JP2018176510A - タイヤの製造方法及びタイヤの製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤを製造する際、コードをゴムで被覆したシート材の成形スプライスに起因した最終製品のタイヤにおける欠陥を低減するように成形時のシート材の長さを適切に調整する。【解決手段】タイヤの製造方法は、コードがゴムで被覆されたシート材を所定の長さに切断してドラム上で巻き回して前記シート材のタイヤ周方向の両端のそれぞれを含む領域が互いに重なり合う成形スプライスができるように未加硫タイヤを成形する。前記未加硫タイヤからつくられる加硫タイヤを測定対象タイヤとして、前記測定対象タイヤにおける成形スプライスにおけるスプライス量を測定する。前記スプライス量の測定結果に基づいて、前記未加硫タイヤを成形する時に必要とする前記シート材の長さの補正量を求め、前記補正量を用いて前記シート長さを調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに用いるシート材の長さを調整するタイヤの製造方法及びタイヤの製造システムに関する。
タイヤは、インナーライナ材、カーカスプライ材、ベルト材、ベルトカバー材等が環状に積層した構造体である。この構造体は、未加硫タイヤ(生タイヤ)を作製する工程で作製され、具体的には、両端を有するシート材を円筒状のドラム上で巻きつけ、シート材の両端同士を繋ぎ合わせることにより作製される。
このようにして作製されるシート材の環状体には、シート材の両端同士を重ねて繋ぎ合わせた重なり部分(以降、成形スプライスともいう)が含まれる。成形スプライスの周辺では、ゴム量や、コードの打ち込み本数に過不足が生じやすく、このことに起因して、成形スプライスの周辺には、最終製品であるタイヤにおいて表面凹凸を成した欠陥が生じやすい。このため、成形スプライスが適切であることが好ましい。
例えば、成形ドラムに巻き付けたシート材のスプライスラップ量をスプライスセンサにより測定し、この測定値をフィードバックして次のシート材の切断長さを決定し、シート材が搭載されたコンベアベルトを適量移動させて、ベルトコンベア上に設置された切断機でシート材を切断する技術が知られている(特許文献1)。このとき、実測したスプライスラップ量は平均化されて、その平均値が補正規格内か否かの判定を行い、補正規格内であれば、補正せずに直前のシート材と同じ長さでシート材が切断され、補正規格外であれば、平均化されたスプライス量によりシート材の長さを補正して次のシート材の切断長さを決定する。
特開2011−213024号公報
しかし、上記技術において、シート長さを補正しても、必ずしも最終製品であるタイヤにおいて表面凹凸を成した欠陥が減少するわけでない。例えば、未加硫タイヤを加硫するとき、熱を与えて所定の形状にするため、熱と圧力を受けてシート材は変形するので、成形時のシート長さを目標寸法に揃えたとしても、温度や湿度等の環境条件あるいはゴムの種類等によって、欠陥が発生しにくい理想のシート長さの寸法は変動する。
そこで、本発明は、コードをゴムで被覆したシート材の成形スプライスに起因した最終製品のタイヤにおける欠陥を低減するように、成形時のシート材の長さを適切に調整することができるタイヤの製造方法及びタイヤの製造システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、タイヤの製造方法である。当該製造方法は、
コードがゴムで被覆されたシート材を所定の長さに切断してドラム上で巻き回して前記シート材のタイヤ周方向の両端のそれぞれを含む領域が互いに重なり合う重なり部分ができるように未加硫タイヤを成形するステップと、
前記未加硫タイヤからつくられる加硫タイヤを測定対象タイヤとして、前記測定対象タイヤにおける前記重なり部分における、タイヤ周方向の両端に位置する前記シート材の端部コード間のタイヤ周方向に沿った離間距離を測定するステップと、
前記離間距離の測定結果に基づいて、前記未加硫タイヤを成形する時に必要とする前記シート材の長さの補正量を求め、前記補正量を用いて前記シート長さを調整するステップと、を備える。
前記タイヤを成形するステップでは、複数の未加硫タイヤを成形し、
前記離間距離を測定するステップでは、前記複数の未加硫タイヤからつくられる複数の加硫タイヤの前記離間距離のデータを取得し、
前記シート材の長さを補正するステップでは、前記複数の加硫タイヤにおける前記離間距離のデータを標本データとして前記離間距離の統計量を求め、前記統計量を用いて前記補正量を求める、ことが好ましい。
前記統計量は、前記標本データの平均値であり、
前記補正量は、前記平均値に所定の定数を乗算した量である、ことが好ましい。
前記成形するステップでは、前記重なり部分のタイヤ周上における位置を特定する位置情報を取得し、
前記離間距離を測定するステップでは、前記位置情報に基づいて前記重なり部分を特定することにより、前記重なり部分における前記離間距離を測定する、ことが好ましい。
前記シート材は、カーカスプライ材あるいはベルト材である、ことが好ましい。
本発明の他の一実施形態は、タイヤの製造システムである。当該製造システムは、
コードがゴムで被覆されたシート材を所定の長さに切断してドラム上で巻き回して前記シート材のタイヤ周方向の両端のそれぞれを含む領域が互いに重なり合う重なり部分ができるように未加硫タイヤを成形する成形装置と、
前記未加硫タイヤからつくられる加硫タイヤを測定対象タイヤとして、前記測定対象タイヤ中の前記コードを含む内部構造を測定する測定ユニットと、
前記測定ユニットによる測定から、前記重なり部分における、タイヤ周方向の両端に位置する前記シート材の端部コード間のタイヤ周方向に沿った離間距離を求め、さらに、前記シート材の長さを調整するために、求めた前記離間距離に基づいて、前記未加硫タイヤを成形する時に必要とする前記シート材の長さの補正量を求める処理装置と、を備える。
前記成形装置は、複数の未加硫タイヤを成形し、
前記処理装置は、前記複数の未加硫タイヤからつくられる複数の加硫タイヤの前記離間距離のデータを求め、求めた複数の前記離間距離のデータを標本データとして前記離間距離の統計量を求め、前記統計量を用いて前記補正量を求める、ことが好ましい。
上述のタイヤの製造方法及びタイヤの製造システムによれば、成形時のシート材の長さを適切に調整することにより、コードをゴムで被覆したシート材の成形スプライスに起因したタイヤにおける欠陥を低減することができる。
本実施形態のタイヤの製造方法の概容を説明する図である。 本実施形態で用いる成形装置の例を説明する模式図である。 本実施形態で用いる加硫タイヤを検査する検査装置の例を示す図である。 本実施形態で用いるタイヤ検査装置の構成を示す図である。 本実施形態で用いるタイヤ検査装置の画像取得部で作成される検査画像の例を示す図である。 (a),(b)は、本実施形態で用いるタイヤ検査装置で抽出した第1ベルトのコードの画像及び第2ベルトのコードの画像の例を示す図である。 (a)〜(c)は、本実施形態で用いるベルトのスプライス量を算出する方法を説明する図である。 (a),(b)は、本実施形態で用いるカーカスプライのスプライス量を算出する方法を説明する図である。 本実施形態のタイヤ検査装置の補正量算出部が作成する各タイヤの検査結果リストの一例を示す図である。
以下、本実施形態のタイヤの製造方法及びタイヤの製造システムについて詳細に説明する。
(本実施形態の概容説明)
以下に説明する本実施形態のタイヤの製造方法及びタイヤの製造システムでは、成形時のコードがゴムで被覆されたシート材の長さが、加硫後のタイヤのシート材のスプライス量に基づいてフィードバックで調整される。図1は、本実施形態のタイヤの製造方法の概容を説明する図である。
タイヤの成形装置では、ベルト材やカーカスプライ材等のコードをゴムで被覆したシート材の他、ビードコア、トレッドゴム、サイドゴム、ビードフィラーゴム、インナーライナゴム等のゴム材を含むタイヤ構成部材を成形ドラム(以降、単にドラムという)上で環状に巻きつけて未加硫タイヤ(生タイヤ)を成形する。このとき、成形した生タイヤには、ラベルコード表示体が生タイヤのサイド部に貼付される。貼付されるラベルコード表示体のドラム周上の貼付位置は予め定められている。ドラムには、ドラム周上の基準となる基準位置が設定されており、ラベルコード表示体のドラム周上の貼付位置は、ドラム上の基準位置からのずれ角度1で定められる。さらに、成形ドラム上でシート材を巻きつけた時のシート材の端部を含む領域の重なり部分、すなわち成形スプライスの位置は、ドラム上の基準位置からのずれ角度2で定められる。ずれ角度2は成形スプライスの測定により取得される。ずれ角度1,2の情報が、ラベルコードの位置及び成形スプライスの位置の情報として、情報Infに含まれて、サーバ50(図2参照)に記憶される。
加硫装置は、ラベルコード表示体を貼付した生タイヤを加硫する。これにより、ラベルコード表示体を有する加硫タイヤが作製され、この後、検査装置は、加硫タイヤを検査する。
検査装置は、タイヤをタイヤ周方向に回転させながら、タイヤ内部のシート材のコードが可視化できるような測定、例えば、X線やガンマ線等の電磁波による放射線を用いた測定によりタイヤ一周分のコードを可視化した検査画像を取得する。さらに、検査装置は、タイヤを回転させて測定を行っている最中にタイヤに貼付されているラベルコード表示体を検出することができる読取センサを用いてラベルコード表示体を検出する。さらに、検査装置は、ラベルコード表示体のタイヤ周上の位置に対応する検査画像上の位置を特定し、さらに、上記サーバに記憶された情報Infを用いて、検査画像上の検出したラベル表示体の位置から成形スプライスの位置を特定する。検査装置は、特定された成形スプライスの位置を含む範囲の検査画像について、コード間の離間距離を算出しスプライス量を算出する。スプライス量とは、シート材の成形スプライスにおける、タイヤ周方向の両端に位置するシート材の端部コード間のタイヤ周方向に沿った離間距離である。
測定装置は、算出したスプライス量に基づいて、未加硫タイヤを成形する時に必要とするシート材の長さの補正量を求め、補正量を用いて成形時の必要とするシート長さを調整する。すなわち、本実施形態は、スプライス量に基づいて、シート材の長さのフィードバック制御を行う。
このように、加硫後のタイヤのスプライス量に基づいてシート長さを調整するので、スプライス量の過不足に起因して発生するタイヤの表面凹凸の欠陥を低減することができる。加硫の工程では、生タイヤを拡張しつつ、熱によりゴムを流動させて、生タイヤを所定のタイヤ形状にするので、未加硫タイヤではスプライス量の過不足を判定することは難しく、タイヤの表面凹凸の欠陥を低減することが難しい。
(実施形態の具体的な説明)
図2は、本実施形態で用いる成形装置10の例を説明する模式図である。成形装置10は、成形ドラム(以下、単にドラムという)12、切断装置16、及び、成形コントローラ18、を備える。成形コントローラ18はサーバ50に接続されている。
生タイヤは、タイヤ構成部材を環状にドラム12上で巻きつけて積層構造とすることにより作製される。タイヤ構成部材には、ベルト材やカーカスプライ材等のコードをゴムで被覆したシート材の他、ビードコア、トレッドゴム、サイドゴム、ビードフィラーゴム、インナーライナゴム等のゴム材が含まれる。本実施形態で対象とするシート材14(図2参照)は、ベルト材やカーカスプライ材等のコードをゴムで被覆したシート材である。シート材14は、図2に示されるように、ドラム12上で環状に巻きつけられる前に、切断装置16を用いて成形コントラーラ18からの指示により補正されたシート長さで切断される。
成形装置10は、ドラム12上で巻き回して作製されるタイヤ構成部材の環状体上に、他のタイヤ構成部材を順次積層してより大きな環状体を作製することにより生タイヤを成形する。シート材14についても、成形装置10は、ドラム12の周上に一周巻き回してシート材12のタイヤ周方向の両端のそれぞれを含む領域が互いに重なり合う成形スプライス(重なり部分)ができるように繋ぎ合わせることにより、環状体を作製する。
シート材12を巻き回す前に、ドラム12は、図2に示されるように、予め設定されたドラム12の周上の基準位置P0(θ=0)から反時計回りに角度θ度ずれた位置P1になるように、回転され位置調整される。シート材14の先端部は、ドラム12の位置P1に押圧されて固定され、この状態でドラム12が回転することにより、ドラム12の周上でシート材14は巻き回される。このようにして、環状体には、シート材14の重なり部分(成形スプライス)が形成される。なお、成形スプライスの周上の位置は、図示されないレーザ変位計等を用いて、環状体の周上の表面凹凸を測定することにより検出され、検出された周上位置は、基準位置P0からの反時計回りの方向に沿ったずれ角度2で表され、情報Infの一部として、サーバ50に記憶される。ずれ角度2は、ベルト材やカーカスプライ材等のシート材毎に取得され、サーバ50に記憶される。
なお、生タイヤを成形後、ラベルコード表示体がドラム12上で生タイヤのサイド部に貼付される。ラベルコード表示体のドラム12上の貼付位置は、予め定められている。この貼付位置は、基準位置P0からのずれ角度1で表され、情報Infの一部としてサーバ50に記憶される。サーバ50に記憶される情報Infは、ずれ角度1,2の他に、ラベルコード表示体に表された生タイヤの識別情報を少なくとも含む。したがって、検査工程では、ラベルコード表示体に表された識別情報を参照して、サーバ50から対応したずれ角度1,2の情報を取り出すことができる。なお、ラベルコード表示体のドラム12上の貼付位置は、ラベルコード表示体における特定の位置をいい、例えばラベルコード表示体のドラム周方向における中心位置あるいはラベルコード表示体に表されるコード内の特定の位置のようにピンポイントで定まる位置をいう。
図3は、生タイヤを加硫することで得られた加硫タイヤを検査する検査装置20の例を示す図である。図4は、タイヤ検査装置20の構成を示す図である。タイヤ検査装置20は、サーバ50に接続されている。
タイヤ検査装置20は、測定ユニット40、画像取得装置41、マーカ検出センサ42、回転装置43、回転制御部44、処理装置30、及び、ディスプレイ45、を備えている。
処理装置30は、加硫タイヤである測定対象タイヤ(以降、単にタイヤという)Tの検査画像において、タイヤTのシート材14における成形スプライスの位置を特定して、スプライス量を測定し、さらに、シート材14の長さの補正量を算出する装置である。
測定ユニット40は、測定対象タイヤであるタイヤTの、シート材14のコードを含む内部構造を測定する部分であり、加増取得部41を介して処理装置30に接続されている。測定ユニット40は、図3に示される例では、X線、γ線等の電磁波を照射し、タイヤTを透過した透過電磁波像を撮像することで、タイヤTのシート材14のコードを可視化するユニットである。測定ユニット40は、例えば、タイヤTの内面側に配置されたX線照射装置と、タイヤTを挟んでX線照射装置と対向してタイヤTの外面側に配置されたカメラと、を備えるX線ラインセンサである。X線ラインセンサは、具体的に、タイヤTのトレッド部と対向してタイヤ幅方向に沿って配置されたカメラと、サイドウォールの対のそれぞれと対向してタイヤ径方向に沿って配置されるカメラと、を有する。
測定ユニット40は、例えば、回転装置43によってタイヤTが回転すると同時に測定を開始する。なお、本明細書でいうタイヤ幅方向は、タイヤ回転軸線に沿った方向である。タイヤ径方向は、タイヤ回転軸線に対して直交する放射方向をいう。タイヤ周方向は、タイヤ回転軸線を中心としてタイヤTを回転させたときのタイヤTのトレッド部の回転する方向をいう。
画像取得部41は、測定ユニット40から取得した画像データを用いて、測定対象タイヤTの内部構造をタイヤ周方向に展開して表す像を検査画像として作成するための処理および演算を行う部分であり、測定ユニット40および処理装置30のそれぞれと接続されている。画像取得部41は、具体的に、測定ユニット40から送られてくる画像データを取得し、取得した画像データを順次、一方向に配置し、この一方向をタイヤ周方向とすることで、タイヤTの内部構造がタイヤ周方向に展開された像を作成する。画像取得部41は、この画像に、例えば、減色等の処理をすることで検査画像を作成する。なお、図5は、画像取得部41で作成される検査画像の例を示す図である。検査画像は、処理装置30に出力され、処理装置30内の後述する記憶部32に記憶される。
処理装置30は、図4に示されるように、CPU31および記憶部32を有するコンピュータで構成されている。CPU31が記憶部32に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、制御部33、マーカ位置特定部34、情報取得部35、スプライス位置特定部36、検査範囲表示部37、検査部38が形成される。すなわち、制御部33、マーカ位置特定部34、情報取得部35、スプライス位置特定部36、検査範囲表示部37、及び、検査部38は、プログラムの起動により各機能を実行するソフトウェアモジュールである。これらの動作は、実質的にCPU31が演算する。
マーカ位置特定部34は、タイヤTの表面の所定のタイヤ周上の位置に設けられたラベルコード表示体の位置を、検査画像上で特定する部分である。
情報取得部35は、タイヤTの成形時に既知である情報として、ずれ角度1,2の情報を、サーバ50から取得する部分である。
スプライス位置特定部36は、検査画像上で特定されたラベルコード表示体の位置を基準として、ずれ角度1,2を用いて、検査画像上での成形スプライスの位置を特定する部分である。
検査範囲表示部37は、検査画像上で特定された成形スプライスの位置を含む、タイヤ周方向の一部の領域を検査範囲として検査画像上に示すように制御する部分である。
検査部38は、位置特定装置20によって成形スプライスの位置が特定された検査画像を用いて、成形スプライスにおけるスプライス量を算出し、さらに成形スプライスに起因するタイヤの欠陥を検査する部分である。検査部38は、画像処理部38A、スプライス量算出部38B、及び補正量算出部38C、を備える。
画像処理部38Aは、図5に示すような検査画像から、カーカスプライのコードの画像、各ベルトのコードの画像を抽出するように画像処理を行う部分である。画像処理により、カーカスプライのコードの画像、および、各ベルトのコードの画像を取得することができる。
スプライス量算出部38Bは、取得したカーカスプライのコードの画像、および、各ベルトのコードの画像のそれぞれから、成形スプライス位置におけるスプライス量を算出する部分である。
補正量算出部38Cは、未加硫タイヤを成形する時に加硫タイヤにおいて欠陥が発生しないために必要とするシート材14の長さを調整するために、算出したスプライス量に基づいて、シート材14の長さの補正量を求める部分である。
画像処理部38A、スプライス量算出部38B、及び補正量算出部38Cの処理内容については後述する。
制御部33は、マーカ位置特定部34、情報取得部35、スプライス位置特定部36、検査範囲表示部37、検査部38、測定ユニット40、画像取得部41、および、マーカ検出センサ42、回転制御部44、ディスプレイ45の動作およびそのタイミングを制御する。
マーカ検出センサ42は、タイヤTの表面に設けられたラベルコード表示体6を検出するセンサである。ラベルコード表示体6は、タイヤTのサイド部の所定の周上位置に設けられている。ラベルコード表示体6は、タイヤTの表面と区別できる外観を有する表示体であり、例えば、タイヤTの表面と異なる色または模様、あるいは、特定の形状を有するものが用いられる。そのような表示体には、タイヤTの識別情報を含んだコードが、例えば、QRコード(登録商標)やバーコードの形態で表される。識別情報は、タイヤごとに割り当てられた情報であり、例えば、10桁の数字及び文字で構成され、タイヤTの種類と製造日時等の情報を含んでいる。マーカ検出センサ42は、読み取った識別情報を、回転制御部44を介して処理装置30に出力する。
回転装置43は、測タイヤTを、測定対象タイヤTの回転軸線の周りに回転させる装置である。回転装置43は、例えば、測定対象タイヤTの内側にタイヤ周方向に沿って複数の位置に配置された複数のローラを駆動させて、測定対象タイヤTを一定速度で回転させる装置である。この装置のローラは、それぞれ、タイヤ幅方向に沿って延びる回転軸線を有し、タイヤTの内側からビード部に当接することができる。回転装置43を用いることで、タイヤTは、測定ユニット40およびマーカ検出センサ42に対して相対的に回転することができる。これにより、測定ユニット40は、タイヤTを、タイヤ周方向の全体にわたって測定することができ、マーカ検出センサ42は、タイヤTが少なくとも一周回転する間に、ラベルコード表示体6を検出することができる。なお、測定ユニット40およびマーカ検出センサ42は、図3に示されるように、測定対象タイヤTの回転方向に互いに離間した周上位置にそれぞれ配置されることが好ましい。
回転制御部44は、回転装置43の動作およびその動作のタイミングを制御する制御装置であり、回転装置43、マーカ検出センサ42、処理装置30のそれぞれと接続されている。回転制御部44は、具体的に、測定ユニット40による測定を行うために、タイヤTを回転させ、タイヤTが一周以上回転したときにタイヤTの回転を停止させるよう、回転装置43を制御する。回転制御部44は、タイヤTが回転して測定が行われる間、タイヤTの回転角度を認識する。これにより、回転制御部44は、マーカ検出センサ42によってラベルコード表示体6が検出されると、検出されたタイミングで、測定ユニット40による測定が開始されてからのタイヤTの回転角度の情報を、ラベルコード表示体6の検出位置として記憶する。回転制御部44は、測定開始位置およびラベルコード表示体6の検出位置の情報(回転角度の情報)を処理装置30に出力する。
ディスプレイ45は、検査画像、検査部38で行う画像処理中の画像あるいは画像処理後の画像、あるいは、検査部38で求めた処理結果を表示する装置であり、処理装置30と接続されている。
(タイヤの製造方法)
成形装置10及び検査装置20を含むタイヤの製造システムを用いたタイヤの製造方法は以下のように行われる。
成形装置10は、図3に示すように、シート材14を所定の長さ、例えば、基準とする長さに切断してドラム12上で巻き回してシート材14のタイヤ周方向の両端のそれぞれを含む領域が互いに重なり合う成形スプライス(重なり部分)ができるように未加硫タイヤを成形する。このとき、成形された生タイヤのサイド部にラベルコード表示体6が貼り付けられる。ラベルコード表示体6の貼付位置は、予め定められた位置であり、この貼付位置の情報が、基準位置P0からのずれ角度1として、さらに、成形スプライスの位置の情報が、基準位置P0からのずれ角度2としてサーバ50に送られてサーバ50に記憶される。
成形装置20で作製された生タイヤは図示されない加硫装置で加硫される。
加硫によってつくられた加硫タイヤに対して、検査装置20は以下の検査を行う。
検査装置20は、加硫タイヤを測定対象タイヤとして、測定対象タイヤにおける成形スプライスにおけるスプライス量、すなわち、シート材14中のタイヤ周方向の両端に位置するシート材14の端部コード間のタイヤ周方向に沿った離間距離を測定する。
具体的には、測定対象タイヤであるタイヤTを回転装置43に装着し、例えば、図3に示す矢印の方向(時計回りの方向)に一定速度でタイヤTを回転させる。タイヤTが回転を開始すると同時に、画像取得部41は、測定ユニット40から画像データの取得を開始する。画像取得部41は、測定ユニット40から送られてくる画像データから検査画像を作成し、処理ユニット30に出力する。タイヤTが回転する間に、マーカ検出センサ42によってラベルコード表示体6が検出されると、回転制御部44は、測定開始位置からのタイヤTの回転角度を、ラベルコード表示体6の検出位置として記憶する。測定開始位置および検出位置の情報は、処理装置30に出力される。マーカ検出センサ42で検出したラベルコード表示体6に含まれるタイヤTの識別情報も処理装置30に出力される。回転制御部44が出力する測定開始位置および検出位置の情報は、別のタイヤTが測定されるたびに出力され、タイヤTそれぞれの識別情報に対応付けられて記憶部32に記憶される。測定開始位置は、例えば角度0度として設定されている。タイヤTが一周以上回転すると、回転制御部44は、回転装置43によるタイヤTの回転を停止させ、測定は終了する。
処理装置30では、マーカ位置特定部34は、測定開始位置および検出位置の情報に基づいて、検査画像上でラベルコード表示体6の位置を特定する。具体的に、マーカ位置特定部34は、測定開始位置に相当する検査画像上の位置から、測定開始位置からラベルコード表示体6の検出位置だけタイヤ周方向の反時計回りに離れた位置を、ラベルコード表示体6の貼付位置とする。
情報取得部35は、マーカ検出センサ42から出力された識別情報と対応するタイヤTのずれ角度1,2の情報を、サーバ50から呼び出して取得する。サーバ50には、ずれ角度1,2の情報が、タイヤTの識別情報と対応付けて記憶されているので、サーバ50から容易にタイヤTのずれ角度1,2の情報を呼び出すことができる。
スプライス位置特定部36は、サーバ50から取得したずれ角度1,2の情報を用いて、検査画像上で、成形スプライスのタイヤ周上の位置を特定する。具体的には、ずれ角度2からずれ角度1を減算し角度の差分だけ、既に検査画像上で特定されているラベルコード表示体6の位置から、タイヤ周方向の反時計回りに離れた位置を成形スプライスの位置として特定する。このように、成形スプライス位置を特定するのは、タイヤ1周分の検査画像のみから、成形スプライスの位置を特定することは困難であるからである。特に、スプライス量が適正な量である場合、他の部分のコード間の離間距離と区別がつかない場合が多いので、成形スプライスの位置を特定できない。
検査範囲表示部37は、検査画像上で特定された成形スプライスの位置を含むタイヤ周方向の一部の領域を、図5に示すような形態で、ディスプレイ45に表示させる。図5では、検査画像とともに、検査画像上のカーカスプライの成形スプライス位置が“カーカス成形スプライス位置”として、第1ベルト材の成形スプライス位置が“#1ベルト成形スプライス位置”として、ラベルコード表示体6の貼付位置が“ラベルコード貼付位置”として矢印あるいは直線を用いてピンポイントで特定されて表示されている。
検査部38は、このような検査画像と、成形スプライス位置の情報を用いて、成形スプライス位置におけるスプライス量と、欠陥の有無を検査する。
検査部38は、まず、図5に示す検査画像に画像処理を施すことにより、第1ベルトのコードの画像、第2ベルトのコードの画像、及びカーカスプライのコードの画像を抽出する。
画像処理部38Aは、第1ベルトのコードの画像及び第2ベルトのコードの画像を抽出するために、第1ベルトのコード及び第2ベルトのコードが延在する方向のタイヤ周方向に対する角度、すなわちコード角度に合わせた周波数領域のフィルタを用いたフィルタ処理を行う。具体的には、検査画像を実領域から周波数領域に変換して、2次元周波数検査画像を求める。この2次元周波数検査画像に、第1ベルトのコード、あるいは第2ベルトのコードのコード角度に合わせて作成した周波数領域のフィルタを2次元周波数検査画像に適用するフィルタ処理を行なった後、フィルタ処理結果の画像を周波数領域から実領域に逆変換する。これにより、第1ベルトのコードの画像及び第2ベルトのコードの画像を抽出することができる。図6(a),(b)は、抽出した第1ベルトのコードの画像及び第2ベルトのコードの画像の例を示す図である。
画像処理部38Aは、抽出した第1ベルトのコードの画像及び第2ベルトのコードの画像の輪郭領域を囲った枠を作成し、この枠に含まれる画像を図5に示す対応する検査画像の領域から差し引くことにより、サイド部におけるカーカスプライのコードの画像を抽出する。
スプライス量算出部28Bは、抽出した第1ベルトのコードの画像、第2ベルトのコードの画像、及びカーカスプライのコードの画像を用いて、スプライス量を算出する部分である。
図7(a)〜(c)は、第1ベルトあるいは第2ベルトのコードのコード間の離間距離を求める方法を説明する図である。図7(a)は、第1ベルトあるいは第2ベルトのコードの状態を示す図であり、コードiがタイヤ周方向(Y方向)に対して一定角度δで傾斜して、コードiが略平行に延びている。この画像において、周方向(Y方向)に平行な線(縦線)H1を設定し、線分H1上のコード情報を除去すると、図7(b)に示すように、コードの画像がなくなり、縦線H1−2だけが得られる。この縦線H1−2の一部を拡大した図が図7(c)である。H1は完全な線分(連続した線分)であるが、縦線H1−2ではコードiと重なった部分は除去されているので、図7(c)に示すように、縦線H1−2は離散した線分(破線)となる。縦線H1−2の隙間(線分のない部分)はコードiがあった所であるから、線分のない部分がコードのタイヤ周方向長さ(コード直径/sinδ)であり、線分が残っている部分はコード間の隙間のタイヤ周方向に沿った長さ、すなわち周方向開き量(コード間の離間距離/sinδ)に対応する。コードiとコードi+1とのコード間の周方向開き量(画素数)をdi、コードi+1とコードi+2とのコードの周方向開き量(画素数)をdi+1とする。Y方向の1画素サイズの実際の距離をβとすると、実際のコードの周方向開き量は、β・diとなる。スプライス量算出部28Bは、各コード間の離間距離をβ・di・sinδとして算出する。
図8(a),(b)は、カーカスプライのコードのコード間の離間距離を求める方法を説明する図である。
図8(a)に示すカーカスプライのコードの画像中にコードの延在方向と直交する方向に延びる複数の線SLを設定する。各検査用線SLは互いに画像の幅方向に間隔をおいて配置されるとともに、それぞれ直線状である。また、各線SLは0階調(黒色)である。なお、複数の線SLの代わりに1本の線SLを画像に設定することも可能である。
この後、各線SLの画像からコードの画像を除去することにより、図8(b)に示すように、各コードが線SLと交差する部分が除去された破線の画像が得られる。プライス量算出部28Bは、線SLのうち線分として残っている部分の周方向(Y方向)長さがコード間の離間距離に対応する。コードiとコードi+1とのコード間の周方向開き量(画素数)をdiとする。Y方向の1画素サイズの実際の距離をβとすると、実際のコード間の離間距離は、β・diとなる。スプライス量算出部28Bは、各コード間の離間距離をβ・diとして算出する。
シート材14のコード間の離間距離を算出する方法は、一例として、特許第4858711号公報、特許第5088005号公報、特許第6007552号公報に記載されている。
スプライス量算出部28Bは、以上算出したコード間の離間距離のうち、成形スプライス位置に該当する位置におけるコード間の離間距離を、スプライス量として算出する。
なお、第1ベルトのコードの画像、第2ベルトのコードの画像、あるいはカーカスプライのコードの画像において、スプライス位置は予め特定されているが、どのコードがシート材14のタイヤ周方向の両端に位置するシート材14の端部コードであるか、ピンポイントで特定できない場合もある。このため、スプライス位置に該当する範囲に含まれるのコード間の離間距離を求め、この離間距離のうち、予め設定された範囲から外れる離間距離をつくる2つのコードを端部コードとし、このコード間の離間距離をスプライス量として算出してもよい。また、コード間の離間距離が、いずれも予め設定された範囲に含まれる場合、すなわち、成形スプライスにおけるスプライス量が成形スプライス位置以外の部分のコード間の離間距離と同程度である場合、スプライス量を正確に選出することはできない。この場合、特定するスプライス位置に該当する複数のコード間の離間距離の平均値をスプライス量として算出する。こうして、スプライス量算出部28Bは、第1ベルト、第2ベルト、及びカーカスプライのスプライス量を算出する。
補正量算出部38Cは、スプライス量算出部38Bで算出したスプライス量を用いて、加硫タイヤにおいて成形スプライスに起因して欠陥が発生しないための未加硫タイヤを成形する時に必要とするシート材14の長さの補正量ΔLを求める。このとき、補正量算出部38Cは、スプライス量が、予め設定された許容範囲に含まれるか否かを判定するとともに、判定とは別に、長さ、例えば、mmの単位で表したスプライス量を、コード間の離間距離の平均値で割り算した比率、すなわち、規格化スプライス量を算出する。ここで、コード間の離間距離の平均値は、例えば、ディスプレイ45に表示させた画像の成形スプライス近傍の特定の範囲内のコード間の測定した離間距離の平均値である。
図9は、補正量算出部38Cが作成する各タイヤの検査結果リストの一例であって、測定対象タイヤの識別情報毎の判定結果と規格スプライス量の例を示す図である。図9では、第1ベルトの成形スプライスの合否の判定結果と、判定が不合格(“判定NG”)の場合の規格スプライス量(“オープン○本分”)の情報が示されている。補正量算出部38Cは、判定結果及び判定結果が不合格の場合の規格スプライス量の情報の他に、図9に示すように、判定結果が合格(“判定OK”)であっても、規格スプライス量の情報を算出しリストに含めて記憶保持する。
図9に示す例では、規格スプライス量は、殆ど0であるが、合格品であっても、規格スプライス量が−2(スプライス量が、コード間の離間距離の平均値の2倍開いている)であることを示している。図9に示す例では、合格のための規格スプライス量が−2〜+2を許容範囲としている。スプライス量が+とは、スプライス量が、コード間の離間距離の平均値に比べて小さいことをいい、スプライス量が−とは、スプライス量が、コード間の離間距離の平均値に比べて大きいことをいう。
補正量算出部38Cは、このような複数本のタイヤTの規格スプライス量に関して平均値を算出し、この平均値に所定の係数を乗算した値を、補正量ΔLとして算出する。図9に示す例では、16本のタイヤTの規格スプライス量の平均値として−0.56を算出している。この平均値は、タイヤTにおける第1ベルトの長さが、タイヤT上で−0.56不足していることを表す。補正量算出部38Cは補正量ΔLをサーバ50に送る。
この補正量ΔLは、サーバ50を経由して成形コントローラ18に送られる。成形コントローラ18は、次回新たに未加硫タイヤを成形する時のシート材14の必要とする長さを、補正量ΔLに基づいて調整する。
したがって、成形コントローラ18は、サーバ50を経由して補正量算出部38Cから送られた補正量ΔLと、測定したタイヤTの成形時に設定したシート材14の長さの情報を用いて、加硫後のタイヤにおいて成形スプライスに起因した欠陥が生じない、シート材14の必要な長さを調整し、この情報を切断装置16に送る。切断装置16は、この情報に基づいて、調整した長さにしたがって、シート材14を切断する。
したがって、本実施形態のタイヤの製造方法では、補正量ΔLに基づいて、シート材14の成形スプライスに起因した加硫タイヤ(最終製品のタイヤ)における欠陥を低減するように成形時のシート材14の長さを適切に調整することができる。
本実施形態によれば、補正量ΔLは、規格スプライス量の平均値に所定の係数を乗算した値であるが、一実施形態によれば、所定の係数の他に、成形に用いる時のシート材14のコード間の基準距離、例えば、設計寸法距離を規格スプライス量に乗算する係数として用いることが好ましい。すなわち、規格スプライス量に、上記所定の係数及び、シート材14のコード間の基準距離を係数として乗算した結果を補正量ΔLとすることが好ましい。加硫時、生タイヤは加硫金型内で拡張されるので、コード間の離間距離は変化する。このため、加硫後のタイヤにおけるスプライス量の長さの平均値自体を、成形時のシート材14の必要とする長さの補正量とすることは、加硫時に変化するコード間の離間距離の変化を考慮入れていない点から、好ましくない。
本実施形態では、補正量ΔLを算出のために、規格スプライス量の平均値を用いるが、一実施形態によれば、複数の加硫タイヤにおける規格スプライス量のデータを標本データとして離間距離の統計量を求め、この統計量を用いて成形時にシート材14の必要とする長さの補正量ΔLを算出することが好ましい。統計量は、本実施形態で用いる平均値を含む他、標本データの平均値Aveと標本データの標準偏差σを用いたAve+C・σ(Cは正又は負の係数)、メディアン値、上位x%(xは0超100未満の実数)の値、及び、下位x%の値等を少なくとも含む。
なお、図9に示す例では、規格スプライス量は小数以下を四捨五入した整数で表しているが、一実施形態によれば、規格スプライス量は実数で表すことも好ましい。
本実施形態では、成形スプライス(重なり部分)のタイヤ周上における位置を特定する位置情報、具体的にはずれ角度1,2を取得し、この位置情報に基づいて成形スプライスの端部コードを特定することにより、規格スプライス量を求める。このため、成形スプライスの位置を誤ることなく特定して、補正量ΔLを算出するために用いる規格スプライス量を正確に算出することができる。成形スプライスの位置を特定できない場合、成形スプライスにおいて適切なスプライス量であることを測定から情報として得ることはできない。
本実施形態で長さを調整するシート材14は、カーカスプライ材あるいはベルト材である。コードをゴムで被覆した、シート材14は、カーカスプライ材あるいはベルト材の他に、チェーファやベルトカバー層もあるが、タイヤの重要な骨格材であるカーカスプライ材あるいはベルト材の成形スプライスが、加硫タイヤにおける表面凹凸の欠陥の発生に大きな影響を与える。このため、カーカスプライ材あるいはベルト材のシート材14の長さを調整することは、成形スプライスに起因した欠陥の発生を抑制する点から効果は大きい。
以上、本発明のタイヤの製造方法及びタイヤの製造システムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
6 ラベルコード表示体
10 成形装置
12 成形ドラム
14 シート材
16 切断装置
18 成形コントローラ
20 検査装置
20 タイヤ検査装置
30 処理装置
31 CPU
32 記憶部
33 制御部
34 マーカ位置特定部
35 情報取得部
36 スプライス位置特定部
37 検査範囲表示部
38 検査部
38A 画像処理部
38B スプライス量算出部
38C 補正量算出部
40 測定ユニット
41 画像取得装置
42 マーカ検出センサ
43 回転装置
44 回転制御部
45 ディスプレイ
50 サーバ

Claims (7)

  1. タイヤの製造方法であって、
    コードがゴムで被覆されたシート材を所定の長さに切断してドラム上で巻き回して前記シート材のタイヤ周方向の両端のそれぞれを含む領域が互いに重なり合う重なり部分ができるように未加硫タイヤを成形するステップと、
    前記未加硫タイヤからつくられる加硫タイヤを測定対象タイヤとして、前記測定対象タイヤにおける前記重なり部分における、タイヤ周方向の両端に位置する前記シート材の端部コード間のタイヤ周方向に沿った離間距離を測定するステップと、
    前記離間距離の測定結果に基づいて、前記未加硫タイヤを成形する時に必要とする前記シート材の長さの補正量を求め、前記補正量を用いて前記シート長さを調整するステップと、を備える、ことを特徴とするタイヤの製造方法。
  2. 前記タイヤを成形するステップでは、複数の未加硫タイヤを成形し、
    前記離間距離を測定するステップでは、前記複数の未加硫タイヤからつくられる複数の加硫タイヤの前記離間距離のデータを取得し、
    前記シート材の長さを補正するステップでは、前記複数の加硫タイヤにおける前記離間距離のデータを標本データとして前記離間距離の統計量を求め、前記統計量を用いて前記補正量を求める、請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 前記統計量は、前記標本データの平均値であり、
    前記補正量は、前記平均値に所定の定数を乗算した量である、請求項2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 前記成形するステップでは、前記重なり部分のタイヤ周上における位置を特定する位置情報を取得し、
    前記離間距離を測定するステップでは、前記位置情報に基づいて前記重なり部分を特定することにより、前記重なり部分における前記離間距離を測定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤの製造方法。
  5. 前記シート材は、カーカスプライ材あるいはベルト材である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤの製造方法。
  6. タイヤの製造システムであって、
    コードがゴムで被覆されたシート材を所定の長さに切断してドラム上で巻き回して前記シート材のタイヤ周方向の両端のそれぞれを含む領域が互いに重なり合う重なり部分ができるように未加硫タイヤを成形する成形装置と、
    前記未加硫タイヤからつくられる加硫タイヤを測定対象タイヤとして、前記測定対象タイヤ中の前記コードを含む内部構造を測定する測定ユニットと、
    前記測定ユニットによる測定から、前記重なり部分における、タイヤ周方向の両端に位置する前記シート材の端部コード間のタイヤ周方向に沿った離間距離を求め、さらに、前記シート材の長さを調整するために、求めた前記離間距離に基づいて、前記未加硫タイヤを成形する時に必要とする前記シート材の長さの補正量を求める処理装置と、を備える、ことを特徴とするタイヤの製造システム。
  7. 前記成形装置は、複数の未加硫タイヤを成形し、
    前記処理装置は、前記複数の未加硫タイヤからつくられる複数の加硫タイヤの前記離間距離のデータを求め、求めた複数の前記離間距離のデータを標本データとして前記離間距離の統計量を求め、前記統計量を用いて前記補正量を求める、請求項6に記載のタイヤの製造システム。
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