JP2018176115A - ミスト発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低圧でのミスト発生が可能で且つノズル構造が簡単でメンテナンスも容易な2流体式のミスト発生装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生装置2は、空気を供給する気体供給部4と、水を供給する液体供給部6と、空気と水とが合流・混合する混合部8と、混合部8に連通するノズル部10と、ノズル部10を収容するミスト貯留容器12と、ミスト貯留容器12内のミストを容器外へ送出するミスト送出手段13とを備えている。混合部8で圧送された空気と水とが合流・混合され、混合流体は単孔構造の各ノズルのノズル孔に流入して気泡を含む液滴に微細化される。各ノズルから噴射された液滴は、急激な圧力低下で内部の気泡が膨張することにより分割され、更に微細化される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミスト発生装置に関する。
水に圧力を加えて口径の小さいノズルから吐出すると、ノズルから出た液柱はレイリー不安定等の理論に基づき液滴化する。圧力を強くすればする程液滴径は小さくなりミスト化する。ミストとは、直径が数μm〜数百μm(平均粒径)の水滴で、いわゆるドライミストやスプラッシュミストの概念を含む(以下同じ)。ミストの平均粒径は、例えば、He−Neレーザーを用いたフランホーヘル解析法で粒径分布を求め、ザウター平均値(総体積/総表面積)として求められる。
構成が簡単な単孔ノズルを使った場合、ミスト状態を得るには例えば5MPa以上の高い圧力が必要である。このような高圧方式では、プランジャ式等の高圧ポンプ、耐圧ホース等が必要となり、設備の大型化、エネルギー消費量の増加(ランニングコストの増加)を避けられない。
相の異なる流体、例えば水と空気とをノズル内部又はノズルの出口近傍で合流・衝突させてミストを生成するミスト発生装置も知られている。例えば、二重管構造のノズルの中心孔に水を圧送供給し、外周から空気を圧送供給してノズル先端部で合流させ、霧化する構成である。2流体式では気体の衝突エネルギーで液体の分子間結合を砕くことができるので、1流体・高圧方式に比べて低圧化を実現できる利点を有している。
特許文献1には、中心軸線に沿って液体流路を設けると共に、外周に環状の気体流路を設け、それぞれ複数回合流させて、一次微粒化、二次微粒化、三次微粒化を図る二流体ノズルが開示されている。液体、気体の供給圧力は、0.2〜0.6MPaの範囲となっている。
特開2002−159889号公報
奈良本 善紀 "気液二相流の流動様式と非線形特性"、[online]、東京大学卒業論文、平成15年2月7日提出、[平成29年3月31日検索]
ノズル内部又はノズルの出口近傍で異相流体を合流・衝突させてミストを発生させる従来の2流体式では、低圧化を実現できるものの、ノズル構成が複雑化して製造コストの上昇を来すと共に、異物混入で目詰まりした場合のメンテナンス作業が面倒となることを避けられない。
また、供給液体が水道水や井戸水などである場合には、これらに含まれるカルシウムやマグネシウムなどの無機塩類でノズルの目詰りが発生する懸念がある。噴射されたミストが噴射口付近に再付着して蒸発し、カルシウムなどの無機塩類が析出して付着堆積し、経時的に噴射口が狭くなっていくからである。この種の目詰まりの懸念を解消するには、イオン交換、蒸留、逆浸透などの処理構成が常設的に必要となると共にその運転エネルギーやメンテナンスも必要となる。結果的にランニングコストの増加を招来する。
本発明はこのような現状に鑑みて創案されたもので、低圧でのミスト発生が可能で且つノズル構造が簡単でメンテナンスも容易な2流体式のミスト発生装置の提供を目的とする。
また、本発明は、使用液体の無機塩類除去処理が無くても目詰りを惹起しにくく、ランニングコストの低下にも寄与する2流体式のミスト発生装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のミスト発生装置は、単一のノズル孔を有するノズルと、前記ノズルから噴射される環境で気相となる流体と、前記環境で液相となる流体との少なくとも2種類の流体を圧送する流体供給手段と、前記流体供給手段と前記ノズル孔との間に設けられ、前記流体供給手段によって供給された流体が合流する混合部と、を備え、前記環境で気相となる流体の供給圧力が前記環境で液相となる流体の供給圧力よりも大きく設定され、前記ノズル孔は直線状に延びる形状を有していることを特徴とする。
ノズルから噴射される環境(大気圧)で気相となる流体の流速が、同環境で液相となる流体よりも速いので、ノズル孔内で剪断力が生じて気泡を含む微細液滴が生成され、噴射後の急激な圧力低下で内部の気泡が膨張し、微細液滴が分割されて更に微細化(ミスト化)される。ノズル孔内での具体的な微細化メカニズムについては後述する。
ノズルは、少なくとも噴射口側が細管状をなす構成としてもよい。
ノズルから噴射される環境で液相となる流体の供給圧力をPL、同環境で気相となる流体の供給圧力をPGとしたとき、PL/PGが0.3〜0.6である構成としてもよい。
混合部が、ノズル孔の近傍に設けられている構成としてもよい。
ノズルが複数設けられ、混合部は各ノズルに対してそれぞれ個別に設けられている構成としてもよい。
ノズルが、噴射圧で自励振動を起こす材質及び形状を有している構成としてもよい。
ノズルから噴射されたミストを貯留する容器を有している構成としてもよい。
容器内に貯留されたミストを容器外に強制的に送出するミスト送出手段を有している構成としてもよい。
ノズルから噴射される環境で気相となる流体と同環境で液相となる流体とのうち、少なくとも一方の流体の供給量を調整可能である構成としてもよい。
本発明によれば、ノズル構造が簡単で液体のフィルタ処理や無機塩類除去処理が無くても目詰りを惹起しにくく、ランニングコストの低下にも寄与する2流体式のミスト発生装置を提供することができる。
本発明の原理を説明するための実験構成を示す概要断面図である。 ノズル内部で微細化された微細液滴が更に微細化されるメカニズムを説明するためのイメージ図である。 水と空気の圧力比の相違によるミスト発生の有無の実験結果を示す図である。 圧力比と空気流量との関係についての実験結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るミスト発生装置の構成を示す概要図である。 混合部とノズルとの連結構成を示す一部省略の斜視図である。 ノズルの自励振動を説明するための図である。 細管ノズルの無機塩類による目詰まり防止機能を説明するための図である。 ノズルの変形例を示す斜視図である。 ノズルの他の変形例を示す斜視図である。 第2の実施形態に係るミスト発生装置を示す図で、(a)はミスト噴射モードに設定された場合でのミスト噴射状態を示す図、(b)は水滴噴射モードに設定された場合の水滴噴射状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
まず、図1〜図4及び表1に基づいて、本発明を想到するに至った経緯を説明する。本発明者らの考察によると、水と空気の混合流体を加圧状態で単孔ノズルに通した場合、水と空気の密度、粘性の違い及び流体とノズル内壁との摩擦によって、ノズル内部で剪断力が生じる。この剪断力によって、混合流体が微細化されて気泡を含む微細な液滴が形成され、この液滴が噴射口から大気圧下に噴射された場合、急激な圧力低下で気泡が膨張し、それによって微細な液滴が分割されて更に微細化される。これによって、低圧の単孔ノズル構成であっても良好なミスト状態を得ることができる。
上記考察を実証すべく、単孔ノズル構成にて、水、空気それぞれの圧力、圧力比、ミスト発生の状態についての関係を調べる実験を行った。実験構成を図1に模式的に示す。水Wと空気Aとが混合部8で混合され、混合流体は流路継手50を介してノズル10に流入し、真っ直ぐに延びる小径のノズル孔62cを通って噴射口62dから噴射される。
図1の構成に基づいて上記考察を詳細に説明すると、混合ゾーンでは、水と空気が流入時の速度で混合部8の内壁などと衝突しながら気液混合が行われ、気泡を含む小水塊や小水塊を含む気泡などがランダムに混在する。絞り・加速ゾーンでは、小水塊中に混入した気泡、気泡中に混入した小水塊などが絞り部60bで加速され、断面積が縮小することによって引き延ばされ、それぞれが微細化する。剪断による微細化ゾーンでは、ノズル孔62cの内径が小さいため、ノズル内壁との摩擦による剪断力がノズル孔62cのほぼ全長に亘って発現し、水又は空気だけの場合は層流となるが、水と空気との混合流の場合には気泡が剪断力によって微細化される。これは、水と空気の密度と粘性の違いによって、内壁から働く摩擦力の伝播性が異なるために起こる。
急減圧・ミスト噴射領域では、気泡を含む微細な液滴が大気圧環境下に噴射されると、図2にイメージで示すように、急激な圧力低下で微細な液滴Mf内の気泡Apが急激に膨張し、ノズル孔62c内で微細化された液滴Mfがクラスター崩壊とも言うべき状態に分割されて更に微細化され、良好な粒径のミストMになると考えられる。
図3、図4は実験結果をプロットした図であり、表1は、水、空気それぞれの圧力、圧力比(PW/PA)、ミスト発生の有無についての実験の数値を示している。図3、図4における黒塗りの菱形と表1の数値1は、目視による官能評価での良好なミスト発生状態を示している。図3、図4における色無しの菱形と表1の数値0は、ミスト発生が無いことのみを意味せず、官能評価でのミスト発生状態が所望のものではない、すなわちミストが所望の粒径レベルではないことを意味している。
Figure 2018176115
これらの結果から、ノズル孔62cの上流側で空気の供給圧力を水の供給圧力よりも大きくしてその混合流を所定の寸法条件を満たすノズル孔内に流入させれば、簡単な構成の単孔ノズルであっても良好なミスト状態を得ることができることが分かる。換言すれば、上記実験結果は、従来のノズル内部の構成の複雑化に伴う、良好なミスト状態を得るためのパラメータの複雑化を回避でき、直線状に延びる単一のノズル孔の「孔径、長さ」という簡単なパラメータで良好なミスト化へのアプローチが可能であることを意味している。従って、以下に示すノズル孔62cの具体的な数値は一例にすぎない。
気液二相流は、気体・液体両相の種類や流路形状、流量、気体・液体両相の物理的性質等の違いにより様々な流動形態をとることが知られている(非特許文献1参照)。代表的な流動形態としては、気泡流(Bubble Flow)、スラグ流(Slug Flow)、チャーン流(Churn Flow)、環状流(Annular Flow)がある。気泡流は、連続した液相中に小気泡が分散した流れで、主に気相の流量が液相に比べて小さいときに発生する。スラグ流は、流路断面を満たすような大きな気泡(気体スラグ)と小さな気泡を含む液体部分(液体スラグ)とが交互に存在する流れである。チャーン流は、気体スラグが長くなり、その界面が脈動している流れである。環状流は、流路内壁に液膜が存在し、気相の流路断面中心部には多数の液滴を同伴している流れである。
本発明の装置では、空気流量が多く、ノズル孔の径が小さいので、ノズル孔62c内の流れは、スラグ流又はチャーン流となっていると考えられる。気泡を含む液体が内壁に付着しながら流れるだけでは、液体の粉砕は起こりにくい。本発明の装置では空気流量が多いために流速が大きくなり、液体との相対速度が大きくなる。このため、空気が液体に作用する摩擦力も大きく、その為に液体は内壁との間に起こっている摩擦力も受けていることから剪断力が働き、液体が内壁から剥がれて粉砕されることになる。
図5〜図10に基づいて、上記実験結果に裏付けされた本発明の第1の実施形態を説明する。図1の構成と同一部分又は同一部分と見做せる部分は同一符号で示す。まず、図5に基づいて、本実施形態に係るミスト発生装置2の構成の概要を説明する。ミスト発生装置2は、空気を供給する気体供給部4と、水を供給する液体供給部6と、空気と水とが合流・衝突する混合部8と、混合部8に連通するノズル部10と、ノズル部10を収容するミスト貯留容器12と、ミスト貯留容器12内のミストを容器外へ送出するミスト送出手段13とを備えている。混合部8はノズル孔62cの噴射方向上流端よりも上流側に位置している。ここで、空気はノズルから噴射される環境で気相となる流体の一例であり、水は該環境で液相となる流体の一例である。
気体供給部4は、空気を圧送するエアーコンプレッサ14と、エアーコンプレッサ14と混合部8とを接続する気体供給路16と、気体供給路16におけるエアーコンプレッサ14の下流側に配置された圧力計18と、圧力計18の下流側に配置された逆止弁20と、逆止弁20の下流側に配置され、気体供給路16を開閉するバルブ22等を有している。
液体供給部6は、水道水を貯留する水タンク24と、水タンク24と混合部8とを接続する液体供給路26と、水タンク24内の水を混合部8へ圧送する水ポンプ28と、液体供給路26において水ポンプ28の下流側に配置された圧力調整弁30と、圧力計32等を有している。液体供給部6において、符号34、36、38は流路を開閉するバルブを、40は水タンク24の水位センサを、42はドレンをそれぞれ示している。
ミスト送出手段13は、逆止弁20の下流において気体供給路16から分岐した気体分岐路44と、ミスト貯留容器12内においてノズル部10の下方に配置され、流路継手45を介して気体分岐路44に接続されたエアーノズル46と、気体分岐路44の途中に配置された流路開閉用のバルブ48等を有している。
ノズル部10は、ミスト貯留容器12の側壁12aに上下方向に間隔おいて固定された流路継手50a、50b、50cと、これらの継手に連通して取り付けられたノズル10a、10b、10cとを有している。混合部8は、ノズル部10のノズル10a、10b、10cに個別に対応する混合部8a、8b、8cとを有している。混合部8a、8b、8cは、ノズル10a、10b、10cの噴射方向の上流側近傍(厳密には各ノズルにおけるノズル孔の上流端の上流側近傍)に配置されている。本実施形態における混合部8a、8b、8cは、市販のY型ユニオン継手を採用しており、流路継手50a、50b、50cにワンタッチで連結できるようになっている。気体供給路16と液体供給路26は、混合部8の手前で、混合部8a、8b、8cの数に対応してそれぞれ分岐されている。
図6に基づいて、混合部8とノズル部10との連結構成を最上のノズル10aについて説明する。混合部8aは液体導入路52と、気体導入路54と、合流部(混合室)56とを有し、合流部56には流路継手50aにワンタッチで連結するための不図示のソケットが取り付けられる。流路継手50aは小径の円筒状のノズル接続部58を有している。ノズル10aは、ノズル接続部58に嵌合する円筒状の連結部60と、噴射圧で自励振動するフィン形状の振動部62とを有し、連結部60と振動部62は自励振動可能な材質としてのシリコンゴムで一体成形されている。振動部62は、厚肉で平坦な基端部62aと、噴射側に向って薄肉・細幅となるテーパ部62bとを有している。振動部62の内部には、連結部60の内孔60aに絞り部60bを介して連通する小径のノズル孔62cが形成されている。ノズル孔62cの口径は1〜2mm程度、ノズル孔62cの長さHWは約50mmである。ノズルの材質はシリコンゴムに限定されず、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等でもよい。要するに自励振動可能な材質であればよい。
混合部8aの合流部56では、液体導入路52の水Wと気体導入路54の空気Aとが合流し、空気Aによって水Wがある程度粉砕された混合流体が生成される。生成された混合流体はノズル10aの連結部60に入り、絞り部60bで加速されてノズル孔62cに流入し、その先端部の噴射口62dから噴射される。上記のように、混合流体はノズル孔62cを通過する間に内壁との摩擦による大きな剪断力が働いて微粉砕された気液混合液となり、噴射される際に急激な減圧によって空気が膨張することで更に微細化されてミストMとなる。
このように、ノズル孔の噴射方向の上流側近傍に混合部8を設けて気液混合流体を生成した後、小径のノズル孔62cを通して混合流体を剪断力で微細化した後に噴射口から噴射する構成とする。これにより、簡単な単孔ノズル構成で良好なミスト化を得ることができる。また、水と空気の圧力等を調整してミスト生成の最適な条件とすることにより、ノズルの内部構成を複雑化することなく、良好なミスト化を実現できる。
図3及び図4に示すように、本発明者らの実験により、水の供給圧力をPW(PL)、空気の供給圧力をPA(PG)としたとき、PW/PA(PL/PG)が0.5付近でミストが発生することが確認された。図3から、ミスト発生の圧力比の条件は、0.3〜0.6の範囲であることが望ましい。このように、本発明では、ミスト生成の最適化条件をノズル内部の構造に求めず、ノズル孔62cの上流側で設定することにしている。これにより、ノズル内部の構造の単純化を実現している。
上記のように、本実施形態に係る各ノズル10a、10b、10cは、自励振動を起こすことが可能な材質、形状を有している。図7に基づいて、自励振動の原理を説明する。図7(a)に示すように、ノズル10aの先端からミストMが噴射されると、噴射の運動エネルギーに基づく反力Frがノズル10aに軸方向の圧縮力として働く。ノズル10aはその剛性で反力Frに対抗しようとするが、材質的に剛性が低いために座屈が生じる。図6に示すように、ノズル10aは全体としては扁平な形状を有しているので、厚みの薄い方向、すなわち扁平な面に直交する方向に先端側が座屈して曲がる(図7(b)参照)。座屈変形により噴射の向きが変わると、ノズル10a内部を流れる流体により座屈変形方向と逆向きに遠心力が働き、材質上の弾性復元力も加わって図7(c)に示すように反対方向に曲がる。この繰り返しが短い周期でなされ、振動する。
自励振動とは、ある系に非振動的な入力のみが加わる場合でも、その系自体の特性により系内で非振動入力が振動に変換される振動現象のことである。ここで、非振動入力が反力Frであり、系自体の特性がノズル10aの材質、形状である。他のノズル10b、10cにおいても同様である。
自励振動はノズル10a、10b、10cから噴射されるミストMの微粒化を促進する。上記のように、液体にはノズル孔の内壁との間に起こっている摩擦力も受けていることから剪断力が働き、液体が内壁から剥がれて粉砕されることになる。ここで、ノズル孔62cが振動すると、液体に内壁から離す方向に加速度を与える時期が存在することになり、液体の一部は内壁から剥離し易くなる。従って、ノズルが静止している場合よりも振動している方が更に微細化し易くなる。このため、水と空気の供給圧力が、0.4MPa程度の低圧でも良好なミスト状態が得られることが確認されている。
また、ノズル孔の径方向の幅が細い部分では、図8に示すように、噴射されたミストMの噴射流が粘性効果により周囲の空気などを巻き込んで引き込み流SFを起こし、この引き込み流SFがノズルの先端に向かって流れることにより、ミスト化した液体が噴射口付近に再付着して蒸発し、カルシウムなどの無機塩類が析出して付着堆積することが起こらない。更に、ノズルが自励振動しているため、ミストがノズル先端に再付着することも起こりにくい。従ってミストに含まれる無機塩類がノズルの噴出口付近に析出して詰まる虞が無い。
図5に示すように、ノズル10a、10b、10cから噴射されたミストMはミスト貯留容器12内に貯留され、その後必要に応じて上部から使用域に向けて送出される。この種のミスト発生装置では、ミストの吹き始めでは各流体の設定圧力がミスト発生条件に達して安定化するまでタイムラグがあり、この間は大きな液滴や液だれが生じることを避けられない。吹き終わりにおいても流体の流れが止まるまではミスト化条件を外れた条件となり、大きな液滴や液だれが発生する虞があり、この発生を防止して、ミストMのみを必要な場所に供給すべく、本実施形態のミスト貯留容器12は底面が閉塞された構成を有している。大きな液滴や液だれ、又は容器側面に付着したミストが成長して生じた水滴等は、ミスト貯留容器12の底部に溜るようになっている。すなわち、粒径の大きい水滴が混ざっていない良質のミストのみを必要なエリアに供給することができる。溜った水は不図示の流路を介して水タンク24に還流され、再使用に供される。
ミスト貯留容器12に貯留されるミストは容器内の圧力が高まると自然に容器外へ流出するが、本実施形態では、ミスト送出手段13により強制的に容器外へ意図的に適宜に送出できるようになっている。すなわち、ノズル部10の下方にあるエアーノズル46からエアーが噴出されると、ミスト貯留容器12内に溜まったミストMが押し上げられ、強制的に容器外へ送出される。不図示のコントローラによってミスト送出手段13を制御することにより、間欠的又は定期的にミストMを送出することができる。ミストの送出方向は、例えばミスト貯留容器12の蓋12bの向きを変えることにより変更可能である。本実施形態ではノズルの数を3つとしているが、本発明はこれに限定されない。
図9に示すように、図6等で示したノズル10a、10b、10cに代えて、ノズル孔64aを有する振動部64がフィン部分をカットした円錐テーパ状となるノズル10dとしてもよい。この場合、フィン付きのものに比べて剛性が低下するため、より低圧でも自励振動が起こり、更なる低圧化を実現できる。図10に示すように、ノズル10a、10b、10cの先端部に径が一定のチューブ66を有するノズル10eとしてもよい。このようにすれば、チューブ66の変形による振動が周期の長いものとなり、水滴を噴射する人口降雨ノズルとしても用いることができる。チューブ66の内孔66aはノズル孔62cの延長孔としてなる。これらの細管状のノズルでは、周面全体に上記引き込み流が作用するので、上記無機塩類の析出・堆積による目詰まり防止機能が向上する。
図11に第2の実施形態を示す。上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、既にした構成上及び機能上の説明は適宜省略する。
本実施形態に係るミスト発生装置70は、水と空気とを供給してミストを発生させるミスト噴射モードと、水のみを供給して水滴を発生させる液滴噴射モードとを有し、任意に切り替え可能であることを特徴とする。ミスト発生装置70は、2本の支柱72a、72bと、これらを連結する水平部材74と、水平部材74に固定されたノズル支持部材75等を有している。ノズル支持部材75には、混合部8や流路継手50、これらの継手に連通して下向きに取り付けられたノズル10e1、10e2、10e3、10e4が支持されている。空気の供給構成と水の供給構成は、第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態では屋外等での開放構成であるため、ミスト送出手段13は設けられていない。
図11(a)はミスト噴射モードに設定された状態を示している。混合部8で生成された混合流が各ノズル10e1、10e2、10e3、10e4のノズル孔62cを通過し更に自励振動により微粒化が容易となり、各ノズルの先端から下方へ噴射される。液滴噴射モードに設定された場合には、図11(b)に示すように、気体供給路16に配置されたバルブ22が閉じられ、空気の供給はなされない。空気との合流が無いため微粒化(ミスト化)はなされず、各ノズル10e1、10e2、10e3、10e4からは水滴(雨滴)が噴射される。液滴噴射モード用のノズルとしてはノズル10eに限定されず、ノズル10a〜10c、10dでもよい。
気体供給路16に配置されたバルブ22及び/又は液体供給路26に配置されたバルブ38の開閉量、あるいはエアーコンプレッサ14及び/又は水ポンプ28の供給圧力を調整し、噴射される液滴の粒径をミストと雨滴との間で段階的に変化させるようにしてもよい。この液滴可変噴射モードは、ミスト噴射モードと液滴噴射モードを兼ねることができる。これらのモードのうちの少なくとも1つを実施する場合、バルブ22、38を電磁弁とし、不図示の操作パネルへの入力情報に基づいて不図示の制御手段で自動的に行うようにしてもよい。
上記各実施形態では、ノズルから噴射される環境で気相となる流体を空気、同環境で液相となる流体を水として例示したが、本発明はこれに限定されない。ノズルから噴射される環境で気相となる流体はノズル内部では液相であってもよい。また、3種以上の流体の混合流を微細化する構成であってもよい。
また、上記各実施形態ではノズルが自励振動可能な材質、形状を有する例で説明したが、本発明は自励振動しない剛性のノズルでも実施できる。
また、上記各実施形態ではノズルと混合部とを別部材として例示したが、ノズルと混合部とが一体に形成されている構成としてもよい。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
2、70 ミスト発生装置
4 流体供給手段としての気体供給部
6 流体供給手段としての液体供給部
8 混合部
10a、10b、10c、10d、10e ノズル
12 容器としてのミスト貯留容器
13 ミスト送出手段
A ノズルから噴射される環境で気相となる流体としての空気
M ミスト
W ノズルから噴射される環境で液相となる流体としての水

Claims (9)

  1. 単一のノズル孔を有するノズルと、
    前記ノズルから噴射される環境で気相となる流体と、前記環境で液相となる流体との少なくとも2種類の流体を圧送する流体供給手段と、
    前記流体供給手段と前記ノズル孔との間に設けられ、前記流体供給手段によって供給された流体が合流する混合部と、
    を備え、
    前記環境で気相となる流体の供給圧力が前記環境で液相となる流体の供給圧力よりも大きく設定され、前記ノズル孔は直線状に延びる形状を有していることを特徴とするミスト発生装置。
  2. 前記ノズルは、少なくとも噴射口側が細管状をなすことを特徴とする請求項1に記載のミスト発生装置。
  3. 前記環境で液相となる流体の供給圧力をPL、前記環境で気相となる流体の供給圧力をPGとしたとき、PL/PGが0.3〜0.6であることを特徴とする請求項1又は2に記載のミスト発生装置。
  4. 前記混合部が、前記ノズル孔の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のミスト発生装置。
  5. 前記ノズルが複数設けられ、前記混合部は前記各ノズルに対してそれぞれ個別に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のミスト発生装置。
  6. 前記ノズルが、噴射圧で自励振動を起こす材質及び形状を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のミスト発生装置。
  7. 前記ノズルから噴射されたミストを貯留する容器を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のミスト発生装置。
  8. 前記容器内に貯留されたミストを前記容器外に強制的に送出するミスト送出手段を有していることを特徴とする請求項7に記載のミスト発生装置。
  9. 前記環境で気相となる流体と前記環境で液相となる流体とのうち、少なくとも一方の流体の供給量を調整可能であることを特徴とする請求項6に記載のミスト発生装置。
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