JP2018178246A - アルミニウム−亜鉛−銅(Al−Zn−Cu)合金及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム−亜鉛−銅(Al−Zn−Cu)合金及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳造性が改善され、強度及び延伸率がともに向上されたアルミニウム−亜鉛−銅合金及びその製造方法を提供する。【解決手段】合金全体重量に対して、18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含み、鋳造状態において引張強度が230〜450Mpa、好ましくは310〜450Mpaであり、延伸率が2.75〜10%、好ましくは4〜10%であるアルミニウム−亜鉛−銅合金。X回析像において、格子定数のZn(0002)面の2θが36.3〜36.9であり、格子定数のZn(1000)面2θが38.7〜38.9である、アルミニウム−亜鉛−銅合金。伝導度が37%IACS以上であり、Al基地内のZn相の直径及び長さが、内の少なくとも一つが10〜100nmである、アルミニウム−亜鉛−銅合金。【選択図】図2

Description

本発明は、アルミニウム−亜鉛−銅(Al−Zn−Cu)合金及びその製造方法に関し、より詳細には、鋳造性が改善され、強度及び延伸率がともに向上されたアルミニウム−亜鉛−銅鋳造合金、熱処理合金、加工用合金及びその製造方法に関する。
鋳造法は、大量生産が可能であるとの利点等から多くの分野で使用されているが、特に自動車部品において多く使用されており、その他にも電気機器、光学機器、車、紡績機、建築、計測器等の部品製作等に多く使用されている。
一般的に鋳造用アルミニウム合金としては、鋳造性に優れたAl−Si系合金及びAl−Mg系合金等が使用されてきたが、引張強度が低い。このため、相対的に高い引張強度を有するアルミニウム合金としては、押出、圧延、鍛造等の塑性加工用アルミニウム合金が使用されている。このような塑性加工用アルミニウム合金は、塑性加工性に優れるが、鋳造時にクラックが発生する等鋳造性が劣る問題点があった。
一方、アルミニウム合金は軽量合金であって、耐腐食性及び熱伝導性に優れ、構造材として使用されている。アルミニウムは機械的性質が低いので、亜鉛、銅、シリコン、マグネシウム、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、セリウム等の金属中の1種または2種以上を含むアルミニウム合金にし、様々な産業分野、特に自動車、船舶、航空機等の内/外装材の構造材として広く使用されている。アルミニウム−亜鉛合金は、アルミニウムの硬度を高めるために使用されているアルミニウム合金であって、通常合金全体重量に対して10〜14重量%の亜鉛を含む。
自動車、船舶、航空機等の構造材に使用するためには、引張強度、延伸率、衝撃吸収エネルギー等が重要な機械的特性として考慮される。一般的に引張強度及び延伸率は、いずれか一方の特性が向上すると、他方の特性が減殺されるトレード−オフ(trade−off)の関係にあるので、引張強度と延伸率をともに向上させることは困難であるという問題点があった(図1参照)。
韓国登録特許第10−1387647号公報
本発明の目的は、クラックの発生等が最少化され、鋳造性が改善されたアルミニウム−亜鉛−銅合金を提供することにある。
本発明の他の目的は、強度及び延伸率がともに向上されたアルミニウム−亜鉛−銅鋳造合金及び熱処理合金を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、鋳造性が改善され、強度及び延伸率がともに向上されたアルミニウム−亜鉛−銅鋳造合金、熱処理合金及び加工用合金を効率的に製造できる製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的及び利点は、下記の発明の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面により、より明確になる。
本発明の一側面によれば、合金全体重量に対して18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含み、鋳造状態において引張強度が230〜450Mpaであり、延伸率が2.75〜10%である、アルミニウム−亜鉛−銅合金が提供される。
本発明の一実施例によれば、鋳造状態において引張強度は、310〜450Mpaであることができる。
本発明の一実施例によれば、鋳造状態において延伸率は、4〜10%であることができる。
本発明の他の側面によれば、合金全体重量に対して18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含み、X線(X−ray)回折像においての格子定数のZn(0002)面の2θが、36.3〜36.9である、アルミニウム−亜鉛−銅合金が提供される。
本発明の更に他の側面によれば、合金全体重量に対して18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含み、X線回折像においての格子定数のZn(1000)面の2θが、38.7〜38.9である、アルミニウム−亜鉛−銅合金が提供される。
本発明の更に他の側面によれば、合金全体重量に対して18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含み、伝導度が37%IACS(International Annealed Copper Standard)以上である、アルミニウム−亜鉛−銅合金が提供される。
本発明の更に他の側面によれば、合金全体重量に対して18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含み、Al基地内のZn相の直径及び長さのうちの少なくとも1つが10〜100nmである、アルミニウム−亜鉛−銅合金が提供される。
本発明の一実施例によれば、合金全体重量に対して0重量部超過1重量部未満のマグネシウム及び0重量部超過0.5重量部未満のケイ素のうちの少なくとも1種をさらに含むことができる。
本発明の更に他の側面によれば、上記アルミニウム−亜鉛−銅合金を熱処理したアルミニウム−亜鉛−銅合金であって、引張強度が330〜600Mpaである、アルミニウム−亜鉛−銅合金が提供される。
本発明の一実施例によれば、アルミニウム−亜鉛−銅合金の延伸率が4〜12%であることができる。
本発明の一実施例によれば、上記熱処理温度は、150℃〜500℃であることができる。
本発明の更に他の側面によれば、合金全体重量に対して18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含む合金溶湯を製造する第1段階と、第1段階で製造された合金溶湯を金型または砂型に注入して鋳造する第2段階とを含む、アルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法が提供される。
本発明の一実施例によれば、第1段階は、650℃〜750℃で行われ、合金が完全溶融された後に脱ガス作業を行うことができる。
本発明の一実施例によれば、鋳造状態においてアルミニウム−亜鉛−銅合金の引張強度が230〜450Mpaであり、延伸率が2.75〜10%であることができる。
本発明の一実施例によれば、アルミニウム−亜鉛−銅合金は、X線回折像においての格子定数のZn(0002)面の2θは、36.3〜36.9であることができる。
本発明の一実施例によれば、アルミニウム−亜鉛−銅合金は、X線回折像においての格子定数のZn(1000)面の2θは、38.7〜38.9であることができる。
本発明の一実施例によれば、アルミニウム−亜鉛−銅合金は、Al基地内のZn相の直径及び長さのうちの少なくとも1つが10〜100nmであることができる。
本発明の一実施例によれば、上記アルミニウム−亜鉛−銅合金を150℃〜500℃の温度で熱処理して固溶体を形成する段階をさらに含むことができる。
本発明の一実施例によれば、上記熱処理は、30分以上加熱して行われることができる。
本発明の更に他の側面によれば、上記合金から製造される鋳造品が提供される。
本発明の更に他の側面によれば、上記合金から製造される加工アルミニウム合金製品が提供される。
本発明の一実施例によれば、クラックの発生等が最少化され、鋳造性が改善されたアルミニウム−亜鉛−銅合金を提供することができる。
本発明の一実施例によれば、強度及び延伸率がともに向上されたアルミニウム−亜鉛−銅鋳造合金及び熱処理合金を提供することができる。
本発明の一実施例によれば、鋳造性が改善され、強度及び延伸率がともに向上されたアルミニウム−亜鉛−銅鋳造合金、熱処理合金及び加工用合金を効率的に製造することができる。
本発明の一実施例によれば、成形性が改善され、強度、延伸率及び伝導度がともに向上されたアルミニウム−亜鉛−銅合金を効率的に製造することができる。
従来の加工用アルミニウム合金及び鋳造用アルミニウム合金の強度と軟性とのトレードオフ(trade−off)関係を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る鋳造合金の成形性に優れることを示す写真である。 本発明の実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金が従来の合金に比べて引張強度及び延伸率がともに向上されたことを示すグラフである。 本発明の一実施例に係る亜鉛相の大きさの減少及び粒子間の間隔の減少による鋳造合金の機械的特性の向上を示す写真である。 本発明の一実施例に係る銅添加時に、銅が亜鉛粒子内部に固溶されることを示す写真である。 本発明の一実施例に係る銅添加による亜鉛相とアルミニウム相との界面エネルギー変化を計算するためのAl/Zn−Cu合金の界面を概略的に示す図である。 本発明の一実施例に係る銅添加による亜鉛相の界面エネルギー変化を示すグラフである。 本発明の一実施例に係る銅添加による亜鉛の格子定数の変化を示すグラフである。 銅添加による亜鉛(0002)面の格子定数の変化を示すグラフである。 本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるZn(0002)面のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。 本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるZn(1000)面のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。 本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるAl(111)面のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。 本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるAl(200)のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。 本発明の一実施例において銅添加による合金の熱処理後の冷却時の亜鉛相の大きさの変化を示す写真である。 図13aに表示された測定部位の亜鉛相の大きさを示すグラフである。 本発明の一実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金を製造する方法を概略的に示す順序図である。 本発明の一実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金を製造する工程及び工程ごとの合金の特性を概略的に示す図である。 本発明の実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金の真変形率(true stain)による伝導度の変化を示すグラフである。
本出願で用いた用語は、単に特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明白に表現しない限り、複数の意味を含む。
本願において、「含む」または「有する」等の用語は明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解しなくてはならない。
本出願において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特別に反対となるような構成の記載がない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書の全般にわたって、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
本発明は多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、特定の実施例を図面に例示し、詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物及び代替物を含むものとして理解されるべきである。
本発明を説明するに当たって、係わりのある公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を却って不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用されるが、上記構成要素が上記用語により限定されることはない。
以下に、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明を省略する。
本発明においてのアルミニウム−亜鉛−銅合金は、合金全体重量に対して、18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとから構成され、鋳造状態において引張強度が230〜450Mpaであり、延伸率が2.75〜10%である。
本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、上記の組成量により、従来の鋳造合金に比べて著しく改善された成形性を有する。すなわち、本発明に係る鋳造合金は、冷間加工時に断面積が75%減少してもクラック等が発生しない(図2参照)。
また、本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、鋳造状態において引張強度及び延伸率をともに向上させることができる(図3参照)。
本発明において亜鉛(Zn)は、アルミニウムに合金元素として添加され、引張強度及び硬度を効果的に増加させることができる元素である。本発明に係る鋳造用アルミニウム−亜鉛−銅合金においては、亜鉛が合金全体重量に対して18重量部〜50重量部添加される。これに限定されることではないが、亜鉛の含量が18重量部未満であると、引張強度の増加効果が微々たるものになり、亜鉛の含量が50重量部を超過すると、鋳造性が低下し、熱間脆性の原因となるおそれがある。
これに限定されないが、亜鉛の含量は、20重量部〜50重量部、20重量部〜45重量部、20重量部〜40重量部、30重量部〜50重量部、30重量部〜45重量部、または、30重量部〜40重量部であることができる。これに限定されないが、亜鉛の含量は、合金全体重量に対して30重量部〜45重量部が好ましい。この場合、アルミニウム−亜鉛−銅合金は、鋳造状態において引張強度が350〜450Mpaでありながら、延伸率が4〜10%になることができる(図3参照)。
本発明において銅(Cu)は、アルミニウムに合金元素として添加され、強度上昇に最も大きく寄与する合金元素である。アルミニウム−亜鉛合金に銅を添加すると、熱処理後の冷却時に亜鉛粒子の大きさを減少させ、粒子間の間隔を著しく減少させる(図4及び図5参照)。
本発明において添加された銅は、亜鉛に固溶され、Zn析出相/Al基地相の界面エネルギーを低下させる(図6参照)。析出相と基地相の界面エネルギーが低下すると、析出物の平均の大きさが減少する。よって、銅の添加により、析出相である亜鉛の平均の大きさが減少する。これにより亜鉛粒子間の間隔が大きく減少し、鋳造合金の強度が増加することになる。
図6を参照すると、Al相とZn相とがエネルギーの少ない面である最稠密面どうしが接合することになる。Zn(0002)とAl(100)面が接合することになり、結晶学的に、Al−Zn結合が最も多い面である。銅の含量を6wt%まで増加させると、Al(111)とZn(0001)との間の界面エネルギー(Einter)は、下記の式1により定義することができる。
Al/Zn(Cu)、EAl及びEZn(Cu)は、それぞれAl/Zn(Cu)の界面構造、バルクAl及びバルクZn(Cu)の全体エネルギーであり、Aは、Al/Zn(Cu)界面の全体面積である。
(参考文献:Equation:Perdew−Burke−Ernzerhof approximation(PBE)[1]for the exchange−correlation potential as implanted in the Vienna Ab−initio Simulation Package code(VASP).[2、3][1] J.P.Perdew、K.Burke、and M.Ernzerhof、Phys. Rev. Lett. 77、3865(1996)[2]G.Kresse and J.Hafner、Phys.Rev.B47、558(1993)[3]G. Kresse and J.Furthmuller、Phys.Rev.B54、 11169(1996))
本発明に係る鋳造用アルミニウム−亜鉛−銅合金においては、銅が合金全体重量に対して0.05重量部〜5重量部で添加される。これに限定されないが、銅の含量が0.05重量部未満であると、引張強度の増加効果が微々たるものになり、銅の含量が5重量部を超過すると、鋳造性が低下し、熱間脆性の原因となるおそれがある。
これに限定されないが、銅の含量は、0.05重量部〜5重量部、0.05重量部〜4重量部、0.05重量部〜3重量部、0.05重量部〜2重量部、0.1重量部〜5重量部、0.1重量部〜4重量部、0.1重量部〜3重量部、0.1重量部〜2重量部、0.5重量部〜5重量部、0.5重量部〜4重量部、0.5重量部〜3重量部、0.5重量部〜2重量部、1重量部〜5重量部、1重量部〜4重量部、1重量部〜3重量部、1重量部〜2重量部、2重量部〜5重量部、2重量部〜4重量部、2重量部〜3重量部、3重量部〜5重量部、または3重量部〜4重量部であることができる。
これに限定されないが、銅の含量は、合金全体重量に対して1〜4重量部が好ましい。この場合、アルミニウム−亜鉛−銅合金は、鋳造状態において引張強度が310〜450Mpaでありながら、延伸率が4〜10%になることができる。
本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、X線回折像において格子定数のZn(0002)面の2θが、36.3〜36.9である。
上述したように、本発明に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金は、銅が添加され、Zn析出相/Al基地相の界面エネルギーが著しく減少する。したがって、アルミニウム−亜鉛合金に銅を添加すると、一定範囲内で、Zn(0002)/A1(100)面の界面エネルギーを急激に減少させる(図7a参照)。また、アルミニウム−亜鉛合金に銅を添加すると、Zn(0002)面の格子定数を著しく減少させる一方、Zn(1000)面の格子定数は、銅の固溶量が増加するほど緩やかに増加する(図7b参照)。よって、本発明により、アルミニウム−亜鉛合金に銅を添加することによるZn(0002)/A1(100)面の界面エネルギーの急激な減少は、Zn(0002)面の格子定数の著しい減少が直接的な原因である。
上記のような格子定数は、X線回折像において最高のピークの角度と一致する。したがって、アルミニウム−亜鉛合金に銅を添加すると、Zn(0002)面の格子定数が著しく減少し、X線測定時にZn(0002)面の2θを増加させる(図8参照)。
これにより、本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、X線回折像において格子定数のZn(0002)面の2θが増加して36.3〜36.9である(図9参照)。
上述したように格子定数は、X線回折像において最高のピークの角度と一致する。また、アルミニウム−亜鉛合金に銅を添加すると、Zn(1000)面の格子定数は増加し、X線測定時にZn(1000)面の2θを減少させる。
これにより、本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、X線回折像において格子定数のZn(1000)面の2θが減少して38.7〜38.9である(図10参照)。
一方、アルミニウム基地には銅が固溶されないため、Alピークの位置は、Cu添加により直接的な影響を受けることはない(図11及び図12参照)。
本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、Al基地内のZn相の直径及び長さのうちの少なくとも1つが、10〜100nmであることができる。
上述したように、本発明によりアルミニウム−亜鉛合金に銅を添加すると、析出相である亜鉛の平均の大きさが減少する(図13a及び図13b参照)。これにより亜鉛粒子間の間隔が大きく減少し、鋳造合金の強度が増加する。これに限定されないが、Al基地内のZn相の直径及び長さのうちの少なくとも1つが10nm未満であるか、100nm超過である場合は、銅添加による合金の強度の増加が微々たるものになるおそれがある。
本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、合金全体重量に対して、18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含み、伝導度が37%IACS(International Annealed Copper Standard)以上であることができる。本発明に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金は、引張強度及び延伸率だけではなく、伝導度も向上される(図16参照)。
本発明の一実施例によれば、合金全体重量に対して、0重量部超過、1重量部未満のマグネシウム及び0重量部超過、0.5重量部未満のケイ素のうちの少なくとも1種をさらに含むことができる。
本発明において、マグネシウム(Mg)は、アルミニウムに合金元素として添加され、引張強度及び硬度を効果的に増加させることができる元素である。本発明に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金においては、マグネシウムが合金全体重量に対して、0重量部超過、1重量部未満に添加されるが、マグネシウムの含量が1重量部以上であると、結晶粒系腐食と応力腐食等が発生し、耐食性低下及び延伸率の急激な低下の原因となるおそれがある。
これに限定されないが、マグネシウムの含量は、0.1重量部〜0.9重量部、0.1重量部〜0.7重量部、0.1重量部〜0.5重量部、0.1重量部〜0.3重量部、0.2重量部〜0.9重量部、0.2重量部〜0.7重量部、0.2重量部〜0.5重量部、または0.2重量部〜0.3重量部であることができる。これに限定されないが、マグネシウムの含量は、合金全体重量に対して0.1重量部〜0.3重量部が好ましい。この場合、アルミニウム−亜鉛−銅合金は、鋳造状態において引張強度が380〜450Mpaでありながら、延伸率が4〜10%となることができる。
本発明においてケイ素(Si)は、アルミニウムに合金元素として添加され、鋳造性改善及び機械的性質の改善に寄与できる元素である。本発明に係る鋳造用アルミニウム−亜鉛−銅合金においては、ケイ素が合金全体重量に対して0重量部超過、0.5重量部未満に添加されるが、ケイ素の含量が0.5重量部超過であると、強度が増加せず、延伸率を急激に低下させる原因となるおそれがある。
これに限定されないが、ケイ素の含量は、0.05重量部〜0.4重量部、0.05重量部〜0.3重量部、0.05重量部〜0.2重量部、0.05重量部〜0.1重量部、0.1重量部〜0.4重量部、0.1重量部〜0.3重量部、または0.1重量部〜0.2重量部であることができる。これに限定されないが、ケイ素の含量は合金全体重量に対して0.05重量部〜0.2重量部が好ましい。この場合、アルミニウム−亜鉛−銅合金は、鋳造状態において引張強度が380〜450Mpaでありながら、延伸率が4〜10%になることができる。
本発明の熱処理アルミニウム−亜鉛−銅合金は、上記アルミニウム−亜鉛−銅合金を熱処理したアルミニウム−亜鉛−銅合金であって、引張強度が330〜600Mpaである。熱処理により合金の引張強度を著しく増加させることができる。
また、本発明の熱処理アルミニウム−亜鉛−銅合金は、延伸率が4〜12%であることができる。熱処理により合金の引張強度及び延伸率をともに著しく増加させることができる。
本発明において、上記熱処理温度は、150℃〜500℃であることができる。これに限定されないが、上記熱処理温度が150℃未満である場合は、延伸率を向上させることはできるものの、引張強度が低下するおそれがあり、500℃超過である場合は、引張強度は向上できるものの、延伸率が低下するおそれがある。
図14は、本発明の一実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金を製造する方法を概略的に示す順序図である。図15は、本発明の一実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金を製造する工程及び工程ごとに合金の特性を概略的に示す図である。
図14及び図15を参照すると、先ず、第1段階S100で、鋳造用合金材料を準備して合金溶湯を製造する。
より具体的には、合金全体重量に対して18重量部〜50重量部の亜鉛と、0.05〜5重量部の銅と、残部のアルミニウムとを含む合金溶湯を製造する。
このとき、第1段階S100は、650℃〜750℃で行われ、合金が完全溶融された後に脱ガス作業を行うことができる。
次に、第2段階S200では、製造された合金溶湯を金型または砂型に注入して鋳造する。上記のように鋳造された合金は、上述したように次のような特徴がある。
鋳造状態において引張強度が230〜450Mpaであり、延伸率が2.75〜10%であることができる。また、X線回折像において格子定数のZn(0002)面の2θは、36.3〜36.9であることができる。X線回折像において格子定数のZn(1000)面の2θは、38.7〜38.9であることができる。Al基地内のZn相の直径及び長さのうちの少なくとも1つが10〜100nmであることができる。
したがって、本発明によれば、上記合金から製造される鋳造品が提供される。また、上記合金から製造される加工アルミニウム合金製品が提供される。
一方、上記アルミニウム−亜鉛−銅合金を150℃〜500℃の温度で熱処理し、固溶体を形成する段階S300をさらに含むことができる。
上記固溶体は、上記アルミニウム−亜鉛−銅を熱処理して形成することができる。上記熱処理は、均質化処理及び/または溶体化処理であってもよい。上記固溶体の生成により、上記アルミニウム−亜鉛−銅合金は上記固溶体が含まれた状態となる。
上記固溶体を生成する段階の温度範囲は、150℃〜500℃であることができる。上記温度範囲は、アルミニウム−亜鉛−銅合金の液状が生じなく、固溶体を形成できる最高固溶限界温度を考慮して決定することができる。アルミニウム−亜鉛−銅合金の場合、500℃超過範囲の温度では、単相を形成せず多相を形成するため、不連続析出物が生成されない。上記固溶体を生成する段階は、30分以上加熱して行われることができる。これに限定されないが、上記熱処理は、450℃で120分間行われることが固溶体形成に好ましい。
次に、上記固溶体を含むアルミニウム−亜鉛−銅合金を用いて不連続析出物を強制的に生成する(S400)。
上記析出物を強制的に生成する段階は、合金内部に不連続析出物またはラメラ析出物を生成する工程であって、上記固溶体を含むアルミニウム合金を時効処理し、単位面積当たり5%以上の不連続析出物またはラメラ析出物を強制的に形成させる。上記時効処理は、120℃〜200℃の温度範囲で上記固溶体を形成する段階よりも低い温度で行われることができる。例えば、上記時効処理は、160℃で行われることができる。上記時効処理は、5分〜400分間行われることができる。一例として、上記合金材料が析出促進金属を含む場合は、上記固溶体を生成した後に水冷(water quenching)または空冷(air quenching)を行い、少なくとも2時間以上時効処理することで、不連続析出物を強制的に生成することができる。
上記のように、時効処理前の水冷または空冷は、温度降下速度を非常に速く急冷することで、追って配向型析出物を形成することができる。温度降下速度を遅くして徐々に冷却する場合、不連続析出物またはラメラ析出物を強制的に形成してもこの析出物が配向されないことがある。
上記のように、不連続析出物またはラメラ析出物を強制的に形成した後に、上記析出物を含むアルミニウム−亜鉛合金を塑性加工して配向性の析出物を形成する(S500)。
配向性の析出物を形成する配向段階は、強制的に形成された不連続析出物を人為的に配向させる工程であって、圧延、引抜及び/または押出により行われることができる。
断面積減少率である引抜率(drawing ratio)は、少なくとも50%以上であることができる。引抜率が増加するほど配向性の析出物その自体の厚さと配向性の析出物と間の距離が減少し、引張強度特性が向上されることができる。
上記配向段階は、液体窒素雰囲気で行われることができる。液体窒素雰囲気で配向される場合、配向段階で発生する熱を最少化し、不連続析出物の整列を円滑にして引張強度を高めることができる。
上記アルミニウム−亜鉛−銅合金は、下記に記載の1)〜5)のうちの1つ以上の特徴を有することができる。
1)上記アルミニウム−亜鉛−銅合金の単位面積当たり5%以上に強制的に生成された不連続析出物またはラメラ析出物を含む。
2)上記不連続析出物またはラメラ析出物の平均縦横比は、20以上である。
3)上記不連続析出物またはラメラ析出物の平均長さは、1.4μm以上である。
4)上記不連続析出物またはラメラ析出物の平均間隔は、105nm以下である。
5)上記不連続析出物またはラメラ析出物の平均厚さは、55nm以下である。
上記で説明したように、本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、製造工程中に強制的に不連続析出物またはラメラ析出物を形成し、これを用いて形成された配向性の析出物を含むことにより、引張強度、延伸率及び伝導度がともに向上された、物理的特性に優れた金属材料として提供することができる。
したがって、本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、鋳造のみで引張強度及び延伸率をともに改善し、加工時に強度及び延伸率をさらに改善できるので、鋳造材及び加工材の製造に有用に活用することができる。
以下では、本発明の具体的な製造例及び比較例、これらの特性評価結果に基づいて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1〜46及び比較例1〜10)
表1に、本発明のアルミニウム−亜鉛合金の実施例及び比較例の含量を示した。
表1に示されている含量のアルミニウム−亜鉛−銅合金を電気炉溶解及び高周波誘導溶解により鋳造した。すべての合金は99.9%純度の原素材を用いて鋳造した。電気炉を用いて各試片当たり5kgずつ溶融させ、700℃の温度を維持した。完全溶融した後にArガスにより10分間脱ガス作業を行い、その後に10分間溶融状態を維持した後、金属鋳型または砂型に注入した。注入後5分後にインゴットをモールドから取り出した。鋳造時に生成した不純物を除去するために、450℃で120分間均質化処理を行った。引き続き、圧下率20%ごとに400℃で15分ごとにアニーリングを行い、総冷間加工面積減少率75%に鍛造(swaging)を行った。1時間が経過した後にスエージングされた結果物を450℃で2時間の間に溶体化処理し、その後に水冷処理した。その後160℃で360分間に不連続析出物を生成するための析出処理を行った。
(鋳造後の冷間加工性の評価)
図2は、本発明の一実施例に係る鋳造合金の成形性が優れることを示す写真である。図2に示すように、銅を含まないアルミニウム−亜鉛合金の場合は、鋳造後の冷間加工時に、断面積減少率17%からクラックが発生するが、本発明のアルミニウム−亜鉛−銅合金は、断面積減少率が75%の場合にもクラックが発生せず、成形性に優れたことが確認された。
(鋳造状態の機械的特性の評価)
図3は、本発明の実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金が従来の合金に比べて引張強度及び延伸率がともに向上されたことを示すグラフである。
図4は、本発明の一実施例に係る亜鉛相の大きさの減少及び粒子間の間隔の減少による合金の機械的特性の向上を示す写真である。Al−Zn合金にCuを添加すると、熱処理後の冷却時に、亜鉛粒子の大きさの減少により粒子間の間隔が大きく減少し、合金基地内での粒子による強度の向上を示している。
図5は、本発明の一実施例に係る銅添加時に、銅が亜鉛粒子内部に固溶されることを示す写真である。銅が亜鉛粒子内部に固溶され、亜鉛析出相/アルミニウム基地相の界面エネルギーを減少させることを示している。
(Cu添加によるZn相の界面エネルギー及び格子定数の評価)
表2及び図7aは、本発明の一実施例に係る銅添加による亜鉛相の界面エネルギーの変化を示している。DFT(Density Functional Theory)によるZnの格子定数を計算(0°K)すると、Al−Zn合金にCuの添加は、Zn相とAl相との界面エネルギーを大きく減少させることを示す。Cuの添加により、Zn(0002)/Al(100)面の界面エネルギーが急激に減少する。
図7bは、本発明の一実施例に係る銅添加による亜鉛の格子定数の変化を示すグラフである。Al−Zn合金にCuを添加すると、Zn(0002)面の格子定数を減少させ、一定範囲においてZn相内のCu固溶量の増加がZn(0002)面の格子定数を減少させることを示している。Zn(1000)面の格子定数は、Cu固溶量が増加するほど増加する。Zn(0002)面/Al(111)面の界面エネルギーの減少には、Z(0002)面の格子定数の減少が直接的な原因であることを示す。
図8は、銅添加による亜鉛(0002)面の格子定数の変化を示すグラフである。Al−Zn合金にCuの添加は、Zn(0002)面の格子定数を減少、すなわちX線測定時にZn(0002)の2θを増加させることを示す。
(合金のX線分析)
図9は、本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるZn(0002)面のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。図10は、本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるZn(1000)面のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。
本発明の実施例に係る合金をX線分析すると、Zn(0002)面の2θは減少して36.3°以上36.9°以下の範囲であり、Zn(1000)面の2θは増加して38.7°以上38.9°範囲であることが分かる。
図11は、本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるAl(111)面のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。図12は、本発明の一実施例において合金の銅含量に応ずるAl(200)のピーク角度(2θ)及び格子定数の変化を示すグラフである。Al基地にはCuが固溶されないので、Alピークの位置はCu添加により直接的な影響を受けないことが分かる。
(合金の微細組職の分析)
図13aは、本発明の一実施例において銅添加による合金の熱処理後の冷却時に亜鉛相の大きさの変化を示すTEM写真である。図13bは、図13aに示された測定部位の亜鉛相の大きさを示すグラフである。
Al基地内のZn相の大きさは、10nmから100nm範囲であって銅添加により亜鉛相の大きさが著しく減少することを確認できる。
(引抜加工後の電気伝導度の評価)
図16は、本発明の実施例に係るアルミニウム−亜鉛−銅合金の真変形率(true stain)による伝導度の変化を示すグラフである。
本発明の実施例13及び実施例33による合金を熱処理した後に引抜加工時の伝導度を測定した結果、伝導度が37%IACS(International Annealed Copper Standard)以上であることが分かる。特に、実施例13による合金の伝導度は53%IACSまで増加することが分かる。
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これらも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。

Claims (21)

  1. 合金全体重量に対して、
    18重量部〜50重量部の亜鉛と、
    0.05〜5重量部の銅と、
    残部のアルミニウムと、を含み、
    鋳造状態において引張強度が230〜450Mpaであり、延伸率が2.75〜10%である、アルミニウム−亜鉛−銅合金。
  2. 鋳造状態において引張強度が310〜450Mpaである請求項1に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金。
  3. 鋳造状態において延伸率が4〜10%である請求項1または請求項2に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金。
  4. 合金全体重量に対して、
    18重量部〜50重量部の亜鉛と
    0.05〜5重量部の銅と、
    残部のアルミニウムと、を含み、
    X線回折像において格子定数のZn(0002)面の2θが36.3〜36.9である、アルミニウム−亜鉛−銅合金。
  5. 合金全体重量に対して、
    18重量部〜50重量部の亜鉛と、
    0.05〜5重量部の銅と、
    残部のアルミニウムと、を含み、
    X線回折像において格子定数のZn(1000)面の2θが38.7〜38.9である、アルミニウム−亜鉛−銅合金。
  6. 合金全体重量に対して、
    18重量部〜50重量部の亜鉛と、
    0.05〜5重量部の銅と、
    残部のアルミニウムと、を含み、
    伝導度が37%IACS(International Annealed Copper Standard)以上である、アルミニウム−亜鉛−銅合金。
  7. 合金全体重量に対して、
    18重量部〜50重量部の亜鉛と、
    0.05〜5重量部の銅と、
    残部のアルミニウムと、を含み、
    Al基地内のZn相の直径及び長さのうちの少なくとも1つが10〜100nmである、アルミニウム−亜鉛−銅合金。
  8. 合金全体重量に対して、
    0重量部超過1重量部未満のマグネシウム及び0重量部超過0.5重量部未満のケイ素のうちの少なくとも1種をさらに含む請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金を熱処理したアルミニウム−亜鉛−銅合金であって、
    引張強度が330〜600Mpaである、アルミニウム−亜鉛−銅合金。
  10. アルミニウム−亜鉛−銅合金の延伸率が4〜12%である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金。
  11. 熱処理温度は、150℃〜500℃である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金。
  12. 合金全体重量に対して、
    18重量部〜50重量部の亜鉛と、
    0.05〜5重量部の銅と、
    残部のアルミニウムと、を含む合金溶湯を製造する第1段階と、
    第1段階で製造された合金溶湯を金型または砂型に注入して鋳造する第2段階と、を含むアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  13. 第1段階は、650℃〜750℃で行われ、合金が完全溶融された後に脱ガス作業を行う請求項12に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  14. 鋳造状態においてアルミニウム−亜鉛−銅合金の引張強度が230〜450Mpaであり、延伸率が2.75〜10%である請求項12または請求項13に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  15. アルミニウム−亜鉛−銅合金は、X線回折像において格子定数のZn(0002)面の2θが36.3〜36.9である請求項12から請求項14のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  16. アルミニウム−亜鉛−銅合金は、X線回折像において格子定数のZn(1000)面の2θが38.7〜38.9である請求項12から請求項15のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  17. アルミニウム−亜鉛−銅合金は、Al基地内のZn相の直径及び長さのうちの少なくとも1つが10〜100nmである請求項12から請求項16のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  18. 前記アルミニウム−亜鉛−銅合金を150℃〜500℃の温度で熱処理して固溶体を形成する第3段階をさらに含む請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  19. 前記熱処理は、30分以上加熱して行われる請求項18に記載のアルミニウム−亜鉛−銅合金の製造方法。
  20. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の合金から製造される鋳造品。
  21. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の合金から製造される加工アルミニウム合金製品。
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