JP2018178951A - 高周波点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要な箇所でのコロナ放電の発生を防止し、装置の信頼性、品質を向上させる高周波点火装置を得る。【解決手段】高周波電源101と、インダクタンスを有する第1のデバイス102と、キャパシタンスを有する第2のデバイス103と、放電GAP106と、第1のデバイスと第2のデバイスとの接続部104を覆い、アースへ接続されるシールド装置105とを備え、高周波電源が、第1のデバイス102と第2のデバイス103により構成される共振回路を利用して、放電GAP(106)へ交流電力を供給し、放電GAP106に発生する放電プラズマで燃料へ着火する点火装置であって、第1のデバイス102と、第2のデバイス103と、接続部104と、シールド装置105を同一のパッケージ内に配置し、絶縁性の物質で密封したもの。【選択図】図1

Description

この発明は、主に交流電力によるプラズマ放電を利用する高周波点火装置に関するものである。
近年、環境保全、燃料枯渇の問題が提起されており、自動車業界に於いてもこれらへの対応が急務となっている。この対応の一例として、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)を利用しポンピング損失を低減することにより燃料消費量を飛躍的に改善する方法がある。
ところが、排気である既燃ガスは不燃性かつ空気に対し熱容量が大きいため、EGRにより既燃ガスを大量に再吸入すると、着火性、燃焼性が低下する問題がある。
この問題の解決策の一つとして、高周波放電を利用し、広範囲で着火することで、より安定した火炎核を形成できるようになり、燃焼性をより安定させることができる、例えば特許文献1に示すような点火装置が提案されている。
特許文献1に開示された点火装置を用いることで、従来の点火コイルに比べ、より安定した火炎核を形成できるようになり、例えば前述したEGR量を多く投入しても安定燃焼を得られるようになる。従って、例えば、特許文献1に記載の点火装置を用いることで、従来の点火装置に比べ、より多くのEGRを投入できるようになり、ポンピング損失を低減できるようになるので、燃料消費量を飛躍的に改善できる内燃機関を得ることができる。
特許第5469229号
特許文献1に示された点火装置は、高周波電源から供給される高周波電流を通し、2次コイルで発生する高電圧をブロックするためのバンドパスフィルタを構成する、互いに直列接続されたコンデンサとインダクタを、一次コイル、2次コイルと同一のパッケージ内に配置するものである。
特許文献1に示された点火装置において、点火プラグの主プラグギャップ間に絶縁破壊を引き起こす際、もしくは、高周波電源が、点火プラグの主プラグギャップ間に発生している火花放電経路へ、高周波電流を流し込んでいる際、コンデンサとインダクタを接続する経路には交流の非常に高い電圧が発生する。
特許文献1に示された点火装置では、前記高電圧によるスパークの発生を防止するため、コンデンサとインダクタを、1次コイル、2次コイルと一緒に、エポキシ材の充填等による絶縁処理を施すこととしている。
エポキシ材の充填等により、コンデンサの電極間、インダクタの電極間、もしくは近接する低電位部位へのスパークの発生等は防止できるが、交流の高電圧は、エポキシ材が充填等されたケースの外側、空気などの気体に触れるところで、コロナ放電を発生させる。
コロナ放電の発生により、PBT(ポリブチレンテレフタレート)製のケースなどは腐蝕、耐久性の低下などの問題を引き起こす。
この発明は、前述のような課題を解決するためになされたものであって、前記のような交流の高電圧を発生する装置において、不要な箇所でのコロナ放電の発生を防止し、装置の信頼性、品質を向上させることのできる高周波点火装置を提供することを目的とする。
この発明における高周波点火装置は、高周波電源と、インダクタンスを有する第1のデバイスと、キャパシタンスを有する第2のデバイスと、高圧電極と接地電極で構成される放電GAPと、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの接続部を覆い、アースへ接続されるシールド装置とを備え、前記高周波電源が、前記第1のデバイスと、前記第2のデバイスにより構成される共振回路を利用して、前記放電GAPへ交流電力を供給することで、前記放電GAPに発生する放電プラズマにより燃料へ着火する点火装置であって、少なくとも、前記第1のデバイスと、前記第2のデバイスと、前記接続部と、前記シールド装置は、同一のパッケージ内に配置され、絶縁性の物質で密封されているよう構成したものである。
この発明の高周波点火装置によれば、簡素な構成で効率良く高エネルギー放電を実現すると共に、大きな放電プラズマを形成し、狭小GAPの点火プラグを用いても始動性や燃焼性を損なうことがなく、高過給ダウンサイジングによる軽量化や高圧縮比化による熱効率の向上等を行うことができる。
また、不要な箇所でのコロナ放電の発生を防止し、装置の信頼性、品質の向上を図ることができる効果がある。
上述した、またその他の、この発明の目的、特徴、効果は、以下の実施の形態における詳細な説明および図面の記載からより明らかとなるであろう。
この発明の実施の形態1による高周波点火装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態1による高周波点火装置の具体的な回路構成図である。 この発明の実施の形態2による高周波点火装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態2による高周波点火装置の具体的な回路構成図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による高周波点火装置の概略構成図である。
図1に於いて、この発明の実施の形態1による高周波点火装置は、エネルギー供給装置である高周波電源(101)と、インダクタンスを有する第1のデバイス(102)と、キャパシタンスを有する第2のデバイス(103)と、第1のデバイス(102)と第2のデバイス(103)との接続部(104)を覆い、アースに接続されるシールド装置(105)と、第2のデバイス(103)に接続される高圧電極(106a)と、アースに接続される接地電極(106b)とで構成される放電GAP(106)とにより構成されている。また、第1のデバイス(102)、第2のデバイス(103)、接続経路(104)、シールド装置(105)は、ケース(107)内に一緒に配置され、絶縁性の物質(108)で密封されている。
第1のデバイス(102)と第2のデバイス(103)は共振回路を構成しており、高周波電源(101)は、前記共振回路の共振周波数付近の交流電力を出力し、共振回路を介して、放電GAP(106)へ交流電力を供給する。本実施の形態1による高周波点火装置は、前記交流電力により放電GAP(106)に放電プラズマを形成し、この放電プラズマにより燃料を着火するものである。
高周波電源(101)が、共振回路へ共振周波数付近の交流電力を供給すると、第1のデバイス(102)と第2のデバイス(103)との接続経路(104)には交流の高電圧が発生する。この高電圧は、アース電位との間に高電界を形成する。
高電界が空気中に形成されると、空気中のイオン、もしくは電子が加速され、コロナ放電を発生させることが知られている。
コロナ放電は、オゾンの形成もしくは分子間の結合に作用するため、PBT製のケースなどの表面で発生すると、ケースの腐食、耐久性低下などの弊害を引き起こす。従って、PBT製のケースなどを利用する場合には、表面などでのコロナ放電の発生を防ぐことが必要である。
この発明の実施の形態1による高周波点火装置は、このようなコロナ放電の発生を防ぐため、高電圧の発生する第1のデバイス(102)と第2のデバイス(103)との接続経路(104)をアース電位となるシールド装置(105)で覆い、接続経路(104)とシールド装置(105)を、絶縁物質(108)で密封することで、高電界が空気層に形成されない構成としたものである。
次に、この発明の実施の形態1による高周波点火装置の具体的な回路構成について、図2の構成図を用いて詳細に説明する。図2に示す高周波点火装置は、普通自動車の内燃機関であるエンジンに取り付けられるものである。
図2において、この発明の実施の形態1による高周波点火装置は、制御装置(201)、バッテリ(202)、DC/DCコンバータ(203)、インバータ(204)、共振装置(205)、点火コイル(206)、点火プラグ(207)により構成されている。
共振装置(205)は、インダクタ(208)とコンデンサ(209)とシールド装置(105)により構成されている。
バッテリ(202)、DC/DCコンバータ(203)、インバータ(204)は併せて図1の高周波電源(101)に相当し、インダクタ(208)は同じく第1のデバイス(102)に相当し、コンデンサ(209)は第2のデバイス(103)に相当し、点火プラグ(207)は放電GAP(106)に相当している。
バッテリ(202)は自動車用のもので、直流の12ボルト程度に充電されている。インダクタ(208)は約100マイクロヘンリー、コンデンサ(209)は約50ピコファラドで、インダクタ(208)とコンデンサ(209)で直列共振回路を形成しており、この共振周波数はおよそ2メガヘルツである。
DC/DCコンバータ(203)は、バッテリ(202)のDC12ボルトをDC200ボルト程度の電圧に昇圧する。
エンジンを動かすため燃焼室へ燃料が供給され、ピストンが上死点付近となる適当なタイミング、例えば上死点前20度で、制御装置(201)は点火コイル(206)へ高電圧を出力するように経路Dを介して指示を出し、点火プラグ(207)の高圧電極(207a)に高電圧を印加し、この高電圧が絶縁破壊電圧を超えると、点火プラグ(207)の電極間(207c)で絶縁破壊が起こり、火花放電経路が形成される。
火花放電が点火プラグ(207)の電極間(207c)に形成されているときに、インバータ(204)は、DC/DCコンバータ(203)で昇圧されたDC200ボルトを、共振周波数である2メガヘルツ付近のAC200ボルト(ピーク値)に変換する。
さらにAC200ボルトは、巻き数比が5倍程度であるトランス(210)により昇圧され、AC1キロボルト程度となって、点火プラグ(207)の電極間(207c)の火花放電経路へ供給される。
交流電力が前記火花放電経路へ供給されると、火花放電は強化され、非常に強く、広範囲の熱プラズマが形成される。このプラズマにより、点火コイル(206)による火花放電だけでは着火できない空燃比の大きい燃料状態、もしくは、EGRを多く含む燃料状態においても燃料を着火させることができるようになる。
インバータ(204)から、前記直列共振回路へ交流の電力が供給される際、インダクタ(208)とコンデンサ(209)との接続経路(211)には数キロボルト以上のAC高電圧が発生する。
インダクタ(208)もしくはコンデンサ(209)には、前述のように非常に高い電圧が印加されるので、従来装置では、スパークによるリークの発生を防止するため、PBTなどのケース内に配置し、エポキシ材の充填等による絶縁処理を施していた。
しかし、前記AC高電圧によりPBTケース表面で起こるコロナ放電を防止することはできない。
この発明の実施の形態1による高周波点火装置は、アース電位に接続され、インダクタ(208)とコンデンサ(209)の接続経路(211)を覆うシールド装置(105)を、インダクタ(208)、コンデンサ(209)と一緒に、PBTケース(212)内に配置し、エポキシ樹脂(213)で密封することで、高電界が空気層に形成されないようにしたものである。
インダクタ(208)とコンデンサ(209)との接続経路(211)と、アースに接続されるシールド装置(105)との間には高電界が形成されるが、エポキシ樹脂(213)で密封されているので、イオン、電子などが十分に加速されることはなく、ケース(212)内でのコロナ放電の発生を防止することができる。また、シールド装置(105)の電位がアース電位まで下がっているので、PBTケース(212)表面には高電圧が発生せず、従って、ケース(212)外側に高電界が形成されることはなく、コロナ放電の発生を防止することができる。
インダクタ(208)とコンデンサ(209)との接続経路(211)と、シールド装置(105)とは電気的に結合し、キャパシタンス成分を持つ。このキャパシタンス値が大きくなると、特に本実施の形態1では、コンデンサ(209)のキャパシタンス値が、50ピコファラドよりも大きくなると、前記交流電力が、放電経路へ供給される割合が減少し、このシールド装置(105)によるキャパシタンスを介して直接アースへ流れ出てしまい、非常に損失が大きくなってしまう。従ってこのキャパシタンス値は、なるべく小さくなるように、少なくとも、第2のデバイス(103)に相当する装置のキャパシタンス値よりも小さくする必要がある。
この接続経路(211)とシールド装置(105)からなるキャパシタンス値を小さくするためには、例えば、接続経路(211)とシールド装置(105)との距離をなるべく広くする、充填するエポキシ樹脂(213)を誘電率の小さいものにする、シールド装
置(105)の金属部分の表面積をなるべく小さくするために、網状の構造、もしくは複数の穴を有するパンチングメタル構造とするなどが考えられる。
シールド装置(105)の網の目の大きさ、パンチングメタルの穴の大きさについては、大きすぎると電界が外に漏れ出してしまい、コロナ放電を発生させてしまう恐れがある。コロナ放電開始の電界強度は、大気圧の空気環境下で概ね5メガボルト/メートル程度である。これに気圧変動などを考慮、余裕度を見て、ケース外に漏れ出る電界強度が4メガボルト/メートル以下となるように金属に開ける穴の大きさや網の構造を調整する。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、交流の高電圧を発生する部位と、前記交流の高電圧を発生する部位を覆い、アースに接続されるシールド装置を一緒にケース内に配置し、絶縁物質で密封し、高電界が空気層に形成されないようにし、また、ケース外側に高電界が形成されないようにしたので、ケース内外でのコロナ放電の発生を防止することができ、装置の耐久、信頼性を向上させることができる。
また、シールド装置を網状の構造としたので、高周波点火装置の消費電力を低減することができる。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2による高周波点火装置の概略構成図である。
図3に於いて、この発明の実施の形態2による高周波点火装置は、エネルギー供給装置である高周波電源(101)と、インダクタンスを有する第1のデバイス(102)と、第1のデバイス(102)に接続される高圧電極(301a)と、アースに接続される接地電極(301b)と、高圧電極(301a)と接地電極(301b)との間に位置する放電GAP(301c)と、第1のデバイス(102)と高圧電極(301a)との接続経路(302)を覆い、アースに接続されるシールド装置(303)とにより構成されている。
接続経路(302)とシールド装置(303)とは電気的に結合しており、キャパシタンス成分を有している。
また、第1のデバイス(102)、接続経路(302)、シールド装置(303)、高圧電極(301a)は、一緒に絶縁性の物質(304)で密封されている。
第1のデバイス(102)のインダクタンス成分と、接続経路(302)とシールド装置(303)とによるキャパシタンス成分は共振回路を構成しており、高周波電源(101)は、前記共振回路の共振周波数付近の交流電力を出力し、高圧電極(301a)へ交流電力を供給する。この発明の実施の形態2による高周波点火装置は、前記交流電力により放電GAP(301c)に放電プラズマを形成し、この放電プラズマにより燃料を着火するものである。
次に、この発明の実施の形態2による高周波点火装置の具体的な回路構成について、図4の構成図を用いて詳細に説明する。図4による高周波点火装置は、普通自動車の内燃機関であるエンジンに取り付けられるものである。
図4において、この発明の実施の形態2による高周波点火装置は、制御装置(401)、バッテリ(202)、DC/DCコンバータ(203)、インバータ(204)、共振装置(402)、接地電極(301b)により構成されている。
共振装置(402)は、インダクタ(403)と、接続経路(302)と、シールド装
置(303)と、高圧電極(301a)とにより構成され、これらは一緒に、絶縁性のアルミナセラミックス(404)により密封固められている。
バッテリ(202)、DC/DCコンバータ(203)、インバータ(204)は併せて図3の高周波電源(101)に相当し、同じくインダクタ(403)は第1のデバイス(102)に相当している。
バッテリ(202)は自動車用のもので、DC12ボルト程度に充電されている。インダクタ(403)は約1ヘンリー、接続経路(302)とシールド装置(303)からなるキャパシタンス値は約10ピコファラドで直列共振回路を形成しており、この共振周波数はおよそ50キロヘルツである。DC/DCコンバータ(203)は、バッテリ(202)のDC12ボルトをDC200ボルト程度の電圧に昇圧する。
エンジンを動かすため燃焼室へ燃料が供給され、ピストンが上死点付近となる適当なタイミング、例えば上死点前20度で、インバータ(204)は、DC/DCコンバータ(203)で昇圧されたDC200ボルトを50キロヘルツ付近のAC200ボルト(ピーク値)に変換する。さらにこのAC200ボルトは、巻き数比が5倍程度であるトランス(210)により昇圧され、AC1キロボルト程度となって、インダクタ(403)へ供給される。
前記共振周波数付近の交流電力が前記共振装置(402)へ供給されると、共振現象によりさらに昇圧されて、接続経路(302)と高圧電極(301a)には、数十キロボルト以上となるAC高電圧が発生する。
AC高電圧が高圧電極(301a)に供給されると、放電GAP(301c)付近に、コロナ放電の一種であって、誘電体バリア放電と呼ばれる広範囲の放電プラズマが主に接地電極(301b)に向かう方向に形成される。この広範囲の放電プラズマにより、点火コイル(図示せず)による火花放電だけでは着火できない空燃比の大きい燃料状態、もしくは、EGRを多く含む燃料状態においても燃料を着火させることができるようになる。
不要な箇所でコロナ放電が発生してしまうと、放電GAP(301c)でバリア放電を発生させることができなくなる、もしくはバリア放電が非常に弱くなってしまい、燃料を安定着火できなくなる、もしくは損失が多くなり、高周波点火装置の消費電力が大きくなってしまう。
この発明の実施の形態2による高周波点火装置によれば、共振装置(402)内の、共振現象によるAC高電圧の発生する部位は、高圧電極(301a)を除きシールド装置(303)により覆われているので、不要な箇所、放電GAP(301c)付近以外でのコロナ放電の発生を防止することができる。
また、高周波点火装置の消費電力を下げ、高圧電極(301a)に印加される共振電圧を効率良く上げるために、接続経路(302)とシールド装置(303)との電気結合容量であるキャパシタンス値はなるべく小さくしている。
即ち、直列共振回路において、共振回路の実抵抗値を小さくする、もしくは共振回路のキャパシタンス値を小さくすると、効率良く共振電圧が上がることが知られている。
従って、接続経路(302)とシールド装置(303)との電気結合容量であるキャパシタンス値を下げるために、接続経路(302)とシールド装置(303)との距離を大きくする、充填する絶縁材料の誘電率を上げる、シールド装置(303)の金属部分の大きさを小さくするために、網状の構造、もしくは複数の穴を有するパンチングメタル構造と
し、金属の表面積を小さくするようにする。
シールド装置(303)の網の目の大きさ、パンチングメタルの穴の大きさについては、大きすぎると電界が外に漏れ出してしまい、コロナ放電を発生させてしまう恐れがある。コロナ放電開始の電界強度は、大気圧の空気環境下で概ね5メガボルト/メートル程度である。これに気圧変動などを考慮、余裕度を見て、ケース外に漏れ出る電界強度が4メガボルト/メートル以下となるように金属に開ける穴の大きさや網の構造を調整する。
以上のように、この発明の実施の形態2による高周波点火装置によれば、高圧電極を除きAC高電圧の発生する部位は、アースに接続されるシールド装置により覆われているので、不要な箇所でのコロナ放電の発生を防止することができ、放電GAP(301c)で効率よく、安定してバリア放電を発生させることができるので、空燃比の大きい燃料状態、もしくは、EGRを多く含む燃料状態においても燃料を安定して着火させることができるようになる。
また、不要なコロナ放電の発生を防止することができるので、高周波点火装置の消費電力を低減することができる。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明による高周波点火装置は、内燃機関を利用する自動車、二輪車、船外機、等に用いて有益なものであり、燃料への着火を確実に行うことができ、内燃機関を効率良く運転することができる。
101 高周波電源、102 第1のデバイス、103 第2のデバイス、
104 接続部、105、303 シールド装置、106、301c 放電GAP、
106a、301a 高圧電極、 106b、301b 接地電極、107 ケース、
201,401 制御装置、202 バッテリ、
203 DC/DCコンバータ、204 インバータ、205,402 共振装置、
206 点火コイル、207 点火プラグ、208,403 インダクタ、
209 コンデンサ、210 トランス、211,302 接続経路、
212 ケース、213 エポキシ樹脂、404 アルミナセラミックス
この発明における高周波点火装置は、高周波電源と、インダクタンスを有する第1のデバイスと、キャパシタンスを有する第2のデバイスと、高圧電極と接地電極で構成される放電GAPと、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの接続部を覆い、アースへ接続されるシールド装置とを備え、前記高周波電源が、前記第1のデバイスと、前記第2のデバイスにより構成される共振回路を利用して、前記放電GAPへ交流電力を供給することで、前記放電GAPに発生する放電プラズマにより燃料へ着火する点火装置であって、少なくとも、前記第1のデバイスと、前記第2のデバイスと、前記接続部と、前記シールド装置は、同一のパッケージ内に配置され、前記接続部と前記シールド装置を絶縁性の物質で密封することによって、パッケージ内でのコロナ放電の発生を防止し、高電界が空気層に形成されないよう構成したものである。

Claims (9)

  1. 高周波電源と、インダクタンスを有する第1のデバイスと、この第1のデバイスと接続されキャパシタンスを有する第2のデバイスと、高圧電極と接地電極で構成される放電GAPと、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの接続部を覆い、アースへ接続されるシールド装置とを備え、
    前記高周波電源が、前記第1のデバイスと、前記第2のデバイスにより構成される共振回路を利用して、前記放電GAPへ交流電力を供給することによって、前記放電GAPに発生する放電プラズマにより燃料へ着火する点火装置であって、少なくとも、前記第1のデバイスと、前記第2のデバイスと、前記接続部と、前記シールド装置は、同一のパッケージ内に配置され、絶縁性の物質で密封されていることを特徴とする高周波点火装置。
  2. 前記第1のデバイスと、前記第2のデバイスと、前記接続部と、前記シールド装置と、前記高圧電極は、同一のパッケージ内に配置され、絶縁性の物質で密封されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波点火装置。
  3. 前記接続部と、前記シールド装置との電気的結合によるキャパシタンス値が、前記第2のデバイスが有するキャパシタンス値よりも小さくなるようにすることを特徴とする請求項1に記載の高周波点火装置。
  4. 前記シールド装置は、アースに接続され、電界をシールドする金属板を有し、前記金属板は、複数の穴を有するパンチングメタル構造であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高周波点火装置。
  5. 前記シールド装置は、アースに接続され、電界をシールドする金属板を有し、前記金属板は、網状の構造であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高周波点火装置。
  6. 前記シールド装置の金属板に設けられる穴の大きさは、前記絶縁性の物質の外側に漏れ出る電界強度が、4メガボルト/メートル以下の大きさになるようにしたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の高周波点火装置。
  7. 前記シールド装置は、前記第2のデバイスとしても使用されることを特徴とする請求項1に記載の高周波点火装置。
  8. 間隙を介して対向する第1の電極と第2の電極とを備え、前記間隙に火花放電を発生させて内燃機関の燃焼室内の可燃混合気を着火させる点火プラグと、高電圧を発生し、前記発生した高電圧を、高圧ターミナルを介して前記第1の電極に供給して前記間隙に前記火花放電を発生させ、前記間隙に導電経路を形成させる点火コイルと、前記点火コイルの前記高圧ターミナルに接続され、前記高電圧の通過を防ぐコンデンサと、前記コンデンサに接続され、前記コンデンサとともに所定の周波数成分のみを通過させるためのバンドパスフィルタを構成するインダクタと、前記間隙に形成された火花放電による導電経路に前記バンドパスフィルタを介して交流エネルギーを追加供給するエネルギー供給装置と、前記インダクタと前記コンデンサとの接続部周辺を覆い、アースに接続される導電性のシールド装置を備え、前記インダクタと、前記コンデンサと、前記シールド装置は同一のパッケージ内に配置され、絶縁性の物質で密封されていることを特徴とする高周波点火装置。
  9. 前記エネルギー供給装置は、高周波電源であることを特徴とする請求項8に記載の高周波点火装置。
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