JP2018179455A - 温水式床暖房システムおよび温水式床暖房システムの運転方法 - Google Patents

温水式床暖房システムおよび温水式床暖房システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】温水式床暖房システムは暖房用のシステムであるため冬季には使用するが、夏季には利用できない。既存の温水式床暖房システムを夏季にも使用するには、冷房用の冷水を生成するための装置をさらに付設しなければならず、簡単に利用できるというものではなかった。【解決手段】本発明の温水式床暖房システムは、熱源手段、熱交換手段、循環手段とを有する熱源ユニットと、放熱パネルと止水手段とをそれぞれ有する複数の放熱ブロックと、熱源手段、循環手段、止水手段を制御する制御手段とを備え、熱源手段が停止状態のときに、複数組の放熱ブロックのうちの任意の放熱ブロックに循環水を搬送させる補助運転を行なうように構成したことを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、熱源機によって加熱された水熱媒を循環させて暖房を行う温水式床暖房システムに関するものである。
従来より、ボイラーなどの熱源機を用いて水熱媒を加熱し、加熱された水熱媒を床暖房パネルに搬送して床暖房パネルで放熱することによって部屋を暖める温水式床暖房システムが知られている。ところで、温水式床暖房システムは暖房用のシステムであるため、冬季には使用するが夏季には使用しない。それに対して、床暖房パネルに加熱された温水の代わりに冷水を流すことによって床冷房として夏季にも利用可能とするシステム(例えば、特許文献1)が開示されている。
特許文献1に記載のシステムは、温水暖房用熱源機、床暖房パネルを備えた既存の温水式床暖房システムに、冷熱供給装置を付設することによって冷水を生成し、床暖房パネルに流すことで夏季の除熱システムとして利用するものである。
特開2014−231922号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、既存の温水式床暖房システムに冷水を生成するための冷熱供給装置を付設し、除熱システムとして構築しなければならず、既存の温水式床暖房システムを簡単に利用できるというものではなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、既存の温水式床暖房システムをそのまま、あるいは簡単な部材を付設することにより、冬季以外においても快適な室内環境のために使用可能な温水式床暖房システムを提供するものである。
この発明にかかる温水式床暖房システムは、熱源手段、熱交換手段、循環手段とを有する熱源ユニットと、放熱パネルと止水手段とをそれぞれ有する複数の放熱ブロックと、熱源手段、循環手段、止水手段を制御する制御手段とを備えていて、熱源ユニットと複数組の放熱ブロックとが配管で接続されて循環水回路を構成し、熱源手段が停止状態のときに、複数組の放熱ブロックのうちの任意の放熱ブロックに循環水を搬送させる補助運転を行なうように構成したことを特徴とする。
この発明は上記のように構成したので、温水式床暖房システムをそのまま、あるいは簡単な部材を付設するだけで、冬季以外においても快適な室内環境のために使用できるという効果が得られる。
この発明の実施の形態1にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図である。 この発明の実施の形態1にかかる温水式床暖房システムの制御動作の一例を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態1にかかる温水式床暖房システムの循環水経路の一例を説明する図である。 この発明の実施の形態1にかかる温水式床暖房システムの制御動作の他の例を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態1にかかる温水式床暖房システムの運転方法を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態2にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図である。 この発明の実施の形態2にかかる温水式床暖房システムの制御動作の一例を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態3にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図である。 この発明の実施の形態3にかかる温水式床暖房システムの制御動作の一例を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態3にかかる温水式床暖房システムの循環水経路の一例を説明する図である。 この発明の実施の形態3にかかる温水式床暖房システムの運転方法を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態4にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図である。 この発明の実施の形態4にかかる温水式床暖房システムの制御動作の一例を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態4にかかる温水式床暖房システムの循環水経路の一例を説明する図である。 この発明の実施の形態5にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図である。 この発明の実施の形態5にかかる温水式床暖房システムの制御動作の一例を示すフローチャート図である。 この発明の実施の形態5にかかる温水式床暖房システムの冷水生成・蓄積段階での循環水経路を説明する図である。 この発明の実施の形態5にかかる温水式床暖房システムの冷水搬送段階での循環水経路を説明する図である。 この発明の実施の形態5にかかる温水式床暖房システムの運転方法を示すフローチャート図である。
以下、この発明にかかる温水式床暖房システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図であり、図2は制御動作の一例を示すフローチャート図、図3は循環水経路の一例を説明する図である。また、図4は制御動作の他の例を示すフローチャート図、図5は実施の形態1にかかる温水式床暖房システムの運転方法を示すフローチャート図である。
まず、図1を用いて実施の形態1にかかる温水式床暖房システムの構成を説明する。図1に示すように、温水式床暖房システム1は、熱源ユニット2と、床暖房パネル8a〜8dを有する放熱ブロック7a〜7dとが配管13で接続された構成となっている。
熱源ユニット2は、冷媒を図示しない圧縮機および膨張弁で圧縮、膨張させて加熱(ヒートポンプ式)する熱源手段としての熱源機3と、熱源機3で加熱した冷媒と水熱媒との間で熱交換を行う熱交換手段としての熱交換ユニット4と、水熱媒を循環水回路内で循環させる循環手段としての循環ポンプ5と、水熱媒のバッファとして働く循環水タンク6とを有している。なお、水熱媒は循環水回路内を循環することから、以後、水熱媒を循環水と言い換えて説明する。
熱源機3と熱交換ユニット4の一次側流路とは冷媒配管で接続され、熱交換ユニット4の二次側流路と循環ポンプ5と循環水タンク6とは温水配管で直列に接続された構成となっている。熱交換ユニット4の一次側流路と二次側流路とは相互に独立しており、冷媒と循環水とが混じり合うことはない。また、温水配管の一端は熱源ユニット2の温水出力端14Aに接続され、温水配管の他端は熱源ユニット2の温水入力端14Bに接続されている。また、熱交換ユニット4から温水出力端14Aへの温水配管部には熱源ユニット2から出て行く循環水の温度を検出する往き水温センサ17Aが設けられ、温水入力端14Bから熱交換ユニット4への温水配管部には放熱ブロック7a〜7dから戻ってくる循環水の温度を検出する戻り水温センサ17Bが設けられている。
なお、本実施の形態においては、熱源機3としてヒートポンプ式のもので説明するが、灯油やガス等の化石燃料の燃焼によって循環水を加熱するボイラー式のものなどであってもよい。
放熱ブロック7は、居室内の床面に設置され、内部に循環水を通水する配管を有する放熱パネルとしての床暖房パネル8と、床暖房パネル8の入口または出口のいずれかに接続され、床暖房パネル8への循環水の通水/遮断を制御可能な止水手段としての止水弁9と、床暖房パネル8が設置された部屋の床温度を検知する温度検知手段としての温度センサ10とで構成された単位を表すものとする。すなわち、放熱ブロック7における循環水の回路としては床暖房パネル8と止水弁9とが直列に接続された構成となっている。
放熱ブロック7は、1台の熱源ユニット2に対して複数台を接続することが可能であり、図1では床暖房を必要とする部屋にそれぞれ設置され、熱源ユニット2に対し、並列に4つの放熱ブロックが配管接続されている例を示す。すなわち、熱源ユニット2の温水出力端14Aに接続された往き配管13Aからそれぞれの放熱ブロック7a〜7dの入口側(すなわち止水弁9a〜9b)に分岐し、それぞれの放熱ブロック7a〜7dの出口側が戻り配管13Bで合流したのち、熱源ユニット2の温水入力端14Bに接続される構成となっている。なお、これらの配管等で構成され、循環水を流すことができる経路全体を、循環水回路と呼ぶことにする。
また、制御手段としての制御装置11は、熱源ユニット2内の熱源機3、循環ポンプ5、各放熱ブロック7内の止水弁9と信号線15で接続されており、それぞれの動作を制御できるものとする。また、制御装置11は、各放熱ブロック7内の温度センサ10、熱源ユニット2内の往き水温センサ17A、戻り水温センサ17Bとそれぞれ信号線16で接続されており、各温度情報を収集することができる。なお、制御装置11は、熱源ユニット2の筐体内に配置されていてもよいし、熱源ユニット2外に配置されていてもよい。
次に、温水式床暖房システム1の基本動作すなわち冬季における通常の暖房運転動作について簡単に説明する。
まず、熱源ユニット2内の熱源機3は、図示しない圧縮機および膨張弁で冷媒を圧縮、膨張させて室外空気から採熱して冷媒を加熱する。加熱された冷媒は熱交換ユニット4の一次側流路を流れ、熱交換ユニット4の二次側流路を流れる循環水との間で熱交換をする。すなわち、循環水が加熱される。加熱された循環水は循環ポンプ5の運転により、温水出力端14Aから往き配管13Aを経由して各放熱ブロック7へと搬送される。各放熱ブロック7内の止水弁9は暖房運転開始の操作指令およびその部屋の床温度に基づき、制御装置11によって開閉を制御されている。したがって、熱源ユニット2から送り出された循環水は止水弁9が開状態である放熱ブロック7の床暖房パネル8には通水されるが、止水弁9が閉状態である放熱ブロック7の床暖房パネル8には通水されない。床暖房パネル8に供給された循環水は床暖房パネル8部で輻射放熱を行い、床暖房パネル8が設置された部屋を暖房する。床暖房パネル8部で放熱した循環水は戻り配管13Bを経由して温水入力端14Bから熱源ユニット2に戻る。そして、再度熱交換ユニット4部で加熱され、以後上記の動作を繰り返す。循環水タンク6は循環水の一時的なバッファとして働く。
次に、図2、図3を用いて、温水式床暖房システム1のこの発明にかかる動作、すなわち夏季において床暖房パネル8が設置されている部屋を快適にするための補助運転動作について説明する。
図2は制御装置11が行う制御動作の一例を示すフローチャート図である。図2において、制御装置11は、まず温水式床暖房システム1が通常運転すなわち冬季における暖房運転を実施しているかどうかを判断する(ステップS1)。通常運転を行なっていない場合はステップS2へ進む。なお、夏季の場合は、暖房運転を実施していないのでステップS2に進む。ステップS2では、熱源機3をOFF、全ての止水弁9を閉状態として、循環ポンプ5をOFFする。次にステップS3に進み、補助運転が許可されているかどうかを判断する。この補助運転の許可は、例えば所定の条件を満たしたら夏季の補助運転を実施することを使用者があらかじめ制御装置11に設定しておくことによるものである。補助運転を実施したい場合は許可を選択しておき、実施したくなければ不許可を選択しておく。補助運転が許可されていなければステップS1に戻り、補助運転が許可されていればステップS4に進む。
ステップS4では各放熱ブロック7の温度センサ10によって各部屋の床温度を測定し、次のステップS5で床温度が最も高い部屋と最も低い部屋とを特定する。すなわち、床温度が最も高い部屋の床暖房パネルと最も低い部屋の床暖房パネルとを特定する。
次のステップS6では、ステップS5で特定した床温度が最も高い部屋と最も低い部屋との温度差が所定の閾値以上であるかどうかを判定する。温度差が所定の閾値以上の場合は、補助運転による部屋間の温度差緩和の効果が大きいと判断して、次のステップS7に進む。温度差が所定の閾値以上でない場合は、補助運転の効果が少ないと判断し、補助運転を終了してステップS1に戻る。
なお、ステップS6における所定の閾値は、使用者が任意に設定可能であるものとする。
ステップS7では、ステップS5での特定結果に基づき、止水弁9の開閉を制御する。例えば、最も床温度の高い部屋に設置された床暖房パネルに接続された止水弁と、最も床温度の低い部屋に設置された床暖房パネルに接続された止水弁とを開状態にする。また、その他の部屋に設置された床暖房パネルに接続された止水弁を全て閉状態にする。この止水弁の状態の一例を図3に示す。図3の例では、最も床温度の高い部屋に設置された放熱ブロック7a(第一の放熱ブロックとする)の止水弁9a(第一の止水手段とする)および最も床温度の低い部屋に設置された放熱ブロック7d(第二の放熱ブロックとする)の止水弁9d(第二の止水手段とする)を開状態(止水弁を白抜きで表示)に、その他の部屋に設置された放熱ブロック7b、7cの止水弁9b、9cを閉状態(止水弁を黒塗りで表示)にしている。
次にステップS8において、循環ポンプ5をONさせる。これによって、止水弁の開いている放熱ブロックの床暖房パネルと熱源ユニット2との間で循環水を循環させることになる。図3の例では、熱源ユニット2の温水出力端14Aから送り出された循環水は、往き配管13Aを経由して止水弁の開放している放熱ブロック7a、7dの床暖房パネル8a、8dにのみ搬送され、床暖房パネル8a、8d内にあった循環水は戻り配管13Bを経由して温水入力端14Bから熱源ユニット2に送られる。床暖房パネル8a、8dからの循環水は、循環水タンク6で混合され、循環水の温度が平均化される。温度が平均化された混合循環水は再び床暖房パネル8a、8dへと送り出される。この循環水の流れを図3内に矢印で示した。すなわち、最も床温度の高い部屋の床暖房パネルの循環水の温度は最も高くなっており、最も床温度の低い部屋の床暖房パネルの循環水の温度は最も低くなっていると想定され、これら2部屋からの循環水を混合して温度を平均化し、その混合循環水を前述した対象2部屋の床暖房パネル部に再分配することによって、対象2部屋の床温度差を緩和することができる。
次のステップS9では、循環ポンプ5の運転開始から所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していなければステップS8に戻る。所定時間が経過した場合は、補助運転を終了し、ステップS1に戻る。この所定時間は、循環ポンプ5の運転により、各床暖房パネル8部の循環水を取り込んで、それらを循環水タンク6で混合し、再び各床暖房パネル8部に送り返して各床暖房パネル8部の循環水温度を平均化するのに必要な時間として設定されている。
なお、所定時間の経過によって補助運転の終了の可否を判定する代わりに、温度センサ10で対象2部屋の床温度を監視し、対象2部屋の床温度差がある閾値以下になったら循環水の温度が平均化できたものとして補助運転を終了させる制御であってもよい。
ステップS1において通常運転を行なっていると判断された場合は、ステップS10に進み、通常運転(冬季における暖房運転)を行う。
なお、ステップS4〜ステップS9の補助運転においては、床暖房パネル7a〜7dでの循環水の放熱・吸熱をし易くするため、循環ポンプ5を低回転運転または一定間隔で運転・停止を繰り返す間欠運転で運転させてもよい。この場合、循環ポンプ5はその回転数を可変できるものとする。
また、常時または一定間隔で各部屋の床温度を検知し、温度が最も高い部屋と最も低い部屋の組合せが変わったら、それに応じて止水弁9a〜9dの開閉を制御してもよい。
以上で説明した補助運転動作を行うことにより、最も床温度の高い部屋の床暖房パネルの循環水と最も床温度の低い部屋の床暖房パネルの循環水とが混合され、循環水の平均化がなされるため、最も床温度の高かった部屋の床温度は低下し、最も床温度の低かった部屋の床温度は上昇する。すなわち、夏季における温水式床暖房システム1の補助運転により、最も床温度の高かった部屋の床温度を低下させることができる。
なお、室温差を緩和する対象の部屋は各部屋の温度検知により自動的に選定されるので、日当たりの良い部屋と悪い部屋があって室温差が大きい場合などに特に効果的である。また、非居住の施設などの広い空間で温度むらがある場合にも有効である。
なお、上記では補助運転を夏季に行うものとして説明したが、冬季に行うようにしてもかまわない。すなわち、冬季においては、温水式床暖房システム1の通常運転を行なっていない(暖房運転停止状態)とき、補助運転によって最も床温度の低い部屋の床温度を上昇させることができる。
また、上記では温度センサ10により床暖房パネル8が設置された部屋の床温度を検知して補助運転の制御に使用したが、床温度の代わりに部屋の室温を検知して補助運転の制御に使用してもよい。
次に、図4を用いて、実施の形態1にかかる温水式床暖房システムの変形例について説明する。変形例では、循環水を搬送する対象の部屋として、最も床温度の高い部屋と最も床温度の低い部屋とを選定するのではなく、ある特定の部屋とその部屋に対して最も効果のある温度の部屋とを対象とするものである。ここで、ある特定の部屋とは、室内温度環境を快適にしたい部屋として使用者があらかじめ任意に設定しておいた部屋(以後、簡単のため「第一の部屋」と表記する)とし、例えば最も在室率の高いリビングなどを選択することができる。設定は、図示しないリモコンなどを操作して制御装置11に登録することによって行われる。
図4は制御装置11が行う制御動作の他の例を示すフローチャート図である。図4において、図2と異なる部分、すなわちステップS11以降の補助運転についてのみ説明する。
ステップS11において、各放熱ブロック7の温度センサ10により、各部屋の床温度を測定し、次に進む。
ステップS12では、ステップS11での温度測定の結果を用い、第一の部屋すなわち使用者によってあらかじめ設定された特定の部屋(例えば放熱ブロック7a(第一の放熱ブロックとする)の設置された部屋)の床温度TAに対し、TAよりも低くて最も温度差の大きい床温度(TX)の部屋(以後、簡単のため「第二の部屋」と表記する)を選定する。
次のステップS13では、第一の部屋の床温度TAと第二の部屋の床温度TXとの温度差が所定の閾値TSH1を超えているか否かを判定する。(TA−TX)>TSH1を満たす場合はステップS14に進み、超えていない場合はステップS1に戻る。
ステップS14では、止水弁の開閉を制御する。第一の部屋に設置された放熱ブロックの止水弁と、第二の部屋に設置された放熱ブロック(第二の放熱ブロックとする)の止水弁とを開状態にする。その他の部屋に設置された放熱ブロックの止水弁は全て閉状態にする。
次にステップS15において、循環ポンプ5をONさせる。これによって、止水弁の開いている放熱ブロックの床暖房パネルと熱源ユニット2との間で循環水を循環させることになる。すなわち、第一の部屋の床暖房パネルの循環水と、第二の部屋の床暖房パネルの循環水とを混合して温度を平均化し、その混合循環水を再び床暖房パネル部に送り出すことによって、対象となる2部屋の床温度が平均化される。
次のステップS16で、各放熱ブロックの温度センサにより再び各部屋の床温度を測定し、次に進む。
ステップS17では、ステップS16での温度測定の結果を用い、止水弁を開状態にしている2部屋の床温度TA’および床温度TX’との温度差が所定の閾値TSH2を超えているか否かを判定する。温度差(TA’−TX’)が所定の閾値TSH2を超えている場合はステップS15に戻り、温度差(TA’−TX’)が所定の閾値TSH2以下になった場合は補助運転を終了し、ステップS1に戻る。
なお、ステップS17で行う補助運転終了の判断は、図2で示したような循環ポンプ5の運転開始から所定時間が経過したか否かで判断してもよい。
以上で説明した補助運転動作を行うことにより、第一の部屋の床暖房パネルの循環水と、第二の部屋の床暖房パネルの循環水とが混合され、循環水の平均化がなされるため、第一の部屋の床温度は低下し、第二の部屋の床温度は上昇する。すなわち、夏季における温水式床暖房システム1の補助運転により、第一の部屋の床温度を低下させることができる。
なお、上記では補助運転を夏季に行うものとして説明したが、冬季に行うようにしてもかまわない。すなわち、冬季においては、温水式床暖房システム1の通常運転を行なっていない(暖房運転停止状態)とき、補助運転によって最も床温度の低い部屋の床温度を上昇させることができる。
ところで、上記で説明した補助運転による効果は、必ずしも本実施の形態に示した構成での運転に限らず、基本的な考え方が同じであれば以下に説明する運転方法を行うことにより得られるものである。
図5を用いて、基本的な運転方法について説明する。
まず、補助運転の前提として、ステップS101で熱源手段を停止する。
次に、ステップS102で第一の放熱パネルの設定、第二の放熱パネルの設定を行う。すなわち、補助運転の対象となる2放熱パネルを設定する(設定ステップ)。設定方法は、前述したように温度が最高の部屋と温度が最低の部屋との組み合わせとしてもよいし、あらかじめ1部屋を設定しておき、その部屋の温度との差が一定以上の部屋との組み合わせとしてもよい。
次に、ステップS103で、第一の放熱パネルと第二の放熱パネルと熱源ユニット間で循環水を循環運転させる(循環ステップ)。
以上に示した運転方法を実行すれば、第一の放熱パネルの床温度と第二の放熱パネルの床温度が平均化され、対象となる部屋、例えば第一の放熱パネルの設置された部屋の温度を下げる(もしくは上げる)ことができる。
実施の形態1では上記のように構成されているため、温水式床暖房システムに特別な部材や装置を付加することなく、冬季以外の季節において、各部屋の室温差を緩和し快適な室内環境を得るために使用できるという効果がある。
また、冬季においても、温水式床暖房システムの熱源機が運転停止しているときに、同様に各部屋の室温差を緩和して快適な室内環境を得るための補助運転を実施することができる。
また、室温差を緩和する対象の部屋として、各部屋の温度検知による自動選定や、使用者による任意設定が可能であるため、温水式床暖房システムが設置されている個々の状況に応じて自由度の高い使い方を選択することが可能である。
実施の形態2.
実施の形態1における温水式床暖房システムでは、温度検知の結果に基づいて選定された部屋あるいはあらかじめ設定された特定の部屋を対象に温度差を緩和するための補助運転を実施する構成とした。実施の形態2における温水式床暖房システムでは、床暖房パネルの設置された部屋に併設された空気調和機の運転に連動して補助運転を実施する構成としたものである。
図6はこの発明の実施の形態2にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図、図7は実施の形態2にかかる温水式床暖房システムの制御動作の一例を示すフローチャート図である。
まず、実施の形態2における温水式床暖房システムの構成について説明する。
図6において、空気調和機18が、温水式床暖房システム100の放熱ブロック7a(第一の放熱ブロックとする)が設置された部屋19に併設されている。空気調和機18と制御装置11とは信号線20で接続されている。その他の構成は実施の形態1(図1)と同じであるため説明を省略する。
次に、実施の形態2における温水式床暖房システムの制御動作の一例について、図7を用いて説明する。なお、図7においては、すでに説明した図4(実施の形態1の制御動作フローチャート図)と異なる部分、すなわちステップS21以降の補助運転に関する処理部についてのみ説明する。
まず、ステップS21において、各放熱ブロック7の温度センサ10により、各部屋の床温度を測定し、次に進む。
ステップS22では、空気調和機18が運転を開始したかどうかを判定する。空気調和機18が運転を開始している場合はステップS23に進み、運転を開始していない場合はステップS1に戻って補助運転を行わない。ステップS23では、空気調和機18が設置された部屋19の検知床温度(TA)との温度差が所定の閾値TSH3以上の床温度を検知した部屋があるかどうかを判定する。温度差が所定の閾値を超える部屋がある場合(TA−TX>TSH3)はステップS24に進み、所定の閾値を超える温度差の部屋がない場合(TA−TX≦TSH3)はステップS1に戻って補助運転を行わない。
ステップS24では、止水弁9の開閉を制御する。空気調和機18が併設された部屋19に設置された放熱ブロックの止水弁と、空気調和機18が併設された部屋との温度差が所定の閾値TSH3を超える部屋(以後、簡単のため「選定された部屋」と表記する)に設置された放熱ブロックの止水弁とを開状態にする。その他の部屋に設置された放熱ブロックの止水弁は全て閉状態にする。
次にステップS25において、循環ポンプ5をONさせる。これによって、止水弁の開いている放熱ブロックの床暖房パネルと熱源ユニット2との間で循環水を循環させることになる。すなわち、空気調和機18が併設された部屋19の床暖房パネルの循環水と、選定された部屋の床暖房パネルの循環水とを混合して温度を平均化し、その混合循環水を再び床暖房パネル部に送り出すことによって、対象となる2部屋の床温度が平均化される。
次のステップS26で、各放熱ブロック7の温度センサ10により、再び各部屋の床温度を測定し、次に進む。
ステップS27では、ステップS26での温度測定の結果を用い、止水弁を開状態にしている2部屋の床温度TA’および床温度TX’との温度差が所定の閾値TSH4を超えているか否かを判定する。温度差(TA’−TX’)が所定の閾値TSH4を超えている場合はステップS25に戻り、温度差(TA’−TX’)が所定の閾値TSH4以下になった場合は補助運転を終了し、ステップS1に戻る。
なお、ステップS27で行う補助運転終了の判断は、図2で示したような循環ポンプ5の運転開始から所定時間が経過したか否かで判断してもよいし、往きの循環水と戻りの循環水との温度差がある閾値以下になったか否かで判断してもよい。
以上で説明した補助運転動作を行うことにより、空気調和機18が併設された部屋19の床暖房パネルの循環水と、選定された部屋の床暖房パネルの循環水とが混合され、循環水の平均化がなされるため、空気調和機18が併設された部屋19の床温度は低下し、選定された部屋の床温度は上昇する。すなわち、夏季における温水式床暖房システム100の補助運転により、空気調和機18が併設された部屋19の床温度を低下させることができる。したがって、空気調和機18の空調負荷が軽減されるため、省エネ効果が得られる。
なお、上記では補助運転を夏季に行うものとして説明したが、冬季に行うようにしてもかまわない。すなわち、冬季においては、温水式床暖房システム100が通常運転を行なっていない(暖房運転停止状態)ときで、かつ空気調和機18が運転(暖房)を開始する際に、補助運転によって空気調和機18が併設された部屋19の床温度を上昇させることができる。
また、上記では空気調和機18が運転を開始した場合に補助運転を行なうとして説明したが、空気調和機18がタイマーによる運転予約など運転を開始する時刻がわかっている場合はその情報を取り込むことによって、運転開始時刻よりも一定時間前の時刻に補助運転を開始してもよい。
実施の形態2では上記のように構成されているため、温水式床暖房システムに特別な部材や装置を付加することなく、冬季以外の季節において、各部屋の室温差を緩和し快適な室内環境を得るために使用できるという効果がある。
また、冬季においても、温水式床暖房システムの熱源機が運転停止しているときに、同様に各部屋の室温差を緩和して快適な室内環境を得るための補助運転を実施することができる。
また、空気調和機の運転に連動して、室温差を緩和する補助運転を実施するので、空気調和機の空調負荷を軽減することができ、省エネに対して有効である。
実施の形態3.
実施の形態1、2における温水式床暖房システムでは、対象とする2部屋の床暖房パネル部の循環水を混合し、再分配する補助運転によって、2部屋間の室温差を緩和する構成とした。実施の形態3における温水式床暖房システムでは、循環水の混合による補助運転ではなく、対象とする2部屋の床暖房パネル間で直接循環水を循環させることによって室温差を緩和する構成としたものである。
図8はこの発明の実施の形態3にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図であり、図9は制御動作の一例を示すフローチャート図、図10は循環水経路の一例を説明する図、図11は実施の形態3にかかる温水式床暖房システムの運転方法を示すフローチャート図である。
まず、図8を用いて実施の形態3にかかる温水式床暖房システム200の構成を説明する。
図8において、往き配管13Aの途中に第二の循環手段としての補助循環ポンプ21が配置されている。図8の例では、補助循環ポンプ21は放熱ブロック7aと放熱ブロック7bとの間の往き配管13A上に配置されている。
また、補助循環ポンプ21と制御装置11とは信号線15で接続されている。
その他の構成は実施の形態1(図1)と同じであるため説明を省略する。
次に、図9、図10を用いて、温水式床暖房システム200の補助運転動作の一例について説明する。なお、図9のフローチャート図においては、すでに説明した図2(実施の形態1の制御動作フローチャート図)と異なる部分、すなわちステップS30およびステップS31以降の補助運転に関する処理部についてのみ説明する。
ステップS1で通常運転すなわち冬季における暖房運転を行なっていないと判定した後のステップS30では、実施の形態1と同様に熱源機3をOFF、全ての止水弁を閉状態、循環ポンプ5をOFFとし、さらに補助循環ポンプ21もOFFにしておく。
次に、ステップS31以降の補助運転について説明する。
ステップS31では、各放熱ブロック7の温度センサ10によって各部屋の床温度を測定し、次のステップS32で補助運転が可能な部屋の中で床温度が最も高い部屋と最も低い部屋とを特定する。すなわち、床温度が最も高い部屋の床暖房パネルと最も低い部屋の床暖房パネルとを特定する。
次のステップS33では、ステップS32で特定した床温度が最も高い部屋と最も低い部屋との温度差が所定の閾値以上であるかどうかを判定する。温度差が所定の閾値以上の場合は、補助運転による温度差緩和の効果が大きいと判断して、次のステップS34に進む。温度差が所定の閾値以上でない場合は、補助運転の効果が少ないと判断し、補助運転を終了してステップS1に戻る。
なお、ステップS33における所定の閾値は、使用者が任意に設定可能であるものとする。
ステップS34では、ステップS32での特定結果に基づき、止水弁9の開閉を制御する。例えば、最も床温度の高い部屋に設置された床暖房パネルに接続された止水弁と、最も床温度の低い部屋に設置された床暖房パネルに接続された止水弁とを開状態にする。また、その他の部屋に設置された床暖房パネルに接続された止水弁を全て閉状態にする。この止水弁の状態の一例を図10に示す。図10の例では、最も床温度の高い部屋に設置された放熱ブロック7a(第一の放熱ブロックとする)の止水弁9a(第一の止水手段とする)および最も床温度の低い部屋に設置された放熱ブロック7d(第二の放熱ブロックとする)の止水弁9d(第二の止水手段とする)を開状態(止水弁を白抜きで表示)に、その他の部屋に設置された放熱ブロック7b、7cの止水弁9b、9cを閉状態(止水弁を黒塗りで表示)にしている。
次にステップS35において、補助循環ポンプ21をONさせる。これによって、止水弁の開いている2放熱ブロックの床暖房パネルの間で循環水の移動を行う。図10の例では、補助循環ポンプ21の運転により、床暖房パネル8a内にあった循環水が戻り配管13Bを経由して床暖房パネル8d部に移動し、床暖房パネル8d内にあった循環水が開状態の止水弁9d、往き配管13A、開状態の止水弁9aを経由して床暖房パネル8a部に移動する。この循環水の流れを図10内に矢印で示した。すなわち、最も床温度の高い部屋の床暖房パネルの循環水の温度は最も高くなっており、最も床温度の低い部屋の床暖房パネルの循環水の温度は最も低くなっていると想定され、これら2部屋の循環水を入れ換えることによって、最も床温度の高い部屋の床温度を下げることができる。
次のステップS36では、補助循環ポンプ21の運転開始から所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していなければステップS35に戻る。所定時間が経過した場合は、補助運転を終了し、ステップS1に戻る。この所定時間は、補助循環ポンプ21の運転により各床暖房パネル8部の循環水を入れ換えるのに必要な時間として設定しておく。
なお、図8では補助循環ポンプ21が放熱ブロック7aと放熱ブロック7bとの間の往き配管13A上に配置されている例を示したが、補助循環ポンプ21の配置箇所は放熱ブロック7bと放熱ブロック7cとの間、あるいは放熱ブロック7cと放熱ブロック7dとの間の往き配管13A上であってもよい。さらに、放熱ブロック7a〜放熱ブロック7dの間の戻り配管13B上に配置されていてもよい。
ただし、補助循環ポンプ21の配置箇所により、循環水を入れ換えできる床暖房パネルの組み合わせが限られるため、あらかじめ、入れ換えすると効果的な床暖房パネルの組み合わせを選択し、配置箇所を決定するとよい。空気調和機の負荷低減が目的である場合は、空気調和機が併設された部屋と他の部屋を循環できるように配置する。図8の例では、床暖房パネル8aと、床暖房パネル8b〜8dのそれぞれとの間で循環水の入れ換えが可能となるが、床暖房パネル8bと床暖房パネル8c、床暖房パネル8bと床暖房パネル8d、床暖房パネル8cと床暖房パネル8dの間での循環水の入れ換えはできない。
以上で説明した補助運転動作を行うことにより、循環水の入れ換えができる床暖房パネルの中で最も床温度の高い部屋の床暖房パネルの循環水と最も床温度の低い部屋の床暖房パネルの循環水とを入れ換えることができるため、最も床温度の高かった部屋の床温度は低下し、最も床温度の低かった部屋の床温度は上昇する。すなわち、夏季における温水式床暖房システム200の補助運転により、最も床温度の高かった部屋の床温度を低下させることができる。
なお、上記構成の場合、実施の形態1、2のように循環水を混合して温度を平均化してから再分配する方法と異なり、温度差のある循環水をそのまま入れ換える方法なので、温度差を緩和する効果は実施の形態1、2の方法よりも大きいと言える。
なお、上記では温度検知により最も床温度の高かった部屋と最も床温度の低かった部屋との間で循環水の入れ換えを行うものとして説明したが、実施の形態1、2に示したように、使用者が室内温度環境を快適にしたい対象の部屋をあらかじめ設定しておいてもよいし、空気調和機の運転と連動させてもよい。
また、居住者が部屋を移動する場合に、それに合わせて循環水を移動させるようにしてもよい。
なお、上記では補助運転を夏季に行うものとして説明したが、冬期に行うようにしてもかまわない。例えば、温水式床暖房システム200の通常運転前に、補助運転によって最も床温度の高い部屋の循環水を最も床温度の低い部屋に移動することで、温水式床暖房システム200の通常運転時の暖房負荷を軽減することができる。
また、上記では温度センサ10により床暖房パネル8が設置された部屋の床温度を検知して補助運転の制御に使用したが、床温度の代わりに部屋の室温を検知して補助運転の制御に使用してもよい。
ところで、上記で説明した補助運転による効果は、必ずしも本実施の形態に示した構成での運転に限らず、基本的な考え方が同じであれば以下に説明する運転方法を行うことにより得られるものである。
図11を用いて、基本的な運転方法について説明する。
まず、補助運転の前提として、ステップS201で熱源手段を停止する。
次に、ステップS202で第一の放熱パネルの設定、第二の放熱パネルの設定を行う。すなわち、補助運転の対象となる2放熱パネルを設定する(設定ステップ)。設定方法は、前述したように温度が最高の部屋と温度が最低の部屋との組み合わせとしてもよいし、あらかじめ1部屋を設定しておき、その部屋の温度との差が一定以上の部屋との組み合わせとしてもよい。
次に、ステップS203で、第二の放熱パネルから第一の放熱パネルへと循環水を移動させる(移動ステップ)。
以上に示した運転方法を実行すれば、第二の放熱パネルの循環水が第一の放熱パネル部に移動するので、第一の放熱パネルの設置された部屋の温度を下げる(もしくは上げる)ことができる。
実施の形態3では上記のように構成されているため、温水式床暖房システムの配管部に補助循環ポンプを付加するだけで、冬季以外の季節において、各部屋の室温差を緩和し快適な室内環境を得るために使用できるという効果がある。
また、冬季においても、温水式床暖房システムの熱源機が運転停止しているときに、同様に各部屋の室温差を緩和して快適な室内環境を得るための補助運転を実施することができる。
また、温度差のある循環水を混合することなく対象2部屋間でそのまま入れ換えるため、2部屋の室温差の緩和効果が大きいという特徴がある。
実施の形態4.
実施の形態3における温水式床暖房システムでは、補助循環ポンプを用い、対象とする2部屋間で循環水を移動させて室温差を緩和する構成とした。実施の形態4における温水式床暖房システムでは、補助止水弁および三方弁を用いて、対象とする2部屋間で循環水を移動させることによって室温差を緩和する構成としたものである。
図12はこの発明の実施の形態4にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図であり、図13は制御動作の一例を示すフローチャート図、図14は循環水経路の一例を説明する図である。
まず、図12を用いて実施の形態4にかかる温水式床暖房システム300の構成を説明する。
図12において、戻り配管13Bの途中に、三方向に接続された配管部において循環水の流路を切り換えることが可能な、流路切替手段としての三方弁23が配置されている。具体的には、熱源ユニット2の温水入力端14B側の配管に三方弁23の第一の接続口Aを接続、各放熱ブロック7a〜7d側の配管に三方弁23の第二の接続口Bを接続する。
また、それぞれの放熱ブロック7内において、止水弁9と床暖房パネル8の入口側との間から配管を分岐させ、その分岐配管に循環水の通水/遮断が制御可能な、補助止水手段としての補助止水弁22を接続する。各放熱ブロック7a〜7dの各補助止水弁22a〜22d以降の配管は補助配管13Cに合流し、その後三方弁23の第三の接続口Cに接続される。
また、三方弁23と制御装置11、および補助止水弁22a〜22dと制御装置11とは信号線15で接続されている。
制御装置11により、三方弁23は、第一の接続口A−第二の接続口B間で通水(第三の接続口Cが遮断)の状態、あるいは第一の接続口A−第三の接続口C間で通水(第二の接続口Bが遮断)の状態のいずれかに切り換えできるものとする。
また、制御装置11により、各補助止水弁22a〜22dはそれぞれ通水/遮断を制御できるものとする。
なお、通常の床暖房運転の際は、補助止水弁22a〜22dは全て閉状態、三方弁23は第一の接続口A−第二の接続口B間で通水(第三の接続口Cが遮断)の状態になっている。
その他の構成は実施の形態1(図1)と同じであるため説明を省略する。
次に、図13、図14を用いて、温水式床暖房システム300の補助運転動作の一例について説明する。なお、図13のフローチャート図においては、すでに説明した図2(実施の形態1の制御動作フローチャート図)と異なる部分、すなわちステップS40およびステップS41以降の補助運転に関する処理部についてのみ説明する。
ステップS1で通常運転すなわち冬季における暖房運転を行なっていないと判定した後のステップS40では、実施の形態1と同様に熱源機3をOFF、全ての止水弁を閉状態、循環ポンプ5をOFFするのに加え、全ての補助止水弁も閉状態にしておく。
次に、ステップS41以降の補助運転について説明する。
ステップS41では、各放熱ブロック7の温度センサ10によって各部屋の床温度を測定し、次のステップS42で床温度が最も高い部屋と最も低い部屋とを特定する。すなわち、床温度が最も高い部屋の床暖房パネルと最も低い部屋の床暖房パネルとを特定する。
次のステップS43では、ステップS42で特定した床温度が最も高い部屋と最も低い部屋との温度差が所定の閾値以上であるかどうかを判定する。温度差が所定の閾値以上の場合は、補助運転による温度差緩和の効果が大きいと判断して、次のステップS44に進む。温度差が所定の閾値以上でない場合は、補助運転の効果が少ないと判断し、補助運転を終了してステップS1に戻る。
なお、ステップS43における所定の閾値は、使用者が任意に設定可能であるものとする。
ステップS44では、ステップS42での特定結果に基づき、止水弁9および補助止水弁22の開閉を制御する。例えば、最も床温度の高い部屋に設置された床暖房パネルに接続された補助止水弁と、最も床温度の低い部屋に設置された床暖房パネルに接続された止水弁とを開状態にする。すなわち、移動元の放熱ブロックの止水弁と、移動先の放熱ブロックの補助止水弁を開状態にする。また、その他の止水弁および補助止水弁は全て閉状態にする。この止水弁および補助止水弁の状態の一例を図14に示す。図14の例では、最も床温度の高い部屋に設置された放熱ブロック7a(第一の放熱ブロックとする)の補助止水弁22a(第一の補助止水手段とする)および最も床温度の低い部屋に設置された放熱ブロック7d(第二の放熱ブロックとする)の止水弁9d(第二の止水手段とする)を開状態(止水弁、補助止水弁を白抜きで表示)に、その他の止水弁9a、9b、9cおよび補助止水弁22b、22c、22dを閉状態(止水弁、補助止水弁を黒塗りで表示)にしている。
また、三方弁23の第一の接続口A−第三の接続口C間を通水状態(白抜きで表示)に、第二の接続口Bを遮断状態(黒塗りで表示)にする。
次にステップS45において、循環ポンプ5をONさせる。これによって、止水弁あるいは補助止水弁の開いている2放熱ブロックの床暖房パネルの間で循環水の移動を行う。図14の例では、循環ポンプ5の運転により、床暖房パネル8a内にあった循環水は補助止水弁22a、補助配管13Cを経て、三方弁23の第三の接続口Cから第一の接続口Aに抜け、温水入力端14Bから熱源ユニット2内に移動し、循環水タンク6、循環ポンプ5、熱交換ユニット4の二次側流路を経て、温水出力端14Aから熱源ユニット2外に送り出される。その後、循環水は、止水弁9dを経由して床暖房パネル8d内に移動し、床暖房パネル8d内の循環水は床暖房パネル8a内に移動する。この循環水の流れを図14内に矢印で示した。すなわち、最も床温度の低い部屋の床暖房パネル8dの循環水を、最も床温度の高い部屋の床暖房パネル8a部に移動させることによって、最も床温度の高い部屋の床温度を下げることができる。
次のステップS46では、循環ポンプ5の運転開始から所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していなければステップS45に戻る。所定時間が経過した場合は、補助運転を終了し、ステップS1に戻る。この所定時間は、循環ポンプ5の運転により、対象とする温度が最も低い部屋の床暖房パネル部の循環水を温度が最も高い部屋の床暖房パネル部へ移動するのに必要な時間として設定しておく。
以上で説明した補助運転動作を行うことにより、最も床温度の低い部屋の床暖房パネルの循環水を最も床温度の高い部屋の床暖房パネル部に移動することができるため、最も床温度の高かった部屋の床温度は低下する。すなわち、夏季における温水式床暖房システム300の補助運転により、最も床温度の高かった部屋の床温度を低下させることができる。
なお、上記構成の場合、実施の形態1、2のように循環水を混合して温度を平均化してから再分配する方法と異なり、床温度の高い部屋の床暖房パネル部に最も温度の低い循環水をそのまま移動する方法なので、床温度の高い部屋の床温度を低下させる効果は実施の形態1、2の方法よりも大きい。
さらに、実施の形態3の構成では補助循環ポンプ21の設置位置によっては循環水の入れ換えができない組合せの部屋が存在したが、本実施の形態の構成では任意の2部屋の間で循環水の移動が可能である。すなわち、止水弁、補助止水弁の開閉の組合せを選択することにより、任意の2床暖房パネルを直列に接続し、さらにその2床暖房パネルのいずれを上流側にするかを選択できる。この場合、下流側の部屋が上流側の部屋からの循環水移動により温度を下げたい対象の部屋となる。また、2床暖房パネルの直列だけでなく、複数の並列状態の床暖房パネル同士を直列に接続することも可能である。これによって一度の補助運転で複数の部屋の温度を下げることも可能となる。
なお、上記では温度検知により最も床温度の高かった部屋と最も床温度の低かった部屋との間で循環水の移動を行うものとして説明したが、実施の形態1、2に示したように、使用者が室内温度環境を快適にしたい対象の部屋をあらかじめ設定しておいてもよいし、空気調和機の運転と連動させてもよい。
また、居住者が部屋を移動する場合に、それに合わせて循環水を移動させるようにしてもよい。
なお、上記では補助運転を夏季に行うものとして説明したが、冬季に行うようにしてもかまわない。例えば、温水式床暖房システム300の通常運転前に補助運転によって最も床温度の高い部屋の循環水を最も床温度の低い部屋に移動することで、温水式床暖房システム300の通常運転時の暖房負荷を軽減することができる。
また、上記では温度センサ10により床暖房パネル8が設置された部屋の床温度を検知して補助運転の制御に使用したが、床温度の代わりに部屋の室温を検知して補助運転の制御に使用してもよい。
なお、実施の形態4の温水式床暖房システムにおける運転方法は、実施の形態3の図11で説明した運転方法に含まれるものである。
実施の形態4では上記のように構成されているため、各放熱ブロックに補助止水弁を追加し、温水式床暖房システムの配管部に三方弁を追加して配管で接続することによって、冬季以外の季節において各部屋の室温差を緩和し快適な室内環境を得るために使用できるという効果がある。
また、冬季においても、温水式床暖房システムの熱源機が運転停止しているときに、同様に各部屋の室温差を緩和して快適な室内環境を得るための補助運転を実施することができる。
また、温度差のある循環水を混合することなく対象2部屋間でそのまま入れ換えるため、2部屋の室温差の緩和効果が大きいという特徴がある。
実施の形態5.
実施の形態1〜4における温水式床暖房システムでは、熱源機3が停止している状態で、選定あるいは設定された2部屋と熱源ユニット2間での循環水の循環あるいは2部屋間での循環水の移動によって、2部屋間の室温差を緩和する構成とした。実施の形態5における温水式床暖房システムでは、まず熱源機3の運転により冷水を生成し、次にその冷水を対象とする部屋に移動させることによってその部屋の室温を低下させる構成としたものである。
図15はこの発明の実施の形態5にかかる温水式床暖房システムのブロック構成図であり、図16は制御動作の一例を示すフローチャート図、図17−1は冷水生成・蓄積段階での循環水経路を説明する図、図17−2は冷水搬送段階での循環水経路を説明する図、図18は実施の形態5にかかる温水式床暖房システムの運転方法を示すフローチャート図である。
まず、図15を用いて実施の形態5にかかる温水式床暖房システム400の構成を説明する。
図15において、熱源機3はヒートポンプ式であるものとする。また、熱源ユニット2内において、温水出力端14A側の配管部と温水入力端14B側の配管部とを連結するバイパス配管24が設けられている。
その他の構成は実施の形態2(図6)と同じであるため説明を省略する。
次に、図16、図17−1、図17−2を用いて、温水式床暖房システム400の補助運転動作の一例について説明する。なお、図16のフローチャート図においては、すでに説明した図2(実施の形態1の制御動作フローチャート図)と異なる部分、すなわちステップS51以降の補助運転に関する処理部についてのみ説明する。
まず、ステップS51において、各放熱ブロック7の温度センサ10によって各部屋の室温を測定し、次に進む。
ステップS52では、空気調和機18が運転を開始したかどうかを判定する。空気調和機18が運転を開始している場合はステップS53に進み、運転を開始していない場合はステップS1に戻って、補助運転を行わない。
ステップS53では、全ての止水弁を閉じた状態にして、熱源機3および循環ポンプ5の運転を開始する。ただし、熱源機3は通常の暖房運転時における外気から冷媒に採熱する運転ではなく、冷媒から外気に放熱する運転を行なう。これによって熱交換ユニット4の一次側流路には、低温になった冷媒が流れる。また、全ての止水弁を閉状態として循環ポンプ5を運転させると、熱源ユニット2外に循環水を送出することができないため、熱源ユニット2内の循環水は熱交換ユニット4の二次側流路内から出た後、バイパス配管24でバイパスし、循環水タンク6、循環ポンプ5を経由して熱交換ユニット4に戻る。すなわち、循環水は熱源ユニット2外には送出されず、熱源ユニット2内の経路を循環しながら、熱交換ユニット4部で温度を低下させていく。
この時の止水弁の状態と循環水の流れを図17−1に示す。図17−1では全ての止水弁を閉状態(黒塗りで表示)にしているので、循環ポンプ5を運転すると、循環水は放熱ブロック側へは流れ出ることができず、バイパス配管24を経由して戻り、熱源ユニット2内で循環する。この循環水の流れを図17−1内に矢印で示した。
これにより、熱源ユニット2内を循環する循環水は循環水タンク6を含めても少量であるため、短時間で低温にすることができる。
次にステップS54において、熱源ユニット2の配管内の循環水温度を、例えば往き水温センサ17Aによって測定し、あらかじめ定められた所定値以下で安定したかどうかを判定する。すなわち、熱源機3の運転によって、熱源ユニット2内の循環水が循環水タンク6内の分も含めてある温度まで冷えたかどうかを判定する。所定値以下で安定していない場合はステップS53に戻って熱源機3の運転を継続する。所定値以下で安定した状態になった場合はステップS55に進む。
このとき、熱源ユニット2内の配管部および循環水タンク6には低温の循環水が生成されたことになる(冷水の生成と蓄積段階)。
ステップS55では、熱源機3の運転を停止し、空気調和機18が併設された部屋19の放熱ブロック7aの止水弁9aを開状態にする。他の止水弁9b〜9dは閉状態のままとする。その状態で循環ポンプ5を運転させる。
これによって熱源ユニット2内の循環水は温水出力端14Aから外部に送出され、往き配管13Aを経由して、止水弁が開状態である放熱ブロック7a内の床暖房パネル8aを通過し、戻り配管13Bを経由して、温水入力端14Bから熱源ユニット2内に戻る。なお、循環水は止水弁が閉状態である他の放熱ブロックの床暖房パネルには送られない。
この時の止水弁の状態と循環水の流れを図17−2に示す。図17−2では、放熱ブロック7aの止水弁9aを開状態(白抜きで表示)に、他の止水弁9b〜9dを閉状態(黒塗りで表示)にしているので、循環ポンプ5を運転すると、循環水は温水出力端14Aから出て、止水弁が開状態である放熱ブロック7a内の床暖房パネル8aを通過し、温水入力端14Bから熱源ユニット2内に戻ってくる。この循環水の流れを図17−2内に矢印で示した。
これにより、床暖房パネル7a内にあった循環水と熱源ユニット2で生成した低温の循環水を混合しながら循環させることで床暖房パネル7a部の床温を低下させ、結果として室温を下げることができる。
なお、熱源ユニット2内で生成した少量の低温循環水を熱源機3の運転を停止した状態で対象の放熱ブロック7に循環させるので、冷却能力が抑えられて循環水を冷却しすぎることがなく、結露の発生を防止することができる。熱源機3の運転による冷却を行いながら循環水を循環させると、冷却しすぎて結露を発生させる恐れがあるため、露点温度を監視しながら熱源機3の運転を調整するという複雑な制御を実施する必要があるが、本実施の形態に示したように、少量の循環水を冷却した後、冷却動作を停止した状態で循環水を循環させることで、冷却能力を十分に抑えることができるので、結露に対する制御を不要とすることが可能となる。
次にステップS56において、熱源ユニット2の出口側の循環水温度を往き水温センサ17Aで、入口側の循環水温度を戻り水温センサ17Bで測定し、往きと戻りとで循環水の水温に差があるかどうかを比較する。水温差がある閾値以上であれば、まだ床暖房パネル8a内の循環水と熱源ユニット2内の低温循環水の混合が十分でないとしてステップS55に戻り、熱源ユニット2と放熱ブロック7aとの間で循環水の循環を継続して行う。水温差がある閾値未満になれば、十分に循環水が混合されたとしてステップS57に進む。
このステップS55〜ステップS56において、熱源ユニット2内の低温循環水を床暖房パネル7aに搬送して、床暖房パネル7aが設置された部屋の床温度を下げる運転を行なうことになる(冷水の搬送段階)。
ステップS57では、空気調和機18が併設された部屋19の室温が空気調和機18の設定温度に達したかどうかを判定する。達していなければ、補助運転の効果が期待できる余地がまだあるとして、ステップS53に戻って、再び冷水を生成し、蓄積する段階から以降の運転を繰り返す。達していれば、補助運転の必要がなくなったとして、補助運転を終了する。ここではステップS57を補助運転の継続/終了の判定処理として説明したが、ステップS53の前に置いて補助運転の開始の要否の判定処理としてもよい。また、空気調和機18が併設された部屋19の室温と空気調和機18の設定温度との差が所定の閾値以上か否かで判定してもよい。また、空気調和機18が併設された部屋19の床温度を用いてもよい。
なお、上記説明では、床暖房パネル7a内の循環水と熱源ユニット2で生成した低温循環水の混合が十分であるかどうかを判定するために、ステップS56において、往きと戻りとで循環水の水温に差があるかどうかを比較する例を示したが、混合させるのではなく、熱源ユニット2で生成した低温循環水をそのまま床暖房パネル7a部に移動させて対象とする部屋の床温を下げる場合は、前述したような所定時間が経過したかどうかで判断してもよい。
以上で説明した補助動作を行うことにより、熱源ユニット2で生成した低温の循環水を空気調和機18が併設された部屋19の床暖房パネルに送るため、空気調和機18が併設された部屋19の床温度を低下させる。すなわち、夏季における温水式床暖房システム400の補助運転により、空気調和機18が併設された部屋19の室温を低下させることができる。したがって、空気調和機18の空調負荷が軽減され、省エネ効果が得られる。
なお、上記では空気調和機18が運転を開始した場合に補助運転を行なうとして説明したが、空気調和機18がタイマーによる運転予約など運転を開始する時刻がわかっている場合はその情報を取り込むことによって、運転開始時刻よりも一定時間前の時刻に補助運転を開始してもよい。
上記においては、空気調和機18の空調負荷を軽減するための補助運転として説明したが、冷房負荷が小さい場合には、温水式床暖房システム400単独での運転でも効果が得られる。すなわち、あらかじめ設定された特定の部屋の温度が所定値以上に上昇したら、温度環境を緩和するための運転として温水式床暖房システム400のみで補助運転を実行してもよい。
また、上記で説明した温水式床暖房システム400の構成では、熱源ユニット2内において温水出力端14A側の配管部と温水入力端14B側の配管部とを連結するバイパス配管24が設けられていると説明したが、バイパス配管24部にさらに止水弁を加えた構成としてもよい。すなわち、通常の暖房運転などにおいては、循環水を熱源ユニット2の温水出力端14Aから各放熱ブロックに送り、温水入力端14Bから熱源ユニット2内に戻しているが、バイパス配管24があるとそこでショートカットする循環水が発生する恐れがある。それを回避するために、止水弁でバイパス経路を閉じるようにしてもよい。
ところで、上記で説明した補助運転による効果は、必ずしも本実施の形態に示した構成での運転に限らず、基本的な考え方が同じであれば以下に説明する運転方法を行うことにより得られるものである。
図18を用いて、基本的な運転方法について説明する。まず、ステップS301において、第一の放熱パネルの設定を行う。すなわち、補助運転の対象となる放熱パネルを設定する(設定ステップ)。設定方法は、前述したように空気調和機が併設された部屋の放熱パネルとしてもよいし、あらかじめ設定しておいた1部屋でもよい。また、温度が一定以上になった部屋としてもよい。
次に、ステップS302に進み、熱源手段を運転することによって低温循環水を生成し、蓄積する(蓄積ステップ)。
次に、ステップS303に進み、熱源手段を停止して循環水の冷却を終了させる。
最後に、ステップS304で、生成、蓄積した低温循環水を第一の放熱パネルへと移動させる(搬送ステップ)。
以上に示した運転方法を実行すれば、低温循環水を生成して第一の放熱パネル部に移動するので、第一の放熱パネルの設置された部屋の温度を下げることができる。
実施の形態5では上記のように構成されているため、熱源ユニットで生成した低温循環水を対象とする部屋の床暖房パネルに搬送することによって、冬季以外の季節において対象とする部屋の室温を下げて快適な室内環境を得るために使用できるという効果がある。
また、空気調和機の運転に連動して補助運転を実施し、空気調和機の空調負荷を軽減することができるので、省エネに対して有効である。
1、100、200、300、400 温水式床暖房システム
2 熱源ユニット
3 熱源機
4 熱交換ユニット
5 循環ポンプ
6 循環水タンク
7a〜7d 放熱ブロック
8a〜8d 床暖房パネル
9a〜9d 止水弁
10a〜10d 温度センサ
11 制御装置
13A 往き配管
13B 戻り配管
13C 補助配管
14A 温水出力端
14B 温水入力端
15 信号線
16 信号線
17A 往き水温センサ
17B 戻り水温センサ
18 空気調和機
19 空気調和機が併設された部屋
20 信号線
21 補助循環ポンプ
22a〜22d 補助止水弁
23 三方弁
24 バイパス配管

Claims (14)

  1. 熱を発生させる熱源手段と、前記熱源手段で発生させた熱を循環水に伝える熱交換手段と、前記循環水を外部に搬送し循環させる循環手段とを有する熱源ユニットと、
    内部配管を通る循環水の熱を放熱する放熱パネルと、前記放熱パネルに直列に設けられ前記放熱パネルへの前記循環水の通過あるいは遮断を制御する止水手段とを有する放熱ブロックと、
    前記熱源手段、前記循環手段、前記止水手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記熱源ユニットと複数組の前記放熱ブロックとが配管で接続されて循環水回路を構成し、
    前記制御手段は、前記熱源手段が停止状態のときに、複数組の前記放熱ブロックのうちの任意の放熱ブロックに前記循環水を搬送させる補助運転を行なう
    ことを特徴とする温水式床暖房システム。
  2. 前記循環水回路は、前記熱源ユニットに対し、少なくとも第一の放熱ブロックと第二の放熱ブロックとが並列に接続された構成であり、
    前記制御手段は、前記熱源手段が停止状態のときに、前記第一の放熱ブロック内の第一の止水手段と前記第二の放熱ブロック内の第二の止水手段とをのみ開いて、前記循環手段を動作させる補助運転を行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房システム。
  3. 前記循環水回路は、前記熱源ユニットに対し、少なくとも第一の放熱ブロックと第二の放熱ブロックとが並列に接続された構成であり、
    前記第一の放熱ブロックと前記第二の放熱ブロックとを接続する配管の途中に第二の循環手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記熱源手段が停止状態のときに、前記第一の放熱ブロック内の第一の止水手段と前記第二の放熱ブロック内の第二の止水手段とをのみ開いて、前記第二の循環手段を動作させる補助運転を行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房システム。
  4. 前記放熱ブロックは、前記止水手段と前記放熱パネルとの間から分岐した配管に、前記循環水の通過あるいは遮断を制御する補助止水手段をさらに有し、
    前記循環水回路における循環水の流路を二方向に切り替える流路切替手段
    をさらに備え、
    前記循環水回路は、前記熱源ユニットに対し、少なくとも第一の放熱ブロックと第二の放熱ブロックとが、前記熱源ユニットの配管接続部の一方側に止水手段側を配置した方向で、並列に接続され、前記熱源ユニットの配管接続部の他方側に前記流路切替手段の第一の接続口を接続、前記流路切替手段の第二の接続口に前記放熱ブロックの放熱パネル側からの配管を接続、前記流路切替手段の第三の接続口に前記放熱ブロックの補助止水手段側からの配管を接続した構成であり、
    前記制御手段は、前記熱源手段が停止状態のときに、前記第一の放熱ブロック内の第一の補助止水手段と前記第二の放熱ブロック内の第二の止水手段とをのみ開き、前記流路切替手段の前記第一の接続口と前記第三の接続口との間を開放し、前記第二の接続口を遮断した状態で、前記循環手段を動作させる補助運転を行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の温水式床暖房システム。
  5. 前記放熱ブロックは、放熱パネルの設置された部屋の室温または床温を検知する温度検知手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記放熱ブロック内の温度検知手段が検知した温度に基づき、前記補助運転を行なう
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の温水式床暖房システム。
  6. 前記制御手段は、前記温度が最高である放熱ブロックの放熱パネルと、前記温度が最低である放熱ブロックの放熱パネルとの間で、前記補助運転を行なう
    ことを特徴とする請求項5に記載の温水式床暖房システム。
  7. 前記制御手段は、第一の放熱ブロックの放熱パネルの前記温度と第二の放熱ブロックの放熱パネルの前記温度との差が所定の閾値以上のときに、前記補助運転を行なう
    ことを特徴とする請求項5に記載の温水式床暖房システム。
  8. 前記制御手段は、第一の放熱ブロックが設置された部屋に併設された空気調和機の運転に連動して前記補助運転を行なう
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の温水式床暖房システム。
  9. 熱を発生させる熱源手段と、前記熱源手段で発生させた熱を循環水に伝える熱交換手段と、前記循環水を外部に搬送し循環させる循環手段と、前記循環水の出口部と入口部とを連通するバイパス配管とを有する熱源ユニットと、
    内部配管を通る循環水の熱を放熱する放熱パネルと、前記放熱パネルに直列に設けられ前記放熱パネルへの前記循環水の通過あるいは遮断を制御する止水手段とを有する放熱ブロックと、
    前記熱源手段、前記循環手段、前記止水手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記熱源ユニットと前記放熱ブロックとが配管で接続されて循環水回路を構成し、
    前記制御手段は、前記止水手段を閉じた状態で前記熱源手段と前記循環手段を運転させたのちに、前記熱源手段を停止し、前記止水手段を開いて前記循環手段を運転する補助運転を行なう
    ことを特徴とする温水式床暖房システム。
  10. 前記放熱ブロックは、放熱パネルの設置された部屋の室温または床温を検知する温度検知手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記温度検知手段による検知温度と所定の閾値温度との比較結果に基づき、前記補助運転を実行する
    ことを特徴とする請求項9に記載の温水式床暖房システム。
  11. 前記制御手段は、前記放熱パネルが設置された部屋に併設された空気調和機の運転に連動し、かつ前記放熱パネルが設置された部屋の室温または床温を検知する温度検知手段による検知温度と前記空気調和機の設定温度との差が所定の閾値以上の場合に前記補助運転を実行する
    ことを特徴とする請求項9に記載の温水式床暖房システム。
  12. 熱源で発生させた熱を循環水に伝える熱源ユニットを有し、前記循環水を放熱パネルに循環させて前記循環水の熱を放熱させる温水式床暖房システムの運転方法であって、
    第一の放熱パネルと第二の放熱パネルとを設定する設定ステップと、
    熱源の運転停止時に、前記第一の放熱パネルと前記第二の放熱パネルと熱源ユニットとの間で循環水を循環させる循環ステップと、
    を有する
    ことを特徴とする温水式床暖房システムの運転方法。
  13. 熱源で発生させた熱を循環水に伝える熱源ユニットを有し、前記循環水を放熱パネルに循環させて前記循環水の熱を放熱させる温水式床暖房システムの運転方法であって、
    第一の放熱パネルと第二の放熱パネルとを設定する設定ステップと、
    熱源の運転停止時に、前記第二の放熱パネル部の循環水を前記第一の放熱パネル部に移動する移動ステップとを有する
    ことを特徴とする温水式床暖房システムの運転方法。
  14. 熱源で発生させた熱を循環水に伝える熱源ユニットを有し、前記循環水を放熱パネルに循環させて前記循環水の熱を放熱させる温水式床暖房システムの運転方法であって、
    第一の放熱パネルを設定する設定ステップと、
    熱源を運転し、得られる低温循環水を蓄える蓄積ステップと、
    熱源を停止し、蓄えられた低温循環水を第一の放熱パネル部に搬送する搬送ステップとを有する
    ことを特徴とする温水式床暖房システムの運転方法。
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