JP2018178058A - 接着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、接着剤に関する。
紫外線硬化タイプ、熱硬化付与型紫外線硬化タイプや熱硬化タイプの接着剤(樹脂組成物)が種々の分野で使用されており、例えば、イメージセンサーやカメラモジュールを構成する部品同士を接着させる用途などで使用されている(例えば、特許文献1、2)。
携帯電話等に用いられるイメージセンサーやカメラモジュールにとって、落下に対する耐衝撃性は非常に重要である。このため、これらを構成する部品同士の接着に用いられる接着剤では、高い接着力(密着力)が必要となる。密着力が小さいと携帯電話等が落下した際の衝撃で部品同士の接着面に剥がれが生じ易いためである。
イメージセンサーやカメラモジュールでは小型化が進んでいる。小型になるほど、これらの部品同士を接着する接着面積が小さくなるので、接着面が剥がれやすくなり、耐衝撃性も劣ることになる。したがって、このような用途に利用される接着剤では、密着力の更なる向上が要求される。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い密着力を有する接着剤を提供することにある。
本発明の接着剤は、
化学式(I)または化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物を少なくとも1種含有する、
ことを特徴とする。
(化学式(I)中、nは0から2の整数を表し、化学式(I)及び化学式(II)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。)
化学式(I)または化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物を少なくとも1種含有する、
ことを特徴とする。
(化学式(I)中、nは0から2の整数を表し、化学式(I)及び化学式(II)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。)
また、前記接着剤がイメージセンサーを構成する部品の接着用であってもよい。
また、前記接着剤がカメラモジュールを構成する部品の接着用であってもよい。
本発明の接着剤は、従来のアクリル系接着剤よりも部材への密着性が大幅に向上する。密着性の向上によって耐衝撃性が向上するので、イメージセンサーやカメラモジュールを構成する部品の接着用として有用である。
本発明の接着剤は、アクリル系の紫外線硬化樹脂組成物、熱硬化樹脂組成物、または、熱硬化付与型紫外線硬化樹脂組成物であり、(A)(メタ)アクリル化合物を含有する。
(A)(メタ)アクリル化合物
本発明の接着剤は、化学式(I)又は化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物を少なくとも1種含有する。化学式(I)中、nは0から2の整数を表す。また、化学式(I)及び化学式(II)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、同一であることが好ましい。
本発明の接着剤は、化学式(I)又は化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物を少なくとも1種含有する。化学式(I)中、nは0から2の整数を表す。また、化学式(I)及び化学式(II)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、同一であることが好ましい。
化学式(I)で表される(メタ)アクリル化合物の具体例として、1,3,4,6−テトラキス(アクリロイルオキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(2−アクリロイルオキシエチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(3−アクリロイルオキシプロピル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(メタクリロイルオキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(2−メタクリロイルオキシエチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(3−メタクリロイルオキシプロピル)グリコールウリルが挙げられる。
また、化学式(I)で表される(メタ)アクリル化合物は、特開2015−57375号公報、あるいは、特開2017−43571号公報記載の方法に準拠して合成し、用いることができる。
化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物の具体例としては、3,4−ビス−アクリロイルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸 3,4−ビス−アクリロイルオキシ−シクロヘキシルメチルエステル、3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸 3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキシルメチルエステルが挙げられる。
また、化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物は、以下の反応スキームに基づいて合成し、用いることができる。
反応スキームに示すように、化学式(III)で表される3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートと、化学式(IV)で表される(メタ)アクリル酸無水物とを反応させることにより、化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物を合成することができる。なお、化学式(IV)中のR(置換基)は、化学式(II)のRと同義である。
上記の(メタ)アクリル酸無水物は、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物及びアクリル酸メタクリル酸無水物を包含する。なお、アクリル酸メタクリル酸無水物は、例えば、特開昭62−158237号公報に記載の方法に準拠して、合成することができる。具体的には、アクリル酸とメタクリル酸を、無水酢酸と反応させることにより、アクリル酸無水物およびメタクリル酸無水物との混合物として合成される。そして、この混合物から、適宜の分離手段により、アクリル酸メタクリル酸無水物を取り出すことができる。
(メタ)アクリル酸無水物の使用量(仕込み量)は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの使用量(仕込み量)に対して、0.5〜10.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
また、この反応の実施においては、反応を促進させるための触媒(イ)と、副反応を抑制するための重合禁止剤(ロ)を使用することが好ましい。また、必要により、反応溶媒(ハ)を適宜使用してもよい。
(メタ)アクリル酸無水物の使用量(仕込み量)は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの使用量(仕込み量)に対して、0.5〜10.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
また、この反応の実施においては、反応を促進させるための触媒(イ)と、副反応を抑制するための重合禁止剤(ロ)を使用することが好ましい。また、必要により、反応溶媒(ハ)を適宜使用してもよい。
上記の触媒(イ)としては、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、クラウンエーテル等が挙げられる。第四級アンモニウム塩の例としては、テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、ヘキサデシルトリエチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。第四級ホスホニウム塩の例としては、テトラブチルホスホニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、テトラデシルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリエチルオクタデシルホスホニウム、トリオクチルエチルホスホニウム、ヘキサデシルトリエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウムのハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)等の塩が挙げられる。また、クラウンエーテルの例としては、15−クラウン−5、18−クラウン−6、21−クラウン−7、24−クラウン−8等が挙げられる。
触媒(イ)として、これらを組み合わせて使用してもよい。
触媒(イ)の使用量は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの使用量に対して、0.0001〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
触媒(イ)として、これらを組み合わせて使用してもよい。
触媒(イ)の使用量は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの使用量に対して、0.0001〜10倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
上記の重合禁止剤(ロ)としては、例えば、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン、塩化銅、硫酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤(ロ)の使用量は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの使用量に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
重合禁止剤(ロ)の使用量は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの使用量に対して、0.0001〜1.0倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
上記の反応溶媒(ハ)としては、反応を阻害しない限りにおいては特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の溶剤が挙げられ、必要により、これらを組み合わせて、その適量を使用することができる。
上記の合成を行う際の反応温度は、0〜150℃の範囲に設定することが好ましく、80〜120℃の範囲に設定することがより好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1〜48時間の範囲に設定することが好ましい。
この反応の終了後、得られた反応液(反応混合物)から、例えば、反応溶媒の留去による反応液の濃縮や溶媒抽出法等の分離手段によって、目的物である化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物を取り出すことができる。更に、必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
(B)他の(メタ)アクリル化合物
本発明の接着剤は、化学式(I)で表される(メタ)アクリル化合物及び化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物以外の(メタ)アクリル化合物(アクリル樹脂)(以下、他の(メタ)アクリル化合物)を含有していてもよい。他の(メタ)アクリル化合物としては、アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーあるいはこれらのオリゴマーが挙げられる。アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーあるいはこれらのオリゴマーとしては、以下のものを例示することができる。
本発明の接着剤は、化学式(I)で表される(メタ)アクリル化合物及び化学式(II)で表される(メタ)アクリル化合物以外の(メタ)アクリル化合物(アクリル樹脂)(以下、他の(メタ)アクリル化合物)を含有していてもよい。他の(メタ)アクリル化合物としては、アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーあるいはこれらのオリゴマーが挙げられる。アクリル酸エステルモノマー及び/又はメタクリル酸エステルモノマーあるいはこれらのオリゴマーとしては、以下のものを例示することができる。
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジアクリレート及び/又はジメタクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート及び/又はトリメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はトリメタクリレート、又はそのオリゴマー;トリプロピレングリコールジアクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレート及び/又はトリメタクリレート、又はそのオリゴマー;ジペンタエリスリトールのポリアクリレート及び/又はポリメタクリレート;トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート;カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート;カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート;アルキル変性ジペンタエリスリトールのポリアクリレート及び/又はポリメタクリレート;カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのポリアクリレート及び/又はポリメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)チオール化合物
また、本発明の接着剤は、チオール化合物を含有していてもよい。チオール化合物とは、チオール基を有する化合物のことであり、1分子当り2個以上のチオール基を有するものが好ましい。保存安定性の観点からは、塩基性不純物含量が極力少ないものが好ましい。
また、本発明の接着剤は、チオール化合物を含有していてもよい。チオール化合物とは、チオール基を有する化合物のことであり、1分子当り2個以上のチオール基を有するものが好ましい。保存安定性の観点からは、塩基性不純物含量が極力少ないものが好ましい。
チオール化合物の例としては、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールポリ(β−チオプロピオネート)等のポリオールとメルカプト有機酸のエステル化反応によって得られるチオール化合物が挙げられる。これらは、製造上塩基性物質の使用を必要としない点で好ましい。
さらに、チオール化合物の例としては、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオールなどのアルキルポリチオール化合物;1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリルなどのメルカプトアルキルグリコールウリル化合物;末端チオール基含有ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル;エポキシ化合物と硫化水素との反応によって得られるチオール化合物;ポリチオール化合物とエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物等が挙げられる。これらのチオール化合物について、反応触媒として、塩基性物質を使用して製造される場合には、脱アルカリ処理を行い、アルカリ金属イオン濃度を50ppm以下とした分子内にチオール基を2個以上有するチオール化合物が好ましい。
本発明の接着剤については、紫外線硬化樹脂組成物、熱硬化樹脂組成物、または、熱硬化付与型紫外線硬化樹脂組成物のいずれの形態でもよく、それぞれに応じ、(D)硬化促進剤、(E)ラジカル重合開始剤を適宜含有していてもよい。
(D)硬化促進剤
硬化促進剤の例としては、(D1)潜在性硬化剤や(D2)過酸化物などが挙げられ、接着剤を加熱したときの硬化反応を促進する。接着剤を熱硬化タイプ、または、熱硬化付与型紫外線硬化タイプの接着剤として利用する場合に含有しているとよい。
硬化促進剤の例としては、(D1)潜在性硬化剤や(D2)過酸化物などが挙げられ、接着剤を加熱したときの硬化反応を促進する。接着剤を熱硬化タイプ、または、熱硬化付与型紫外線硬化タイプの接着剤として利用する場合に含有しているとよい。
(D1)潜在性硬化剤(潜在性硬化促進剤としての機能も有する)
潜在性硬化剤とは、室温では不溶の固体で、加熱することにより可溶化し硬化促進剤として機能する化合物であり、その例として、常温で固体のイミダゾール化合物や、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤、例えば、アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物(アミン−エポキシアダクト系)、アミン化合物とイソシアネート化合物または尿素化合物との反応生成物(尿素型アダクト系)等が挙げられる。
潜在性硬化剤とは、室温では不溶の固体で、加熱することにより可溶化し硬化促進剤として機能する化合物であり、その例として、常温で固体のイミダゾール化合物や、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤、例えば、アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物(アミン−エポキシアダクト系)、アミン化合物とイソシアネート化合物または尿素化合物との反応生成物(尿素型アダクト系)等が挙げられる。
常温で固体のイミダゾール化合物としては、例えば、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2−メチルイミダゾリル−(1))−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾリル−(1)′)−エチル−S−トリアジン・イソシアヌール酸付加物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール−トリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール−トリメリテイト、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)−尿素、N,N′−(2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル)−アジボイルジアミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤(アミン−エポキシアダクト系)の製造原料の一つとして用いられるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノールなど多価フェノール、またはグリセリンやポリエチレングリコールのような多価アルコールとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル;4,4′−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノールなどとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルアミン化合物;更にはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィンなどの多官能性エポキシ化合物やブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどの単官能性エポキシ化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤のもう一つの製造原料として用いられるアミン化合物は、エポキシ基等と付加反応しうる活性水素を分子内に1個以上有し、かつ1級アミノ基、2級アミノ基および3級アミノ基の中から選ばれた官能基を少なくとも分子内に1個以上有するものであればよい。このような、アミン化合物の例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。すなわち、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類;4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリンなどの芳香族アミン化合物;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジンなどの窒素含有複素環化合物等が挙げられる。
また、この中で特に分子内に3級アミノ基を有する化合物は、優れた硬化促進能を有する潜在性硬化促進剤を与える原料であり、そのような化合物の例としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジンなどのアミン化合物や、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物のような、分子内に3級アミノ基を有する1級もしくは2級アミン類;2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジドなどのような、分子内に3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類およびヒドラジド類等が挙げられる。
本発明の接着剤の保存安定性を更に向上させるため、上記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤を製造する際に、第3成分として分子内に活性水素を2個以上有する活性水素化合物を加えることもできる。このような活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂などの多価フェノール類、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、アジピン酸、フタル酸などの多価カルボン酸類、1,2−ジメルカプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤の更なる、もう一つの製造原料として用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネートなどの単官能イソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどの多官能イソシアネート化合物;更には、これら多官能イソシアネート化合物と上記の活性水素化合物との反応によって得られる、末端イソシアネート基含有化合物;等も用いることができる。このような末端イソシアネート基含有化合物の例としては、トルイレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応により得られる末端イソシアネート基含有化合物、トルイレンジイソシアネートとペンタエリスリトールとの反応により得られる末端イソシアネート基含有化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素などが挙げられるが、これらに限定されるものでない。
固体分散型潜在性硬化促進剤は、例えば、上記の(a)アミン化合物とエポキシ化合物の2成分、(b)この2成分と活性水素化合物の3成分、または(c)アミン化合物とイソシアネート化合物または/および尿素化合物の2若しくは3成分の場合の夫々の組み合わせにおいて、所望量の各成分を計り取って混合し、室温から200℃の温度において反応させた後、冷却固化してから粉砕するか、あるいは、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中で反応させ、脱溶媒後、固形分を粉砕することにより容易に得ることが出来る。
上記の固体分散型潜在性硬化促進剤として市販されている代表的な例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。すなわち、例えば、アミン−エポキシアダクト系(アミンアダクト系)としては、商品名「アミキュアPN−23」(味の素社製)、商品名「アミキュアPN−40」(味の素社製)、商品名「アミキュアPN−50」(味の素社製)、商品名「ハードナーX−3661S」(エー・シー・アール社製)、商品名「ハードナーX−3670S」(エー・シー・アール社製)、商品名「ノバキュアHX−3742」(旭化成社製)、商品名「ノバキュアHX−3721」(旭化成社製)などが挙げられ、また、尿素型アダクト系としては、商品名「フジキュアFXE−1000」(富士化成社製)、商品名「フジキュアFXR−1030」(富士化成社製)などが挙げられる。
(D2)過酸化物
本発明の接着剤が過酸化物を含有することによって、接着剤を加熱したときの硬化反応が促進される。過酸化物としては、分子内に−O−O−結合を持つ物質であればよく、特に制限されるものではない。過酸化物の例として、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等を挙げることができる。この中では、パーオキシエステルを用いることが好ましい。パーオキシエステルの具体的な例として、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエートなどを挙げることができる。
本発明の接着剤が過酸化物を含有することによって、接着剤を加熱したときの硬化反応が促進される。過酸化物としては、分子内に−O−O−結合を持つ物質であればよく、特に制限されるものではない。過酸化物の例として、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等を挙げることができる。この中では、パーオキシエステルを用いることが好ましい。パーオキシエステルの具体的な例として、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエートなどを挙げることができる。
(E)ラジカル重合開始剤
本発明の接着剤がラジカル重合開始剤を含有することによって、短時間の紫外線(UV)照射で接着剤を硬化させることが可能となる。したがって、本発明の接着剤が紫外線硬化樹脂組成物または熱硬化付与型紫外線硬化樹脂組成物である場合、含有しているとよい。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知の物質を使用することが可能である。ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノンなどが挙げられる。
本発明の接着剤がラジカル重合開始剤を含有することによって、短時間の紫外線(UV)照射で接着剤を硬化させることが可能となる。したがって、本発明の接着剤が紫外線硬化樹脂組成物または熱硬化付与型紫外線硬化樹脂組成物である場合、含有しているとよい。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知の物質を使用することが可能である。ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノンなどが挙げられる。
また、本発明の接着剤は、保存時の安定性を高めるべく、(F)ラジカル重合禁止剤や(G)アニオン重合抑制剤、(H)分子中に2つ以上の2重結合を有する重合性の不飽和化合物(前述の(A)(メタ)アクリル化合物、(B)他の(メタ)アクリル化合物は除く)を含有していてもよい。
(F)ラジカル重合禁止剤
ラジカル重合禁止剤は、接着剤の保存時の安定性を高めるためのものであり、意図しないラジカル重合反応の発生を抑制するために添加される。(メタ)アクリル化合物は、低い確率で自らラジカルを発生することがあり、そのラジカルを基点として意図しないラジカル重合反応が生起する場合がある。ラジカル重合禁止剤を添加することによって、このような意図しないラジカル重合反応を抑制することができる。
ラジカル重合禁止剤は、接着剤の保存時の安定性を高めるためのものであり、意図しないラジカル重合反応の発生を抑制するために添加される。(メタ)アクリル化合物は、低い確率で自らラジカルを発生することがあり、そのラジカルを基点として意図しないラジカル重合反応が生起する場合がある。ラジカル重合禁止剤を添加することによって、このような意図しないラジカル重合反応を抑制することができる。
ラジカル重合禁止剤は公知のものを使用可能であり、例えば、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム、トリフェニルホスフィン、4−メトキシフェノール、及びハイドロキノンから選ばれる少なくとも1つを用いることができる。この中で、好ましいラジカル重合禁止剤は、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム及び4−メトキシフェノールから選ばれる少なくとも1つである。また、ラジカル重合禁止剤は、特開2010−117545号公報、特開2008−184514号公報などに開示された公知のものを用いることもできる。
(G)アニオン重合抑制剤
アニオン重合抑制剤は、接着剤の保存時の安定性を高めるために添加されるものであり、意図しないアミノ基とチオール化合物との反応を抑制するために添加されるものである。したがって、接着剤が潜在性硬化剤及びチオール化合物を含有している場合に、アニオン重合抑制剤は含有される。
潜在性硬化剤(イミダゾールや3級アミン等)は、アミノ基を有しており、そのアミノ基がチオール化合物と反応して重合が開始する。潜在性硬化剤は、室温ではアミノ基の反応が起こりにくいような設計になっているが、僅かではあるがアミノ基が室温でチオール化合物と反応してしまう可能性を残している。アニオン重合抑制剤は、アミノ基がチオール化合物と反応する前にそのアミノ基と反応し、意図しないアミノ基とチオール化合物との反応を抑制する働きを有している。
アニオン重合抑制剤は公知のものを使用可能であり、例えば、ホウ酸エステル、アルミニウムキレート、及び有機酸から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。ホウ酸エステルは、例えば特開2011−026539号公報、国際公開第2005/070991号に開示されたものを使用可能である。アルミニウムキレートは、例えば国際公開第2005/070991号に開示されたものを使用可能である。有機酸は、例えば特許第4394281号公報に開示されたものを使用可能である。
アニオン重合抑制剤は、接着剤の保存時の安定性を高めるために添加されるものであり、意図しないアミノ基とチオール化合物との反応を抑制するために添加されるものである。したがって、接着剤が潜在性硬化剤及びチオール化合物を含有している場合に、アニオン重合抑制剤は含有される。
潜在性硬化剤(イミダゾールや3級アミン等)は、アミノ基を有しており、そのアミノ基がチオール化合物と反応して重合が開始する。潜在性硬化剤は、室温ではアミノ基の反応が起こりにくいような設計になっているが、僅かではあるがアミノ基が室温でチオール化合物と反応してしまう可能性を残している。アニオン重合抑制剤は、アミノ基がチオール化合物と反応する前にそのアミノ基と反応し、意図しないアミノ基とチオール化合物との反応を抑制する働きを有している。
アニオン重合抑制剤は公知のものを使用可能であり、例えば、ホウ酸エステル、アルミニウムキレート、及び有機酸から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。ホウ酸エステルは、例えば特開2011−026539号公報、国際公開第2005/070991号に開示されたものを使用可能である。アルミニウムキレートは、例えば国際公開第2005/070991号に開示されたものを使用可能である。有機酸は、例えば特許第4394281号公報に開示されたものを使用可能である。
(H)分子中に2つ以上の2重結合を有する重合性の不飽和化合物(前述の(A)(メタ)アクリル化合物、(B)他の(メタ)アクリル化合物は除く)
分子中に2つ以上の2重結合を有する重合性の不飽和化合物は、加熱によってチオール化合物とあまり反応しないため、アニオン重合抑制剤と同様に接着剤の保存時の安定性を高めることが可能である。
分子中に2つ以上の2重結合を有する重合性の不飽和化合物は、加熱によってチオール化合物とあまり反応しないため、アニオン重合抑制剤と同様に接着剤の保存時の安定性を高めることが可能である。
分子中に2つ以上の2重結合を有する重合性の不飽和化合物の具体例としては、ポリブタジエン、ポリビニルエーテル、2つ以上のグリシジル基を有するポリブタジエン、2つ以上のグリシジル基を有するポリビニルエーテル等を挙げることができる。これらのうち2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
(I)カップリング剤
また、本発明の接着剤は、カップリング剤を含有していてもよい。カップリング剤は、分子中に2つ以上の異なった官能基を有しており、その一つは、無機質材料と化学結合する官能基であり、他の一つは、有機質材料と化学結合する官能基である。接着剤がカップリング剤を含有することによって、接着剤の基板等への密着性が向上する。
また、本発明の接着剤は、カップリング剤を含有していてもよい。カップリング剤は、分子中に2つ以上の異なった官能基を有しており、その一つは、無機質材料と化学結合する官能基であり、他の一つは、有機質材料と化学結合する官能基である。接着剤がカップリング剤を含有することによって、接着剤の基板等への密着性が向上する。
カップリング剤の例として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられるが、これらに限定されない。カップリング剤は、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤が有する官能基の例として、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基等を挙げることができる。これらの中では、メタクリル基を有するシランカップリング剤を用いることが好ましい。
本発明の接着剤は、上記成分のほか、必要に応じ、更に、シリカフィラー、着色剤(例えば、カーボンブラック、染料等)、酸化防止剤、搖変剤、粘度調整剤、難燃剤、イオントラップ剤、消泡剤、レベリング剤、破泡剤等を含有してもよい。
本発明の接着剤において、上記(B)成分の他の(メタ)アクリル化合物を含有する場合、配合比は任意でよいが、例えば、上記(A)成分の(メタ)アクリル化合物:上記(B)成分の他の(メタ)アクリル化合物が重量比で10:90〜30:70であることが好ましく、20:80であることがより好ましい。
本発明の接着剤において、上記(C)成分のチオール化合物を含有する場合、上記(A)成分の(メタ)アクリル化合物及び(B)成分の他の(メタ)アクリル化合物に対して、チオール化合物が当量比で0.5〜2.0の割合で配合されていることが好ましい。ここでいう「当量比」とは、(メタ)アクリル化合物及び他の(メタ)アクリル化合物の当量とチオール化合物の当量の比のことである。つまり、上記(A)成分の(メタ)アクリル化合物及び(B)成分の他の(メタ)アクリル化合物に対して、上記(C)成分のチオール化合物が当量比で0.5〜2.0というのは、アクリル基(メタクリル基)の数が1に対してチオール基の数が0.5〜2.0という意味である。
上記(A)(メタ)アクリル化合物及び上記(B)他の(メタ)アクリル化合物に対する上記(C)チオール化合物の配合割合がこのような範囲に設定されることによって、接着剤の保存時の安定性がより高くなり、接着剤のポットライフ(可使時間)をより長くすることが可能となる。
本発明の接着剤において、上記(F)ラジカル重合禁止剤を含有する場合、ラジカル重合禁止剤の含有量が、接着剤の全量に対して0.0001〜2.0wt%であることが好ましい。ラジカル重合禁止剤の含有量がこのような範囲に設定されることによって、接着剤の保存時の安定性がより高くなり、接着剤のポットライフをより長くすることが可能となる。
本発明の接着剤において、上記(G)アニオン重合抑制剤を含有する場合、アニオン重合抑制剤の含有量が、上記(D1)潜在性硬化剤の含有量に対して重量比で0.001〜1.0であることが好ましい。アニオン重合抑制剤の含有量がこのような範囲に設定されることによって、接着剤の保存時の安定性がより高くなり、接着剤のポットライフをより長くすることが可能となる。
本発明の接着剤は、上述した(A)成分と必要に応じて(B)〜(I)成分を混合して調製することができる。混合には公知の装置を用いることができる。例えば、ヘンシェルミキサーやロールミルなどの混合機で混合することができる。これらの成分は、同時に混合してもよく、一部の成分を先に混合し、残りの成分を後から混合してもよい。
本発明の接着剤は、イメージセンサーを構成する部品同士を接合するための接着剤あるいはその原料として用いることができる。
また、本発明の接着剤は、カメラモジュールを構成する部品同士を接合するための接着剤あるいはその原料として用いられ、例えば、プリント配線基板と、IRカットフィルタ、イメージセンサーやレンズの支持体等との接着等に用いることができる。接着剤を供給(例えば、塗布)する手段としては、ジェットディスペンサー、エアーディスペンサー等を使用する方法が挙げられる。
なお、本発明の接着剤は、カメラモジュール以外のイメージセンサーモジュールに使用することもできる。例えば、指紋認証装置、顔認証装置、スキャナ、医療機器等に組み込まれることのあるイメージセンサーモジュールの部品の接着及び封止に用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した原料は、以下のとおりである。
(A)成分((メタ)アクリル化合物)
・1,3,4,6−テトラキス(2−メタクリロイルオキシエチル)グリコールウリル(nが1であり、全てのRがメチル基である場合の化学式(I)参照、「A−1」と表記する。)
・3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸 3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキシルメチルエステル(全てのRがメチル基である場合の化学式(II)参照、「A−2」と表記する。)
(B)成分(他の(メタ)アクリル化合物)
・トリプロピレングリコールジアクリレート(商品名「APG−200」、新中村化学工業社製、「B−1」と表記する。)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「A−DPH」、新中村化学工業社製、「B−2」と表記する。)
(E)成分(ラジカル重合開始剤)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)
(A)成分((メタ)アクリル化合物)
・1,3,4,6−テトラキス(2−メタクリロイルオキシエチル)グリコールウリル(nが1であり、全てのRがメチル基である場合の化学式(I)参照、「A−1」と表記する。)
・3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸 3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキシルメチルエステル(全てのRがメチル基である場合の化学式(II)参照、「A−2」と表記する。)
(B)成分(他の(メタ)アクリル化合物)
・トリプロピレングリコールジアクリレート(商品名「APG−200」、新中村化学工業社製、「B−1」と表記する。)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「A−DPH」、新中村化学工業社製、「B−2」と表記する。)
(E)成分(ラジカル重合開始剤)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)
なお、上記の1,3,4,6−テトラキス(2−メタクリロイルオキシエチル)グリコールウリルは、特開2015−57375号公報に記載された方法に準拠して合成し用いた。
また、上記の3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸 3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキシルメチルエステルは、以下のように合成して用いた。
容量100mlのナスフラスコに、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート2.52g(10.0mmol)、メタクリル酸無水物3.70g(24.0mmol)、モノベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.93g(0.5mmol)および4−メトキシフェノール12.4mg(0.1mmol)を仕込み、100℃にて24時間撹拌した。
続いて、反応液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v))により処理し、3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸 3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキシルメチルエステルを4.54g得た(収率81.0%)。
容量100mlのナスフラスコに、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート2.52g(10.0mmol)、メタクリル酸無水物3.70g(24.0mmol)、モノベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.93g(0.5mmol)および4−メトキシフェノール12.4mg(0.1mmol)を仕込み、100℃にて24時間撹拌した。
続いて、反応液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1(v/v))により処理し、3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸 3,4−ビス−(メタクリロイルオキシ)−シクロヘキシルメチルエステルを4.54g得た(収率81.0%)。
上記の原料を用い、表1に示す組成に従って各成分を混合し、紫外線硬化樹脂組成物である接着剤(実施例1、2、比較例1、2)を得た。
実施例及び比較例で採用した評価試験方法は、以下のとおりである。
得られたそれぞれの接着剤を使用して、2枚のガラス板を貼り合わせた後、窒素雰囲気下で紫外線を照射し(積算光量3000mJ/cm2)、接着剤を硬化させてそれぞれの試験片を作製した。
作製したそれぞれの試験片について、JIS K6850に準拠し、引張せん断強度を測定した。
その結果を表1に示す。
得られたそれぞれの接着剤を使用して、2枚のガラス板を貼り合わせた後、窒素雰囲気下で紫外線を照射し(積算光量3000mJ/cm2)、接着剤を硬化させてそれぞれの試験片を作製した。
作製したそれぞれの試験片について、JIS K6850に準拠し、引張せん断強度を測定した。
その結果を表1に示す。
表1を見ると、実施例1、2では、比較例1、2に比べて、引張せん断強度が凡そ2倍である。即ち、実施例1、2の接着剤は、被接着物への密着力が高く、この接着剤で部品同士を接着した機器等を落下させた際にも耐衝撃性に優れることが期待される。
Claims (3)
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