JP2018180263A - カートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

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健太郎 河田
Kentaro Kawada
健太郎 河田
橋本 和則
Kazunori Hashimoto
和則 橋本
松永 智教
Tomonori Matsunaga
智教 松永
考平 松田
Kohei Matsuda
考平 松田
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Abstract

【課題】十分な駆動伝達性能と安定した電圧印加を確保した上で、インターフェース構成がシンプルなプロセスカートリッジを提供すること。【解決手段】装置本体Aの動力源95から伝達される駆動力によって回転する第1カップリング部材90と誘電体90gを介して接合され、第1カップリング部材90から伝達される駆動力を回転体62に伝達する第2カップリング部材を備え、第1カップリング部材90、誘電体90g、第2カップリング部材63の間の電圧印加によって第2カップリング63が誘電体90gに静電吸着され、第1カップリング部材90の回転方向における第1カップリング部材90と第2カップリング部材63との相対移動が規制され、被電圧印加部材66は、上記相対移動を規制する静電吸着力を発生させる電流経路を介して、上記電圧印加によって電圧が印加される。【選択図】図1

Description

本発明は、プロセスカートリッジおよびこれを用いた画像形成装置に関する。
いわゆるプロセスカートリッジ方式の電子写真画像形成装置では、プロセスカートリッジに設けられた感光ドラム等の回転体に回転駆動力を供給すべく、装置本体に設けられた駆動源につらなる動力伝達部材と、感光ドラム等とを駆動力伝達可能に連結する。
特許文献1には、画像形成装置本体にプロセスカートリッジを装着した際、両者が接触する箇所には両者それぞれに電気接点が設けられ、画像形成装置本体内の高圧電源から各パーツに、画像形成に必要な電圧を印加する構成が開示されている。また、そのような感光ドラム等を回転駆動させるための駆動力伝達機構として、種々の構成が提案されている。特許文献2には、装置本体に設けるカップリングにねじれた凹部を設け、感光ドラムに設けるカップリングにねじれた凸部を設け、これら凹部と凸部とを嵌合させることで、感光ドラムを駆動可能とする構成が開示されている。
特開2005−258145号公報 特許第3408082号公報
ここで、前述のねじれた凹凸形状を嵌合させて駆動伝達するカップリング構成においては、製造誤差の観点から凹凸形状の嵌合部に隙間を設ける必要がある。この隙間が回転方向のガタ成分となり、ドラムなどの被駆動部の駆動伝達性能が悪化する場合がある。また、駆動伝達部と高圧電源から各パーツに電圧を印加する電気接点がそれぞれ別々に設けられた場合、画像形成装置本体とプロセスカートリッジの接触点が増え、インターフェース構成が複雑になる。インターフェース構成は、部品点数が増えることによるコスト増や省スペース化の観点から、極力シンプルであることが好ましい。
そこで、本発明の目的は、十分な駆動伝達性能と安定した電圧印加を確保した上で、インターフェース構成がシンプルなプロセスカートリッジを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のカートリッジは、
画像形成装置の装置本体に着脱可能で、カートリッジであって、
前記装置本体に備えられた動力源から伝達される駆動力によって回転する回転体と、
前記回転体に連結されており、前記駆動力によって回転する第1カップリング部材から回転駆動力が伝達されて回転することで、前記駆動力を前記回転体に伝達する第2カップリング部材であって、前記第1カップリング部材と誘電体を介して接合される第2カップリング部材と、
電圧を印加される被電圧印加部材と、
を備え、
前記第1カップリング部材、前記誘電体、前記第2カップリング部材の間の電圧印加によって、前記第2カップリングが前記誘電体に静電吸着され、前記第1カップリング部材の回転方向における前記第1カップリング部材と前記第2カップリング部材との相対移動が規制されるものであり、
前記被電圧印加部材は、前記相対移動を規制する静電吸着力を発生させる電流経路を介して、前記電圧印加によって電圧が印加されることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
動力源を備えた装置本体と、
上記のカートリッジと、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、十分な駆動伝達性能と安定した電圧印加を確保した上で、インターフェース構成がシンプルなプロセスカートリッジを提供することができる。
実施例1におけるドラムユニット61近傍の断面図 実施例1における画像形成装置の断面図 実施例1におけるカートリッジの断面図 クリーニングユニット60の構成を説明する斜視図 画像形成装置本体、カートリッジの斜視図 静電吸着力が一定の場合の、静電吸着力と伝達可能トルクの関係を示した図 カップリング部分の等価回路、体積抵抗率と静電吸着力及び電流のグラフ 静電吸着力および電流を実測した結果を示した図 実施例2におけるドラムユニット61近傍の断面図 比較例としてのドラムユニット61近傍の断面図 実施例1におけるドラムユニット61近傍の電流経路の等価回路 比較例としてのドラムユニット61近傍の電流経路の等価回路 実施例2におけるドラムユニット61近傍の電流経路の等価回路
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1を図面に基づいて詳細に説明する。なお、感光ドラムの回転軸線方向を長手方向とする。また、長手方向において、画像形成装置本体から感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側(図1において被駆動カップリング63側)とし、その反対側を非駆動側とする。
<画像形成装置の全体構成>
図2を用いて本実施例における画像形成装置の全体構成について説明する。図2は、本発明の実施例1における画像形成装置の装置本体(以下、装置本体Aと記載する)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジBと記載する)の断面図である。ここで、装置本体とはプロセスカートリッジ以外の画像形成装置の構成部分のことを指す。図2において、画像形成装置は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの上側に露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(シート材P)を収容したシートトレイ4が配置されている。更に、装置本体Aには、シート材Pの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、
搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
<カートリッジ全体の構成>
次にカートリッジBの全体構成について図3を用いて説明する。図3は、カートリッジBの構成を説明する断面図である。カートリッジBはクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を合体して構成される。クリーニングユニット60は、クリーニング枠体71、感光ドラム62、帯電ローラ66およびクリーニングブレード77等からなる。一方、現像装置ユニット20は、底部材22、現像容器23、現像ブレード42、現像ローラ32、マグネットローラ34、搬送部材43、トナーT、等からなる。これらクリーニングユニット60と現像装置ユニット20を、互いに回動可能に結合することによってカートリッジBを構成する。
<クリーニングユニットの構成>
次にクリーニングユニット60の構成について図1、図3〜5を用いて説明する。図1は、ドラムユニット61近傍の装置本体Aの一部を含む断面図である。図4は、クリーニングユニット60の構成を説明する斜視図である。クリーニングブレード77は、板金からなる支持部材77aとウレタンゴム等の弾性材料からなる弾性部材77bからなり、支持部材77aの両端をビス(不図示)で固定することで、クリーニング枠体71に対して所定の位置に配置される。弾性部材77bが感光ドラム62と当接し、感光ドラム62の外周面上から残留トナーを除去する。除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71b(図3)に貯蔵される。
図4に示す様に、ドラム軸受72、付勢部材74、帯電ローラ軸受66cは、クリーニング枠体71に取り付けられる。クリーニング枠体71のうち駆動側の側板71aのみ他の枠体とは別体で構成される。これらのうち、ドラム軸受72、付勢部材74、帯電ローラ駆動側軸受66c1、駆動側側版71aは導電性を有する。被電圧印加部材としての帯電ローラ66の軸部66aは、帯電ローラ軸受66cにはめ込まれる。帯電ローラ軸部66aはSUS(ステンレス鋼)でできており、導電性を有する。帯電ローラ66は付勢部材74によって、感光ドラム62に対して付勢されるとともに、帯電ローラ軸受66cによって回転可能に支持される。そして、感光ドラム62の回転に伴って従動回転を行う。
感光ドラム62は、例えばアルミシリンダの筒状体の外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)が塗布されたものであり、アルミシリンダは感光ドラム62における導電部として機能する。また、図1に示す様に、感光ドラム62は、被駆動カップリング63に一体に構成されたドラムフランジ機能部63f、およびフランジ64とそれぞれ一体的に結合され、感光ドラムユニット(以下、ドラムユニット61と記載する)となる。この結合方法は、かしめ、接着、溶着等を用いる。フランジ機能部63fは、駆動伝達機能部63bと感光ドラム62を電気的に絶縁するため絶縁材料を用いている。また、駆動伝達機能部63bと帯電ローラ駆動側軸受66c1とは駆動側側板71aを介して電気的に導通している。駆動側側板71aには帯電ローラ66に印加する電圧を安定化するための電圧安定化手段としてのツェナーダイオード91が配されている。フランジ64は、導電性を有し、同じく導電性を有するドラム軸78(第2電極)が装置本体Aのアース電極99と電気的に導通している。また、ドラムユニット61はクリーニング枠体71に回転可能に支持される。
<カートリッジの着脱動作>
次に、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱動作について、図5を用いて説明する。図5は、カートリッジBを着脱するために開閉扉13が開いた装置本体Aと、カートリッジBの斜視図である。装置本体Aには開閉扉13が回動可能に取り付けられている。こ
の開閉扉13を開くと不図示の機構により装置本体Aに設けられた駆動カップリング90が、カートリッジBの長手退避方向に移動する。そして、装置本体Aにはガイドレール12が備えてあり、カートリッジBはガイドレール12に沿って装置本体A内に装着される。そして、開閉扉13を閉じると、前述とは反対に駆動カップリング90が、カートリッジBに設けられた被駆動カップリング63に近づく方向に移動し、カップリングの回転軸に垂直な駆動力伝達面同士が接合される。そして、駆動カップリング90は必要に応じ装置本体のコントローラ(不図示)によってカートリッジBに設けられた被駆動カップリング63(図7)と後述する静電吸着力により吸着される。すなわち、開閉扉13の開閉動作に連動して、駆動カップリング90と被駆動カップリング63の接合が行われる。このことにより、被駆動カップリング63と結合している感光ドラム62が装置本体Aから駆動力を受けて回転することができる。
<画像形成プロセス>
次に、図2を用いて画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、感光ドラム62は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。電圧が印加された帯電ローラ66は、感光ドラム62の外周面に接触し、感光ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBの上面の露光窓部73を通り、感光ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、感光ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。一方、図3に示すように、現像装置としての現像装置ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。トナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に担持される。現像ローラ32は図3中矢印Rcの方向に回転駆動し、トナーTは、現像ブレード42によって、摩擦帯電されつつ現像ローラ32周面の層厚が規制される。そのトナーTは、静電潜像に応じて感光ドラム62へ転移され、トナー像として可視像化される。
また、図2に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5cによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材Pがシートトレイ4から給送される。そして、そのシート材Pが転写ガイド6を経由して、感光ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像は感光ドラム62からシート材Pに順次転写されていく。トナー像が転写されたシート材Pは、感光ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材Pは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材Pに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材Pは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。一方、図3に示すように、転写後の感光ドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。感光ドラム62から除去されたトナーはクリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。
<駆動伝達カップリング>
次に、駆動伝達カップリングの構成について図1を用いて詳細に説明する。本発明の駆動伝達カップリングは、2つの電極であって、一方の電極として装置本体Aに具備される駆動カップリング90と、他方の電極としてカートリッジBに具備される被駆動カップリング63と、で構成される。
<被駆動カップリング構成>
まず、カートリッジBに具備される被駆動カップリング63の構成について説明する。図1に示すように、カートリッジBに取り付けられた回転体としての感光ドラム62(像
担持体)の長手方向一方端部には被駆動カップリング63が設けてある。この被駆動カップリング63は、直径16mmの駆動伝達機能部63bと、ドラムフランジ機能部63fと、を一体に設けたものである。そして、駆動伝達機能部63bの先端面には、装置本体Aに具備された駆動カップリング90と面接触する駆動伝達機能部として、駆動力被伝達面63cが感光ドラム62の回転軸線方向に向けて設けられている。ここで、駆動力被伝達面63cの表面粗さ(中心線平均粗さ)は、Ra=0.2μmに設定した。ここで、表面粗さは、Ra=0.2μm以下であれば適宜選択可能である。表面粗さがRa=0.2μmを超えると、静電吸着力が減少していく。なお、カップリング部材や誘電体の表面粗さRaは、例えば、JIS表面粗さ「JIS B 0601(2001)」に基づき、表面粗さ測定器を用いて測定される中心線平均粗さにより規定することができる。また、ドラムフランジ機能部63fは、感光ドラム62の軸線方向における、駆動伝達機能部63bと反対方向に嵌合部63f1を設けてある。嵌合部63f1は、ドラムフランジ機能部63fを感光ドラム62に取り付ける際に、感光ドラム62の内面に嵌合するとともに、かしめることでドラムフランジ機能部63fと感光ドラム62を固定する。ここで、前記ドラムフランジ機能部63fの固定方法は、かしめに限定されることなく接着等、適宜選択可能である。
次に、各構成部材の材質について説明する。駆動伝達機能部63bおよび駆動力被伝達面63cの材質は導電性を有するアルミを用いた。これらの材質は、前述のアルミに限定されるものではなく、鉄や、銅、などの金属や、導電性セラミック、またプロセスカートリッジで一般的に使用される導電性樹脂のような導電性を有するものであればよい。具体的にはポリアセタール、ポリエステル、エポキシ樹脂等に前述の導電剤を添加したものを用いた成型品でも構わない。目安としては、体積抵抗で1×1010Ωcm以下である。また、フランジ機能部63fには絶縁部材であるポリアセタールを用い、導電性を有する駆動伝達機能部63bと感光ドラム62は電気的に絶縁された状態になっている。フランジ機能部63fの材質は電気的に絶縁性を維持できるものを適宜選択すれば良く、セラミックや、ポリエステル、エポキシ樹脂等、適宜選択可能である。絶縁の目安としては、体積抵抗で1×1015Ωcm以上である。
<駆動カップリング構成>
次に、装置本体Aに具備される駆動カップリング90の構成について説明する。図1に示す、駆動カップリング90は、駆動伝達機能部90bと静電吸着機能部90gで構成される。静電吸着機能部90gの先端面には、カートリッジBに具備された被駆動カップリング63と面接触する駆動伝達機能部として、駆動力伝達面90cが感光ドラム62の回転軸線方向に向けて設けられている。駆動伝達機能部90bは、直径16mmの円柱形状で構成されている。静電吸着機能部90gは、表面粗さRa=0.2μm、厚み120μm、外径Φ=20mmの円形のシート部材で構成されている。ここで、静電吸着機能部90gの厚みは特に限定されるものではなく、後述する静電吸着力と必要電力に応じて適宜選択すれば良い。また、駆動力伝達面90cの表面粗さは、Ra=0.2μm以下であれば適宜選択可能である。ここで、表面粗さをRa=0.2μm以下に設定する理由は、表面粗さがRa=0.2μmを超えると、静電吸着力が減少していくことにある。そして、この静電吸着機能部90gは、導電性両面テープで駆動伝達機能部90bに固定されている。
次に、各構成部材の材質について説明する。駆動伝達機能部90bの材質は、導電性を有するアルミを用いた。しかしながら、前述のアルミに限定されるものではなく、鉄や、銅、などの金属や、導電性セラミック、またカートリッジで一般的に使用される導電性樹脂など導電性を有していればよい。具体的にはポリアセタール、ポリエステル、エポキシ樹脂等に前述の導電剤を添加したものを用いた成型品でも構わない。目安としては、体積抵抗で1×1010Ωcm以下である。
次に、静電吸着機能部90gの材質は、誘電体として機能する、体積抵抗1×1012Ωcmの変性ポリイミドを用いた。ここで、静電吸着機能部90gとしては、体積抵抗が1×1010Ωcm〜1×1014Ωcmの範囲で、後述の必要とする静電吸着力に応じて適宜選択すれば良い。そして、その材質もポリアセタールや、ポリフッ化ビニルデン、ウレタンゴムなど、特に限定されるものでは無く、また、体積抵抗率調整の為の導電剤も、電子導電剤、イオン導電剤など、適宜選択可能である。電子導電剤としては、電子導電性を示すカーボンブラック、グラファイト;酸化錫等の酸化物;銅、銀等の金属;酸化物や金属を粒子表面に被覆して導電性を付与した導電性粒子が挙げられる。また、イオン導電剤としては、イオン導電性を示す第四級アンモニウム塩、スルホン酸塩等のイオン交換性を有するイオン導電剤が挙げられる。
なお、本発明で定義される誘電体とは、電流を通しにくく、電界を加えると誘電分極を発生させる物質であり、導電粒子を含有した絶縁体のような、電導機構に抵抗成分と誘電成分をもつ物質もこれに含まれる。ここで、前述の静電吸着機能部90g(シート部材)の体積抵抗の測定は、三菱化学アナリック ハイレスタUP MCP−HT450型、およびリングプローブ:URを用い、印加電圧1kVで測定した。次に、駆動伝達機能部90bと静電吸着機能部90gの固定に用いた導電性両面テープは、日立マクセル株式会社製の導電性両面テープNo.5805を用いた。ここで、前述の駆動伝達機能部と誘電体
の結合方法は、導電性両面テープに限定されるものではなく、導電接着剤を使用する構成、などから、適宜選択可能である。
<駆動伝達時の電流経路>
前述したように、装置本体Aの開閉扉13を開けると、装置本体Aに具備された駆動カップリング90が、その回転軸線方向において、カートリッジBと離れる方向に移動する。図1は駆動カップリング90とカートリッジBが離れた状態を示している。つぎに、カートリッジBを装置本体Aに装着する。そして、前記開閉扉13を閉めることにより、退避位置に移動していた駆動カップリング90は図1中矢印Cの方向、即ちカートリッジB側に移動する。この移動により、駆動カップリング90に設けられた駆動伝達機能部としての駆動力伝達面90cと、被駆動カップリング63に設けられた駆動伝達機能部としての駆動力被伝達面63cが当接する。すなわち、カートリッジBの装置本体Aへの装着時における、装置本体Aの開閉扉13の開閉動作に連動して、駆動カップリング90と被駆動カップリング63の接合が行われる。
<伝達可能トルクと静電吸着力>
本発明では、駆動力伝達面における駆動伝達にはジョンセン・ラーベック力(静電吸着力)による静電吸着作用を前述の駆動伝達面での摩擦を得る手段として利用している。ここで、図6を用いて、静電吸着力と、伝達可能トルクの関係について説明する。まず、静電吸着力と伝達可能トルクは以下の式であらわされる。
Figure 2018180263
・・・(1)

式(1)において、T:伝達可能トルク[N・m]、μ:静電吸着機能部と駆動側カップリングの摩擦係数、D:静電吸着機能部の外径[m]、p(r):静電吸着力[Pa]、r:回転中心からの半径方向位置[m]である。静電吸着力が駆動伝達面内で一定である場合、式(1)は以下のようにあらわされる。
Figure 2018180263
・・・(2)

式(2)を図で示すと、図6のようになる。図6は、外径Dを16mm、摩擦係数μを0.3としたときの計算結果である。この図をみると、伝達可能トルクは、静電吸着力に比例して大きくなることが分かる。たとえば、伝達可能トルクを0.1Nmに設定したい場合は、静電吸着力としておよそ300kPa得られれば良い。
図7、8を用いて、静電吸着力と体積抵抗率の関係について説明する。図7(a)は、駆動カップリング90の駆動伝達機能部90bと、静電吸着機能部63eのミクロな接触状態と、その電気的性質を示した等価回路図である。この図において、電圧印加後、十分時間が経過した後の静電吸着力は以下の式であらわされる。
Figure 2018180263

式(1)において、ε0:雰囲気中の誘電率、Rg:静電吸着機能部63eと駆動伝達機能部90bの接触抵抗[Ω]、Rb:静電吸着機能部63eの体積抵抗[Ω]とする。また、V:印加電圧、d:駆動伝達機能部90bと静電吸着機能部63eの平均空隙距離[m]である。式(1)は、静電吸着機能部63eの体積抵抗Rbによって静電吸着力が変化することを示している。
また、図7(a)の等価回路において、印加電圧を200Vとしたときに、静電吸着機能部63eを駆動伝達機能部90bからひきはがす力を測定することで、静電吸着力の測定を行った。その測定結果として静電吸着力と体積抵抗率の関係をグラフにしたものを図7(b)、(c)に示す。図7(c)のように、体積抵抗率が大きいと電流が流れなくなり、図7(a)にあるgapに蓄積される電荷量が小さくなる。すると、電荷に依存する静電吸着力が小さくなり、後述のジョンセン・ラーベック力が働かなくなる。すなわち、静電吸着力を大きくするには、静電吸着機能部63eの体積抵抗率を小さくすれば良いことが分かる。しかしながら、図7(b)に示されるように、体積抵抗率を小さくし過ぎると、逆に静電吸着力が小さくなってしまうので、静電吸着力が最も大きくなる体積抵抗率があることが分かる。
図8は、静電吸着力とその時に流れた電流を測定した結果である。静電吸着力の測定は、静電吸着機能部63eを具備したカートリッジBを装置本体Aから取り出し、駆動カップリング90に見立てたアルミ板に静電吸着機能部63eを密着させて、アルミ板からひきはがす力を測定することで行った。また、この予備試験には、静電吸着機能部63eの体積抵抗率として1×1011Ωcmと1×1013Ωcmのものを使用し、厚みはいずれも75μmものを用いた。なお、ここでの体積抵抗率は、印加電圧100Vとしたときの電流値から求めたもので、中抵抗材料では一般的に、材料の温度特性や非オーミック電導機構に依り印加電圧によって体積抵抗率は変化する。図8(a)の静電吸着力の測定結果をみると、体積抵抗率の小さいほうが静電吸着力は大きいことが分かる。これは式(3)で説明したとおりである。
このように、ジョンセン・ラーベック力とは、誘電体(静電吸着機能部90g)の体積抵抗率を小さくすることで、誘電体内の電荷の移動が容易になり、吸着界面である誘電層最表面(駆動力伝達面90c)に電荷が多量に誘起されることで発生する力である。一般
的に、誘電体(静電吸着機能部90g)が抵抗成分の非常に大きい絶縁体の場合(=クーロン力と呼ばれる)と比べると、大きな力を発生する。すなわち、電極(給電接点98)に印加された電荷は、誘電層(静電吸着機能部90g)を通って誘電層最表面(駆動伝達面90c)に移動する。そして前述誘電層最表面(駆動伝達面90c)に移動した電荷の一部は被吸着基板(駆動伝達面63c)に流れつつも、この電荷に対して被吸着基板(駆動伝達面63c)が静電誘導あるいは誘電分極により帯電して静電吸着力が発生するものである。静電吸着力は接触面の面積に比例するので、より有効に静電吸着力を確保するため本発明では静電吸着力を発生させる電極面の表面粗さをRa=0.2μm以下とした。
より具体的に、本実施例のような誘電体を介在させて対向する一対の対向電極間において静電吸着力を発生させる構成を説明すると、次のように説明できる。すなわち、第1カップリング部材としての駆動カップリング90における、誘電体としての静電吸着機能部90cとの接合部が、上記対向電極のうちの一方の電極に対応する。また、第2カップリング部材としての被駆動カップリング63における、静電吸着機能部90gとの接合部(駆動伝達面63c及びその近傍領域)が、上記対向電極のうちの他方の電極に対応する。高圧電源92によって駆動カップリング90、静電吸着機能部90g、被駆動カップリング63の間に電圧が印加されると、静電吸着機能部90gの駆動伝達面90cには、マイナス電荷が誘起される。これに伴い、相対する被駆動カップリング63の駆動伝達部63cには、プラス電荷が誘起される。このような電荷配置が形成されることで、駆動カップリング90と静電吸着機能部90gとの間、静電吸着機能部90gと被駆動カップリング63との間にそれぞれ静電吸着力が発生し、互いに吸着される状態となる。この静電吸着力が、動力源としてのモータ95から駆動カップリング90へ伝達される回転駆動力を、静電吸着機能部90gを介して被駆動カップリング63へロスなく伝達可能な程度の強さとなるように、高圧電源92による印加電圧を調整する。本実施例において、高圧電源92やコントローラ(制御部)100、給電接点98、アース接点99等の、上記静電吸着力を発生させる電圧印加の実施に関わる構成が、本発明における電圧印加部に対応する。
駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cが当接した状態で、プリント信号が入力されると装置本体Aが備えた不図示のコントローラは給電接点98を介して高圧電源92から−2kVの電圧を駆動カップリング90に印加する。すると、駆動伝達機能部90b⇒静電吸着機能部90g⇒駆動力伝達面90c⇒駆動力被伝達面63c(兼、第1電極)の順に電流が流れる。駆動力被伝達面63cを通過後、次に、駆動力被伝達面63c⇒駆動伝達機能部63b⇒クリーナー枠体駆動側側板71a⇒駆動側帯電ローラ軸受66c1⇒帯電ローラ66(被電圧印加部材)⇒感光ドラム62⇒フランジ64⇒ドラム軸78(第2電極)⇒アース接点99を通り、アースへと電流が流れる。並行してクリーナー枠体駆動側側板71aからはツェナーダイオード91を介してもアースへと電流が流れ、これにより帯電ローラ66に印加される電圧は安定化する。以上が、高圧電源92から電圧を駆動カップリング90に印加した際の電流の流れであり、この電流経路を等価回路で表すと図11のようになる。
このとき、前述のジョンセン・ラーベック力により、駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cの間で静電吸着力が発生する。この状態で駆動カップリング90を駆動すると、静電吸着力が駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63c間の摩擦力に変換され、感光ドラム62が駆動される。このとき実際は170μAの電流が駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cの間に流れるとともに、2kgf・cmの駆動伝達トルクが得られた。そして帯電ローラ66には駆動力伝達面90cおよび駆動力被伝達面63cの電気抵抗により−2kVから1kVだけ電圧降下し、電圧安定化手段としてのツェナーダイオード91により安定化された−1kVの電圧が印加される。その結果、帯電ローラ66と感光ドラム62表面の間でパッシェンの法則に基づく放電が起こり、感光ドラム62の表面は−500V程度に帯電される。
このときドラム軸78およびアース接点99には放電電流として30μAの電流が流れる。感光ドラム62の帯電においては表面を安定して均一に帯電させるために、帯電ローラ66への印加電圧をノイズや振れが無いように安定化させることが重要となる。ここではその手段としてツェナーダイオードを用いたが、電圧を安定化させることができれば、バリスタ等、別の手段を用いることも可能である。また、駆動カップリング90に印加する電圧は、駆動伝達に必要な静電吸着力を確保した上で、駆動力伝達面90cおよび駆動力被伝達面63cにおける電圧降下を見越して、感光ドラム62の帯電に本来必要な電圧よりも高めに設定するのが好ましい。ここでは感光ドラム62の帯電に必要な電圧−1kVに対し、駆動伝達面での電圧降下1kV分を見越して、駆動カップリング90に−2kVの電圧を印加した。
以上説明してきた構成により、装置本体AとカートリッジB間の駆動伝達機能とカートリッジBへの電流流入のための電気接点と、帯電ローラ66への電圧印加に用いられる電気接点を駆動伝達面1か所に集約することができる。また、静電吸着力により回転方向における駆動カップリング90と被駆動カップリング63の相対移動を規制することができる。これにより十分な駆動伝達性能と安定した電圧印加を確保した上で、インターフェース構成がシンプルなプロセスカートリッジを提供することができる。
(比較例)
ここで本発明の比較例として図10を用い、装置本体AとカートリッジB間の駆動力伝達面と帯電ローラ66に電圧印加するための電気接点が別々に設けられている場合の構成を示す。ここでは本発明の構成と異なる部分を詳細に説明する。記載の無い部分は、特に断りのない限り本発明の構成と同じである。
<クリーニングユニットの構成>
図10はドラムユニット61近傍の装置本体Aの一部を含む断面図である。クリーニング枠体71は導電性を有さず、ドラム軸受72とは電気的に絶縁されている。帯電ローラ66の軸部66aは、長手駆動側でクリーニング枠体71を貫通し、先端はクリーニング枠体71の外側に露出した状態になっている。一方、装置本体Aは駆動伝達面に電流を供給するための高圧電源92および給電接点98とは別途、帯電ローラ66Cに電圧印加するための専用高圧電源93および給電接点96を有している。被駆動カップリング63を構成するフランジ機能部63fは駆動伝達機能部63bと同様、導電性を有するアルミで構成され、駆動力被伝達面63cと感光ドラム62はフランジ機能部63fを介して電気的に導通している。
<駆動伝達時の電流経路>
実施例1と同様、装置本体Aの開閉扉13を開けると、装置本体Aに具備された駆動カップリング90が、その回転軸線方向において、カートリッジBと離れる方向に移動する。図10は駆動カップリング90とカートリッジBが離れた状態を示している。つぎに、カートリッジBを装置本体Aに装着する。そして、開閉扉13を閉めることにより、退避位置に移動していた駆動カップリング90および給電接点96は図8中矢印Cの方向、即ちカートリッジB側に移動する。この移動により、駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cおよび、給電接点96と帯電ローラ軸受66a、はそれぞれ互いに当接する。駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cが当接した状態で、プリント信号が入力されると装置本体Aが備えた不図示のコントローラは給電接点98を介して駆動カップリング90に接続された高圧電源92から−1kVの電圧を駆動カップリング90に印加する。これにより、駆動伝達機能部90b⇒静電吸着機能部90g⇒駆動力伝達面90c⇒駆動力被伝達面63c⇒駆動伝達機能部63b⇒フランジ機能部63f⇒感光ドラム62⇒フランジ64⇒ドラム軸78⇒アース接点99を介して、アースへ電流が流れる。この電流経路
を等価回路で表したものを、図12に示す。
このとき、前述のジョンセン・ラーベック力により、駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cの間で静電吸着力が発生する。この状態で駆動カップリング90を駆動すると、静電吸着力が駆動力伝達面90cと駆動被伝達面63c間の摩擦力に変換され、感光ドラム62が駆動される。このとき実際は170μAの電流が流れるとともに、2kgf・cmの駆動伝達トルクが得られた。また、感光ドラム62の駆動と並行して帯電ローラ用高圧電源93は−1kVの電圧を出力する。これにより、帯電ローラ66には帯電ローラ用給電接点96および帯電ローラ軸受66aを経由して−1kVの電圧が印加され、感光ドラム62との間にパッシェンの法則に基づく放電が起こり、感光ドラム62表面は−500V程度に帯電される。このときドラム軸78およびアース接点99には放電電流として30μAの電流が流れる。
このように比較例では、装置本体AとカートリッジB間の駆動伝達機能を担う駆動力伝達面と、帯電ローラ66への電圧印加を行うための電気接点がそれぞれ別々に設けられるため、装置本体AとカートリッジBは駆動側2か所で接触することになる。
(実施例2)
本実施例の構成が実施例1に記載のプロセスカートリッジと異なるのは、電流経路とそれに付随する装置本体Aとクリーニングユニット60の構成の部分である。ここでは実施例1と異なる部分を詳細に説明する。記載の無い部分は、特に断りのない限り実施例1の構成と同じである。
<クリーニングユニットの構成>
図9を用いて、クリーニングユニット60の構成について説明する。図9はドラムユニット61近傍の装置本体Aの一部を含む断面図である。帯電ローラ66の軸部66aは、長手方向非駆動側でクリーニング枠体71を貫通し、先端はクリーニング枠体71の外側に露出した状態になっており、装置本体AにカートリッジBを装着すると、装置本体Aの高圧電源92bと導通状態となる。本実施例ではこの帯電ローラ66の軸部66aが第一の電極となり、電圧印加時にはここからカートリッジBに電流が流入する。
<駆動伝達時の電流経路>
実施例1同様、装置本体Aの開閉扉13を開けると、装置本体Aに具備された駆動カップリング90が、その回転軸線方向において、カートリッジBと離れる方向に移動する。図6は駆動カップリング90とカートリッジBが離れた状態を示している。つぎに、カートリッジBを装置本体Aに装着する。そして、開閉扉13を閉めることにより、退避位置に移動していた駆動カップリング90は図9中矢印Cの方向、即ちカートリッジB側に移動する。この移動により、駆動カップリング90および被駆動カップリング63の駆動伝達機能部としての駆動力伝達面90cおよび駆動力被伝達面63cが当接する。駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cが当接した状態で、プリント信号が入力されると装置本体Aが備えた不図示のコントローラは高圧電源92から−1kVの電圧を帯電ローラ軸部66aに印加する。これにより、帯電ローラ軸部66a(第1電極)⇒帯電ローラ66(被電圧印加部材)⇒クリーナー枠体駆動側側板71a⇒ドラム軸受72⇒駆動伝達機能部63b⇒駆動力被伝達面63c(兼、第2電極)の順に電流が流れる。そして、駆動力被伝達面63c⇒駆動力伝達面90c⇒静電吸着機能部90g⇒駆動伝達機能部90b⇒駆動側アース電極97を介して、アースへと電流が流れる。これと並行して、帯電ローラ軸部66a⇒帯電ローラ66⇒感光ドラム62⇒フランジ64⇒ドラム軸78⇒アース電極99を介してアースへと電流が流れる。また、並行してクリーナー枠体駆動側側板71aからツェナーダイオード91を介してもアースへと電流が流れ、これにより帯電ローラ66に印加される電圧は安定化する。この電流経路を等価回路で表したものが図13とな
る。
このとき、実施例1同様、ジョンセン・ラーベック力により、駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63cの間の接合面で静電吸着力が発生する。この状態で駆動カップリング90を駆動すると、静電吸着力が駆動力伝達面90cと駆動力被伝達面63c間の摩擦力に変換され、感光ドラム62が駆動される。この時、駆動力被伝達面63cと駆動力伝達面90cの間(接合面)には90μAの電流が流れるとともに、1.1kgf・cmの駆動伝達トルクが得られた。帯電ローラ66には−1kVの電圧が印加され、帯電ローラ66と感光ドラム62の表面の間でパッシェンの法則に基づく放電が起こり、感光ドラム62の表面は−500V程度に帯電される。このときドラム軸78およびアース電極99には放電電流として30μAの電流が流出する。実施例1では駆動力伝達面での電圧降下を見越し、高圧電源92は感光ドラム62の帯電に必要な電圧よりも高い電圧を印加した。しかしながら、本実施例では高圧電源92から帯電ローラ軸部66aの電流経路で電圧降下の要因が無いため、感光ドラム62の帯電に必要な電圧を印加した。
以上説明してきた構成により、装置本体AとカートリッジB間の駆動伝達機能とカートリッジBからの電流流出のための電気接点を駆動力伝達面(被駆動伝達部)1か所に集約することができる。また、帯電ローラ66への電圧印加に用いられる高圧電源92を使い、駆動カップリング90と被駆動カップリング63の接合を行うこともできる。これにより十分な駆動伝達性能と安定した電圧印加を確保した上で、インターフェース構成がシンプルなプロセスカートリッジを提供することができる。
実施例1、2において、所望の駆動伝達力を得る為には、静電吸着機能部90gとしての誘電体の面積、および誘電体に印加する電圧を適宜選択することで対応可能である。また、これらの実施例ではクリーナユニットと現像ユニットを一体に構成したプロセスカートリッジについて記載した。しかしながら、クリーナユニット、現像ユニットがそれぞれ独立してクリーナカートリッジ、または現像カートリッジとして、画像形成装置本体に着脱可能な構成においても適用可能である。また、実施例1、2では被電圧印加部材として感光ドラム62に接触する帯電ローラを例に説明したが、感光ドラム62に接触しないコロナ帯電方式の帯電手段が被電圧印加部材であってもよい。また、被電圧印加部材は現像ローラ32など感光ドラム62にトナーを供給するための現像手段であってもよい。また被電圧印加部材は、クリーニングブレード77等の感光ドラム62の表面からトナーや異物を除去又は清掃するための清掃手段であってもよい。また、被電圧印加部材は転写ローラ7等の感光ドラム62に形成されたトナー像を紙等の被転写体に転写する転写手段や、感光ドラム62に光を照射する光照射手段等の電圧印加が必要な部材であってもよい。また被電圧印加部材は、前述した部材のうちの複数の部材であっても良い。
A…装置本体、B…カートリッジ、62…感光ドラム、63…被駆動カップリング、66…帯電ローラ、90…駆動側カップリング、90g…静電吸着機能部、92…高圧電源、98…給電接点、100…コントローラ

Claims (11)

  1. 画像形成装置の装置本体に着脱可能で、カートリッジであって、
    前記装置本体に備えられた動力源から伝達される駆動力によって回転する回転体と、
    前記回転体に連結されており、前記駆動力によって回転する第1カップリング部材から回転駆動力が伝達されて回転することで、前記駆動力を前記回転体に伝達する第2カップリング部材であって、前記第1カップリング部材と誘電体を介して接合される第2カップリング部材と、
    電圧を印加される被電圧印加部材と、
    を備え、
    前記第1カップリング部材、前記誘電体、前記第2カップリング部材の間の電圧印加によって、前記第2カップリングが前記誘電体に静電吸着され、前記第1カップリング部材の回転方向における前記第1カップリング部材と前記第2カップリング部材との相対移動が規制されるものであり、
    前記被電圧印加部材は、前記相対移動を規制する静電吸着力を発生させる電流経路を介して、前記電圧印加によって電圧が印加されることを特徴とするカートリッジ。
  2. 前記電圧印加は、前記第1カップリング部材もしくは前記被電圧印加部材に接続された電源を用いて行われ、
    前記第1カップリング部材の前記誘電体との接合部を一方の電極、前記第2カップリング部材の前記誘電体との接合部を他方の電極として、
    前記電圧印加により、前記一方の電極に静電誘導、前記誘電体に誘電分極、前記他方の電極に静電誘導がそれぞれ生じることにより、前記静電吸着力が発生することを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記電源が前記第1カップリング部材に接続されている場合において、前記誘電体と前記第2カップリング部材との接合部を通過した電流は、前記被電圧印加部材を介してアースに流れることを特徴とする請求項2に記載のカートリッジ。
  4. 前記電源が前記第1カップリング部材に接続されている場合において、前記被電圧印加部材を通過後、さらに前記誘電体と前記第2カップリング部材との接合部を通過した電流は、前記第1カップリング部材を介してアースに流れることを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
  5. 前記被電圧印加部材に印加される電圧を安定化させる電圧安定化手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  6. 前記被電圧印加部材は、前記回転体を帯電する帯電手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  7. 前記回転体は、静電潜像を形成する像担持体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  8. 前記第2カップリング部材は、前記像担持体の長手方向の一方の端部に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のカートリッジ。
  9. 前記電圧安定化手段は、ツェナーダイオードであることを特徴とする請求項5に記載のカートリッジ。
  10. 前記第2カップリング部材は、前記誘電体と、それぞれ前記第1カップリング部材の回
    転軸に垂直な接合面で互いに接合しており、前記接合面の表面粗さは、Ra=0.2μm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
  11. 動力源を備えた装置本体と、
    前記装置本体に着脱可能な請求項1〜10のいずれか1項に記載のカートリッジと、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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