JP2018175083A - 平衡機能訓練装置 - Google Patents

平衡機能訓練装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018175083A
JP2018175083A JP2017075616A JP2017075616A JP2018175083A JP 2018175083 A JP2018175083 A JP 2018175083A JP 2017075616 A JP2017075616 A JP 2017075616A JP 2017075616 A JP2017075616 A JP 2017075616A JP 2018175083 A JP2018175083 A JP 2018175083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trainee
visual
training
posture
visual stimulus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017075616A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7004965B2 (ja
Inventor
郁雄 和田
Ikuo Wada
郁雄 和田
友詞 浅井
Yuji Asai
友詞 浅井
浩之 森本
Hiroyuki Morimoto
浩之 森本
俊夫 岸本
Toshio Kishimoto
俊夫 岸本
圭吾 永山
Keigo Nagayama
圭吾 永山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya City University
Og Giken Co Ltd
Original Assignee
Nagoya City University
Og Giken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya City University, Og Giken Co Ltd filed Critical Nagoya City University
Priority to JP2017075616A priority Critical patent/JP7004965B2/ja
Publication of JP2018175083A publication Critical patent/JP2018175083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7004965B2 publication Critical patent/JP7004965B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rehabilitation Tools (AREA)

Abstract

【課題】高齢者や、脳卒中患者、眩暈症患者、平衡機能異常者、パーキンソン病患者等の様々な患者に対して、平衡機能に関する体性感覚、前庭感覚、視覚を同時に刺激し、それぞれの感覚の協調性を獲得することによる平衡機能の能力向上を目的とした平衡機能訓練装置を提供すること。【解決手段】訓練者が乗る移動可能に設けられた乗部と、前記乗部を移動させる乗部移動機構と、前記訓練者の姿勢の変化を計測する計測部と、視覚刺激を生成し、前記訓練者に前記視覚刺激を付与する視覚刺激手段と、前記計測部による計測結果に従って演算処理し、前記訓練者の姿勢の変化を教授する姿勢教授手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、主に平衡機能の能力向上のために用いる平衡機能訓練装置に関する。
特許文献1に、基台上でスライド板を強制的にスライドさせることでスライド板上に搭乗した使用者の腰部および下肢の筋力強化を図る転倒防止訓練器が開示されている。従来、上記装置によって、訓練者は搭乗したスライド板のスライドによる重心動揺に抗して起立状態を保持することで、バランス保持に必要な筋力の強化を図り、バランス能力を向上させることができた。
しかし、バランス能力というものは、バランスの保持に必要な筋群の能力だけではなく、身体のバランスの状態、重心の動揺を認識する、所謂平衡機能が関与している。平衡機能は、筋肉の収縮や緊張の状態を知覚する筋感覚や関節の屈伸状態を知覚する関節覚などの体性感覚と、前後および上下左右の揺れや回転を知覚する前庭感覚と、結像や眼球運動からなる視覚が協調することで成り立っている。
例えば、通常バランスが崩れた時は、1.足関節筋を収縮し重心の移動を阻止する(アンクルストラテジー)、2.股関節の動きで重心位置を調整する(ヒップストラテジー)、3.腰を落として重心を下げて安定な姿勢をとる、4.足を一歩踏み出して支える、の4パターンの動作で転倒を防ぐが、上記動作にはまず、重心が動揺したことを認識する平衡機能と、その動作に伴う筋力が必要となる。
高齢者は、一般的に加齢に伴う筋力の低下は避けられず、これを防ぐために、筋力トレーニングマシンや、歩行訓練などで筋力の低下を防ぐ訓練を実施している。
しかし、例え筋力を鍛えることができても、加齢に伴う平衡機能の能力低下や脳卒中などによる平衡機能の異常によって、バランスが崩れたことの知覚の遅れや、知覚自体が不可能で、筋力を発揮することなく、転倒に至るケースがある。
また、眩暈症の患者のように平衡機能に異常を来してしまい、特定の姿勢、動作で眩暈を起こし、転倒してしまうケースもある。眩暈症の患者は前述の通り、特定の姿勢、動作で眩暈を起こしてしまうため、患者は日常生活でそれらの姿勢や動作を避けるように行動することとなる。その結果、筋力の低下や眩暈の程度が悪化し、さらに症状が増悪する悪循環に陥っている。
また、平衡機能の能力低下だけでなく、視覚刺激によって引き起こされる転倒も見られる。例えば、エスカレータの乗降に際して、乗る直前に、床が動いていない状態で、動いているエスカレータを見る、あるいは逆に、降りる直前に、エスカレータが動いている状態で、動いていない床を見るといった状況で、バランスを崩すことがある。これは、体性感覚および前庭感覚と視覚のずれや、急激な視覚刺激の変化や増加に伴う眼球運動によって平衡機能に不具合が生じ、転倒に至るものである。
また、パーキンソン病を患う患者のように、歩行訓練や従来の転倒防止訓練器などを使用しバランス能力の向上を試みても、所謂「すくみ足」という動作の開始自体が困難になる症状によって、訓練を十分に実施することができないケースもある。
特開2005−27712号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、高齢者のような疾患を有さないが加齢に伴い平衡機能が低下した者や、脳卒中患者、眩暈症患者、視覚刺激によって平衡機能に異常が起きる者及びパーキンソン病患者などの様々な患者に対して、平衡機能に関する体性感覚、前庭感覚、視覚を同時に刺激し、それぞれの感覚の協調性を獲得することによる平衡機能の能力向上を目的とした平衡機能訓練が可能な平衡機能訓練装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明に係わる平衡機能訓練装置は、訓練者が乗る移動可能に設けられた乗部と、前記乗部を移動させる乗部移動機構と、前記訓練者の姿勢の変化を計測する計測部と、視覚刺激を生成し、前記訓練者に前記視覚刺激を付与する視覚刺激手段と、前記計測部による計測結果に従って演算処理し、前記訓練者の姿勢の変化を教授する姿勢教授手段と、を備える、ことを特徴とする。
この構成によれば、訓練者が搭乗した乗部を移動する構成と、視覚刺激を付与する構成が、一つの装置に備わっているため、訓練者は搭乗した乗部の移動による重心動揺に抗して起立状態を保持しながら視覚刺激を見ることで、体性感覚、前庭感覚、視覚に同時に刺激を与えることができ、それぞれの感覚が協調性を獲得することで平衡機能を向上させる訓練ができる。
また、訓練者の身体に装着した計測部の計測結果から、身体の挙動(頭部の揺れ等)が大きかった時点や、訓練中の身体の動きなどの姿勢の変化を訓練中や、訓練後に、訓練者や、訓練を指揮する訓練指揮者に教授することで、訓練者や訓練指揮者は身体の挙動を把握することができ、訓練時に身体の挙動を小さくするよう目標を立て、訓練することになり、効果的な平衡機能訓練になる。また、バランス能力の測定ができ、訓練の効果確認や、訓練メニューの作成ができる。また、訓練者のモチベーションの向上を図ることができ、効果的な訓練ができる。また、乗部の移動による重心動揺に抗して起立状態を保持することで、バランス保持に必要な筋力の強化が図れる。
(2)本発明において、前記視覚刺激は、外乱視覚刺激および/またはペーシング視覚刺激を備え、前記外乱視覚刺激は、視野内を上下、または左右に交互に点滅し、衝動性眼球運動をさせるサッケード視覚刺激と、視野内を上下、または左右に点灯したまま往復移動し、滑動性追従眼球運動をさせるパスート視覚刺激と、視野内を上下、または左右に移動し、眼振を誘発する上下左右フローイング視覚刺激と、視野内を迫ってくる、または遠ざかり、輻輳開散運動を誘発する前後フローイング視覚刺激の内、少なくとも一つの視覚刺激を有し、前記ペーシング視覚刺激は、一定のリズムで周期的に繰り返す視覚刺激である、ことを特徴とする。
この構成によれば、様々な視覚刺激を出力することができ、視覚刺激に対する平衡機能を訓練することができる。サッケード視覚刺激を与えれば、例えば、日常生活で、ある対象を中心窩で捉える急速な眼球運動を実施する場合を想定し、眼球運動の速さや、距離などの条件を定量的にコントロールしながら姿勢不安定性に対する平衡機能訓練を、乗部の移動と組み合わせて実施することができる。特に、急速な眼球運動に伴う、平衡機能の不具合によりバランスを失ってしまう訓練者を対象に効果的な訓練が可能となる。
また、パスート視覚刺激を与えれば、例えば、日常生活で、ある対象を中心窩で捉え続ける眼球運動を実施する場合を想定し、眼球運動の速さや、距離などの条件を定量的にコントロールしながら視覚刺激の変化に伴う眼球運動に対する平衡機能訓練を、乗部の移動と組み合わせて実施することができる。特に、対象を追従視することで、平衡機能の不具合によりバランスを失ってしまう訓練者を対象に効果的な訓練が可能となる。
また、上下左右フローイング視覚刺激を与えれば、例えば、走行する電車などを注視した際に電車の動きに眼球が追従し、また元の注視点に戻るという眼球運動(眼振)を繰り返す場合を想定し、眼球運動の速さなどの条件を定量的にコントロールしながら視覚刺激の変化に伴う眼球運動に対する平衡機能訓練を、乗部の移動と組み合わせて実施することができる。特に、眼振によって、平衡機能の不具合によりバランスを失ってしまう訓練者を対象に効果的な訓練が可能となる。
また、前後フローイング視覚刺激を与えれば、例えば、ショッピングモール等で人の流れなどでの刺激に対して輻輳開散反射が遅れ、ふらつきが起きてしまう場合を想定し、眼球運動の速さなどの条件を定量的にコントロールしながら視覚刺激の変化に伴う眼球運動に対する平衡機能訓練を、乗部の移動と組み合わせて実施することができる。特に、輻輳開散運動によって、平衡機能の不具合によりバランスを失ってしまう訓練者を対象に効果的な訓練が可能となる。
また、外乱視覚刺激の付与と乗部の移動とを組み合わせた訓練を実施することで、例えば、スポーツにおいては、眼球運動と、体性感覚や前庭感覚などの身体感覚の統合により、訓練者(スポーツ競技者)のパフォーマンス向上、怪我及び故障からのスポーツ復帰が期待できる。
また、例えば乗部の移動と、視覚刺激による点滅を一定のリズムで周期的に繰り返すペーシング視覚刺激を同時に訓練者に与えることで、パーキンソン病患者でも、すくみ足の症状が軽減され、乗部の移動による重心動揺に抗して行動が可能となり、平衡機能訓練の継続実施が可能となり、今まで実施することができなかった、平衡機能の能力向上が可能になる。
(3)本発明において、聴覚刺激を生成し、前記訓練者に前記聴覚刺激を付与する聴覚刺激手段を備え、前記聴覚刺激は、一定のリズムで周期的に繰り返すペーシング聴覚刺激である、ことを特徴とする。
この構成によれば、例えば乗部の移動と、ペーシング聴覚刺激による単音を一定のリズムで周期的に繰り返す聴覚刺激を同時に訓練者に与えることで、パーキンソン病患者でも、すくみ足の症状が軽減され、乗部の移動による重心動揺に抗して行動が可能となり、平衡機能訓練の継続実施が可能となり、今まで実施することができなかった、平衡機能の能力向上が可能になる。
(4)本発明において、前記姿勢教授手段は、前記訓練者の視覚によって姿勢の変化を教授する視覚姿勢教授手段と、前記訓練者の聴覚によって姿勢の変化を教授する聴覚姿勢教授手段と、を備える、ことを特徴とする。
この構成によれば、訓練中に訓練者の姿勢の変化を計測部にて計測し、その計測結果から、身体の挙動(頭部の揺れ等)が大きかった時点や、訓練中の身体の動きなどの姿勢の変化を訓練中に訓練者や訓練を指揮する訓練指揮者に教授することで、訓練者や訓練指揮者は身体の挙動を把握することができ、訓練者は身体の挙動を小さくするよう目標を立て、訓練することになり、また、訓練指揮者は訓練中の訓練者に的確な指示を与えることができ、効果的な平衡機能訓練になる。例えば、視覚刺激手段によって、ペーシング視覚刺激や、外乱視覚刺激を訓練者に出力している場合は、視覚刺激手段による訓練者への刺激の出力を妨げることがないよう、聴覚姿勢教授手段によって、身体の挙動が大きくなるにつれ、聴覚刺激(例えば、発音周期を短く、音量を大きく、音階を高くするなどの制御をする、など)を変化させ訓練者に訓練中に出力する。また、聴覚刺激手段によって、ペーシング聴覚刺激を出力している場合は、聴覚刺激手段による訓練者への刺激の出力を妨げることがないよう、視覚姿勢教授手段によって、身体の挙動が大きくなるにつれ、視覚刺激(例えば、点滅周期を短く、視覚刺激の面積を大きく、基準値に対する視覚刺激の移動などの制御をする、など)を変化させ訓練者に訓練中に出力する。また、訓練指揮者は、訓練者に影響がなければ、各刺激手段の出力に関係なく視覚姿勢教授手段や聴覚姿勢教授手段によって訓練者の姿勢の変化を訓練中に把握することができる。ここで記述した視覚刺激や聴覚刺激は、姿勢の変化を教授するための刺激であって、外乱視覚刺激や、ペーシング視覚刺激、ペーシング聴覚刺激とは異なる。
また、訓練者や訓練指揮者は、訓練後に各姿勢教授手段によって、訓練者の姿勢の変化を把握することができ、訓練後に訓練の効果確認や、訓練メニューの作成ができ、効果的な平衡機能訓練になる。
(5)本発明において、前記視覚姿勢教授手段は、前記訓練者の姿勢の変化をチャートで表示する、ことを特徴とする。
この構成によれば、計測部にて計測された数値ではなく、チャートで訓練者の姿勢の変化を見ることができるため、姿勢の変化が把握し易い。
(6)本発明において、前記乗部移動機構は、前記乗部を水平方向に往復移動させるものであって、前記乗部の移動に係わる振幅及び周期を調節できる、ことを特徴とする。
この構成によれば、乗部の水平往復移動を調節できるため、訓練強度を調節することができ、訓練者に合わせたトレーニングが実施できる。
(7)本発明において、少なくとも一つの映像出力部を備え、前記乗部の水平往復方向に対して、垂直及び/または平行に設置される、ことを特徴とする。
この構成によれば、映像出力部が乗部の水平往復方向に対して、垂直及び/または平行方向に設置されるため、訓練者が視覚刺激に対して垂直に水平往復移動する条件と、平行に水平往復移動する条件とを選択でき、訓練条件が増え、訓練者に合わせたトレーニングを実施できる。
(8)本発明において、前記映像出力部は、昇降手段によって昇降可能に構成される、ことを特徴とする。
この構成によれば、映像出力部が昇降可能に構成されているため、例えば、訓練者の眼の高さに合わせて映像出力部を最適な高さ位置に設置できる。
本発明によれば、高齢者のような疾患を有さないが加齢に伴い平衡機能が低下した者、脳卒中患者、眩暈症患者、平衡機能異常者及びパーキンソン病患者など、様々な患者に対して、平衡機能に関する体性感覚、前庭感覚、視覚を同時に刺激し、それぞれの感覚の協調性を獲得することによる平衡機能の能力向上を目的とした平衡機能訓練が可能な平衡機能訓練装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る平衡機能訓練装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る平衡機能訓練装置の制御を説明するためのブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るサッケード視覚刺激の例である。 本発明の第1実施形態に係るパスート視覚刺激の例である。 本発明の第1実施形態に係る上下左右フローイング視覚刺激の例である。 本発明の第1実施形態に係る前後フローイング視覚刺激の例である。 本発明の第1実施形態に係る訓練者の姿勢の変化をチャートで表示した例である。 本発明の第1実施形態に係る平衡機能訓練装置の訓練時の正面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る平衡機能訓練装置を説明する。
図1、2を参照して、本発明の第1実施形態の平衡機能訓練装置を説明する。図1は平衡機能訓練装置1の斜視図である。平衡機能訓練装置1は、訓練者が乗る移動可能に設けられた乗部2と、乗部2を移動させる乗部移動機構3と、訓練者に視覚刺激を表示する映像出力部10と、訓練者に聴覚刺激を出力する音声出力部20と、訓練者の姿勢の変化を計測する計測部4と、各構成の動作を制御する制御部7と、動作条件を設定する設定部8と、動作条件を表示する表示部9と、で構成されている。図1に示すようにX,Y,Z軸の空間軸を定義し、それぞれの矢印の方向がX軸の+−方向、Y軸の+−方向、Z軸の+−方向とする。
訓練者が乗る移動可能に設けられた乗部2は、乗部移動機構3によって移動される。乗部移動機構3は、設定部8にて設定された動作条件に合わせて制御部7によって制御される。動作条件は、乗部2の移動方向、移動速度、移動距離、回転方向、回転速度、回転角度、周期的に移動を繰り返す場合はその周期と、振幅などである。動作条件は、表示部9にて表示される。本実施形態では乗部2は水平方向(図1ではY軸+−の方向)に往復移動をする。図示を省略するが、乗部移動機構3は、モータを動力とし、クランク式のスライド機構によってモータの回転を公知の技術で直線運動に変換し、乗部2を移動する。モータの回転速度を変化させることによって乗部2の往復移動の周期を調整し、クランクの長さを変えることによって水平方向への移動に係わる振幅を調整する。
図2を参照して制御部7について説明する。図2は平衡機能訓練装置1の制御を説明するためのブロック図である。制御部7は、乗部移動機構3と、後述する視覚刺激手段5と、聴覚刺激手段19と、計測部4と、視覚姿勢教授手段25と、聴覚姿勢教授手段26の動作を制御する。各機構の動作条件は使用者が設定部8にて設定可能である。また、乗部移動機構3、各刺激手段5、19、計測部4、各姿勢教授手段25、26の設定内容は表示部9によって表示される。各動作は緊急停止スイッチ16が押されると直ちに動作を停止するよう制御される。設定部8および表示部9は図1では制御部7と同一の筐体であるコントロールボックス28で構成されているが、別の筐体で構成されても良い。
視覚刺激手段5について説明する。訓練者に与えられる視覚刺激は、視覚刺激手段5によって生成され、映像出力部10に出力される。映像出力部10は、訓練者の前方に設置される。本実施形態では一般的なテレビモニタである。映像出力部10は、訓練者の視野を網羅する大きさで構成され、訓練者の眼の高さや、訓練条件に合わせて映像出力部10を昇降することができるよう昇降手段11を備えており、昇降スイッチ12の操作で、映像出力部10を昇降する。
本実施形態では、映像出力部10は2個設置されている。一方は乗部2の水平移動方向(図1ではY軸+−の方向)に対して画面10aが垂直になるように設置され、他方は乗部2の水平移動方向(図1ではY軸+−の方向)に対して画面10aが平行になるように設置される。こうすることで、訓練者が図1のY軸+の方向を向き、乗部2に搭乗した場合、訓練者を前後方向に動揺させながら視覚刺激を出力でき、訓練者が図1のX軸+の方向を向き、乗部2に搭乗した場合、訓練者を左右方向に動揺させながら視覚刺激を出力でき、訓練者の動揺方向が異なる条件で訓練を実施することができる。
視覚刺激手段5は、後述する外乱視覚刺激であるサッケード視覚刺激、パスート視覚刺激、上下左右フローイング視覚刺激、前後フローイング視覚刺激、また、ペーシング視覚刺激を生成する。
外乱視覚刺激について説明する。外乱視覚刺激は、平衡機能を視覚的に刺激する視覚刺激である。例えば、後述する、サッケード視覚刺激、パスート視覚刺激、上下左右フローイング視覚刺激、前後フローイング視覚刺激である。これらの視覚刺激を、乗部2の移動と同時に訓練者に出力することで、体性感覚、前庭感覚、視覚の協働性が獲得され、平衡機能の能力向上が可能となる。
図3を参照して、サッケード視覚刺激について説明する。図3は映像出力部10に出力した本実施形態のサッケード視覚刺激を示しており、図3(a)は画面10aの左右に表示される2つの円23a、23bが交互に点滅する視覚刺激である。訓練者にはこの円23a、23bを注視するよう指示をする。そうすることで、訓練者は視覚刺激を中心窩で捉えた状態で左右への急速な眼球運動(サッケード(衝動性眼球運動))を強いられることになる。図3(b)は画面10aの左右ではなく上下に表示される2つの円23a、23bが交互に点滅する視覚刺激である。本実施形態では、左右、または上下に表示される2つの円としたが、表示位置が上下、左右に限定されず、画面10a内をランダムに移動してもよい。
急速な眼球運動に伴い、平衡機能の不具合によりバランスを失ってしまう訓練者は、衝動性眼球運動に対する平衡機能訓練が可能となる。設定部8にて、左右に点滅する円23a、23bの間隔や、点滅周期などサッケード視覚刺激の動作条件を訓練者の身体状況に合わせて定量的に設定することで、訓練者に最適な動作条件で訓練することが可能となる。視覚刺激の形状については円に捉われず、訓練者が点滅を認識できる形状、色であれば何でも良い。
次に、図4を参照して、パスート視覚刺激について説明する。図4は映像出力部10の画面10aに出力した本実施形態のパスート視覚刺激を示しており、図4(a)は円24が点灯したまま左右に移動する視覚刺激で、破線で示す円は、円24の残像を示している。訓練者には円24を注視する様指示をする。そうすることで、訓練者は視覚刺激を中心窩で捉え続けた状態で滑動性追従眼球運動を強いられることになる。図4(b)は円24が点灯したまま上下に移動する視覚刺激である。本実施形態では、左右、または上下に点灯したまま移動する、としたが、移動方向が上下、左右に限定されず、画面10a内をランダムに移動してもよい。
追従視することで、平衡機能の不具合によりバランスを失ってしまう訓練者は、滑動性追従眼球運動に対する訓練が可能となる。設定部8にて、左右に移動する円24の間隔や、移動周期などパスート視覚刺激の動作条件を訓練者の身体状況に合わせて定量的に設定することで、訓練者に最適な動作条件で訓練することが可能となる。視覚刺激の形状については円に捉われず、訓練者が移動を認識できる形状、色であれば何でも良い。
次に、図5を参照して、上下左右フローイング視覚刺激について説明する。図5は映像出力部10に出力した本実施形態の上下左右フローイング視覚刺激を示しており、図5(a)は、縞模様が左右に移動する視覚刺激である。訓練者には画面中央を注視するよう指示をする。そうすることで、視野内を縞模様が移動すると、眼振が誘発され、訓練者は急速な追従眼球運動を強いられることになる。図5(b)は左右ではなく上下に縞模様が移動する視覚刺激である。
眼振により、転倒してしまう場合がある訓練者は、上下左右フローイング視覚刺激を、設定部8にて、左右に移動する速度や、縞模様の間隔などを定量的に設定できるため、急速な追従眼球運動に対する訓練が可能となる。本実施形態では縞模様だが、水玉や、風景などの移動でもよく、上下左右に連続して移動し、眼振を誘発する視覚刺激であれば良い。
次に、図6を参照して、前後フローイング視覚刺激について説明する。図6は映像出力部10に出力した本実施形態の前後フローイング視覚刺激を示しており、図6(a)は、奥行きがあるよう左右対称に設けられた縞模様が、前方向または後方向へ連続して移動する視覚刺激である。訓練者には画面中央を注視するよう指示をする。そうすることで、縞模様が移動すると、視野内を縞模様が迫ってくる、または遠ざかる視覚刺激となり、訓練者は輻輳開散運動を誘発されることになる。図6(b)は左右対称ではなく奥行きがあるよう上下対称に設けられた縞模様が前後方向へ連続して移動する視覚刺激である。
輻輳開散運動により、転倒してしまう場合がある訓練者は、前後フローイング視覚刺激を、設定部8にて、前後に移動する速度や、縞模様の間隔などを定量的に設定できるため、輻輳開散運動に対する訓練が可能となる。本実施形態では縞模様だが、水玉や、風景などの前後移動、奥行きを感じさせる渦巻き模様が回転する刺激でも良く、輻輳開散運動を誘発する視覚刺激であれば良い。
日常生活における眼球運動は、異なる場所にある物に注視点を即座に動かしたり、移動する対象物を滑らかに追従したりする等、本実施形態で訓練者に出力できる視覚刺激のいわば複合的な応用であり、本訓練装置で日常生活における眼球運動の基礎的な動きについて、それぞれの視覚刺激を独立した状態で、定量的に条件を変えながら訓練することができる。
次に、ペーシング視覚刺激について説明する。ペーシング視覚刺激は、映像出力部10の画面10aの中央に、円形の視覚刺激を、一定のリズムで周期的に点滅する視覚刺激である。点滅する視覚刺激の形状については円形に捉われず、訓練者が点滅を認識できる形状、色であれば何でも良い。また、点滅に限らず、変化を認識できればよい。
パーキンソン病患者は、「すくみ足」という症状によってバランスを維持しようと足を踏み出そうとしても足が十分に動かず、転倒してしまう場合がある。このすくみ足に対して周期的に視覚、聴覚刺激を与えたり、「1・2・1・2・・・」のように掛け声をかけたりすることで症状が改善されることが知られている。
従来の転倒防止訓練器はパーキンソン病患者が訓練者として搭乗し、乗部2のスライドによってバランスを崩してもすくみ足によってバランスを保持することができず、転倒してしまう虞があり、訓練の継続ができなかった。しかし、平衡機能訓練装置1では、乗部2の移動による重心動揺に対して訓練者にペーシング視覚刺激を出力することで、すくみ足は改善され、バランスを保持する動作が可能となり、訓練を継続することができるので平衡機能の訓練が可能となる。本実施形態の乗部2は周期的に水平往復移動するため、ペーシング視覚刺激もその周期に同期して訓練者に出力する。
聴覚刺激手段19について説明する。訓練者に与えられる聴覚刺激は、聴覚刺激手段19によって生成され、音声出力部20にて出力される。本実施形態では音声出力部20は映像出力部10に備えられている一般的なテレビモニタのスピーカ20aであって、映像出力部10の下端の左右に設置されているが、訓練者や訓練指揮者に音が出力できればよく、スピーカ20aの設置場所はこれに限定しない。
本実施形態では、訓練者が図1のY軸+の方向を向き、乗部2に搭乗した場合、訓練者を前後方向に動揺させながら訓練者の前方から聴覚刺激を出力でき、訓練者が図1のX軸+の方向を向き、乗部2に搭乗した場合、訓練者を左右方向に動揺させながら訓練者の前方から聴覚刺激を出力でき、訓練者の動揺方向が異なる条件で訓練を実施することができる。
聴覚刺激手段19は、後述するペーシング聴覚刺激を生成する。
ペーシング聴覚刺激について説明する。ペーシング聴覚刺激は、音声出力部20より、単音を一定のリズムで周期的に繰り返す聴覚刺激である。このペーシング聴覚刺激により、ペーシング視覚刺激の説明にて前述した通り、乗部2の水平往復移動に同期して訓練者に出力することでパーキンソン病を患う患者も平衡機能の訓練が可能となる。
計測部4について説明する。計測部4は訓練中の訓練者の姿勢の変化を計測する。計測部4は本実施形態では加速度計にて構成され、訓練者の頭部、腰部、膝部にはそれぞれ頭部加速度計4a、腰部加速度計4b、膝部加速度計4cが設置され、乗部2には乗部加速度計4dが設置される。乗部加速度計4dは、訓練者が搭乗している乗部2の移動の状況を把握するために設置する。訓練者の姿勢の変化を計測し、教授することで、バランス能力の把握ができ、最適な訓練の条件の設定、訓練の効果確認などが実施できる。表示は表示部9でもよいし、映像出力部10や、計測結果を利用して、本訓練装置以外のディスプレイに表示してもよい。図1では、乗部加速度計4dと、その配線は示しているが、その他の加速度計は図示を省略している。また、本実施形態では、計測部4は加速度計を使用しているが、訓練者の姿勢の変化を計測できればよく、重心動揺計、足圧分布の測定、モーションキャプチャ、床反力計などでもよい。また、計測部4の設置場所についても本実施形態に限定されない。
平衡機能訓練装置1は、計測部4による計測結果に従って演算処理し、訓練中の訓練者の姿勢の変化を訓練者や訓練指揮者に教授する姿勢教授手段を備えている。姿勢教授手段は、後述する視覚によって教授する視覚姿勢教授手段25と、聴覚によって教授する聴覚姿勢教授手段26と、がある。
視覚姿勢教授手段25について説明する。視覚姿勢教授手段25は、視覚によって訓練中の訓練者の姿勢の変化を訓練中に訓練指揮者に教授する。計測部4の計測結果から、身体の挙動(頭部の揺れ等)が大きいことを示す視覚刺激(例えば、点滅周期を短くする、視覚刺激の面積を大きくする、色彩を変化させるなど)を訓練指揮者に出力することで、訓練指揮者は身体の挙動を把握することができ、訓練指揮者は訓練者に姿勢が変化していることを伝えたりすることで、効果的な平衡機能訓練になる。
また、視覚姿勢教授手段25は、前述の計測部4による計測結果に従って演算処理し、訓練中の訓練者の姿勢の変化を訓練後に訓練者や訓練指揮者に教授する。これにより、身体の挙動(頭部の揺れ等)が大きかった時点や、訓練中の身体の動きを訓練後に訓練者や、訓練指揮者に出力することで、訓練者や訓練指揮者は身体の挙動を把握することができ、次回訓練時に身体の挙動を小さくするよう目標を立て、訓練することになり、効果的な平衡機能訓練になる。また、バランス能力の測定ができ、訓練の効果確認や、訓練メニューの作成ができる。また、訓練者のモチベーションの向上を図ることができ、効果的な訓練ができる。視覚姿勢教授手段25は本実施形態では映像出力部10にて出力するが、表示は表示部9でもよいし、計測結果を利用して、本訓練装置以外のディスプレイに表示してもよい。
また、視覚姿勢教授手段25は、訓練者の姿勢の変化を教授する方法としてチャートで表示することもできる。図7を参照してチャートについて説明する。図7はチャートの表示例を示す。チャートは計測部4による計測結果に従って演算処理した結果を、時系列に映像出力部10に出力する。チャートは、各加速度計の3次元軸方向の加速度変化によって、円18が左右方向へ動くように出力される。例えば、Ch.1が頭部加速度計4aである場合、頭部加速度計4aの3次元方向への加速度の変化を、縦軸にX軸、Y軸、Z軸、横軸は中央右側が+方向の加速度、中央左側が−方向の加速度となるよう表示する(3次元軸の方向と、+−方向については図1に示す通り)。図はCh.2の途中までの表示となっているが、下方にスクロールすることで、全てのチャンネルの結果を表示できるし、一度に全てのチャンネルを表示しても良い。
加速度の変化を計測するので、加速度計を装着した部分が移動すれば円18が中央から左右どちらかに移動することになる。訓練者や、訓練指揮者は、チャートで、訓練中の姿勢の変化を確認することで、バランス能力の評価や、例えばバランスを崩した際の動揺の方向や、傾向などを分析し、今後の治療計画や、訓練計画の立案に使用でき、より効果的な訓練が可能となる。
本実施形態ではチャートは映像出力部10にて出力するが、表示は表示部9でもよいし、計測結果を利用して、本訓練装置以外のディスプレイに、訓練中、訓練後に係わらず表示してもよい。
聴覚姿勢教授手段26について説明する。聴覚姿勢教授手段26は、聴覚によって訓練中の訓練者の姿勢の変化を、訓練中に訓練者や訓練指揮者に教授する。計測部4の計測結果から、身体の挙動(頭部の揺れ等)が大きいことを示す聴覚刺激(例えば、発音周期を短く、音量を大きく、音階を高くするなど)を訓練者や訓練指揮者に出力することで、訓練者は身体の挙動を小さくするよう訓練し、訓練指揮者は訓練者に姿勢が変化していることを伝えたりすることで、効果的な平衡機能訓練になる。視覚刺激手段5によって訓練者に視覚刺激を与える場合には、聴覚姿勢教授手段26を用いることができる。聴覚姿勢教授手段26によって、視覚刺激を与えながら、姿勢の変化を訓練者や訓練指揮者に教授することができる。
図8を参照して、本発明の第1実施形態の平衡機能訓練装置1の訓練方法を説明する。図8はコントロールボックス28、及び各計測部4への配線、X軸方向の空間軸の図示を省略している。訓練の実施例として、乗部2については、水平方向(図1ではY軸+−の方向)に往復移動をする。訓練者17への刺激手段については、視覚刺激手段5の内、パスート視覚刺激を出力し、訓練中の姿勢教授手段については聴覚姿勢教授手段26を、訓練後の姿勢教授手段については視覚姿勢教授手段25によりチャート表示を選択するものとする。訓練者17は起立した状態でY軸+方向を向き、乗部2に搭乗する。搭乗後、転倒することがないよう安全のため、ベルト15を身体に装着し、ベルト保持具14を介して、本体フレーム6に装着される。ベルト保持具14は、訓練者17の搭乗する向きにベルト15が追従するように本体フレーム6に回動可能に固定されている。
訓練者17が乗部2に搭乗後、映像出力部10が訓練者17の眼の高さになるように、昇降スイッチ12を操作し、昇降手段11により調整する。昇降手段11は図示しないが、電動アクチュエータによって昇降するよう構成されている。
次に設定部8を操作し、訓練時間、乗部移動機構3の動作条件を設定する。乗部移動機構3については、往復運動する周期を設定する。周期が長いほど、乗部2は遅く動くため、訓練の強度は弱く、周期が短いほど、乗部2は速く動き、訓練の強度は強くなる。
設定部8を操作し、視覚刺激手段5を、パスート視覚刺激を選択し、円24が点灯したまま移動する方向については左右方向を選択する。次に左右方向に円24が点灯したまま移動する周期を設定する。周期が長いほど、円24は遅く動くため、訓練の強度は弱く、周期が短いほど、円24は速く動き、訓練の強度は強くなる。
設定部8を操作し、姿勢教授手段の内、聴覚姿勢教授手段26を選択する。聴覚姿勢教授手段26は、計測部4の計測結果から、身体の挙動(頭部の揺れ等)が大きい場合は、音量を大きく、音声出力部20より訓練者17に出力する。
次に、訓練中の訓練者17の姿勢の変化を計測するため、計測部4を訓練者17の身体と、乗部2に設置する。計測部4は加速度計にて構成され、訓練者17の頭部、腰部、膝部にはそれぞれ頭部加速度計4a、腰部加速度計4b、膝部加速度計4cが設置され、乗部2には乗部加速度計4dが設置され、それぞれバンドなどで装着される。乗部加速度計4dは、訓練者17が搭乗している乗部2の移動の状況を把握するために設置する。
全ての動作条件を設定後、開始スイッチ(図示しない)を押し、訓練が開始される。図8では訓練者17の前後方向(Y軸+−の方向)に乗部2が水平往復移動をする。乗部2の水平往復移動中に、パスート視覚刺激が映像出力部10に表示される。訓練者17は、移動する乗部2の移動に抗して姿勢を保持するようにバランスをとりながら、さらに映像出力部10に表示されたパスート視覚刺激を注視する。これによって、体性感覚、前庭感覚、視覚に同時に刺激を与えることができ、平衡機能を向上させる訓練ができる。
訓練中はそれぞれの加速度計の内、一つの加速度計の計測結果(例では頭部加速度計4a)から、聴覚姿勢教授手段26によって訓練者17の姿勢の変化が聴覚刺激として映像出力部10に備えられた音声出力部20から訓練者17に伝えられる。具体的に言えば、身体の姿勢の変化が大きい場合、音量を大きくすることで、訓練者17は身体の挙動が大きいことを認識し易くなり、音量を小さく保つことを目標とすることで、姿勢の変化を小さくするよう訓練することになり、効果的な平衡機能訓練になる。また、訓練指揮者にも同様に姿勢の変化が伝えられる。なお、訓練中に訓練者17の姿勢の変化を訓練者17や訓練指揮者に伝えることがなくても、視覚刺激に対する平衡機能を鍛えることが可能である。
本実施形態では、乗部2が移動する状態で視覚刺激を出力したが、訓練者17の症状や、訓練したい項目に合わせて視覚刺激だけ出力してもよい。
訓練中、訓練者17の身体はベルト15によって保持されているが、訓練中予期せず姿勢を保持できない時のために、手摺部13が設けられている。訓練中は保持することはないが、危険を感じた時などは手摺部13を保持することでバランスを保ち、訓練を継続する。また、手摺部13を保持することで安全に乗降できる。
また、なんらかの緊急時や、訓練を中断する時のために緊急停止スイッチ16が設けられている。緊急停止スイッチ16は訓練者17が訓練中に手が届く位置に設けられており、スイッチを押すことで、乗部移動機構3は動作をやめ、乗部2は固定され、各刺激手段や、各姿勢教授手段も停止する。
訓練前に設定した訓練時間が経過し、訓練装置が停止した後は、視覚姿勢教授手段25は、計測部4が訓練中の訓練者17の姿勢の変化を計測した計測結果に従って演算処理し、その結果を、時系列にチャートで映像出力部10に出力する。このチャートを訓練者17と、訓練指揮者が確認することで、バランス能力の評価や、例えばバランスを崩した際の傾向などを分析し、今後の治療計画や、訓練計画の立案に使用する。以上で、訓練を終了する。
第1の実施形態では、聴覚刺激手段19を備えた構成を記載したが、聴覚刺激手段19がなくてもよく、訓練者17は搭乗した乗部2の移動による重心動揺に抗して起立状態を保持しながら視覚刺激を見ることで、体性感覚、前庭感覚、視覚に同時に刺激を与えることができ、平衡機能を向上させる訓練ができる。
なお、視覚刺激に対する平衡機能訓練のみ実施したい場合は、乗部2を動かさず固定し、訓練を実施してもよい。
また、チャートについては、訓練後に訓練者17に出力したが、訓練中に訓練者17に出力しても良いし、訓練指揮者が訓練中の訓練者17の姿勢の変化を観察するために出力しても良い。
本発明は、上述した高齢者のような疾患を有さないが加齢に伴い平衡機能が低下した者、脳卒中患者、眩暈症患者、平衡機能異常者及びパーキンソン病患者だけでなく、以下のような者にも幅広く適用できるものである。例えば、パーソナルコンピュータ業務により眼精疲労を引き起こしている者、あるいは、工場における長時間の肉体労働にて体力的に疲労したり、ストレスを抱えているなどの理由で将来的に平衡機能に異常を来す可能性がある者にも適用できる。同様に、長期的に同じスポーツ(運動)を繰り返すことにより身体に過度の負担がかかって身体を痛めたり、骨格や筋肉のバランスを崩してしまうスポーツ障害の予防、スポーツ障害の発症により身体のバランスが崩れた結果、平衡機能が低下してしまった者の機能回復、スポーツ障害の再発予防を目的とする者などにも適用できる。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
1 平衡機能訓練装置
2 乗部
3 乗部移動機構
4 計測部
4a 頭部加速度計
4b 腰部加速度計
4c 膝部加速度計
4d 乗部加速度計
5 視覚刺激手段
6 本体フレーム
7 制御部
8 設定部
9 表示部
10 映像出力部
画面 10a
11 昇降手段
12 昇降スイッチ
13 手摺部
14 ベルト保持具
15 ベルト
16 緊急停止スイッチ
17 訓練者
18 円
19 聴覚刺激手段
20 音声出力部
20a スピーカ
23a 円
23b 円
24 円
25 視覚姿勢教授手段
26 聴覚姿勢教授手段
28 コントロールボックス

Claims (8)

  1. 訓練者が乗る移動可能に設けられた乗部と、
    前記乗部を移動させる乗部移動機構と、
    前記訓練者の姿勢の変化を計測する計測部と、
    視覚刺激を生成し、前記訓練者に前記視覚刺激を付与する視覚刺激手段と、
    前記計測部による計測結果に従って演算処理し、前記訓練者の姿勢の変化を教授する姿勢教授手段と、を備える、
    ことを特徴とする平衡機能訓練装置。
  2. 前記視覚刺激は、
    外乱視覚刺激および/またはペーシング視覚刺激を備え、
    前記外乱視覚刺激は、
    視野内を上下、または左右に交互に点滅し、衝動性眼球運動をさせるサッケード視覚刺激と、
    視野内を上下、または左右に点灯したまま往復移動し、滑動性追従眼球運動をさせるパスート視覚刺激と、
    視野内を上下、または左右に移動し、眼振を誘発する上下左右フローイング視覚刺激と、
    視野内を迫ってくる、または遠ざかり、輻輳開散運動を誘発する前後フローイング視覚刺激の内、
    少なくとも一つの視覚刺激を有し、
    前記ペーシング視覚刺激は、一定のリズムで周期的に繰り返す視覚刺激である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の平衡機能訓練装置。
  3. 聴覚刺激を生成し、前記訓練者に前記聴覚刺激を付与する聴覚刺激手段を備え、
    前記聴覚刺激は、一定のリズムで周期的に繰り返すペーシング聴覚刺激である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の平衡機能訓練装置。
  4. 前記姿勢教授手段は、
    前記訓練者の視覚によって姿勢の変化を教授する視覚姿勢教授手段と、
    前記訓練者の聴覚によって姿勢の変化を教授する聴覚姿勢教授手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の平衡機能訓練装置。
  5. 前記視覚姿勢教授手段は、
    前記訓練者の姿勢の変化をチャートで表示する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の平衡機能訓練装置。
  6. 前記乗部移動機構は、前記乗部を水平方向に往復移動させるものであって、
    前記乗部の移動に係わる振幅及び周期を調節できる、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の平衡機能訓練装置。
  7. 少なくとも一つの映像出力部を備え、
    前記乗部の水平往復方向に対して、垂直及び/または平行に設置される、
    ことを特徴とする請求項6に記載の平衡機能訓練装置。
  8. 前記映像出力部は、昇降手段によって昇降可能に構成される、
    ことを特徴とする請求項7に記載の平衡機能訓練装置。
JP2017075616A 2017-04-06 2017-04-06 平衡機能訓練装置 Active JP7004965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017075616A JP7004965B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 平衡機能訓練装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017075616A JP7004965B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 平衡機能訓練装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018175083A true JP2018175083A (ja) 2018-11-15
JP7004965B2 JP7004965B2 (ja) 2022-01-21

Family

ID=64280050

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017075616A Active JP7004965B2 (ja) 2017-04-06 2017-04-06 平衡機能訓練装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7004965B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020146324A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置
JP2020146325A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP2020146322A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP2020146323A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003524219A (ja) * 1998-09-22 2003-08-12 モーテック・モーション・テクノロジー・インコーポレーテッド 人間の機能的行動をダイナミックに登録・評価・修正するためのシステム
JP2005152312A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Hitachi Kiden Kogyo Ltd 立位練習器
US20070184953A1 (en) * 2006-02-09 2007-08-09 Sportkat, Llc System and method of balance training
JP2013013667A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Panasonic Corp 運動能力検査装置
JP2013031538A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Hiroshima Univ 姿勢バランス測定装置
JP2015511841A (ja) * 2012-02-21 2015-04-23 アストリウム ゲーエムベーハー 治療装置
US9526443B1 (en) * 2013-01-19 2016-12-27 Bertec Corporation Force and/or motion measurement system and a method of testing a subject

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003524219A (ja) * 1998-09-22 2003-08-12 モーテック・モーション・テクノロジー・インコーポレーテッド 人間の機能的行動をダイナミックに登録・評価・修正するためのシステム
JP2005152312A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Hitachi Kiden Kogyo Ltd 立位練習器
US20070184953A1 (en) * 2006-02-09 2007-08-09 Sportkat, Llc System and method of balance training
JP2013013667A (ja) * 2011-07-06 2013-01-24 Panasonic Corp 運動能力検査装置
JP2013031538A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Hiroshima Univ 姿勢バランス測定装置
JP2015511841A (ja) * 2012-02-21 2015-04-23 アストリウム ゲーエムベーハー 治療装置
US9526443B1 (en) * 2013-01-19 2016-12-27 Bertec Corporation Force and/or motion measurement system and a method of testing a subject

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020146324A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置
JP2020146325A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP2020146322A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP2020146323A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP7052762B2 (ja) 2019-03-15 2022-04-12 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP7052764B2 (ja) 2019-03-15 2022-04-12 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP7052763B2 (ja) 2019-03-15 2022-04-12 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置およびバランス訓練装置の制御プログラム
JP7081539B2 (ja) 2019-03-15 2022-06-07 トヨタ自動車株式会社 バランス訓練装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7004965B2 (ja) 2022-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10548805B2 (en) Virtual reality apparatus and methods therefor
US20180028810A1 (en) System for controlling stimulation impulses
JP7004965B2 (ja) 平衡機能訓練装置
US9149222B1 (en) Enhanced system and method for assessment of disequilibrium, balance and motion disorders
US9526946B1 (en) Enhanced system and method for vibrotactile guided therapy
JP5081252B2 (ja) 脳機能維持改善装置
JP2009533101A (ja) 携帯用バランス取りプロテーゼ
CA2953752A1 (en) Virtual reality apparatus and methods therefor
DE202015001313U1 (de) Vorrichtung und System zum Empfang vom EMG-Signalen und/oder übermitteln von EMS-Signalen an einen menschlichen Körper um ihn zu trainieren
US20230062345A1 (en) System and method for targeted neurological therapy using brainwave entrainment
US20230218947A1 (en) System and method for targeted neurological therapy using brainwave entrainment with passive treatment
US20230083638A1 (en) Body joystick for interacting with virtual reality or mixed reality machines or software applications with brainwave entrainment
Kim et al. Effect of horseback riding simulation machine training on trunk balance and gait of chronic stroke patients
Aprile et al. Efficacy of Robotic-Assisted Gait Training in chronic stroke patients: Preliminary results of an Italian bi-centre study
JP6653500B2 (ja) 前庭電気刺激装置及び仮想現実体感装置
Sari et al. Postural stability when walking: Effect of the frequency and magnitude of lateral oscillatory motion
KR20190127489A (ko) 거울신경세포의 활성화를 극대화하는 기능성 전기 자극과 뇌-컴퓨터 인터페이스(bci) 기술을 결합한 게임 방식의 재활 시스템 및 그 제어방법
Cha et al. The effects of horse riding simulation exercise with blindfolding on healthy subjects’ balance and gait
AU2017200112A1 (en) Virtual reality apparatus and methods therefor
WO2021168467A2 (en) A system and method for evaluation, detection, conditioning, and treatment of neurological functioning and conditions
US20230116214A1 (en) System and method for neurological function analysis and treatment using virtual reality systems
US20240001193A1 (en) System and method for targeted neurological therapy using brainwave entrainment with passive treatment
Kazemi et al. Mathematical description of proprioception through muscle activation signal generation in core musculoskeletal system
US11707644B2 (en) Variable—resistance exercise machine with network communication for smart device control and brainwave entrainment
KR101888498B1 (ko) 뇌-컴퓨터 인터페이스(bci)를 게임영상에 직접 적용한 게임 방식의 재활 시스템 및 그 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170407

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210914

R155 Notification before disposition of declining of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7004965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150