JP2018178916A - 廃熱回収装置の膨張器始動装置 - Google Patents

廃熱回収装置の膨張器始動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】膨張器の始動時、膨張器の回転数を効率の良い回転数まで速やかに上昇させ、液相流体を廃熱により沸騰させてできた蒸気からの効率の良い動力回収を早期に実現できるようにする。【解決手段】膨張器始動装置は、膨張器の始動時、膨張器の出力軸と動力回収装置とをクラッチにより切り離した状態でトルク発生装置を動作させ、廃熱回収装置の系内の圧力差から得たトルクによって膨張器の出力軸を一方向に回転させる。そして、膨張器の回転数が目標回転数まで上昇したらクラッチを接続し、膨張器が取り出した動力の動力回収装置による回収を開始する。【選択図】図8

Description

本発明は、廃熱回収装置の膨張器始動装置に関する。
特許文献1には、ランキンサイクルシステムを利用した廃熱回収装置に関する技術が開示されている。この廃熱回収装置では、膨張器の出力軸と動力回収装置であるエンジンとの間にクラッチ或いはワンウェイクラッチが設けられている。特許文献1に記載の構成によれば、エンジンの始動時には、クラッチ或いはワンウェイクラッチによってエンジンから膨張器への動力の伝達を遮断することができる。これにより、膨張器がエンジンの負荷となってエンジンの始動性が低下することを防ぐことができる。
特開2010−065587号公報 特開2013−148077号公報
ところで、膨脹器の効率は回転数に依存する。膨脹器で取り出した動力によるエンジンのアシストを早期に行うためには、膨張器の始動時、膨張器の回転数を効率の良い回転数まで速やかに上昇させる必要がある。特許文献1に記載の構成の場合、クラッチ或いはワンウェイクラッチによって動力の伝達が遮断されるため、エンジンの始動性の低下は防げるものの、エンジンの動力を利用して膨張器の回転数を上昇させることはできない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、膨張器の始動時、膨張器の回転数を効率の良い回転数まで速やかに上昇させ、液相流体を廃熱により沸騰させてできた蒸気からの効率の良い動力回収を早期に実現できる廃熱回収装置の膨張器始動装置を提供することにある。
本発明に係る膨張器始動装置は、エンジンの廃熱により液相流体を沸騰させて蒸気を発生させる蒸気発生器と、蒸気発生器において発生した蒸気を膨張させて動力を取り出す膨張器と、膨張器の出力軸に連結され膨張器によって取り出された動力を回収する動力回収装置とを備える廃熱回収装置に設けられ、膨張器の始動時に膨張器の回転数の上昇をアシストする膨張器始動装置である。
本発明に係る膨張器始動装置は、上記目的を達成するため、膨張器の出力軸と動力回収装置とを切り離すクラッチと、膨張器の出力軸にトルクを加えるトルク発生装置と、クラッチ及びトルク発生装置を制御する制御装置とを備える。トルク発生装置は、ピストンを移動可能に収容しピストンによって第1室と第2室とに区画されたシリンダと、膨張器よりも上流側の流体経路とシリンダとを接続する高圧管と、膨張器よりも下流側の流体経路とシリンダとを接続する低圧管と、高圧管の連通先と低圧管の連通先とを第1室と第2室との間で複数のバルブを用いて切り替えることにより、圧力差を利用してシリンダ内でピストンを移動させるバルブ機構と、ピストンの直線運動を、出力軸を一方向に回転させるトルクに変換するギヤ機構とを備える。制御装置は、膨張器の始動時、クラッチを切り離した状態でトルク発生装置を作動させ、膨張器の回転数が目標回転数まで上昇したらクラッチを接続するように構成されている。
本発明に係る膨張器始動装置によれば、膨張器の始動時、膨張器の出力軸と動力回収装置とをクラッチにより切り離した状態でトルク発生装置を作動させ、廃熱回収装置の系内の圧力差から得たトルクによって膨張器の出力軸を一方向に回転させることが行われる。そして、膨張器の回転数が目標回転数まで上昇したらクラッチを接続し、膨張器が取り出した動力の動力回収装置による回収が開始される。このような動作が行われることにより、膨張器の回転数を効率の良い回転数まで速やかに上昇させ、液相流体を廃熱により沸騰させてできた蒸気からの効率の良い動力回収を早期に実現することができる。
実施の形態の廃熱回収装置のシステム構成を模式的に示す図である。 実施の形態の膨張器始動装置の構造を示す図である。 実施の形態のトルク発生装置の構造とその動作を示す図である。 実施の形態のトルク発生装置の構造とその動作を示す図である。 実施の形態の膨張器始動装置に対する第1の比較例の動作とその課題について説明するための図である。 実施の形態の膨張器始動装置に対する第2の比較例の動作とその課題について説明するための図である。 実施の形態の膨張器始動装置の動作とその作用について説明するための図である。 膨張器始動装置の制御フローを示すフローチャートである。 トルク発生装置を動作させるときのトルク発生装置の制御フローを示すフローチャートである。 トルク発生装置を停止させるときのトルク発生装置の制御フローを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかにそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
本実施の形態の廃熱回収装置は、自動車に搭載されて自動車の動力装置であるエンジン(内燃機関)の廃熱を回収する。また、本実施の形態の廃熱回収装置は、例えば、ハイブリッドシステムやアイドリングストップシステム等、エンジンが始動及び停止を繰り返すシステムに適用され、エンジンの廃熱から回収した動力をエンジンの始動アシストに利用する。
図1は本実施の形態の廃熱回収装置の構成を模式的に示す図である。本実施の形態の廃熱回収装置は、ランキンサイクルシステムとして構成され、廃熱回収装置内を流通する液相流体を沸騰させて蒸気を発生させる蒸気発生器2を備えている。蒸気発生器2の熱源は問わない。例えば、その熱源として、エンジン冷却水、過給機において過給された吸入空気等の廃熱が利用される。また、単一の熱源に限られるものではなく、複数の熱源により蒸気を発生させるものであっても良い。
蒸気発生器2には流体管4の一端が連通している。流体管4の他端は、過熱器10に連通している。過熱器10は、蒸気発生器2で発生された飽和蒸気である気相流体を、排気ガスとの熱交換により過熱し、過熱蒸気とする。
過熱器10は、流体管11を介して膨張器であるタービン30に接続されている。流体管11には、タービン制御弁12が設けられている。タービン制御弁12が開かれると、過熱器10からタービン30に気相流体(即ち、過熱蒸気)が流入する。タービン制御弁12は、システムの停止時に熱源側と冷却側の差圧を保つために設けられている。
タービン30では、過熱器10から送られた気相流体を膨張させて熱エネルギを回収することが行われる。流体管11とタービン30との接続部には、超音速ノズル13が設けられている。気相流体は超音速ノズル13からタービン30に噴きつけられ、タービン30を回転させる。
タービン30で膨張した気相流体は、流体管15を介してコンデンサ16に送られる。コンデンサ16に送られた気相流体は、コンデンサ16により冷却されて凝縮し、液相流体に戻される。気相流体の凝縮により生じた液相流体は、コンデンサ16からキャッチタンク18に送られ、キャッチタンク18において一時的に貯留される。
キャッチタンク18は、流体管19を介してウォータポンプ20に接続されている。ウォータポンプ20は、流体管21を介して蒸気発生器2に接続されている。ウォータポンプ20は、キャッチタンク18に貯留された液相流体を蒸気発生器2に送るためのポンプである。流体管21には、蒸気発生器2側からキャッチタンク18側への液相流体の逆流を防止する逆止弁22が設けられている。
タービン30は、動力回収装置であるエンジン33に機械的に連結されている。タービン30で回収された熱エネルギは、エンジン33の回転をアシストする動力としてエンジン33に回収される。タービン30の出力軸31には、タービン回転数を計測するための回転数センサ61が取り付けられている。なお、タービン30とその出力軸31との間には、減速機構が備えられていてもよい。タービン30の出力軸31とエンジン33との間には、出力軸31とエンジン33とを切り離すクラッチ32が設けられている。
タービン30の出力軸31には、タービン30の出力軸31にトルクを加えるためのトルク発生装置50が取り付けられている。トルク発生装置50とクラッチ32は、タービン30を始動させるための始動装置(膨脹器始動装置)40を構成する。
トルク発生装置50は、高圧管41によって蒸気発生器2に接続され、低圧管42によってキャッチタンク18に接続されている。蒸気発生器2からトルク発生装置50へは、高圧管41を介して高圧の気相流体が導入される。キャッチタンク18からトルク発生装置50へは、低圧管42を介して真空が導入される。
なお、高圧管41の接続先は、蒸気発生器2でなくとも、気相流体が高圧状態で存在する熱源側の流体経路であればよい。熱源側の流体経路には、蒸気発生器2、過熱器10およびタービン制御弁12、並びにこれらを接続する流体管4及び流体管11が含まれる。また、低圧管42の接続先は、キャッチタンク18でなくとも、気相流体が低圧状態で存在する冷却側の流体経路であればよい。冷却側の流体経路には、流体管15、コンデンサ16及びキャッチタンク18が含まれる。
始動装置40は、更に、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60は、少なくとも入出力インターフェースとメモリとプロセッサとを備えている。入出力インターフェースは、回転数センサ61を含む各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、クラッチ32及びトルク発生装置50に対して操作信号を出力する。メモリには、各種の制御プログラムおよびマップ等が記憶されている。プロセッサは、制御プログラムをメモリから読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいてクラッチ32及びトルク発生装置50に対する操作信号を生成する。
次に、始動装置40の詳細な構造、特に、始動装置40を構成するトルク発生装置50の詳細な構造について、図2,図3及び図4を用いて説明する。図2に示すように、始動装置40は、タービン30とエンジン33とを切り離すクラッチ32と、トルク発生装置50とを備える。トルク発生装置50は、タービン30の出力軸31に取り付けられたピニオンギヤ51と、それに噛み合うラックギヤ52とを備える。また、始動装置40は、シリンダ54と、シリンダ54内に配置されたピストン55とを備える。ラックギヤ52は連結アーム53によってピストン55に固定されている。
図3及び図4に示すように、ピニオンギヤ51と出力軸31との間には、ワンウェイクラッチ56が設けられている。ワンウェイクラッチ56は、ピニオンギヤ51が出力軸31に対して相対的に時計回り方向へ回転する場合にのみ係合し、ピニオンギヤ51と出力軸31との間で動力を伝達する。
図3及び図4に示すように、シリンダ54は、ピストン55によって第1室54Aと第2室54Bとに区画されている。図3及び図4中においてピストン55に対して第1室54Aの側をA側と称し、第2室54Bの側をB側と称す。図3に示すように、ピストン55がA側に動くとき、ピストン55と一体となってラックギヤ52もA側に動く。これにより、ラックギヤ52と噛み合うピニオンギヤ51は、図中時計回りに回転する。ピニオンギヤ51の回転は、ワンウェイクラッチ56を介して出力軸31に伝達される。
図4に示すように、ピストン55がB側に動くとき、ピストン55と一体となってラックギヤ52もB側に動く。ピストン55及びラックギヤ52がB側に動く場合、バックギヤ59がピニオンギヤ51とラックギヤ52との間に挟まれる。このバックギヤ59もトルク発生装置50を構成する。ラックギヤ52がB側に動くことで、バックギヤ59は図中反時計回りに回転する。これにより、バックギヤ59と噛み合うピニオンギヤ51は、図中時計回りに回転する。ピニオンギヤ51の回転は、ワンウェイクラッチ56を介して出力軸31に伝達される。
ピストン55がA側或いはB側の端まで移動すると、ピニオンギヤ51の回転はそこで停止する。しかし、ピニオンギヤ51と出力軸31との間にはワンウェイクラッチ56が設けられているので、タービン30の慣性力によって出力軸31は図中時計回り方向に回転し続ける。ピニオンギヤ51、ラックギヤ42、バックギヤ59及びワンウェイクラッチ56は、ピストン55の移動を出力軸31の一方向(図中時計回り方向)の回転運動に変換するギヤ機構を構成する。
トルク発生装置50は、シリンダ54内でピストン55を移動させるためのバルブ機構を備える。バルブ機構は4つのバルブ57A,57B,58A,58Bから構成される。第1室54Aには、第1高圧バルブ57Aと第1低圧バルブ58Aとが設けられている。第2室54Bには、第2高圧バルブ57Bと第2低圧バルブ58Bとが設けられている。第1高圧バルブ57Aと第2高圧バルブ57Bには、図1に示す高圧管41が接続されている。第1低圧バルブ58Aと第2低圧バルブ58Bには、図1に示す低圧管42が接続されている。バルブ機構は、高圧管41の連通先と低圧管42の連通先とを第1室54Aと第2室54Bとの間でバルブ57A,57B,58A,58Bを用いて切り替えることにより、圧力差を利用してシリンダ54内でピストン55を移動させる。
バルブ機構を構成する4つのバルブ57A,57B,58A,58Bは、閉じた状態を基本状態とされ、図示しないアクチュエータにより動かされる。ピストン55をA側に動かす場合、図3に示すように、第1高圧バルブ57Aと第2低圧バルブ58Bは閉じたまま、第2高圧バルブ57Bと第1低圧バルブ58Aが開かれる。ピストン55をB側に動かす場合、図4に示すように、第2高圧バルブ57Bと第1低圧バルブ58Aは閉じたまま、第1高圧バルブ57Aと第2低圧バルブ58Bが開かれる。
次に、上述のごとく構成された始動装置40の作用について、2つの比較例との比較に基づいて説明する。
図5は、実施の形態の始動装置40に対する第1の比較例とその課題について説明するための図である。第1の比較例では、タービンとエンジンとはワンウェイクラッチを介して連結される。図5には、第1の比較例におけるエンジン始動後のエンジン及びタービンの回転数、エンジンのトルク、ワンウェイクラッチの作動状態、タービン制御弁の作動状態の時間による変化がグラフで表されている。ただし、エンジンの回転数には減速機構の減速比が乗じられている。
図5に示す第1の比較例の場合、タービンは、エンジンが始動すると、その熱で発生した蒸気によって駆動されて次第に回転数が上昇していく。そして、タービンの回転数がエンジンの回転数に追いついたら、タービンが取り出した動力によってエンジンがアシストされ、エンジンのトルク(タービンのアシスト分も含めた総トルク)が上昇する。しかし、タービンの応答性をエンジンと同等にすることは難しい。エンジンの始動後、タービンによるエンジンのアシストが始まるまでにタイムラグが発生する。
廃熱回収装置がハイブリッドシステムにおけるエンジンの始動アシストに使用される場合、このような大きなタイムラグがあると、タービンによるアシストが始まる前にエンジンが停止してしまうおそれがある。
図6は、実施の形態の始動装置40に対する第2の比較例とその課題について説明するための図である。第2の比較例では、タービンとエンジンとは直結される。図6には、第2の比較例におけるエンジン始動後のエンジン及びタービンの回転数、エンジンのトルク、タービン制御弁の作動状態の時間による変化がグラフで表されている。ただし、エンジンの回転数には減速機構の減速比が乗じられている。
図6に示す第2の比較例の場合、タービンは、エンジンが始動すると、エンジンにより回転数を引き上げられることで、即座に効率の良い回転数まで上昇する。そして、タービンが取り出した動力によるアシストにより、エンジンのトルク(タービンのアシスト分も含めた総トルク)は即座に上昇する。しかし、エンジン自身の慣性力に加えてタービンの慣性力も始動時の負荷として加わるため、エンジンの始動性は低下する。
以上の第1の比較例及び第2の比較例から分かるように、単にタービンとエンジンとを直結したり、単にタービンとエンジンとの間にワンウェイクラッチを設けたりするだけでは、エンジンの始動時、エンジンの始動性に影響を与えることなく、タービンの回転数を効率の良い回転数まで速やかに上昇させることはできない。
これに対して、実施の形態の始動装置40によれば、以下に説明するように、第1の比較例が有する問題も第2の比較例が有する問題も生じない。図7は、実施の形態の始動装置40の動作とその作用について説明するための図である。図7には、実施の形態によるエンジン始動後のエンジン33及びタービン30の回転数、エンジン33のトルク、エンジン始動フラグ、クラッチ32の作動状態、トルク発生装置50の作動状態、タイマの作動状態の時間による変化がグラフで表されている。ただし、エンジン33の回転数には減速機構の減速比が乗じられている。
図7に示すように、実施の形態では、エンジン始動フラグが立ちエンジン33が始動すると、クラッチ32を切り離したまま(クラッチOFF)、エンジンの始動と同時にトルク発生装置50が起動される(トルク発生装置ON)。トルク発生装置50からトルクを加えられることでタービン30の回転数は速やかに効率の良い回転数まで上昇する。そして、タービン30の回転数がエンジン33の回転数に追いつくと同時にクラッチ32が接続され(クラッチON)、トルク発生装置50は停止される(トルク発生装置OFF)。クラッチ32が接続されることで、タービン30が取り出した動力はエンジン33に伝達され、タービン30によるアシストにより、エンジンのトルク(タービンのアシスト分も含めた総トルク)は速やかに上昇する。
なお、タイマは、エンジン始動フラグが立つと同時にカウントが開始される。そして、クラッチ32が接続されたらカウントが停止されてリセットされる。ただし、熱源側と冷却側との間の差圧が確保されていない場合等、トルク発生装置50の起動後もタービン30の回転数がエンジン33の回転数に追いつかず、なかなかクラッチ32が接続されない場合がある。このような場合、タイマのカウント値が所定停止時間に達したところで、トルク発生装置50は停止され、クラッチ32は切り離したままとされる。
上述の始動装置40の動作は、制御装置60において、以下に説明する制御フローに基づき作成されたプログラムが実行されることによって実現される。
図8は、始動装置40の制御フローを示すフローチャートである。この制御フローにおけるステップS101では、エンジン始動フラグがONかどうか判定される。エンジン始動フラグがOFFであれば、今回の処理は終了する。
エンジン始動フラグがONの場合、次に、ステップS102において、タービン回転数がエンジン回転数に減速比を乗じて得られる目標回転数よりも小さいかどうか判定される。タービン回転数が既に目標回転数以上であれば、今回の処理は終了する。
タービン回転数が目標回転数よりも小さい場合、次に、ステップS103において、タービン制御弁12が開かれる(タービン制御弁ON)。タービン制御弁12が開かれることで、過熱器10からタービン30に蒸気が供給される。
次に、ステップS104において、トルク発生装置50が起動される(トルク発生装置ON)。
ここで、図9は、トルク発生装置50を動作させるときのトルク発生装置50の制御フローを示すフローチャートである。トルク発生装置50を起動する場合、まず、ステップS201においてラックギヤ52とピニオンギヤ51とが接続される。次に、ステップS202において、現在のピストン55の停止位置がA側かどうか判定される。
ピストン55がA側に位置しているのであれば、ステップS203において、第2高圧バルブ57Bと第1低圧バルブ58Aは閉じたまま、第1高圧バルブ57Aと第2低圧バルブ58Bが開かれる。これにより、ピストン55はB側に動かされる。このピストン55のB側への直線運動は、ラックギヤ52、ピニオンギヤ51、及びワンウェイクラッチ56を介して、出力軸31を所定方向へ回転させるトルクへ変換される。
ピストン55がA側ではなくB側に位置しているのであれば、まず、ステップS204において、バックギヤ59がピニオンギヤ51とラックギヤ52との間に入れられる。次に、ステップS205において、第1高圧バルブ57Aと第2低圧バルブ58Bは閉じたまま、第2高圧バルブ57Bと第1低圧バルブ58Aが開かれる。これにより、ピストン55はA側に動かされる。このピストン55のA側への直線運動は、ラックギヤ52、バックギヤ59、ピニオンギヤ51、及びワンウェイクラッチ56を介して、出力軸31を所定方向へ回転させるトルクへ変換される。
再び図8に戻り、始動装置40の制御フローについての説明を続ける。ステップS104においてトルク発生装置50が起動されると、次に、ステップS105において、タイマのカウントが開始される。
トルク発生装置50が起動され、トルク発生装置50からトルクを加えられることで、タービン30の回転数は速やかに上昇していく。ただし、熱源側と冷却側との間の差圧が確保されていなかった等の原因により、タービン30の回転数がエンジン33の回転数に追いつかない場合もある。ステップS106では、タービン回転数がエンジン回転数に減速比を乗じて得られる目標回転数以上になったかどうか判定される。
タービン回転数が目標回転数以上になった場合、ステップS107において、トルク発生装置50が停止される(トルク発生装置OFF)。そして、ステップS108において、クラッチ32が接続され(クラッチON)、タービン30によるエンジン33のアシストが開始される。また、ステップS109において、タイマのカウントが停止される。これにより、今回の処理は終了する。
タービン回転数が目標回転数に達しない場合、ステップS110において、タイマのカウント値が所定停止時間を超えたかどうか判定される。タイマのカウント値が所定停止時間を超えていない場合、制御フローはステップS106に戻り、再びステップS106の判定が行われる。
タイマのカウント値が所定停止時間を超えた場合、ステップS111において、トルク発生装置50が停止される(トルク発生装置OFF)。このとき、クラッチ32は切り離したままとされる。そして、ステップS112において、タイマのカウントが停止される。これにより、今回の処理は終了する。
なお、トルク発生装置50を停止する場合、起動させる場合と同様に、所定の制御フローに従ってトルク発生装置50の制御が行われる。図10は、トルク発生装置50を停止させるときのトルク発生装置50の制御フローを示すフローチャートである。トルク発生装置50を停止する場合、まず、ステップS301においてラックギヤ52とピニオンギヤ51とが切り離される。次に、ステップS302において、バルブ機構を構成する全てのバルブ57A,57B,58A,58Bが閉じられる。
2 蒸気発生器
30 タービン(膨張器)
31 出力軸
32 クラッチ
33 エンジン(動力回収装置)
40 始動装置
41 高圧管
42 低圧管
50 トルク発生装置
51 ピニオンギヤ
52 ラックギヤ
54 シリンダ
55 ピストン
56 ワンウェイクラッチ
57A,57B,58A,58B バルブ
59 バックギヤ
60 ECU(制御装置)

Claims (1)

  1. エンジンの廃熱により液相流体を沸騰させて蒸気を発生させる蒸気発生器と、前記蒸気発生器において発生した蒸気を膨張させて動力を取り出す膨張器と、前記膨張器の出力軸に連結され前記膨張器によって取り出された動力を回収する動力回収装置とを備える廃熱回収装置に設けられ、前記膨張器の始動時に前記膨張器の回転数の上昇をアシストする膨張器始動装置であって、
    前記出力軸と前記動力回収装置とを切り離すクラッチと、
    前記出力軸にトルクを加えるトルク発生装置と、
    前記クラッチ及び前記トルク発生装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記トルク発生装置は、
    ピストンを移動可能に収容し前記ピストンによって第1室と第2室とに区画されたシリンダと、
    前記膨張器よりも上流側の流体経路と前記シリンダとを接続する高圧管と、
    前記膨張器よりも下流側の流体経路と前記シリンダとを接続する低圧管と、
    前記高圧管の連通先と前記低圧管の連通先とを前記第1室と前記第2室との間で複数のバルブを用いて切り替えることにより、圧力差を利用して前記シリンダ内で前記ピストンを移動させるバルブ機構と、
    前記ピストンの直線運動を、前記出力軸を一方向に回転させるトルクに変換するギヤ機構と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記膨張器の始動時、前記クラッチを切り離した状態で前記トルク発生装置を作動させ、前記膨張器の回転数が目標回転数まで上昇したら前記クラッチを接続する
    ことを特徴とする廃熱回収装置の膨張器始動装置。
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