JP2018169381A - 絶縁電線の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁電線の絶縁特性に影響を与え得る欠陥部、特に微小な欠陥部を、絶縁電線を搬送しながら非破壊で適切に検出することが可能な絶縁電線の検査方法を提供する。【解決手段】絶縁電線1の検査方法は、線状の形状を有する導体10と、導体の外周側に形成された絶縁皮膜20とを有する絶縁電線1を準備する工程と、絶縁電線20を導体10の長手方向D1に搬送しながら、絶縁電線1の外周面に対向するように絶縁電線1の径方向外側に配置される電極40,41と、絶縁電線1との間の静電容量を測定し、静電容量の推移に基づいて絶縁皮膜20の形成状態を検査する工程とを含む。上記検査方法は、絶縁皮膜20の形成状態を検査する工程において、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下の絶縁皮膜20内の欠陥部を検出可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、絶縁電線の検査方法に関するものである。
導体と、その導体の外周側に形成された絶縁皮膜とを備えた絶縁電線が知られている。このような絶縁電線においては絶縁皮膜内に欠陥が生じる場合がある。そのような欠陥箇所のなかには絶縁不良の原因となるものもある。そのため、絶縁電線を検査し、絶縁皮膜内に存在する欠陥部を的確に検出することが求められる。例えば特許文献1には、絶縁電線の絶縁皮膜の状態を光学的に検査し、絶縁皮膜上に発生した亀裂を検知する方法が開示されている。
特開平8−220184号公報
絶縁電線の検査方法においては、絶縁電線の絶縁特性に影響を与え得る欠陥部、なかでも特に目視では正確な検知が難しい微小な欠陥部を適切に検出する絶縁電線の検査方法が求められている。また検査効率を考慮して、絶縁電線を搬送しながら非破壊で欠陥部を検知できる検査方法が求められている。
そこで、絶縁電線の絶縁特性に影響を与え得る欠陥部、特に微小な欠陥部を、絶縁電線を搬送しながら非破壊で適切に検出することができる絶縁電線の検査方法を提供することを目的の1つとする。
本願の絶縁電線の検査方法は、線状の形状を有する導体と、導体の外周側に形成された絶縁皮膜とを有する絶縁電線を準備する工程と、絶縁電線を導体の長手方向に搬送しながら、絶縁電線の外周面に対向するように絶縁電線の径方向外側に配置される電極と、絶縁電線との間の静電容量を測定し、静電容量の推移に基づいて絶縁皮膜の形成状態を検査する工程とを含む。上記検査方法は、絶縁皮膜の形成状態を検査する工程において、導体の長手方向に沿った長さが4mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部を検出可能である。
上記絶縁電線の検査方法によれば、絶縁電線の絶縁特性に影響を与え得る欠陥部、特に微小な欠陥部を、絶縁電線を搬送しながら非破壊で適切に検出することが可能となる。
実施の形態1において検査される絶縁電線の一例を示す断面模式図である。 絶縁電線の検査方法が実施される絶縁電線の製造工程を説明するためのブロック図である。 絶縁電線の検査方法の手順を示すフローチャートである。 実施の形態1における検査電極の構造の一例を示す概略平面図である。 図4の線分V−Vに沿う断面を矢印の向きに見た状態に対応する概略断面図である。 絶縁皮膜内の低気孔率部の状態を示す概略断面図である。 図6の矢印Dの向きに見た低気孔率部の状態を示す概略図である。 絶縁皮膜の肉薄部の状態を示す概略断面図である。 図8の矢印Dの向きに見た肉薄部の状態を示す概略図である。 絶縁皮膜表面の傷欠陥の状態を示す概略断面図である。 絶縁皮膜の穴欠陥の状態を示す概略断面図である。 実施の形態2において検査される絶縁電線の一例を示す断面模式図である。 実施の形態3における検査電極の構造の一例を示す概略平面図である。 実施の形態4における検査電極の構造の一例を示す概略平面図である。 実施の形態5における検査電極の構造の一例を示す概略平面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願の絶縁電線の検査方法は、線状の形状を有する導体と、導体の外周側に形成された絶縁皮膜とを有する絶縁電線を準備する工程と、絶縁電線を導体の長手方向に搬送しながら、絶縁電線の外周面に対向するように絶縁電線の径方向外側に配置される電極と、絶縁電線との間の静電容量を測定し、静電容量の推移に基づいて絶縁皮膜の形成状態を検査する工程とを含む。上記検査方法は、絶縁皮膜の形成状態を検査する工程において、導体の長手方向に沿った長さが4mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部を検出可能である。
本願の絶縁電線の検査方法においては、絶縁電線と、絶縁電線の外周面に対向するように絶縁電線の径方向外側に配置された電極との間の静電容量が、絶縁皮膜の形成状態によって変動することを利用して欠陥部を検出する。上記検査方法においては、絶縁皮膜の厚みや誘電率の変化に伴って絶縁電線と電極との間の静電容量が変動することを利用する。絶縁皮膜に欠陥部が存在すると絶縁電線の実質的な厚みや誘電率に変化が生じることから、電極と絶縁皮膜との間の静電容量の値が定常時と比べて変化する。そのため、絶縁電線を導体の長手方向に搬送しながら測定される電極と絶縁電線との間の静電容量の推移に基づいて、絶縁皮膜内に欠陥部が存在した場合にその存在を検知することができる。
具体的には、線状の導体と、その導体の外周側に掲載された絶縁皮膜とを有する絶縁電線に対し、絶縁電線の外周面に対向するように絶縁電線の径方向外側に電極を配置し、絶縁電線の長手方向に搬送しながら絶縁電線と電極との間の静電容量(キャパシタンス)を測定すると、欠陥のない正常部においては定常状態を示す。これに対し、絶縁皮膜に傷や穴、肉薄部(絶縁皮膜の平均厚みと比較して、局所的に厚みが有意に小さい部分)、低気孔率部(局所的に空孔が存在しない領域又は絶縁皮膜の平均気孔率と比較して気孔率が局所的に有意に低い領域)などの欠陥部が存在すると静電容量は変化する。例えば導体の盛り上がりにより絶縁皮膜が相対的に薄くなる肉薄部が存在すると絶縁電線と電極との間の静電容量は増加する。また絶縁皮膜上に傷や穴が存在すると、その傷や穴の状況に応じて静電容量が変化する。絶縁電線を導体の長手方向に搬送しながら、電極と絶縁電線との間の静電容量を検出し、得られる静電容量の推移に基づいて絶縁皮膜の形成状態を検査することで、導体の長手方向に沿った長さが4mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部を精度良く検出することができる。
上記電極は、導体の長手方向に沿った長さが4mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部が検出可能となるように、長手方向に沿った長さが調整されていてもよい。このような構成を備えた電極を有することで、絶縁皮膜の形成状態を検査する工程において、導体の長手方向に沿った長さが4mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部を検出することが可能となる。具体的には導体の長手方向に沿った上記電極の長さは10mm以下とするのが好ましい。
絶縁皮膜の形成状態を検査する工程においては、導体の長手方向に沿った長さが2mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部を検出可能であるのが好ましい。このような構成を有することにより、より微細な欠陥部をより精度よく検出することが可能となる。
上記絶縁電線を準備する工程において準備される絶縁電線の絶縁皮膜は、内部に空孔を有していてもよい。この場合、絶縁皮膜の形成状態を検査する工程において、さらに静電容量と気孔率との関係に基づいて絶縁皮膜の形成状態を検査してもよい。
空気の誘電率は約1.0である。これに対し、絶縁皮膜を構成する材料は空気とは異なった誘電率を有する。したがって、絶縁皮膜内に空孔が存在すると、絶縁皮膜全体としての誘電率は絶縁皮膜内の空孔の存在割合(気孔率)に応じて変化する。本発明者らによる検討の結果、電極と絶縁電線との間の静電容量(キャパシタンス)と絶縁皮膜の気孔率との間には相関関係があることが確認された。そのため本願の絶縁電線の検査方法は、絶縁皮膜の内部に空孔がする場合、気孔率が変化している部分を欠陥部として検知することができる。また静電容量の推移とともに、さらに静電容量と気孔率との関係に基づいて絶縁皮膜の形成状態を検査することで、気孔率が変化している部分の気孔率を導出することができる。
絶縁皮膜内の欠陥部は、内部に空孔を有する絶縁皮膜内に存在する低気孔率部であってもよい。本願の絶縁電線の検査方法は、内部に空孔を有する絶縁皮膜内に存在しうる、目視では検出しにくい低気孔率部の検出を的確に行うための方法としても好適である。低気孔率部が存在する箇所においては絶縁皮膜の誘電率が変化する。そのため低気孔率部が存在する箇所においては絶縁電線と上記電極との間の静電容量が変動する。この現象を利用し、上記絶縁電線の検査方法において、低気孔率部をより効率よく検出することができる。なお上述の通り、低気孔率部とは、局所的に空孔が存在しない領域又は絶縁皮膜の平均気孔率と比較して気孔率が局所的に有意に低い領域をいう。低気孔率部のなかでも局所的に空孔が存在しない領域を特に無空孔部という。
絶縁皮膜内の上記欠陥部は肉薄部であってもよい。本願の絶縁電線の検査方法は、目視では検出しにくい肉薄部の検出を的確に行うための方法として好適である。上述の通り、肉薄部とは絶縁皮膜の平均厚みと比較して、局所的に厚みが有意に小さい部分をいう。静電容量は絶縁電線の厚みに反比例するため、肉薄部が存在すると、絶縁電線と上記電極との間の静電容量は大きくなる。この現象を利用し、上記絶縁電線の検査方法において、肉薄部を効率よく検出することができる。
上記肉薄部は、膜厚減少量が1μm以上50μm以下であってもよい。このような肉薄部を欠陥部として適切に検知できることにより、欠陥の少ない絶縁電線の製造により効果的に寄与することができる。
上記絶縁電線の検査方法において、絶縁皮膜の厚み方向から平面視した平面形状における欠陥部の長手方向最大長さと幅方向最大長さとの積が、0.1mm以上20mm以下であってもよい。このような大きさを有する欠陥部を適切に検知できることにより、欠陥の少ない絶縁電線の製造により効果的に寄与することができる。なお、以下において、「絶縁皮膜の厚み方向から平面視した平面形状における欠陥部の長手方向最大長さ」および「絶縁皮膜の厚み方向から平面視した平面形状における欠陥部の幅方向最大長さ」をそれぞれ、「長手方向最大長さ」及び「幅方向最大長さ」と呼ぶ。
上記絶縁皮膜は、ポリイミドを含んでもよい。ポリイミドを含む絶縁皮膜は、絶縁性および耐熱性に優れる。そのため、ポリイミドは絶縁皮膜を構成する材料として好適である。またポリイミドは上記絶縁電線の検査方法において欠陥を検出するのに適度な誘電率を有することから、上記絶縁電線の検査方法は、ポリイミドを含む絶縁皮膜を備えた絶縁電線の欠陥部を検出するのに適している。
絶縁皮膜の形成状態を検査する工程は、オンラインで行われるのが好ましい。絶縁皮膜の形成状態を検査する工程をオンラインで検査を行うことにより、連続して絶縁電線の製造を行うことができ、高い生産効率で絶縁電線を得ることができる。なおオンラインで検査を行う状態とは、一連の製造工程内において、絶縁電線を得る工程に引き続き連続して絶縁皮膜の形成状態を検査する状態を意味する。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本願の絶縁電線の製造方法の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
[絶縁電線の構造]
まず、図1〜図9を参照して実施の形態1を説明する。図1は実施の形態1において検査される絶縁電線の一例の断面模式図である。図1を参照して、絶縁電線1は、線状の形状を有する導体10の長手方向に垂直な断面において円形の断面形状を有する。絶縁電線1は、円形の断面形状を有する線状の導体10と、この導体10の外周側に形成された絶縁皮膜20とを備える。絶縁皮膜20は、有機材料を含む絶縁体からなる。また絶縁皮膜20は内部に空孔15を含む。具体的には、絶縁皮膜20は、その内部に複数(多数)の空孔15が分散された状態で形成される。
絶縁体に含まれる上記有機材料としては特に限定されないが、例えば熱硬化性樹脂であればポリイミド(PI)やポリアミドイミド、熱可塑性樹脂であればポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。なかでも絶縁性および耐熱性に優れることから、絶縁皮膜20を構成する絶縁体はポリイミドを含むのが好ましく、絶縁皮膜20を構成する絶縁体の50質量%以上がポリイミドであるのがより好ましく、ポリイミドと不可避的不純物とからなるのが特に好ましい。例えば、本実施の形態における絶縁皮膜20の空孔15以外の部分はポリイミドおよび不可避的不純物からなるポリイミド皮膜である。図1を参照して、本実施の形態における絶縁皮膜20はその内部に空孔15を含む。絶縁皮膜20の全体積に占める空孔15の総体積の割合(気孔率)は、たとえば5体積%以上80体積%以下であり、好ましくは10体積%以上70体積%以下、より好ましくは25体積%以上65体積%以下である。ポリイミドなどの絶縁皮膜20を構成する材料と空気とでは誘電率が異なることから、絶縁皮膜20が空孔15を有することにより絶縁皮膜20全体としての誘電率が変化する。例えばポリイミドは、空気よりも誘電率(比誘電率)が高い。したがって、絶縁皮膜20がポリイミドからなる場合、絶縁皮膜20が空孔15を有することで、空孔15を有しない絶縁皮膜20に比べて誘電率の低い絶縁皮膜20を得ることができる。
絶縁電線1は、図1に示すように絶縁皮膜20内に分散された状態で空孔15を有していてもよい。また図示していないが、絶縁皮膜20が、中実層と、空孔15を有する多孔質層とが互いに積層された多層構造を有していてもよい。この場合、中実層の厚みと多孔質層の厚みとは、必要な特性に応じて任意に設定できる。
次に、本実施の形態に係る絶縁電線1の検査方法の流れを、図2〜図5を参照して説明する。図2は、絶縁電線1の検査方法が実施される絶縁電線1の製造工程を説明するためのブロック図である。図3は、絶縁電線1の検査方法の手順を示すフローチャートである。図4は、実施の形態1における検査電極の構造の一例を示す概略平面図である。図5は、図4の線分V−Vに沿う断面を矢印の向きに見た状態に対応する概略断面図である。
[検査装置および絶縁電線の製造装置の構成]
図2を参照して、絶縁電線1の製造装置30は、導線準備部50と、絶縁皮膜形成部54と、検査部53と、巻取り部56とを備える。絶縁電線1の検査は検査部53において行われる。導線準備部50は、素線供給部51と導体加工部52とを含む。素線供給部51は、導体10の原料となる素銅線などの金属素線を保持し、その金属素線を導体加工部52に供給する。導体加工部52は、素線供給部51の下流側に配置され、素線供給部51から供給された金属素線を所望の形状およびサイズに加工する。導体加工部52は、例えば引き抜き加工(伸線加工)に使用されるダイスなどの金属加工用金型を備える。
絶縁皮膜形成部54は、導体加工部52の下流側に配置される。絶縁皮膜形成部54は、例えば絶縁皮膜20の原料となるワニスを導体10に塗工する塗工装置と、塗工されたワニスを加熱し、ポリイミド皮膜を形成する焼付炉とを備える。
検査部53は、絶縁皮膜形成部54の下流側に配置される。検査部53においては、絶縁電線1が導体10の長手方向に搬送される状態で、第1の電極としての第1主電極40と絶縁電線1との間の第1の静電容量が測定される。その第1の静電容量の推移、および第1の静電容量と絶縁皮膜20の気孔率との関係に基づいて、絶縁皮膜20の形成状態を検査する。さらに、絶縁電線1を導体10の長手方向に搬送しながら、第2の電極としての第2主電極41と絶縁電線1との間の第2の静電容量を測定し、第1の静電容量および第2の静電容量のうち一方または両方の推移、並びに第1の静電容量および第2の静電容量と、絶縁皮膜20の気孔率との関係に基づいて、絶縁皮膜20の形成状態を検査してもよい。検査部53は、キャパシタンスセンサ2と、キャパシタンスモニタ58とを備える。キャパシタンスセンサ2は、検査電極55と、筐体44と、検査電極55内の各電極に接続された配線とを備える。絶縁電線1を導体10の長手方向に搬送する際、キャパシタンスセンサ2内を絶縁電線1が通過することにより、第1主電極40または第2主電極41と、絶縁電線1との間の第1の静電容量および第2の静電容量が測定される。
図2、図4および図5を参照して、キャパシタンスセンサ2の構造について説明する。キャパシタンスセンサ2は、検査電極55と、筐体44とを備える。本実施の形態1に係るキャパシタンスセンサ2の検査電極55は、第1の電極としての上記第1主電極40と、第2の電極としての上記第2主電極41と、第1ガード電極42aと、第2ガード電極42bと、第3ガード電極42cとを含む。筐体44は、第1主電極40と、第2主電極41と、第1ガード電極42aと、第2ガード電極42bと、第3ガード電極42cと、各電極に接続された配線とを収容できる形状を有する。
図5を参照して、検査電極55の構造についてさらに説明する。第1主電極40は、導体10の長手方向に垂直な断面において導体10の周方向に互いに離間するように4分割された円弧状の形状を有し、導体10の長手方向に沿って延在する4つの電極ユニット40a,40b,40c,40dから構成されている。第2主電極41も、同様の断面形状を有し、導体10の長手方向に沿って延在する4つの電極ユニット41a,41b,41c,41d(電極ユニット41dは、電極ユニット40dと同様に、絶縁電線1を挟んで電極ユニット41bの対面側に位置し、図示は省略)から構成される。また第1主電極40および第2主電極41の各電極ユニットは、図2に示すように、それぞれ配線を介してキャパシタンスモニタ58と接続されている。説明の便宜のため、図4においては、各電極に接続された配線については図示を省略する。
導体10の長手方向に沿った第1主電極40の長さL40は、同方向の第2主電極41の長さL41とは異なる。図4においては、第2主電極41の長さL41は、第1主電極40の長さL40よりも大きい。また特に限定されないが、本実施形態においては、第1主電極40の長さL40および第2主電極41の長さL41は、0.1mm以上であって、かつ好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下に設定される。長さL40および長さL41がこのような範囲にあれば、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部、特に低気孔率部や肉薄部を効率よく検出することができる。
第1ガード電極42aは、第1主電極40から見て導体10の長手方向において上流側に配置される。第2ガード電極42bは、導体10の長手方向に沿って第1主電極40と第2主電極41との間に配置される。第3ガード電極42cは、第2主電極41から見て導体10の長手方向において下流側に配置される。第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cは、第1主電極40および第2主電極41の端部における電界の集中を緩和し、絶縁電線1と第1主電極40および第2主電極41との間に生じる第1の静電容量および第2の静電容量の数値を安定的に計測するために設置される。第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cは配線を介して互いに接続されている。また第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cは、キャパシタンスモニタ58および巻取り部56と接続され、巻取り部56と、第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cとの間の経路において接地されている。すなわち、第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cは接地電極である。
本実施の形態において、第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cは同一の構造を有する。すなわち、それぞれ中空円筒状の形状を有し、導体10の長手方向に沿った各ガード電極の長さL42a、L42b、L42cは同一である。各主電極40,41と、各ガード電極42a,42b,42cとは間隔Gをおいて配置される。絶縁電線1と各主電極40,41との間隔は、測定される第1の静電容量および第2の静電容量が安定する範囲に適宜設定される。
キャパシタンスモニタ58は、キャパシタンスセンサ2の検査電極55を構成する各電極ユニットと接続されている。またキャパシタンスモニタ58は、配線を通じて第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cと共に接地されている。キャパシタンスモニタ58は、キャパシタンスセンサ2において測定された静電容量を表示し、記録時間または絶縁電線1の検査対象位置と関係づけてその静電容量を記録する。キャパシタンスモニタ58に表示又は記録される静電容量の変動から、絶縁電線1内の正常部と欠陥部とを区別することができる。
巻取り部56は、検査部53の下流側に配置される。巻取り部56は、着脱可能な巻取りリールを配置することができる巻取りリール装着部を備え、検査部53において検査された絶縁電線1を巻取る。絶縁電線1が巻き取られた巻取りリールを巻取りリール装着部から脱着することにより、絶縁電線1を巻き取られた状態で得ることができる。
[絶縁電線1の検査方法の手順]
次に図1〜図9を参照して、絶縁電線1の検査方法の手順を説明する。図6は、絶縁皮膜20内の低気孔率部の状態を示す概略断面図である。図7は図6の矢印Dの向きに見た低気孔率部の状態を示す概略図である。図8は絶縁皮膜20の肉薄部の状態を示す概略断面図である。図9は、図8の矢印Dの向きに見た肉薄部の状態を示す概略図である。図10は、絶縁皮膜20表面の傷欠陥の状態を示す概略断面図である。図11は、絶縁皮膜20の穴欠陥の状態を示す概略断面図である。
本実施の形態に係る絶縁電線1の検査方法においては、図3に示すS10〜S20のステップが実施される。図2および図3を参照して、検査する絶縁電線1を準備する(S10)。絶縁電線1の準備は、例えば次のようにして行う。まず導線準備部50において、円形の断面形状を有する線状の導体10を準備する。具体的には、素線供給部51に保持された、素銅線などの金属素線が引き出される。素線は矢印Dの方向に送られ、導体加工部52に供給される。素線供給部51から供給された金属素線は、ダイスによる引き抜き加工(伸線加工)により、所望の形状およびサイズを有する導体10に加工される。導体加工部52において素線から加工された導体10は、絶縁皮膜形成部54に送られる。
次に、導体10の外周側に絶縁皮膜20が形成される。絶縁皮膜20は、図1に示すように、線状の形状を有する導体10の外周側の面を覆うように形成される。絶縁皮膜20は絶縁体からなり、内部に空孔15を含む。
上述のように、絶縁皮膜形成部54は、ワニス塗工装置と、焼付炉とを備える。絶縁皮膜形成部54では、以下のような手順により導体10の外周側の面を覆うように絶縁皮膜20が形成される。
まず塗工装置内に保持されたワニス内を、導体加工部52において加工された導体10が通過することにより、導体10の外周側の面を覆うようにワニスが塗工される。本実施の形態において塗工されるワニスは、有機溶剤中にポリイミドの前駆体を含む。次に焼付炉において、塗工された塗膜を加熱すると、ポリイミドの前駆体からポリイミドへの反応が促進される。ポリイミドは熱硬化性であるため、加熱により塗膜が硬化する。このようにして、導体10の外周側の面を覆うように、絶縁体であるポリイミドからなる絶縁皮膜20が形成される。
また必要に応じて上記ワニスの塗工および加熱のサイクルを繰り返すことにより、所望の厚みの絶縁皮膜20を形成することができる。このようにして絶縁電線1が準備される。
次に準備された絶縁電線1を検査する(S20)。絶縁皮膜形成部54において絶縁皮膜20が形成された絶縁電線1は、さらに導体10の長手方向である矢印Dの向きに搬送されながら、検査部53において絶縁皮膜20の形成状態が検査される。
検査は、図2に示すようなキャパシタンスセンサ2およびキャパシタンスモニタ58によって行われる。キャパシタンスセンサ2の検査電極55によって測定された静電容量のデータは、キャパシタンスモニタ58に送信される。キャパシタンスモニタ58に表示される静電容量の推移に基づいて、絶縁皮膜20の形成状態が検査される。
検査部53は、第1の電極としての第1主電極40と、絶縁電線1との間の第1の静電容量を測定し、その第1の静電容量の推移に基づいて、絶縁皮膜20の形成状態を検査する。さらに、第2の電極としての第2主電極41と、絶縁電線1との間の第2の静電容量を測定し、第1の静電容量の推移および第2の静電容量の推移の両方に基づいて、絶縁皮膜20の形成状態を検査してもよい。本実施の形態においては、第2主電極41と、絶縁電線1との間の第2の静電容量を測定し、第1の静電容量の推移および第2の静電容量の推移の両方に基づいて、絶縁皮膜20の形成状態が検査される。このように第1の静電容量および第2の静電容量を測定し、その両方の静電容量の推移に基づいて検査することにより、より精度良く欠陥部を検出することができる。
具体的には、以下のように検査が行われる。まず第1主電極40の各電極ユニット40a,40b,40c,40dおよび第2主電極41の各電極ユニット41a,41b,41c,41dに電圧を印加し、第1主電極40と絶縁電線1との間の第1の静電容量、および第2主電極41と絶縁電線1との間の第2の静電容量を測定する。
次に測定される上記第1の静電容量の推移および第2の静電容量の推移のうち少なくとも一方に基づいて、絶縁皮膜20の形成状態を検査する。例えば、絶縁皮膜20に欠陥部が存在しない正常な状態においては、測定される静電容量は定常値を示す。一方、絶縁皮膜20に欠陥部が存在する場合、静電容量が変化する。その静電容量の推移に基づいて欠陥部の位置を特定し、記録する。このようにして安定した品質の絶縁電線1を製造することができる。
キャパシタンスセンサ2において絶縁皮膜20の形成状態が検査された絶縁電線1は、その後巻取り部56において巻き取られる。巻き取られた絶縁電線1は、欠陥部の位置が記録された状態で製品としてもよいし、欠陥部を含む絶縁電線1については製品とせずに廃棄してもよい。また記録された位置に基づいて欠陥部を含む箇所のみを削除し、残部を製品としてもよい。
本実施の形態において、上記検査はオンラインで行われる。オンラインで行う検査では、ステップS10〜S30までの一連の工程において、上記ステップS20に引き続き連続して、ステップS20で得られた絶縁皮膜20の形成状態の検査を行う。また検査をオンラインで行う場合、図2に示す素線供給部51から巻取り部56に至るまでの一連の流れが、絶縁電線1を切断することなく一体的に行われる。
絶縁皮膜20の形成状態を検査する工程では、検査電極55を水(図示せず)に浸漬した状態で第1主電極40の各電極ユニット40a,40b,40c,40dおよび第2主電極41の各電極ユニット41a,41b,41c,41dに電圧を印加して、第1主電極40または第2主電極41と、絶縁電線1との間の第1の静電容量および第2の静電容量の推移をキャパシタンスモニタ58において監視する。第1の静電容量の推移および第2の静電容量の推移のうち、少なくとも一方に基づいて絶縁皮膜20の形成状態を検査する。
本実施の形態1においては、第1主電極40は、導体10の長手方向に垂直な断面において導体10の周方向に互いに離間するように4分割された円弧状の形状を有し、導体10の長手方向に沿って延在する4つの電極ユニット41a,41b,41c,41dから構成されている。第2主電極41も同様に周方向に4分割された4つの電極ユニットから構成されている。このように周方向に分割された複数の電極ユニットから構成される第1主電極40および第2主電極41を用いることにより、絶縁電線1の周方向における欠陥部の存在位置についても細かく特定することが可能となる。なお、主電極の周方向における複数の電極ユニットの数は特に4つに限定されない。例えば周方向に2分割された電極ユニットを有する主電極などの、周方向において2以上の任意の数の電極ユニットを有する主電極を必要に応じて選択することができる。
本実施の形態1に係る絶縁電線1の検査方法においては、図6および図7に示すような絶縁皮膜20内の低気孔率部21を検出することが可能である。低気孔率部21は、絶縁皮膜20において、絶縁皮膜20全体の平均の気孔率に比べて有意に気孔率が低く空孔15の割合が少ない部分である。低気孔率部21の中でも特に空孔15が全く存在しない部分を無空孔部と呼ぶ。このような低気孔率部21、特に無空孔部は部分放電の発生の原因となり得る。安定した品質の絶縁電線1を製造するためには、このような低気孔率部21の存在を適切に検出し、絶縁皮膜20の品質を管理することが好ましい。
また図6および図7を参照して、本実施の形態1に係る絶縁電線1の検査方法は、導体10の長手方向に沿った長さLD1が4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下である低気孔率部21を検出可能である。また図2、図4および図5に示すように、第1主電極40および第2主電極41は、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の絶縁皮膜20内の低気孔率部21が検出可能となるように、導体10の長手方向に沿った長さが調整されている。例えば第1主電極40および第2主電極41の導体10の長手方向に沿った長さは、それぞれ0.1mm以上10mm以下である。このような微小な低気孔率部21を検出可能であることにより、実質的に有害な欠陥部を有効に検出することができる。
さらに図7を参照して、本実施の形態1にかかる絶縁電線の検査方法においては、長手方向最大長さLD1と幅方向最大長さWとの積が、0.1mm以上20mm以下の低気孔率部21を欠陥部として検出可能である。このような範囲の低気孔率部21を検出可能であることにより、実質的に有害な欠陥部をさらに精度良く検出することができる。
また本実施の形態1に係る絶縁電線1の検査方法においては、図8に示すような絶縁皮膜20内の肉薄部22を検出することも可能である。肉薄部22とは、導体10の膨れ11により、絶縁皮膜20が局所的に肉薄になる部分をいう。このような肉薄部22が存在すると、その肉薄部22において絶縁性が低下する。そのため、安定した品質の絶縁電線1を製造するためには、このような肉薄部22の存在も適切に検出し、絶縁皮膜20の品質を管理することが好ましい。
また図8および図9を参照して、本実施の形態1に係る絶縁電線1の検査方法は、導体10の長手方向に沿った長さLD2が4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下である肉薄部22を検出可能である。また図2、図4および図5に示すように、第1主電極40および第2主電極41は、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の絶縁皮膜20内の肉薄部22が検出可能となるように、導体10の長手方向に沿った長さが調整されている。例えば第1主電極40および第2主電極41の導体10の長手方向に沿った長さは、それぞれ0.1mm以上10mm以下である。このような微小な肉薄部22を検出可能であることにより、実質的に有害な欠陥部を有効に検出することができる。
さらに図9を参照して、本実施の形態1に係る絶縁電線の検査方法においては、長手方向最大長さLD2と幅方向最大長さWとの積が、0.1mm以上20mm以下の肉薄部22を欠陥部として検出可能である。このような範囲の肉薄部22を検出可能であることにより、実質的に有害な欠陥部をさらに精度良く検出することができる。
また図8を参照して、本実施の形態1に係る絶縁電線の検査方法においては、膜厚減少量dが1μm以上50μm以下の肉薄部22を欠陥部として検出可能である。このような範囲の膜厚減少量dを有する肉薄部22をも検出可能なことにより、絶縁皮膜20の絶縁性の低下に影響を与えるような肉薄部22をより適切に検出することができる。
本実施の形態1に係る絶縁電線の検査方法では、図10に示すような、絶縁皮膜20表面に存在する、導体10の長手方向に沿った長さLD3が4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の傷23を検出することも可能である。また図11に示すような、導体10の長手方向に沿った長さLD4が4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の穴24についても検出可能である。なお傷23や穴24などの絶縁皮膜20の外観から特定可能な欠陥部については、画像分析などによる一般的な欠陥検査方法でも検出することができる。しかしながら、図6に示すような低気孔率部21や図8に示すような肉薄部22、特に導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下の微細な低気孔率部21や肉薄部22については外観のみからは検出することが難しい。傷23および穴24とともに、導体10の長手方向に沿った長さLD1又は長さLD2が4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の低気孔率部21や肉薄部22を適切に検出することができれば、実質的に有害な欠陥部を有効に検出することができる。
本実施の形態1においては、主電極として上述のような第1主電極40および第2主電極41を用いて、第1の静電容量および第2の静電容量と絶縁皮膜20の気孔率との関係に基づいて絶縁皮膜20の形成状態を検査することにより、傷23や穴24だけでなく、このような低気孔率部21や肉薄部22の存在を検出することができる。その結果、本願の絶縁電線1の検査方法によれば、欠陥部を的確に検出することができ、安定した品質の絶縁電線1を製造することが可能となる。
また本実施の形態1においては、導体10の長手方向に沿った長さL40,L41が好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である第1主電極40および第2主電極41が用いられる。測定される静電容量の値は、第1主電極40全体の平均値、または第2主電極41全体の平均値である。したがって、電極が導体10の長手方向に沿って長い場合、広い範囲を検出することが可能となるが、静電容量の値が長手方向に渡って平均化されるため、小さな欠陥部を感度良く検出することが難しい。これに対し、第1主電極40および第2主電極41の、導体10の長手方向に沿った長さL40,L41を充分に短く(好ましくは10mm以下)することで、長手方向に長い電極では検知できない小さな欠陥部、特に導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の欠陥部をもより適切に検知することができる。
さらに第1主電極40および第2主電極41の、導体10の長手方向に沿った長さL40,L41を充分に短く(好ましくは10mm以下)し、第1の静電容量および第2の静電容量と絶縁皮膜20の気孔率との関係に基づいて絶縁皮膜20の形成状態を検査することにより、傷23や穴24による欠陥部、あるいはサイズの大きな欠陥部のみならず、小さな欠陥部、特に導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の低気孔率部21や肉薄部22による欠陥部についても検出することが可能である。
また本実施の形態においては、複数の主電極、すなわち第1主電極40および第2主電極41とを有する検査電極55を備えたキャパシタンスセンサ2を用いて第1の静電容量および第2の静電容量の測定を行う。このように複数の主電極を用いて検査を行うことで、一方の主電極による検査結果に欠陥部の誤検出が含まれるか否かを、別の主電極の検査結果と対比して検証することができる。その結果、欠陥部の誤検出を低減し、より精度良く欠陥部を検出することができる。
さらに第1主電極40および第2主電極41は、それぞれ長さが異なる。そのため2つの主電極を用いて測定される第1の静電容量および第2の静電容量とを求め、それらの推移に基づく検査結果を比較することにより(両者の差分をとることにより)、より狭小な範囲の絶縁皮膜20の形成状態を検査することができる。すなわち、長さL40を有する第1主電極40と絶縁電線1との間の第1の静電容量と、長さL40よりも大きい長さL41を有する第2主電極41と絶縁電線1との間の第2の静電容量とを求め、それらに基づく検査結果を比較することにより(両者の差分をとることにより)、実質的に差(L41‐L40)(例えば10mm以下、具体例としては5mm)の範囲に相当する絶縁皮膜20の形成状態を検査することができる。
このようにして測定された第1静電容量(および第2の静電容量)と、予め調査された絶縁皮膜20の気孔率との関係に基づいて、気孔率を導出することができる。具体的には、計算により求められる理論曲線や、標準物質を用いて求められる検量線と、検査工程において求められる絶縁電線1の静電容量の値とを比較することにより、絶縁電線1の気孔率を見積もることができる。予め欠陥として検出すべき気孔率から求められる、欠陥部が存在するものと判断すべき静電容量のしきい値を設定しておくことで、上記欠陥部の検出を行うことができる。また必要に応じて、静電容量と気孔率との関係に加え、厚みと静電容量との関係も参照することができる。
(実施の形態2)
次に他の実施形態である実施の形態2について説明する。図12は実施の形態2において検査される絶縁電線の一例を示す断面模式図である。絶縁電線3は、線状の形状を有する導体12の長手方向に垂直な断面において円形の断面形状を有する。絶縁電線3は、円形の断面形状を有する線状の導体12と、この導体12の外周側に形成された絶縁皮膜25とを備える。実施の形態2において検査される絶縁電線3は、絶縁皮膜25が空孔を有しない点で実施の形態1と相違する。空孔を実質的に有しない絶縁皮膜25を有する絶縁電線3において図6に示す低気孔率部21が実質的に発生しない点で実施の形態2は実施の形態1と相違する。それ以外の点においては実施の形態2は実施の形態1と共通する。
実施の形態2においては、絶縁電線1に代えて、空孔を実質的に有しない絶縁皮膜25を有する絶縁電線3が検査される。空孔を実質的に有しない絶縁皮膜25を有する絶縁電線3においても、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下の肉薄部22は発生し得る。実施の形態2に係る絶縁電線3の検査方法においても、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下の肉薄部22を検出することが可能である。また導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下の傷23および穴24についても同様に検出が可能である。
(実施の形態3)
次に、他の実施形態である実施の形態3について説明する。図13は、実施の形態3における検査電極55の構造の一例を示す概略平面図である。本実施の形態に係る絶縁電線1の検査方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3におけるキャパシタンスセンサ2の検査電極55は、1つの主電極60と、2つのガード電極62a,62bとから構成される点において実施の形態1の場合とは異なっている。
図13を参照して、本実施の形態における、第1の電極としての第3主電極60は、実施の形態1に係る第1主電極40と同一の構造を有する。すなわち、第3主電極60は、導体10の長手方向に垂直な断面において導体10の周方向に互いに離間するように4分割された円弧状の形状を有し、導体10の長手方向に沿って延在する4つの電極ユニット60a,60b,60c,60d(60dは図示せず)から構成されている。第3主電極60は、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部が検出可能となるように、導体10長手方向に沿った長さが調整されている。具体的には第3主電極60の導体10の長手方向に沿った長さL60は、本実施の形態においては0.1mm以上であって、かつ好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下に設定される。
第3主電極60から見て導体10の長手方向において上流側には第4ガード電極62aが配置されている。第3主電極60から見て導体10の長手方向において下流側には第5ガード電極62bが配置されている。第4ガード電極62aおよび第5ガード電極62bのそれぞれは、実施の形態1に係る第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cと同一の構造および同一の機能を有する。
本実施の形態における検査部53によれば、導体10の長手方向に沿った長さL60は充分に短い(好ましくは10mm以下)。そのため実施の形態1と同様に、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の微細な低気孔率部21や肉薄部22などの欠陥部を検出することができる。
また第3主電極60は、第1主電極40および第2主電極41と同様に、導体10の長手方向に垂直な断面において導体10の周方向に互いに離間するように4分割された円弧状の形状を有し、導体10の長手方向に沿って延在する4つの電極ユニット60a,60b,60c,60dから構成されている。そのため、絶縁電線1の周方向における欠陥部の存在位置についても細かく特定することが可能となる。
(実施の形態4)
次に、他の実施形態である実施の形態4について説明する。図14は、実施の形態4における検査電極55の構造の一例を示す概略平面図である。本実施の形態に係る絶縁電線1の検査方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態4におけるキャパシタンスセンサ2の検査電極55は、2つの主電極70,71が、導体10の長手方向に垂直な断面においてそれぞれ周方向に一続きに接続されたリング状の形状を有している点で実施の形態1の場合とは異なっている。
図14を参照して、本実施の形態における、第1の電極としての第4主電極70の導体10の長手方向の長さL70は、実施の形態1に係る第1主電極40の長さL40と同じである。また本実施の形態における、第2の電極としての第5主電極71の導体10の長手方向の長さL71は、実施の形態1に係る第2主電極41の導体10の長手方向の長さL41と同じである。第4主電極70及び第5主電極71は、それぞれ、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部が検出可能となるように、導体10長手方向に沿った長さが調整されている。具体的には長さL70および長さL71はいずれも0.1mm以上であって、かつ好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下に設定される。また長さL70よりも長さL71の方が長い。
第4主電極70から見て導体10の長手方向において上流側には第6ガード電極72aが配置されている。導体10の長手方向に沿って第4主電極70と第5主電極71との間には第7ガード電極72bが配置されている。第5主電極71から見て導体10の長手方向において下流側には第8ガード電極72cが配置されている。第6ガード電極72a、第7ガード電極72bおよび第8ガード電極72cのそれぞれは、実施の形態1に係る第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cと同一の構造および同一の機能を有する。
本実施形態における検査電極55によれば、絶縁電線1の第4主電極70の、導体10の長手方向に沿った長さL70は充分に短い(好ましくは10mm以下)。そのため実施の形態1と同様に、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の微細な低気孔率部21や肉薄部22などの欠陥部を検出することができる。さらに第4主電極70の、導体10の長手方向に沿った長さL70が好ましくは0.1mm以上であることから、精度の高い欠陥部の検出を行うことができる。
本実施の形態における検査電極55は、複数の主電極(第4主電極70および第5主電極71)を有する。そのため2つの主電極を用いて測定される第1の静電容量および第2の静電容量とを求め、それらに基づく検査結果を比較することにより(両者の差分をとることにより)、より狭小な範囲の絶縁皮膜20の形成状態を検査することができる。すなわち、長さL70の第4主電極70と絶縁電線1との間の第1の静電容量と、長さL71の第5主電極71と絶縁電線1との間の第2の静電容量とを求め、それらに基づく検査結果を比較することにより(両者の差分をとることにより)、実質的にL70とL71との差分(例えば10mm以下、具体例としては5mm)に相当するより局所的な範囲内の絶縁皮膜20の形成状態を検査することができる。
(実施の形態5)
次に、他の実施形態である実施の形態5について説明する。図15は、実施の形態5における検査電極55の構造の一例を示す概略平面図である。本実施の形態に係る絶縁電線1の検査方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態5におけるキャパシタンスセンサ2の検査電極55は、主電極(第6主電極80)が導体10の長手方向に垂直な断面においてそれぞれ周方向に一続きに接続されたリング状の形状を有している点、および検査電極55が1つの主電極(第6主電極80)と、2つのガード電極82a,82bとから構成される点において実施の形態1の場合とは異なっている。
図15を参照して、本実施の形態における、第1の電極としての第6主電極80の導体10の長手方向の長さL80は、実施の形態1に係る第1主電極40の、導体10の長手方向の長さL40と同様に、好ましくは0.1mm以上10mm以下である。
第6主電極80から見て導体10の長手方向において上流側には第9ガード電極82aが配置されている。第6主電極80から見て導体10の長手方向において下流側には第10ガード電極82bが配置されている。第9ガード電極82aおよび第10ガード電極82bのそれぞれは、実施の形態1に係る第1ガード電極42a、第2ガード電極42bおよび第3ガード電極42cと同一の構造および同一の機能を有する。
本実施の形態における検査電極55において、第6主電極80は、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の絶縁皮膜内の欠陥部が検出可能となるように、導体10長手方向に沿った長さが調整されている。導体10の長手方向に沿った第6主電極80の長さL80は充分に短い(好ましくは10mm以下)。そのため実施の形態1のように絶縁電線1の周方向における欠陥部の存在位置についても細かく特定することや、複数の電極を用いて検査結果を比較する場合のようなより細かい範囲の検査は難しいものの、実施の形態1と同様に、導体10の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の微細な低気孔率部21や肉薄部22などの欠陥部を検出することができる。
なお、上記各実施の形態においては、円形の断面形状を有する線状の絶縁電線1の検査方法を説明したが、絶縁電線1の断面形状はこれらに限定されず、四角形、六角形など任意の断面形状に加工された絶縁電線を得ることも可能である。
また上記実施形態においては、導体10の長手方向に沿った各主電極の長さは特に限定されないが、好ましくは10mm以下である。また複数の主電極を有する場合、少なくとも1つの上記長さが10mm以下であるのが好ましい。
また上記実施の形態においては、静電容量の検出を行うための検査部53を巻取り部56において巻き取られる直前の位置に配置したが、検査部53を配置する位置はこの位置に限定されない。例えば、導体10上に複数の層の絶縁層を形成することにより絶縁皮膜20を形成する場合、巻取り部56において巻き取られる直前の位置に代えて、または巻取り部56において巻き取られる直前の位置とともに、絶縁皮膜20が完成する前の中間体の段階において静電容量の検出が行える位置に検査部53を配置してもよい。
また上記実施形態においては、導体10の長手方向に沿った各ガード電極の長さが同一であったが、各ガード電極の上記長さはそれぞれ異なっていてもよい。また、欠陥部の検出に影響のない範囲でガード電極を省略することもできる。
上記実施形態においては、導体10,12の表面に塗工されたワニスを焼付炉内で加熱する方法により絶縁皮膜20,25を形成したが、絶縁皮膜20,25の形成方法はこの方法に限定されない。たとえば、熱可塑性樹脂の押出成形により絶縁皮膜20,25を形成することもできる。また空孔15の形成方法についても、熱分解性樹脂の分解を利用した空孔15の形成方法のみならず、他の方法を利用することもできる。例えば、相分離法(ポリマーと溶剤の均一溶液から、ミクロ相分離後、溶剤を抽出除去することにより多孔を形成する方法)や超臨界法(超臨界流体を利用して多孔質体を形成する方法)を利用して、絶縁皮膜20に空孔15を形成することも可能である。
[検査例]
次に、本願の絶縁電線1の検査方法に基づいて、キャパシタンスセンサ2により実際に絶縁皮膜20の欠陥部を検査した例を示す。
[空孔を有する絶縁皮膜20を備えた絶縁皮膜における低気孔率部の検出例]
(検査例1)
導体10と、導体10を被覆する絶縁皮膜20とを有する無欠陥の絶縁電線1を準備した。絶縁皮膜20に、絶縁皮膜20側から平面的に見た形状が一辺0.5mmの正方形形状である穴を開け、その穴をエポキシ樹脂(誘電率約3.1)で充填して、人工的に低気孔率部21を有する測定試料Aを作製した。測定試料Aにおける低気孔率部21の、長手方向最大長さと幅方向最大長さとの積は0.25mmである。同様に、絶縁皮膜20に、絶縁皮膜20側から平面的に見た形状が一辺0.4mmの正方形形状である穴を開け、その穴を同じエポキシ樹脂で充填して、人工的に低気孔率部21を有する測定試料Bを作製した。測定試料Bにおける低気孔率部21の長手方向最大長さと幅方向最大長さとの積は0.16mmである。
実施の形態1に係る検査電極55を有するキャパシタンスセンサ2を用いて、測定試料Aおよび測定試料Bの低気孔率部21が検出されるか否かを検査した。その結果、測定試料Aおよび測定試料Bのいずれについても低気孔率部21が検出された。
(検査例2)
実施の形態3に係る検査電極55を有するキャパシタンスセンサ2を用いて、測定試料Aおよび測定試料Bの低気孔率部21が検出されるか否かを検査した。その結果、測定試料Aおよび測定試料Bのいずれについても低気孔率部21が検出された。
(検査例3)
実施の形態4に係る検査電極55を有するキャパシタンスセンサ2を用いて、測定試料Aおよび測定試料Bの低気孔率部21が検出されるか否かを検査した。その結果、測定試料Aおよび測定試料Bのいずれについても低気孔率部21が検出された。
(検査例4)
実施の形態5に係る検査電極55を有するキャパシタンスセンサ2を用いて、測定試料Aおよび測定試料Bの低気孔率部21が検出されるか否かを検査した。その結果、測定試料Aおよび測定試料Bのいずれについても低気孔率部21が検出された。
上述の通り、いずれの検査例においても、平面的に見た形状が一辺0.5mm、長手方向最大長さと幅方向最大長さとの積が0.25mmの正方形形状である低気孔率部21、および平面的に見た形状が一辺0.4mm、長手方向最大長さと幅方向最大長さとの積が0.16mmの正方形形状である低気孔率部21を検出できることが明らかとなった。
[肉薄部の検出例]
次に、種々の大きさの肉薄部22を有する絶縁電線3を準備し、上記検査方法によって肉薄部22が検出可能かを調べた(検査例5〜検査例9)。各検査例においては、絶縁電線3を導体12の長手方向に搬送しながら、図4に示す構造を有する電極と、測定対象の絶縁電線3との間の静電容量を測定し、静電容量の推移を調べた。結果を表1に示す。表1において、静電容量変動量とは、絶縁皮膜25に欠陥のない正常な部分における静電容量の値に対し、欠陥部が存在する部分における静電容量の変動量(%)を示す。また膜厚減少量(μm)とは、肉薄部における、正常部の絶縁皮膜25の膜厚の平均値からの減少量の平均値(図8における膜厚減少量dの、1つの欠陥内の平均値)を示す。長手方向最大長さ(L)(mm)とは、絶縁皮膜25の厚み方向から平面視した平面形状における、欠陥部の長手方向に沿った最大の長さ(図9における長さLD2)を示す。また幅方向最大長さ(W)(mm)とは、絶縁皮膜25の厚み方向から平面視した平面形状における欠陥部の幅方向に沿った最大の長さ(図9における幅W)を示す。導体12の膨れの高さ(μm)とは、肉薄部22が発生した箇所の導体12の盛り上がり量の最大値を示す。
Figure 2018169381
表1に示すように、表1の検査例5〜検査例9においては、欠陥のない正常部分における静電容量の値と比べて、肉薄部に対応する箇所で3.0%以上、最大4.8%の静電容量の変動が生じた。これは、欠陥部を検出するために充分な変動量であった。その結果、導体12の長手方向に沿った長さが4mm以下の絶縁皮膜25内の肉薄部22を的確に検出することが可能である。また表1に示す結果から、上記検査方法は、長手方向最大長さLと幅方向最大長さWとの積L×Wが、0.1mm以上20mm以下であり、かつ膜厚減少量が1μm以上50μm以下である肉薄部22を適切に検出可能であることが示される。
[まとめ]
以上説明した通り、本願の絶縁電線の検査方法によれば、絶縁皮膜20、25を備える絶縁電線1,3の、絶縁性に影響を与え得る欠陥部、特に導体10,12の長手方向に沿った長さが4mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の微細な低気孔率部21や肉薄部22を適切に検出することができ、それにより安定した品質の絶縁電線1,3の製造に貢献することが可能となる。
今回開示された実施の形態および検査例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願の絶縁電線の検査方法は、絶縁電線の絶縁特性に影響を与え得る欠陥部、特に微小な欠陥部を、絶縁電線を搬送しながら非破壊で適切に検出することが求められる技術分野において、特に有利に適用され得る。
1 絶縁電線
2 キャパシタンスセンサ
3 絶縁電線
10 導体
11 膨れ
12 導体
15 空孔
20 絶縁皮膜
21 低気孔率部
22 肉薄部
23 傷
24 穴
25 絶縁皮膜
30 製造装置
40 第1主電極
40a,40b,40c,40d 電極ユニット
41 第2主電極
42a 第1ガード電極
42b 第2ガード電極
42c 第3ガード電極
44 筐体
50 導線準備部
51 素線供給部
52 導体加工部
53 検査部
54 絶縁皮膜形成部
55 検査電極
56 巻取り部
58 キャパシタンスモニタ
60 第3主電極
60a,60b,60c,60d 電極ユニット
62a 第4ガード電極
62b 第5ガード電極
70 第4主電極
71 第5主電極
72a 第6ガード電極
72b 第7ガード電極
72c 第8ガード電極
80 第6主電極
82a 第9ガード電極
82b 第10ガード電極

Claims (10)

  1. 線状の形状を有する導体と、前記導体の外周側に形成された絶縁皮膜とを有する絶縁電線を準備する工程と、
    前記絶縁電線を前記導体の長手方向に搬送しながら、前記絶縁電線の外周面に対向するように前記絶縁電線の径方向外側に配置される電極と、前記絶縁電線との間の静電容量を測定し、前記静電容量の推移に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態を検査する工程とを含み、
    前記絶縁皮膜の形成状態を検査する工程において、前記導体の長手方向に沿った長さが4mm以下の前記絶縁皮膜内の欠陥部を検出可能な絶縁電線の検査方法。
  2. 前記電極は、前記導体の長手方向に沿った長さが4mm以下の前記絶縁皮膜内の前記欠陥部が検出可能となるように、前記長手方向に沿った長さが調整されている、請求項1に記載の絶縁電線の検査方法。
  3. 前記絶縁皮膜の形成状態を検査する工程において、前記導体の長手方向に沿った長さが2mm以下の前記絶縁皮膜内の欠陥部を検出可能である、請求項1又は請求項2に記載の検査方法。
  4. 前記絶縁電線を準備する工程において準備される前記絶縁電線の前記絶縁皮膜は、内部に空孔を有し、
    前記絶縁皮膜の形成状態を検査する工程において、さらに前記静電容量と気孔率との関係に基づいて前記絶縁皮膜の形成状態を検査する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の絶縁電線の検査方法。
  5. 前記絶縁皮膜内の前記欠陥部は、内部に空孔を有する前記絶縁皮膜内に存在する低気孔率部である請求項4に記載の絶縁電線の検査方法。
  6. 前記絶縁皮膜内の前記欠陥部は肉薄部である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の絶縁電線の検査方法。
  7. 前記肉薄部は、膜厚減少量が1μm以上50μm以下である、請求項6に記載の絶縁電線の検査方法。
  8. 前記絶縁皮膜の厚み方向から平面視した平面形状における前記欠陥部の長手方向最大長さと幅方向最大長さとの積が、0.1mm以上20mm以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の絶縁電線の検査方法。
  9. 前記絶縁皮膜はポリイミドを含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の絶縁電線の検査方法。
  10. 前記絶縁皮膜の形成状態を検査する工程は、オンラインで行われる、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の絶縁電線の検査方法。
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