JP2018171578A - 工業用水の清澄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業用水を十分に清澄化することができる方法を提供する。【解決手段】工業用水にカチオン系有機凝結剤、第二鉄塩、及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイドを添加して凝集処理する工程と、次いで濾過する濾過処理工程とを有する工業用水の清澄化方法。カチオン系有機凝結剤はポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、工業用水を凝集及び濾過処理して清澄化する方法に関する。詳しくは、本発明は、カチオン系有機凝結剤、第二鉄塩及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイドを添加して工業用水を凝集処理する工程を有する工業用水の清澄化方法に関する。
カチオン系有機凝結剤としてポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)を用い、無機凝集剤として塩化第二鉄を用いた水処理方法が特許文献1に記載されている。特許文献1では、被処理水は、電子部品製造工場排水や食品工場排水を生物活性炭処理した処理水である。特許文献1には、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイド(MFRAC)を併用することについての記載はない。
特許文献2には、湿式塗膜ブース循環水をDADMAC、塩化第二鉄及びメラミンホルムアルデヒド縮合物を用いて凝集処理することが記載されている。特許文献2には、工業用水を処理することについての記載はない。
特許文献3には、微粉炭懸濁液にメラミンホルムアルデヒド重縮合物を添加すると大きなフロックが生じることが記載されている。特許文献3には、DADMAC、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイド(MFRAC)を併用することについての記載はない。
特開2016−185512号公報 特開2014−34006号公報 特公昭38−12517号公報
本発明は、工業用水を十分に清澄化することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、次を要旨とする。
[1] 工業用水にカチオン系有機凝結剤、第二鉄塩、及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイドを添加して凝集処理する工程と、次いで濾過する濾過処理工程とを有する工業用水の清澄化方法。
[2] 工業用水のPO−Pが8〜113ppbであることを特徴とする[1]に記載の工業用水の清澄化方法。
[3] カチオン系有機凝結剤の添加量が、流動電位法による流動電位ゼロ滴定量の15%以上100%未満であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の工業用水の清澄化方法。
[4] カチオン系有機凝結剤がポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の工業用水の清澄化方法。
[5] 第二鉄塩の添加量が鉄として4mg/L以下であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の清澄化方法。
[6] 前記凝集工程からの凝集水を、沈殿または浮上の固液分離工程を経ずに直接に濾過処理することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の工業用水の清澄化方法。
[7] 濾過処理がUF膜またはMF膜による濾過であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の工業用水の清澄化方法。
[8] 濾過処理された水を逆浸透膜で脱塩することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の工業用水の清澄化方法。
工業用水をカチオン系有機凝結剤と第二鉄塩とMFRACとで凝集処理し、濾過することで、逆浸透膜汚染要因の微量微粒子汚濁(MFF)、バイオポリマー汚濁(SFF)、残留Al、さらには膜モジュール内での微生物繁殖要因となる微量PO−Pの除去を行うことができる。
また、凝集処理に伴う凝集フロックの発生量を大幅に減少できるため、凝集物を一次の固液分離を行うことなく、直接濾過することができる。
実験結果を示すグラフである。
本発明の工業用水の清澄化方法は、工業用水にカチオン系有機凝結剤、第二鉄塩、及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイド(MFRAC)を添加して凝集処理する工程と、次いで濾過する濾過処理工程とを有するものである。
工業用水としては、河川水、湖沼水、地下水などが例示される。本発明では、処理対象となる多様な水(活性汚泥を含む)と工業用水を区別するため、工業用水のPO−P濃度を8〜113ppbとする。
ほぼすべての工業用水は、PO−P濃度8〜113ppb(0.08mg/L〜0.113mg/L)である。
[カチオン系有機凝結剤]
カチオン系有機凝結剤としては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)、エピクロルヒドリン/ジアルキルアミン縮合物などを用いることができるが、DADMACが好ましい。
カチオン系有機凝結剤の分子量は、1規定硝酸ナトリウム溶液中での固有粘度で0.3〜1.0dL/g程度であることが好ましい。
生物処理水でカチオン系有機凝結剤のA値(流動電位法(装置名PCD(particle charge detector))による流動電位ゼロmVに要したカチオン系有機凝結剤消費量(ppm))を測定した結果を表1に示す。表1は、生物処理沈殿処理水のコロイド荷電中和(流動電位ゼロ)に要する各種カチオン系凝結剤のA値を示している。
Figure 2018171578
いずれのカチオン系有機凝結剤もアニオン性コロイド荷電の中和力(荷電ゼロ化)があるが、消費カチオンコロイド量(μeq/L)で見ると、カチオン基が側鎖、外側にある構造であるDADMACや、メチルグリコールキトサン(MGCh)が効率的である。
MGChは高価な試薬で実用性に欠ける。実用的には価格や米国で飲料水用に使用が認められていることを含めてDADMACが最適である。
本発明では、カチオン系有機凝結剤の添加量が、流動電位法(装置名PCD(particle charge detector))による流動電位ゼロmVに要したカチオン系有機凝結剤消費量(ppm)(A値)の14〜100%特に30〜70%が好ましい。DADMACを92%含有する製品の場合、添加量は0.1〜1.0mg/L特に0.3〜0.7mg/L程度が好ましい。
[第二鉄塩]
第二鉄塩としては、塩化第二鉄が好ましく、その添加量は鉄として4mg/L以下、例えば1〜4mg/Lが好ましい。
[メラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイド(MFRAC)]
MFRACは、メラミンとアルデヒドを反応させて得られたメチロールメラミンにさらに酸を添加することで製造されるが、必要に応じて、メチロールメラミンをさらにアルキルエーテル化したものに酸を加えても良い。
本発明で用いるメラミン・ホルムアルデヒド樹脂は、酸コロイド溶液としたときのコロイド粒径が体積平均で10〜70nm、特に20〜50nmであることが好ましい。メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の酸コロイド溶液のコロイド粒径は例えば動的光散乱法により測定し、その平均値として求めることができる。MFRACとしては、市販品をいずれも好適に用いることができる。
MFRAC(樹脂分9%の製品の場合)の添加量は3〜15mg/L特に5〜10mg/L程度が好ましい。MFRACの第一の作用機能は、バイオポリマーの内、マイナス荷電のない、または微少であるためマイナス荷電中和で凝結効果を発揮する無機凝集剤では処理が難しい中性多糖類の不溶化である。第二の作用機能は、第二鉄塩添加で生じたMFFに関与する水酸化鉄を含む被処理水中のコロイド状物質の吸着、取り込みによるMFF改善である。
[凝集処理]
上記の薬剤(以下、凝集剤ということがある)の添加は同時であってもよく、添加時期をずらしてもよい。凝集剤の添加は、ライン添加でもよく、槽内への添加でもよい。即ち、凝集処理は、凝集剤を添加してラインミキサに通水したり、凝集撹拌槽で撹拌したりすることにより行われる。なお、凝集槽からフロック成長槽に導入するようにしてもよい。
[濾過処理]
凝集処理水は、前処理としての一次の固液分離処理(例えば浮上分離、沈降分離、遠心分離など)を経ることなく、直接に濾過処理することができる。
濾過処理手段としては、二層濾過器や膜濾過器が好ましい。この膜としては、MF膜、UF膜などを用いることができる。
濾過処理された水を、逆浸透膜(RO膜)でさらに処理してもよい。
以下、実施例及び比較例について説明する。
[使用薬剤]
以下の実施例及び比較例で用いた薬剤を表2に示す。
有機系カチオン凝結剤は固形分92%のDADMACの製品添加量を基準としたので、固形分50%のエピクロルヒドリン/ジアルキルアミン縮合物(EPDAA)は、DADMACの固形分92%相当の製品添加量で表示した。
したがって、被処理水IのPCD滴定による流動荷電0mVに要する消費量A値1.87ppmは、製品としては1.87×92/50=3.44ppmである。
Figure 2018171578
[凝集条件]
凝集処理には、宮本製作所(株)製ジャーテスターを使用し、表3の条件で凝集を行った。
Figure 2018171578
[濾過処理]
濾過処理は、凝集液の全量をあらかじめ純水500mlで洗浄したアドバンテック社製の185φNO5A濾紙2枚重ねで行った。
なお、この濾過処理の粒子捕捉機能は重力式二層濾過(主濾過砂径0.45mm)と圧力式二層濾過(主濾過砂径0.60mm)の中間に位置する。
[SFF、MFFの測定方法]
最大孔径0.45μm25φMF、商品名メルクミリポア社HAWP02500を使用し、基準水(T0)、試料水150ml(T1)、試料水150ml(T2)を順次、−67kPaの条件で減圧濾過し、透過時間T0、T1、T2を計測する。
基準水は微粒子およびバイオポリマーが完全フリーの1mS/m〜3mS/mの清澄水を使用する。
本評価では、栗田工業(株)排水回収設備のRO透過水(約2mS/m)を使用した。
一連の測定においては水温を0.1℃単位で測定し、T0、T1、T2を25℃条件で、1℃当りの粘性係数比1.024を用いて補正する。
SFF=補正T1/補正T0
MFF=補正T2/補正T1である。
[微量PO−Pの測定方法]
概ね100ppb(0.1mg/l)を超えるPO−PはJIGK0101にしたがって行った。
100ppb未満の微量PO−Pは、特開2016−18824号公報に記載の方法に準じ、これを一部改良して実施した。測定精度としては±0.3ppb(50mmセル吸光度±0.001)である。
したがって1ppb未満は分析上の精度は欠ける。しかし、少数点第1位での技術比較は可能と判断し1ppb未満も小数点1位で表示した。また、測定値から計算される値がマイナスとなる場合も原理的にはあり得ないが、そのままマイナス表示した。
[残留アルミニウム、残留鉄の測定方法]
ICPによりppb単位で測定した。
[UV260nm吸光度の測定]
主としてフミン系有機物の指標として260nmの紫外吸光度を50mmセルにて計測した。
[薬剤中の固形分量の計算方法]
MFRACは固形分9%より製品(ppm)×0.09、DADMACは固形分92%より製品(ppm)×0.92、EPDAAは固形分92%換算表示ゆえ(ppm)×0.92とした。
塩化第二鉄(FC)はFC13.1%より固形分はFe形態と想定し、18.7%として製品(ppm)×0.187を薬剤固形分とした。
PACはAl10.4%より固形分はAl(OH)形態と想定し、15.7%として製品(ppm)×0.157を薬剤固形分とした。
[薬剤による含水状態のフロック発生容量]
フロック発生容量の計測は困難なため、フロック容量評価は行わない。
ただし、同じ薬剤固形分でのフロック容量は大きい順(水分含有が多い順)で以下の通りと考えられ、有機系カチオン凝結剤凝集物の水分含有は無機凝集剤やMFRACに比較して非常に少ない。フロック発生容量は、PAC>塩化第二鉄≧MFRAC>>DADMACおよびEPDAAである。
[用いた工業用水の水質]
実施例及び比較例で用いた工業用水の水質を表4に示す。
Figure 2018171578
千葉工水A,Bは同一の工業用水系で、水源は過栄養湖の印旛沼で、原水のPO−Pは100ppbを超えるが、浄水場で常時PAC処理が行われているため、配水される工業用水のPO−Pは2016年6月15日は22ppb、同年10月11日は8ppbとなっている。
有機汚濁(UV260nm50mmセル吸光度)水準は相当に高い。
なお、千葉県企業局公開データから推算すると、浄水場では平均13ppmの液体塩化アルミニウムで凝集、沈殿されている。
熊本県八代市井戸水は、その単純濾過水をプラント洗浄に使用した排水で、その回収検討の評価結果である。同排水はSSを濾過で除けば、無色・透明で有機汚濁水準のUV260nm50mmセル吸光度=0.03で、水質が良い部類の水道水並みである。しかし、PO−Pを100ppb以上含有している。
この井戸水の採取直後のSFF=0.98、MFF=1.02であるが、大気開放放置で微生物が繁殖し(凝集試験前の生菌数=30万CFU/ml)で、微生物代謝物でSFF、MFFが悪くなっている。
鹿島工水は、過栄養湖(PO−P100ppb以上)に分類されると思われる北浦を水源とし、浄水場で液体硫酸バンド5ppmで凝集・沈殿処理されている。この結果、PO−Pは46ppbとなっている。有機汚濁(UV260nm50mmセル吸光度)水準と高い。なお、鹿島浄水場では液体硫酸バンド5ppmでの凝集・沈殿を行っている。
[評価項目と評価基準]
評価項目は下記(1)〜(5)である。各評価項目での評価基準は以下の通りとした。
(1) 薬剤固形物量
5mg/l未満 ◎
5〜10mg/l未満 ○(同一SS量ならPACよりFCの含水フロック量が少ないことを考慮して最大10mg/lを許容範囲とした)
10mg/l以上 ×
(2) PO−P
1ppb未満 ◎
1〜3ppb未満 ○
3ppb以上 ×
(3) 残留Al
20ppb未満 ◎
20〜50ppb未満 ○
50ppb以上 ×
(4) バイオポリマー指標SFF
1.00未満 ◎
1.00〜1.08未満 ○
1.08以上 ×
(5) 微粒子汚濁指標MFF
1.025未満 ◎
1.025〜1.10未満 ○
1.10以上 ×
[実施例1〜8、比較例1〜17]
千葉工業用水(工水)Aに対し表5,6に示す薬剤を添加し、前記条件で凝集処理し、次いで濾過処理した。上記評価基準による評価結果を、表5,6に示す。
Figure 2018171578
Figure 2018171578
[考察]
実施例1では、DADMAC0.50ppm(対A値48%)、塩化第二鉄(以下FC)10ppm(Fe=1.3mg/l)とMFRAC5ppmの凝集処理によって、SFF◎、MFF○、PO−P◎、残留Al○の処理水質が得られ、発生SSも2.8mg/l(○)であった。
実施例2では、FC10ppmから20ppmへの増加で、残留Alが25ppb(○)→8ppb(◎)とさらに向上した。
実施例3〜6では、DADMAC添加量対A値が14%〜96%の範囲で、FC10ppm、MFRAC5ppmで、評価項目すべてをクリアーする。
DADMACを添加しない比較例6では、SFF、MFFが×である。
一方、DADMAC添加量対A値115%の比較例16ではSFF、MFFが×になる。
なお、A値とSFF、MFFの関係は図1のようになる。
なお、図1は、千葉工水AにおけるDADMA添加量比(%/A値)とSFF、MFF(FC20ppmMFRAC5ppm)の関係を示している。
実施例7、8は、カチオン系有機凝結剤をエピクロルヒドリン/ジアルキルアミン縮合物(以下EPDAA)としたものである。この場合でもFC20ppm、MFRAC5ppmで評価項目をすべてクリアーする。ただしDADMACの固形分92%換算の添加量は増加する。
比較例1は、MFRAC単独で添加量を30ppmまで増加したものである。SFF、MFFは◎および○になるが、PO−P除去、残留Al低減はできない。
比較例2〜5は、FCのみを添加したものである。この比較例2〜5では、薬剤発生SS量を除く水質評価項目をクリアーするには100ppm以上の添加量を必要とし、この場合薬剤発生SS量が×となる。
比較例7〜10はPACのみを添加したものである。この比較例7〜10では、薬剤発生SS量を除く水質評価項目をクリアーするには100ppm以上の添加量を必要とし、この場合薬剤発生SS量が×となる。
比較例11、12は、MFRACを添加しないものである。この場合、MFFが×である。
比較例13、14は、FCを添加しないものである。この場合、PO−P、残留Alが低減しない。
比較例17は薬剤処理なしのブランクの評価である。
[実施例9〜14、比較例18〜31]
鹿島工業用水に表7,8の通り、各薬剤を添加して前記上限で凝集及び濾過処理した。結果を表7,8に示す。
Figure 2018171578
Figure 2018171578
[考察]
実施例9、10、11では、DADMAC0.80ppm(対A値58%)、FC15〜30ppm(Fe2.0%〜3.9%)、MFRAC13ppmで水質評価項目と薬剤起因SS発生量をクリアーできる。
PO−Pと残留Alの除去水準はFC添加量に依存する。
実施例12では、DADMAC添加量を対A値58%→29%としたものである。SFF、MFF評価は◎および○で大きくは変化しない。
実施例13、14は、カチオン系有機凝結剤をエピクロルヒドリン/ジアルキルアミン縮合物(EPDAA)としたものである。この場合でもFC20ppmMFRAC13ppmで評価項目をすべてクリアーする。
ただしDADMACの固形分92%換算の添加量は増加する。
比較例18は、MFRAC単独で添加量を40ppmまで増加したものである。この場合、SFF、MFFは○になるが、PO−P除去、残留Al低減はできない。
比較例19〜21は、FC30ppm〜70ppm単独添加である。この場合、SFF、MFFは×である。○にするには100ppm以上(Fe13mg/L以上)の添加量が必要と推察される。
比較例22は、DADMAC添加がないものである。この場合、FC20ppmでMFRACを実施例10の2倍以上の30ppm添加してもSFF、MFF評価は×である。
比較例23〜25は、PAC単独である。この場合、30〜70ppmでSFF、MFF×である。○にするには100ppm以上の添加両が必要と推察される。
比較例26、27は、塩化第二鉄の代りにPACを30ppm、15ppm添加したものである。この場合、SFF、MFFは◎であるが、残留Alが薬剤なし(比較例31)の137ppbからそれぞれ203、237ppbに増加する。またPO−P低減効果が劣る。
比較例29の通り、DADMAC添加量がA値の100%を超えると、MFFが×となる。
薬剤発生SS量を除く水質評価項目をクリアーするには100ppm以上の添加量を必要とし、この場合薬剤発生SS量が×となる。
比較例30は、DADMACとMFRAC凝集で塩化第二鉄がないものである。この場合、PO−Pは低下せず、残留Alも僅かしか低下しない。
比較例31は、薬剤凝集処理を行わない濾過処理のみの結果である。
[実施例15、比較例32〜37]
千葉工水Bに表9の通り各薬剤を添加して前記条件で凝集及び濾過処理した。結果を表9に示す。
Figure 2018171578
[考察]
実施例15は、DADMAC0.35ppm(対A値49%)、FC10ppm(Fe1.3mg/L)、MFRAC5ppm添加であり、SFF、MFF◎、PO−P◎、残留Al○が得られる。
比較例32は、実施例15の4倍のMFRAC20ppm単独添加である。この場合、SFF、MFFは○であるが、PO−Pは薬剤なし(比較例37)と変わらず、残留Al除去効果も微弱である。
比較例33は、実施例15の3倍のFC30ppm単独添加である。この場合、SFF、MFFが×である。
比較例34は、実施例15の2倍のMFRAC10ppm添加でDADMAC添加なしである。この場合、MFFが×である。
比較例35は、PAC60ppm単独添加である。この場合、残留Alが94ppb存在する。
比較例36は、実施例15のMFRAC添加をなくしたものである。この場合、MFFが×である。
比較例37は、薬剤凝集処理を行わない濾過処理のみの結果である。
[実施例16、比較例38〜42]
八代井水に表10の通り各薬剤を添加し、前記条件で凝集及び濾過処理した。結果を表10に示す。
Figure 2018171578
[考察]
実施例16は、DADMAC0.30ppm(対A値52%)、FC30ppm(Fe3.9mg/L)、MFRAC10ppm添加である。この場合、SFF◎、MFF○、PO−P○が得られる。残留Alは薬剤なしのブランクが3ppbで実施例の残留Alは0ppbである。
比較例38、39は、FC単独添加である。FC30ppmの比較例38ではMFF×である。FC50ppmの比較例39では、水質項目は○および◎となるが薬剤起因SS量が×となる。
比較例40、41はPAC単独添加である。PAC30ppmの比較例40ではSFF、MFFは○であるがPO−Pが×である。
残留Alは○であるが、薬剤なしのブランクの3ppbが45ppbに増加する。
PAC60ppmの比較例41は、水質項目、薬剤起因SSすべて○または◎になるが、残留Alが薬剤なしのブランクの3ppbが39ppbに増加する。
比較例42は、薬剤凝集処理を行わない濾過処理のみの結果である。
以上の実施例及び比較例より、工業用水をカチオン系有機凝結剤と第二鉄塩とMFRACの組み合わせで凝集、濾過することにより、逆浸透膜汚染要因の微量微粒子汚濁(MFF)、バイオポリマー汚濁(SFF)、残留Al、さらには膜モジュール内での微生物繁殖要因となる微量PO−Pの除去を一気に行うことができることが認められた。

Claims (8)

  1. 工業用水にカチオン系有機凝結剤、第二鉄塩、及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂酸コロイドを添加して凝集処理する工程と、
    次いで濾過する濾過処理工程と
    を有する工業用水の清澄化方法。
  2. 工業用水のPO−Pが8〜113ppbであることを特徴とする請求項1に記載の工業用水の清澄化方法。
  3. カチオン系有機凝結剤の添加量が、流動電位法による流動電位ゼロ滴定量の15%以上100%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の工業用水の清澄化方法。
  4. カチオン系有機凝結剤がポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の工業用水の清澄化方法。
  5. 第二鉄塩の添加量が鉄として4mg/L以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の清澄化方法。
  6. 前記凝集工程からの凝集水を、沈殿または浮上の固液分離工程を経ずに直接に濾過処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の工業用水の清澄化方法。
  7. 濾過処理がUF膜またはMF膜による濾過であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の工業用水の清澄化方法。
  8. 濾過処理された水を逆浸透膜で脱塩することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の工業用水の清澄化方法。
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