JP2018176585A - インモールド成形用金型 - Google Patents

インモールド成形用金型 Download PDF

Info

Publication number
JP2018176585A
JP2018176585A JP2017081003A JP2017081003A JP2018176585A JP 2018176585 A JP2018176585 A JP 2018176585A JP 2017081003 A JP2017081003 A JP 2017081003A JP 2017081003 A JP2017081003 A JP 2017081003A JP 2018176585 A JP2018176585 A JP 2018176585A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
film
molding
layer
display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017081003A
Other languages
English (en)
Inventor
洋史 森岡
Hiroshi Morioka
洋史 森岡
正紘 結城
Masahiro Yuki
正紘 結城
永原 孝行
Takayuki Nagahara
孝行 永原
勇起 杉野
Yuki Sugino
勇起 杉野
和彦 金内
Kazuhiko Kaneuchi
和彦 金内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2017081003A priority Critical patent/JP2018176585A/ja
Publication of JP2018176585A publication Critical patent/JP2018176585A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】インモールド成形において、インモールドフィルムの印刷版を修正しなくても、金型の所定の境界位置とインモールドフィルムの所定の境界位置との相対位置を調節できるインモールド成形用金型を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のインモールド成形用金型装置は、第1型1aと第2型1bの少なくとも一方の分割面に凸部5a,を設け、第1型1aと第2型1bのうちの他方の分割面に、凸部5aに対応した位置に凹部6aを設け、第1型1aと第2型1bの間に挿通されたインモールドフィルム2を、型閉じによって凸部5aが凹部6aに押し込んで伸ばすことで、インモールドフィルム2における境界線位置P1を第1型1aと第2型1bにおける境界線位置P2に一致させることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、絵柄の一部に塗工されていない窓が形成されているインモールドフィルムを使用して、このインモールドフィルムの転写層を樹脂成形と同時に成形品に転写するインモールド成形用金型に関するものである。
従来、家電製品や自動車部品に用いられる樹脂成形品の成形方法として、インモールド成形方法がある。このインモールド成形方法は、金型で樹脂成形する際に、図7に示す積層構造のインモールドフィルム2を使用する。
インモールドフィルム2の基本構成は、基材シート8に剥離層9,ハードコート層10,絵柄層11,接着層12と順次塗工することで製造される。インモールド成形品には、ハードコート層10,絵柄層11,接着層12が転写されるので、これらの層をまとめて転写層13とする。基材シート8には、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネートおよびPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)などの材料が用いられている。剥離層9は基材シート8とインモールド成形品の離型性を高めるはたらきをするもので、熱可塑性樹脂であるアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいは熱硬化性樹脂であるポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂を用いるとよい。ハードコート層10はインモールド成形品に傷や損傷の発生を防ぐことや、絵柄層11の絵柄の深み感を増すため、劣化を防ぐために、防汚性の働きをするもので、紫外線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いると良い。絵柄層11は樹脂表面に意匠性を与える働きをする層で有機系顔料とポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂を材料として用いればよい。絵柄層11にはスパッタリングや真空蒸着などの工法でアルミやスズ、インジウムなど金属箔膜を形成することで樹脂表面に鏡面調の意匠性を与えることもできる。接着層12は成形樹脂と絵柄層11を接着させる働きをする層で、成形樹脂と絵柄層11に合わせて親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂を用いるとよい。以上の剥離層9とハードコート層10、絵柄層11、接着層12までの塗工方法はグラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法を用いられている。絵柄層11にはインクジェット印刷を用いると、美麗な絵柄を描くことができる。
このインモールドフィルム2は図8に示すインモールド成形装置にセットして使用されている。
金型1は、固定側の第1型1aと可動側の第2型1bとで構成されている。型閉じすることによって第1型1aの凹部1cと第2型1bの凸部1dとの間にキャビティが形成される。フィルム送り装置14から送り出された帯状のインモールドフィルム2は、第1型1aと第2型1bの間を通過してフィルム巻取り装置15によって巻き取られる。矢印Fはインモールドフィルム2の移送方向を示している。ここでインモールドフィルム2は転写層13を第1型1aの側にしてセットされている。
図9(a)〜(d)は一般的なインモールド成形品の製造方法のプロセスを示している。
まず、図9(a)では、インモールドフィルム2が型開き状態の金型1の第1型1aと第2型1bとの間に間欠移送にて供給される。
次に図9(b)では、インモールドフィルム2をフィルムクランプ機構3によって第2型1bに押さえ付けて、さらに金型1を型閉じさせてキャビティを作る。第1型1aにはフィルムクランプ機構3を収容する凹部1eが形成されている。
図9(c)では、高温かつ高圧な成形材料7が第1型1aのゲート16からキャビティに射出される。これによって転写層13が成形材料7に密着する。その後に冷却される。
図9(d)では、金型1の型開きによって、インモールドフィルム2の基材シート8が第2型1bに残り、インモールドフィルム2の転写層13が成形品表面に転写される。その後インモールド成形品17が第1型1aから離型されることでインモールド成形品17が得られる。インモールド成形品17は、表面に転写層13によって加飾されている。
フィルムクランプ機構3による押さえ付けが解除されたインモールドフィルム2は、次の絵柄部分が第1型1aと第2型1bの間に到着するように、フィルム送り装置14から送り出され、転写層13が抜けた使用済みのインモールドフィルム2がフィルム巻取り装置15によって巻き取られる。このようにインモールドフィルム2が、成形サイクルに同期してフィルム送り装置14とフィルム巻取り装置15によって間欠移送されている。
液晶や有機EL等のディスプレイデバイスに使用されるカバーレンズと呼ばれるインモールド成形品17の場合に使用するインモールドフィルム2には、図10(a)に示すように絵柄層11の一部に、ディスプレイデバイスの表示内容を目視するためのディスプレイ表示部18が形成されている。ディスプレイ表示部18は、絵柄層11によって基材シート8を部分的に塗工しないことで形成されている。
図11は、ディスプレイ表示部18が形成されたインモールドフィルム2の平面図である。射出成形時にインモールドフィルム2の位置をあわせるための成形用アライメントマーク19と、傾きを補正するための成形用傾き補正ライン20が設けられている。
図10(b)はこの転写層13が転写されたインモールド成形品17を示す。転写層13はインモールド成形品17の背面側に転写されている。ここで背面側とは、インモールド成形品17を使用した製品の内側である。製品の内側に転写層13があることで、成形材料7を介して絵柄層11を見るので、奥行き感のある美麗なインモールド成形品17を得ることができる。
インモールドフィルム2には、図7に示した積層構造の他に、図12に示したものがある。この図12に示したインモールドフィルム2では、ハードコート層10と剥離層9の間に表面機能層21が配置されている。表面機能層21は、AR(アンチリフレクション)層やAG(アンチグレア)層、表面親水もしくは表面疎水をはじめとした防汚層を有する材料を配置されている。AR層の場合は、その膜厚みと屈折率できまる光学距離を調整してインモールドフィルム2に塗工する。AG層の場合は、微細凹凸をインモールド成形品に施すために、剥離層9に粒状シリカをはじめとしたフィラーを混ぜ合わせることで剥離層に微細凹凸を施すことで、その微細凹凸がインモールド成形品の表面に転写される。防汚層は材料が親水基あるいは疎水基が剥離層側にあることで、インモールド成形品の表面が親水あるいは疎水機能をもつ。これらの表面機能層21は主にグラビアコーター機による塗工方法が適している。
表面機能層21を有するインモールドフィルム2の場合もディスプレイ表示部18は、図13(a)に示すように絵柄層11の一部に形成されている。ディスプレイ表示部18は、絵柄層11によって基材シート8を部分的に塗工しないことで形成されている。平面図は図11と同じである。この表面機能層21を有するインモールドフィルム2を使用したインモールド成形品17の場合には、図13(b)のように製品の表側に転写層13が配置される。このように製品の表側に転写層13があることで、表面機能層21による表面機能、ハードコート層10の表面保護機能および絵柄層11の加飾が施されたインモールド成形品を得ることができる。
特開2014−172227号公報
従来では、インモールド成形品17におけるディスプレイ表示部18の寸法が、射出成形工程後まで製品設計時の寸法になっているのか確認できない問題がある。
仮にディスプレイ寸法が公差内に収まらない場合は、再度印刷版を作成しなければならないことである。ディスプレイ寸法の公差は±0.3mmが設定されることが多い。
この課題について図14〜図17を用いて詳細に説明する。
図14では、インモールド成形品の製品としての仕様を決定する製品設計段階を示している。カバーレンズとしてのインモールド成形品17では、ディスプレイ表示部の光学歪みと寸法が重要となることが多い。ここでの光学歪みとは、射出成形時のひずみによる屈折率バラつきがディスプレイ表示面内で許容できない範囲であることを指す。その他の仕様としては、ディスプレイ表示部以外の寸法、面粗度、外観品位等である。
図15では、図14で決定したディスプレイ表示寸法とその配置を設計どおりにインモールド成形品として製造できるようにインモールドフィルム2を設計し、その製造方法を設定する。インモールドフィルム2には図13(a)あるいは図10(a)のようにディスプレイ表示部18は絵柄層11を無くしておく必要がある。そのような絵柄層11をインモールドフィルム2に塗工するためには、印刷時に印刷版が必要となる。たとえば、グラビア印刷なら版胴とよばれるグラビア印刷版が必要となる。オフセット印刷も同様に版胴と呼ばれるオフセット印刷版が必要となる。スクリーン印刷なら紗と乳剤を用いたスクリーン印刷版が必要である。また、印刷時には乾燥工程があり、90℃前後の温度下で10分程度さらされるため、基材シート8には熱収縮が起こる。印刷版はこの収縮を見越した上で、たとえば、ディスプレイ表示部18の寸法設計することが必要となる。射出成形時には樹脂の流動、主に矢印の向きのせん断力によって、インモールドフィルム2の一部22で図18のように歪められることがある。せん断力は成形条件によって異なるが、この歪みも見越した上で、インモールドフィルム2の設計時に印刷版を設計する必要がある。この歪みは射出成形の金型構造にもよる場合はあるが、製品の厚みが2mm厚みの場合、0.2mm以上0.7mm以下の範囲で歪むため、印刷版はこの歪みを見越した上で、図15の工程で印刷版を設計する必要がある。
図16では、射出成形工程での条件を設定する。このときには要求仕様の光学歪み、その他仕様を満たすような成形条件を導く必要がある。特に、ディスプレイ表示部18のような透明箇所がある場合は、光学歪み以外にも成形工程での気泡巻き込みによるシルバーなどの外観不具合も発生しないようにする必要があり、その成形条件幅は狭い。
図17では、インモールド成形品17の仕上がりを評価する。
以上のように、ディスプレイ表示部18をもつインモールド成形品17を製造するためには、印刷版が必要となるが、その印刷版は製品設計値を使うのではなく、図15の工程での基材シートの熱収縮と図16の工程での樹脂流動によるインモールドフィルム歪みを見越して設計する必要がある。この二つの印刷版の設計に考慮すべき点だが、基材シートの熱収縮は材料ロット起因による熱収縮バラつき。樹脂流動による歪み量のばらつきがあるため、量産時に至っても、これらのバラつきが起因して、仕上がったインモールド成形品17のディスプレイ表示部18の寸法が製品設計値の公差内に入らないことが多く、製造歩留まりが悪いことが課題である。
そこで本発明は、インモールドフィルム2の印刷版を修正しなくても、ディスプレイ表示部18の寸法が製品設計値の公差内に入った良好な仕上がりのインモールド成形品を実現できるインモールド成形用金型を提供することを目的とする。
本発明のインモールド成形用金型装置は、第1型と第2型の間にインモールドフィルムを挟み込み、前記第1型と前記第2型を型閉じして形成されたキャビティに成形材料を射出し、冷却後に型開きしてインモールド成形品を取り出すインモールド成形用金型装置であって、前記第1型と前記第2型の少なくとも一方の分割面に、前記型閉じによって前記インモールドフィルムを、他方の分割面に押し出す凸部を設け、前記第1型と前記第2型のうちの前記他方の分割面に、前記凸部に対応した位置に凹部を設けた、ことを特徴とする。
この構成によると、第1型と第2型の型閉じによって挟み込んだインモールドフィルムの一部が、一方の分割面に形成された前記凸部によって他方の分割面に形成された前記凹部に押し込まれて引き延ばされる。インモールドフィルムの前記引き延ばされる分量は、前記凸部の高さと幅で調節できるので、前記凸部を調節することによって第1型と第2型と前記インモールドフィルムとの相対位置を変更することができ、インモールドフィルムの印刷版を修正しなくても、ディスプレイ表示部の寸法が製品設計値の公差内に入った良好な仕上がりのインモールド成形品を実現できる。
(a)(b)本発明の実施の形態1の金型を構成する第1型1aと第2型1bを分割面から見た平面図 (a)(b)(c)実施例の工程を示す断面図 (a)(b)(c)比較例の工程を示す断面図 本発明の実施の形態2の(a)(b)金型を構成する第1型1aと第2型1bを分割面から見た平面図 (a)〜(d)本発明の実施の形態2の工程図 (a)(b)本発明の実施の形態3の金型を構成する第1型1aと第2型1bを分割面から見た平面図 一般的なインモールドフィルムの層構成を表す断面図 一般的なインモールド成形装置の構成図 (a)〜(d)一般的なインモールド成形品製造工程図 (a)ディスプレイ表示部を有したインモールドフィルムの断面図と、(b)これを使用して樹脂成形したインモールド成形品の断面図 ディスプレイ表示部を有したインモールドフィルムの平面図 表面機能層を備えたインモールドフィルムの断面図 (a)表面機能層を備えかつ絵柄層の一部にディスプレイ表示部が形成されたインモールドフィルムの断面図と、(b)これを使用して樹脂成形したインモールド成形品の断面図 製品仕様の設計に関する説明図 フィルム設計および製造工程に関する説明図 射出成形工程に関する説明図 製品評価に関する説明図 射出成形のせん断によりインモールドフィルムが歪むことを示す断面図
以下、本発明のインモールド成形金型の各実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1と図2(a)(b)(c)は本発明の実施の形態1を示す。
図1は金型1を構成する固定側の第1型1aと可動側の第2型1bのそれぞれの分割面(パート面)を図示している。矢印Fはインモールドフィルム2の移送方向を示している。図2(a)はフィルムクランプ機構3がインモールドフィルム2を第2型1bに押圧した直後の金型1の断面図を示している。
第1型1aには、金型1におけるディスプレイ表示部4の側面部の第1凸部5aとディスプレイ表示部4の角部の第2凸部5bとディスプレイ表示部4の天面部の第3凸部5cが設けられている。この第1〜第3凸部5a,5b,5cはフィルムクランプ機構3の内側に配置している。さらに、第1〜第3凸部5a,5b,5cは第1型1aとは一体化しておらず、別部品として脱着が可能となっており、第1〜第3凸部5a,5b,5cを交換によって変更することやスペーサーなどで高さ調整が可能な機構、もしくは空圧や油圧によってその高さが調整可能となっている。
第2型1bには、第1〜第3凸部5a,5b,5cに対応する位置と高さに応じた第1〜第3凹部6a,6b,6cが設けられている。なお、第1型1aに設けられる第1〜第3凸部5a,5b,5cと、第2型1bに設けられる第1〜第3凹部6a,6b,6cは上記の5つずつに制約されず、それ以上の数を有してもよい。
この第1型1aと第2型1bを使用して、図2(a)(b)(c)の工程でインモールドフィルム2を伸ばすことで、インモールド成形品でのディスプレイ表示寸法を調整する。
図2(a)(b)(c)の実施例の説明に先立って、比較例を説明する。
(比較例)
図3(a)は図2(a)に見られた第1〜第3凸部5a,5b,5cや第1〜第3凹部6a,6b,6cが設けられていない。この図3(a)はフィルムクランプ機構3がインモールドフィルム2を固定側の第1型1aに押圧した直後の金型1の断面図を示している。P1はインモールドフィルム2におけるディスプレイ表示部の境界線位置を示す。P2は金型1におけるディスプレイ表示部の境界線位置を示す。
図3(b)では、金型1が閉じることに伴い、インモールドフィルム2は第2型1bの凹部1cを真空引きすることによって、第2型1bの凹部1cの内壁に張り付くように伸ばされ、変形する。
図3(c)では、成形材料7が金型1に射出される。適正な場合には、射出成形後のインモールドフィルム2の境界線位置P1と金型1の境界線位置P2が一致するが、射出成形工程での樹脂流動による歪みが予想より下回った場合は、この図3(c)のように境界線位置P1が境界線位置P2に一致しない。このような場合、従来では、インモールドフィルム2のフィルム設計工程において、フィルムの印刷版を新規に作成することが必要となる。これは時間がかかり生産コストが拡大するという課題につながる。
(実施例)
図2(a)の状態から図2(b)になると、金型1を閉じることに伴い第2型1bの凹部1cを真空引きすることによって、第2型1bの凹部1cの内壁にインモールドフィルム2は張り付くように伸ばされ変形するとともに、第1型1a側の第1〜第3凸部5a,5b,5cによって、インモールドフィルム2の一部が第2型1bの第1〜第3凹部6a,6b,6cに押し込まれる。これによって、インモールドフィルム2の境界線位置P1が金型1の境界線位置P2に近付く。第1〜第2凸部5a〜5cによる第1〜第3凹部6a〜6cに押し込まれるインモールドフィルム2の長さは、第1,第2凸部18,19の高さやその移送方向の幅に応じて決まる。
図2(c)では、成形材料7が金型1に射出される。射出成形工程での樹脂流動による歪みが予想通りの場合は、この図2(c)のように、境界線位置P1が境界線位置P2に一致する。射出成形工程での樹脂流動による歪みが想像より下回った場合は、次回の成形時に境界線位置P1が境界線位置P2に一致するように第1〜第3凸部5a,5b,5cの突出長さを調節することによって、インモールドフィルムの印刷版を新規に作成することが不要となる。なお、この実施例の場合には、インモールドフィルムは比較例以上に伸ばされることでディスプレイ表示寸法を調整しているため、インモールドフィルム製造時の印刷版設計ではあらかじめディスプレイ表示寸法を小さめに作ることが必要となる。
このように実施例によると、同じインモールドフィルムであっても型閉工程でフィルムのディスプレイ表示部の境界線位置P1、つまりはインモールドフィルムのディスプレイ表示部18を調整することができる。従来は射出成形工程後まで、設計したフィルムの印刷版でディスプレイ表示寸法公差内にはいっているか判定できず、さらに公差外の場合は印刷版の設計をやり直すことが必要になるため、印刷版費用とインモールドフィルム製造費用さらに射出成形工程にかかる費用とこれらを行うための時間が必要であったのに対し、印刷版を起さずにインモールドフィルムのディスプレイ表示部18を調整することができるので、上記の費用と時間が短縮することが可能になる。
さらに、量産の段階でもフィルム製造段階の基材シートの熱収縮や、樹脂流動のばらつきを金型1の固定側に設けられた第1〜第3凸部5a,5b,5cの高さや幅によって調整することができるため、安定した量産ができる。
(実施の形態2)
図4と図5(a)〜(d)は本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態1では第1型1aの分割面に第1〜第3凸部5a,5b,5cを着脱自在に設けたが、この実施の形態2では、第1型1aには、金型1におけるディスプレイ表示部4の側面部の第1凹部6aとディスプレイ表示部4の角部の第2凹部6bとディスプレイ表示部4の天面部の第3凹部6cが設けられている。この第1〜第3凹部6a,6b,6cはフィルムクランプ機構3の内側に配置している。
第2型1bには、第1〜第3凹部6a,6b,6cに対応する位置に第1〜第3凸部5a,5b,5cが設けられている。
さらに、第1〜第3凸部5a,5b,5cは第2型1bとは一体化しておらず、別部品として脱着が可能となっており、第1〜第3凸部5a,5b,5cを交換によって変更することやスペーサーなどで高さ調整が可能な機構、もしくは空圧や油圧によってその高さが調整可能となっている。
なお、第2型1bに設けられる第1〜第3凸部5a,5b,5cと、第1型1aに設けられる第1〜第3凹部6a,6b,6cは上記の5つずつに制約されず、それ以上の数を有してもよい。
図5(a)では、フィルムクランプ機構3によってインモールドフィルム2が第2型1bに拘束されている。このとき、第2型1bに設けられた第1〜第3凸部5a,5b,5cによって、先に説明した比較例の図3(a)の場合よりも、フィルムクランプ機構3の内側に拘束されるインモールドフィルム2の表面積が、第1〜第3凸部5a,5b,5cによって第2型1bの分割面から突き上げられている分だけ大きい。
図5(b)では、第1〜第3凸部5a,5b,5cが油圧、空圧、もしくは機構的な構造によって第2型1bの分割面から後退して収納されている状態を表している。ただし、第1〜第3凸部5a,5b,5cは第2型1bの分割面から完全に収納される必要はなく、完全に収納されない場合は、第1〜第3凸部5a,5b,5cの先端部分が第1型1aに設けた第1〜第3凹部6a,6b,6cに収納される。
図5(c)では、金型1を閉じることに伴い第2型1bの凹部1cを真空引きすることによって、第2型1bの凹部1cの内壁にインモールドフィルム2は張り付くように伸ばされ変形する。
図5(d)では、成形材料7が金型1に射出される。図5(a)での第1〜第3凸部5a,5b,5cによる突き上げ量が適正な場合には、射出成形後のインモールドフィルム2の境界線位置P1と金型1の境界線位置P2が一致する。境界線位置P1と金型1の境界線位置P2が一致しない場合には、境界線位置P1と境界線位置P2とが一致するまで図5(a)での第1〜第3凸部5a,5b,5cによる突き上げ量を調節することによって、インモールドフィルムの印刷版を新規に作成することが不要となる。
なお、この実施の形態2では図5(b)でフィルムクランプ機構3の内側にあるインモールドフィルム2の表面積が従来の構成よりも多いため、インモールドフィルム2が伸びずに射出成形にさらされ、射出時の樹脂流動のせん断によるインモールドフィルムの破れに対して有利である。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3を示す。
上記の各実施の形態では第1型1aと第2型1bの一方に凸部としての第1〜第3凸部5a,5b,5cを設け、他方に第1〜第3凹部6a,6b,6cを設けたが、この実施の形態3では第1型1aと第2型1bの一方と他方にそれぞれ凸部と凹部が設けられている。
図6は金型1を構成する固定側の第1型1aと可動側の第2型1bのそれぞれの分割面(パート面)を図示している。第1型1aには、金型1におけるディスプレイ表示部4の側面部の第1凹部6aとディスプレイ表示部4の角部の第2凸部5bとディスプレイ表示部4の天面部の第3凹部6cが設けられている。この第1凹部6aと第2凸部5bと第3凹部6cはフィルムクランプ機構3の内側に配置している。さらに、第2凸部5bは第1型1aとは一体化しておらず、別部品として脱着が可能となっており、第2凸部5bを交換によって変更することやスペーサーなどで高さ調整が可能な機構、もしくは空圧や油圧によってその高さが調整可能となっている。
第2型1bには、第2凸部5bに対応する位置と高さに応じた第2凹部6bが設けられている。第1凹部6aと第3凹部6cに対応する位置に応じて第1凸部5aと第3凸部5cが設けられている。
本発明は、印刷版費用とインモールドフィルムの印刷回数が低減されることにより、ディスプレイを有するインモールド成形品の開発費用の低減が見込まれ、今後ディスプレイを持つ家電、車、工業用と含めた設備の製造コストも低減に寄与する。
1 金型
1a 第1型
1b 第2型
1c 第2型1bの凹部
2 インモールドフィルム
3 フィルムクランプ機構
4 ディスプレイ表示部
5a,5b,5c 第1〜第3凸部
6a,6b,6c 第1〜第3凹部
7 成形材料
8 インモールドフィルム2の基材シート
9 インモールドフィルム2の剥離層
10 インモールドフィルム2のハードコート層
11 インモールドフィルム2の絵柄層
12 インモールドフィルム2の接着層
13 インモールドフィルム2の転写層
14 フィルム送り装置
15 フィルム巻取り装置
16 ゲート
17 インモールド成形品
18 インモールドフィルム2におけるディスプレイ表示部
19 成形用アライメントマーク
20 成形用傾き補正ライン
21 表面機能層
P1 インモールドフィルム2におけるディスプレイ表示部の境界線位置
P2 金型1におけるディスプレイ表示部の境界線位置

Claims (3)

  1. 第1型と第2型の間にインモールドフィルムを挟み込み、
    前記第1型と前記第2型を型閉じして形成されたキャビティに成形材料を射出し、冷却後に型開きしてインモールド成形品を取り出すインモールド成形用金型装置であって、
    前記第1型と前記第2型の少なくとも一方の分割面に、前記型閉じによって前記インモールドフィルムを、他方の分割面に押し出す凸部を設け、
    前記第1型と前記第2型のうちの前記他方の分割面に、前記凸部に対応した位置に凹部を設けた、
    インモールド成形用金型装置。
  2. 前記第1型または前記第2型に対して、前記凸部が着脱自在である、
    請求項1記載のインモールド成形用金型装置。
  3. 前記第1型または前記第2型に対して、前記凸部が出退して分割面からの突出高さを可変可能に構成した、
    請求項1記載のインモールド成形用金型装置。
JP2017081003A 2017-04-17 2017-04-17 インモールド成形用金型 Pending JP2018176585A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017081003A JP2018176585A (ja) 2017-04-17 2017-04-17 インモールド成形用金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017081003A JP2018176585A (ja) 2017-04-17 2017-04-17 インモールド成形用金型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018176585A true JP2018176585A (ja) 2018-11-15

Family

ID=64280741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017081003A Pending JP2018176585A (ja) 2017-04-17 2017-04-17 インモールド成形用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018176585A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI590957B (zh) 多層體
US20090085235A1 (en) Method and apparatus for making a microstructured or nanostructured article
JP4809836B2 (ja) 射出圧縮成形用金型
CN110126180B (zh) 模内加饰成型品的制造方法
CN102529472A (zh) 转印膜以及具有纹路的外观件的制作方法
US20110117326A1 (en) Three-dimensional print film structure
KR20030059200A (ko) 엠보스 시트의 제조 방법 및 엠보스 시트
JP2004299382A (ja) プラスチック積層体及びその製造方法並びに背面投影型画像表示装置
JP2018176585A (ja) インモールド成形用金型
JP2013132833A (ja) インモールド成形方法,インモールド転写フィルムおよびインモールド成形品
JP5662673B2 (ja) 複合品の製造方法
JP6528198B2 (ja) 射出成形方法
TWI490128B (zh) 轉印加飾品之製造方法、轉印加飾裝置及轉印加飾品
JP2022123957A (ja) 射出成形品の製造方法
JP5313302B2 (ja) 転写加飾品の製造方法、転写加飾装置及び転写加飾品
JP5578774B2 (ja) ヘアライン意匠を有する転写シートと転写成形品の製造方法
JP3150767B2 (ja) 加飾成形品の製造方法
JP5705807B2 (ja) 加飾成形品の製造方法
JPH06335939A (ja) 光拡散層を有する面光源パネルの製造方法
JP2013248766A (ja) インモールド成形用フィルムおよびインモールド成形方法
TWI445615B (zh) 壓印成型透鏡陣列之方法
JP2005111767A (ja) プラスチックフィルム積層体の製造方法及びプラスチックフィルム積層体
US20050140055A1 (en) Method for making a part by injection molding and decorating visually-exposed face and side surfaces of the part in their entireties during the injection molding of the part
JP5779446B2 (ja) 転写加飾用金型及び転写加飾装置
JP2014213486A (ja) インモールド成形用金型とインモールド成形方法