JP2018174710A - 細胞の培養方法及び培養装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回収するにあたって、外部からの物理的接触を生じさせずに、かつ、対象とする細胞をフィルター等から引き離して培養操作を実施できる細胞の培養方法および培養装置を提供する。
【解決手段】捕捉対象の細胞を含む懸濁液をろ過して、フィルターに細胞を捕捉する分離工程と、フィルターに捕捉された細胞の位置を特定し、フィルターの細胞を含む領域を切断した切断片を得る切断工程と、切断片を、細胞の液体培地と接触させることで、細胞を液体培地中に回収する回収工程と、回収された細胞を、液体培地中で培養する培養工程と、を有する細胞の培養方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、細胞を含有する懸濁液から、目的の細胞を回収、培養するための細胞の培養方法及び培養装置に関する。
疾病の存在や進行度等の生命体の状態を診断、評価するために、血液中に含まれるタンパク質、細胞等の物質をバイオマーカー(生物指標化合物)として利用することが広く行われてきている。このバイオマーカーを用いることで、具体的には、血清や尿等を試料とし、がん、糖尿病、心筋梗塞、アルコール症、造影剤による腎障害、冠動脈硬化等の疾患に関して評価を行っている。
この評価を行うにあたっては、その対象疾患のバイオマーカーとなる物質を測定可能な程度に取得しなければならない。例えば、血液や尿中には様々な化合物が含まれており、これをそのまま測定することは困難である。そのため、そのような試料からバイオマーカーを分離する等、測定対象物質の濃度を高め、測定に悪影響を及ぼす不純物質を除去する所定の処理を行うことで測定可能としている。
特に、がんは世界各国で死因の上位を占め、我が国においては年間30万人以上がこの病気により死亡しており、その早期発見および治療が望まれている。がんは転移や再発等が生じやすく、このような転移や再発が生じやすいか否かを評価できると、より有効な治療ができ望ましい。
一般に、がんによる転移、再発は、がん細胞が原発巣から血管またはリンパ管を経由して、別の臓器組織の血管壁に定着、浸潤して増殖し、微小転移巣を形成することで起こる。このような血管又はリンパ管を通じて人の体内を循環するがん細胞は、血中循環腫瘍細胞(以下、「CTC」ともいう)と呼ばれている。
そして、このCTCにおいても、血中を循環するCTCをフィルターなどを用いて捕捉し、捕捉したCTCを解析することで病状の進行や転移などの診断情報を取得することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。また、CTCの解析のために、フィルター上に捕捉した細胞を染色して、特定の細胞を回収し、回収効率を向上させる方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、がん細胞を捕捉するとともに、その際に用いたろ材を細胞の回収操作をせず、そのまま培養に供するろ材、細胞シート等も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2013−42689号公報 特開2014−132897号公報 特開2016−195986号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載ではCTCの解析のためにフィルター上のCTCを回収するにあたり、吸引ノズルやピンセットなどを用いて回収するため、細胞に対して、外部からの物理的な接触が生じ、細胞本来の形態や細胞外マトリックスが失われるおそれが高い。また、吸引ノズルやマイクロピンセットなどに由来する異物が混入、付着する等の測定に悪影響を及ぼす要因が生じるおそれもある。
また、特許文献3に記載の細胞シートは、回収時の物理的な接触をせずに培養操作に供することができるが、細胞シートをそのまま用いるため、それに起因して培養効率を十分に向上できない場合があった。
そこで、本発明は、懸濁液中に含まれる細胞を分離、捕捉した後、回収するにあたって、外部からの物理的接触を生じさせることなく、かつ、対象とする細胞をフィルター等から引き離して培養できる細胞の培養方法および培養装置の提供を目的とする。
本発明の細胞の培養方法は、捕捉対象の細胞を含む懸濁液をろ過して、フィルターに前記細胞を捕捉する分離工程と、前記フィルターに捕捉された前記細胞の位置を特定し、前記フィルターの前記細胞を含む領域を切断した切断片を得る切断工程と、前記切断片を、前記細胞の液体培地と接触させることで、前記細胞を前記液体培地中に回収する回収工程と、前記回収された細胞を、前記液体培地中で培養する培養工程と、を有することを特徴とする。
本発明の細胞の培養装置は、捕捉対象の細胞を含む懸濁液のろ過により、前記細胞を捕捉できるフィルターを有する分離手段と、前記フィルターの前記細胞が捕捉された領域を切断して切断片を得るための切断手段と、前記細胞の液体培地を収容し、前記細胞を培養できる培養手段と、前記切断片を前記液体培地中にて懸濁させることで、前記細胞を前記液体培地中に回収するための回収手段と、を有することを特徴とする。
本発明の細胞の培養方法及び培養装置によれば、懸濁液から細胞をフィルター上に捕捉した後、フィルター上から回収対象の細胞を回収するにあたり、該細胞に物理的な接触が生じないため、細胞に余計な損傷(ダメージ)を与えずに回収でき、さらに、回収した細胞をフィルターから分離回収して培養できるため、効率的に細胞を培養できる。
本実施形態の細胞の培養装置の概略構成を示した図である。
以下、本発明の一実施形態である細胞の培養方法および培養装置について詳細に説明する。
[細胞の培養方法]
本実施形態の細胞の培養方法は、上記したように、捕捉対象の細胞を含む懸濁液をろ過して、フィルターに細胞を捕捉分離し(分離工程)、次いで、該フィルターに捕捉された細胞の位置を特定し、フィルターの細胞を含む領域を切断して切断片を得る(切断工程)。そして、得られた切断片を、細胞の液体培地と接触させることで、細胞を液体培地中に回収し(回収工程)、回収した細胞を、該液体培地中で培養する(培養工程)、各工程を有する。
(懸濁液)
本実施形態の細胞の培養方法における各工程を説明する前に、まず、本実施形態に用いる処理対象の懸濁液について説明する。
本実施形態は細胞の培養方法であるため、培養する細胞を捕捉、回収する。したがって、本実施形態で用いる懸濁液は、その捕捉対象である細胞を含む懸濁液を処理対象の懸濁液とする。
この懸濁液は、液状媒体に捕捉対象の細胞が懸濁された懸濁液であれば特に限定されるものではない。ここで、液状媒体は、細胞を懸濁できる液体であって、後述するフィルターの有する細孔を通過できる程度の粘度を有するものであれば特に限定されるものではない。
上記懸濁液としては、通常、細胞を含有する体液及びその体液を処理した液体が用いられ、具体的には、血液、リンパ液、組織液、尿、汗や、血液を処理して得られる血漿、血清等が挙げられる。また、通常、懸濁液として採取されない細胞であっても、適当な液状媒体に懸濁させて懸濁液とし、本実施形態に適用することもできる。
ここで捕捉対象とする細胞は、懸濁液中から回収、培養する対象となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、心筋細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞、胚性幹細胞、肝細胞、角膜幹細胞、膵島細胞、腫瘍細胞、iPS細胞、ES細胞等の接着細胞、血球細胞、CHO細胞(チャイニーズハムスターの卵巣細胞)等の浮遊細胞等が挙げられる。
ここで、捕捉対象である細胞の粒子径は、後述する分離工程でフィルター分離によりフィルター上に捕捉でき、懸濁液中に含まれる他の物質と分離できるものであれば特に限定されない。この粒子径は、典型的には5〜30μm程度である。
(分離工程)
この分離工程は、細胞を懸濁させた懸濁液を、捕捉対象である細胞を捕捉可能なフィルター上に供給し、固液分離を行う工程である。この固液分離により、懸濁液を構成する液状媒体はフィルターを通過し、該フィルターの下部から排出される。一方、固体成分であり、捕捉対象である細胞は、フィルターの細孔を通過できず、その表面及び細孔内の少なくとも一方に捕捉される。なお、固体成分ではあるが、捕捉対象の細胞と比べて微小な物質(例えば、アルブミン、IgG、トランスフェリン等の血中タンパク質等)は液状媒体と共にフィルターを通過し、上記細胞と分離される。
なお、このとき効率的に固液分離できるように、分離前の懸濁液の粘度を4×10−3Pa・s以下となるように調製することが好ましく、2×10−3Pa・s以下とするのがより好ましい。このような粘度とするための液体成分としては、水、アルコール等を溶媒とする浸透圧調整液(生理食塩水など)が挙げられる。
なお、本実施形態におけるフィルターに懸濁液を供給して通液させる場合、必要に応じて圧力をかけて通液してもよい。圧力をかけるにあたっては、供給した懸濁液側からポンプ等の使用により加圧してもよいし、遠心分離機等により遠心力を加えて加圧してもよい。
この捕捉において圧力をかける場合には、その圧力は0.1〜100MPaとするのが好ましい。この圧力を0.1MPa以上とすることで固液分離を促進でき、また、100MPa以下とすることで、フィルターの破損を抑制できる。
なお、この回収にあたっては、捕捉対象の細胞以外の不純物をできるだけ排除しておいた方がよいため、前処理や、粗大な粒子を除去するためのフィルターによるろ過操作をこの分離工程の前に行うことが好ましい。
(切断工程)
次に、細胞を捕捉したフィルターにおいて、該細胞の位置を特定し、その特定した細胞を含む領域でフィルターを切断する。
切断にあたっては、まず細胞の位置を特定する。この特定は、フィルター上を拡大して観察できる観察手段を用いて行えばよい。また、観察にあたっては、染色等により目的の細胞を観察しやすくさせてもよい。この観察の方法としては、フィルター上の対象とする細胞の位置を特定できるものであればよく、フィルターの表面を拡大して観察できる装置、例えば、フィルター表面の画像をカメラ等で撮影し、拡大して表示できる表示装置や撮像装置、位相差顕微鏡や蛍光顕微鏡等の公知の細胞観察可能な顕微鏡、などを用いて行えばよい。
そして、細胞の位置を特定した後、その細胞を含む領域を切断する。このフィルターの切断は、所望の領域を切断できる方法であればよく、ブレード、レーザー等を用いた切断が挙げられる。
なお、この領域を決定するにあたっては、捕捉された細胞を含んでいればよい。この領域が大きすぎると、目的としない不純物質が含まれる可能性が高まり、後段の回収、培養における操作が煩雑になるおそれがある。また、この領域が小さすぎると、細胞を切断片上に安定して存在させられなかったり、切断片上に細胞が存在させられなかったり、する場合がある。そのため、この切断片となる領域は適度な大きさが好ましく、例えば、0.10〜20mmが好ましい。このとき、切断片1個に対して、目的の細胞は10個以下が好ましく、5個以下がより好ましく、3個以下がさらに好ましく、1個が特に好ましい。
(回収工程)
次に、切断片上に捕捉されている細胞を回収する。
この回収は、切断片の表面に捕捉された細胞を、その表面から引き離して液体培地中に回収するものであり、通常、切断片を液体培地と接触させればよい。この接触にあたっては、切断片に対し、液体培地の接触洗浄、液体培地中への浸漬、液体培地中への懸濁等をすることで、その表面の細胞をより引き離しやすくできる。
このとき、切断片(フィルター)の表面に細胞非接着処理を施しておくと、より回収操作を容易に実施できる点で好ましい。
ここで、用いたフィルターの表面に細胞非接着処理が施されている場合、単に液体培地に切断片を接触や浸漬させるだけで、対象の細胞を容易に切断片の表面から引き離すこともでき、この場合の操作は極めて簡便で好ましい。また、このとき液体培地に回収されるため、次工程の培養操作に直ぐに移行でき効率的である。
(培養工程)
次に、回収した細胞をそのまま液体培地中で培養する。
ここで回収された細胞は、回収にあたって細胞に外部から物理的な接触をせずに回収されたものであり、損傷や汚染等が抑制されたものである。ここで細胞を培養して増殖させることで、細胞の検査、観察等を容易に実施でき、また、複数種の検査等を行う場合にも対応可能となる。特に、細胞が少量しか採取できない場合に、この培養工程は有効である。
この培養工程における培養条件は、対象とする細胞に応じて、その細胞に適した培養条件となるように選択する。ここで用いる液体培地は、培養する細胞の種類に応じて選択でき、その構成としては、緩衝溶液中に、無機塩、炭水化物、アミノ酸、ビタミン、タンパク質、ペプチド、脂肪酸、脂質、血清、その他微量元素等を含有させたものが挙げられる。
また、培養する細胞によっては、液体培地中に培養基質を設けて培養することが好ましい。培養基質を設けることで、細胞の足場を確保し、培養効率を向上させることができる。また、培養基質を設ける場合には、培養する細胞腫に応じて、その表面が特定の培養表面になるようにコーティングすることも好ましい。
[細胞の培養装置]
本実施形態の細胞の培養装置は、例えば、図1に示したように、上記した本実施形態の細胞の培養方法を実施可能とする、分離手段11と、観察手段12と、切断手段13と、培養手段14と、を有して構成される細胞の培養装置10である。
(分離手段)
本実施形態で用いる分離手段11は、捕捉対象の細胞を含む懸濁液をろ過して、該細胞を捕捉できるフィルター11aを有するろ過手段である。このろ過手段は、ガラス、樹脂、ゴム、金属等の材質で形成された筒状や管状の部材を使用し、その内部にフィルター11aを固定することで、フィルター11aの一方に懸濁液を供給して収容させ、該懸濁液をフィルター11aを通過させてろ過処理できるように形成する。
ここでフィルターは、懸濁液中に含まれる捕捉対象の細胞を液状媒体と分離し、該細胞をその表面に捕捉可能なフィルターであればよく、公知のフィルターを特に制限なく用いることができる。このフィルターの材質は、樹脂、ガラス、金属等が挙げられ、特に、樹脂製又はガラス製が好ましい。
このフィルターの材質として樹脂を用いる場合、例えば、セルロース混合エステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、再生セルロース、ポリアミド、トリアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン、ナイロン66、ポリスルホン、ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエチレン、アクリル共重合体、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシブチレート、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等が挙げられる。
ここで用いるフィルターの有する細孔の平均細孔径は、1〜50μmが好ましく、より好ましくは3〜25μm、さらに好ましくは5〜8μmである。ここで、平均細孔径の測定は、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、または電子顕微鏡による測長により行なわれ、平均細孔径は、単一画像において任意の細孔10点を選択してその直径を測長し、それらの平均を算出することにより求められる。
このような範囲の平均細孔径とすることで、目的とする細胞をフィルターにより捕捉しつつ、過度に小さい粒子径を持つ物質(例えば、アルブミン、IgG、トランスフェリン等の血中タンパク質等)は懸濁液の液状媒体と共にフィルターを通過させ、対象となる細胞の捕捉が可能となる。
また、フィルターの開口率は、3〜70%が好ましく、4〜50%がより好ましく、5〜20%が特に好ましい。この開口率が3%未満であると、効率的に細胞の分離、捕捉ができず、70%を超えると、フィルターの強度が低下して、やはり効率的に細胞の分離、捕捉ができないおそれがある。ここで、基材の開口率は、「(開口面積/基材面積)×100」で定義され、以下のようにして測定される。光学顕微鏡やレーザー顕微鏡を用いて撮影したある領域Aを基材面積とし、領域Aに含まれる開口面積をコントラストに基づく画像処理によって算出する。
フィルターの厚さは、3μm〜200μmが好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。また、フィルターの面積は、0.01〜10.5cmが好ましく、0.01〜6cmがさらに好ましく、0.1〜6cmが特に好ましい。このフィルターの形状は、膜状であれば特に限定されるものではなく、例えば、その平面視形状が三角形、四角形等の多角形や、真円、楕円等の円形等、様々な形状とできる。なかでも、懸濁液中の細胞の分離、捕捉にあたっては、円形、特に真円、が液体成分からかかる負荷が均一となり、強度が良好となるため好ましい。
また、このフィルターは、耐熱性、耐薬品性を有することが好ましい。分離操作において熱処理を行ったり、使用する懸濁液が酸性又はアルカリ性であったり、する場合においても、このような物理的及び化学的耐久性が良好であることで、安定して分離、捕捉操作ができる。
このフィルターとしては、回収工程における回収操作を効率的に行うため、フィルター表面に細胞を捕捉できるフィルターが好ましい。フィルター内部に細胞を捕捉してしまうと、回収工程において細胞をフィルターから引き剥がしにくくなるためである。細胞をフィルター表面に捕捉するには、トラックエッチング膜等が好ましい。トラックエッチング膜は、中性子線や重イオンをポリマー製のフィルム材料に照射することにより得られる、孔径が比較的揃っており、表面が平滑なフィルターである。
また、このフィルターとしては、回収工程における回収操作を効率的に行うため、フィルター表面に、細胞非接着処理を施したものが好ましい。この細胞非接着処理としては、細胞付着防止剤から形成された被覆層を設けたフィルターを用いるのが好ましい。この被覆層は、細胞付着防止剤をそのまま塗布して形成してもよく、溶媒又は分散媒等の媒体に分散させた後、媒体を除去する等して形成してもよい。ここで、細胞付着防止剤として、生体親和性基を有する構成単位を有するポリマーが用いられる。具体的には、ポリエチレングリコール、2−メタクロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする重合体の他、国際公開第2016/002796号明細書に記載される生体親和性基を有する含フッ素重合体が用いられる。
細胞付着防止剤を適用して機能層を形成した場合、分離操作において、血液、血清等に含まれるタンパク質もフィルターの表面に付着するのを防止できるため、タンパク質が液状媒体と一緒にフィルターを通過しやすくできる。これにより、フィルターで捕捉される物質は細胞が主なものとなり、後述する回収して得られる細胞の純度を高められる。また、細胞は捕捉されるものの、フィルター上に固定されないため、後述する回収操作において容易に回収できる。すなわち、フィルター表面に細胞非接着処理を施すと、より作業時間を短縮し、効率的に回収できる。
さらに、フィルターにその他の物理的、化学的機能を付与するには、例えば、多孔質化した後、表面にポリマーや無機膜をALD、CVD、真空蒸着、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング、超臨界成膜、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、フローコート、スキージコート、ダイコート、スパッタリング、インクジェッティングなどにより塗布することで、フィルター表面に所定の機能層を形成したり、紫外線やオゾン、または酸・アルカリ処理等により改質処理したり、すればよい。この機能層又は改質処理としては、表面の親水性を改善する親水化処理によりフィルタリング性能を向上させたり、特定物質のみを捕捉する吸着特異性を付与したり、特定物質をフィルター表面に吸着しにくくしたり、するなど形成する機能層や改質処理の種類により所望の特性を有するフィルターが得られる。
なお、上記分離工程に用いるフィルターとしては、フィルターを1つ使用する例を説明したが、異なる平均細孔径を有する他のフィルターを設けてもよい。このように異なる平均細孔径を有するフィルターを組み合わせることで、懸濁液中に含まれる大きさの異なる粒子を段階的に分離、捕捉して、捕捉対象とする細胞をより効率的に(不純物を排除した状態で)フィルター上に捕捉することもできる。
(観察手段)
本実施形態で用いる観察手段12は、懸濁液をろ過した後のフィルターのろ過面を観察するものであり、この観察手段12の観察により後述する切断手段による切断位置を決定する。
この観察手段12としては、フィルター上の対象とする細胞の位置を特定できるものであればよく、フィルター11aを固定する固定台12aと、その固定したフィルター11aの表面を拡大して観察できる装置、例えば、フィルター表面の画像をカメラ12b等で撮影し、拡大して表示できる表示装置や撮像装置、公知の細胞の観察が可能な顕微鏡、等から構成される。
ここで、顕微鏡としては、明視野観察、暗視野観察のいずれでもよいし、位相差顕微鏡や蛍光顕微鏡等を用い、位相差又は蛍光(自家蛍光や染色後の蛍光等)を観察して行ってもよい。自家蛍光は紫外線領域での励起光以外に405nmでのNADH、フラビンを対象とした励起も可能である。NADHやフラビンは、細胞全般における細胞内代謝成分であり、生細胞でも観察可能であることから、細胞の有無や他の粒子との判別に利用することもできる。なお、蛍光観察をする場合には、フィルターとして蛍光バックグラウンドが低いものを用いる。
このとき、観察手段12は、固定されたフィルター11aの表面全体を観察可能なように、カメラ12bやレンズ等をフィルター11aの表面に対して平行移動を可能とする構成が好ましい。なお、カメラ12bやレンズ等を固定し、固定台12aを平行移動可能な構成としてもよい。この観察手段12としては、例えば、デジタルマイクロスコープ VHX−6000シリーズ(株式会社キーエンス製、商品名)等が挙げられる。
この観察手段12によりフィルター上の細胞の捕捉位置を特定する。この位置の特定は、カメラ等をフィルターの表面上を移動させながら細胞の有無を判断し、細胞の存在する位置を記憶手段等に記憶させて自動で行うこともできる。なお、細胞が存在している箇所を見つけたら、その箇所で次に説明する切断手段により切断を行えばよい。また、複数の細胞について個々に回収、培養する場合には、それぞれ細胞の位置の特定とフィルターの切断とを繰り返し行うようにしてもよいし、細胞の位置の特定を連続して行い、その後に次に説明する切断手段による切断を連続して行ってもよい。
(切断手段)
本実施形態で用いる切断手段13は、上記観察手段12を用いて特定された細胞を含む領域を切断可能とするものである。すなわち、フィルターの所定の領域を切断して切断片を得るためのものであり、細胞を含む領域を切断できるブレード、レーザー等により所定の領域を切断できればよい。この切断手段13としては、フィルター11aを固定する固定台13aと、固定されたフィルター11aの所定の領域を切断するブレード13bと、から構成される。この切断手段は、フィルターの材質に応じて適した切断方法となるように選択すればよい。
この切断は、その所定の領域の形状となるようにブレードやレーザー等を移動させながら切断片を得てもよいし、予め切断する領域の形状に形成されたブレード、レーザー等を用いて、一度の押圧又は照射により瞬時に切断できるようにしてもよい。
なかでも、予め切断する領域の形状に形成されたブレードは、押しつけるだけで簡便に切断片が得られ好ましい。この予め切断する領域の形状に形成されたブレードとしては、生体組織を採取するための生検トレパン等を適用できる。
なお、切断手段13における固定台13aは、観察手段12の固定台12aと共通のものとしてもよい。すなわち、固定台を1つ設け、その固定台上で、観察と切断とを連続して行うようにする。この場合、切断箇所の特定、切断操作が効率的にできるのに加え、フィルター11aの位置が変わらないため、確実に特定した箇所を切断できる。
また、観察手段12と切断手段13とは、それぞれ細胞の位置特定と特定した位置に基づいて所定の領域を切断することを連動して制御できる制御手段21で制御することが好ましい。
(培養手段)
本実施形態で用いる培養手段14は、液体培地中で細胞を培養するための培養容器から構成される。
この培養容器としては液体培地を収容できればよく、公知の培養容器が挙げられる。また、液体培地は、捕捉対象の細胞に合わせて調製されるものであり、この細胞の培養装置10を使用するにあたって、その都度調製される。
ここで用いる液体培地としては、上記細胞の培養方法で説明した液体培地が挙げられ、必要に応じて、液体培地中には培養基質が設けられる。培養基質を設けることで、細胞の足場を確保し、培養効率を向上させることができる。また、培養基質を設ける場合には、培養する細胞種に応じて、その表面が特定の培養表面になるようにコーティングすることも好ましい。
例えば、培養細胞がCTCである場合、好ましい培養表面として、フィーダー細胞、ECM(細胞由来抽出物)、プロテインベースの培養基質、ペプチドベースの培養基質、合成高分子等が挙げられ、さらに、所定の表面処理を施したものが好ましく挙げられる。このような培養表面とすることで、特に、生着した表面上での増殖ががんの転移や浸潤の指標となり、細胞の特性解析における解析対象として重要なパラメータとなり得る。
すなわち、CTCは、組織や血管へ浸潤(転移)に際して、増殖時とは細胞の性質が変化することが知られている。例えば、組織内で増殖する細胞は内皮系の細胞の性質を示し、細胞表面にEpCAMが発現している。一方、間葉系の細胞に形質転換することでEpCAMの発現が消失し、他の細胞への接着性能を低下させ、組織、血管内への浸潤を容易にする。血中を循環し、組織、血管に浸潤することで、他の臓器に生着した場合には再度内皮系の細胞へ形質転換し、細胞間の接着性能を回復して組織内で増殖する。
このようにCTCは、例えば、EpCAMの発現有無により、増殖段階にあるCTCであるのか、浸潤段階にあるCTCであるのか、を区別でき、本実施形態における培養工程でCTCを培養することで、このような検証が可能となる。
ここで、フィーダー細胞は、培養対象の細胞とは異なる細胞であって、培養対象の細胞の増殖や分化に必要な環境を整えるために用いられる細胞である。フィーダー細胞を用いる場合、培養容器底面や培養基質にあらかじめ播種、培養して、フィーダー細胞が培養容器の底面や培養基質の表面を埋め尽くす程度に増やしておき、CTC等の培養細胞をこのフィーダー細胞上に播種し、培養する。
このフィーダー細胞としては、例えば、繊維芽細胞、血管内皮細胞、リンパ管内皮細胞(循環中に接触する細胞腫、一般的な組織構造を形成する細胞、血液、リンパ液中で接触する細胞)、浸潤先の組織細胞(肺、肝臓、副腎、脳、骨等)等が挙げられる。
ECM(細胞由来抽出物)としては、マウス肉腫由来抽出物が挙げられ、培養容器底面や培養基質を該抽出物でコーティングした表面で培養できるようにすればよい。このECMとしては、Corning Matrigel基底膜マトリックス(コーニング社製、商品名:マトリゲル)が例示でき、これは、ラミニン(主成分)、IV型コラーゲン、ヘパリン硫酸プロテオグリカン、エンタクチン/ニドゲンおよび多数の成長因子をECMタンパク質が豊富なEngelbreth−Holm−Swarm(EHS)マウス肉腫から抽出した、可溶化基底膜調整品である。
プロテインベースの培養基質としては、培養基質の表面を細胞接着に関わるタンパク質でコーティングしたものが挙げられる。ここで用いられるタンパク質としては、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノーゲン、プロテオグリカン、カドヘリン、インテグリン、セレクチン、免疫グロブリン、等が挙げられる。このようなタンパク質を培養基質の表面に吸着、親和性の利用、共有結合などにより固定化し、コーティングする。
ペプチドベースの培養基質としては、培養基質の表面を細胞接着に関わるペプチドでコーティングしたものが挙げられる。このペプチドは、タンパク質の全配列中の機能的な配列(機能ドメイン配列)を含むものであり、部分配列のみでタンパク質のコーティングと同様の機能を果たす。
合成高分子としては、上記タンパク質やペプチドの機能を発現する構造と同等の構造を有する高分子化合物が挙げられ、模擬的な機能を果たすことで、細胞に親和性のある表面を形成する。親水性、疎水性等の表面形質が細胞の培養基質への接着性を向上させるのに効果的であることから、これらの機能表面を実装する材料として合成高分子が用いられる。
このような合成高分子としては、例えば、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ[2−(メタクリロイルオキシ)エチルジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド](PMEDSAH)、アミノプロピルメタクリルアミド(APMAAm)、トリアクリレート/ジアクリレートの共重合体、2−(アクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド/2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート共重合体(HG21)等が挙げられる。
表面処理としては、樹脂やガラス基材に対して、細胞が接着しやすい物理的な表面形質とする処理をいう。この表面処理としては、親水化したり、処理表面を荒らすことで物理的に引っ掛かり形状を作ったりするプラズマ処理、表面に凹凸形状、縞模様等の物理的に引っ掛かり形状を作るエッチング処理(ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれも可能)等が挙げられる。
また、この培養手段14は、培養容器内を細胞の培養に適した温度に維持、管理できるよう、ヒーター及び温度制御手段が設けられている。さらに、培養容器内の液体培地を撹拌できるように、培養容器自体を回転、振とうできるような容器載置台、培養容器内に撹拌機、等の撹拌手段を備えることが好ましい。撹拌手段は、特に、浮遊細胞の培養において好ましい。
[変形例]
(回収前処理工程)
本実施形態の細胞の培養方法および培養装置は、基本的に上記工程、手段によって構成されるが、次のように回収工程の前に、回収前処理工程を行うことも可能である。
この回収前処理工程は、上記回収工程の前段階として行うものである。この回収前処理工程としては、例えば、切断片から細胞を回収する際、液体培地中で行うのが適当でない場合、液体培地とは異なる前処理溶液を用い、切断片の表面から細胞を洗浄により引き離したり、超音波を付与して細胞に微細振動を生じさせて引き離したり、電位差や圧力差により細胞を移動させて引き離したり、できる。
洗浄は、切断片の一方の面に洗浄用の前処理溶液を供給する一般的な洗浄や、切断片のろ過面とは反対側の面から前処理溶液を供給し、切断片に前処理溶液を通水させる逆洗、切断片を貯留された前処理溶液に浸漬させる浸漬洗浄等の公知の洗浄方法により実施できる。ここで使用される前処理溶液としては、トリス緩衝溶液、リン酸緩衝溶液(PBS)等の緩衝液が挙げられる。
また、捕捉対象の細胞の剥離を促進するため、処理液のpHを該細胞の等電点付近に変化させる、または塩濃度を上げるといった手段も有効である。例えば、多くの細胞はpH7付近のPBS中でマイナスに帯電しているため、pHを4〜6の酸性側にすることで剥離が容易になる。ただし、pH1〜2またはpH13〜14など、極端な液性は細胞を破壊するおそれがある。また、塩濃度を0.1〜1Mにすることで、剥離を容易にできる。一方で、塩濃度が高すぎると、同じく不安定化を引き起こすおそれがある。
また、上記回収前処理においては、切断片に超音波振動の付与、電場印加、圧力印加等を行い、フィルターから細胞を引き離し易くして、前処理溶液中に分散させることもできる。
ここで超音波振動は、細胞を捕捉した切断片に、例えば、10kHz以上の周波数の音波を用い振動を付与して行う。このとき、洗浄水の表面張力を減少させる洗浄剤や他の薬剤を添加して、洗浄水の表面張力を減少させるような状態にしておくことで、超音波エネルギーを加える効果が高まる。一方で、回収対象である細胞の破壊を防ぐため、付与する超音波の周波数は100kHz以下が好ましい。また、超音波振動を付与する時間は、1〜30分程度が好ましい。
電場印加は、切断片の表裏に電圧を印加することで電場を発生させて行う。このとき、捕捉対象である細胞の表面電荷に応じて陽極と陰極を決定することで、切断片からの回収を容易にできる。例えば、細胞は洗浄水中でマイナスの電荷にチャージしやすいため、陽極に誘導する電場形成が効果的である。この電場の形成には、5〜500Vの電圧が一般的に用いられ、作業効率と細胞への影響の観点から、特に50〜150Vが好ましい。この電場の印加条件としては、目的に応じて低電圧かつ長時間又は高電圧かつ短時間で行われるが、例えば、低電圧の場合、5〜50Vで10〜60分、高電圧の場合、50〜200Vで1〜10分、の処理が例示できる。
圧力印加は、細胞を捕捉したフィルターに前処理溶液の供給により水圧をかけ、その前処理溶液の流れ方向に引き剥がさせる方法、又は、遠心分離によって捕捉した細胞をフィルターから引き剥がす方法、である。圧力は細胞の捕捉状況によって変える。例えば、切断片の表面付近に捕捉されている場合、0.01MPa以上の圧力で引き剥がすことができる。さらに、表面に非接着処理等の改質層を設けたフィルターの場合、0.001MPa以上の圧力で引き剥がすことができる。また、フィルター内部に捕捉されている場合、0.1MPa以上の圧力で引き剥がすことができる。なお、前処理操作の作業効率の観点から、0.5MPa以上の圧力を印加することが好ましい。また、印加する圧力の上限は、フィルターが耐えられる圧力であればよく、例えば、100MPa以下が好ましく、50MPa以下がより好ましく、10MPa以下がさらに好ましい。
また、上記とは異なる前処理工程としては、まず、上記回収工程とは用いる溶液が異なるだけで同一の操作により(すなわち、切断片を前処理溶液と直接接触させるだけで)、細胞を前処理溶液中に懸濁し、この前処理溶液を再度分離工程及び切断工程に付す操作が挙げられる。このとき、前処理工程、分離工程及び切断工程をさらに繰り返す操作を行ってもよい。
このように、前処理工程、分離工程及び切断工程を繰り返すことで、細胞の培養方法に供される懸濁液中に含まれている不純物濃度を低減して、捕捉対象の細胞を得ることができる。なお、この操作は、捕捉対象の細胞の濃度も同様に低減していくため、細胞濃度がある程度高い場合に行われる。
そして、上記したような前処理工程を行う場合は、前処理溶液を収容でき、その前処理工程を行うための前処理容器を設ければよい。なお、上記したように前処理において超音波振動の付与、電圧印加、圧力印加、等を行う場合には、それに応じて超音波振動手段、電圧印加手段、圧力印加手段等を設ければよい。これらの付加手段は、それぞれ公知のものが用いられる。
本実施形態の細胞の培養方法は、細胞を効率良く、純度を良好に回収、培養できる。この培養にあたっては、一旦フィルター上に細胞を捕捉するため、培養前にフィルター上で細胞の観察をする構成とできる。この場合、フィルターは観察に適したガラス等が好ましい。
10…細胞の培養装置、11…分離手段、11a…フィルター、12…観察手段、13…切断手段、14…培養手段、21…制御手段

Claims (11)

  1. 捕捉対象の細胞を含む懸濁液をろ過して、フィルターに前記細胞を捕捉する分離工程と、
    前記フィルターに捕捉された前記細胞の位置を特定し、前記フィルターの前記細胞を含む領域を切断した切断片を得る切断工程と、
    前記切断片を、前記細胞の液体培地と接触させることで、前記細胞を前記液体培地中に回収する回収工程と、
    前記回収された細胞を、前記液体培地中で培養する培養工程と、
    を有することを特徴とする細胞の培養方法。
  2. 前記細胞が、血中循環腫瘍細胞(CTC)である請求項1に記載の細胞の培養方法。
  3. 前記フィルターは、樹脂又はガラス製である請求項1又は2に記載の細胞の培養方法。
  4. 前記フィルターは、その平均細孔径が1〜50μmの範囲内にある請求項3に記載の細胞の培養方法。
  5. 前記フィルターは、その表面に細胞非接着処理が施されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞の培養方法。
  6. 前記切断工程において、前記切断片上の細胞を10個以下とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞の培養方法。
  7. 前記切断工程において、前記フィルターに、切断する前記領域の形状に沿ったブレードを押し当てて前記切断片を得る請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞の培養方法。
  8. 前記培養工程が、前記細胞を培養基質上にて接着培養する請求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞培養方法。
  9. 前記培養基質の表面が、フィーダー細胞、細胞由来抽出物、タンパク質、ペプチド又は合成高分子で表面処理されたものである請求項8に記載の細胞の培養方法。
  10. 捕捉対象の細胞を含む懸濁液のろ過により、前記細胞を捕捉できるフィルターを有する分離手段と、
    前記フィルターの前記細胞が捕捉された領域を切断して切断片を得るための切断手段と、
    前記細胞の液体培地を収容し、前記細胞を培養できる培養手段と、
    前記切断片を前記液体培地中にて懸濁させることで、前記細胞を前記液体培地中に回収するための回収手段と、
    を有することを特徴とする細胞の培養装置。
  11. さらに、前記フィルター上に捕捉された前記細胞の位置を特定可能な観察手段を有する請求項10に記載の細胞の培養装置。
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