JP2018177581A - 水砕スラグの製造方法及び水砕スラグ製造装置 - Google Patents

水砕スラグの製造方法及び水砕スラグ製造装置 Download PDF

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【課題】本発明は、比較的低コストで良質な水砕スラグを製造できる方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る水砕スラグの製造方法は、溶融スラグを水砕して得られる水砕スラグの製造方法であって、上記溶融スラグを流下させる工程と、上記流下状態の溶融スラグにその流下方向下流側を頂点とするV字型又は逆多角錐型に水ジェットを噴射する工程と、上記噴射工程後に、粉砕されたスラグ粒子を冷却水で被覆する工程とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、水砕スラグの製造方法及び水砕スラグ製造装置に関する。
例えば高炉等から排出される溶融スラグに水ジェットを噴射して微細化しつつ凝固させることで製造される水砕スラグが例えば路面舗装材料等として利用されている。
このような水砕スラグの製造において、良質な水砕スラグを得るために、溶融スラグに水を噴射して微細化した後スラグが完全に凝固するまで粉砕されたスラグ粒子を水膜で覆うことが有効であることが知られている。これは、粉砕後のスラグ粒子が空気中に露出すると繊維状のスラグを生成したり、徐冷されて粒子がポーラスになり、得られる水砕スラグの品質が低下するからである。
このため、例えば特開昭62−171949号公報に開示されているように、溶融スラグを十分微細に粉砕することができ、且つ粉砕後のスラグ粒子を水膜で覆うことができるような水ジェットの噴射条件が模索されている。
溶融スラグを十分微細に粉砕するためには、水ジェットの速度を十分に大きくしなければならない。一方、粉砕後のスラグ粒子を水膜で覆うためには、水ジェットの水量を十分に大きくしなければならない。このため、良質な水砕スラグを製造するためには、ジェットノズルに高圧の水を大量に供給することが必要であり、高圧水の供給のために必要なエネルギーの消費が大きく、コスト増に繋がっている。
特開昭62−171949号公報
上記実情に鑑みて、本発明は、比較的低コストで良質な水砕スラグを製造できる方法及び製造装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、溶融スラグを水砕して得られる水砕スラグの製造方法であって、上記溶融スラグを流下させる工程と、上記流下状態の溶融スラグにその流下方向下流側を頂点とするV字型又は逆多角錐型に水ジェットを噴射する工程と、上記噴射工程後に、粉砕されたスラグ粒子を冷却水で被覆する工程とを備えることを特徴とする。
当該水砕スラグの製造方法は、溶融スラグを水ジェットによって粉砕する噴射工程と粉砕されたスラグ粒子を水膜で被覆する被覆工程とに工程を分けて処理するため、噴射工程で必要とされる水ジェットの水量が少なくてすむので、水ジェット生成のために必要な動力消費、ひいては水砕スラグの製造コストを抑制することができる。
当該水砕スラグの製造方法では、上記噴射工程における水ジェットの溶融スラグ流下方向に対する傾斜角が15°以上75°以下、水ジェットの噴射水量が上記溶融
スラグの質量流量の3.0倍以上5.0倍未満であり、上記水ジェットの噴射速度の上記スラグの流下方向に垂直な成分が5m/s以上16m/s以下であることが好ましい。この構成によれば、水ジェットのエネルギーコストを抑制しながら、比較的確実に溶融スラグを微細化することができる。
当該水砕スラグの製造方法では、上記噴射工程における水ジェットの噴射形態がフラットスプレーノズルを用いたV字型であることが好ましい。この構成によれば、装置構成を比較的簡素化できると共に、溶融スラグの飛散を抑制して溶融スラグに十分な量の水ジェットを衝突させることができるので溶融スラグの粉砕が比較的確実である。
当該水砕スラグの製造方法において、上記被覆工程で、側方に設置したシャワーノズルから上記スラグ粒子に冷却水を供給してもよい。この構成によれば、より小さいエネルギーでより確実にスラグ粒子を水膜で被覆することができる。
また、本発明の別の態様は、溶融スラグを排出して流下させる排出機構と、排出機構から排出された流下状態の溶融スラグにその流下方向下流側を頂点とするV字型又は逆多角錐型に水ジェットを噴射するジェットノズルと、上記ジェットノズルから水ジェットが噴射された直後のスラグに冷却水を供給するシャワーノズルとを備える水砕スラグ製造装置である。
当該水砕スラグ製造装置は、ジェットノズルから噴射される水ジェットによって溶融スラグを粉砕し、粉砕直後のスラグ粒子をシャワーノズルから供給される冷却水で被覆するため、噴射工程で必要とされる水ジェットの水量が少なくてすむので、水ジェット生成のために必要な動力消費、ひいては水砕スラグの製造コストを抑制することができる。
以上のように、本発明の水砕スラグの製造方法は、比較的低コストで良質な水砕スラグを製造できる。
本発明の一実施形態の水砕スラグの製造方法の手順を示すフローチャートである。 図1の水砕スラグの製造方法に用いる設備の構成を示す模式図である。 水ジェットの水量の溶融スラグ流量に対する比と水砕スラグの嵩密度との関係を示すグラフである。 水ジェットの水平方向流速と水砕スラグの嵩密度との関係を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
本発明の一実施形態に係る水砕スラグの製造方法は、図1に示すように、溶融スラグを流下させる工程<ステップS1:流下工程>と、流下状態の溶融スラグに水ジェットを噴射する工程<ステップS2:噴射工程>と、この噴射工程後に、粉砕されたスラグ粒子を冷却水で被覆する工程<ステップS3:被覆工程>と、冷却水で被覆されたスラグ粒子を回収する工程<ステップS4:回収工程>とを備える。
当該水砕スラグの製造方法は、例えば図2に示す水砕スラグ製造装置を用いて行うことができる。
例えば高炉等に付設され、炉内の溶融スラグを排出して流下させる排出機構1と、排出機構1による流下状態の溶融スラグに水ジェットを噴射するジェットノズル2と、水ジェットが噴射された直後のスラグに冷却水を供給するシャワーノズル3と、ジェットノズル2及びシャワーノズル3から供給された水と共にスラグを受け止める傾斜したスラグ樋4と、このスラグ樋4の下側端部から流出するスラグを含む水を受け入れて貯留する水槽5とを備える。
<流下工程>
ステップS1の流下工程では、排出機構1から溶融スラグを連続的に、略一定の流量で略鉛直方向に流下させる。
流下工程において流下する溶融スラグの流量の下限としては、1kg/sが好ましく、2kg/sがより好ましい。一方、溶融スラグの流量の上限としては、8kg/sが好ましく、6kg/sがより好ましい。溶融スラグの流量が上記下限に満たない場合、スラグの排出速度が一定にならず、水砕スラグの製造効率が小さくなるおそれがある。逆に、溶融スラグの流量が上記上限を超える場合、スラグ排出口が摩耗し、排出速度が大きくなりスラグ品質の悪化をもたらすおそれがある。
<噴射工程>
ステップS2の噴射工程では、溶融スラグに水ジェットを衝突させて溶融スラグを粉砕して粒状化する。
この噴射工程における水ジェットの噴射形態としては、溶融スラグの流下方向下流側を頂点とするV字型又は逆多角錐型とされ、好ましくはジェットノズル2としてフラットスプレーノズルを用いたV字型とされる。つまり、水ジェットの噴射は、少なくとも上下方向には殆ど広がらない狭角に行うとよく、特に、流下する溶融スラグを挟んで鏡写しに配置され、斜め下方に傾斜して、平面状に水ジェットを噴射する少なくとも一対のジェットノズル2を用いて行うことが好ましい。
このように狭角の水ジェットを用いることによって、溶融スラグに対する水ジェットの衝突が、溶融スラグの流下方向における比較的小さい範囲内で行われ、水ジェットのエネルギーを集中することにより比較的少量の水で効率よく溶融スラグを粉砕することができる。また、水ジェットを溶融スラグの流下方向下流側に傾斜させて噴射することによって、水ジェット衝突後の溶融スラグが飛散したり、水が衝突後に滞留して連続して行われる水ジェットの溶融スラグへの衝突を阻害したりすることを防止できる。特にジェットノズル2としてフラットスプレーノズルを用いたV字型、つまり2つの平面状の水ジェットを溶融スラグに衝突させることで、衝突後の水の滞留をより確実に防止して、溶融スラグをより効率的に粉砕することができる。
上記水ジェットの中心軸の溶融スラグ流下方向に対する傾斜角の下限としては、15°が好ましく、30°がより好ましい。一方、上記水ジェットの中心軸の溶融スラグ流下方向に対する傾斜角の上限としては、75°が好ましく、80°がより好ましい。上記水ジェットの中心軸の溶融スラグ流下方向に対する傾斜角が上記下限に満たない場合、ジェットノズル2は溶融スラグの流下経路の外側に配置する必要があるためにジェットノズル2から水ジェットが溶融スラグに衝突するまでの距離が過度に大きくなることで正確なV字型又は逆多角形型の噴射ができないおそれや、溶融スラグを剪断する溶融スラグ流下方向に垂直な方向の運動エネルギーが小さくなることで、溶融スラグを十分に粉砕できないおそれがある。逆に、上記水ジェットの中心軸の溶融スラグ流下方向に対する傾斜角が上記上限を超える場合、衝突後の水が滞留して連続的な溶融スラグの粉砕を阻害するおそれがある。
上記水ジェットの噴射水量の下限としては、流下する溶融スラグの質量流量の3.0倍が好ましく、3.5倍がより好ましい。一方、水ジェットの噴射水量の上限としては、流下する溶融スラグの質量流量の5.0倍が好ましく、4.5倍がより好ましい。水ジェットの噴射水量が上記下限に満たない場合、溶融スラグを十分に粉砕することができないことで冷却速度不十分となり、凝固時にポーラス状となって得られる水砕スラグの嵩密度が小さくなりすぎるおそれがある。逆に、水ジェットの噴射水量が上記上限を超える場合、水ジェット生成のためのエネルギーコスト、ひいては水砕スラグの製造コストが不必要に増大するおそれがある。
上記水ジェットの噴射速度の溶融スラグの流下方向に垂直な方向の成分の下限としては、5m/sが好ましく、8m/sがより好ましい。一方、水ジェットの噴射速度の溶融スラグの流下方向に垂直な方向の成分の上限としては、16m/sが好ましく、14m/sがより好ましい。水ジェットの噴射速度の溶融スラグの流下方向に垂直な方向の成分が上記下限に満たない場合、溶融スラグを十分に粉砕することができないことで冷却速度が不十分となって得られる水砕スラグの嵩密度が小さくなりすぎるおそれがある。逆に、水ジェットの噴射速度の溶融スラグの流下方向に垂直な方向の成分が上記上限を超える場合、水ジェット生成のためのエネルギーコスト、ひいては水砕スラグの製造コストが不必要に増大するおそれがある。
<被覆工程>
ステップS3の被覆工程では、比較的小さいエネルギーで供給できる冷却水をスラグ粒子に供給してスラグ粒子を水で被覆する。これにより、各スラグ粒子の冷却を促進して緻密で嵩比重が大きい水砕スラグを形成する。
被覆工程における冷却水の供給は、溶融スラグの流下経路の水ジェットが衝突する領域の直下の側方に設置したシャワーノズル3を用いて行うことが好ましい。このようなシャワーノズル3を使用することで、比較的簡単でエネルギー消費が小さい設備を用いて粉砕直後のスラグ粒子を水膜で覆うことができる。これにより、粉砕された溶融スラグ粒子が除冷されることにより繊維状変形して凝固することを抑制でき、得られる水砕スラグの嵩比重の低下を防止することができる。
冷却水を供給するシャワーノズルとしては、溶融スラグの流下経路に対向する溶融スラグ流下方向に平行な外壁を有し、この外壁に多数の開口を形成したものとすることができる。シャワーノズル3の開口は、直線上に等間隔に並んだ列を複数形成することが好ましく、開口位置の位相が交互に反転することがより好ましい。このシャワーノズル3の開口の平均径としては、例えば1mm以上3mm以下とすることができる。また、シャワーノズル3の開口の平均ピッチ(中心間隔)としては、例えば3mm以上8mm以下とすることができる。
ステップS3の被覆工程でシャワーノズル3から噴出させる冷却水の速度の下限としては、2m/sが好ましく、3m/sがより好ましい。一方、冷却水の速度の上限としては、8m/sが好ましく、6m/sがより好ましい。冷却水の速度が上記下限に満たない場合、冷却水がスラグ粒子に到達しないおそれがある。逆に、冷却水の速度が上記上限を超える場合、冷却水の一部がスラグ粒子の流れを突き抜けて有効に機能しないことで必要な冷却水量や冷却水供給のために消費するエネルギーが不必要に増大するおそれがある。
冷却水の水量の下限としては、流下する溶融スラグの質量流量の4倍が好ましく、6倍がより好ましい。一方、冷却水の水量の上限としては、流下する溶融スラグの質量流量の12倍が好ましく、10倍がより好ましい。冷却水の水量が上記下限に満たない場合、スラグを十分な速度で冷却できないおそれがある。逆に、冷却水の水量が上記上限を超える場合、冷却水供給のために消費するエネルギーが不必要に増大するおそれがある。
<回収工程>
ステップS4の回収工程では、冷却水で被覆されているスラグ粒子を樋4で案内して水槽5に回収することができる。このように樋4を利用することにより、排出機構1の直下に水槽5を配置できない場合でも、スラグ粒子を水で被覆した状態を維持したまま水槽5まで移送して、スラグ粒子が冷却速度の低下により繊維状に変形することを抑制することができる。
樋4としては、スラグ粒子を受け取ることができる幅と、水槽5に届く長さと、スラグ粒子を含んだ冷却水がスムーズに流れることができる傾斜とを有するものとすることができる。具体例として、樋4の幅としては、例えば60mm以上200mm以下とすることができる。また、樋4の傾斜角度としては、例えば5°以上30°以下とすることができる。また樋4の溝の断面形状としては、特に限定されず、例えば半円形状、方形状、逆三角形状等とすることができる。
また、スラグ粒子が樋4内に堆積することを防止するために、樋4にさらにスラグ粒子を押し流すための水を供給してもよい。
<利点>
当該水砕スラグの製造方法は、溶融スラグを水ジェットによって粉砕する噴射工程と、粉砕されたスラグ粒子を冷却水で被覆する被覆工程とに工程を分けて処理するため、噴射工程で必要とされる水ジェットの水量が少なくてすむので、水ジェット生成のために必要な動力消費、ひいては水砕スラグの製造コストを抑制することができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
水砕スラグの製造方法において、回収工程でスラグ粒子を回収する方法は、特に限定されない。具体例として、回収工程では、樋を用いずに被覆工程において冷却水で被覆されたスラグ粒子を直接水槽で受け取ってもよい。また、冷却水で被覆した状態で十分にスラグ粒子を冷却できる場合、スラグ粒子を水槽で受け取るのではなく、冷却水と共にスラグ粒子をメッシュや遠心分離機に供給して冷却水を分離して水砕スラグだけを回収するようにしてもよい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
高炉で製造された水砕スラグを約1kg黒鉛坩堝内に入れ、10℃/分以上25℃/分以下の昇温速度で1500℃まで加熱し、約5分保持した後、底部の黒鉛製のストッパーを抜いて直径8mmの穴より溶融スラグを鉛直に流下させた。この溶融スラグの流量は、平均2.3kg/minであった。
流下状態の溶融スラグに対して様々な条件で水を噴射して、粉砕及び冷却してスラグ粒子を形成し、このスラグ粒子を水と共に樋で受け止めて水槽に案内して、水槽から冷却された水砕スラグを回収した
<噴射角度>
一対のフラットスプレーノズルを用い、溶融スラグに対してV字型に水ジェットを噴射し、溶融スラグ流下方向する水ジェットの傾斜角度を変化させて水砕スラグを試作した。なお、フラットスプレーノズルとしては、共立合金製作所社の「1/4KBH05210」を使用した。
この結果、溶融スラグ流下方向と水ジェットの中心軸との傾斜角度が75°以下の場合には、スラグを微細化して真下に落下させることができたが、スラグを溶融スラグ流下方向と水ジェットの中心軸との傾斜角度が75°を超えると、スラグが水ジェットにはじき出されて十分に微細化することができなかった。
<噴射水量>
水ジェット流量の溶融スラグ流量に値する質量比(水スラグ比)を異ならせて水砕スラグを試作し、嵩密度を測定した。なお、嵩密度は、JIS−A1104(2006)に準拠して測定した。
図3に、水スラグ比と得られた水砕スラグの嵩密度との関係を示す。図示するように、水スラグ比を3以上とすることによって、嵩密度が1.4g/cc以上の良質な水砕スラグを得ることができた。
<噴射速度>
水ジェットの噴射速度を異ならせて水砕スラグを試作した。
図4に、水ジェットの溶融スラグの剪断に寄与する溶融スラグ流下方向に垂直な速度成分(水平方向速度成分)と得られた水砕スラブの嵩密度との関係を示す。図示するように、水ジェットの水平方向速度成分が5m/s以上であれば、嵩密度が1.4g/cc以上の良質な水砕スラグを得ることができた。
<冷却水被覆>
溶融スラグにV字状に水ジェットを噴射し、そのまま水槽に落下させる場合と、水ジェット噴射後のスラグにシャワーノズルから冷却水を供給してスラグ粒子を冷却水で被覆した状態で水槽に落下させる場合との得られる水砕スラグの嵩密度及び繊維状物質の発生割合を比較した。
水ジェットの溶融スラグへの衝突位置は水槽液面の50mm上方に設定した。水ジェット噴射方向の溶融スラグ流下方向に対する傾斜角度は20°、水ジェットの流速は16m/s、水スラグ比は3.4とした。また、シャワーノズルは、直径2mmの穴を5mmピッチで2列、列間隔4mmで穴位置を逆位相に形成したものを用い、流速を5m/s、水スラグ比を5.2とした。
この結果、冷却水を供給せずに直接水槽に落下させた場合に得られた水砕スラグの嵩密度は1.38g/ccであったのに対し、冷却水でスラグ粒子を被覆した場合に得られた水砕スラグの嵩密度は1.47g/ccであった。また、直接水槽に落下させた場合に得られた水砕スラグの繊維状物質発生割合は、1.2質量%であったのに対し、冷却水でスラグ粒子を被覆した場合に得られた水砕スラグの繊維状物質発生割合は、0.0質量%であった。
本発明に係る水砕スラグの製造方法は、特に高炉から排出される溶融スラグを原料とする水砕スラグの製造に好適に利用することができる。
1 排出機構
2 ジェットノズル
3 シャワーノズル
4 スラグ樋
5 水槽

Claims (5)

  1. 溶融スラグを水砕して得られる水砕スラグの製造方法であって、
    上記溶融スラグを流下させる工程と、
    上記流下状態の溶融スラグにその流下方向下流側を頂点とするV字型又は逆多角錐型に水ジェットを噴射する工程と、
    上記噴射工程後に、粉砕されたスラグ粒子を冷却水で被覆する工程と
    を備えることを特徴とする水砕スラグの製造方法。
  2. 上記噴射工程における水ジェットの溶融スラグ流下方向に対する傾斜角が15°以上75°以下、水ジェットの噴射水量が上記溶融スラグの質量流量の3.0倍以上5.0未満であり、
    上記水ジェットの噴射速度の上記スラグの流下方向に垂直な成分が5m/s以上16m/s以下である請求項1に記載の水砕スラグの製造方法。
  3. 上記噴射工程における水ジェットの噴射形態がフラットスプレーノズルを用いたV字型である請求項1又は請求項2に記載の水砕スラグの製造方法。
  4. 上記被覆工程で、側方に設置したシャワーノズルから上記スラグ粒子に冷却水を供給する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の水砕スラグの製造方法。
  5. 溶融スラグを排出して流下させる排出機構と、
    排出機構から排出された流下状態の溶融スラグにその流下方向下流側を頂点とするV字型又は逆多角錐型に水ジェットを噴射するジェットノズルと、
    上記ジェットノズルから水ジェットが噴射された直後のスラグに冷却水を供給するシャワーノズルと
    を備える水砕スラグ製造装置。
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