JP2018178212A - 特殊形状電着物の製造方法 - Google Patents

特殊形状電着物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】連結不良を低減できる特殊形状電着物の製造方法を提供する。
【解決手段】特殊形状電着物の製造方法は、母板11の表面を複数の所定形状の電着部15を残して絶縁物14でマスキングするマスキング工程と、マスキングされたカソード1を用いて電解製錬を行い、電着物を得る電解製錬工程と、母板11から絶縁物14を除去する絶縁物除去工程と、母板11の厚み差を測定する測定工程と、厚み差が閾値を超えた場合にカソード1を新規なものに交換してマスキング工程に供給する交換工程とを備える。母板11の厚み差を指標としてカソード1の交換時期を判断することで、連結不良が発生しやすい母板11を新規なものに交換できる。その結果、連結不良を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、特殊形状電着物の製造方法に関する。さらに詳しくは、表面を絶縁物でマスキングした母板をカソードとして用いて電解製錬することにより特殊形状の電着物を製造する方法において、隣り合う電着物が連結する連結不良を低減する方法に関する。
ニッケルなどの電解採取では、目的金属とは別種の金属であって繰り返し使用できる材質の母板をカソードとして使用し、所定時間の電解を行った後、電着物を母板から引き剥がして回収する方法が一般的に行われている。このとき、母板を絶縁物でマスキングしておくことにより、任意の特殊形状の電着物を得ることができる。
例えば、メッキ用のアノードとして用いる電気ニッケルは、メッキ装置のアノードボックスへの充填性やハンドリング性などの観点から、角が立たない丸みのある小塊状の形状が好まれる。このような小塊状の電気ニッケルを電解採取により製造するために、多数の円形の電着部(ニッケルが電着する部分)を残して絶縁物をマスキングした母板を用いて電解することが行われる(例えば、特許文献1)。
特開2002−302787号公報
上記のような特殊形状電着物の製造において、製造された電着物の形状が目的の形状とならない形状不良が発生する場合がある。形状不良となった電着物は品質規格を満たさず製品とならない。そのため、形状不良が発生すると歩留まりが低下するという問題がある。
そこで、従来はカソードとして用いられる母板の使用年数を管理し、所定の使用年数(通常3〜4年)を過ぎたものを新しいものに交換することで、形状不良を低減することが行われていた。しかし、近年、形状不良をより低減することが求められている。
本発明は上記事情に鑑み、形状不良のうち隣り合う電着物が連結する連結不良を低減できる特殊形状電着物の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明の特殊形状電着物の製造方法は、カソードを構成する母板の表面を複数の所定形状の電着部を残して絶縁物でマスキングするマスキング工程と、マスキングされた前記カソードを用いて電解製錬を行い、電着物を得る電解製錬工程と、前記電解製錬工程で使用された後の前記カソードの前記母板から前記絶縁物を除去する絶縁物除去工程と、前記絶縁物除去工程の後、前記母板の厚み差を測定する測定工程と、前記厚み差が閾値を超えた場合に、前記カソードを新規なものに交換して前記マスキング工程に供給する交換工程と、を備えることを特徴とする。
第2発明の特殊形状電着物の製造方法は、第1発明において、前記測定工程において、前記母板の複数箇所の厚さを測定し、測定値の最大値と最小値との差を前記厚み差とすることを特徴とする。
第3発明の特殊形状電着物の製造方法は、第1発明において、前記測定工程において、前記母板の全体の厚さを測定できる装置を用いて前記厚み差を測定することを特徴とする。
第4発明の特殊形状電着物の製造方法は、第1発明において、前記閾値は、予め厚み差と連結不良率との関係を求め、目標とする連結不良率となる厚み差として設定されることを特徴とする。
第5発明の特殊形状電着物の製造方法は、第1発明において、電解製錬完了後の隣り合う前記電着物の間の最短距離の設定値が2mm以上、4mm以下であり、前記閾値が0.5mm以上、1mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、母板の厚み差を指標としてカソードの交換時期を判断することで、連結不良が発生しやすい母板を新規なものに交換できる。その結果、連結不良を低減できる。
本発明の一実施形態に係る特殊形状電着物の製造方法の製造フロー図である。 カソードの正面図である。 図2におけるA部分の拡大図である。 母板の厚み差と連結不良率との関係を示すグラフである。 カソードとアノードとの距離の説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る特殊形状電着物の製造方法を、図1に示す製造フローに基づき説明する。本実施形態の製造方法は、ニッケルの小塊状電着物を得る方法である。本実施形態の製造方法は、マスキング工程、電解製錬工程、剥取工程、絶縁物除去工程、測定工程、交換工程を有する。以下、順に説明する。
(マスキング工程)
マスキング工程では、電解製錬に用いるカソードに対して、その母板の表面を絶縁物でマスキングする。図2に示すように、カソード1は、ステンレス製またはチタン製の四角形の母板11と、銅製のビーム12と、母板11とビーム12とを接続するリボン13とから構成される。リボン13と母板11およびビーム12とは溶接で固定されている。
スクリーン印刷を行うマスキング装置を用いて、母板11の表裏両面に絶縁物(絶縁性樹脂)14を塗布する。この際、母板11の表面に複数の所定形状の電着部15を残すようにする。電解製錬においてこの電着部15のみにニッケルが電着することで、小塊状の電気ニッケルを得ることができる。
図2に示す例では、多数の円形の電着部15が千鳥状に配置されたパターンで母板11がマスキングされている。図3に示すように、例えば、電着部15の直径φ1は12〜15mmである。隣接する電着部15の最短距離(絶縁物14部分の距離)D1は5〜6mmである。絶縁物14の厚さは約0.5mmである。
なお、電着部15の形状は円形に限定されず、楕円形、矩形など他の形状でもよい。電着部15の形状は目的とする電着物の形状に合わせて種々の形状が採用される。
(電解製錬工程)
電解製錬工程では、マスキング工程でマスキングされたカソード1を用いて電解製錬を行い、電着物を得る。具体的には、電解液で満たされた電解槽3に、複数のカソード1と複数のアノード2とを交互に挿入し、通電することで電解を行う。例えば、ニッケルの電解採取の場合、アノード2としてアノードボックスを備えた不溶性電極を用いる。電解液として塩化ニッケル水溶液を用い、これを電解槽3に連続供給する。所定時間(例えば、2週間)の通電により、カソード1の電着部15に小塊状の電気ニッケルが電着する。
電着部15に電着する電着物は絶縁物14の厚さまで成長した後、母板11に対して垂直な方向と平行な方向との両方向に成長する。すなわち、電着物は電着部15の範囲を越えて、絶縁物14が塗布された領域にまで成長する。電着部15の形状が円形の場合、電着物は中央部が平らであり、周縁部が盛り上がったボタン形に成長する。
電解製錬は電着物が目標とする寸法に成長する条件で操業される。具体的には、電着物が目標とする寸法に成長するように、電解液の組成、アノード−カソード間の電流値、通電時間などの操業条件が設定される。図3に示すように、例えば、電解製錬完了後の電着物16は、直径φ2が16〜19mm、厚さが約5mmのボタン形である。
電着物16の目標寸法は隣り合う電着物16同士が接触しないように設定される。例えば、電解製錬完了後の隣り合う電着物16の間の最短距離D2は2〜4mmに設定される。換言すれば、隣り合う電着物16の間の最短距離D2が上記設定値となるように、操業条件が設定される。
なお、ニッケルに限定されず、コバルトなど他の金属の電着物を得てもよい。また、電解採取に限定されず電解精製でもよい。
(剥取工程)
所定時間の通電の後、電解槽3からカソード1を抜き取る。剥取工程では、ハンマリングなどの方法によりカソード1に振動を与えて、カソード1に電着した電着物を剥ぎ取る。カソード1から剥ぎ取られた電着物は研磨、洗浄、乾燥を経て製品となる。
電着物が剥ぎ取られたカソード1は再び電解槽3に挿入され、電解製錬に供される。すなわち、カソード1は電解製錬工程と剥取工程とで繰り返し使用される。カソード1を繰り返し使用すると、カソード1に塗布された絶縁物14が劣化し、剥離する。そこで、絶縁物14を塗布し直すため、絶縁物14が劣化したカソード1は絶縁物除去工程に送られる。
(絶縁物除去工程)
絶縁物除去工程では、電解製錬工程で繰り返し使用された後のカソード1に対して、その母板11から絶縁物14を除去する処理を行なう。絶縁物14の除去は、例えば、ブラスト処理により行われる。絶縁物14が除去されたカソード1は後述の測定工程、交換工程を経てマスキング工程に供給される。カソード1は再びマスキングされ、電解製錬に供される。
以上のような特殊形状電着物の製造方法では、製造された電着物の形状が目的の形状とならない形状不良が発生する場合がある。形状不良としては種々の不良があるが、その一つとして連結不良がある。連結不良とはカソード1上において隣り合う電着物同士が連結する不良を意味する。
本願発明者は、絶縁物14を除去した後の母板11の厚み差と、連結不良の発生率(連結不良率)との関係に着目し、試験を行った。試験は上述の製造方法(測定工程および交換工程を除く)において、つぎの条件で行った。
カソード母板の素材:ステンレス
母板の電解液浸漬部分の寸法:横830mm、縦1,090mm
新品時の母板の厚さ:5mm
絶縁物の厚さ:0.5mm
電着部の形状:直径15mmの円形
電着部の配置:母板の片面で約2,300個を千鳥状に配置
隣接する電着部の最短距離:6mm
電解製錬の操業条件は、電解製錬完了後の電着物の直径が17〜19mm、すなわち、電解製錬完了後の隣り合う電着物の間の最短距離が2〜4mmとなるように、設定されている。
電解製錬の後に電解槽3から抜き取られたカソード1のうち20枚を選択し、それぞれについて連結不良率と、母板11の厚み差とを測定した。なお、選択されたカソード1の使用年数にはばらつき(0〜3年)がある。
連結不良率は剥取工程で得られた電着物から下記数式(1)に基づき求めた。
r=wf/wg ・・・(1)
ここで、rは母板1枚あたりの連結不良率、wfは1枚の母板で生じた連結不良電着物の重量、wgは1枚の母板から得られた電着物の総重量である。
母板11の厚み差は、母板11の厚さの不均一さを意味し、母板11の最も厚い部分の厚さと最も薄い部分の厚さとの差で表される。母板11の厚み差の測定はつぎの手順で行った。絶縁物除去工程で絶縁物14を除去した後の母板11に対して、その左右両縁から内側に約50mmの位置であって、電解液浸漬部分の上端から下端に掛けて等間隔で7箇所の位置の厚さを、ダイヤルゲージで測定した。合計14箇所の測定値のうち最大値と最小値との差を「厚み差」とした。
その結果、図4に示すグラフを得た。図4のグラフより、母板11の厚み差と連結不良率との間には正の相関があることが分かる。得られた測定点を二次関数でフィッティングすることで、母板厚み差と連結不良率との関係式を得た。本願発明者はこの関係式を管理指標として、カソード1の交換時期を判断することで、連結不良率を目標値まで低減することの着想を得た。
(測定工程)
図1に戻り特殊形状電着物の製造方法を説明する。
絶縁物除去工程の後、絶縁物14を除去したカソード1を測定工程に送る。測定工程では母板11の厚み差を測定する。厚み差の測定方法は特に限定されないが、前述のごとく母板11の複数箇所の厚さを測定し、測定値の最大値と最小値との差を厚み差とすればよい。ここで、厚さの測定位置、その数は特に限定されない。また、膜圧測定装置など母板11の全体の厚さを測定できる装置を用いて厚み差を求めてもよい。
(交換工程)
測定工程で求められた厚み差が閾値以内のカソード1は、そのままマスキング工程に供給され、繰り返し使用される。測定工程で求められた厚み差が閾値を超えた場合、そのカソード1を新規なものに交換してマスキング工程に供給する。
ここで、「閾値」は、前述のような手順で予め厚み差と連結不良率との関係を求めたうえで、目標とする連結不良率となる厚み差として設定される。ここでいう「連結不良率」とは特定の操業期間において得られる全電着物の連結不良率を意味し、下記数式(2)で定義される。
R=Wf/Wg ・・・(2)
ここで、Rは特定の操業期間において得られる全電着物の連結不良率、Wfは特定の操業期間において生じた全連結不良電着物の重量、Wgは特定の操業期間において得られた全電着物の総重量である。
図4のグラフにおける測定点である母板1枚あたりの連結不良率rを、特定の操業期間において使用された全ての母板に対して求め、それらを平均すると、全電着物の連結不良率Rとなる。全電着物の連結不良率Rは図4のグラフにおいてフィッティングにより得られた関係式により得られる値とほぼ等しいと考えられる。すなわち、図4のグラフにおいてフィッティングにより得られた関係式により、全電着物の連結不良率Rを推定できる。
例えば、図4に示す例では、連結不良率の目標値を1.6%とする場合、閾値を1.0mmに設定すればよい。連結不良率の目標値を0.9%とする場合、閾値を0.8mmに設定すればよい。なお、連結不良率の目標値を低く設定するほど、カソード1の使用期間が短くなり交換頻度が増す。そのため、連結不良率の目標値はカソード1の交換にかかるコストと、連結不良による損失とのバランスで設定することが好ましい。
厚み差と連結不良率との具体的関係は、電解製錬完了後の隣り合う電着物の間の最短距離D2の設定値に依存すると考えられる。連結不良は電着物が通常よりも大きく成長して隣の電着物と接触することにより生じるからである。したがって、前記設定値が2〜4mmの場合に、閾値を1.0mm以下とすれば、連結不良率を1.6%以下に抑えられる。また、閾値を0.8mm以下とすれば、連結不良率を0.9%以下に抑えられる。
なお、新規のカソード1であっても、母板11に若干の厚み差がある。したがって、閾値は少なくともこの初期の厚み差以上、例えば0.5mm以上とすることが好ましい。
以上のように、母板11の厚み差を指標としてカソード1の交換時期を判断することで、連結不良が発生しやすい母板11を新規なものに交換できる。その結果、連結不良を低減できる。
母板11の厚み差と連結不良率との間に図4に示すような関係がある理由は、定かではないが、本願発明者はつぎのように推測している。
母板11は使用期間の経過とともに薄くなっていく。母板11が薄くなる主な原因は絶縁物除去工程におけるブラスト処理であると考えられる。ブラスト処理はブラスト材を母板11に吹き付けることで行われる。ブラスト材が母板11に衝突することで母板11が摩耗し、薄くなる。
通常、母板11の寸法は約1,000mm四方である。この母板11に100〜300mm幅でブラスト材を吹き付ける。母板11の全面にブラスト材を吹き付けるために、ブラスト材を噴出するノズルを母板11に対して往復させながらブラスト処理を行なう。この際、ブラスト材が重複して吹き付けられる領域とそうでない領域とが生じ、母板11の摩耗にムラが生じる。その結果、ブラスト処理を繰り返していくと、母板11の厚さにムラが生じる。すなわち、厚み差が生じる。
図5に示すように、電解製錬では、電解槽3にカソード1とアノード2とが所定の隙間を空けて平行に挿入される。母板11が薄くなっていない新規なカソード1(図5における一点鎖線)の場合、カソード1とアノード2との距離L0(例えば、40〜50mm)は場所によらずほぼ均一である。電解製錬の操業条件は、この状態で、電解製錬完了後の隣り合う電着物の間の最短距離D2が設定値となるように設定されている。
繰り返し使用したカソード1(図5における実線)の表面に凹凸が生じているとする。この場合、カソード1の凸部とアノード2との距離L1は、カソード1の凹部とアノード2との距離L2に比べて短くなる。そうすると、カソード1の凸部とアノード2との間の電気抵抗は相対的に低くなり、電流密度が高くなる。逆に、カソード1の凹部とアノード2との間の電気抵抗は相対的に高くなり、電流密度が低くなる。その結果、カソード1の凸部では相対的に電着物の成長が速くなり、カソード1の凹部では相対的に電着物の成長が遅くなる。
このように、カソード1の凸部に電流が集中し、電着物が大きく成長する。電着物が大きくなりすぎて隣の電着物と接触すると、連結不良になる。母板11の表面の凹凸の程度は厚み差で表される。厚み差が大きくなるほど、上記の現象が生じやすくなる。そのため、母板11の厚み差と連結不良率との間に正の相関が生じる。
なお、新規なカソード1の場合、または、均一に薄くなったカソード1の場合は、カソード1とアノード2との距離が場所によらすほぼ均一であるので、電気抵抗も電流密度もほぼ均一である。そのため、電着物の成長速度にばらつきが生じず、連結不良が生じにくい。
つぎに、実施例を説明する。
以下に説明する実施例1、2および比較例1における共通の条件はつぎのとおりである。
カソード母板の素材:ステンレス
母板の電解液浸漬部分の寸法:横830mm、縦1,090mm
新品時の母板の厚さ:5mm
絶縁物の厚さ:0.5mm
電着部の形状:直径15mmの円形
電着部の配置:母板の片面で約2,300個を千鳥状に配置
隣接する電着部の最短距離:6mm
電解製錬工程の操業条件(電流値、通電時間など)は、電解製錬完了後の電着物の直径が17〜19mm、すなわち電解製錬完了後の隣り合う電着物の間の最短距離が2〜4mmとなるように、設定されている。
(実施例1)
図1に示す製造方法により特殊形状電気ニッケルを得る操業を行った。交換工程では閾値を1.0mmに設定した。
半年の操業期間で得られた全電着物から連結不良率Rを求めたところ、1.6%であった。
(実施例2)
図1に示す製造方法により特殊形状電気ニッケルを得る操業を行った。交換工程では閾値を0.8mmに設定した。
半年の操業期間で得られた全電着物から連結不良率Rを求めたところ、0.9%であった。
(比較例1)
測定工程および交換工程を除き、図1に示す製造方法と同様の方法により特殊形状電気ニッケルを得る操業を行った。この際、カソード1は使用年数が3年に達したものを新しいものに交換した。
半年の操業期間で得られた全電着物から連結不良率Rを求めたところ、3.0%であった。
以上より、母板11の厚み差を指標としてカソード1の交換時期を判断すれば、連結不良率Rを低減できることが確認された。
1 カソード
11 母板
12 ビーム
13 リボン
14 絶縁物
15 電着部
16 電着物
2 アノード
3 電解槽

Claims (5)

  1. カソードを構成する母板の表面を複数の所定形状の電着部を残して絶縁物でマスキングするマスキング工程と、
    マスキングされた前記カソードを用いて電解製錬を行い、電着物を得る電解製錬工程と、
    前記電解製錬工程で使用された後の前記カソードの前記母板から前記絶縁物を除去する絶縁物除去工程と、
    前記絶縁物除去工程の後、前記母板の厚み差を測定する測定工程と、
    前記厚み差が閾値を超えた場合に、前記カソードを新規なものに交換して前記マスキング工程に供給する交換工程と、を備える
    ことを特徴とする特殊形状電着物の製造方法。
  2. 前記測定工程において、前記母板の複数箇所の厚さを測定し、測定値の最大値と最小値との差を前記厚み差とする
    ことを特徴とする請求項1記載の特殊形状電着物の製造方法。
  3. 前記測定工程において、前記母板の全体の厚さを測定できる装置を用いて前記厚み差を測定する
    ことを特徴とする請求項1記載の特殊形状電着物の製造方法。
  4. 前記閾値は、予め厚み差と連結不良率との関係を求め、目標とする連結不良率となる厚み差として設定される
    ことを特徴とする請求項1記載の特殊形状電着物の製造方法。
  5. 電解製錬完了後の隣り合う前記電着物の間の最短距離の設定値が2mm以上、4mm以下であり、
    前記閾値が0.5mm以上、1mm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の特殊形状電着物の製造方法。
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