JP2018178879A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Yuki Suzuki
雄貴 鈴木
土屋 富久
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Abstract

【課題】堆積物の堆積量を精度高く推定することが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供することを課題とする。
【解決手段】内燃機関の排気通路に設けられ、排気通路に添加剤を添加する添加弁と、排気通路の添加弁よりも下流側に設けられ、排気を浄化する触媒と、排気通路の前記添加弁よりも下流側であって触媒よりも上流側に設けられ、前記添加剤と排気との混合を促進するミキサと、添加剤に由来する可溶分および不溶分のミキサへの堆積量を推定する推定部と、を具備し、推定部は、所定時間前における可溶分および不溶分の堆積量に基づいて、添加弁から添加される添加剤のうちミキサに付着する添加剤の量を算出し、可溶分およびミキサに付着する添加剤のうち不溶分への変質量、可溶分およびミキサに付着する添加剤の熱分解量、ならびに不溶分の熱分解量を推定することで、可溶分および不溶分の堆積量を推定する内燃機関の排気浄化装置。
【選択図】図3

Description

本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関から発生する排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化するために、例えば選択型還元触媒(SCR触媒:Selective Catalytic Reduction)などの触媒が用いられている。内燃機関の排気通路には、添加剤(尿素水)を添加する添加弁、および添加弁よりも下流側に位置する触媒が設けられる。添加弁から排気に尿素水を添加し、尿素水からアンモニアを発生させる。触媒はNOxを吸着し、アンモニアと還元反応させることで窒素と水に分解し、NOxを浄化する。
尿素水に由来する堆積物により、触媒の浄化性能が低下することが知られている。このため、堆積物の堆積量の予測を行う技術が要求されている(例えば特許文献1)。
特開2013−124552号公報
ミキサに尿素水を衝突させることで、尿素水と排気とを混合させ、触媒の浄化性能を高めることがある。しかし、尿素水由来の堆積物がミキサに堆積することがある。堆積物が堆積すると、ミキサにより尿素水を排気に分散させることが難しくなり、浄化性能が悪化する。また、排気通路の圧力損失(圧損)の増加の恐れもある。浄化性能の確保などのために、堆積物をミキサから除去するなどの対策を取ることがある。このため堆積物のミキサへの堆積量を正確に推定することが好ましい。しかし、堆積物の堆積量は内燃機関の状態などに応じて変化するため、推定が困難であった。そこで、堆積物の堆積量を精度高く推定することが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的は、内燃機関の排気通路に設けられ、前記排気通路に添加剤を添加する添加弁と、前記排気通路の前記添加弁よりも下流側に設けられ、排気を浄化する触媒と、前記排気通路の前記添加弁よりも下流側であって前記触媒よりも上流側に設けられ、前記添加剤と前記排気との混合を促進するミキサと、前記添加剤に由来する可溶分および不溶分の前記ミキサへの堆積量を推定する推定部と、を具備し、前記推定部は、所定時間前における前記可溶分および前記不溶分の堆積量に基づいて、前記添加弁から添加される前記添加剤のうち前記ミキサに付着する添加剤の量を算出し、前記可溶分および前記ミキサに付着する添加剤のうち前記不溶分への変質量、前記可溶分および前記ミキサに付着する添加剤の熱分解量、ならびに前記不溶分の熱分解量を推定することで、前記可溶分および前記不溶分の堆積量を推定する内燃機関の排気浄化装置によって達成できる。
堆積物の堆積量を精度高く推定することが可能な内燃機関の排気浄化装置を提供できる。
図1は排気浄化装置を例示する模式図である。 図2(a)から図2(c)はミキサの拡大図である。 図3はECUが行う堆積量推定処理を例示するフローチャートである。 図4(a)はエンジンが作動する時間、堆積量および付着係数の関係を示す図である。図4(b)は排気流量と堆積速度との関係を示す図である。図4(c)はミキサの表面温度と液滴の寿命との関係を示す図である。 図5は温度と反応速度係数との関係を示す図である。 図6(a)はミキサ温度とデポジットの堆積速度との関係を示す図である。図6(b)はミキサ温度、デポジットの堆積量および添加量の関係を示す図である。図6(c)は排気温度、デポジットの堆積量および添加量の関係を示す図である。
(実施形態)
以下、図面を参照して本実施形態の排気浄化装置100について説明する。図1は排気浄化装置100を例示する模式図である。排気浄化装置100はエンジン10(内燃機関)に適用され、添加弁27、ミキサ40、SCR触媒42およびECU(Electronic Control Unit)50を備える。エンジン10は例えば自動車などの車両に搭載されるディーゼルエンジンであり、例えば4気筒エンジンなどの多気筒エンジンとすることができる。
エンジン10にインテークマニホールド11およびエキゾーストマニホールド12が接続されている。インテークマニホールド11は吸気管13に接続されている。エキゾーストマニホールド12は排気管14に接続され、排気通路を形成する。
吸気管13には、上流側から下流側にかけて、エアクリーナ15、ターボチャージャ30のコンプレッサ32、インタークーラ16、スロットルバルブ17およびエアフローメータ18が設けられている。インテークマニホールド11には吸気温度センサ19が設けられている。エアクリーナ15は、例えば吸気管13に導入される吸気を濾過する。インタークーラ16は吸気を冷却する。スロットルバルブ17は吸気の流量を調整する。エアフローメータ18は吸気の流量を測定する。吸気温度センサ19は吸気の温度を測定する。
排気管14には、上流側から下流側にかけて、ターボチャージャ30のタービン34、排気温度センサ25、NOxセンサ26、添加弁27、ミキサ40およびSCR触媒42が設けられている。排気温度センサ25は排気の温度を測定する。NOxセンサ26は排気中のNOxの濃度を検出する。
添加弁27はミキサ40に向けて尿素水を噴射する。尿素水はミキサ40に衝突し、ミキサ40は尿素水の排気への分散を促進させる。排気の熱により尿素水はアンモニア(NH)に分解される。SCR触媒42はアンモニアを利用して排気中のNOxを還元して窒素および水に分解することで、排気を浄化する。なお、排気管14には、排気中の粒子状物質(PM:Particle Matter)を捕集するフィルタ(例えばDPF:Diesel Particle Filter)、および酸化触媒などが設けられてもよい。
吸気管13と排気管14とは、EGR通路21により接続され、排気の一部は、EGR通路21を通じて、排気管14から吸気管13へと循環する。EGR通路21にはEGRクーラ22およびEGRバルブ23が設けられている。EGRクーラ22はEGR通路21内の排気(EGRガス)を冷却する。EGRバルブ23はEGRガスの流量を調整する。
エンジン10には気筒ごとに燃料噴射弁28が設けられ、燃料噴射弁28はコモンレール29と連結されている。燃料は不図示の燃料ポンプからコモンレール29に供給され、各燃料噴射弁28からエンジン10の燃焼室内に噴射される。
ターボチャージャ30は、連結部36により連結されたコンプレッサ32およびタービン34を含む。タービン34は排気により回転する。コンプレッサ32はタービン34とともに回転し、吸気を圧縮する。
図2(a)から図2(c)はミキサ40の拡大図であり、排気の流れる方向から見た正面図である。図2(a)から図2(c)に示すように、ミキサ40は旋回翼40aを備える。旋回翼40aは、放射状に延び、例えば排気の流れにより旋回する。旋回翼40aが回転することで、尿素水が排気中に拡散される。図2(b)および図2(c)に示すように、ミキサ40にはデポジット41が堆積することがある。図2(b)は少量のデポジット41が堆積した状態であり、図2(c)は大量のデポジット41が堆積した状態である。デポジット41はミキサ40による尿素水の分散を阻害する恐れがある。この結果、SCR触媒42の浄化性能が低下し、排気管14の圧力損失(圧損)が増大する恐れもある。
ミキサ40への堆積物は可溶分と不溶分に分類することができる。可溶分は、液体状の尿素水、または析出した尿素であり、水溶性の成分である。可溶分はミキサ40による尿素水の拡散に大きく影響しない。一方、不溶分は図2(b)および図2(c)に示すデポジット41であり、例えば尿素水が化学反応することで生じる水に溶けにくい固体である。可溶分は熱により不溶分に変質することがある。
ECU50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU50は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより各種制御を行う。ECU50は、スロットルバルブ17、エアフローメータ18、吸気温度センサ19、EGRバルブ23、排気温度センサ25、NOxセンサ26、添加弁27、燃料噴射弁28に電気的に接続され、またミキサ40に設けられた不図示のヒータに接続されてもよい。
ECU50は、エアフローメータ18から吸入空気量を、排気温度センサ25から排気の温度を、NOxセンサ26からNOxの濃度を取得する。ECU50は、吸入空気量に基づき排気流量を算出し、かつ例えば排気温度、排気流量、尿素水の添加量および温度などからミキサ40の温度を推定する。ECU50は、スロットルバルブ17およびEGRバルブ23の開度を調整し、また燃料噴射弁28の燃料噴射量および噴射時期を制御し、さらに例えばNOxの濃度に応じて添加弁27からの尿素水の添加量および添加時期を制御する。ECU50は、ミキサ40に設けられた不図示のヒータを用いてミキサ40を加熱することで、デポジット41を除去してもよい。さらにECU50は、SCR触媒42への堆積物(可溶分および不溶分)の堆積量を推定する推定部として機能し、図3に示す堆積量推定処理を行う。
(堆積量推定処理)
図3はECU50が行う堆積量推定処理を例示するフローチャートである。この処理は、例えば車両の運転中に所定の周期ごとに繰り返し実行される。
図3に示すように、ECU50はエンジン10の状態を取得する(ステップS10)。エンジン10の状態とは、エアフローメータ18により測定される吸入空気量、排気流量、排気温度センサ25により測定される排気の温度、NOxセンサ26により測定されるNOxの濃度、本処理の開始の所定時間(Δt秒)前におけるミキサ40への可溶分の堆積量D1および不溶分の堆積量D2などである。堆積量D1およびD2は例えばECU50が備える記憶装置に記憶されている。ECU50は、排気流量、排気温度などに基づき、ミキサ40の温度を取得する(ステップS12)。なお、ステップS10とS12とは順番を入れ替えてもよい。
ECU50は、添加弁27による尿素水の添加を実行するか否かを判定する(ステップS14)。例えばNOxの濃度が所定量以上ならば添加を行い、NOxの濃度が所定量未満ならば添加を行わない。また排気温度が所定の温度より高い場合に添加を行い、所定の温度より低い場合に添加を行わないとしてもよい。排気温度が高いとSCR触媒42が活性温度になり、NOxの還元浄化が効果的に行われる。ステップS14において肯定判定(Yes)の場合、尿素水の添加が行われ、さらにステップS16が実行される。否定判定(No)の場合、後述のステップS22が行われる。
ECU50は、付着係数を取得する(ステップS16)。付着係数とは、添加弁27から噴射された尿素水のうち、ミキサ40に付着する量(付着量)を決定するパラメータである。添加直後にミキサ40に付着するのは液体の状態の尿素水である。ECU50は、後述の図4(a)に示すマップに基づき付着係数を取得する。ECU50は、付着係数を用いてミキサ40への尿素水の付着量を推定する(ステップS18)。例えば次の(1)式により付着量が算出される。
付着量=付着係数×添加量 (1)
ECU50は、ステップS10で取得した所定時間前の可溶分の堆積量D1に、ステップS18で推定された付着量を加算する(ステップS20)。ミキサ40への付着直後における添加剤はほぼすべて液体の状態、すなわち可溶分の状態にある。このため、ステップS20では添加剤の添加直後のミキサ40における可溶分の合計量が算出される。
ECU50は、不溶分の堆積量D2が、所定の量(閾値)D0未満であるか否か判定する(ステップS22)。肯定判定の場合、ECU50は、ミキサ温度に基づいて反応速度係数を取得する(ステップS24)。一方、否定判定の場合、ECU50は排気温度に基づいて反応速度係数を取得する(ステップS26)。
図5において後述するように、反応速度係数とは、可溶分の不溶分(デポジット41)への変質に関するパラメータである可溶分変質速度係数、可溶分の熱分解に関するパラメータである可溶分熱分解速度係数、不溶分の熱分解に関するパラメータである不溶分熱分解速度係数などである。これら各反応速度係数を用いた(2)式により、各反応の反応速度が算出される。
反応速度=反応速度係数×物質量 (2)
反応速度の一例として、可溶分から不溶分への変質速度の算出式を次の(3)式に示す。
可溶分の変質速度=可溶分変質速度係数×可溶分の物質量 (3)
ECU50は反応速度係数を用いて、変質速度、可溶分および不溶分それぞれの熱分解速度(反応速度と総称)を算出する。こうして算出された反応速度を用いて、反応量(可溶分の不溶分への変質量、可溶分および不溶分それぞれの熱分解量など)を算出することができる。
デポジット41の堆積量が少ない場合、ミキサ40の露出面積が大きい。したがってミキサ40の表面から堆積物へと熱が伝わりやすく、ミキサ40の温度が、変質および熱分解に大きく影響する。このため、ステップS24のように、ミキサ温度を引数とすることで、精度の高い反応速度係数を取得することができる。一方、堆積量が多くなると、ミキサ40の露出面積が小さくなる(図2(a)から図2(c)参照)。したがって、堆積物には、ミキサ40からの熱が伝わりにくくなる。このためミキサ40の温度よりも排気温度が変質および熱分解に大きく影響する。そこで、ステップS26のように、排気温度を引数とすることで、精度の高い反応速度係数を取得することができる。
ECU50は可溶分の堆積量D3および不溶分の堆積量D4を推定する(ステップS28)。推定は例えば以下のように行われる。ECU50は、ステップS26で得られた各種の反応速度係数および(2)式を用いて各反応速度を計算し、さらに反応量(可溶分から不溶分への変質量、ならびに可溶分および不溶分それぞれの熱分解量)を算出する。ステップS20で得られた尿素水の付着量と可溶分との合計のうち、熱分解量および不溶分に変質する量を減じた後の量が可溶分の堆積量D3である。また、ステップS10で取得されたΔt前の不溶分の堆積量D2に、不溶分への変質量を加え、不溶分の熱分解量を減じたものが不溶分(デポジット41)の堆積量D4である。
ECU50は堆積量D3およびD4を記憶装置に格納する(ステップS30)。ステップS30の後、処理は終了する。ここで格納された堆積量は、所定時間後に行われる図3の処理において用いられる。つまり可溶分の堆積量D3は、次に行われる処理では堆積量D1として用いられ、不溶分の堆積量D4は堆積量D2として用いられる。また、例えば不溶分の堆積量D4が所定量より多い場合、ECU50はミキサ40を加熱してデポジット41を除去してもよい。SCR触媒42の浄化率の悪化を抑制するため、ECU50は添加弁27からの尿素水の添加量を増加させてもよい。次に付着係数、反応速度係数、および堆積量について詳しく説明する。
(付着係数)
付着係数は、ミキサ40の温度、堆積量、排気流量および排気温度などに基づき定めることができる。図4(a)はエンジン10が作動する時間、堆積量および付着係数の関係を示す図である。横軸はエンジン10の作動する時間、左側の縦軸および破線はΔt前におけるデポジット41の堆積量D2、右側の縦軸および実線は付着係数である。
図4(a)に示すように、時間とともにデポジット41の堆積量は多くなる。デポジット41は細孔構造であるため、ミキサ40に比べて尿素水が付着しやすい。したがってデポジット41の堆積量D2の増大に伴い付着係数を大きくすることで、付着量を精度高く推定することができる。時間t1以前、堆積量は少なく、デポジット41が堆積していないこともある。このとき、付着係数はX1である。図4(a)のt1〜t2の期間において堆積量は増大し、付着係数はX2(>X1)である。時間t2以降において堆積量はさらに増大し、付着係数はX3(>X2)である。このように、ECU50はΔt前のデポジット41の堆積量D2に基づいて、適切な付着係数を取得する(図3のステップS16)。これにより付着量の算出の精度が向上する。付着係数は階段状に変化するものとしたが、例えば堆積量とともに連続的に上昇してもよい。
なお、堆積量D2だけでなく、ミキサ40の温度、排気温度および排気流量などの条件も付着係数に影響する。図4(b)は排気流量と堆積速度との関係を示す図である。図4(b)に示すように、排気流量が大きいほど堆積速度は小さくなる。排気流量が大きくなると尿素水の蒸発が促進され、また尿素水の液膜の厚さが減少するため、ミキサ40に付着しにくくなる。このため図4(b)のように堆積速度も小さくなる。
図4(c)はミキサ40の表面温度と液滴の寿命との関係を示す図である。横軸は表面温度、縦軸は液滴の寿命を表し、T1はライデンフロスト点である。表面温度としては、例えばステップS12で取得したミキサ40の温度を用いることができる。尿素水の液滴の寿命は表面温度に対して図4(c)のような挙動を示す。液滴の寿命が短くなれば付着量も少なくなる。
図4(b)および図4(c)において述べたように、排気流量およびミキサ40の温度によって付着量は変化する。また排気温度が高くなると、尿素水の微粒化が促進され、ミキサ40に到達しにくいため、付着量は少なくなる。付着量を精度高く推定するため、条件(ミキサ40の温度、排気温度および排気流量など)に応じた付着係数を取得することが好ましい。そこでECU50は、各条件に対応した図4(a)のマップを記憶する。これによりECU50は、図3のステップS10およびS12で取得する条件に応じたマップを参照して、適切な付着係数を定めることができる。例えば排気流量が大きい場合、小さな付着係数が得られるようなマップを用いる。
(反応速度係数)
図5は温度と反応速度係数との関係を示す図である。横軸は温度の逆数、縦軸は反応速度係数を示す。温度とはミキサ温度または排気温度である。円は可溶分変質速度係数、四角は可溶分熱分解速度係数、三角は不溶分熱分解速度係数を表す。図5に示すように、いずれの係数も温度が低いほど小さく、温度が高いほど大きい。例えばT2未満の低温(1/T2より右側)においては可溶分変質速度係数が小さいため、可溶分が不溶分に変質しにくい。また、T3よりも高温(1/T3より左側)においては可溶分熱分解速度係数および不溶分熱分解速度係数が大きいため、可溶分および不溶分の熱分解量が多くなる。したがって低温および高温では不溶分(デポジット41)が堆積しにくい。一方、中程度の温度(例えばT2〜T3)では、可溶分が不溶分に変質し、かつ可溶分および不溶分が熱分解しにくい。したがって不溶分が堆積しやすい。
(堆積速度および堆積量)
図6(a)はミキサ温度とデポジット41の堆積速度との関係を示す図である。横軸はミキサ40の温度、縦軸はデポジット41の堆積速度を示す。図6(a)に示すように、ミキサ温度がT4未満では、ミキサ温度の上昇とともに堆積速度は上昇する。T4において堆積速度は最大になり、T4以上ではミキサ温度の上昇とともに堆積速度は低下する。図5において説明したように、低温では可溶分が不溶分(デポジット41)に変質しにくいため、不溶分の堆積速度は小さい。一方、高温では可溶分および不溶分の熱分解が促進されるため、堆積速度は小さくなる。T4付近のミキサ温度においては、可溶分が不溶分に変質しやすく、かつ熱分解も起こりにくい。したがって不溶分の堆積速度が大きくなる。
図6(b)はミキサ温度、デポジット41の堆積量および添加量の関係を示す図である。横軸はミキサ温度、縦軸は堆積量を表す。図6(b)においても、T5以下の低温およびT6以上の高温では堆積量が小さい。これは図5において説明したように、温度に応じて反応速度係数が変化し、低温では可溶分の変質が起こりにくく、高温では熱分解が促進されるためである。また、中間の温度(T5〜T6)において堆積量が大きいのは、熱分解が起こりにくく、かつ可溶分が不溶分(デポジット41)に変質しやすいためである。なお、同じミキサ温度で比較すると、添加量がY1〜Y4にかけて大きくなるほど堆積量も大きくなる。
図6(c)は排気温度、デポジット41の堆積量および添加量の関係を示す図である。横軸は排気温度、縦軸は堆積量を表す。図6(c)においても、図6(b)の例と同様に、排気温度が低温の場合は可溶分の変質が起こりにくく、高温の場合には熱分解が促進されるため、中間の温度において堆積量が多くなる。
堆積量が少ない場合、ミキサ温度の反応速度係数および堆積量への影響が大きくなり、堆積量が多い場合は排気温度の影響が大きくなる。そこで図3に示したように、Δt前の堆積量D2がD0未満の場合、ECU50はミキサ温度を引数として反応速度係数を定める(ステップS24)。このため、堆積量は図6(b)のような傾向を示す。Δt前の堆積量D2がD0以上の場合、ECU50は排気温度を引数として反応速度係数を定める(ステップS26)。このとき、堆積量は図6(c)のような傾向を示す。
以上のように、本実施形態によれば、ECU50は、Δt前における堆積量に基づき、ミキサ40への尿素水の付着量を算出し、可溶分の堆積量D1と付着量とを加えることで、可溶分の合計量を取得する(図3のステップS18およびS20)。さらにECU50は、合計された可溶分の不溶分への変質量、ならびに可溶分および不溶分の熱分解量を推定することで、可溶分および不溶分(デポジット41)の堆積量D3およびD4を推定する(図3のステップS28)。図4(a)において説明したように、ミキサ40に既に堆積しているデポジット41の量が多いほど、尿素水はミキサ40に付着しやすい(付着係数が大きくなる)。したがって、Δt前の堆積量を考慮することで、堆積量D3およびD4の算出の精度が向上する。特に、デポジット41はミキサ40による尿素水の拡散を阻害することがあるため、デポジット41の堆積量D4を精度高く推定することが重要である。堆積量に応じてデポジット41の除去などを行うことができる。
得られた堆積量D3およびD4は、その後に再び行われる図3の処理において、堆積量推定のためのパラメータD1およびD2として用いられる(図3のステップS20およびS22)。このように本実施形態では、堆積量の変動を考慮し、堆積量推定処理前(Δt前)の堆積量を用いて、デポジット41の堆積量を算出する。したがって堆積量を精度高く推定することができる。
尿素水の付着量と可溶分の堆積量D1とを加算することで、添加後の可溶分の合計量を算出する。この可溶分から不溶分への変質量および熱分解量を算出することで、堆積量D3およびD4の推定の精度が向上する。
図5に示したように、低い温度では堆積物のうち可溶分が不溶分(デポジット41)に変質しにくく、高い温度では堆積物が分解しやすい。また、その中間の温度ではデポジット41が多く堆積する。本実施形態によれば、ミキサ温度または排気温度に基づいて反応速度係数(可溶分変質速度係数、可溶分熱分解速度係数、不溶分熱分解速度係数など)を求め、堆積量を算出する。このため堆積量の推定の精度が高い。
反応速度係数の引数として、ミキサ温度および排気温度のいずれか一方を用いることができる。例えば堆積量D2がD0未満の場合はミキサ温度、D2がD0以上の場合は排気温度を引数とする(図3のステップS24およびS26)。これにより反応速度係数を精度高く求めることができる。なお、反応速度係数の取得のための温度として、ミキサ温度または排気温度のいずれか一方のみを用いてもよい。これにより処理が簡単になる。
ミキサ40は旋回翼40aを有するとしたが、異なる構成を有してもよく、尿素水を排気中に拡散させるものであればよい。また、添加剤は尿素水以外の還元剤でもよい。エンジンはディーゼルエンジン以外にガソリンエンジンでもよい。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 エンジン
11 インテークマニホールド
12 エキゾーストマニホールド
13 吸気管
14 排気管
15 エアクリーナ
16 インタークーラ
17 スロットルバルブ
18 エアフローメータ
19 吸気温度センサ
21 EGR通路
22 EGRクーラ
23 EGRバルブ
25 排気温度センサ
26 NOxセンサ
27 添加弁
28 燃料噴射弁
29 コモンレール
30 ターボチャージャ
32 コンプレッサ
34 タービン
36 連結部
40 ミキサ
40a 旋回翼
41 デポジット
42 SCR触媒
50 ECU
100 排気浄化装置

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、前記排気通路に添加剤を添加する添加弁と、
    前記排気通路の前記添加弁よりも下流側に設けられ、排気を浄化する触媒と、
    前記排気通路の前記添加弁よりも下流側であって前記触媒よりも上流側に設けられ、前記添加剤と前記排気との混合を促進するミキサと、
    前記添加剤に由来する可溶分および不溶分の前記ミキサへの堆積量を推定する推定部と、を具備し、
    前記推定部は、所定時間前における前記可溶分および前記不溶分の堆積量に基づいて、前記添加弁から添加される前記添加剤のうち前記ミキサに付着する添加剤の量を算出し、
    前記可溶分および前記ミキサに付着する添加剤のうち前記不溶分への変質量、前記可溶分および前記ミキサに付着する添加剤の熱分解量、ならびに前記不溶分の熱分解量を推定することで、前記可溶分および前記不溶分の堆積量を推定する内燃機関の排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021042690A (ja) * 2019-09-10 2021-03-18 マツダ株式会社 エンジンの排気浄化装置、及び付着還元剤の推定方法

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