JP2018174438A - Ip通話録音システムおよびip電話システムの接続経路制御方式 - Google Patents

Ip通話録音システムおよびip電話システムの接続経路制御方式 Download PDF

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Abstract

【課題】通話録音の保守の負担およびコストを軽減し、データ転送を円滑化するIP通話録音システムを提供。【解決手段】IP通話録音システム40において、IP電話交換機12およびLANスイッチ16、18、20、22は、IP電話交換機12をコントローラとしてLANスイッチ16、18、20、22などの中継機器を介するデータ転送を制御するように統一して規定されたネットワーク仮想化制御手順を利用する。IP電話交換機12は、IP電話端末14に対する通話録音のために、IP電話端末14を送信元または送信先とする通話パケットの通話録音装置24へのポートミラーリングを設定するように、ネットワーク仮想化制御手順を利用して電話接続用LANスイッチ18を制御する。電話接続用LANスイッチ18は、これに応じてIP電話端末14にポートミラーリングを設定し、IP電話端末14と他の電話端末との間の通話パケット42の複製データ46を通話録音装置24へ転送する。【選択図】図2

Description

本発明は、一般的にはIP(Internet Protocol)電話システムの接続経路制御、より具体的にはIPネットワークを介した音声通信による通話を録音するIP通話録音システムに関するものである。
IPネットワークを介して音声通信(すなわち、通話)を行なうIP電話システムには、システム全体を統括制御するIP電話交換機と、電話機であるIP電話端末とが備えられている。IPネットワーク上には、LAN(Local Area Network)スイッチやルータなどの中継機器が配置されていて、IP電話交換機およびIP電話端末は、これらの中継機器に中継されて接続される。なお、IP電話システムでは、公衆電話網がゲートウェイを介して何れかの中継機器に接続されている。また、企業などに備わる構内IPネットワークがルータを介して何れかの中継機器に接続されることもある。
また、IP電話システムには、IPネットワーク上に通話録音装置を備えて、通話録音を行なうIP通話録音システムとして機能するものがある。IP通話録音システムでは、2つ以上のIP電話端末間で音声通信がされる間に、IP電話端末が接続されているLANスイッチがポートミラーリングを実行すると、その通話パケットの複製データがIPネットワークを介して通話録音装置へ転送される。通話録音装置は、この複製データをキャプチャして録音することができる。
たとえば、特開2007-282004号公報(特許文献1)には、ネットワーク上を流れる音声パケットの通話をモニタまたは録音する音声モニタリング録音システムが開示されている。このシステムは、ネットワーク上を流れる音声パケットの通話をモニタまたは録音する際に、モニタまたは録音する音声パケットに該当するパケットが音声モニタ装置に誘導されるようにネットワーク機器に指示する制御装置と、この制御装置の指示によりネットワーク機器から送信されてきたパケットを受信し、音声のモニタまたは録音を行なう音声モニタ装置とを備えている。
特開2007-282004号公報
IP電話システムでは、IP電話端末やゲートウェイなどの発信元端末からの通話パケットを通話録音する際に、発信元端末が接続されている電話接続用LANスイッチから通話録音装置が接続されている集約用LANスイッチまで通話パケットを転送する必要がある。また、電話接続用LANスイッチから集約用LANスイッチまでには、途中の通信経路を中継する中継用LANスイッチも配置されている。そのため、通話パケットを確実に転送するには、これらの様々なLANスイッチのそれぞれに対して、ポートミラーリング設定などのデータ転送に必要な機器設定を事前に個別に行なっておく必要がある。したがって、システム管理者やネットワーク作業者などの保守者にとって作業負担の増大となる。
たとえば、多数のIP電話端末やゲートウェイが設置される大規模な構内IPネットワークでは、1台の電話接続用LANスイッチが保有するポートにすべてのIP電話端末を接続できるとは限らない場合がある。この場合、構内IPネットワークでは、2台以上の電話接続用LANスイッチを必要とし、さらにこれらのLANスイッチを集約する中継用LANスイッチが必要となる。また、通話録音装置が構内IPネットワークとは異なる拠点、すなわち外部拠点に設置されている場合には、構内IPネットワークから通話録音装置まで通話パケットの複製データを転送するために、様々なLANスイッチやルータなどの中継機器を経由させる必要がある。このため、通話録音するためには、構内IPネットワーク内の中継機器だけでなく、外部転送用の中継機器にも、上記のような機器設定を行なう必要がある。したがって、IP通話録音システムの規模が大きくなるほど、保守者の作業負担がより増大する。
通話録音装置は、録音データを蓄積するために大容量のハードディスクなどの記録媒体を備える必要がある。このような大容量記録媒体は、高価であるため、IP電話システムでは、1台だけ通話録音装置を設置することが多い。しかし、IP電話システムにおいて、1台の通話録音装置に対するIP電話端末やゲートウェイなどの発信元端末の収容数が増加するほど、発信元端末を接続するLANスイッチやIP電話システムを構成する中継機器の設置数も増加する。また、発信元端末の収容数および中継機器の設置数の増加に伴って、システム構成が複雑化し、これらの中継機器に対する機器設定が複雑化することになる。
中継機器に対する機器設定を行なう場合、その中継機器は一時的に使用できなくなるため、保守者は、短時間で機器設定を行なう必要がある。しかし、IP電話システムが大規模になると、多数の中継機器に対する機器設定が必要となり、保守者の短時間で作業しなければならない作業負担が増大するため、設定ミスの機会が増大することがある。また、中継機器には、様々なベンダ製品が適用されることがあり、中継機器毎の直接的な操作による機器設定では、様々なベンダ製品に応じて異なる取り扱いを行なう場合がある。すると、IP電話端末やゲートウェイなどの発信元端末の接続位置が変更されたときに、保守者による各中継機器の機器設定は非常に困難となる。
このように、大規模なIP電話システムでは、1台の通話録音装置に対応するすべてのIP電話端末やゲートウェイなどの発信元端末のすべての位置を考慮して機器設定を事前に行なうことは非常に困難であるため、複数の通話録音装置を備える場合がある。このような場合、発信元端末の拠点や設置フロアなどの設置範囲が予め物理的に限定されて、それぞれの通話録音装置がカバーする範囲が定められる。そこで、IP電話システムでは、各通話録音装置を利用するための機器設定を、対応する設置範囲内の発信元端末に関して接続される中継機器に限定して行なう。しかし、通話録音装置を多数備えているために、システム構成費用が増大するという問題が生じる。
さらに、多数の発信元端末が設置された同一拠点内において複数の電話接続用LANスイッチを集約するように構成された集約用LANスイッチでは、各電話接続用LANスイッチでポートミラーリングされた通話パケットの複製データが電話接続用LANスイッチ同士のトランキング接続箇所に大量に流入することがある。すると、この集約用LANスイッチを介して通常のパケットを転送するための通信帯域を圧迫するという問題が生じる。また、通話録音装置が構内IPネットワークの外部拠点に設置されている場合に、構内IPネットワーク内の多数の発信元端末が接続された電話接続用LANスイッチから通話パケットの複製データを転送すると、構内IPネットワーク内の通信回線の通信帯域を圧迫するという問題が生じる。このような問題を解消するために、より大きな通信帯域の通信回線を用いて構内IPネットワークを構成すると、回線費用が増大するという更なる問題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑み、IPネットワーク上の通話録音の保守の負担およびコストを軽減し、IPネットワーク上のデータ転送を円滑化するIP通話録音システムを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、より一般的には、IPネットワーク上の設定作業の負担およびコストを軽減し、IPネットワーク上のデータ転送を円滑化するIP電話システムの接続経路制御方式を提供することである。
本発明によれば、上述の課題を解決するために、IPネットワークを介して音声通信のために接続されたIP電話端末に対する通話をIPネットワーク上の通話録音装置へ送信して録音するIP通話録音システムは、IP電話端末の呼制御を行なうIP電話交換機と、IP電話端末に対するデータ転送、およびIP電話端末とIP電話交換機との間のデータ転送を中継する中継機器(LANスイッチ)とを備え、IP電話交換機および中継機器は、IP電話交換機をコントローラとして中継機器を介するデータ転送を制御するように統一して規定されたネットワーク仮想化制御手順を利用するように構成され、IP電話交換機は、IP電話端末が他の電話端末に対して行なう音声通信の通話録音のために、このIP電話端末を送信元または送信先とする通話パケットの通話録音装置へのポートミラーリングを設定するように、ネットワーク仮想化制御手順を利用して、IP電話端末と他の電話端末との間の通信経路上にある中継機器を制御する録音開始受付処理を行ない、中継機器は、録音開始受付処理に応じてIP電話端末にポートミラーリングを設定し、IP電話端末と他の電話端末との間の通話パケットの複製データを通話録音装置へ転送する複製データ転送処理を行なう。
本願に開示の発明概念は、後述の特許請求の範囲の記載以外の態様で定義してもよい。発明概念は、とりわけ明示的もしくは暗示的サブタスクまたは達成する利点の観点から本発明を考察すると、いくつかの別個の発明から成ることがある。そのような場合、請求項に記載の属性のうちのいくつかは、別個の発明概念の観点から余分なことがある。基本的発明概念の枠組み内であれば、様々な実施例の特徴事項を他の実施例について適用可能である。
たとえば、本発明はIP電話システムの接続経路制御と捉えてもよい。より詳細には、本発明は、ネットワーク仮想化制御機能付きのIP電話交換機の制御の下に、システム内にあるIPネットワーク環境の各ネットワーク機器に対してIP電話端末などの収容機器の状態に応じて一時的にIP通信のための接続経路を形成する仕組みを備えたIP電話システムと捉えてもよい。IP通話録音システムを例にとれば、IP電話システムの接続経路制御は、ポートミラーリング設定のための接続経路の制御と捉えられる。
本発明によるIP通話録音システムでは、中継機器のすべてに対してポートミラーリング設定などの機器設定を事前に行なう必要はなく、通話録音の対象となるIP電話端末が接続されている中継機器の特定のポートに限定してポートミラーリングを、直接的な設定操作なしに自動的に設定することができる。また、多数の中継機器からなるシステム構成が複雑化した場合でも、簡易な手法で短時間に機器設定を行なうことができる。そのため、システム管理者やネットワーク作業者などの保守者の作業負担を軽減することが可能となり、設定ミスを抑制することができる。
本IP通話録音システムでは、通話録音をしないIP電話端末が接続されている中継機器のポートに対しては、ポートミラーリングが設定されないので、通話パケットの複製データが無用にIPネットワークに伝播することはない。そのため、通信帯域の圧迫が回避され、通話録音装置に記録する複製データの容量を節減することができる。これにより、通信回線費用および通話録音装置の設備費用を削減することができる。
また、IP電話端末の通話録音を行なって、後に録音内容を確認したいという企業などの利用者要望に対応して、利用者のコンプライアンス遵守の徹底や業務品質の向上に貢献することができる。
このように本発明は、本発明が利用可能なIPネットワーク環境であれば、IP通話録音などのIP電話交換機の付加機能の実現に際して、効果的に適用される。
本発明に係るIP通話録音システムが適用されるIP電話システムの実施例の概略的な構成を示すブロック図である。 図1に示すIP通話録音システムの実施例の概略的な構成を示すブロック図である。 図1に示す実施例のIP通話録音システムにおいて、IP電話端末の手動操作に応じた通話録音の開始動作の手順を示すシーケンスチャートである。 図1に示す実施例のIP通話録音システムにおいて、自動的な通話録音の開始動作の手順を示すシーケンスチャートである。 図1に示す実施例のIP通話録音システムにおいて、IP電話端末の手動操作に応じた通話録音の停止動作の手順を示すシーケンスチャートである。 図1に示す実施例のIP通話録音システムにおいて、自動的な通話録音の停止動作の手順を示すシーケンスチャートである。
次に、添付図面を参照して、本発明によるIP(Internet Protocol)通話録音システムの実施例を詳細に説明する。たとえば、本実施例のIP通話録音システム40は、IP電話システム10に適用され、IP電話システム10では、図1に示すように、IP電話交換機12と複数のIP電話端末14とが、VoIP(Voice over Internet Protocol)環境で音声通信(すなわち、通話)を可能とするIPネットワーク上のLAN(Local Area Network)スイッチ16、18、20、22などの中継機器に中継されて接続されている。なお、本明細書および各図において、これらの電話端末やスイッチなどの機器の数は、例示に過ぎず、本発明を何ら限定するものでない。
また、IP電話システム10は、ネットワーク仮想化制御手順を用いて、IP電話端末14の通話パケットの複製データ(すなわち通話)を、LANスイッチ18に接続されている通話録音装置24に録音するようにIP通話録音システム40を構成している。ネットワーク仮想化制御手順は、IP電話交換機12をコントローラとして、LANスイッチ16、18、20、22などの中継機器で中継されるデータ転送を制御するように、仮想化ネットワーク内で統一して規定される。ネットワーク仮想化制御手順は、ソフトウェア技術によって、動的なネットワークを仮想化するとともに、仮想化ネットワークの制御を行なうSDN(Software Defined Networking)を実現する規定であり、たとえば、OpenFlowなどの通信プロトコルを利用して規定されてもよい。
IP電話システム10では、所定のLANスイッチ20に対してルータ26やゲートウェイ28などの他の中継機器が接続され、ゲートウェイ28には、公衆電話網30が接続されている。ルータ26は、異なる2つのIPネットワーク、たとえば、公衆IPネットワークと構内IPネットワーク32との間で転送される通信パケットを中継する。
IP電話交換機12は、複数のIP電話端末14の相互間や、ゲートウェイ28に収容された公衆電話網30の回線、したがってその加入電話端末(図示せず)とIP電話端末14との間の音声通信に関する呼制御を行なう機器である。本実施例のIP電話交換機12は、通常の呼制御手順を用いて呼制御信号および通信パケットの転送とその設定をすることができる一方、ネットワーク仮想化制御手順を用いて通信パケットおよび制御データの転送とその設定をすることもできる。IP電話交換機12は、上記したように、ネットワーク仮想化制御手順を用いてシステム全体を統括制御する仮想化ネットワークコントローラとして機能する。IP電話交換機12は、たとえば、ネットワーク仮想化制御手順において統一された様々な制御データをLANスイッチ16、18、20、22やルータ26へ送信して制御することができる。
本実施例において、ネットワーク仮想化制御手順には、たとえば、録音開始受付処理および録音停止受付処理がある。録音開始受付処理では、IP電話交換機12は、IP電話端末14を送信元または送信先とする通話パケットの通話録音装置24へのポートミラーリングを設定するように、LANスイッチ16、18、20、22やルータ26へ制御データを送信する。録音停止受付処理では、IP電話交換機12は、上記の録音開始受付処理によって設定されたポートミラーリングを解除するように、LANスイッチ16、18、20、22やルータ26へ制御データを送信する。
たとえば、IP電話交換機12は、IP電話端末14からの通話録音要求および通話録音停止要求に応じてそれぞれ録音開始受付処理および録音停止受付処理を行なう。あるいは、IP電話交換機12は、IP電話端末14の属性として通話録音の自動開始の設定を受け付け、その場合は、自動的に録音開始受付処理を行なう。たとえば、一のIP電話端末14について通話録音の自動開始が設定されている場合、IP電話交換機12は、一のIP電話端末14と他のIP電話端末14との間の音声通信の呼制御において、一のIP電話端末14からの発呼に対して他のIP電話端末14が応答したときに、自動的に録音開始受付処理を行なう。また、IP電話交換機12は、一のIP電話端末14と他のIP電話端末14との間の音声通信の接続が切断されたときに、自動的に録音停止受付処理を行なう。
また、ネットワーク仮想化制御手順には、制御されるIPネットワークを構成する中継機器の状態確認処理がある。この状態確認処理では、仮想化ネットワークの対応機器であるLANスイッチ16、18、20、22やルータ26は、たとえば、上記の録音開始受付処理および録音停止受付処理に応じてそれぞれポートミラーリングの設定または解除を完了したときに、ポートミラーリングの設定または解除の実行状態を示す制御データすなわち制御信号をIP電話交換機12に向けて発信することができる。
さらに、ネットワーク仮想化制御手順には、通話録音の開始通知処理および停止通知処理がある。IP電話交換機12は、上記の状態確認処理に応じてIP電話端末14についてポートミラーリングの設定または解除の実行状態を取得すると、そのIP電話端末14に対してそれぞれ通話録音の開始および停止を制御データで通知する。
IP電話交換機12は、ネットワーク仮想化制御手順の上位アプリケーションとして、通信パケットの転送およびその設定を行なうために定義されたアプリケーションプログラミングインタフェース(API:Application Programming Interface)を保有している。システム管理者やネットワーク作業者などの保守者は、このAPIを利用して、IP電話システム10における通信パケットの転送とその設定を制御することが可能となる。たとえば、ネットワーク仮想化制御手順のAPIは、上記の録音開始受付処理および録音停止受付処理、中継機器の状態確認処理、通話録音の開始通知処理および停止通知処理を実行可能なインタフェースを含む。
IP電話端末14は、VoIP環境に対応して通話が可能であれば、IP電話機、パーソナルコンピュータなどの様々な端末が適用されてよい。IP電話端末14は、ネットワーク仮想化制御手順を用いて、通話録音の開始および停止をそれぞれ要求する通話録音要求および通話録音停止要求をIP電話交換機12へ送信可能に構成されている。
たとえば、IP電話端末14は、録音ボタンや特番ダイヤルなどの操作手段に応動して通話録音要求および通話録音停止要求をIP電話交換機12へ送信するように構成してよい。録音ボタンは、単一に設けて、操作するごとに録音開始と録音停止とを交互に切り換えるように構成してもよい。また、IP電話端末14は、IP電話交換機12からの通話録音の開始通知および停止通知を発呼者もしくは被呼者などのユーザに報知する報知手段を有する。IP電話端末14は、たとえば、報知手段として、可視表示素子を備えた録音ボタンを構成し、録音中と録音停止中とで録音ボタンの点灯および消灯を切り換えてもよい。これに加えて、またはこれに代わって、録音開始時および録音停止時にブザーを鳴動させるなどの可聴表示機能を備えてもよい。
LANスイッチ16、18、20、22やルータ26は、複数のIP電話端末14の相互間や、ゲートウェイ28に収容された公衆電話網30の局線、したがってその加入電話端末(図示せず)とIP電話端末14との間の音声通信に関する呼制御信号や通話パケットを中継する機器である。LANスイッチ16、18、20、22には、IP電話交換機12が接続されている交換機接続用LANスイッチ16、IP電話端末14やゲートウェイ28などの発信元端末が接続されている電話接続用LANスイッチ18、交換機接続用LANスイッチ16、電話接続用LANスイッチ18およびルータ26を統一して集約する集約用LANスイッチ20、複数の電話接続用LANスイッチ18を拠点やフロアなどの特定の集合ごとに中継する中継用LANスイッチ22がある。なお、集約用LANスイッチ20には、通話録音装置24も接続されている。
本実施例のLANスイッチ16、18、20、22やルータ26は、上記したように、仮想化ネットワークの対応機器であり、通常の制御手順を用いて呼制御信号および通信パケットの転送とその設定をすることができる一方、ネットワーク仮想化制御手順を用いて通信パケットおよび制御データの転送とその設定をすることもできる。LANスイッチ16、18、20、22やルータ26は、IP電話交換機12からの制御データに基づいて制御される。
たとえば、電話接続用LANスイッチ18は、特定のIP電話端末14について、ネットワーク仮想化制御手順を用いたポートミラーリングの設定または解除の制御データをIP電話交換機12から受信する。このとき、電話接続用LANスイッチ18は、そのIP電話端末14を送信元または送信先とする通話パケットの複製データを通話録音装置24へ転送するためのポートミラーリングを、IP電話端末14が接続されているポートに対して設定または解除する。電話接続用LANスイッチ18は、こうして特定のIP電話端末14について設定されたポートミラーリングを利用して、そのIP電話端末14を送信元または送信先とする通話パケットの複製データを生成して通話録音装置24へ転送する複製データ転送処理を行なうように構成されている。
電話接続用LANスイッチ18は、上記したように、ネットワーク仮想化制御手順による状態確認処理を実行可能であり、特定のIP電話端末14のポートミラーリングの設定または解除の実行状態を示す制御データをIP電話交換機12へ転送する。
通話録音装置24は、ハードディスクなどの記録媒体を備えて構成されている。IP電話システム10において、本実施例では1台の通話録音装置24が備えられているが、最小限の台数、たとえば、数台の通話録音装置24が備えられてもよい。通話録音装置24は、集約用LANスイッチ20に接続されていて、特定のIP電話端末14について電話接続用LANスイッチ18から転送される通話パケットの複製データをキャプチャして記録すなわち録音する。なお、通話録音装置24は、録音した音声をIP電話端末14で再生させるために、対応する通話パケットの複製データをそのIP電話端末14へ転送することもできる。
次に、本実施例のIP電話システム10において、図2に示す一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとが相互に音声通信を行なう際に、一のIP電話端末14aの手動操作に応動して通話録音を開始する動作例を図3のシーケンスチャートを参照して説明する。図2において、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとの間で通常の制御手順で転送される通話パケットは太い実線42で示し、一のIP電話端末14aの通信経路上の電話接続用LANスイッチ18aでのミラーリングおよびその複製データは二点鎖線44および46で示している。なお、図2および図3では、図1に示すシステム構成を簡略化して、交換機接続用LANスイッチ16および中継用LANスイッチ22の図示を省略している。また、以下では、データ転送における交換機接続用LANスイッチ16および中継用LANスイッチ22やルータ26の中継の説明も省略する。
先ず、IP電話システム10では、一のIP電話端末14aが他のIP電話端末14bとの通話を開始しようとするとき、一のIP電話端末14aは、他のIP電話端末14bを被呼先とする発呼信号を発信し、これは電話接続用LANスイッチ18aおよび集約用LANスイッチ20を介してIP電話交換機12へ送信される(ステップS102)。
IP電話交換機12は、この発呼を受け付けると(ステップS104)、他のIP電話端末14bに向けて呼出制御信号を発信し、これは集約用LANスイッチ20および電話接続用LANスイッチ18bを介して呼出信号の形で他のIP電話端末14bへ送信される(ステップS106)。
他のIP電話端末14bは、この呼出信号を受信すると、着信鳴動する(ステップS108)。そこで、他のIP電話端末14bの被呼者が端末14bを操作して着信に応答すると、他のIP電話端末14bは、応答信号を発信し、これは電話接続用LANスイッチ18bおよび集約用LANスイッチ20を介してIP電話交換機12へ送信される(ステップS110)。
IP電話交換機12は、他のIP電話端末14bからの応答信号を受信して確認すると、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとの間で呼接続するように通話開始制御を行なう(ステップS112)。これにより、一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14bは、呼接続状態となり(ステップS114)、LANスイッチ16、18、20、22やルータ26の通常の制御手順によるパケット転送処理によって通話パケットを相互転送可能となる。
このように、一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14bが呼接続状態である間に、一のIP電話端末14aの発呼者が端末14aを手動操作して録音ボタンを押下するなどの録音操作をすると(ステップS116)、一のIP電話端末14aは、通話録音要求信号を発信し、これは電話接続用LANスイッチ18aおよび集約用LANスイッチ20を介してIP電話交換機12へ送信される(ステップS118)。
IP電話交換機12は、一のIP電話端末14aから通話録音要求信号を受信すると、ネットワーク仮想化制御手順による録音開始受付処理を実行して(ステップS120)、一のIP電話端末14aを送信元または送信先とする通話パケットの通話録音装置24へのポートミラーリングを設定するように、集約用LANスイッチ20を介して電話接続用LANスイッチ18aへ制御データを送信する(ステップS122)。
電話接続用LANスイッチ18aは、この制御データに応動して、一のIP電話端末14aを送信元または送信先とする通話パケットの複製データを通話録音装置24へ転送するために、ネットワーク仮想化制御手順によるポートミラーリングの設定を行なう(ステップS124)。電話接続用LANスイッチ18aは、このポートミラーリングの設定を完了すると、状態確認処理を実行し、ポートミラーリングの設定完了を示す実行状態を示す信号を発信して、これは集約用LANスイッチ20を介してIP電話交換機12へ送信される(ステップS126)。
IP電話交換機12は、電話接続用LANスイッチ18aから一のIP電話端末14aのポートミラーリングの設定完了の実行状態を示す信号を受信して確認する。そこで、IP電話交換機12は、ポートミラーリングの設定完了後に、通話録音の開始通知を、集約用LANスイッチ20および電話接続用LANスイッチ18aを介して一のIP電話端末14aへ送信する(ステップS128)。
一のIP電話端末14aは、IP電話交換機12からの通話録音の開始通知に応動して、通話録音の開始を上記の報知手段によって発呼者に報知することができる。
一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとの間の通話パケット42(図2)は、電話接続用LANスイッチ18aのポートミラーリング44によって複製され、その複製データ46は、集約用LANスイッチ20を介して通話録音装置24へ転送される。通話録音装置24がこの複製データ46を記録することによって、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとの間の通話パケット42の内容が録音される(ステップS130)。
なお、上記の動作説明では省略したが、中継用LANスイッチ22やルータ26がIP電話端末14aと他のIP電話端末14bのポートミラーリング44を中継するルートに含まれる場合には、上記と同様なポートミラーリング登録設定が反映されるものとする。
次に、本実施例のIP電話システム10において、図2に示す一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとが相互に音声通信を行なう際に、自動的に通話録音を開始する動作例を図4のシーケンスチャートを参照して説明する。なお、図4でも、交換機接続用LANスイッチ16、中継用LANスイッチ22およびルータ26の図示を省略し、以下では、データ転送における交換機接続用LANスイッチ16、中継用LANスイッチ22およびルータ26の中継の説明を省略する。
この動作例において、一のIP電話端末14aの発呼に対して他のIP電話端末14bが応答するまでの動作(ステップS202〜S210)は、図3に示す手動操作時の動作例(ステップS102〜S110)と同様である。また、IP電話交換機12では、一のIP電話端末14aの属性として通話録音の自動開始が設定されている。
IP電話交換機12は、他のIP電話端末14bからの応答信号を受信して確認すると、本例では発呼元の一のIP電話端末14aについて通話録音の自動開始が設定されているので、自動的にネットワーク仮想化制御手順による録音開始受付処理を実行する(ステップS212)。そこで、IP電話交換機12は、図3に示す手動操作時の動作例(ステップS122)と同様にして、ネットワーク仮想化制御手順によるポートミラーリングの設定の制御データを電話接続用LANスイッチ18aへ送信する(ステップS214)。
電話接続用LANスイッチ18aは、この制御データに応動してポートミラーリングの設定を行ない(ステップS216)、状態確認処理を実行して、ポートミラーリングの設定完了を示す実行状態を示す信号をIP電話交換機12へ送信する(ステップS218)。
IP電話交換機12は、この実行状態信号を受信してポートミラーリングの設定完了を確認すると、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとの間で呼接続するように通話開始制御を行ない(ステップS220)、図3に示す手動操作時の動作例(ステップS114)と同様に、一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14bは、呼接続状態となる(ステップS222)。その後、一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14b間で転送される通話パケット42は、一のIP電話端末14aのポートミラーリングが設定されているので、図3に示す手動操作時の動作例(ステップS130)と同様に、通話録音装置24にその内容が録音されることになる(ステップS224)。なお、IP電話交換機12は、ポートミラーリングの設定完了後に、通話録音の開始通知を一のIP電話端末14aへ送信してもよい。
なお、上記の動作説明では省略したが、中継用LANスイッチ22やルータ26がIP電話端末14aと他のIP電話端末14bのポートミラーリング44を中継するルートに含まれる場合には、上記と同様なポートミラーリング登録設定が反映されるものとする。
次に、本実施例のIP電話システム10において、一のIP電話端末14aの手動操作に応動して通話録音を停止する動作例を図5のシーケンスチャートを参照して説明する。なお、図5でも、交換機接続用LANスイッチ16、中継用LANスイッチ22およびルータ26の図示を省略し、以下では、データ転送における交換機接続用LANスイッチ16、中継用LANスイッチ22およびルータ26の中継の説明を省略する。
先ず、IP電話システム10では、上記した動作例(ステップS114またはS222、ならびにステップS130またはS224)のように、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとが呼接続状態(ステップS302)であって、かつ一のIP電話端末14aの通話に対して通話録音が行なわれている(ステップS304)。
このとき、発呼者が一のIP電話端末14aを手動操作して録音ボタンなどで録音停止操作をすると(ステップS306)、一のIP電話端末14aは、通話録音停止要求信号を発信して、これは電話接続用LANスイッチ18aおよび集約用LANスイッチ20を介してIP電話交換機12へ送信される(ステップS308)。
IP電話交換機12は、一のIP電話端末14aから通話録音停止要求信号を受信すると、ネットワーク仮想化制御手順による録音停止受付処理を実行して(ステップS310)、一のIP電話端末14aについて設定されているポートミラーリングを解除するように、集約用LANスイッチ20を介して電話接続用LANスイッチ18aへ制御データを送信する(ステップS312)。
電話接続用LANスイッチ18aは、この制御データに応動して、一のIP電話端末14aについて設定されているネットワーク仮想化制御手順によるポートミラーリングの解除を行なう(ステップS314)。これにより、一のIP電話端末14aの通話パケット42の複製データ46が生成されず、通話録音装置24に転送されることもなくなるので、通話録音装置24では、一のIP電話端末14aの通話パケットが録音されなくなる(ステップS316)。また、電話接続用LANスイッチ18aは、このポートミラーリングの解除を完了すると、状態確認処理を実行し、ポートミラーリングの解除完了を示す実行状態信号を発信して、これは集約用LANスイッチ20を介してIP電話交換機12へ送信される(ステップS318)。
IP電話交換機12は、電話接続用LANスイッチ18aから一のIP電話端末14aのポートミラーリングの解除完了の実行状態信号を受信して確認する。そこで、IP電話交換機12は、ポートミラーリングの解除完了後に、通話録音の停止通知を、集約用LANスイッチ20および電話接続用LANスイッチ18aを介して一のIP電話端末14aへ送信する(ステップS320)。
一のIP電話端末14aは、IP電話交換機12からの通話録音の停止通知に応動して、通話録音の停止を上記の報知手段によって発呼者に報知することができる。
なお、上記の動作説明では省略したが、中継用LANスイッチ22やルータ26がIP電話端末14aと他のIP電話端末14bのポートミラーリング44を中継するルートに含まれる場合には、上記と同様なポートミラーリング登録設定が反映されるものとする。
次に、本実施例のIP電話システム10において、自動的に通話録音を停止する動作例を図6のシーケンスチャートを参照して説明する。なお、図6でも、交換機接続用LANスイッチ16、中継用LANスイッチ22およびルータ26の図示を省略し、以下では、データ転送における交換機接続用LANスイッチ16、中継用LANスイッチ22およびルータ26の中継の説明を省略する。
先ず、IP電話システム10では、上記した動作例(ステップS114、S222またはS302、並びにステップS130、S224またはS304)のように、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとが呼接続状態(ステップS402)であって、かつ一のIP電話端末14aの通話に対して通話録音が行なわれている(ステップS404)。
このとき、発呼者が通話切断を行なうために、一のIP電話端末14aのハンドセットのオンフックなどの呼切断操作を行なうと(ステップS406)、一のIP電話端末14aは、通話切断要求信号を発信して、これは電話接続用LANスイッチ18aおよび集約用LANスイッチ20を介してIP電話交換機12へ送信される(ステップS408)。
IP電話交換機12は、通話切断要求信号を受け付けると(ステップS410)、一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14bに向けて通話終了信号を発信して、これは集約用LANスイッチ20および電話接続用LANスイッチ18bを介して他のIP電話端末14bへ送信される(ステップS412)。
一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14bは、IP電話交換機12から通話終了信号を受信することで、通話の終了を認識し、一のIP電話端末14aは、同時に、通話録音の停止を認識して、通話録音の停止を上記の報知手段によって発呼者に報知することができる。
IP電話交換機12は、通話切断要求を受け付けた時点で(ステップS410)、一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14b間の呼接続を切断し(ステップS414)、一のIP電話端末14aを送信元または送信先とする通話パケット42の転送を停止する。なお、電話接続用LANスイッチ18aでは、一のIP電話端末14aについてネットワーク仮想化制御手順によるポートミラーリングが設定されているが、一のIP電話端末14aの通話パケット42が発生せず、複製データ46が生成されることもない。
さらに、IP電話交換機12は、一のIP電話端末14aおよび他のIP電話端末14b間の呼接続の切断を行なうとき(ステップS414)、自動的に、ネットワーク仮想化制御手順による録音停止受付処理を実行する(ステップS416)。そこで、IP電話交換機12は、図5に示す手動操作時の動作例(ステップS312)と同様にして、ネットワーク仮想化制御手順によるポートミラーリングの解除の制御データを電話接続用LANスイッチ18aへ送信する(ステップS418)。
電話接続用LANスイッチ18aは、この制御データに応動してポートミラーリングの解除を行なう(ステップS420)。これにより、一のIP電話端末14aの通話パケットの複製データが生成されず、転送されることもないので、通話録音装置24では、一のIP電話端末14aの通話パケット42の内容が録音されなくなる(ステップS422)。また、電話接続用LANスイッチ18aは、状態確認処理を実行して、ポートミラーリングの解除完了を示す実行状態をIP電話交換機12へ送信する(ステップS424)。
そこで、IP電話交換機12は、この実行状態を示す信号を受信してポートミラーリングの設定完了を確認する。
なお、上記の動作説明では省略したが、中継用LANスイッチ22やルータ26がIP電話端末14aと他のIP電話端末14bのポートミラーリング44を中継するルートに含まれる場合には、上記と同様なポートミラーリング登録設定が反映されるものとする。
なお、上記の自動的な通話録音の停止動作は、IP電話端末14からの手動操作での通話録音要求に応じて設定されたポートミラーリングでも、また自動的に設定されたポートミラーリングでも、同様である。
要約すると、本実施例のIP通話録音システム40では、IP電話交換機12およびLANスイッチ16、18、20、22やルータ26は、IP電話交換機12をコントローラとしてLANスイッチ16、18、20、22やルータ26などの中継機器を介するデータ転送を制御するように統一して規定されたネットワーク仮想化制御手順を利用するように構成されている。そこで、IP電話交換機12は、一のIP電話端末14aに対する通話録音のために、一のIP電話端末14aを送信元または送信先とする通話パケットの通話録音装置24へのポートミラーリングを設定するように、ネットワーク仮想化制御手順を利用して、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとの間の通信経路上の電話接続用LANスイッチ18aを制御する録音開始受付処理を行なう。電話接続用LANスイッチ18aは、録音開始受付処理に応じて一のIP電話端末14aにポートミラーリングを設定し、一のIP電話端末14aと他のIP電話端末14bとの間の通話パケット42の複製データ46を通話録音装置24へ転送する。
このような構成によれば、IP通話録音システム40では、LANスイッチ16、18、20、22やルータ26などの中継機器のすべてに対してポートミラーリング設定などのデータ転送に必要な機器設定を事前に個別に行なう必要はない。本実施例のIP通話録音システム40では、通話録音の対象となる一のIP電話端末14aが接続されている特定の電話接続用LANスイッチ18aの特定のポートに限定してポートミラーリングを、直接的な設定操作なしに自動的に設定することができる。また、LANスイッチ16、18、20、22やルータ26などの多数の中継機器からなるシステム構成が複雑化した場合でも、簡易な手法で短時間に機器設定を行なうことが可能となる。そのため、システム管理者やネットワーク作業者などの保守者の作業負担を軽減することが可能となり、設定ミスを抑制することができる。
また、通話録音をしないIP電話端末14が接続されているLANスイッチ16、18、20、22のポートに対しては、ポートミラーリングが設定されないので、通話パケット42の複製データ46が無用にIPネットワークに伝播することはなく、通信帯域の圧迫を回避することができ、さらに、通話録音装置24に記録する複製データ46の容量を節減することもできる。これにより、IPネットワークの通信帯域の無駄な消費を回避することができ、また、通話録音装置24の設置台数を最小限に抑えることができ、通信回線費用および通話録音装置24の設備費用を削減して経済的な効果を得ることができる。
IP電話システム10では、たとえば、構内IPネットワーク32内において、IP電話端末14の通話録音を行なって、後に録音内容を確認したいという企業などの利用者要望が、コンプライアンス遵守の徹底や業務品質の向上を目的とするために高まっている。このような要望に対して、本発明によれば、IP電話システム10におけるIP通話録音システム40を導入し易く、利用者要望に対応して上記の目的に貢献することができる。
このような目的の場合とくに、発呼者または被呼者の何れかが外線、つまりゲートウェイ28を介して接続された公衆電話網30の加入者である外線呼が大半である。上述の図3〜図6を参照した例示的動作説明では、発呼者および被呼者の両方ともIP電話端末14の利用者であったが、このような動作例は、ゲートウェイ28がIPネットワーク内に接続される外線呼である通話パケットの扱い外線呼にも同様に有効に適用されることは、明らかであろう。
上記した実施例では、通話録音の対象のIP電話端末14が接続されている電話接続用LANスイッチ18のポートに対して、IP電話交換機12がネットワーク仮想化制御手順を用いてポートミラーリングを設定するように制御する構成であったが、本発明は、これに限定されない。たとえば、他の実施例では、仮想化ネットワークに対応した中継機器のLANスイッチ16、18、20、22やルータ26であって、IP電話端末14の通話パケットを中継するLANスイッチ16、18、20、22やルータ26のポートであれば、IP電話交換機12は、そのポートに対して、ネットワーク仮想化制御手順を用いたポートミラーリングの設定を制御することができる。
また、仮想化ネットワークに対応した中継機器のLANスイッチ16、18、20、22やルータ26間において、ポートミラーリングによる複製データを転送するポートとして、通常の制御手順によるパケット転送用のポートが用いられてもよく、あるいはポートミラーリングの複製データ転送用のポートを用意してもよい。
ところで、ネットワーク仮想化制御の観点から見ると、本発明は、IP電話システムの接続経路制御と捉えてもよい。より詳細には、本発明は、ネットワーク仮想化制御機能付きのIP電話交換機の制御の下に、システム内にあるIPネットワーク環境の各ネットワーク機器に対してIP電話端末などの収容機器の状態に応じて一時的にIP通信のための接続ルートすなわち接続経路を形成する仕組みを備えたIP電話システムと捉えることもできる。たとえば、IP通話録音システムの場合、IP電話システムの接続経路制御は、ポートミラーリング設定のための接続経路の制御と捉えられる。
このような観点からも本発明は、本発明が利用可能なIPネットワーク環境であれば、上述の実施例のように、IP通話録音などのIP電話交換機の付加機能の実現に際して、効果的に適用される。
本発明を特定の実施例を参照して説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。いわゆる当業者は、本発明の範囲および概念から逸脱しない範囲で、これらの実施例を変更または修正することができることは、認識されるべきである。たとえば、上述した各実施例の一部または全部を任意に組み合わせたり、それらを部分的に抽出したりしても、本発明の適用範囲が及ぶ。
10 IP電話システム
12 IP電話交換機
14、14a、14b IP電話端末
16、18、18a、18b、20、22 LANスイッチ
24 通話録音装置
26 ルータ
28 ゲートウェイ
30 公衆電話網
32 構内IPネットワーク
40 IP通話録音システム

Claims (11)

  1. IP(Internet Protocol)ネットワークを介して音声通信のために接続されたIP電話端末に対する通話を該IPネットワーク上の通話録音装置へ送信して録音するIP通話録音システムであって、該システムは、
    前記IP電話端末の呼制御を行なうIP電話交換機と、
    前記IP電話端末に対するデータ転送、および該IP電話端末と前記IP電話交換機との間のデータ転送を中継する中継機器とを備え、
    前記IP電話交換機および前記中継機器は、前記IP電話交換機をコントローラとして該中継機器を介するデータ転送を制御するように統一して規定されたネットワーク仮想化制御手順を利用するように構成され、
    前記IP電話交換機は、前記IP電話端末が他の電話端末に対して行なう音声通信の通話録音のために、該IP電話端末を送信元または送信先とする通話パケットの前記通話録音装置へのポートミラーリングを設定するように、前記ネットワーク仮想化制御手順を利用して、該IP電話端末と前記他の電話端末との間の通信経路上にある前記中継機器を制御する録音開始受付処理を行ない、
    前記中継機器は、前記録音開始受付処理に応じて前記IP電話端末に前記ポートミラーリングを設定し、該IP電話端末と前記他の電話端末との間の通話パケットの複製データを前記通話録音装置へ転送する複製データ転送処理を行なうことを特徴とするIP通話録音システム。
  2. 請求項1に記載のIP通話録音システムにおいて、前記IP電話端末は、前記他の電話端末との音声通信中に、該IP電話端末における操作に応動して通話録音要求を前記IP電話交換機へ送信し、
    該IP電話交換機は、前記通話録音要求に応じて前記録音開始受付処理を行なうことを特徴とするIP通話録音システム。
  3. 請求項1に記載のIP通話録音システムにおいて、前記IP電話端末には通話録音の自動開始が設定され、前記IP電話交換機は、該IP電話端末からの発呼に対して前記他の電話端末が応答すると、自動的に前記録音開始受付処理を行なうことを特徴とするIP通話録音システム。
  4. 請求項2または3に記載のIP通話録音システムにおいて、前記IP電話端末は、前記録音開始受付処理によって前記ポートミラーリングが設定されている間に、該IP電話端末における操作に応動して通話録音停止要求を前記IP電話交換機へ送信し、
    該IP電話交換機は、前記中継機器に設定されている前記IP電話端末の前記ポートミラーリングを前記通話録音停止要求に応じて解除するように前記中継機器を制御することを特徴とするIP通話録音システム。
  5. 請求項2または3に記載のIP通話録音システムにおいて、前記録音開始受付処理によって前記中継機器に前記IP電話端末の前記ポートミラーリングが設定されている場合、該IP電話端末と前記他の電話端末との間の接続が切断されると、前記IP電話交換機は、自動的に、前記ポートミラーリングを解除するように前記中継機器を制御することを特徴とするIP通話録音システム。
  6. 請求項1ないし5の何れかに記載のIP通話録音システムにおいて、前記IP電話交換機は、前記ネットワーク仮想化制御手順を利用して前記中継機器を制御するためのアプリケーションプログラミングインタフェースを備えていることを特徴とするIP通話録音システム。
  7. 請求項6に記載のIP通話録音システムにおいて、前記アプリケーションプログラミングインタフェースは、前記中継機器の実行状態を確認するためのインタフェースを含むことを特徴とするIP通話録音システム。
  8. 請求項1ないし7の何れかに記載のIP通話録音システムにおいて、前記他の電話端末は、前記IPネットワークに接続された公衆電話網における電話端末を含むことを特徴とするIP通話録音システム。
  9. IP(Internet Protocol)電話システムにおける接続経路制御方式において、該接続経路制御方式は、前記IP電話システムにおいて仮想化ネットワーク内で統一して規定されるネットワーク仮想化制御機能を有するIP電話交換機の制御の下に、該IP電話システム内にあるIPネットワーク環境のネットワーク機器に対して該IPネットワークにおける収容機器の状態に応じて一時的にIP通信のための接続経路を形成するネットワーク仮想化制御手順を備えたことを特徴とするIP電話システムの接続経路制御方式。
  10. 請求項9に記載の接続経路制御方式において、前記IP電話システムは、前記ネットワーク仮想化制御手順の上位アプリケーションとしてアプリケーションプログラミングインタフェースを含み、該接続経路制御方式は、該アプリケーションプログラミングインタフェースを介して前記ネットワーク仮想化制御手順を利用することによって、前記IP電話システムにおける通信パケットの転送およびその設定を行なうことを特徴とするIP電話システムの接続経路制御方式。
  11. 請求項10に記載の接続経路制御方式において、該接続経路制御方式は、前記中継機器の実行状態を確認するためのインタフェースを含むことを特徴とするIP電話システムの接続経路制御方式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7454167B1 (ja) 2022-12-27 2024-03-22 株式会社シンカ 情報処理システム

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