.15Wとなる。静電吸着機能部の体積抵抗率および厚みに分布を持たせない場合、消費電力は0.16Wであったため、削減量は0.16−0.15=0.01Wとなり、割合としては、0.01/0.16≒6%だけ削減することが可能となる。
前述したように、本実施例では、静電吸着機能部63eとして中抵抗のポリイミドシートを用いている。中抵抗のポリイミドシートは、抵抗調整用のカーボンブラックをポリイミドの液状ワニスに分散させて、それを型に流し込んで、加熱し溶媒を飛ばすことで製造される。そこで、図28(a)のようにポリイミドシートに厚みの分布を持たせるには、お椀状に加工した型を用いればよい。
次に、図29を用いて、消費電力を削減する他の構成について述べる。図29は、静電吸着機能部63eに微小孔63hを付与した図である。ここで、静電吸着機能部63eに働く静電吸着力を、半径方向外側で大きくするために、微小孔63hの密度を中心部で大
きく、外側で小さくしている。すなわち、複数の微小孔63hを静電吸着機能部63eの回転軸線中心近傍に集中的に設け、半径方向外側に向かうにつれて微小孔63hの数を減らすようにしている。静電吸着力は静電吸着機能部63eと駆動伝達部90bとの接触面積に比例して大きくなるため、微小孔63hの密度を中心部より外側で小さくすることで、静電吸着機能部63eの外側での静電吸着機能部63eと駆動伝達部90bとの接触面積が大きくなる。さらに、微小孔が開いている箇所には、空気が入り込むことになる。空気は絶縁性が高いので、微小孔が集中する中心部は、半径方向外側に比べて抵抗値(体積抵抗率)が大きくなり、半径方向外側は、中心部よりも抵抗値(体積抵抗率)が小さくなる。その結果、静電吸着機能部63eの外側に働く静電吸着力が大きくなる。微小孔63hの直径は、静電吸着機能部63eの膜厚よりも小さいほうが好ましく、たとえば、膜厚が75μmである場合には、微小孔63hの直径の目安としては10〜50μm程度にすればよい。
また、静電吸着機能部63eに微小孔63hを付与するには、前述したポリイミドシートを成形する際の型に凸円型のボスを設ける他、シートを成形した後にレーザ照射などの後加工で形成すればよい。また、駆動側の駆動伝達機能部90bと、非駆動側の駆動伝達機能部63bの間での放電を防止する目的で、微小孔63hは静電吸着機能部63eを貫通させず、半抜きにしてもよい。このときは、微小孔63hの凹面が駆動側の駆動伝達機能部90bと接するように、静電吸着機能部63eを設置するほうが好ましい。さらには、微小孔63hを設けるのではなく、静電吸着機能部63eの表面粗さをコントロールすることでも同様の消費電力削減効果が得られる。具体的には、静電吸着機能部63eの中心部の表面粗さをRa=1μm程度に大きくし、外側の表面粗さをRa=0.2μm程度に小さくする。このようにすることで、静電吸着機能部63eと駆動伝達機能部90bとの接触面積が静電吸着機能部63eの外側で小さくなり、その結果、静電吸着機能部63eの外側で静電吸着力が大きくなり、全体として消費電力を削減することが可能となる。削減量については、図28と同様のため省略する。
以上説明した構成・作用により、駆動カップリング90と被駆動側カップリング63とを接合させる際に、回転軸線中心近傍の領域よりも外周の領域において、十分な静電吸着力を確保することができる。そして、回転軸線中心近傍の領域では静電吸着力が働かなくても、回転駆動力を伝達することが可能となる。すなわち、回転方向における駆動カップリング90と被駆動カップリング63の相対移動を規制することができる。さらに、ガタレスを実現可能な駆動伝達カップリングにおいて、消費電力を削減することが達成可能になる。なお、本実施例においては、クリーナユニットと現像ユニットを一体に構成したプロセスカートリッジについて記載した。しかしながら、クリーナユニット、現像ユニットがそれぞれ独立してクリーナカートリッジ、または現像カートリッジとして、画像形成装置本体に着脱可能な構成においても適用可能である。また、本構成は、前述のクリーナブレードを廃止したクリーナレスプロセスや、現像ユニットの駆動カップリングにも好適に適用可能である。また、多色画像形成プロセスにおいても好適に適用可能である。
ここで、本実施例では誘電層としての静電吸着機能部63eを被駆動カップリング63に配置したが、駆動カップリング90に配置しても構わない。また、誘電層としての静電吸着機能部を駆動カップリング90、被駆動カップリング63の双方に配置しても構わない。また、カップリングに印加する電圧のON・OFFによる静電吸着作用のON・OFF作用を利用して、電気クラッチとしても好適に適用可能である。
(変形例4)
変形例4は、実施例6の静電吸着機能部63eと駆動カップリング90との吸着原理を静電吸着から磁気吸着に変更した構成である。具体的には実施例6の静電吸着機能部63eを磁石である磁性吸着機能部63eへ変更し、駆動伝達面90bを磁性体の表面に変更
した。そして、磁性吸着機能部63eに半径方向内側に向かうにつれて微小孔63hの数を増やすように微小孔63hを設ける。この構成によれば、半径方向内側(rが小)(中心領域)と比べて伝達可能トルクに大きく寄与する半径方向外側(rが大)(外側領域)に磁磁性吸着機能部63eを設けている。このため、半径方向内側に配置する磁性吸着機能部63eの体積を減らすことができ、磁性吸着機能部63e全体の体積を減らすことが可能となる。このため、伝達可能トルクの低下を抑制しつつ被駆動カップリング63やカートリッジBのコストダウンや軽量化することができる。
(実施例7)
図30〜図34を参照して、本発明の実施例7について説明する。本実施例は、実施例6と同様、駆動伝達カップリングの消費電力を削減する目的で、静電吸着機能部の構造について述べたものである。実施例6では、静電吸着機能部の体積抵抗率や厚みの分布をなだらかに変化させるため、静電吸着機能部の製造が困難な場合もある。そこで、本実施例では、駆動伝達カップリングの消費電力を削減しつつ、静電吸着機能部の製造をより容易にする構成について説明する。なお、画像形成装置、クリーナユニット、現像ユニット、およびプロセスカートリッジなどの構成や動作は、実施例6と同様である。本実施例では、実施例6との相違点のみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。
図30は、実施例7における駆動伝達カップリングの構成を示した図である。本実施例では、静電吸着機能部63eの体積抵抗率および厚みを段階的に変える。図30(a)は、中抵抗の静電吸着機能部63eと、高抵抗の静電吸着機能部63iを組み合わせた図である。ここでは、静電吸着機能部として、実施例6と同様に、ポリイミドシートを用いた。ポリイミドシートの体積抵抗率の調整は、分散させるカーボンブラックの量を制御すれば可能である。すなわち、中抵抗の静電吸着機能部63eの方が、高抵抗の静電吸着機能部63iに比べ、ポリイミドシート内部に分散させているカーボンブラックの量が多い。また、中抵抗の静電吸着機能部63eと高抵抗の静電吸着機能部63iを図30(a)のように一体で形成するには、それぞれかたどった静電吸着機能部を張り合わせてもよい。また、成形型に2種類の液状ワニスの状態を流し込み、二色成形して製造することも可能である。ここでは、中抵抗の静電吸着機能部63eとして、体積抵抗率5×1010Ωcmのポリイミドシート、高抵抗の静電吸着機能部63iとして、体積抵抗率1×1015Ωcmのポリイミドシートを用いた。
図30(b)は、半径方向位置rに対する、体積抵抗率の分布を示した図である。前述したように、体積抵抗率は印加電圧によって変化するが、図30(b)に示した図は駆動伝達機能部90bに−400Vの電圧を印加したときの体積抵抗率である。図30(c)は、このように構成した場合の静電吸着力を示した図である。図30(c)をみると、高抵抗の静電吸着機能部63iでは静電吸着力はほとんど働かず、中抵抗の静電吸着機能部63eでは静電吸着力が働いていることが分かる。この静電吸着力を式(1)に従って積分すると、実施例1と同様、伝達トルクが0.1Nmと得られる。このとき、中抵抗の静電吸着機能部63eの外径D=16mm、高抵抗の静電吸着機能部63iの外径D=3mm、摩擦係数μ=0.3として算出した。
図30(d)は、図30(b)の体積抵抗率分布から算出した電力分布である。図30(d)に示したように、中抵抗の静電吸着機能部63eで電力が大きくなる。この電力分布を積分することで全体の消費電力が算出され、この場合、消費電力は0.15Wとなる。実施例1において、静電吸着機能部63eの体積抵抗率および厚みを一定とした場合は、伝達可能トルク0.1Nmで、消費電力は0.16Wであった。一方で、本実施例のように、体積抵抗率を中心部と外周部で変え、外周部での静電吸着力を強くすると、同じく伝達可能トルク0.1Nmで、消費電力は0.15Wであった。すなわち、本発明により、消費電力は0.16−0.15=0.01W小さくでき、割合としては、0.01/0
.16≒6%だけ削減することが可能となる。
次に、図31を用いて、実施例7の他の構成について説明する。図31は、静電吸着機能部63eの中心部(被駆動カップリング63の回転軸線方向で見て被駆動カップリング63の回転軸線を含む領域)に、円形穴(貫通孔)63jを設けた構成を示す図である。つまり、静電吸着機能部63eは、被駆動カップリング63の回転軸線方向で見ると中心部には設けれられず、中心部を囲む領域に設けられている、所謂ドーナツ形状である。このようにすることで、円形穴63jを設けた中心部は絶縁性の高い空気が入り込むので、抵抗値(体積抵抗率)が大きくなる。そのため、図30と同様に駆動伝達カップリングの回転中心より外側で働く静電吸着力が大きくなり、全体として消費電力を削減することが可能となる。削減の効果については、図30で述べた値とほぼ一致するため省略する。なお、このように、静電吸着機能部63eの中心部に円形穴63jを設けるには、ポリイミドシートの成形型に円形凸形状を設けておけばよいし、あるいは、円形穴63jを持たないポリイミドシートに後加工すれば製作可能である。また、駆動側の駆動伝達機能部90bと、非駆動側の駆動伝達機能部63bの放電を避けるため、円形穴63jは静電吸着機能部63eを貫通させず、半抜きとすることも可能である。この場合、静電吸着機能部63eの中心に形成した凹面を駆動側の駆動伝達機能部90bと相対する方向に取り付けるのが好ましい。
以上説明した構成・作用により、実施例1と同様に、駆動カップリング90と被駆動側カップリング63とを接合させる際に、回転軸線中心近傍の中心領域よりも外周領域において、十分な静電吸着力を確保することができる。そして、回転軸線中心近傍の領域では静電吸着力が働かなくても、回転駆動力を伝達することが可能となる。すなわち、回転方向における駆動カップリング90と被駆動カップリング63の相対移動を規制することができる。さらに、ガタレスを実現可能な駆動カップリングにおいて、消費電力を削減することが達成可能になる。さらには、静電吸着機能部の体積抵抗率および、厚みを段階的に変えたことで、製造がより容易となる。
(変形例5)
変形例5は、実施例7の静電吸着機能部63eと駆動カップリング90との吸着原理を静電吸着から磁気吸着に変更した構成である。具体的には実施例7の静電吸着機能部63eを磁性吸着機能部63eに、駆動伝達面90bを磁性体の表面に変更した。そして、図31の構成と同様に、被駆動側カップリング63の回転軸線方向に直交する方向に関して磁性吸着機能部63eの中心部に円形穴63iを設ける。このため、半径方向内側に配置する磁石部63eの体積を減らすことができ、磁性吸着機能部63e全体の体積を減らすことが可能となる。このため、伝達可能トルクの低下を抑制しつつ被駆動カップリング63やカートリッジBをコストダウン及び又は軽量化することができる。
(実施例8)
本発明の実施例8について説明する。本実施例は、駆動伝達カップリングの消費電力を削減する目的に加え、駆動側カップリング(駆動カップリング90)と非駆動側カップリング(被駆動カップリング63)の位置決めを高精度に行なうための構造について述べたものである。なお、本実施例においても、画像形成装置、クリーナユニット、現像ユニット、およびプロセスカートリッジなどの構成や動作は、実施例1と同様である。本実施例では、実施例6および実施例7との相違点のみ説明し、他の部分に関する詳細な説明は省略する。図33で述べたように、カートリッジBは、装置本体Aに装着される場合に位置決め部80で位置が決められる。しかし、位置決め部80と駆動カップリングまでの距離が遠い場合、製造誤差などの要因により、駆動カップリング90と被駆動カップリング63が位置ずれを起こし、十分に吸着しない、あるいは回転駆動した際に大きな偏芯運動が起こってしまう場合がある。このような駆動不良は、画像不良の原因となってしまう。
そこで、本実施例では、駆動カップリングに、駆動側カップリングと非駆動側カップリングの位置決めを行なう機構を設けた。この構成について、図32、図33、図34を参照して説明する。図32は、静電吸着機能部63eの回転中心位置に直径3mm、長さ5mmの円形ボス63d(突出部)を設けた図である。そして、駆動側の駆動伝達機能部90bには、感光ドラム62の回転軸線上に円形ボス63dと相対するように直径3mm、長さ6mmの嵌合穴90dが形成されている。また、嵌合穴90dの入り口には、円形ボス63dが入りやすいように、C面取り90eが設けられている。このように構成することで、カートリッジBが装置本体Aに装着された際に、駆動側カップリングと非駆動側カップリングの位置が高精度に決まり、精度よく駆動伝達することが可能となる。
そして、円形ボス63dを静電吸着機能部63eの回転中心位置に設けることによって、円形ボスがない場合よりも消費電力を削減できる。すなわち、円形ボス63dを回転中心に設けると、静電吸着機能部63eの厚みが回転中心位置で大きくなる。これによって、円周部の静電吸着力が回転中心位置での静電吸着力より大きくなり、同じ伝達トルクでも全体として消費電力を削減することができる。この削減量に関しては、図30で述べた値と同様のため省略する。
次に、図33の構成について、説明する。図33は、円形ボス63dを静電吸着機能部63eとは別部材で芯合わせ部材として構成した図である。ここで、円形ボス63dを設けるため、非駆動側カップリングの駆動伝達機能部63bに直径3mmの穴、静電吸着機能部63eには直径3mmの貫通孔を設けた。そして、円形ボス63dの一端をその穴に入れ、エポキシ接着剤にて強固に固定している。他端は、駆動伝達機能部90bに設けられた直径3mm、長さ6mmの嵌合穴に挿通されている。ここで、カップリング基材63aへの円形ボス63dの固定方法は、エポキシなどの接着剤に限定されることなく、ねじ込み式やローレット加工による圧入など、適宜選択可能である。そして、円形ボス63dの材質も、駆動伝達機能部63eよりも体積抵抗率が高いものであればよく、ここでは、絶縁部材であるポリアセタールを用いた。また、円形ボスの材質においても駆動伝達機能部63eよりも体積抵抗率が高いものを適宜選択すれば良く、セラミックや、ポリエステル、エポキシ樹脂等、適宜選択可能である。
次に、図34の構成について、説明する。図34は、芯合わせ部材としての円形ボス63dと非駆動側の駆動伝達機能部63bを電気的に絶縁した構成を示した図である。円形ボス63dと非駆動側の駆動伝達機能部63bを電気的に絶縁するために、絶縁軸受63kを設けた。絶縁軸受63kは、絶縁部材であるポリアセタールを用いた。そして、この絶縁軸受63kは、非駆動側の駆動伝達機能部63bに、エポキシ接着剤で強固に固定されている。さらに、円形ボス63dは、絶縁軸受63kにエポキシ接着剤で強固に固定されている。円形ボス63dの材質は、位置決めに適するように適宜硬い材料を選択すればよく、ここではアルミを用いた。この構成においても、絶縁軸受63k、円形ボス63dなどの材質あるいは、それぞれの接着方式は適宜選択可能である。
以上説明した構成により、円形ボス63dを静電吸着機能部63eの回転中心位置に設けることによって、駆動側カップリングと非駆動側カップリングの位置決めを高精度に行なえ、さらに、円形ボスがない場合よりも消費電力を削減できる。すなわち、円形ボスを回転中心に設けることによって、円周部の静電吸着力が回転中心位置での静電吸着力より大きくなり、同じ伝達トルクでも全体として消費電力を削減することができるのである。
60…クリーニングユニット、61…ドラムユニット(電子写真感光体ユニット)、62…ドラム(電子写真感光ドラム)、63…被駆動カップリング、63a…カップリング
基材、63b…駆動伝達機能部、63c…駆動伝達面、63d…円形ボス、63e…C面取り、63f…ドラムフランジ機能部、63g…静電吸着機能部、90…駆動カップリング、90a…カップリング基材、90b…駆動伝達機能部、90c…駆動伝達面、90d…嵌合穴、90e…C面取り、90f…相対面、90g…静電吸着機能部、95…モータ、96…小ギヤ、97…大ギヤ、98…給電接点、99…アース接点、630g…磁石部、900g…磁性体部、A…画像形成装置本体(装置本体)、B…プロセスカートリッジ(カートリッジ)

Claims (23)

  1. 動力源と、
    前記動力源から伝達される駆動力で回転する第1カップリング部材と、
    前記第1カップリング部材と吸着して回転する第2カップリング部材と前記第2カップリング部材と連結された回転体とを備えるカートリッジと、
    を有し、
    前記第1カップリング部材は、前記第1カップリング部材の回転軸線に直交する第1駆動伝達面を備え、前記第2カップリング部材は、前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する第2駆動伝達面を備え、前記第1駆動伝達面と前記第2駆動伝達面との間に互いに吸着する力が発生した状態で、前記第1カップリング部材から前記第2カップリング部材へ駆動力を伝達することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1カップリングは前記第1カップリング部材の回転軸線に直交する面に対して交差する第1係合面を備え、前記第2カップリングは前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する面に対して交差する第2係合面を備え、前記第1係合面と前記第2係合面が接触した状態で前記第1カップリング部材から前記第2カップリング部材へ駆動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する方向に関して、前記第2係合面は前記第2駆動伝達面よりも前記回転軸線の近い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する方向に関して、前記第2係合面は前記第2駆動伝達面よりも前記回転軸線から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2駆動伝達面は前記回転軸線の方向で見て、前記回転軸線を含む中心部に設けられず、前記中心部を囲む領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1駆動伝達面と前記第2駆動伝達面との間には静電吸着力が発生することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1駆動伝達面と前記第2駆動伝達面との間には磁気吸着力が発生することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1駆動伝達面は磁性体の表面であり、前記第2駆動伝達面は磁石の表面であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1駆動伝達面は磁石の表面であり、前記第2駆動伝達面は磁性体の表面であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 動力源と、前記動力源から伝達される駆動力で回転する第1カップリング部材と、を有する画像形成装置に装着可能なカートリッジであって、
    前記第1カップリング部材と吸着して回転する第2カップリング部材と、
    前記第2カップリング部材と連結された回転体と、
    を有し、
    前記第1カップリング部材は、前記第1カップリング部材の回転軸線に直交する第1駆動伝達面を備え、前記第2カップリング部材は、前記第2カップリング部材の回転軸線に
    直交する第2駆動伝達面を備え、前記第1駆動伝達面と前記第2駆動伝達面との間に互いに吸着する力が発生した状態で、前記第1カップリング部材から前記第2カップリング部材へ駆動力が伝達されることを特徴とするカートリッジ。
  11. 前記第1カップリングは前記第1カップリング部材の回転軸線に直交する面に対して交差する第1係合面を備え、前記第2カップリングは前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する面に対して交差する第2係合面を備え、前記第1係合面と前記第2係合面が接触した状態で前記第1カップリング部材から前記第2カップリング部材へ駆動力が伝達されることを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
  12. 前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する方向に関して、前記第2係合面は前記第2駆動伝達面よりも前記回転軸線の近い位置に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
  13. 前記第2カップリング部材の回転軸線に直交する方向に関して、前記第2係合面は前記第2駆動伝達面よりも前記回転軸線から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
  14. 前記第2駆動伝達面は前記回転軸線の方向で見て、前記回転軸線を含む中心部に設けられず、前記中心部を囲む領域に設けられていることを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
  15. 前記第1駆動伝達面と前記第2駆動伝達面との間には静電吸着力が発生することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項に記載のカートリッジ。
  16. 前記第1駆動伝達面と前記第2駆動伝達面との間には磁気吸着力が発生することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項に記載のカートリッジ。
  17. 前記第2駆動伝達面は磁石の表面であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 前記第2駆動伝達面は磁性体の表面であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
  19. カップリング部材と前記カップリング部材と連結された回転体とを備えるカートリッジであって、
    前記カップリング部材は、前記カップリング部材の回転軸線に直交する駆動伝達面を備え、前記駆動伝達面は磁石又は磁性体の表面であることを特徴とする画像形成装置。
  20. 前記カップリングは前記カップリング部材の回転軸線に直交する面に対して交差する係合面を備えることを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
  21. 前記カップリング部材の回転軸線に直交する方向に関して、前記係合面は前記駆動伝達面よりも前記回転軸線の近い位置に配置されていることを特徴とする請求項20に記載のカートリッジ。
  22. 前記カップリング部材の回転軸線に直交する方向に関して、前記係合面は前記駆動伝達面よりも前記回転軸線から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項20に記載のカートリッジ。
  23. 前記駆動伝達面は前記回転軸線の方向で見て、前記回転軸線を含む中心部に設けられず、前記中心部を囲む領域に設けられていることを特徴とする請求項19に記載のカートリッジ。
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