JP2018172825A - 衣類 - Google Patents

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彩 竹内
飯田 健二
Kenji Iida
健二 飯田
安井 基泰
Motoyasu Yasui
基泰 安井
伊藤 智章
Tomoaki Ito
智章 伊藤
一宙 中井
Kazumichi Nakai
一宙 中井
文彦 小城戸
Fumihiko Kokido
文彦 小城戸
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Abstract

【課題】膝関節への適切な圧力とそれに伴うサポート感及びフィット感に優れ、膝の曲げ伸ばし動作容易性に優れる。【解決手段】衣類の関節用サポーター200には、平均着圧が、一端側領域112及び他端側領域114よりも高くされた着圧付与領域が中央領域110に含まれる。また、関節用サポーター200には、中央領域110の前面側領域110A、一端側領域112の前面側領域112A、及び他端側領域114の前面側領域114Aの少なくとも一つの領域に、一つ又は複数のスリット孔20が設けられている。このため、関節用サポーター200は、膝関節への適切な圧力とそれに伴うサポート感及びフィット感に優れ、膝の曲げ伸ばし動作容易性に優れる。【選択図】図1

Description

本発明は、関節用サポーター部を備える衣類に関する。
現在、種々な膝用サポーターが知られている。
例えば、特許文献1には、膝関節周辺の皮膚の動きに追従し、ずれにくく、且つ装着性を良好にした膝関節用サポーターとして、本体の膝関節中心から上下10cm以内をスリーブ状に形成し、本体の前面部は縦方向に低モジュラスで伸縮性の高い素材で構成し、本体の膝関節中心から10cm以上の個所の少なくとも前面上部に切欠きを設け、この切欠きに跨がって本体の周方向の圧迫力を調整可能な部材を設けた膝関節用サポーターが提案されている。また、特許文献1では、本体の膝蓋部に相当する部分に開口を設け、この開口が膝蓋部に丁度あたるようにすることが、有利となるとしている。
また、特許文献2には、様々な痛みを効果的に緩和する性能に優れ、装着時の膝の動きの障害とならず、かつ着脱の簡便なサポーターとして、膝頭に相当する位置に開口部を有し、左右側面には、縦方向に一対の弾性のある棒状支持部材が取り付けられており、かつ開口部の上下からそれぞれ膝裏の中央部に向けてバンド部材が斜めに設けられたサポーターが提案されている。
特開2000−116697号公報 特開2003−227014号公報
ところで、膝用サポーターにおいては、膝の曲げ伸ばし動作容易性に優れることが望まれると共に、脚の膝におけるサポート感及びフィット感をより向上させることが望まれている。しかし、膝部分に開口部を設けた場合、膝におけるサポート感及びフィット感が損なわれる場合がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、膝関節への適切な圧力とそれに伴うサポート感及びフィット感に優れ、膝の曲げ伸ばし動作容易性に優れる衣類を提供することである。
上記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 筒状の関節用サポーター部を備える衣類であって、
筒状の関節用サポーター部が、身体の関節部位に対して着圧を付与するための着圧付与領域を含む前記関節用サポーター部の軸方向の中央領域と、前記中央領域に対して前記軸方向の一端側に位置する一端側領域と、前記中央領域に対して前記軸方向の他端側に位置する他端側領域と、を含むと共に、
前記着圧付与領域の着圧が、前記一端側領域及び前記他端側領域の平均着圧よりも高く、前記関節用サポーター部における前記着圧付与領域以外の領域が、凹凸組織からなる凹凸組織領域を含み、
前記関節用サポーター部において、前記着圧付与領域の中心XXを中心とする半周を前記関節用サポーター部の前面側とし、残りの半周側を前記関節用サポーター部の後面側とした際に、前記着圧付与領域の前面側領域、前記一端側領域の前面側領域及び前記他端側領域の前面側領域の少なくとも一領域に少なくとも1つの開口部を有する衣類。
<2> 前記開口部を前記着圧付与領域の前面側領域に有する<1>に記載の衣類。
<3> 前記開口部を前記一端側領域の前面側領域に有する<1>に記載の衣類。
<4> 前記開口部を複数有する<1>から<3>の何れかに記載の衣類。
<5> 前記凹凸組織からなる前記凹凸組織領域が、凹凸編地からなる凹凸編地領域である<1>から<4>の何れかに記載の衣類。
<6> 前記着圧付与領域及び前記凹凸編地領域は、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、前記着圧付与領域より前記凹凸編地領域の方が大きいという関係を満たす<5>に記載の衣類。
<7> 前記凹凸編地が、フロート編み組織を含む<5>又は<6>に記載の衣類。
<8> 前記凹凸編地領域は、
前記関節用サポーター部の軸方向及び周方向のうちの一方向に伸長率200%にて伸長させたときに、前記一方向の弾性率が、0.1N/mm未満である<5>から<7>の何れかに記載の衣類。
<9> 前記凹凸編地領域は、
前記関節用サポーター部の軸方向及び周方向のうちの一方向に伸長率200%にて伸長させたときに、前記一方向の弾性率が、0.1N/mm未満であり、
前記関節用サポーター部の軸方向及び周方向のうちの他方向に伸長率200%にて伸長させたときに、前記他方向の弾性率が、0.1N/mm〜0.5N/mmである<5>から<8>の何れかに記載の衣類。
<10> 前記凹凸編地領域は、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された、前記関節用サポーター部の軸方向の伸長率及び前記関節用サポーター部の周方向の伸長率が、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)の関係を満たす<5>から<9>の何れかに記載の衣類。
<11> 前記一端側領域及び前記他端側領域の少なくとも一方が、前記凹凸編地領域を含む<5>から<10>の何れかに記載の衣類。
<12> 前記一端側領域及び前記他端側領域の少なくとも一方が、更に、前記凹凸編地領域よりも前記軸方向の弾性率が高い領域を含み、
前記凹凸編地領域と、前記凹凸編地領域よりも前記軸方向の弾性率が高い領域と、が前記関節用サポーター部の周方向に配置されている<11>に記載の衣類。
<13> 前記一端側領域の後面側領域及び前記他端側領域の後面側領域の少なくとも一方が、前記凹凸編地領域を含む<5>から<12>の何れかに記載の衣類。
<14> 前記一端側領域の後面側領域が前記凹凸編地領域を含む場合には、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、前記一端側領域の後面側領域の前記凹凸編地領域が前記一端側領域の前面側領域が大きいという関係を満たし、
前記他端側領域の後面側領域が前記凹凸編地領域を含む場合には、前記条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、前記他端側領域の後面側領域の前記凹凸編地領域が前記他端側領域の前面側領域より大きいという関係を満たす<13>に記載の衣類。
<15> 前記凹凸編地領域について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、150%以上である<5>から<14>の何れかに記載の衣類。
<16> 前記中央領域が、膝関節、肘関節、手指関節、又は足指関節に着用される<1>から<15>の何れかに記載の衣類。
<17> 前記中央領域が、膝関節に着用される<1>から<16>の何れかに記載の衣類。
<18> 前記中央領域の平均着圧XAと前記一端側領域及び前記他端側領域の平均着圧XBとが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たす<16>又は<17>に記載の衣類。
<19> 前記平均着圧XAと前記平均着圧XBとが、((平均着圧XA)−(平均着圧XB))≧0.8kPaの関係を満たす<18>に記載の衣類。
<20> 前記中央領域の平均着圧XAが、2.6kPa以上である<16>から<18>の何れかに記載の衣類。
<21> 前記中央領域を、前記着圧付与領域の中心XXと前記中央領域の後面側の中心XYとの距離が長くなる方向に5kgの力で伸ばした場合に、前記中央領域の伸び率が180%〜280%である請求項1から請求項20の何れか1項に記載の衣類。
<22> 前記着圧付与領域の中心XXを中心とする測定範囲XX1、前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記一端側領域における軸方向の中心である位置XTを中心とする測定範囲XT1、及び前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記他端側領域における軸方向の中心である位置XSを中心とする測定範囲XS1の各々について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって周方向の伸長率を測定したときに、
前記測定範囲XX1の周方向の伸長率が、前記測定範囲XT1の周方向の伸長率及び前記測定範囲XS1の周方向の伸長率の何れよりも低い<1>から<21>の何れか1項に記載の衣類。
<23> 前記着圧付与領域の中心XXを中心とする測定範囲XX1、前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記一端側領域における軸方向の中心である位置XTを中心とする測定範囲XT1、及び前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記他端側領域における軸方向の中心である位置XSを中心とする測定範囲XS1の各々について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって軸方向の伸長率を測定したときに、
前記測定範囲XX1の軸方向の伸長率が、前記測定範囲XT1の軸方向の伸長率及び前記測定範囲XS1の軸方向の伸長率のいずれよりも低い<1>から<22>の何れか1項に記載の衣類。
<24> 前記関節用サポーター部の全体の構造は、シームレス構造である<1>から<23>の何れかに記載の衣類。
<25> 前記関節用サポーター部は、更に、
前記一端側領域から見て前記中央領域の反対側に配置された一端側口ゴム部、及び、前記他端側領域から見て前記中央領域の反対側に配置された他端側口ゴム部を含む<1>から<24>の何れかに記載の衣類。
<26> 更に、前記関節用サポーター部の一部を身体の一部に固定するための固定ベルトを備える<1>から<25>の何れかに記載の衣類。
本発明の実施の形態によれば、膝関節への適切な圧力とそれに伴うサポート感及びフィット感に優れ、膝の曲げ伸ばし動作容易性に優れる関節用サポーター部を備える衣類が提供される。
本実施の形態の具体例であるサポーターを概念的に示す正面図である。 本実施の形態の衣類の具体例であるサポーターを概念的に示す背面図である。 図2の凹凸編地領域の拡大図である。 図2のA−A線に沿う主要部の断面図である。 本実施の形態の衣類の別の具体例であるサポーターを概念的に示す背面図である。 本実施の形態の衣類の更に別の具体例であるサポーターを概念的に示す背面図である。 本実施の形態の具体例の関節用サポーターを、その右側と左側とが重なるようにして平置きした様子を示す概念図である。 本実施の形態の具体例の関節用サポーターを、位置Xと位置Yとの距離が離れる方向に引き伸ばした様子を示す概念図である。 本実施の形態の具体例の関節用サポーターが脚に着用されていない状態を示す正面図である。 本実施の形態の具体例の関節用サポーターが脚に着用されていない状態を示す背面図である。 着圧測定において、マネキンに対するセンサー取り付け位置を示す写真であり、マネキンの脚の正面(膝蓋骨の側)から撮影した写真である。 着圧測定において、マネキンに対するセンサー取り付け位置を示す写真であり、マネキンの脚の斜め後ろ側から撮影した写真である。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本明細書中において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書中において、「筒状のサポーター部」及び「サポーター部」は、「筒状の関節用サポーター部」を指す。
また、本明細書中において、「筒状のサポーター部の軸方向」は、筒状のサポーター部の形状を筒形状に維持したときの筒形状の軸方向を指す。本明細書中では、「筒状のサポーター部の軸方向」を、単に「軸方向」ということがある。本明細書中における「軸方向」は、膝用サポーターの技術分野において「縦方向」と呼ばれることがある方向であり、筒状のサポーター部に対して脚が挿入される方向ということもできる。
また、本明細書中において、「筒状のサポーター部の周方向」は、筒状のサポーター部の形状の筒形状に維持したときの周方向を指す。本明細書中では、「筒状のサポーター部の周方向」を、単に「周方向」ということがある。本明細書中における「周方向」は、膝用サポーターの技術分野において「横方向」と呼ばれることがある方向である。
また、本明細書中では、脚の膝蓋骨の側を、「正面」又は「前面」と称することがあり、脚の膝窩部(いわゆる膝裏)の側を、「背面」又は「後面」と称することがある。
また、本明細書中では、膝蓋骨から見て股関節側の方向を「上」と称し、膝蓋骨から見て踝側の方向を「下」と称することがある。
また、本明細書中では、平均着圧XAから平均着圧XBを差し引いた値(即ち、((平均着圧XA)−(平均着圧XB))の値)を「着圧差〔XA−XB〕」ということがあり、平均着圧XAから平均着圧XB1を差し引いた値(即ち、((平均着圧XA)−(平均着圧XB1)の値)を「着圧差〔XA−XB1〕」ということがあり、平均着圧XAから平均着圧XB2を差し引いた値(即ち、(平均着圧XA)−(平均着圧XB2)の値)を「着圧差〔XA−XB2〕」ということがある。
本実施の形態の衣類は、筒状の関節用サポーター部を備える衣類であって、
筒状の関節用サポーター部が、身体の関節部位に対して着圧を付与するための着圧付与領域を含む関節用サポーター部の軸方向の中央領域と、中央領域に対して軸方向の一端側に位置する一端側領域と、中央領域に対して軸方向の他端側に位置する他端側領域と、を含むと共に、
着圧付与領域の着圧が、一端側領域及び他端側領域の平均着圧よりも高く、関節用サポーター部における着圧付与領域以外の領域が、凹凸組織からなる凹凸組織領域を含み、
関節用サポーター部において、着圧付与領域の中心XXを中心とする半周を関節用サポーター部の前面側とし、残りの半周側を関節用サポーター部の後面側とした際に、着圧付与領域の前面側領域、一端側領域の前面側領域及び前記他端側領域の前面側領域の少なくとも一領域に少なくとも1つの開口部を有する衣類である。
本実施の形態の衣類は、開口部を着圧付与領域の前面側領域に有しても良い。
また、本実施の形態の衣類は、開口部を一端側領域の前面側領域に有しても良い。
更に、本実施の形態の衣類は、開口部を複数有しても良い。
本実施の形態において、身体の関節部位とは、関節を屈曲した時に関節の外側に位置する部位であって、腱及び靭帯の少なくとも一方の一部又は全体を覆う部位を指す。
本実施の形態の筒状の関節用サポーター部を備える衣類によれば、サポーター部の着圧付与領域は、関節部位に着用する。そして、この衣類を着用した着用者の体感として、着圧付与領域が接している関節部位において、優れたサポート感及びフィット感が得られる。
この理由は明らかではないが、上記着圧付与領域の着圧が、一端側領域及び他端側領域の平均着圧よりも高いことにより、着圧付与領域によってサポートされている関節部位において、錯覚により、着圧付与領域の実際の着圧よりも高い着圧でサポートされている感覚が得られるためと考えられる。また、着圧付与領域と一端側領域及び他端側領域との着圧に着圧差を設けることで、サポーター部(の一部)を関節の一部位に密着させることができ、フィット感を向上させることができる。
また、一般的には、サポーター部の着圧が高ければ高い程、肌ストレスが強くなる傾向がある。ここで、肌ストレスとは、肌が受ける、内的なストレス及び外的なストレスのことをいう。
サポーター部の全体に着圧を付与する場合、付与する着圧が外的刺激となり、着用者はサポーター部着用領域の全体に肌ストレスを感じる。そのため、特に、サポーターを長時間着用するような場合に、肌ストレスの軽減が求められている。しかし、着圧付与領域をサポーター部の一部のみに配置することにより、平均着圧の低い領域(例えば、一端側領域及び他端側領域)の肌ストレスが軽減される。
また、本実施の形態の衣類におけるサポーター部は、着圧付与領域以外の領域に、凹凸組織からなる凹凸組織領域を含めることができる。これにより、肌ストレスが軽減される。肌ストレス軽減の効果は、凹凸組織の柔らかさ(例えば厚さ方向の柔らかさ)に起因する効果であると考えられる。特に、関節部位の周囲(着圧付与領域以外の領域が適用される部分)は、関節部位と比較して柔らかい皮膚組織からなり、肌ストレスに弱い。この関節部位の周囲の少なくとも一部に凹凸組織領域を適用することが肌ストレスの軽減に効果的である。
更に、本実施の形態の衣類は、関節用サポーター部の前面側において、着圧付与領域、一端側領域、及び他端側領域の少なくとも一領域に、少なくとも1つの開口部を有している。
例えば、膝関節の曲げ伸ばし動作においては、膝蓋骨周辺及び膝蓋骨上部における皮膚の変化(伸縮)が大きい。膝関節において膝蓋骨周辺及び膝蓋骨上部をサポートする着圧付与領域、一端側領域、及び他端側領域に開口部を有することで、膝関節の曲げ伸ばし動作において、サポーター部の追従性を向上できる。
以上のように、本実施の形態の衣類によれば、サポート感及びフィット感に優れ、関節の曲げ伸ばし動作容易性に優れる。しかも、本実施の形態の衣類は、肌ストレスの軽減を図れる。
本実施の形態において、着圧付与領域は、中央領域の全体であってもよいし、一部であってもよい。
着圧付与領域が中央領域の一部である場合、着圧付与領域のサイズは、サポート感を高めたい領域に応じて適宜調整できる。
着圧付与領域は、中央領域中において、関節を屈曲した時に関節の外側に位置する腱及び靭帯の少なくとも一方の一部又は全体を覆う領域(関節部位)を含む領域であることが好ましい。
着圧付与領域の周方向長さは、中央領域の全周長さ(詳しくは、着圧付与領域を含む部分の全周長さ)の1/3以上の長さであることが好ましい。
また、着圧付与領域の軸方向長さは、中央領域の軸方向長さの1/3以上の長さであることが好ましい。
着圧付与領域の形状は、少なくとも関節部位を覆うことができれば、特に限定されることはなく、関節部位の形状に応じて適宜設計できる。その形状としては、例えば、略円形状、略楕円形状、略長方形状などが挙げられる。また、着圧付与領域の境界ラインの形状も、特に限定されることはなく、直線状であっても、湾曲していても、波線状であってもよい。さらに、境界ラインの周囲に縁取り構造があってもよい。
本実施の形態において、着圧付与領域が中央領域の一部である場合、着圧付与領域は、中央領域中における着圧付与領域以外の領域と比較して、軸方向の伸長率が高いことが好ましい。
本実施の形態において、凹凸組織領域とは、凹凸形状を有する組織である凹凸組織を含む領域である。
凹凸組織領域に含まれる凹凸組織としては、編物組織(以下、「編物」ともいう)、織物組織(以下、「織物」ともいう)、樹脂シート(例えば、フィルムなど)などが挙げられる。これらの中でも、凹凸組織としては、編物や織物を用いることが好ましく、編物を用いることがより好ましい。また、凹凸組織領域には、単一の凹凸組織を用いてもよく、複数の凹凸組織を組合せて用いてもよい。
これらの中でも、凹凸組織を含む凹凸組織領域としては、凹凸編地を含む凹凸編地領域、凹凸織物を含む凹凸織物領域、又は、凹凸編地と凹凸織物とを含む凹凸組織領域が好ましく、凹凸編地を含む凹凸編地領域がより好ましい。
凹凸組織を含む凹凸組織領域の好ましい態様(例えば、サイズ、サポーター部における配置、各種物性値、など)については、後述する凹凸編地を含む凹凸編地領域の好ましい態様と同様であり、適宜好ましい態様を組合せて用いることができる。
凹凸編地領域とは、凹凸形状を有する編み組織である凹凸編地を含む領域である。凹凸編地領域は、着圧付与領域以外の領域の全体に配置されてもよいし、一部に配置されてもよい。また、凹凸編地領域に含まれる凹凸編地としては、単一の凹凸編地であってもよく、2種以上の凹凸編地であってもよい。
凹凸編地領域が着圧付与領域以外の領域の一部に配置される場合、凹凸編地領域のサイズは、凹凸編地が肌に触れていることを感じることが出来る程度のサイズであることが好ましい。
具体的には、凹凸編地領域の面積としては、着用時の伸張した状態での凹凸編地領域の面積が、4cm以上であることが好ましく、6cm以上であることがより好ましい。
また、凹凸編地領域の周方向長さは、サポーター部の全周長さ(詳しくは、凹凸編地領域を横切る全周の長さ)の1/6以上の長さであることが好ましく、1/3以上の長さであることがより好ましい。
ここで、凹凸編地領域の周方向長さとは、凹凸編地領域が周方向に分割して配置される場合には、周方向に重複なく寄せ集めた場合の総周方向長さをいう。
凹凸編地領域は、着圧付与領域以外の領域中に複数配置されていてもよい。着圧付与領域以外の領域中に複数の凹凸編地領域を配置する場合、その配置は特に限定されない。
凹凸編地領域の形状及び隣接する領域との境界ラインの形状は、特に限定されない。これらは、デザイン性の観点から、適宜設計できる。
本実施の形態において、サポーター部は、着圧付与領域及び凹凸組織領域(例えば、凹凸編地領域)を含む。サポーター部は、着圧付与領域及び凹凸組織領域以外の領域(その他の領域)を含んでいてもよい。
着圧付与領域と凹凸組織領域に加え、その他の領域を含む場合、その他の領域は、織物、樹脂シート、着圧付与領域及び凹凸組織領域とは異なる編み組織、等によって構成することができる。中でも、肌ストレス軽減の観点からは、編み組織又は織物が好ましく、弾性糸を用いた編み組織がより好ましい。ただし、その他の領域の組織は、一端側領域及び他端側領域における平均着圧が着圧付与領域の着圧よりも低くなるように適宜選定する。
本実施の形態の衣類は、関節用サポーター部のみからなる衣類(即ち、サポーター)であってもよいし、衣類の一部分として関節用サポーター部を備える衣類であってもよい。
ここで、衣類の一部分として関節用サポーター部を備える衣類としては、スパッツ、タイツ(例えば、スポーツタイツ、コンプレッションタイツ、医療用タイツ)、ガードル、パンティーストッキング、レギンス、トレンカ、レッグウォーマー等のボトム(例えば、スポーツ用又はインナー用等のボトム);肌着、シャツ、コンプレッションシャツ等のトップ;ソックス;手袋;指サック;包帯;等が挙げられる。
関節部位における関節としては、膝関節、肘関節、中手指節関節、指節間関節、近位指節間関節、遠位指節間関節、橈骨手根関節、距腿関節、距骨下関節、首関節、肩関節、股関節、等が挙げられる。
サポーター部の中央領域が着用される関節としては、疼痛緩和の観点からは、膝関節、肘関節、又は橈骨手根関節が好ましく、膝関節がより好ましい。関節膝関節、肘関節、及び橈骨手根関節は、3つ以上の骨から構成されるという共通点を有する。
着圧付与領域によって着圧を付与することより関節部位を圧迫すると、関節における骨の配置が適正化され、関節の周囲に位置する関節部位以外の部位を動きやすく制御することができる。これにより、疼痛緩和の効果を生じる。
関節膝関節、肘関節、及び橈骨手根関節は、他の関節に較べてより広い可動範囲を有する関節である。これら関節膝関節、肘関節、及び橈骨手根関節は、筋肉の衰えにより骨の配置が崩れやすいので、これらの関節にサポーターを着用し、サポート感を付与することが特に有用である。
特に、膝関節は、歩行時に人体の体重を支えるため、大きな負荷がかかりやすく、骨の配置が崩れやすい。このため、本実施の形態の効果は、サポーター部の中央領域を膝関節に着用した場合において、特に効果的に奏される。
また、本実施の形態の衣類において、着圧付与領域及び凹凸編地領域は、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された軸方向の伸長率が、(凹凸編地領域)>(着圧付与領域)の関係を満たすことが好ましい。これにより、動作追従性がより向上する。
この動作追従性向上の効果は、着圧付与領域に着圧を付与することでサポーター部を関節部位に密着させてサポーター部の着用ずれを防ぐこと、及び、凹凸編地領域が着圧付与領域よりも伸び縮みし易いことに起因する効果であると考えられる。
一般的に、関節の曲げ伸ばし動作時には、筋肉の動きに応じて関節の上下に位置する皮膚の形状が変化し、その形状変化により、サポーター部によれ又はたるみが生じる。着用者は、サポーター部のよれ又はたるみに起因する着用感の悪さから、肌ストレスを感じる。
しかし、本実施の形態の衣類は、サポーター部が着圧付与領域を含むことで、サポーター部を関節部位に安定的に着用させてサポーター部の着用ずれを防ぐことができる。
更に、本実施の形態の衣類では、着圧付与領域以外の領域に含まれる凹凸編地領域の軸方向の伸縮性を、着圧付与領域の軸方向の伸縮性よりも高くすることにより、皮膚の形状の変化に伴うサポーター部の変形歪を小さくすることができる。その結果、サポーター部のよれやたるみを改善し、肌ストレスを軽減できる。特に、関節を曲げ伸ばすなどの大きな動きをする場合に、優れた効果を奏する。
本明細書中において、「伸長率」とは、特に断りが無い限り、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された伸長率を指す。
本明細書中において、「伸長率」は、下記式により算出される値を指す。
伸長率(%) = (L20/L)×100
〔上記式において、Lは、初期(即ち非伸長時)のつかみ間隔を指し、具体的には、15mmである。L20は、20Nの引張荷重が印加された状態(即ち伸長時)でのつかみ間隔を指す。〕
伸長率を測定するための引張試験は、膝用サポーターの一部を、つかみ幅15mm及びつかみ間隔15mmで引張試験機に固定し、15mm/minの引張速度にて行う。
また、引張試験は、膝用サポーターの一部に対して実施することが困難な場合には、膝用サポーターから30mm角の試験片を切り出し、切り出された試験片に対して実施してもよい。また、引張試験は、膝用サポーターと同一構成(同一編成)30mm角の試験片を作製し、作製した試験片に対して実施してもよい。
試験回数は5回とし、5回の測定値から、最大値及び最小値を除いた3つの測定値から平均値を求め、この平均値を「伸長率」として採用することが望ましいが、1点(1回)の測定値を代表値としても良い。本明細書中において、試験回数が5回以上の測定値から得られる測定値の平均を平均値といい、試験回数が1回又は2回以上の測定値の平均値から取得する値を代表値という。
引張試験の装置は一般的な引張試験機を用いることができるが、例えば、(株)島津製作所製のオートグラフ「AGS−X 1kN」を用いることができる。
凹凸編地領域における凹凸編地は、フロート編み組織を含むことが好ましい。凹凸編地におけるフロート編み組織は、フロート編み組織以外の編み組織より伸び縮みし易い。フロート編み組織を含む凹凸編地が柔らかい理由は、着用時に凹凸編地領域が伸びた場合においても凹凸編地におけるフロート編み組織に伸びしろ(即ち、凹凸)が残るためと考えられる。この伸びしろが肌に触れた時に、柔らかい感触を与える。また、凹凸編地の製造し易さの観点からもフロート編み組織を配することにより凹凸編地を形成することが好ましい。凹凸編地のベースとなる編み組織としては、後述する編み組織を用いることができ、それらの編み組織にフロート編み組織を含める態様が好ましい態様である。
また、凹凸編地領域における凹凸編地は、弾性糸によって編成されることが好ましく、上記凹凸編地は、弾性糸を用いたフロート編み組織を含む凹凸編地であることがより好ましい。弾性糸を用いることで凹凸編地をより柔らかくすることができる。
弾性糸としては、ポリウレタン、ポリオレフィン系エラストマー、天然ゴム、シリコーンなどが挙げられる。この中でも、より弾性に優れる観点から、ポリウレタン、ポリオレフィン系エラストマー、天然ゴムが好ましい。ここで、弾性糸としては、モノフィラメント;マルチフィラメント;ウレタン又はゴムを被覆したSCY(Single Covering Yarn);ウレタン又はゴムを被覆したDCY(Double Covering Yarn);等の紡糸を用いることもできる。
サポーター部を丸編みによって一体的に製造する際の製造適性にも優れる観点からは、軸方向にフロート編み組織を配することが好ましい。
また、凹凸編地領域は、長尺形状の凹部を有することが好ましい。
ここでいう長尺形状は、言うまでも無く、平面視における凹部の形状である。
凹凸編地領域のうち、特に凹部の底部分は、伸びやすい性質を有する。このため、長尺形状の凹部を有する凹凸編地領域は、この凹部の幅方向に伸びやすい性質を有する。従って、凹凸編地領域が長尺形状の凹部を有することにより、凹凸編地領域全体が伸び易くなるので、動作追従性がより向上する。
凹凸編地領域は、長尺形状の凹部を複数有することが好ましい。
凹凸編地領域は、長尺形状の凹部を複数有し、これら複数の凹部の各々は、長さ方向が、筒状のサポーター部の周方向に対して略平行であることが好ましい。
この場合、長尺形状の凹部の幅方向がサポーター部の軸方向に対応する。このため、凹凸編地領域がサポーター部の軸方向に伸び易くなるので、動作追従性がより向上する。
また、凹凸編地領域が、上記長さ方向を有する長尺形状の凹部を複数有することは、サポーター部を丸編みによって製造する際の製造適性にも優れる点でも有利である。詳細には、サポーター部を丸編みによって製造する際、フロート編みによって周方向の編目を1目以上飛ばして編むことにより、上記長尺形状の凹部(即ち、その長さ方向が、サポーター部の周方向に対して略平行である長尺形状の凹部)を容易に製造できる。
凹凸編地領域は、筒状のサポーター部の軸方向及び周方向のうちの一方向に伸長率200%にて伸長させたときに、上記一方向の弾性率が、0.1N/mm未満であることが好ましい。
上記一方向の弾性率が0.1N/mm未満であると、凹凸編地領域の柔らかさにより優れ、その結果、肌ストレスがより軽減される。
ここで、弾性率とは、変形のしにくさを表す指標で、弾性変形における応力とひずみとの間の比例定数である。弾性率の数値は、後述する測定方法により得ることができる。弾性率の値が小さいと、着用時に凹凸編地領域が伸びた場合において、凹凸編地が伸びる前の形状に戻ろうとする応力が小さいことを意味し、肌への負荷が小さいといえる。
サポーター部を丸編みによって製造する際の製造適性にも優れる観点からは、軸方向の弾性率が0.1N/mm未満であることが好ましい。
凹凸編地領域は、筒状のサポーター部の軸方向及び周方向のうちの一方向に伸長率200%にて伸長させたときに、一方向の弾性率が、0.1N/mm未満であり、筒状のサポーター部の軸方向及び周方向のうちの他方向に伸長率200%にて伸長させたときに、他方向の弾性率が、0.1N/mm〜0.5N/mmであることが好ましい。
上記一方向の弾性率の値を0.1N/mm未満にすることで肌ストレスを軽減できる。そして、上記他方向の弾性率が0.1N/mm以上であると、フィット感がより向上する。また、上記他方向の弾性率が0.1N/mm以上であると、サポーター部の着用ずれを抑制できる。さらに、上記他方向の弾性率が0.5N/mm以下であると、肌ストレスをより軽減できる。
軸方向及び周方向の弾性率が異なる編地は、フロート編みの編目の飛ばし目の数を適宜調整することで製造することができる。
本明細書中において、軸方向の弾性率は、測定対象領域(例えば凹凸編地領域)の中心位置(即ち、周方向の中心であってかつ軸方向の中心である位置)を測定中心とする、測定幅(即ち、周方向長さ)15mmの範囲について測定された値を意味する。
本明細書中において、軸方向の弾性率は、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定する。ここで、引張荷重の方向は、サポーター部の軸方向である。
上記軸方向の弾性率の測定においては、凹凸編地領域の一部を、つかみ幅15mm及びつかみ間隔15mmで引張試験機に固定し、15mm/minの引張速度にて引張って伸長させ、200%伸長した時点での弾性率を読み取って測定値とする。
また、引張試験は、凹凸編地領域の一部に対して実施することが困難な場合には、凹凸編地領域から30mm角の試験片を切り出し、切り出された試験片に対して実施してもよい。また、引張試験は、凹凸編地領域と同一編成の凹凸編地による30mm角の試験片を作製し、作製した試験片に対して実施してもよい。
引張試験の試験結果から得られる代表値を「軸方向に200%伸長させたときの軸方向の弾性率」として採用する。
引張試験の装置は一般的な引張試験機を用いることができるが、例えば、(株)島津製作所製のオートグラフ「AGS−X 1kN」を用いることができる。
また、本明細書中において、周方向の弾性率は、引張荷重の方向をサポーター部の周方向とすること以外は、軸方向の弾性率と同様にして測定された値を意味する。
関節の曲げ伸ばし動作は、関節周りの皮膚を伸長させる。そこで、関節周りの皮膚の伸長方向に伸縮性の高い編地を使用することにより、動作追従性がより向上する。
例えば、関節周りの皮膚の伸長の程度が、周方向よりも軸方向に大きい場合には、凹凸編地領域は、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)の関係を満たすことが好ましい。
一方で、関節周りの皮膚の伸長の程度が、軸方向よりも周方向に大きい場合には、凹凸編地領域は、(周方向の伸長率)>(軸方向の伸長率)の関係を満たすことが好ましい。
ここで、軸方向の伸長率及び周方向の伸長率は、それぞれ、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された伸長率である。
本実施の形態における凹凸編地領域の比率〔軸方向の伸長率/周方向の伸長率〕の好ましい範囲は、動作追従性をより向上させる観点から、1.2以上が好ましく、1.4以上がより好ましい。
また、比率〔軸方向の伸長率/周方向の伸長率〕としては、サポート感及びフィット感の観点から、5.0以下が好ましく、3.8以下がより好ましく、3.2以下が特に好ましい。
また、本実施の形態の衣類における凹凸編地領域は、上記軸方向の伸長率及び上記周方向の伸長率が、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)の関係を満たすが、動作追従性をより向上させる観点から、(軸方向の伸長率)>((周方向の伸長率)+100)の関係を満たすことが好ましく、(軸方向の伸長率)>((周方向の伸長率)+200)の関係を満たすことがより好ましく、(軸方向の伸長率)>((周方向の伸長率)+250)の関係を満たすことが更に好ましい。
本実施の形態の衣類における凹凸編地領域の上記軸方向の伸長率としては、200%以上がより好ましく、300%以上が更に好ましく、400%以上が更に好ましく、500%以上が更に好ましく、600%以上が更に好ましい。
本明細書中において、単に「伸長率」というときは、軸方向(縦方向)の伸長率及び周方向(横方向)の伸長率の両方を意味する。
本実施の形態の衣類において、肌ストレスをより軽減する観点から、一端側領域及び他端側領域の少なくとも一方が、凹凸編地領域を含むことが好ましく、一端側領域及び他端側領域が(即ち、両方が)、凹凸編地領域を含むことがより好ましく、一端側領域及び他端側領域が、同じ半周側に凹凸編地領域を含むことが特に好ましい。
更に好ましくは、筒状のサポーター部において、一端側領域の後面側領域及び他端側領域の後面側領域の少なくとも一方が、凹凸編地領域を含むことであり、更に好ましくは、一端側領域の後面側領域及び他端側領域の後面側領域の各々が、凹凸編地領域を含むことである。
ここで、前面側とは、筒状のサポーター部における前記着圧付与領域の中心XXを中心とする半周側(関節用サポーターにおける関節を曲げ伸ばした時の外側;膝用サポーターである場合には膝蓋骨側)を指し、後面側とは、筒状のサポーター部における残りの半周側(関節用サポーターにおける関節を曲げ伸ばした時の内側;膝用サポーターである場合には膝蓋骨側)を指す。以下、同様とする。
本実施の形態の衣類において、一端側領域及び他端側領域の少なくとも一方(好ましくは両方)が、凹凸編地領域と、凹凸編地領域よりも軸方向の弾性率が高い領域(以下、「領域M」ともいう)と、を含み、凹凸編地領域と、領域Mと、が周方向に配置されている形態が好ましい。
これにより、一端側領域及び他端側領域の少なくとも一方(好ましくは両方)において、凹凸編地領域により肌ストレス軽減と、領域Mによる着用時の安定感向上(詳細には、ある程度の着圧向上)と、が両立される。
凹凸編地領域、及び、領域Mは、肌ストレス軽減の観点から、いずれも弾性糸によって編成されている編地であることがより好ましい。
また、筒状のサポーター部において、凹凸編地領域が後面側領域にあり、領域Mが前面側領域にある態様が好ましい態様である。一端側領域の後面側領域及び他端側領域の後面側領域の少なくとも一方の領域では、各々の前面側(関節部位は含まない)の領域よりも、関節の曲げ伸ばしによる皮膚の伸び縮みの程度が大きい。そのため、より伸長性の高い編地である凹凸編地を含む凹凸編地領域を後面側領域に適用することが着用ずれの改善に効果的である。そして、各々の前面側領域に領域Mを配置することで、より効果的に着用時の安定感を向上できる。
一端側領域及び他端側領域の少なくとも一方が凹凸編地領域及び領域Mを含む上記の形態においても、前述の凹凸編地領域の面積、周方向長さ、配置、形状についての好ましい態様を適用できる。
領域Mの周方向長さは、着用時の安定感を付与する観点から、サポーター部の全周長さ(詳しくは、領域Mを横切る全周の長さ)の1/3以上の長さであることがより好ましい。
ここで、領域Mの周方向長さとは、領域Mが周方向に分割して配置される場合には、周方向に重複なく寄せ集めた場合の総周方向長さをいう。
また、領域Mの軸方向長さは、一端側領域及び他端側領域の軸方向長さの1/3の領域以上であることが好ましい。
ここで、領域Mの軸方向長さとは、領域Mが軸方向に分割して配置される場合には、軸方向に重複なく寄せ集めた場合の総軸方向長さをいう。
領域Mは、一端側領域及び他端側領域の少なくとも一方の中に複数配置されていてもよい。上記少なくとも一方の中に複数の領域Mを配置する場合、その配置は特に限定されない。領域Mの形状、及び、隣接する領域との境界ラインの形状は、特に限定されない。
一端側領域及び他端側領域の少なくとも一方が凹凸編地領域及び領域Mを含む上記の形態において、サポーター部は、着圧付与領域、凹凸編地領域、及び領域Mを含む。上記形態において、サポーター部は、着圧付与領域、凹凸編地領域、及び領域M以外の領域(その他の領域)を含んでいてもよい。
着圧付与領域、凹凸編地領域、及び領域Mに加え、その他の領域を含む場合、その他の領域は、織物;樹脂シート;着圧付与領域、凹凸編地領域、及び領域Mとは異なる編み組織;等によって構成することができる。
中でも、肌ストレス軽減の観点からは、編み組織又は織物が好ましく、弾性糸を用いた編み組織がより好ましい。ただし、その他の領域の組織は、一端側領域及び他端側領域における平均着圧が着圧付与領域の着圧よりも低くなるように適宜選定する。
また、本実施の形態では、肌ストレスをより低減させる観点から、以下に列挙する態様も好ましい。
関節周りの皮膚の伸長の程度が、周方向よりも軸方向に大きい場合であって、一端側領域の後面側が凹凸編地領域を含む場合には、軸方向の伸長率が、(一端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(一端側領域の前面側領域)の関係を満たすことが好ましい。
また、関節周りの皮膚の伸長の程度が、周方向よりも軸方向に大きい場合であって、他端側領域の後面側領域が凹凸編地領域を含む場合には、軸方向の伸長率が、(他端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(他端側領域の前面側領域)の関係を満たすことが好ましい。
関節周りの皮膚の伸長の程度が、周方向よりも軸方向に大きい場合であって、一端側領域の後面側及び他端側領域の後面側が凹凸編地領域を含む場合には、軸方向の伸長率が、(一端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(一端側領域の前面側領域)の関係、及び、(他端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(他端側領域の前面側領域)の関係を満たすことが好ましい。
関節周りの皮膚の伸長の程度が、軸方向よりも周方向に大きい場合であって、一端側領域の後面側が凹凸編地領域を含む場合には、周方向の伸長率が、(一端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(一端側領域の前面側領域)の関係を満たすことが好ましい。
また、関節周りの皮膚の伸長の程度が、軸方向よりも周方向に大きい場合であって、他端側領域の後面側が凹凸編地領域を含む場合には、周方向の伸長率が、(他端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(他端側領域の前面側領域)の関係を満たすことが好ましい。
関節周りの皮膚の伸長の程度が、軸方向よりも周方向に大きい場合であって、一端側領域の後面側及び他端側領域の後面側が凹凸編地領域を含む場合には、周方向の伸長率が、(一端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(一端側領域の前面側領域)の関係、及び、(他端側領域の後面側の凹凸編地領域)>(他端側領域の前面側領域)の関係を満たすことが好ましい。
好ましい態様は、関節の種類に応じて、適宜適用することができる。
ここで、軸方向の伸長率及び周方向の伸長率は、それぞれ、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された伸長率である。
本実施の形態における前面側は、膝蓋骨側に対応し、本実施の形態における後面側は、膝窩部側に対応する。
本実施の形態の衣類におけるサポーター部は、上記軸方向の伸長率が、150%以上であることが好ましい。
本発明者等の検討により、衣類のサポーター部が、膝をサポートする中央領域、脚の膝に対して太腿側をサポートする一端側領域、及び脚の膝に対して脛側をサポートする他端側領域を含む筒状のサポーター本体を備え、かつ、中央領域の平均着圧XAと一端側領域及び他端側領域の平均着圧XBとが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たす場合(即ち、中央領域の平均着圧XAが一端側領域及び他端側領域の平均着圧XBよりも高い場合)に、着用者の体感として、脚に対するサポート感及びフィット感が特に向上することが明らかとなった。
この理由は明らかではないが、中央領域の平均着圧XAと一端側領域及び他端側領域の平均着圧XBとが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たすことにより、このサポーター部を有する衣類を着用した着用者が、中央領域によってサポートされている膝において、実際の平均着圧XAよりも高い着圧でサポートされている感覚(即ち、錯覚)を持つためと考えられる。
更に、本発明者等の検討により、中央領域の平均着圧XAと一端側領域及び他端側領域の平均着圧XBとが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たす場合、サポート感及びフィット感は向上するものの、膝関節の曲げ伸ばし動作に対するサポーター部(膝用サポーター)の追従性(以下、「動作追従性」ともいう)が損なわれる場合があることも判明した。
本発明者等は、更に検討した結果、中央領域の平均着圧XAと一端側領域及び他端側領域の平均着圧XBとが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たす場合であっても、一端側領域及び他端側領域のうちの少なくとも一部の領域について、下記(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすことにより、着用者の体感として、動作追従性が改善することを見出した。
(1)つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された軸方向の伸長率及び周方向の伸長率が、軸方向の伸長率が周方向の伸長率より大きいという関係((軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率))である。
(2)上記(1)に示した条件の引張試験によって測定された軸方向の伸長率が150%以上である。
従って、本実施の形態の衣類のサポーター部は、脚の膝を含む部分に着用されたときに、サポート感及びフィット感に優れ、かつ、膝関節の曲げ伸ばし動作に対する追従性(動作追従性)にも優れる。
本明細書中において、「平均着圧」とは、着圧(サポーター本体による締め付け圧)の平均値を意味する。
本明細書中における、平均着圧XA、平均着圧XB、平均着圧XB1、及び平均着圧XB2の具体的な測定方法については後述する。
本実施の形態の衣類のサポート部では、中央領域の平均着圧XAと一端側領域及び他端側領域の平均着圧XBとが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たしている。言い換えれば、本実施形態の膝用サポーターでは、着圧差〔XA−XB〕が0を超えている。
着圧差〔XA−XB〕としては、サポート感及びフィット感をより向上させる観点から、0.8kPa以上が好ましく、1.0kPa以上がより好ましく、1.2kPa以上が特に好ましい。
一方、着圧差〔XA−XB〕としては、過度の圧迫を抑制することにより快適性をより向上させる観点から、3.5kPa以下が好ましく、3.3kPa以下がより好ましく、3.0kPa以下が更に好ましく、2.8kPaが更に好ましく、2.5kPaが特に好ましい。
平均着圧XBは、0kPa以上であれば特に制限はないが、サポート感及び快適性をより向上させる観点から、0.1kPa以上であることが好ましい。
平均着圧XBとしては、0.5kPa以上がより好ましく、1.0kPa以上が更に好ましい。
平均着圧XAは、平均着圧XBに対して(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たす限り特に制限はない。平均着圧XAは、サポート感及び快適性をより向上させる観点から、1.5kPa以上であることが好ましく、2.0kPa以上であることがより好ましく、2.6kPa以上であることが更に好ましい。
平均着圧XAの上限には特に制限はないが、過度の圧迫を抑制することにより快適性をより向上させる観点から、平均着圧XAは、10.0kPa以下であることが好ましく、8.0kPa以下であることがより好ましい。
また、本実施の形態では、脚に対するサポート感及びフィット感をより向上させる観点から、中央領域の平均着圧XAと一端側領域の平均着圧XB1とが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB1)の関係を満たすことが好ましく、((平均着圧XA)−(平均着圧XB1))≧0.8kPaの関係を満たすことがより好ましく、((平均着圧XA)−(平均着圧BX1))≧1.0kPaの関係を満たすことが特に好ましい。
また、本実施の形態では、脚に対するサポート感及びフィット感をより向上させる観点から、中央領域の平均着圧XAと他端側領域の平均着圧XB2とが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB2)の関係を満たすことが好ましく、((平均着圧XA)−(平均着圧XB2))≧0.8kPaの関係を満たすことがより好ましく、((平均着圧XA)−(平均着圧XB2))≧1.0kPaの関係を満たすことが特に好ましい。
本実施の形態では、脚に対するサポート感及びフィット感を特に向上させる観点から、平均着圧XAと平均着圧XB1とが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB1)の関係を満たし、かつ、平均着圧XAと平均着圧XB2とが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB2)の関係を満たすことが好ましく、平均着圧XAと平均着圧XB1とが、((平均着圧XA)−(平均着圧XB1))≧0.8kPaの関係を満たし、かつ、平均着圧XAと平均着圧XB2とが、((平均着圧XA)−(平均着圧XB2))≧0.8kPaの関係を満たすことがより好ましく、平均着圧XAと平均着圧XB1とが、((平均着圧XA)−(平均着圧XB1))≧1.0kPaの関係を満たし、かつ、平均着圧XAと平均着圧XB2とが、((平均着圧XA)−(平均着圧XB2))≧1.0kPaの関係を満たすことが特に好ましい。
平均着圧XB1は、0kPa以上であれば特に制限はないが、サポート感及び快適性をより向上させる観点から、0.1kPa以上であることが好ましい。
平均着圧XB1としては、0.5kPa以上がより好ましく、1.0kPa以上が更に好ましい。
平均着圧XB2は、0kPa以上であれば特に制限はないが、サポート感及び快適性をより向上させる観点から、0.1kPa以上であることが好ましい。
平均着圧XB2としては、0.5kPa以上がより好ましく、1.0kPa以上が更に好ましい。
また、本実施の形態において、動作追従性をより向上させる観点から、凹凸編地領域の軸方向の伸長率は、150%以上であることが好ましい。
また、中央領域を、着圧付与領域の中心XXと中央領域の後面側の中心XYとの距離が長くなる方向に5kgの力で伸ばした場合に、中央領域の伸び率が180%〜280%であることが好ましい。
中央領域の伸び率が180%以上であることにより、着用者の体感として、関節の曲げ伸ばしをやり易くなる。
中央領域の伸び率が280%以下であることにより、着用者の体感として、高いサポート感が維持される。
中央領域の伸び率は、中央領域の置き寸(即ち、上述の伸ばす操作を行う前の中央領域の長さ)に対する中央領域の伸び寸(即ち、上述の伸ばす操作を行った後の中央領域の長さ)の割合(%)を意味する。
ここで、図7を参照し、中央領域の置き寸について説明し、図8を参照し、中央領域の伸び寸について説明する。なお、図7及び図8中の符号は、後述する具体例の符号に対応する。
図7は、衣類のサポーター部を、サポーター部の右側と左側とが重なるようにして平置きした様子を示す概念図である。
置き寸を測定する際には、関節用サポーター200を前後が重なるようにし、水平な机上に平置きして測定する。測定された位置Xと位置Yとの距離を、置き寸L101とする。
図8は、関節用サポーター200を、位置Xと位置Yとの距離が離れる方向に伸ばした様子を示す概念図である。
伸び寸を測定する際には、まず、互いの距離が離れる方向に相対移動な、伸び寸測定用の一対のL字型アームを準備する。上記一対のL字型アーム(不図示)を関節用サポーター200の内部空間に挿入し、一方のL字型アームの突出し部を位置Xに配置させ、かつ、一方のL字型アームの突出し部を位置Yに配置させる。次いで、一方のL字型アームと他方のL字型アームとを互いの距離が離れる方向に相対移動させることにより、中央領域110を、位置Xと位置Yとの距離が離れる方向に5kgの力で内部から押し伸ばす。押し伸ばされた状態の位置Xと位置Yとの距離を測定し、伸び寸L102とする。
中央領域の伸び率は、例えば、大竹工作所製の「新おもり式寸法測定器(ソックス用)」を用いて測定することができる。
中央領域の伸び率の上限は、260%であることがより好ましく、240%であることが特に好ましい。
ここでいう「周方向の伸長率」は、中央領域中の部分的な伸長率であり、生地一枚分の伸長率である。
これに対し、上述した「中央領域の伸び率」は、中央領域全体の伸び率であり、しかも生地二枚分(右側及び左側)の伸び率である。
また、着圧付与領域を設ける中央領域の伸び率を測定できる場合、着圧付与領域の中心XX、中央領域の後面側の中心XY、及び、中心XXと中心XYとの中間位置の合計3点について、それぞれ、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって周方向の伸長率を測定した場合に、3つの測定値の全てが100%〜250%の範囲に含まれても良く、3つの測定値における最大値と最小値との差が0%〜80%であっても良い。
これにより、関節の曲げ伸ばしのやり易さ、及び、サポート感がより効果的に両立される。
また、着圧付与領域の中心XXを中心とする測定範囲XX1、中央領域の後面側の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって一端側領域における軸方向の中心である位置XTを中心とする測定範囲XT1、及び中央領域の後面側の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって他端側領域における軸方向の中心である位置XSを中心とする測定範囲XS1の各々について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって周方向の伸長率を測定したときに、測定範囲XX1の周方向の伸長率が、測定範囲XT1の周方向の伸長率及び測定範囲XS1の周方向の伸長率のいずれよりも低いことが好ましい。これにより、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たしやすくなり、その結果、サポート感及びフィット感がより向上する。
また、測定範囲XX1、測定範囲XT1、及び測定範囲XS1の各々について、上記引張試験によって軸方向の伸長率を測定したときに、測定範囲XX1の軸方向の伸長率が、測定範囲XT1の軸方向の伸長率及び測定範囲XS1の軸方向の伸長率のいずれよりも低いことが好ましい。これにより、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たしやすくなり、その結果、サポート感及びフィット感がより向上する。
筒状のサポーター部を平たく潰して略平面形状とした場合の平面視における形状は、軸方向について対称であっても非対称であってもよく、また、周方向について対称であっても非対称であってもよい。上記平面視における形状は、略長方形であってもよいし、一部が湾曲した形状であってもよい。筒状のサポーター部の形状は、適用する関節の形状に応じて適宜選択できる。
筒状のサポーター部に含まれる各領域の境界ラインは、直線状であっても、湾曲していても、波線状であってもよい。また、各領域の編み組織は、一体的に編まれていてもよいし、一体的に編まれていなくてもよい。
筒状のサポーター部の全体の構造は、シームレス構造であることが好ましい。シームレス構造とは、軸方向の縫い目(例えば、縫い合わせにより筒形状を形成するための縫い目)も周方向の縫い目(例えば、各部を縫い合わせるための縫い目)も無い一体型の構造を意味する。
シームレス構造の筒状のサポーター部は、このサポーター部を、丸編みによって連続的に製造することにより形成できる。
また、筒状のサポーター部は、更に、一端側領域から見て中央領域の反対側に配置された一端側口ゴム部、及び、他端側領域から見て中央領域の反対側に配置された他端側口ゴム部を含むことが好ましい。これにより、サポーター部の着用ずれやめくれがより効果的に抑制される。
筒状のサポーター部が一端側口ゴム部及び他端側口ゴム部を含む場合、一端側口ゴム部及び他端側口ゴム部は、それぞれ、縫い合わせによって一端側領域及び他端側領域と接続されていてもよいし、それぞれ、丸編みによって一端側領域及び他端側領域とともに連続的に製造されていてもよい。
上述した着用時のフィット感及び伸長率の確保の観点から、一端側口ゴム部及び他端側口ゴム部は、それぞれ、丸編みによって一端側領域及び他端側領域とともに連続的に製造されていることが好ましい一態様である。
また、同様の観点から、一端側口ゴム部、一端側領域、中央領域、他端側領域、及び他端側口ゴム部の全体の構造は、シームレス構造であることが好ましい一態様である。
また、一端側口ゴム部及び他端側口ゴム部の少なくとも一方が、身体に巻き付けて筒状となる構造であってもよい。また、一端側口ゴム部及び他端側口ゴム部の少なくとも一方は、例えば、固定ベルトなど(例えば、面ファスナーなど)を付属していてもよい。
また、少なくとも一端側口ゴム部の裏面(即ち、身体との対向面。以下同じ。)の少なくとも一部には、サポーター部の着用ずれ抑制の観点から、樹脂層(例えばシリコーンゴム層)が設けられていることが好ましい。樹脂層は、例えば印刷によって形成できる。樹脂層は、他端側口ゴム部の裏面に設けられていてもよい。
さらに、本実施の形態の衣類は、サポーター部以外のその他の部材を備えていてもよい。
その他の部材としては、例えば棒状の支持部材(ステー);サポーター部の一部を身体の一部に固定するため又はサポート感を向上するための固定ベルト;ポケット、タグ、等が挙げられる。これらは、本実施の形態のサポーター部とは分離して配置されていてもよく、又はサポーター部に縫い付けられるなどにより一体として配置されていてもよい。その他の部材は、サポーター部のいずれに配置されてもよい。
また、その他の部材として、サポーター部の編み組織の表面には樹脂を付してもよい。樹脂を付する方法としては、スプレー、転写(例えば、熱転写)、樹脂含浸、グラビア印刷、スクリーン捺染、ロータリー捺染、熱圧着、接着などが挙げられる。樹脂としては、弾性樹脂が好ましい。
これらの中でも、一端側口ゴム部の表面(身体との対向面に対して反対側の面)に固定ベルトを備えることにより、サポーター部の着用ずれをより効果的に改善できる。固定ベルトは、身体の一部に対する締め付け力を調整する部材(例えば、面ファスナー、バックル、サイドリリースバックル、ワイヤアジャスタ、等)を備えることが好ましい。
本実施の形態の衣類は、単独で着用してもよいし、湿布や包帯などを付けた上に、重ねて着用してもよい。
一方、本実施の形態の衣類には、関節用サポーター部の中央領域における着圧付与領域の前面側領域、一端側領域の前面側領域及び他端側領域の前面側領域の少なくとも一領域に少なくとも1つの開口部を有しており、開口部は、サポーター部を貫通する貫通孔にされている。
サポーター部において関節の曲げ伸ばし動作の追従性を向上させる観点から、開口部は、サポーター部において、曲げ伸ばし動作に対する追従性が要求される領域に設けることが好ましい。
例えば、膝に着用されるサポーター部では、サポーター部の前面側において、膝関節の周囲及び膝関節の周囲よりも上方側(太腿側)に設けられることが好ましい。これにより、膝の曲げ伸ばし動作においてサポーター部の追従性を向上できるので、膝の曲げ伸ばし動作容易性を向上できる。
また、肘に着用されるサポーター部では、サポーター部の前面側において、肘関節の周囲、肘関節の周囲よりも上側(上腕側)、及び肘関節の周囲よりも下側(前腕側)の何れに設けても良い。
さらに、橈骨手根関節(手根関節)に着用されるサポーター部においては、手骨関節の周囲、手骨関節の手骨側、及び橈骨(肘側)の何に開口部が設けられても良い。
開口部の数は、一つであっても良く、複数であっても良い。即ち、サポーター部の前面側において、着圧付与領域、一端側領域及び他端側領域の各々に設けても良く、着圧付与領域、一端側領域及び他端側領域のうち2つの領域に設けても良い。
また、開口部は、着圧付与領域、一端側領域及び他端側領域の少なくとも一つの領域に複数設けても良い。
開口部の形状は、矩形状や五角形以上の多角形状(多角形に近似する形状も含む)であっても良いが、角部を有しない円形状や長円状(楕円状或いはスリット状)であることがより好ましい。また、開口部が長円状である場合、長軸方向がサポーター部の軸方向又は周方向であることが好ましい。
開口部の最小寸法は、制限がないが、最小寸法は5mm以上であることが好ましい。
また、開口部の最大寸法は、サポート感の低下を抑制する観点から、サポート部の置き寸法に対して1/2以下であることが好ましい。
ここで、開口部の最小寸法は、サポーター部の非伸長時のサポーター部の軸方向又は周方向に対する寸法において、何れか小さい方の寸法の下限値である。また、開口部の最大寸法は、サポーター部の非伸長時のサポーター部の軸方向又は周方向に対する寸法において、何れか大きい方の寸法の上限値であり、複数の開口部が設けられている場合には、複数の開口部の軸方向又は周方向の開口幅の総和のうちで、何れか大きい方向の総和の上限値でもある。
サポーター部において複数の開口部を設ける場合、各々の開口部は、サポーター部の軸方向及び周方向に配列されても良く、軸方向の複数段に渡って、周方向に一つ又は複数が配列されても良く、周方向の複数段に渡って、軸方向に一つ又は複数が配列されても良い。
<具体例>
以下、図面を参照し、本実施の形態の衣類の具体例であるサポーターについて説明するが、本実施の形態の衣類はこの具体例に限定されることはない。
図1及び図2は、それぞれ、本実施の形態の衣類の具体例である関節用サポーター(直線的な形状を有する関節用サポーター)を概念的に示す正面図(前面図)及び背面図(後面図)である。
より詳細には、図1は、本実施の形態の衣類の具体例である関節用サポーターの前面側と後面側とを重ねることにより、関節用サポーターの形状を略平面形状とした時の正面図(前面側を示す図)であり、図2は、この時の背面図(後面側を示す図)である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の衣類の具体例である関節用サポーター200(筒状の関節用サポーター部)は、
関節用サポーター200の軸方向の中央領域110と、
中央領域110に対して軸方向の一端側に位置する一端側領域112と、
中央領域110に対して軸方向の他端側に位置する他端側領域114と、
一端側領域112から見て中央領域110の反対側に配置された一端側口ゴム部113と、
他端側領域114から見て中央領域110の反対側に配置された他端側口ゴム部115と、
によって構成されている。
中央領域110は、中央領域100の前面側領域110A及び中央領域110の後面側領域110Bによって構成されている。この具体例では、中央領域110の前面側領域110Aの全体が、関節部位に着圧を付与するための着圧付与領域となっている。
但し、本実施の形態はこの一例に限定されず、中央領域110の前面側領域110Aの一部のみが着圧付与領域となっていてもよい。
本実施の形態における関節用サポーター部を、その前面側と後面側とを重ねることにより略平面形状とした場合の平面視における全体形状は、図1及び図2に示す関節用サポーター200と同様に略長方形であってもよく、関節の形状に併せて湾曲した形状であってもよい。また、本実施の形態の効果を奏する限り、編地は一体的に編まれてなくても良い。
また、本実施の形態における関節用サポーター部は、湿布や包帯などを付けた上に着用してもよい。
本実施の形態における着圧付与領域の周方向長さは、少なくとも関節部位を覆う長さであればよく、好ましくは、中央領域110の全周長さの1/3以上の長さである。
また、本実施の形態における着圧付与領域の軸方向長さは、少なくとも関節部位を覆う長さであればよく、好ましくは、中央領域110の軸方向長さの1/3以上の長さである。
着圧付与領域の着圧は、一端側領域112及び他端側領域114の平均着圧よりも高くなっている。これにより、関節用サポーター200は、サポート感及びフィット感に優れる。
着圧付与領域(この例では中央領域110の前面側領域110A)は、好ましくは、低伸長性のメッシュ編み組織を主体とする編み組織にて編成する。
中央領域110中、着圧付与領域以外の領域も、着圧付与領域と同様の編み組織にて編成されていてもよいが、着圧付与領域以外の領域の構成については特に制限はない。
中央領域110中、着圧付与領域以外の領域は、織物、樹脂シート、着圧付与領域とは異なる編み組織、等によって構成することができる。中でも、編み組織や織物が好ましく、弾性糸を用いた編み組織とすることがより好ましい。
なお、本具体例において、「前面側」及び「後面側」の区別は、筒状のサポーター部における周方向の位置を説明するための便宜上の区別である。従って、筒状のサポーター部は、必ずしも、物理的に前面側と後面側とに分割されている必要はない。
一端側領域112は、一端側領域112の前面側領域112A及び一端側領域112の後面側領域112Bによって構成されている。
他端側領域114は、他端側領域114の前面側領域114A及び他端側領域114の後面側領域114Bによって構成されている。
図2に示すように、一端側領域112の後面側領域112Bは、その周方向両端部を除き、凹凸編地からなる凹凸編地領域112Cによって構成されている。
他端側領域114の後面側領域114Bも同様に、その周方向両端部を除き、凹凸編地からなる凹凸編地領域114Cによって構成されている。
一端側領域112及び他端側領域114の全体は、弾性糸によって編成されている。
凹凸編地領域112Cの凹凸編地及び凹凸編地領域114Cの凹凸編地は、弾性糸を用いたフロート編みを含むメッシュ編みによって編成されている。
一端側領域112において、凹凸編地領域112C以外の領域(一端側領域112の後面側領域112Bの一部及び一端側領域112の前面側領域112A)は、凹凸編地領域112Cよりも軸方向の弾性率が高い領域となっている。
他端側領域114において、凹凸編地領域114C以外の領域(他端側領域114の後面側領域114Bの一部及び他端側領域114の前面側領域114A)は、凹凸編地領域114Cよりも軸方向の弾性率が高い領域となっている。
一端側領域112及び他端側領域114は、いずれも、凹凸編地領域112C、114Cと凹凸編地領域112C、114Cよりも軸方向の弾性率が高い領域とが周方向に配置されている態様の一例である。
これらの構成により、関節用サポーター200は、一端側領域112及び他端側領域114において、凹凸編地領域112C、114Cにより肌ストレス軽減と、凹凸編地領域112C、114Cよりも軸方向の弾性率が高い領域による着用時の安定感向上と、が両立されている。
一端側領域112において、凹凸編地領域112Cよりも軸方向の弾性率が高い領域は、凹凸編地領域112Cよりも軸方向の伸長率が低い領域となっている。
他端側領域114において、凹凸編地領域114Cよりも軸方向の弾性率が高く、かつ、凹凸編地領域114Cよりも軸方向の伸長率が低い領域となっている。
図3は、図2中の一点鎖線で囲った部分の拡大図(即ち、凹凸編地の拡大図)であり、図4は、図3のA−A線端面図である。
図3及び図4に示すように、凹凸編地領域112Cは、複数の凹部202及び複数の凹部210を含む凹凸構造を有している。言うまでも無く、凹凸編地領域112Cのうち、複数の凹部202及び複数の凹部210以外の部分が、複数の凹部202及び複数の凹部210の底に対して、相対的に凸部を構成している。なお、図3及び図4では、一部の凹部にのみ、符号202又は210を付している。
凹部202は、平面視において長尺形状を有している。凹部202の長尺形状の長手方向は、関節用サポーター200の周方向に対して略平行となっている。
長尺形状の凹部202は、凹凸編地領域112Cの伸び易さ(特に、軸方向の伸び易さ)に寄与している。
凹部210は、平面視において円形状を有している。凹部210の深さは、凹部202の深さよりも浅くなっている。凹部210の直径は、凹部202の幅よりも小さくなっている。凹凸編地領域112Cでは、凹部202だけでなく凹部210も有することにより、凹凸編地領域112Cの伸び易さと強度とが高いレベルで両立されている。
凹凸編地領域114Cの凹凸形状も、凹凸編地領域112Cの凹凸形状と同様である。
本実施の形態における凹凸編地領域の凹凸形状は、この具体例には限定されない。
例えば、凹凸編地領域112Cは、2種の凹部(凹部202及び凹部210)を複数ずつ有しているが、本実施の形態における凹凸編地領域は、1種の凹部のみを複数有していてもよい。
凹凸編地領域112C及び凹凸編地領域114Cは、それぞれ、軸方向の弾性率が、0.1N/mm未満となっている。
凹凸編地領域112C及び凹凸編地領域114Cは、それぞれ、周方向の弾性率が、0.1N/mm〜0.5N/mmとなっている。
従って、関節用サポーター200によれば、肌ストレスを軽減しつつ、着用ずれを抑制できる。
また、凹凸編地領域112C及び凹凸編地領域114Cでは、それぞれ、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)を満たしている。
また、着圧付与領域(この例では中央領域110の前面側領域110A)及び凹凸編地領域112Cは、軸方向の伸長率が、(凹凸編地領域112C)>(着圧付与領域)の関係を満たしている。
また、着圧付与領域(この例では中央領域110の前面側領域110A)及び凹凸編地領域114Cは、軸方向の伸長率が、(凹凸編地領域114C)>(着圧付与領域)の関係を満たしている。
これらの構成により、関節用サポーター200では、優れた動作追従性が実現されている。
また、関節用サポーター200において、一端側口ゴム部113及び他端側口ゴム部115は、着用時の関節用サポーター200の着用ずれ及びめくれを防止する機能を有している。
また、関節用サポーター200において、一端側口ゴム部113、一端側領域112、中央領域110、他端側領域114、及び他端側口ゴム部115は、丸編みによって連続的に製造されており、これらの全体の構造がシームレス構造となっている。これにより、着用時のフィット感に特に優れたものとなっている。
但し、本実施の形態の衣類はこの一例に限られず、丸編みと丸編み以外の組織とを縫い合わせて併用して編成されていてもよい。
関節用サポーター200では、中央領域110の平均着圧XAと一端側領域112及び他端側領域114の平均着圧XBとが、着圧差〔XA−XB〕>0kPaの関係を満たしている。
更に、関節用サポーター200では、中央領域110の平均着圧XAと一端側領域112の平均着圧XB1とが、着圧差〔XA−XB1〕>0kPaの関係を満たしている。
更に、関節用サポーター200では、中央領域110の平均着圧XAと他端側領域114の平均着圧XB2とが、着圧差〔XA−XB2〕>0kPaの関係を満たしている。
着圧差〔XA−XB〕、着圧差〔XA−XB1〕、着圧差〔XA−XB2〕、平均着圧XA、平均着圧XB、平均着圧XB1、及び平均着圧XB2のそれぞれの好ましい範囲は前述のとおりである。
関節用サポーター200では、中央領域110の周方向の伸長率が、一端側領域112の周方向の伸長率及び他端側領域114の周方向の伸長率のいずれよりも小さくなっている。
また、関節用サポーター200では、中央領域110の軸方向の伸長率が、一端側領域112の軸方向の伸長率及び他端側領域114の軸方向の伸長率のいずれよりも小さくなっている。
また、関節用サポーター200において、一端側領域112及び他端側領域114では、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)、及び、軸方向の伸長率150%以上の両方が満たされている。
但し、本実施の形態はこの一例に限られず、一端側領域及び他端側領域のうちの少なくとも一部の領域において、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)、及び、軸方向の伸長率150%以上の少なくとも一方が満たされていればよい。
関節用サポーター200の編み組織としては、スパイラルタック編み組織、メッシュ編み組織、立体編み組織、トリコット編み組織、平編み組織、ゴム編み組織、レース編み組織、インレイ編み組織、カットボス編み組織、鹿の子編み組織、リブ編み組織、両面編み組織、フロート編み組織、ノンラン編み組織、及び、これらの編み組織を形成する編成方法を2種以上組み合わせて形成される編み組織、等が挙げられる。
平均着圧が高い中央領域110の編み組織としては、スパイラルタック編み組織、メッシュ編み組織、トリコット編み組織、平編み組織、ゴム編み組織、インレイ編み組織、カットボス編み組織、鹿の子編み組織、リブ編み組織、両面編み組織、又は、これらの編み組織を形成する編成方法を2種以上組み合わせて形成される編み組織が好ましい。
平均着圧が低い一端側領域112及び他端側領域114の編み組織としては、スパイラルタック編み組織、メッシュ編み組織、立体編み組織、ハニカムウェーブ編み組織、平編み組織、ゴム編み組織、ノンラン編み組織、レース編み組織、又は、これらの編み組織を形成する編成方法を2種以上組み合わせて形成される編み組織が好ましい。
一端側口ゴム部113及び他端側口ゴム部115の編み組織としては、ゴム編み組織又はノンラン編み組織が好ましい。
関節用サポーター200の編み組織の表面には、樹脂が付されていてもよい。
樹脂を付する方法としては、スプレー、転写(例えば、熱転写)、樹脂含浸、グラビア印刷、スクリーン捺染、ロータリー捺染、熱圧着や、接着などが挙げられる。樹脂としては、弾性樹脂が好ましい。
また、関節用サポーター200は、編み組織以外のその他の組織を含んでいてもよい。
その他の組織としては、ネオプレンゴムを含む組織、ネオプレンゴム積層体を含む組織等が挙げられる。
関節用サポーター200の材質、紡糸、及び編み組織については、例えば、特開2011−130784号公報、特開2007−9362号公報、特開2010−13765号公報、特開2000−116697号公報、特開2007−54126号公報等に記載の公知の材質、紡糸、及び編み組織を参照してもよい。
関節用サポーター200のサイズについては、関節用サポーター200が着用される関節の種類に応じ、適宜設定される。
例えば、関節用サポーター200を、膝関節に着用される膝用サポーターとして用いる場合、関節用サポーター200の大きさの一例及び関節用サポーター200の伸長率の好ましい態様を、図9及び図10を参照しながら説明する。
図9は、具体例に係る関節用サポーター200が脚に着用されていない状態を示す正面図であり、図10は、具体例に係る関節用サポーター200が脚に着用されていない状態を示す背面図である。
より詳細には、図9は、具体例に係る関節用サポーター200の前面側と後面側とを重ねることにより、関節用サポーター200の形状を略平面形状とした時の正面図(前面側、即ち膝蓋骨側を示す図)であり、図10は、この時の背面図(後面側、即ち膝窩部側を示す図)である。
中央領域110の軸方向長さL10は、前述のとおり60mm〜200mmが好ましく、80mm〜180mmがより好ましい。
一端側領域112の軸方向長さL12は、前述のとおり30mm〜200mmが好ましく、30mm〜150mmがより好ましい。
他端側領域114の軸方向長さL14は、前述のとおり30mm〜200mmが好ましく、30mm〜150mmがより好ましい。
一端側口ゴム部113の軸方向長さL13は、10mm〜80mmが好ましく、20mm〜70mmがより好ましい。
他端側口ゴム部115の軸方向長さL15は、10mm〜80mmが好ましく、10mm〜60mmがより好ましい。
関節用サポーター200(全体)の軸方向長さは、140mm〜760mmが好ましく、180mm〜620mmがより好ましい。
中央領域110の平均周長は、100mm〜300mmが好ましく、150mm〜280mmがより好ましい。
一端側領域112の平均周長は、100mm〜400mmが好ましく、150mm〜350mmがより好ましい。
他端側領域114の平均周長は、100mm〜350mmが好ましく、100mm〜300mmがより好ましい。
一端側口ゴム部113の平均周長は、180mm〜350mmが好ましく、200mm〜320mmがより好ましい。
他端側口ゴム部115の平均周長は、100mm〜350mmが好ましく、120mm〜300mmがより好ましい。
ここで、軸方向長さおよび平均周長は、下記式で表される値である。
軸方向長さ = ((軸方向の最大長さ)+(軸方向の最小長さ))/2
平均周長 = ((最大周長)+(最小周長))/2
また、一端側領域112及び他端側領域114において、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)の関係、及び、軸方向の伸長率150%以上の少なくとも一方を満たす領域は、中央領域110の膝窩部の中心に相当する位置Y(図10中の位置Y)から軸方向に延ばした延長線30を中心として、幅100mmの範囲(図10中の範囲Y1及び範囲Y2)を少なくとも含むことが好ましい。特に好ましくは、一端側領域112及び他端側領域114の全体が、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)の関係、及び、軸方向の伸長率150%以上の少なくとも一方を満たすことである。
また、関節用サポーター200は、中央領域110の前面側領域110A(着圧付与領域)の中心XXを中心とする測定範囲XX1(測定範囲XX1は不図示)、中央領域110の後面側領域110Bの中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって一端側領域112における軸方向の中心である位置XTを中心とする測定範囲XT1(測定範囲XT1は不図示)、及び中央領域110の後面側領域110Bの中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって他端側領域114の後面側領域114Bの中心XSを中心とする測定範囲XS1(測定範囲XS1は不図示)の各々について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって周方向の伸長率を測定したときに、測定範囲XX1の周方向の伸長率が、測定範囲XT1の周方向の伸長率及び測定範囲XS1の周方向の伸長率のいずれよりも低くなっている。
また、関節用サポーター200は、測定位置XX1、測定位置XT1、及び測定位置XS1について、上記条件の引張試験によって軸方向の伸長率を測定したときに、測定範囲XX1の軸方向の伸長率が、測定範囲XT1の軸方向の伸長率及び測定範囲XS1の軸方向の伸長率のいずれよりも低くなっている。
また、中央領域110の伸び率を測定できる場合、関節用サポーター200では、中央領域110を、着圧付与領域の中心XXと中央領域110の後面側領域110Bの中心XYとの距離が長くなる方向に5kgの力で伸ばした場合に、中央領域110の伸び率が180%〜280%となっている。
図1に示すように、関節用サポーター200には、開口部としてのスリット孔20が貫通形成されている。
スリット孔20の形状(開口形状)は、任意で良いが、関節用サポーター200には、一例として、スリット孔20が長円状に形成されている。スリット孔20は、長軸方向が関節用サポーター200の周方向にされて、中心が中央領域110の中心XXに重ねる位置にされている。
関節用サポーター200には、中央領域110の中心XXにスリット孔20が設けられているが、スリット孔20は、中央領域110において、中心XXよりも上側(一端側領域112側であっても良い。また、スリット孔20は、中央領域110の中心XXの位置及び中心XXよりも上方側の位置の各々に設けても良く、中央領域110の中心XXを挟んで上下に設けられても良い。
また、スリット孔20は、長軸が関節用サポーター200の軸方向ではなく、周方向にされて設けられても良く、長軸が関節用サポーター200の軸方向にされて、関節用サポーター200の中心XXを挟んで中心XXの周方向側に設けられても良い。
さらに、スリット孔20は、長軸が関節用サポーター200の軸方向にされたものと周方向にされたものとが設けられていても良い。
また、スリット孔20は、中央領域110の前面側領域110Aに限らず、中央領域110の前面側領域110Aと一端側領域112の前面側領域112Aとに跨って設けてられても良く、スリット孔20は、一端側領域112の前面側領域112Aに設けられても良い。
関節用サポーター200では、スリット孔20が設けられることで、関節の曲げ伸ばし動作に対する追従性が向上される。
また、関節用サポーター200では、長軸が関節用サポーター200の周方向又は軸方向にされたスリット孔20が設けられることで、関節の曲げ伸ばし動作に対する追従性がより向上される。
関節用サポーター200において、スリット孔20を一つ又は複数設ける場合、中央領域110の前面側領域110Aの中心XXを通り関節用サポーター200の軸方向に延びる延長線30(図1では、図示省略)に対して、線対称になるように設けられても良い。スリット孔20が線対称にされることで、関節用サポーター200が軸方向及び周方向に伸長される場合の何れにおいても、関節の曲げ伸ばし動作に対する追従性が向上されて、関節用サポーター200の動作容易性に優れたものにできる。
以上、本実施の形態の衣類の具体例である関節用サポーター200について説明したが、本実施の形態の衣類はこの具体例に限定されることはない。
図5は、本実施の形態の衣類の別の具体例である関節用サポーター203を概念的に示す背面図である。なお、図5においては、開口部としてのスリット孔の図示を省略している。
図5に示すように、関節用サポーター203において、一端側領域112の後面側領域112Bは、凹凸編地領域112Dを含み、凹凸編地領域112Dの周方向長さが、一端側領域112の全周長さの約1/6の長さ(即ち、一端側領域112の後面側領域112Bの周方向長さの約1/3の長さ)となっている。
また、関節用サポーター203において、他端側領域114の後面側領域114Bには、凹凸編地領域が含まれない。
これらの点を除き、関節用サポーター203の構成は、関節用サポーター200の構成と同様である。
図5(関節用サポーター203)に示したように、凹凸編地領域は、必ずしも、一端側領域の後面側領域及び他端側領域の後面側領域の両方に含まれている必要はなく、着圧付与領域以外の領域の一部に含まれていればよい。肌ストレス低減の観点からみた好ましい態様は、凹凸編地領域が一端側領域の後面側領域及び他端側領域の後面側領域の少なくとも一方に含まれる態様であり、更に好ましい態様は、凹凸編地領域の周方向長さが、全周長さの1/6以上の長さである態様(例えば、関節用サポーター200及び関節用サポーター203)である。
また、関節用サポーター203は、スリット孔20と同様のスリット孔を設けることで、関節の曲げ伸ばし動作追従性に優れる。
図6は、本実施の形態の衣類の更に別の具体例である関節用サポーター204を概念的に示す背面図である。
図6に示すように、関節用サポーター204は、一端側口ゴム部113を身体の一部に固定するための固定ベルト120を備えている。この固定ベルト120の一端部は、一端側口ゴム部113の背面側の表面(身体との対向面に対して反対側の面)の一部に接続されている。固定ベルト120は、面ファスナー(不図示)を備えており、これにより、固定ベルト120の少なくとも他端部を、一端側口ゴム部113の背面側の表面の一部に着脱可能に固定できるようになっている。
関節用サポーター204を使用する際は、例えば、まず、関節用サポーター204を、関節部位を含む身体の一部に着用し、次いで一端側口ゴム部113の上から固定ベルト120を巻き付け、次いで固定ベルト120の少なくとも他端側を、一端側口ゴム部113の背面側の表面の一部に着脱可能に固定する。これにより、関節用サポーター204の着用ずれをより効果的に抑制できる。また、関節用サポーター204は、スリット孔20と同様のスリット孔を設けることで、関節の曲げ伸ばし動作追従性に優れる。
なお、関節用サポーター204では、一端側口ゴム部113の背面側の表面の一部に、固定ベルト120の一端部が接続されているが、固定ベルト120の一端部は、一端側口ゴム部113の前面側に固定されていてもよい。
また、関節用サポーター204の固定ベルト120は面ファスナーを備えた例であるが、面ファスナー以外にも、バックル、サイドリリースバックル、ワイヤアジャスタ等を用いることもできる。
また、本実施の形態の衣類の具体例としては、サポーター部としてスリット孔20(開口部)を有する上記関節用サポーター200(関節用サポーター203、204を含む)を組み込んだ衣類(スパッツ、タイツ(例えば、スポーツタイツ、コンプレッションタイツ、医療用タイツ)、ガードル、パンティーストッキング、レギンス、トレンカ、レッグウォーマー等のボトム(例えば、スポーツ用又はインナー用等のボトム);肌着、シャツ、コンプレッションシャツ等のトップ;ソックス;手袋;指サック;包帯;など)も挙げられる。
以下、試験例により、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の試験例に限定されるものではない。
次に、本実施の形態の衣類に設けられる関節用サポーター部の実施例を説明する。
本実施例では、膝関節に着用される関節用サポーター(膝用サポーター)を例に、複数のサンプルを検討し、そのうちのいくつかのサンプついて試験を実施した。
実施した試験結果を試験例として以下に説明する。
−サンプルの詳細−
検討したサンプルA〜Nについて表1及び表2を参照して説明する。
表1には、検討したサンプルA〜Gの各々について、概略形状を示すイメージ図、開口部としてのスリット孔の数、スリット孔を設けた凡その位置、及びスリット孔の向きを示すと共に、サンプルA〜Gの各部位について、置き寸を示している。
表2には、検討したサンプルH〜L、及びサンプルNの各々について、概略形状を示すイメージ図、開口部としてのスリット孔の数、スリット孔を設けた凡その位置、及びスリット孔の向きを示すと共に、サンプルA〜Lの各部位について、置き寸(非伸長時のサイズ)を示している。サンプルMは、市販品の膝用サポーターを用いた比較サンプルであり、ピップ(株)製の「プロ・フィッツ(登録商標)ひざ用」(Mサイズ)である。
サンプルA〜L、及びサンプルNの基本的構成は、上記関節用サポーター200と同様にしており、以下の説明では、関節用サポーター200における中央領域110、一端側領域112、他端側領域114、一端側口ゴム部113、及び他端側口ゴム部115の各々を、膝サポート部、太腿サポート部、脛サポート部、上部口ゴム、及び下部口ゴムとして具体的に表記する。
サンプルA〜サンプルLにおいて、太腿口ゴム、太腿サポート部、膝サポート部、脛サポート部、及び脛口ゴムは、丸編みによって連続的に製造した。この際、膝サポート部の編み組織は、低伸長性のメッシュ編み組織を主体とし、太腿サポート部及び脛側サポート部の編み組織は、いずれも中伸長性のメッシュ編み組織を主体とした。太腿口ゴム及び脛口ゴムの編み組織は、いずれもノンラン編み組織とした。
太腿サポート部において、一端側領域112の後面側領域112Bに対応する裏側のほぼ全面が凹凸編地領域となるようにし、前面側領域112Aに対応する太腿サポート部の前側は、太腿サポート部の裏側の凹凸編地領域よりも軸方向の弾性率が高くなるようにした。同様に、脛サポート部において、他端側領域114の後面側領域114Bに対応する裏側のほぼ全面が凹凸編地領域となるようにし、他端側領域114の前面側領域114Aに対応する脛サポート部の前側は、裏側の凹凸編地領域よりも軸方向の弾性率が高くなるようにした。ここで、膝関節を屈曲させた時の外側に位置するほぼ半周分を前面側とし、残りのほぼ半周分を後面側とし、表1及び表2のイメージ図は、前面視である。また、サンプルA〜サンプルLにおいては、太腿サポート部の裏側の凹凸編地領域及び脛サポート部の裏側の凹凸編地領域の面積はほぼ同一とした。
また、太腿サポート部及び脛サポート部の裏側の凹凸編地領域における凹部は、いずれもフロート編みによって周方向の編目を1目以上飛ばし、タック編みを組み合わせて編むことにより形成した編み組織である。また、膝サポート部の前側(即ち、着圧付与領域)及び膝サポート部の裏側は、フロート編みおよびタック編みの編成を変化させることによって編み分けた。
また、サンプルA〜サンプルLには、開口部としてのスリット孔(スリット孔20に対応する)を設けており、サンプルNでは、開口部を設けることを検討した。サンプルA〜L、Nでは、開口部の数、位置、向き及び大きさの何れか少なくとも一つを異ならせている。
開口部の位置としては、膝部分を「膝中央」として、膝中央より上側(太腿サポート部及び膝サポート部の太腿サポート部側)を「上部」とし、膝中央より下側(脛サポート部及び膝サポート部の脛サポート部側)を「下部」としている。また、開口部の向きは、開口部の長手方向が関節用サポーターの周方向の場合に「横」とし、開口部の長手方向が関節用サポーターの軸方向の場合に「縦」としている。
また、開口部の置き寸は、非伸長時の軸方向及び周方向に対応する寸法を示している。置き寸の測定は、上述した。なお、サンプルMについては、置き寸の記載を省略しており、サンプルNは、開口部の数の検討までとなっている。また、表1及び表2において、「−」は、測定を実施する対象がないか測定を省略していることを示し、市販品のサンプルMについては、イメージ図を省略して空欄にしている。
表1に示すように、サンプルA、Bには、膝中央に横向きの開口部を設け、開口部の置き寸は、サンプルAが横(周方向)5.9cm、縦(軸方向)0.0cm、サンプルBが横(周方向)0.3cm、縦(軸方向)0.6cmとしている。サンプルCには、膝中央に縦向き開口部を設け、開口部の置き寸は、横(周方向)0.0cm、縦(軸方向)2.0cmである。
また、サンプルDには、膝中央に横向きで上下に二つの開口部を設け、上側の開口部の置き寸が、横2.7cm、縦0.0cm、下側の開口部の置き寸が、横2.9cm、縦0.0cmである。サンプルEには、膝中央に縦向きで左右に二つの開口部を設け、左側の開口部の置き寸が、横0.0cm、縦2.3cm、右側の開口部の置き寸が、横0.0cm、縦2.2cmである。
サンプルFには、膝中央に縦向きで左右に二つの開口部を設けると共に、二つの開口部の上側に横向きの開口部を設け、上側の開口部の置き寸が、横3.2cm、縦0.0cm、左側の開口部の置き寸が、横0.0cm、縦1.0cm、右側の開口部の置き寸が、横0.0cm、縦1.3cmである。
サンプルGには、膝中央に横向きの開口部を設ける共に、上部(膝サポート部の太腿サポート部側)に横向きの開口部を設け上側の開口部の置き寸が、横3.0cm、縦0.0cm、下側(膝中央)の開口部の置き寸が、横2.9cm、縦0.0cmである。
また、表2に示すように、サンプルH、I、Kには、上部に横向きの開口部を設けており、開口部の位置は、サンプルHが膝サポート部の太腿サポート部側、サンプルIが膝サポート部と太腿サポート部の境界部分、サンプルKが太腿サポート部である。また、サンプルHの開口部は、横2.8cm、縦0.0cm、サンプルIの開口部は、横3.3cm、縦0.7cm、サンプルKの開口部は、横2.7cm、縦0.0cmである。
サンプルJには、上部に縦向きの開口部を設け、開口部は、膝サポート部と太腿サポート部とに跨って設けられており、置き寸が、横0.0、縦2.1cmである。
としている。サンプルCには、膝中央に縦向き開口部を設け、開口部の置き寸は、横(周方向)0.0cm、縦(軸方向)2.0cmである。
さらに、サンプルLには、膝中央に横向きで上下に二つの開口部を設けると共に、二つの開口部の上側に横向きの開口部を設けており、上部の開口部は、膝サポート部の太腿サポート部側となっている。また、開口部の置き寸は、上部が横2.8cm、縦0.0cm、中央が横2.8cm、縦0.0cm、下側が横2.4cm、縦0.0である。
なお、サンプルMは、膝中央に縦向きで一つの開口部を有するものであり、サンプルNは、膝中央に横向きで3つの開口部が周方向に並んで設けられると共に、上部(膝サポート部の太腿サポート部側)に横向きで2つの開口部が周方向に並んで設けるものとして検討した。
−試験の詳細−
次に、サンプルA〜Mの各々について、着圧差(着圧差〔XA−XB〕、着圧差〔XA−XB1〕、及び着圧差〔XA−XB2〕を測定した。
また、サンプルA、B、D、G〜I、K、Lについて、各部の伸長率及び伸び率の測定を行った。なお、サンプルA、D、G、H、K、Lについては、各々1つのサンプルを測定に用い、サンプルB、Iについては、各々2つのサンプルを測定に用いた。
さらに、サンプルA〜Mの各々について、サポート感、フィット感、作追従性、関節の曲げ伸ばし易さ、着脱しやすさと、の関係に関する評価を行った。
−平均着圧XA、着圧差〔XA−XB〕、着圧差〔XA−XB1〕、及び着圧差〔XA−XB2〕の測定−
各サンプルについて「平均着圧XA、平均着圧XB、平均着圧XB1、及び平均着圧XB2の測定方法」に従い、平均着圧XA、平均着圧XB、平均着圧XB1、及び平均着圧XB2を測定した。
着圧の測定は、マネキンM1の脚の10か所(位置XP1〜XP10)に、着圧測定用のセンサーを取り付ける。
図11及び図12は、マネキンM1に対するセンサー取り付け位置を示す写真である。
図10は、マネキンM1の脚(左脚)を正面(膝の側)から撮影した写真であり、図11は、脚の斜め後ろ側から撮影した写真である。
・位置XP1〜XP10は、詳細には、以下の位置である。
・位置XP1 … 位置XP2を基準とし太腿側70mmの位置(即ち、位置XP3を基準とし太腿側100mmの位置)
・位置XP2 … 位置XP3を基準とし太腿側30mmの位置
・位置XP3 … 膝(膝蓋骨)の中心
・位置XP4 … 位置XP3を基準とし脛側30mmの位置
・位置XP5 … 位置XP4を基準とし脛側70mmの位置(即ち、位置XP3を基準とし脛側100mmの位置)
・位置XP6、XP10 … それぞれ、位置XP2から位置XP4までの範囲内における脚の横側
・位置XP7 … 位置XP1に対する脚の裏側
・位置XP8 … 位置XP2から位置XP4までの範囲内における膝窩部側
・位置XP9 … 位置XP5に対する脚の裏側
マネキンM1としては、
位置XP1の周囲長が405mmであり、
位置XP2の周囲長が370mmであり、
位置XP3の周囲長が360mmであり、
位置XP4の周囲長が346mmであり、
位置XP5の周囲長が367mmであるFRP(Fiber Reinforced Plastics)製のマネキン(例えば、(株)七彩製、製品名「MD−20」)を用いる。
マネキンM1の脚の膝を含む部分に本実施の形態の関節用サポーターを、中央領域110(膝サポート部)が位置XP2、XP3、XP4、XP6、XP8、及びXP10を覆い、一端側領域112(太腿側サポート部)が位置XP1及びXP7を覆い、他端側領域114(脛側サポート部)が位置XP5及びXP9を覆うように着用する。
次に、位置XP1〜XP10の着圧を、各位置に取り付けられた着圧測定用のセンサーによって測定する。
位置XP1、XP5、XP7、及びXP9の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XBとする。
位置XP1及びXP7の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XB1とする。
位置XP5及びXP9の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XB2とする。
位置XP2、XP3、XP4、XP6、XP8、及びXP10の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XAとする。

マネキンM1としては、20代男性標準寸法マネキン((株)七彩製、製品名「MD−20」)を用いた。マネキンMD−20のサイズは、マネキンM1のサイズとして既に示したとおりである。
着圧測定装置としては、着圧測定用のセンサーを備えた(株)エイエムアイ・テクノ製の接触圧測定器「AMI3037−10」を用いた。
マネキンM1の位置XP1〜XP10に対するセンサーの貼り付けは、それぞれ、既定の取り扱い方法(「衣服圧・体圧などの接触圧測定器/接触圧・血流測定システム 株式会社エイエムアイ・テクノ」、[online]、株式会社エイエムアイ・テクノ、[平成27年3月20日検索]、インターネット<http://www.ami-tec.co.jp/>)に準拠して行った。
具体的には、「AMI3037−10」専用のカバーテープ「SB−PTB」を用いて上記位置XP1〜XP10にセンサーを貼り付けた。次いで、センサー厚みが0.5mmとなるように装置付属のシリンジを用いて空気を挿入した。
なお、センサーは、「AMI3037−10」においては、「エアパック」と称されている。
位置XP1〜XP10が取り付けられたマネキンM1の脚に、サンプルをまっすぐに引き上げて着用した。この時、サンプルの中央領域110における膝蓋骨の中心に相当する位置XがマネキンM1の位置XP3に重なるようにし、かつ、位置XP1〜XP10のセンサー全てがサンプルで隠れるようにした。この着用状態を、初期位置とした。
次に、初期位置のサンプルに対し、サンプルの膝側部分を基準としてサンプルの太腿側部分が上から見て(即ち、脚の付け根側から脛側に向かって見て。以下同じ。)右回りに捻られる内反歪みを付与した。この時、付与する内反歪みの量は、サンプルが全てのセンサーを覆う状態を維持でき、かつ、サンプルから手を離した状態でサンプルが動かない状態を維持できる最大の量とした。サンプルに対して上記内反歪みが付与された着用状態を、50秒〜60秒維持した。
次に、サンプルを初期位置に戻し、50秒〜60秒維持した。
次に、初期位置のサンプルに対し、サンプルの膝側部分を基準としてサンプルの太腿側部分が上から見て左回りに捻られる外反歪みを付与した。この時、付与する外反歪みの量は、サンプルが全てのセンサーを覆う状態を維持でき、かつ、サンプルから手を離した状態でサンプルが動かない状態を維持できる最大の量とした。サンプルに対して上記外反歪みが付与された着用状態を、50秒〜60秒維持した。
次に、サンプルを初期位置に戻し、50秒〜60秒維持した。
次に、サンプルを上下方向に伸長することにより伸長歪みを付与した。付与する伸長歪みの量は、サンプルから手を離した状態でサンプルが動かない状態を維持できる最大の量とした。サンプルに対して上記伸長歪みが付与された着用状態を、50秒〜60秒維持した。
次に、サンプルを初期位置に戻し、50秒〜60秒維持した。
次に、位置XP1〜XP10の着圧を、「AMI3037−10」によって測定した。
位置XP1、XP5、XP7、及びXP9の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XBとした。
位置XP1及びXP7の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XB1とした。
位置XP5及びXP9の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XB2とした。
位置XP2、XP3、XP4、XP6、XP8、及びXP10の各測定値の平均値を求め、得られた平均値を平均着圧XA(kPa)とした。
更に、平均着圧XAから平均着圧XBを差し引くことで、着圧差〔XA−XB〕(kPa)を求めた。
更に、平均着圧XAから平均着圧XB1を差し引くことで、着圧差〔XA−XB1〕(kPa)を求めた。
更に、平均着圧XAから平均着圧XB2を差し引くことで、着圧差〔XA−XB2〕(kPa)を求めた。
平均着圧XA、着圧差〔XA−XB〕、着圧差〔XA−XB1〕、及び着圧差〔XA−XB2〕を、下記表3及び表4に示す。なお、表3には、サンプルA〜サンプルGを示し、表4には、サンプルH〜Mを示す。但し、言うまでもないが、センサーの位置に開口部があるサンプルについては、開口部位置のセンサーの測定値は、平均着圧XAの算出には用いなかった。
−伸長率(%)の測定−
サンプルにおける、中央領域110における膝蓋骨の中心に相当する位置XXを中心とする測定範囲X1、膝窩部の中心に相当する位置Yから軸方向に延ばした延長線30上であって一端側領域112における軸方向の中心である位置Tを中心とする測定範囲T1、及び膝窩部の中心に相当する位置Yから軸方向に延ばした延長線30上であって他端側領域114(脛サポート部)における軸方向の中心である位置Sを中心とする測定範囲S1の各々について、軸方向の伸長率(%)及び周方向の伸長率(%)を測定した。
伸長率(%)の測定方法の詳細は前述のとおりである。
各サンプルの伸長率を表3及び表4に示す。
−凹凸編地領域の軸方向弾性率及び周方向弾性率の測定−
凹凸編地領域の軸方向弾性率の測定は、上述の測定法により測定した。
凹凸編地領域の軸方向弾性率は、太腿サポート部(一端側)の凹凸編地領域の軸方向弾性率と脛サポート部(他端側)の凹凸編地領域の軸方向弾性率との平均値とした。
凹凸編地領域の周方向弾性率の測定は、サンプルの凹凸編地領域を、周方向伸長率200%にて伸長させた時の周方向弾性率を測定した。
凹凸編地領域の周方向弾性率は、太腿サポート部の凹凸編地領域の周方向弾性率と脛サポート部の凹凸編地領域の周方向の弾性率との平均値とした。
上述した凹凸編地領域の周方向弾性率の測定において、サポーター部に単一の凹凸編地を含む凹凸編地領域が用いられる場合には、この凹凸編地領域における周方向弾性率を、凹凸編地領域の周方向弾性率とする。
また、サポーター部に編成の異なる凹凸編地を含む2種以上の凹凸編地領域が用いられる場合には、各領域における周方向弾性率を求め、それらの面積平均値を、凹凸編地領域の周方向弾性率とする。
また、一端側と凹凸編地領域の周方向弾性率と他端側の凹凸編地領域の周方向弾性率との平均値を算出する際、各領域の面積が異なる場合には、それらの面積を考慮して算出する。
各サンプルの凹凸編地領域の軸方向の弾性率及び周方向の弾性率を表3及び表4に示す。
−伸び率の測定−
伸び率は、中央領域110の位置Xと位置Yとの間の置き寸L101を測定する。また、中央領域110を、位置Xと位置Yとの距離が離れる方向に5kgの力で内部から押し伸ばす。押し伸ばされた状態の位置Xと位置Yとの距離を測定し、伸び寸L102として置き寸L101及び伸び寸L102を用いて算出した。
各サンプルの伸び率を表3及び表4に示す。
−サポート感、フィット感、及び動作追従性の評価−
成人男性2名及び成人女性1名の計3名の被験者を対象として、各サンプルを着用してもらい、サポート感、フィット感、動作追従性、膝関節の曲げ伸ばし易さ(屈伸容易性)、及び着脱し易さ(着脱容易性)に関する官能評価を行った。
詳細には、各被験者に対し、サポート感、フィット感、膝の曲げ伸ばし動作に対する追従性(動作追従性)、膝関節の曲げ伸ばし易さ(屈伸容易性)、及び着脱し易さ(着脱容易性)に関するヒヤリングを行った。
ヒヤリング結果に基づき、以下の採点方法に従って採点を行った。
−−サポート感の採点方法−−
5点 … サポート感を顕著に感じた。
4点 … サポート感を比較的感じた。
3点 … サポート感があるともないとも言えない。
2点 … サポート感をあまり感じなかった。
1点 … サポート感を全く感じなかった。
−−フィット感−−
5点 … フィット感を顕著に感じた。
4点 … フィット感を比較的感じた。
3点 … フィット感があるともないとも言えない。
2点 … フィット感をあまり感じなかった。
1点 … フィット感を全く感じなかった。
−−動作追従性−−
5点 … 動作追従性が良好であった。
4点 … 動作追従性が比較的あった。
3点 … 動作追従性があるともないとも言えない。
2点 … 動作追従性をあまり感じなかった。
1点 … 動作追従性を全く感じなかった。
−−膝関節の曲げ伸ばしのし易さ−−
5点 … 膝関節の曲げ伸ばしのし易さを顕著に感じた。
4点 … 膝関節の曲げ伸ばしのし易さを比較的感じた。
3点 … 膝関節の曲げ伸ばしのし易さがあるともないとも言えない。
2点 … 膝関節の曲げ伸ばしのし易さをあまり感じなかった。
1点 … 膝関節の曲げ伸ばしのし易さを全く感じなかった。
−−着脱容易性−−
5点 … 着脱が容易であった。
4点 … 着脱が比較的容易であった動作追従性が比較的あった。
3点 … 着脱が容易であるともないとも言えない。
2点 … 着脱が容易とはあまり感じなかった。
1点 … 着脱が容易でなかった。
次に、サポート感、フィット感、動作追従性、膝関節の曲げ伸ばし易さ、及び着脱し易さのそれぞれについて、被験者3名の合計点を算出し、それぞれ、サポート感合計点、フィット感合計点、動作追従性合計点、膝関節の曲げ伸ばし易さ合計点、及び着脱し易さ合計点とした。
更に、サポート感合計点、フィット感合計点、動作追従性合計点、膝関節の曲げ伸ばし易さ合計点、及び着脱し易さ合計点を評価した。
サンプルA〜Gについて、上述の測定結果と共に評価結果を表3に示す。また、サンプルH〜L、及びサンプルMについて、上述の測定結果と共に評価結果を表4に示す。なお、表3及び表4において、「N.D.」は、サンプルの構成上の理由で測定を実施できないために評価結果無し(No Data)であることを意味する。また、表3及び表4において、「−」は、試験(測定)を実施していないことを示す。
試験結果の評価
表3及び表4に示すように、サンプルA〜サンプルLは、何れも着圧付与領域を含む膝サポート部の前側の平均着圧が、一端側領域(太腿サポート部)及び他端側領域(脛サポート部)の平均着圧よりも高いことが確認された。これに対して、サンプルMでは、膝サポート部の平均着圧が、太腿サポート部及び脛サポート部の平均着圧よりも低くなっている。即ち、サンプルA〜Lは、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たしている。
従って、サンプルA〜Lは、関節に着用させた場合に、サポート感及びフィット感に優れる。また、サンプルA〜Lは、凹凸編地領域を含むことから、肌ストレス軽減の効果に優れると想到される。
また、サンプルMは、平均着圧XAが2.6kPa以下であるに対して、サンプルA〜Lは、何れも平均着圧XAが2.6kPa以上となっている。従って、サンプルA〜Lは、サポート感及び快適性をより向上できる。
また、サンプルA〜D、G〜Lは、着圧差〔XA−XB〕≧0.8kPaの関係を満たしており、サンプルA〜D、G〜Lサポート感及びフィット感をより一層向上できる。
また、サンプルA、D、G、H、K、Lは、凹凸編地領域を含む膝サポート部の軸方向及び周方向のうちの一方向の弾性率が0.1N/mm未満であり、軸方向及び周方向のうちの他方向の弾性率が、0.1N/mm〜0.5N/mmである。従って、サンプルA、D、G、H、K、Lでは、フィット感がより向上する。また、上記他方向の弾性率が0.1N/mm以上であると、サポーター部の着用ずれを抑制できる。さらに、上記他方向の弾性率が0.5N/mm以下であると、肌ストレスをより軽減できる。
サンプルA、B、D、G、Lは、膝サポート部の中央部分(膝中央)に開口部を有することで、膝サポート部の前側の伸長率の測定が不能となっているが、サンプルH、I、Kでは、(周方向の伸長率)>(軸方向の伸長率)の関係を満たす。従って、少なくともサンプルH、I、Kは、膝(膝関節)の屈伸動作追従性に優れると想到される。
一方、サンプルA〜H、Lには、膝サポート部の前側に開口部が設けられ、サンプルKには、太腿サポート部に開口部が設けられえいる。また、サンプルI、Jには、膝サポート部と太腿サポート部とに跨って開口部が設けられている。即ち、サンプルA〜Lは、着圧付与領域の前面側領域、一端側領域の前面側領域及び他端側領域の前面側領域の少なくとも一領域に少なくとも1つの開口部を有している。
また、サンプルD〜G、Lには、開口部が複数設けられている。
従って、サンプルA〜Lは、膝関節の曲げ伸ばし動作において、サポーター部の追従性が向上されていると想到できる。
即ち、表3及び表4の評価結果に示されるように、サンプルA〜Lは、サポート感及びフィット感に優れると共に、関節の曲げ伸ばし動作追従性に優れ、関節の曲げ伸ばし動作容易性に優れることが判る。
20 スリット孔(開口部)
200、203、204 関節用サポーター(関節用サポーター部)
110 中央領域
110A、112A、114A 前面側領域
112 一端側領域
113 一端側口ゴム部
114 他端側領域
115 他端側口ゴム部

Claims (26)

  1. 筒状の関節用サポーター部を備える衣類であって、
    前記関節用サポーター部が、身体の関節部位に対して着圧を付与するための着圧付与領域を含む前記関節用サポーター部の軸方向の中央領域と、前記中央領域に対して前記軸方向の一端側に位置する一端側領域と、前記中央領域に対して前記軸方向の他端側に位置する他端側領域と、を含むと共に、
    前記着圧付与領域の着圧が、前記一端側領域及び前記他端側領域の平均着圧よりも高く、前記関節用サポーター部における前記着圧付与領域以外の領域が、凹凸組織からなる凹凸組織領域を含み、
    前記関節用サポーター部において、前記着圧付与領域の中心XXを中心とする半周を前記関節用サポーター部の前面側とし、残りの半周側を前記関節用サポーター部の後面側とした際に、前記着圧付与領域の前面側領域、前記一端側領域の前面側領域及び前記他端側領域の前面側領域の少なくとも一領域に少なくとも1つの開口部を有する衣類。
  2. 前記開口部を前記着圧付与領域の前面側領域に有する請求項1に記載の衣類。
  3. 前記開口部を前記一端側領域の前面側領域に有する請求項1に記載の衣類。
  4. 前記開口部を複数有する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の衣類。
  5. 前記凹凸組織からなる前記凹凸組織領域が、凹凸編地からなる凹凸編地領域である請求項1から請求項4の何れか1項に記載の衣類。
  6. 前記着圧付与領域及び前記凹凸編地領域は、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、前記着圧付与領域より前記凹凸編地領域の方が大きいという関係を満たす請求項5に記載の衣類。
  7. 前記凹凸編地が、フロート編み組織を含む請求項5又は請求項6に記載の衣類。
  8. 前記凹凸編地領域は、
    前記関節用サポーター部の軸方向及び周方向のうちの一方向に伸長率200%にて伸長させたときに、前記一方向の弾性率が、0.1N/mm未満である請求項5から請求項7の何れか1項に記載の衣類。
  9. 前記凹凸編地領域は、
    前記関節用サポーター部の軸方向及び周方向のうちの一方向に伸長率200%にて伸長させたときに、前記一方向の弾性率が、0.1N/mm未満であり、
    前記関節用サポーター部の軸方向及び周方向のうちの他方向に伸長率200%にて伸長させたときに、前記他方向の弾性率が、0.1N/mm〜0.5N/mmである請求項5から請求項8の何れか1項に記載の衣類。
  10. 前記凹凸編地領域は、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された、前記関節用サポーター部の軸方向の伸長率及び前記関節用サポーター部の周方向の伸長率が、(軸方向の伸長率)>(周方向の伸長率)の関係を満たす請求項5から請求項9の何れか1項に記載の衣類。
  11. 前記一端側領域及び前記他端側領域の少なくとも一方が、前記凹凸編地領域を含む請求項5から請求項10の何れか1項に記載の衣類。
  12. 前記一端側領域及び前記他端側領域の少なくとも一方が、更に、前記凹凸編地領域よりも前記軸方向の弾性率が高い領域を含み、
    前記凹凸編地領域と、前記凹凸編地領域よりも前記軸方向の弾性率が高い領域と、が前記関節用サポーター部の周方向に配置されている請求項11に記載の衣類。
  13. 前記一端側領域の後面側領域及び前記他端側領域の後面側領域の少なくとも一方が、前記凹凸編地領域を含む請求項5から請求項12の何れか1項に記載の衣類。
  14. 前記一端側領域の後面側領域が前記凹凸編地領域を含む場合には、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、前記一端側領域の後面側領域の前記凹凸編地領域が前記一端側領域の前面側領域が大きいという関係を満たし、
    前記他端側領域の後面側領域が前記凹凸編地領域を含む場合には、前記条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、前記他端側領域の後面側領域の前記凹凸編地領域が前記他端側領域の前面側領域より大きいという関係を満たす請求項13に記載の衣類。
  15. 前記凹凸編地領域について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって測定された前記軸方向の伸長率が、150%以上である請求項5から請求項14の何れか1項に記載の衣類。
  16. 前記中央領域が、膝関節、肘関節、手指関節、又は足指関節に着用される請求項1から請求項15の何れか1項に記載の衣類。
  17. 前記中央領域が、膝関節に着用される請求項1から請求項16の何れか1項に記載の衣類。
  18. 前記中央領域の平均着圧XAと前記一端側領域及び前記他端側領域の平均着圧XBとが、(平均着圧XA)>(平均着圧XB)の関係を満たす請求項16又は請求項17に記載の衣類。
  19. 前記平均着圧XAと前記平均着圧XBとが、((平均着圧XA)−(平均着圧XB))≧0.8kPaの関係を満たす請求項18に記載の衣類。
  20. 前記中央領域の平均着圧XAが、2.6kPa以上である請求項16から請求項18の何れか1項に記載の衣類。
  21. 前記中央領域を、前記着圧付与領域の中心XXと前記中央領域の後面側の中心XYとの距離が長くなる方向に5kgの力で伸ばした場合に、前記中央領域の伸び率が180%〜280%である請求項1から請求項20の何れか1項に記載の衣類。
  22. 前記着圧付与領域の中心XXを中心とする測定範囲XX1、前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記一端側領域における軸方向の中心である位置XTを中心とする測定範囲XT1、及び前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記他端側領域における軸方向の中心である位置XSを中心とする測定範囲XS1の各々について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって周方向の伸長率を測定したときに、
    前記測定範囲XX1の周方向の伸長率が、前記測定範囲XT1の周方向の伸長率及び前記測定範囲XS1の周方向の伸長率の何れよりも低い請求項1から請求項21の何れか1項に記載の衣類。
  23. 前記着圧付与領域の中心XXを中心とする測定範囲XX1、前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記一端側領域における軸方向の中心である位置XTを中心とする測定範囲XT1、及び前記中央領域の後面側領域の中心XYから軸方向に延ばした延長線上であって前記他端側領域における軸方向の中心である位置XSを中心とする測定範囲XS1の各々について、つかみ幅15mm、つかみ間隔15mm、及び引張荷重20Nの条件の引張試験によって軸方向の伸長率を測定したときに、
    前記測定範囲XX1の軸方向の伸長率が、前記測定範囲XT1の軸方向の伸長率及び前記測定範囲XS1の軸方向の伸長率のいずれよりも低い請求項1から請求項22の何れか1項に記載の衣類。
  24. 前記関節用サポーター部の全体の構造は、シームレス構造である請求項1から請求項23の何れか1項に記載の衣類。
  25. 前記関節用サポーター部は、更に、
    前記一端側領域から見て前記中央領域の反対側に配置された一端側口ゴム部、及び、前記他端側領域から見て前記中央領域の反対側に配置された他端側口ゴム部を含む請求項1から請求項24の何れか1項に記載の衣類。
  26. 更に、前記関節用サポーター部の一部を身体の一部に固定するための固定ベルトを備える請求項1から請求項25の何れか1項に記載の衣類。

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