以下、顔認証システムの一実施の形態である入室管理システムについて図面を参照して説明する。
本実施の形態の顔認証システムは、顔画像及びその特徴量の少なくとも一方を含んだ顔データを用い、入力された顔データである入力顔データと予め登録された顔データである登録顔データとを照合して本人認証を行い、本人認証が成立したときにドアの開錠を行う入室管理システムを構成する。この入室管理システムでは、登録されている人物毎に同一の人物に関する1つ以上の登録顔データを含んだ登録人物データを記憶している。これら登録顔データは、各顔データの特徴に基づき、複数のグループに対応付けられている。この場合、各グループへの登録顔データの対応付けは、例えば、登録顔データを記憶する対象となる記憶装置を別々に設定したり、同一の記憶装置に対して登録顔データを記憶する対象となるフォルダを分けて設定したり、同一のフォルダに記憶された登録顔データに対してグループを識別するためのタグ情報を設定したりすることで実現される。そして、入力顔データと登録顔データとの認証が成立したときには、入力顔データと登録顔データの照合結果などに基づいて更新対象となるグループを選択し、登録顔データの更新処理を行う。なお、登録顔データの更新処理の際には、例えば、顔画像の画質に基づく登録の適正度合いを示す登録評価値、及び、顔画像の撮影日時といった二つの評価軸に基づき、入力顔データとの入れ替えの対象となる登録顔データが選択される。ここでいう画質とは、ノイズの有無や鮮明度などの一般的な画質以外にも、マスクや携帯電話などにより顔が部分的に隠れているなど、顔認証に影響を与えうる要素を考慮した画像の品質を表現したものである。本実施例では、それらを包含した1つの登録評価値を例に説明するが、画質として考慮すべき要素を分離して個別に評価値を定義し、それらを組み合わせて、入れ替えの対象となる登録顔データを選択する評価軸としてもよい。
具体的には、図1に示すように、入室管理システムを構成する顔認証システム100は、顔認証処理を制御する制御部110と、制御部110が顔認証処理の際に実行する顔認証プログラムを含めた各種のプログラムや当該プログラムの実行の際に制御部110が読み書きする各種のデータを格納する記憶部120とを有するコンピュータである。そして、制御部110は、記憶部120に格納された顔認証プログラムを実行することにより、顔検出部111、特徴量算出部112、照合スコア算出部113、認証処理部114、及び、登録顔データ更新部115として機能する。ここで図1では説明を単純化するために、登録人物データ121としてユーザー1人だけの登録人物データが登録されている場合を示しているが、登録ユーザーが複数の場合には、図3に示すようにユーザーごとにIDを設定して登録人物データ121を複数構成すればよい。
顔検出部111は、操作入力部10から顔認証を開始する旨の操作情報が入力されると、カメラ11により撮影された画像を取得する。また、顔検出部111は、こうして取得した画像からテンプレートマッチング等により顔を検出し、当該検出した顔のデータを入力顔データの顔画像として設定し、特徴量算出部112に出力する。ここで、入力顔データの顔画像は、顔付近の領域を切り出し画像、あるいはその切り出した画像を既定のサイズにスケーリングしたものであってもよいし、カメラ11により撮影された画像にその画像中での顔の座標及びサイズが特定できるように情報を付与したものであってもよい。
特徴量算出部112は、顔検出部111から入力された入力顔データに基づき、例えば微分フィルタやガボールフィルタ等を用いて、顔画像同士の類似度の算出に用いられる特徴量を算出し、入力顔データの特徴量として設定する。このとき、入力顔データの顔画像は以後の処理には必須ではないため、データ量の削減のために削除してもよいが、システムの利用履歴の確認のために表示するなどの用途に用いるため削除できない場合もある。このため、以下では、入力顔データは顔画像と特徴量の双方を保持している場合を例として説明する。
また、特徴量算出部112は、顔検出部111から入力された入力顔データ、及び、記憶部120に格納されている登録顔データ126の顔画像の画質に基づき、これら顔データの登録の適正度合いを示す登録評価値124を算出する。このとき、特徴量算出部112は、例えば、顔画像の鮮鋭度が高いほど登録評価値124が高い値となるように算出したり、顔画像の顔の向きが正面に向いているほど登録評価値124が高い値となるように算出したりする。
照合スコア算出部113は、記憶部120に格納されている登録顔データ126の特徴量と、特徴量算出部112により算出された入力顔データの特徴量との類似度を示す指標として照合スコアを算出する類似度算出部として機能する。
このとき、図2に示すように、記憶部120には、同一の人物に関する1つ以上の登録顔データ126と当該人物に割り当てられたユーザーIDを含んだ登録人物データ121が格納されている。これらの登録顔データ126は、顔画像の特徴などの情報に基づき、複数のグループに対応付けられている。本実施の形態では、登録人物データ121が持つグループとして、普段の表情に対応する「グループA」、眼鏡の装着時に対応する「グループB」、及び、笑顔の表情に対応する「グループC」が含まれている。各グループには、顔データの画質に基づく登録の適正度合いを示す登録評価値124に基づき選択された「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126と、顔画像の撮影日時125に基づき選択された「最新」の属性を有する登録顔データ126とが含まれている。記憶部120には、登録顔データ126が登録評価値124及び顔画像の撮影日時125とともに格納されている。ここで、登録ユーザーが複数、すなわち登録人物データ121が複数の場合には、登録されている全ての登録人物データ121に含まれる登録顔データ126に対して照合スコアを算出し、最大の照合スコアを示した登録顔データ126が含まれる登録人物データ121を対象として以下の処理を行う。また、操作入力部10からの入力やカードリーダ12からのID情報により照合処理対象となるユーザーのIDを取得し、登録人物データ121を特定して以下の処理を行う構成としてもよい。
そして、図1に示すように、照合スコア算出部113は、記憶部120に格納されている全ての登録人物データ121に含まれる全ての登録顔データ126との照合スコアを算出し、当該算出した照合スコアを認証処理部114に出力する。なお、登録顔データ126も顔データであって、顔画像及び顔画像から算出した特徴量の少なくとも一方を含む。登録顔データ126が特徴量を保持していない場合、照合のたびに特徴量算出部112で特徴量を算出する必要があるため、本実施の形態では、登録顔データ126は特徴量を含んだ状態で記憶しているものとして説明する。
認証処理部114は、照合スコア算出部113から入力された照合スコアと、記憶部120に格納されている認証閾値122とを比較する。また、認証処理部114は、記憶部120に格納されている登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の中に、照合スコアが認証閾値122以上となる登録顔データ126が含まれるときには、該当する登録人物データ121に対応する人物と入力顔データの人物とが同一であると認証する。そして、認証処理部114は、登録人物データ121との認証が成立したときには、アクチュエータ13に駆動信号を出力してドアの開錠を行う。また、認証処理部114は、登録人物データ121との認証が成立したときには、その認証結果を登録顔データ更新部115に出力する。
登録顔データ更新部115は、認証処理部114から認証が成立したとして結果が入力されたときには、認証が成立した登録人物データ121に含まれる全ての登録評価値124及び顔画像の撮影日時125を読み出す。そして、登録顔データ更新部115は、これらの評価値に基づいて選択した登録顔データ126を入力顔データと入れ替えて登録人物データ121の更新処理を行う更新処理部として機能する。
次に、登録顔データ更新部115が実行する登録人物データ121の更新処理の概要について図面を参照して説明する。説明を単純化するために、以下では図2に示した記憶部120に、同一の人物に関する複数の登録人物データ121が格納されている状態から登録顔データ126を更新する処理を例に説明する。未登録ユーザーの顔データの登録方法については後述する。
まず、図4示すように、登録顔データ更新部115は、前処理として、記憶部120に格納されている登録人物データ121に含まれる1つ以上の登録顔データ126のうち、有効期限を超過した登録顔データ126を抽出して削除対象とし、削除対象の登録顔データ126を記憶部120から削除する。同図に示す例では、登録顔データ更新部115は、これら登録顔データ126のうち、顔画像の撮影日時が最も古い1つの登録顔データ126が有効期限を超過していることから、当該登録顔データ126を記憶部120から削除している。
そして次に、図5に示すように、登録顔データ更新部115は、認証処理として、記憶部120に格納されている登録人物データ121に含まれる1つ以上の登録顔データ126のうち、照合スコア算出部113から取得した照合スコアが最大となる登録顔データ126を特定する。そして、登録顔データ更新部115は、こうして特定した登録顔データ126を含むグループを比較の対象として、登録人物データ121の更新処理を実行する。同図に示す例では、登録顔データ更新部115は、照合スコアが最大となる登録顔データ126を含む「グループA」を比較の対象として、登録人物データ121の更新処理を実行する。
このとき、図6(a)及び図6(b)に示すように、登録顔データ更新部115は、登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123(図1参照)以上であるときには、入力顔データの登録評価値124と、比較の対象となるグループにおける登録顔データ126の登録評価値124の最大値とを比較する。なお、登録閾値123は、上述した認証閾値122よりも高い値として予め設定されている。
そして、図6(a)に示すように、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が登録顔データ126の登録評価値124の当該グループ中での最大値以上であるときには、当該グループにおける「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126と入力顔データとを入れ替える。
その一方で、図6(b)に示すように、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が登録顔データ126の登録評価値124の当該グループ中での最大値未満であるときには、顔画像の撮影日時125が最新となる既存のグループにおける「最新」の属性を有する登録顔データ126と入力顔データとを入れ替える。
また、図7に示すように、照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループのうち、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126が有効期限を超過したことにより削除されている場合を例に挙げて説明する。同図に示す例では、登録顔データ更新部115は、照合スコアが最大となる登録顔データ126を含む「グループB」を比較の対象として、登録人物データ121の更新処理を実行する。
このとき、図8(a)及び図8(b)に示すように、登録顔データ更新部115は、当該の登録顔データ126の照合スコアが登録閾値123以上であるときには、入力顔データの登録評価値124と、比較の対象となる登録顔データ126の登録評価値124とを比較する。
そして、図8(a)に示すように、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が当該の登録顔データ126の登録評価値124以上であるときには、比較の対象となるグループ(この例では、「グループB」)において、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126として入力顔データを追加する。このとき、比較の対象となるグループに事前に登録されていた登録顔データ126は、「最新」の属性を有する登録顔データ126として再設定される。
その一方で、図8(b)に示すように、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が当該の登録人物データ121の登録評価値124未満であるときには、比較の対象となるグループ(この例では、「グループB」)において、「最新」の属性を有する登録顔データ126として入力顔データを追加する。このとき、比較の対象となるグループに事前に登録されていた登録顔データ126は、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126として再設定される。
また、図9に示すように、登録顔データ更新部115は、当該の登録顔データ126の照合スコアが登録閾値123未満であり、記憶部120に空きグループがあるときには、入力顔データを登録人物データ121に新規のグループを生成して登録する。同図に示す例では、登録顔データ126を格納するためのグループ数の最大値が4個以上であって、記憶部120に事前に登録されていた登録顔データ126のグループ数(3個)よりも大きい。そのため、登録顔データ更新部115は、入力顔データを新規のグループ(「グループD」)の登録顔データ126として登録している。このとき、入力顔データは、新規のグループにおいて「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126として設定される。
この新規グループ追加の処理を用いれば、未登録ユーザーの顔データの登録処理が実現できる。具体的には、登録顔データ更新部115は、未登録ユーザーの場合、登録人物データ121を生成してユーザーのID情報を生成し、新規のグループ(「グループA」)を生成して、入力顔データを当該グループの「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126として設定する。
その一方で、図10(a)及び図10(b)に示すように、登録顔データ更新部115は、当該の登録顔データ126の照合スコアが登録閾値123未満であり、記憶部120に空きグループがないときには、先の図6(a)及び図6(b)に示した例と同様にして登録人物データ121の更新処理を行う。すなわち、登録顔データ更新部115は、記憶部120に空きグループがないときには、入力顔データの登録評価値124と、比較の対象となるグループにおける登録顔データ126の登録評価値124の最大値とを比較する。
そして、図10(a)に示すように、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が登録顔データ126の登録評価値124の当該グループ中での最大値以上であるときには、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126と入力顔データとを入れ替える。
その一方で、図10(b)に示すように、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が登録顔データ126の登録評価値124の当該グループ中での最大値未満であるときには、「最新」の属性を有する登録顔データ126と入力顔データとを入れ替える。
次に、本実施の形態の顔認証システム100が実行する顔認証処理について、その具体的な処理内容を説明する。なお、顔認証システム100は、図11に示す顔認証処理を所定の周期で実行する。
図11に示すように、この顔認証処理ではまず、顔認証システム100は、操作入力部10を通じて顔認証を開始する旨の操作情報が入力されるまで待機する(ステップS10)。そして、顔認証システム100は、操作入力部10を通じて操作情報が入力されたときには(ステップS10=YES)、カメラ11により撮影された画像から顔検出部111を通じて入力顔データを取得する(ステップS11)。
また、顔認証システム100は、先のステップS11において取得した入力顔データと、予め登録されている登録人物データ121に含まれる全ての登録顔データ126との照合スコアを照合スコア算出部113を通じて算出する(ステップS12)。
この場合、顔認証システム100は、先のステップS12において算出した照合スコアが認証閾値122以上となる登録顔データ126が登録人物データ121中に存在するときには、認証処理部114を通じて顔認証が成立したものとして判定する(ステップS13=YES)。そして、顔認証システム100は、認証処理部114からアクチュエータ13に駆動信号を出力してドアを開錠する(ステップS14)。その後、顔認証システム100は、登録顔データ更新部115を通じて登録人物データ更新処理を実行した上で(ステップS15)、図11に示す顔認証処理を終了する。
その一方で、顔認証システム100は、先のステップS12において算出した照合スコアが認証閾値122以上となる登録顔データ126が登録人物データ121中に存在しないときには、認証処理部114を通じて顔認証が成立しないものとして判定する(ステップS13=NO)。そして、顔認証システム100は、ユーザーによりIDカードが提示されてカードリーダ12を通じてID情報が入力されるまでの間は(ステップS16=NO)、その処理をステップS10に戻し、ステップS10〜ステップS13の処理を繰り返す。
また、顔認証システム100は、カードリーダ12を通じてID情報が入力されたときには(ステップS16=YES)、当該ID情報に対応する登録人物データ121が登録されているか否かを認証処理部114を通じて判定する(ステップS17)。ここで、ID情報の入力は、カードリーダ12に限らずテンキーなどを用いて行ってもよい。
そして、顔認証システム100は、IDカードのID情報に対応する登録人物データ121が登録されているときには(ステップS17=YES)、当該ID情報と、先のステップS12において算出した照合スコアが最も高い登録顔データ126を含む登録人物データ121に対応するID情報とが一致するか否かを認証処理部114を通じて判定する(ステップS18)。
また、顔認証システム100は、これらID情報が一致してIDカードによる本人認証が成立したときには(ステップS18=YES)、IDカードによる認証を併用する場合の所定の閾値と比較する。具体的には、顔認証システム100は、先のステップS12において算出した照合スコアが認証閾値122よりも低い所定の閾値以上であるか否かを認証処理部114を通じて判定する(ステップS19)。そして、顔認証システム100は、照合スコアが所定の閾値以上であるときには(ステップS19=YES)、その処理をステップS21に移行する。
その後、ステップS21において、顔認証システム100は、認証処理部114からアクチュエータ13に駆動信号を出力してドアを開錠する。そして、顔認証システム100は、登録顔データ更新部115を通じて登録人物データ更新処理を実行した上で(ステップS22)、図11に示す顔認証処理を終了する。
また、顔認証システム100は、先のステップS12において算出した照合スコアが所定の閾値未満であるときには(ステップS19=NO)、認証処理部114からシステムの管理者に通知を出力する(ステップS20)。なお、顔認証システム100は、IDカードのID情報に対応する登録人物データ121が登録されていないときにも(ステップS17=NO)、認証処理部114からシステムの管理者に通知を出力する(ステップS20)。このとき、顔認証システム100は、ドアの開錠、並びに、登録人物データ121の更新処理を行うことなく、図11に示す顔認証処理を終了する。
なお、顔認証システム100は、IDカードのID情報と、先のステップS12において算出した照合スコアが最も高い登録人物データ121に対応するID情報とが一致しないときには(ステップS18=NO)、IDカードによる本人認証が成立しないものとして判定する。このとき、顔認証システム100は、ドアの開錠、並びに、登録人物データ121の更新処理を行うことなく、図11に示す顔認証処理を終了する。このとき、顔認証処理を終了する前にシステム管理者に通知を出力する形態としてもよい。
次に、図11に示した顔認証処理のうち、ステップS15又はステップS22において登録顔データ更新部115が実行する登録人物データ更新処理について、その具体的な処理内容を図12及び図13を用いて説明する。
まず、登録顔データ更新部115は、更新対象のユーザーIDを持つ登録人物データ121に設定された登録顔データ126と入力顔データとを総当たりで組み合わせた照合スコアを照合スコア算出部113から取得する(ステップS101)。ただし、この照合スコアは先のステップS12の結果から取得してもよい。
そして、登録顔データ更新部115は、先のステップS101において取得した照合スコアの最大値が登録閾値123以上であるときには(ステップS102=YES)、照合スコアが最大となった登録顔データ126を含むグループを比較の対象として設定する(ステップS104)。
また、登録顔データ更新部115は、照合スコアの最大値が登録閾値123未満であり(ステップS102=NO)、記憶部120に空きグループがないときには(ステップS103=NO)、照合スコアが最大となった登録顔データ126を含むグループを比較の対象として設定する(ステップS104)。
続いて、登録顔データ更新部115は、更新対象のユーザーIDが設定された登録人物データ121の中に、有効期限を超過した登録顔データ126が含まれているか否かを判定する(ステップS105)。
そして、登録顔データ更新部115は、当該の登録人物データ121に有効期限を超過した登録顔データ126が含まれるときには(ステップS105=YES)、該当する登録顔データ126を削除対象として記憶部120から削除した上で(ステップS106)、その処理をステップS110に移行する。
その一方で、登録顔データ更新部115は、有効期限を超過した登録顔データ126が含まれないときには(ステップS105=NO)、ステップS106の処理を経ることなく、その処理をステップS110に移行する。
続いて、登録顔データ更新部115は、比較の対象として設定されたグループ内に、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126が含まれるときには(ステップS110=YES)、入力顔データの登録評価値124と当該の登録顔データ126の登録評価値124とを比較する(ステップS111)。
そして、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が当該の登録顔データ126の登録評価値124以上であるときには(ステップS111=YES)、入力顔データを当該の登録顔データ126と入れ替える(ステップS112)。
その一方で、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が当該の登録顔データ126の登録評価値124未満であるときには(ステップS111=NO)、入力顔データを「最新」の属性を有する登録顔データ126と入れ替える(ステップS113)。
また、登録顔データ更新部115は、比較の対象として設定されたグループ内に、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126が含まれないときには(ステップS110=NO)、ステップS114に移行する。
そして、登録顔データ更新部115は、比較の対象として設定されたグループ内に、「最新」の属性を有する登録顔データ126が含まれるとき(ステップS114=YES)、入力顔データの登録評価値124と当該の登録顔データ126の登録評価値124とを比較する(ステップS115)。
そして、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が当該の登録顔データ126の登録評価値124以上であるときには(ステップS115=YES)、入力顔データを「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126に設定する(ステップS116)。
その一方で、登録顔データ更新部115は、入力顔データの登録評価値124が当該の登録顔データ126の登録評価値124未満であるときには(ステップS115=NO)、当該の登録顔データ126の属性を「評価値最大」に設定し、かつ、入力顔データを「最新」の属性を有する登録顔データ126に設定する(ステップS117)。
また、登録顔データ更新部115は、比較の対象として設定されたグループ内に、「最新」の属性を有する登録顔データ126が含まれないときには(ステップS114=NO)、入力顔データを「最新」の属性を有する登録顔データ126に設定する(ステップS118)。
また、登録顔データ更新部115は、先のステップS101において取得した照合スコアの最大値が登録閾値123未満であって(ステップS102=NO)、かつ、記憶部120に空きグループがあるときには(ステップS103=YES)、入力顔データを新規グループの「最新」の属性を有する登録顔データ126として設定する(ステップS107)。
その後、登録顔データ更新部115は、更新対象のユーザーIDが設定された登録人物データ121の中に、有効期限を超過した登録顔データ126が含まれているか否かを判定する(ステップS108)。
そして、登録顔データ更新部115は、当該の登録人物データ121に有効期限を超過した登録顔データ126が含まれるときには(ステップS108=YES)、該当する登録顔データ126を削除対象として記憶部120から削除した上で(ステップS109)、登録人物データ更新処理を終了する。
また、登録顔データ更新部115は、有効期限を超過した登録顔データ126が含まれないときには(ステップS108=NO)、ステップS109の処理を経ることなく、登録人物データ更新処理を終了する。
以上の実施例では、説明を単純化するために入力顔データが登録に適した顔データ、すなわち登録評価値124が比較的高い状態を前提として説明した。しかしながら、実際の顔認証システムの運用時には、マスクや携帯電話などの影響で顔が部分的に隠れている場合なども想定され、入力顔データが必ずしも登録に適した顔データであるとは限らない。そのため、記憶部120に登録に適した顔データであるかどうかを判定するための閾値である登録評価値用閾値を格納しておき、登録人物データ更新処理の始めに入力顔データの登録評価値124が登録評価値用閾値未満であれば、登録人物データ121の更新処理を行わずに処理を終了する形態としてもよい。
次に、本実施の形態の顔認証システム100の作用について説明する。
一般に、顔認証システムでは、データ容量や認証結果を出力するまでの処理時間の制約等の観点から、登録顔データとして登録可能な顔データの数が限られる。ただし、顔認証では、登録顔データの数が限られていたとしても、周囲の環境、顔の向き、眼鏡等の装着物の有無、髪型等の条件の変動に対応し、できる限り様々な条件下で高い認証精度を確保できることが望ましい。
この点、本実施の形態では、同一の人物に関する登録人物データ121に含まれる1つ以上の登録顔データ126が1つ以上のグループに対応付けられており、各グループには、登録評価値124に基づき選択された登録顔データ126と、顔データに含まれる顔画像の撮影日時125に基づき選択された登録顔データ126とが含まれている。そして、これら登録評価値124、及び、顔データの撮影日時125といった二つの評価軸に基づき、入力顔データとの入れ替えの対象となる登録顔データ126が選択されることにより、登録人物データ121の構成の最適化が行われる。
具体的には、入力顔データとの照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループを対象として、入力顔データの登録評価値124と登録顔データ126の登録評価値124とを比較する。そして、入力顔データの登録評価値124がグループに含まれる登録顔データ126の登録評価値124の最大値よりも高いときには、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126と入力顔データとを入れ替える。その一方で、入力顔データの登録評価値124がグループに含まれる登録顔データ126の登録評価値124の最大値よりも低いときには、「最新」の属性を有する登録顔データ126と入力顔データとを入れ替える。これにより、登録評価値124及び撮影日時125の双方の観点において顔認証に適した登録顔データ126を含んだ登録人物データ121が記憶部120に記憶される。その結果、各グループ内において登録顔データ126がカバーできる範囲は重複する部分が少なくなり、限られた登録顔データ126でカバーできる範囲も拡充される。
なお、記憶部120に格納されている登録人物データ121に含まれる複数の登録顔データ126のうち、有効期限を超過した登録顔データ126は登録人物データ121から削除される。そして、入力顔データとの照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループから、「評価値最大」の属性を有する登録人物データ121が既に削除されているときには、入力顔データの登録評価値124と「最新」の属性を有する登録顔データ126の登録評価値124とを比較する。その後、登録評価値124が相対的に高い顔データを「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126として設定し、登録評価値124が相対的に低い顔データを「最新」の属性を有する登録顔データ126として設定する。これにより、登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の情報の鮮度を高めつつ、登録評価値124及び撮影日時125の双方の観点において顔認証に適した登録顔データ126を含んだ登録人物データ121が記憶部120に記憶される。
また、入力顔データに対する登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123以上であるときには、記憶部120に空きグループがあるか否かに関わらず、入力顔データを既存のグループの登録顔データ126として設定する。その一方で、入力顔データに対する登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123未満であるときには、記憶部120に空きグループがあるときには、入力顔データを新規のグループの「最新」の属性を有する登録顔データ126として登録する。すなわち、入力顔データと登録人物データ121に含まれる登録顔データ126との類似度が比較的低いときには、入力顔データが新規のグループの「最新」の属性を有する登録顔データ126として優先して残るようになる。その結果、複数のグループによりカバーできる範囲がより一層拡充される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)登録顔データ更新部115は、記憶部120に記憶された登録人物データ121に含まれる複数の登録顔データ126のうち、複数の評価軸に基づいて選択した登録顔データ126を入力顔データと入れ替えて登録人物データ121の更新処理を行う。これにより、登録人物データ121に含まれる登録顔データ126によりカバーできる顔認証の環境の範囲が拡充されるため、顔認証に際した環境の変化に対応することが可能となる。
(2)記憶部120は、登録人物データ121に含まれる登録顔データ126を複数のグループに対応付けて記憶し、登録顔データ更新部115は、照合スコア算出部113により算出された照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループを対象として、登録人物データ121の更新処理を行う。これにより、全ての登録顔データ126が共通のグループである構成と比較して、登録顔データ126の更新により記憶部120に記憶される登録人物データ121に含まれる登録顔データ126が多様になる。その結果、顔認証に際した環境の変化に好適に対応することが可能となる。
(3)各グループは、登録評価値124に基づき選択された登録顔データ126と、顔画像の撮影日時125に基づき選択された登録顔データ126とを含む。これにより、登録評価値124に基づき選択された画質の観点で顔認証に適した顔データや、顔画像の撮影日時125に基づき人物の経時変化を考慮して選択された顔認証に適した顔データが登録人物データ121に含まれる登録顔データ126として記憶部120に記憶される。その結果、環境の変化に対応しつつ顔認証の精度をより一層向上させることができる。
(4)登録顔データ更新部115は、各グループに含まれる登録評価値124に基づき選択された登録顔データ126、及び、顔画像の撮影日時125に基づき選択された登録顔データ126のうち、更新の対象となる登録顔データ126を入力顔データの登録評価値124に応じて適宜選択する。これにより、登録評価値124及び撮影日時125の双方の観点において顔認証に適した登録顔データ126が含まれる登録人物データ121が記憶部120に記憶されるため、顔認証の精度を更に高めることができる。
(5)登録顔データ更新部115は、照合スコア算出部113により算出された登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123以上であるときには、照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループを対象として、登録人物データ121の更新処理を行う。すなわち、入力顔データと登録人物データ121に含まれる登録顔データ126との類似度が比較的高いときには、新規のグループを作成することなく、既存のグループに対して入力顔データによる更新処理を行う。これにより、カバーできる顔認証の環境の範囲が比較的近い顔データが同一のグループに属するようになる。そのため、顔認証に際した環境の変化に対応しつつ、新規のグループを作成するための空き容量を記憶部120に確保することが可能となる。
(6)登録顔データ更新部115は、照合スコア算出部113により算出された登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123未満であるときには、新規のグループを作成して入力顔データを登録顔データ126として設定する。すなわち、入力顔データと登録人物データ121に含まれる登録顔データ126との類似度が比較的低いときには、新規のグループを作成して入力顔データを登録顔データ126として新たに登録する。これにより、顔認証の環境の範囲を拡充する登録顔データ126を含むかたちで新規のグループが作成される。そのため、複数のグループによりカバーできる顔認証の環境の範囲を拡充して顔認証の精度をより一層高めることができる。
(7)登録顔データ更新部115は、記憶部120に格納されている当該の登録人物データ121に含まれる1つ以上の登録顔データ126のうち、有効期限を超過した登録顔データ126を抽出して削除対象とし、削除対象の登録顔データ126を記憶部120から削除する。そして、入力顔データとの照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループから、「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126を既に削除しているときには、入力顔データの登録評価値124と登録顔データ126の登録評価値124とを比較して、その比較の結果に基づき登録人物データ121の更新処理を行う。これにより、顔画像の撮影日時125の有効期限を超過した登録顔データ126が記憶部120から削除されつつ、各グループが「評価値最大」の属性を有する登録顔データ126と「最新」の属性を有する登録顔データ126とを含むようになる。その結果、登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の情報の鮮度が高まるため、顔認証の精度を更に向上させることができる。
(8)登録顔データ更新部115は、顔認証とは別の方法としてIDカードなどによる本人認証が行われたときの入力顔データを対象として登録人物データ121の更新処理を行う。これにより、顔認証が成立したときだけでなく、顔認証とは別の方法にて本人認証が行われたときにも、入力顔データを登録顔データ126として更新する機会が確保される。その結果、登録人物データ121の更新の頻度が高められるため、顔認証の精度を更に向上させることができる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
・上記実施の形態においては、登録顔データ更新部115は、顔認証が成立したときだけでなく、顔認証とは別の方法にて本人認証が行われたときにも、入力顔データを対象として登録人物データ121の更新処理を行うようにした。これに代えて、登録顔データ更新部115は、顔認証が成立したときに限って、入力顔データを対象として登録人物データ121の更新処理を行うようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、登録顔データ更新部115は、登録人物データ121に含まれる登録顔データ126における顔画像の特徴量に基づく照合スコアなどを基準に、登録顔データ126を複数のグループに対応付けて記憶部120に記憶するようにした。これに代えて、登録顔データ更新部115は、例えば、眼鏡等の装着物の有無、人物の表情、画像を撮影した時間帯等、登録顔データ126に関する複数のグループを事前に設定し、各グループごとの基準に基づき、登録顔データ126を各グループに対応付けるようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、登録顔データ更新部115は、記憶部120に格納されている1つ以上の登録顔データ126のうち、有効期限を超過した登録顔データ126を記憶部120から削除するようにした。ただし、登録顔データ更新部115は、所定のグループ内の全ての登録顔データ126が有効期限を超過していたときには、それら登録顔データ126を削除対象から除外するようにしてもよい。グループに登録されている登録顔データ126を全て削除すると、そのグループがカバーしていた条件に対応できない場合があるためである。また、登録顔データ更新部115は、有効期限を設定することなく、顔認証が成立したときの入力顔データを登録人物データ121に含まれる既存の登録顔データ126と適宜入れ替えるようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、登録顔データ更新部115は、記憶部120に格納されている1つ以上の登録顔データ126のうち、有効期限を超過した登録顔データ126を抽出して削除対象とし、削除対象の登録顔データ126を記憶部120から削除するようにした。ただし、登録顔データ更新部115が削除対象の登録顔データ126を記憶部120から削除するタイミングは、必ずしも登録顔データ126の有効期限を超過した時点である必要はない。例えば、登録顔データ126の有効期限を超過した時点で登録顔データ126を記憶部120からの削除対象として設定し、ユーザーにより削除の操作がなされる等、所定の条件を満たした時点で削除対象として設定された登録顔データ126を記憶部120から削除するようにしてもよい。また、登録顔データ更新部115は、有効期限を超過して削除対象となった登録顔データ126をグループから一旦削除した後、当該削除した登録顔データ126を含めて、比較の対象として設定されたグループ内において登録人物データ121の更新処理を行うようにしてもよい。このとき、グループから削除した登録顔データ126は、グループに属する登録顔データ126と個別して記憶部120に記憶しておく。この場合、登録顔データ更新部115は、グループから一旦削除した登録顔データ126が比較の対象として設定されたグループ内において「評価値最大」又は「最新」の属性を有する登録顔データ126として設定されたときには、当該登録顔データ126を元のグループに復元するようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、登録顔データ更新部115は、照合スコア算出部113により算出された登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123未満であるときには、新規のグループを作成して入力顔データを登録顔データ126として登録するようにした。これに代えて、登録顔データ更新部115は、照合スコア算出部113により算出された登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123未満であっても、照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループを対象として、登録人物データ121の更新処理を行うようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、登録顔データ更新部115は、照合スコア算出部113により算出された登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123以上であるときには、照合スコアが最大となる登録顔データ126を含むグループを対象として、登録人物データ121の更新処理を行うようにした。これに代えて、登録顔データ更新部115は、照合スコア算出部113により算出された登録人物データ121に含まれる登録顔データ126の照合スコアの最大値が登録閾値123以上であるか否かに関わらず、空きグループがあるときには、新規のグループを作成して入力顔データを新たに登録するようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、各グループには、登録評価値124を基準とした登録顔データ126と、顔画像の撮影日時125を基準とした登録顔データ126とが一つずつ含まれる構成を例に挙げて説明した。ただし、各グループには、登録評価値124を基準とした登録顔データ126、及び、撮影日時125を基準とした登録顔データ126が複数含まれる構成であってもよい。この場合、登録顔データ更新部115は、例えば、比較の対象となるグループ内において入力顔データよりも登録評価値124が相対的に低い登録顔データ126が含まれるときに、当該登録顔データ126を入力顔データとの入れ替えの対象としてもよい。
・上記実施の形態においては、登録評価値124を算出する際の要素として、顔画像の鮮鋭度、及び、顔画像の顔の向きを用いる場合を例に挙げて説明した。ただし、登録評価値124を算出する際の要素としてはその他にも、顔画像の顔の大きさや眼鏡・マスク等の装着物の有無等を採用することもできる。また、各要素の評価値を個別に算出し、それら評価値の合算値を登録評価値124として算出してもよい。なお、顔画像の顔の大きさに基づいて登録評価値124を算出する場合には、顔画像の顔の大きさが大きいほど登録評価値124が高い値となるように算出することが好ましい。また、眼鏡・マスク等の装着物の有無に基づいて登録評価値124を算出する場合には、装着物があるときに登録評価値124が相対的に高い値となるように算出してもよいし、装着物がないときに登録評価値124が相対的に高い値となるように算出してもよい。具体的には、眼鏡の装着時に対応するグループ内の登録顔データ126を対象として登録評価値124を算出するときには、眼鏡の装着があるときに登録評価値124が相対的に高い値となるように算出することが好ましい。その一方で、眼鏡の非装着時に対応するグループ内の登録顔データ126を対象として登録評価値124を算出するときには、眼鏡の装着がないときに登録評価値124が相対的に高い値となるように算出することが好ましい。すなわち、登録評価値124を算出する際の基準を必ずしも全てのグループに一律に適用する必要はなく、各グループごとに適したかたちで登録評価値124を算出する際の基準を適宜切り替えるようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、登録人物データ121に含まれる登録顔データ126が複数のグループに対応付けられて記憶部120に記憶されるようにした。これに代えて、登録人物データ121に含まれる全ての登録顔データ126が共通のグループとして記憶部120に記憶されるようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、登録顔データ126の選考の基準となる評価軸の数が2つである場合を例に挙げて説明した。ただし、評価軸の数は、必ずしも2つである必要はなく、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。なお、評価軸の数を1つとするときには、記憶部120に記憶された登録人物データ121に含まれる1つ以上の登録顔データ126のうち、照合スコア算出部113により算出された照合スコアの最大値が登録閾値123未満であるときに、新規のグループを作成して入力顔データを登録顔データ126として登録するようにすることが好ましい。この構成によれば、認証の環境の範囲を拡充する登録顔データ126を含むかたちで新規のグループが作成される。そのため、複数のグループによりカバーできる顔認証の環境の範囲が拡充され、顔認証に際した環境の変化に対応することが可能となる。
・上記実施の形態においては、入力顔データ及び登録顔データ126の双方から特量量を算出し、当該算出した特徴量を比較することにより、画像同士の類似度を評価するようにした。特徴量の算出は、微分フィルタやガボールフィルタなど画像照合に用いられる方法で算出するほか、目や鼻や口といった顔パーツの位置関係など顔認証独自の特徴量を算出するなど、任意の方法を用いて算出してもよい。またこれに代えて、画像からの特量量の算出を省略し、入力顔データ及び登録顔データ126の画像の内容を直接比較することにより、画像同士の類似度を評価するようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、顔認証システムとして、認証処理を行う機能部と、認証処理の対象となる画像を撮像する機能部、又は、認証処理の結果を利用する端末側の機能部とが別体となって構成される場合を例に挙げて説明した。ただし、これら機能部を単体として集約して顔認証システムを構成するようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、顔認証システム100が入室管理システムの一部を構成する例を説明したが、実施の形態はこれに限らない。例えば、店舗の入口などに設置され登録した人物の来訪を検出する来訪者検出システムや、動画像から登録した人物の顔を検出する顔画像検索システムなど、顔認証処理を行うシステム全般で、本発明の顔認証システム、顔認証方法、あるいは顔認証プログラムを実施することができる。