JP2018175136A - ノーズピース、ネブライザ装置および成形用金型 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、鼻孔への負担軽減を図ることが可能なノーズピース、ネブライザ装置および成形用金型を提供することを目的とする。
本発明が適用されるノーズピースは、薬液を供給する側と接続する接続部と、互いに離間して形成され、前記接続部に供給される薬液を鼻孔に送達するための一対の先端部と、を備え、前記一対の先端部の各々は、当該一対の先端部が離間する方向に対して交差する方向に膨らむ交差方向膨らみ部と、当該離間する方向に膨らむ離間方向膨らみ部と、を含み、前記交差方向膨らみ部は、前記離間方向膨らみ部よりも大きい膨らみである、ことを特徴とするものである。かかる場合、前記一対の先端部の各々は、前記離間方向膨らみ部として、他方の先端部側に形成される内側膨らみ部と当該他方の先端部側とは反対の側に形成される外側膨らみ部と、を含み、前記内側膨らみ部は、前記外側膨らみ部よりも小さい膨らみである、ことを特徴とすることができる。
本発明が適用されるノーズピースは、薬液を供給する側と接続する接続部と、前記接続部に供給される薬液を鼻孔に送達する送達部を有する一対の先端部と、を備え、前記一対の先端部は、10〜12mm互いに離間して形成され、前記離間の方向に関する前記送達部の寸法は、4〜6mmである、ことを特徴とするものである。
本発明が適用されるノーズピースは、薬液を供給する側と接続する接続部と、前記接続部に供給される薬液を鼻孔に送達するための一対の先端部と、を備え、前記接続部は、段形状に形成された内壁形状を持つ、ことを特徴とするものである。
他の観点から捉えると、本発明が適用されるネブライザ装置は、噴霧状の薬液を生成するネブライザ装置であって、生成した噴霧状の薬液が供給される上記いずれかのノーズピースを備える、ことを特徴とするものである。
他の観点から捉えると、本発明が適用される成形用金型は、上記いずれかのノーズピースを製造するものである。
〔ネブライザ装置1の概要〕
図1は、ネブライザ装置1の構成を説明する図であり、(a)は外観斜視図であり、(b)は、薬液台21上に置かれる薬液霧発生装置200であり、(c)はノーズピース3の外観斜視図である。
図1の(a)に示すネブライザ装置1は、例えば耳鼻咽喉科で用いられる噴霧装置であり、医療用機器の一例である。ネブライザ装置1は、箱状に形成されており、上面11、底面12、左側面13、右側面14、前面15、背面16を備えている。
また、ネブライザ装置1には、薬液が置かれる薬液台21が設けられている。この薬液台21は、ネブライザ装置1の幅方向に沿って配置され、また、ネブライザ装置1の前面15に取り付けられている。また、薬液台21の最上部には、ガラス製の天板21Aが設けられている。これにより、薬液台21の清掃を行いやすくなっている。
噴霧用ユニット10Bの上部(上面11が位置する箇所)には、エアフィルターなどが収容される収容室と、この収容室の上部に形成された矩形状の開口を塞ぐ塞ぎ部材として機能する蓋部材29とが設けられている。また、噴霧用ユニット10Bの前面(前面15が位置する箇所)には、ユーザ(患者や看護師)による操作を受け付けるとともにユーザに対する情報の表示を行うUI(User Interface)24が設けられている。
なお、本実施の形態に係るネブライザ装置1は、空気圧を利用して噴霧するコンプレッサー式であるが、他の方式、例えば超音波式や非加熱式等を用いることが考えられる。
なお、図1(b)では、上部の部分が患者の鼻孔(鼻腔)に挿入される薬液収容部220を一例に説明したが、患者に接する部分がマスク状に形成される薬液収容部220も存在し、また、患者が口でくわえて吸入するマウスピースタイプも存在する。また、同図(b)では、患者に接する部分と薬液が収容される部分とが一体となった薬液収容部220を説明したが、患者に接する部分と薬液が収容される部分とを別体で構成するようにしてもよい。
以下、薬液収容部220において、上部の部分が患者の鼻孔に挿入されるタイプであって、患者に接する部分と薬液が収容される部分とを別体で構成する場合について説明する。
患者に接する部分であるノーズピース3の概要を説明する。ノーズピース3は、ネブライザ装置1にて治療する際に患者の鼻孔より薬剤を吸引するための器具である。すなわち、ノーズピース3は、患者に吸入させるため、エアロゾル化した水または医薬品を供給する装置である。
図1の(c)に示すように、本実施の形態に係るノーズピース3は、薬液が収容される部分である同図(b)に図示の薬液収容部220に対して着脱自在である。ノーズピース3は、患者が薬剤を吸入する際、薬液収容部220に装着され、使用後には、薬液収容部220から取り外され、オートクレーブ滅菌等され、次の使用に備える。すなわち、ノーズピース3は、患者ごとに洗浄、消毒、煮沸または滅菌を行い使用される。洗浄は、ネブライザ装置1からノーズピース3を取り外し、水洗いを十分に行い乾燥させる。消毒は、消毒用エタノールで払拭または浸漬し、その後、水で十分に薬剤を洗い流し、乾燥させる。滅菌は、温度121度にて20分間または温度135度にて10分間という条件でオートクレーブ滅菌を行う。煮沸は、水を沸騰させた容器に、洗浄後のノーズピース3を入れて15分以上煮沸し、取り出した後に十分に乾燥させる。
本実施の形態に係るノーズピース3は、オートクレーブ滅菌に対応可能な材質で製造されている。なお、オートクレーブ滅菌の温度が135度であることから、そのような注記をノーズピース3の外面に付したり凹凸形状を付して表したりすることが考えられる。
かかる第1先端部33および第2先端部34は、二股に分岐して突出している。すなわち、第1先端部33および第2先端部34は、本体31から互いに離間して突出し、使用者の鼻孔に挿入可能なものである。そして、第1先端部33および第2先端部34の各々は、本体31から遠い位置(遠位)にある前面33a,34aを持つ。第1先端部33の前面33aには、薬剤が出る出口部であるエアロゾル噴霧口33aaが形成され、第2先端部34の前面34aには、薬剤が出る出口部であるエアロゾル噴霧口34aaが形成されている。ここにいう前面33a,34aは、送達部の一例である。
第1先端部33は、使用者の右側の鼻孔用で、第2先端部34は、使用者の左側の鼻孔用である。すなわち、第1先端部33および第2先端部34は、左右対称の形状であり、一対の先端部ということができる。なお、第1先端部33および第2先端部34を以下、先端部33,34ないし一対の先端部33,34ということがある。
次に、本実施の形態に係るノーズピース3の先端部33,34の形状を設定する場合について説明する。すなわち、先端部33,34は、薬剤吸引のため患者の鼻孔に触れる側であり、その形状を設定するための手法について説明する。
図2は、ノーズピース3の先端部33,34の形状設定を説明する図である。同図の(a)は、鼻形状に関する被測定者の年齢内訳を示す棒グラフであり、横軸が若い方からの年齢順で、縦軸が人数を示す。同図の(b)は、鼻形状の測定結果を説明する図および表であり、そのうち図は、鼻の測定箇所を説明するために鼻を下から見上げた状態の図であり、また、表にそのデータを示す。
図3は、測定結果のデータ(図2(b)参照)による鼻形状を説明する図であり、各年齢や性別における平均および最小最大を表す。なお、図3のかっこ書きで示す数値は、測定値ではなく計算値である。
なお、全員に対する幼児の割合は約20.8%、小児では約15.9%、男性(大人)は約36.6%、女性(大人)では約26.7%である。
また、測定結果から得た右孔幅B2と左孔幅B3の平均値は、幼児が7.6mm、小児が9.8mm、男性(大人)が10.9mm、女性(大人)が10.4mmであり、全員の場合は9.9mmであった。なお、最大値は14.5mm、最小値は5mmである。
右孔奥行きB4と左孔奥行きB5の平均について、測定結果から得た値は、幼児が6.8mm、小児が8.5mm、男性(大人)が10.6mm、女性(大人)が9.9mmであり、全員の場合は9.3mmであった。なお、最大値は18.5mm、最小値は3mmである。
また、鼻中隔B6としての算出値は、幼児が6mm、小児が6mm、男性(大人)が7.5mm、女性(大人)が5.7mmであり、全員の場合は6.5mmである。
次に、上記測定結果を基に設定した本実施の形態に係るノーズピース3の先端部33,34の形状を説明する。
図4は、本実施の形態に係るノーズピース3の先端部33,34の外形形状を説明する図であり、図4(a)は、ノーズピース3の先端を示すものであり、(b)は、同図(a)の先端部34を拡大した図である。なお、図4では、エアロゾル噴霧口33aa,34aa(例えば図5参照)の図示を省略している。
図4の(a)に示すように、本実施の形態では、先端部33,34の外形形状を、幼児平均の図形、小児平均の図形、男性(大人)平均の図形および女性(大人)平均の図形を横方向および奥行き方向で重なるようにした場合に、いずれの図形にも接触しない特定領域を画定した。なお、幼児平均の図形、小児平均の図形、男性(大人)平均の図形および女性(大人)平均の図形は、測定結果の平均値を疑似的に図形化したものであり、ここにいう特定領域は、幼児平均の図形、小児平均の図形、男性(大人)平均の図形および女性(大人)平均の図形のいずれにも重なり合う共通領域でもある。
このように、サンプリングにより得た幼児平均、小児平均、男性(大人)平均および女性(平均)からの特定領域を基に、先端部33,34の外形形状を設定し、より多くの患者に適応する形とした。すなわち、ノーズピース3の形状の根拠を、サンプリングによる結果としている。このため、先端部33,34の外形形状を、患者の鼻に負担をかけない形状とすることができる。なお、第1先端部33と第2先端部34は左右対称の外形形状である。
このように、本実施の形態に係るノーズピース3では、先端部33,34において鼻孔の鼻中隔に対峙する部分は、他の部分よりも曲率半径が大きい。言い換えると、鼻中隔に対峙する部分がえぐっているように乃至つぶれているように、略まっすぐになるように形成されている。かかる形状の意義は鼻中隔保護にある。すなわち、鼻孔内にある鼻中隔は、血管が集まった部分であり、ノーズピース3を患者の鼻孔に挿入した際に、鼻への負担を軽減するためにノーズピース3の先端部33,34が鼻中隔に接触しないようにすることが望ましい。
そこで、ノーズピース3は、鼻孔の鼻中隔保護に着目した形状にすべく、ノーズピース3の第1先端部33と第2先端部34との離間距離が大きくなるように、設定している。先端部33,34の対向部分に直線部分を設けることで、患者の鼻中隔への接触を緩和している。
なお、直線部分を設ける場合、直線部分が滑らかに接続していくように、アール部分R1を形成している。また、使用感を向上させるために、アール部分R2も形成されている。
次に、ノーズピース3の具体的な構成について説明する。
図5は、本実施の形態に係るノーズピース3の構成を説明する図である。同図の(a)および(b)はノーズピース3の先端部33,34を示す図である。すなわち、(a)は、先端部33,34側から見たノーズピース3の投影図であり、(b)は、接続口32が形成されている先端部33,34の端面から見た投影図である。なお、図5に示すX方向は、一対の先端部33,34が離間する方向の一例であり(横方向)、また、Y方向は、一対の先端部33,34が離間する方向と交差する方向の一例である(縦方向)。
図5(a)および(b)に示すように、ノーズピース3の先端部33,34は、X方向に膨らむ形状であると共にY方向にも膨らむ形状に形成されている。言い換えると、先端部33,34において、接続口32が形成されている端面と本体31との間の部分は、X方向に膨らみ、Y方向にも膨らんでいる。
より詳細には、先端部33の挿入部33bは、先端部34に対向してX方向に膨らむ膨らみ部33baと、膨らみ部33baに対して反対側に位置してX方向に膨らむ膨らみ部33bbと、を備えている。また、先端部33は、Y方向の一側に膨らむ膨らみ部33bcと、Y方向の他側に膨らむ膨らみ部33bdと、を備えている。
また、先端部34の挿入部34bは、先端部33に対向してX方向に膨らむ膨らみ部34baと、膨らみ部34baに対して反対側に位置してX方向に膨らむ膨らみ部34bbと、Y方向の一側に膨らむ膨らみ部34bcと、Y方向の他側に膨らむ膨らみ部34bdと、を備えている。
付言すると、挿入部33bの膨らみ部33baと挿入部34bの膨らみ部34baとは、互いに対向しており、使用されるときに患者鼻孔の鼻中隔に対峙する部分である。
なお、ここにいう膨らみ部33ba,33bb,34ba,34bbは、離間方向膨らみ部の一例であり、膨らみ部33bc,33bd,34bc,34bdは、交差方向膨らみ部の一例である。また、ここにいう膨らみ部33ba,34baは、内側膨らみ部の一例であり、膨らみ部33bb,34bbは、外側膨らみ部の一例である。
かかる形状の意義は、患者に使用されるときに先端部33,34が鼻孔奥に入り込まないようにすることにある。奥に入り込んだ場合には、鼻中隔に触れるおそれが大きくなるからである。本実施の形態では、このような入り込み過ぎを先端部33,34の形状で抑制しようとする。
より詳細には、ノーズピース3のX方向の寸法とY方向の寸法とに分けて考えると、ノーズピース3のX方向に関する測定結果としては、鼻幅B1、右孔幅B2・左孔幅B3、および鼻中隔B6という3つの要素であり(図2(b)の図を参照)、Y方向に関する測定結果としては、右孔奥行きB4と左孔奥行きB5という1つの要素である(図2(b)の図を参照)。このため、X方向に膨らませると、患者の鼻孔とノーズピース3の膨らみ部33ba,34baまたは膨らみ部33bb,34bbとの干渉の可能性が高くなる。その一方で、Y方向に膨らませると、患者の鼻孔とノーズピース3の膨らみ部33bc,34bcまたは膨らみ部33bd,34bdとの干渉の可能性が、X方向の場合よりも低い。そのような観点から、患者の幅広い年齢層への対応を妨げにくいY方向の膨らみを大きくしている。
なお、別の観点で説明すると、X方向に膨らませる場合とY方向に膨らませる場合とで、入り込みすぎ抑制効果を比べると、前者よりも後者の方が有利であることによる。すなわち、Y方向の膨らみの方がX方向の膨らみよりも、挿入抑止に効果的である。
かかる形状の意義は、鼻孔奥に入り込んだ場合であっても、鼻中隔との接触を防止し、鼻中隔の保護を図ることにある。
また、図5(a)ないし(b)に示すように、本実施の形態に係るノーズピース3は、管路中心が略平行に伸びるように先端部33,34が形成されている。すなわち、ノーズピース3は、管路中心が先端に行くに従って広がっていったり狭まっていったりする構成を採用していない。患者の使いやすさを考慮したものである。
次に、ノーズピース3の形状について説明する。
図6は、ノーズピース3の形状寸法を説明する図であり、(a)はノーズピース3の側面図であり、(b)は(a)の線b-bによる断面図である。
図6(a)に示すように、ノーズピース3の先端部33,34は共に、本体31に対して角度α傾斜している。先端部33と先端部34の傾斜は同じ角度αである。かかる角度αとしては、例えば45度の値を採用することが考えられる。
また、図6(a)に示すように、先端部33,34の前面33a,34aのY方向に関する寸法は、縦寸法Kである。
また、ノーズピース3の離間距離Mとして10〜12mmのいずれかの値を採用することが考えられ、また、幅寸法Nとして4〜6mmのいずれかの値を採用することが考えられる。この場合には、外形寸法Lは、18〜22mmのいずれかの値が採用される。より詳細には、外形寸法Lが18mmの場合は、離間距離Mが10mmで、幅寸法Nが4mmである(18mm=10mm+4mm+4mm)。また、外形寸法Lが22mmの場合は、離間距離Mが12mmで、幅寸法Nが5mmである(22mm=12mm+5mm+5mm)。このように、X方向寸法(横方向)をできるだけ細くする一方で、縦寸法KすなわちY方向寸法(縦方向)を大きくし、いわゆる縦長形状としている。
さらに説明すると、離間距離Mを10mmよりも小さくすると、例えば男性(大人)が患者の場合に鼻中隔に接触し易くなることから、最小値を10mmとする。また、外形寸法Lを最大22mmとするのは、鼻幅B1が最も小さい幼児の平均が21.2mmよりも少し大きく、かつ、小児の平均25.6mmよりも小さい値である。また、離間距離Mを10mmよりもかなり大きくすると、第1先端部33と第2先端部34との間の距離が見た目で大きすぎるという印象を持ちがちであり、また、外形寸法Lを20mmよりもかなり小さくしたりすると、先端部33,34が先細形状になってしまう。このような見た目で患者の心理的負担が大きくなることを考慮し、離間距離Mの最大値を12mmとすると共に外形寸法Lの最小値を18mmとしている。
また、ノーズピース3の厚さは1mmである。そのため、幅寸法Nが4〜6mmである場合の管路内径は、2〜4mmになる。そして、管路内径が1mmであると、ノーズピース3が柔らかい変形容易なシリコーンであることから、外力により管路が薬液通過困難なほど狭くなってしまうおそれがある。そのため、幅寸法Nの最小値を4mmとしている。また、鼻中隔保護の観点で最も重要な要素は離間距離Mであることから、離間距離Mが最小値10mmとすると、外形寸法Lが最大値22mmの場合に、幅寸法Nの最大値が6mmとなる(22mm=10mm+6mm+6mm)。
付言すると、本実施の形態では、日本人の計測結果を基に日本人仕様の形状としているが、日本人以外の人の使用を想定する場合には、そのような想定される人種等でサンプリング調査をすることで、より多くの患者に適応する形とすることが可能である。
次に、本実施の形態に係るノーズピース3の接続口32の形状を設定する場合について説明する。
図7は、図5(a)の線VII-VIIによる断面図である。
図7に示すように、本実施の形態に係るノーズピース3は、ネブライザ装置1の液収容部220(図1参照)と接続口32で接続するための接続形状部32aを本体31の内壁に有する。かかる接続形状部32aは、段形状に形成されている。
より詳細には、接続形状部32aは、先端部33,34から最も遠い位置(遠位)にある第1内壁部32aaと、第1内壁部32aaよりも先端部33,34寄りに位置する第2内壁部32abと、第2内壁部32abよりも先端部33,34寄りに位置する第3内壁部32acと、を含んで構成されている。さらに説明すると、第1内壁部32aaは、内径Daに形成され、また、第2内壁部32abは内径Dbに形成され、第3内壁部32acは、内径Dcに形成されている(Da>Db>Dc)。そして、第1内壁部32aa、第2内壁部32abおよび第3内壁部32acはいずれも、テーパー状に形成されている。すなわち、第1内壁部32aaは、内径Daから内径Da+Δaに広がるようにテーパー状になっている。第2内壁部32abは、内径Dbから内径Db+Δbに広がるようにテーパー状であり、第3内壁部32acは、内径Dcから内径Dc+Δcに広がるようにテーパー状である(Δa、ΔbおよびΔcはいずれも正の数)。
なお、図7に示すように、ノーズピース3における本体31の端面から曲面部に移行する部分までの長さAは、本実施の形態では、40mmであるが、他の値を採用することも考えられる。
より詳細には、第1内壁部32aa、第2内壁部32abおよび第3内壁部32acのテーパー角度は大きくないように形成されている。このように、テーパーを少なくすることで、接続形状部32aと薬液収容部220との密着性を確保することができる。すなわち、接続形状部32aを段形状ではなく、テーパー状にする構成例が考えられる。しかしながら、そのようなテーパー状にすると、現状流通している薬液収容部220に対応する場合には、テーパー角度が大きくなってしまい、密着性が損なわれてしまうおそれがある。また、テーパー角度を小さくすると、本体31の長さが長くなってしまい大型化し、患者が使いにくくなったりメンテナンスがし難くなったりするおそれがある。
本実施の形態に係るノーズピース3のように、段形状の接続形状部32aを備えることで、密着性の確保と小型化の維持を担保することが可能になる。
なお、ノーズピース3を薬液収容部220と接続する際、ノーズピース3の接続形状部32aを一部切断することで、薬液収容部220の形状に対応する対応策も考えられる。シリコーン自体は柔らかい材質であり、新品では無色半透明ないし有色半透明で内部の接続形状部32aの段形状が外から見えるため、例えばはさみにより容易に切断可能である。なお、ノーズピース3を不透明にすることも考えられ、そのような場合には、何らかの目印となるものをノーズピース3に付着ないし形成しておくことも考えられる。
図8は、ノーズピース3と薬液収容部220との接続例を説明する図であり、(a)〜(d)に、互いに異なる具体例を図示する。なお、以下、薬液収容部200を、図8で二点鎖線で図示する薬液収容部41,42,43,44として説明する。薬液収容部41はA社の製品であり、薬液収容部42はB社の製品であり、薬液収容部43はC社の製品であり、薬液収容部44はD社の製品である。
A社製品の薬液収容部41は、図8(a)に示すように、接続形状部32aの第1内壁部32aaに接続される。すなわち、薬液収容部41は、その接続部が内径Daと略同一であることから、ノーズピース3と接続する場合には、第1内壁部32aaと係合する。
なお、上述したように、第1内壁部32aaはテーパー状であることから、薬液収容部41は、第1内壁部32aaとしっかり密着することができる。
また、C社製品の薬液収容部43は、その接続部が内径Dcと略同一であり、図8(c)に示すように、テーパー状の第3内壁部32acの奥までしっかりと密着した状態で接続できる。
しかしながら、上述したように、ノーズピース3は、伸縮性のあるシリコーンであり、ノーズピース3自らが変形することで、薬液収容部44が第2内壁部32abのテーパー形状領域の奥まで進むことが可能なように設計することができる。なお、薬液収容部220側の形状等によっては、ノーズピース3の奥まで進むことが困難な場合が想定されるが、そのような場合であっても、内壁部32abのテーパー形状領域のいずれかで密着状態になることができる。
なお、このようなノーズピース3の接続形状部32aにおける内径Da,Db,Dcの具体的な寸法は、市販されている製品を、製品の接続部分の寸法や流通量等を勘案してグループ分けし、決定することが考えられる。
本実施の形態に係るノーズピース3は、成形品であり、成形用金型を用いた圧縮成型(コンプレッション成型。圧縮成形)により製造することができる。かかる圧縮成型は、加熱された凹型に熱硬化性樹脂を入れ、加熱加圧し樹脂を硬化させる成形方法である。また、ノーズピース3を射出成形法により製造することも考えられる。かかる射出成形法は、軟化する温度に加熱した熱可塑性樹脂を所定の射出圧で金型に充填して形成する方法である。
成形用金型は、固定側型板と可動側型板とを備えている。そして、固定側型板と可動側型板とにより成形用金型の内部に、本実施の形態に係るノーズピース3のための空間であるキャビティが形成される。かかるキャビティに成形材料が供給されることで、本実施の形態に係るノーズピース3を製造できる。
Claims (7)
- 薬液を供給する側と接続する接続部と、
前記接続部に供給される薬液を鼻孔に送達するための第1先端部および第2先端部と、
を備え、
前記第1先端部および前記第2先端部において前記鼻孔の鼻中隔に対峙する部分は、他の部分よりも曲率半径が大きい、ことを特徴とするノーズピース。 - 薬液を供給する側と接続する接続部と、
互いに離間して形成され、前記接続部に供給される薬液を鼻孔に送達するための一対の先端部と、
を備え、
前記一対の先端部の各々は、当該一対の先端部が離間する方向に対して交差する方向に膨らむ交差方向膨らみ部と、当該離間する方向に膨らむ離間方向膨らみ部と、を含み、
前記交差方向膨らみ部は、前記離間方向膨らみ部よりも大きい膨らみである、ことを特徴とするノーズピース。 - 前記一対の先端部の各々は、前記離間方向膨らみ部として、他方の先端部側に形成される内側膨らみ部と当該他方の先端部側とは反対の側に形成される外側膨らみ部と、を含み、
前記内側膨らみ部は、前記外側膨らみ部よりも小さい膨らみである、ことを特徴とする請求項2に記載のノーズピース。 - 薬液を供給する側と接続する接続部と、
前記接続部に供給される薬液を鼻孔に送達する送達部を有する一対の先端部と、
を備え、
前記一対の先端部は、10〜12mm互いに離間して形成され、
前記離間の方向に関する前記送達部の寸法は、4〜6mmである、ことを特徴とするノーズピース。 - 薬液を供給する側と接続する接続部と、
前記接続部に供給される薬液を鼻孔に送達するための一対の先端部と、
を備え、
前記接続部は、段形状に形成された内壁形状を持つ、ことを特徴とするノーズピース。 - 噴霧状の薬液を生成するネブライザ装置であって、
生成した噴霧状の薬液が供給される請求項1ないし5のいずれか1項に記載のノーズピースを備える、ことを特徴とするネブライザ装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のノーズピースを製造する成形用金型。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017076476A Pending JP2018175136A (ja) | 2017-04-07 | 2017-04-07 | ノーズピース、ネブライザ装置および成形用金型 |
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JP (1) | JP2018175136A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109908444A (zh) * | 2019-04-23 | 2019-06-21 | 大连逸壕医疗器械制造有限公司 | 鼻中隔偏曲通气撑 |
US11925753B2 (en) | 2020-05-11 | 2024-03-12 | Funai Electric Co., Ltd. | Liquid administering device |
-
2017
- 2017-04-07 JP JP2017076476A patent/JP2018175136A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109908444A (zh) * | 2019-04-23 | 2019-06-21 | 大连逸壕医疗器械制造有限公司 | 鼻中隔偏曲通气撑 |
US11925753B2 (en) | 2020-05-11 | 2024-03-12 | Funai Electric Co., Ltd. | Liquid administering device |
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