JP2018169327A - 位相検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
モータの回転子などの回転体の位相を検出する位相検出装置において、該回転体をより精密に制御するために必要な位相信号を出力することができる位相検出装置を提供する。
【解決手段】
回転体102の位相を検出する位相検出装置10であって、前記回転体の表面に形成された可動導電体104と、前記回転体の表面から所定距離を隔てて配置された固定導電体106であって、前記回転体の回転速度に応じた周期で前記可動導電体と相対向する固定導電体106と、前記可動導電体と前記固定導電体との間で生じる静電容量に基づいた信号を出力する信号出力回路101と、を備える。
【選択図】図2
モータの回転子などの回転体の位相を検出する位相検出装置において、該回転体をより精密に制御するために必要な位相信号を出力することができる位相検出装置を提供する。
【解決手段】
回転体102の位相を検出する位相検出装置10であって、前記回転体の表面に形成された可動導電体104と、前記回転体の表面から所定距離を隔てて配置された固定導電体106であって、前記回転体の回転速度に応じた周期で前記可動導電体と相対向する固定導電体106と、前記可動導電体と前記固定導電体との間で生じる静電容量に基づいた信号を出力する信号出力回路101と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、位相検出装置に関するものであり、特に、モータの回転子の位相を検出する位相検出装置に関する。
一般に、DC(Direct-Current)ブラシレスモータにおいて、回転子の位置を検出する位相検出装置を備えたDCブラシレスモータが知られている。このような構成のDCブラシレスモータでは、位相検出装置による回転子の検出信号に基づいて固定子コイルの駆動電流を制御することにより、該回転子の位相が制御される。
回転子の位相を検出する位相検出装置としては、例えば、ホール素子や磁気抵抗(MR:Magneto Resistance)素子などの磁気検出素子を用いた位相検出装置が公知である(特許文献1)。このような磁気検出素子は、回転子などに取り付けられたマグネットなどの回転による磁場の変化を検知し、当該検知信号を信号処理回路などに出力する。
磁気検出素子のうち、ホール素子は、素子内を流れる電流と外部磁界との相互作用によって発生する起電力を利用するものであり、磁界の大きさに比例した該起電力をアナログ信号として出力する。しかし、ホール素子を利用した位相検出装置では、ホール素子から出力される微弱なアナログ信号が外来ノイズなどの影響を受け易いことから、ノイズ対策用の専用回路などが必要となり、結果として、装置全体のコストが上昇する傾向にある。また、位相検出装置が使用される温度によっては、ホール素子からの出力誤差が大きくなり、回転子の正確な位置や位相の検出が難しくなるような場合がある。
また、MR素子は、磁場の強さに応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用するものであり、上述のホール素子に比べて感度が良好で消費電力も小さいという利点を有している。しかし、MR素子は、素子に入力される磁場の強度によっては、その出力信号が飽和するような場合もあり、入力磁場と出力信号とが線形な関係とはならないような場合がある。このため、MR素子と回転子などに配置されたマグネットとが必要以上に近接するような場合には、MR素子からの出力波形が歪むような事態が生じ得る。
さらに、ホール素子及びMR素子などの磁気検出素子では、いずれも回転子または回転軸などに取り付けたマグネットを利用するため、使用するモータの回転子のサイズなどによっては、設置できるマグネットの大きさや、当該マグネットの周囲に配置できる磁気検出素子の個数が制限されるような場合がある。このため、必要な個数の磁気検出素子が配置できないような場合には、回転子の位置や位相を正確に検出することができないため、回転子を精密に駆動制御できない事態が生じ得る。
このような背景から、モータの回転子などの回転体の位相を検出する位相検出装置において、該回転体をより精密に制御するために必要な位相信号を出力することができる位相検出装置の実現が望まれている。
本発明の一の態様は、回転体の位相を検出する位相検出装置である。前記回転体の表面に形成された可動導電体と、前記回転体の表面から所定距離を隔てて配置された固定導電体であって、前記回転体の回転速度に応じた周期で前記可動導電体と相対向する固定導電体と、前記可動導電体と前記固定導電体との間で生じる静電容量に基づいた信号を出力する信号出力回路と、を備える。
本発明の他の態様によると、前記可動導電体と前記固定導電体とは、前記回転体の回転方向の長さが異なる。
本発明の他の態様によると、前記可動導電体及び前記固定導電体の一方は、前記回転体の回転軸方向の長さが回転方向の所定間隔で異なるように形成されている。
本発明の他の態様によると、前記固定導電体を複数備え、前記固定導電体の各々は前記回転体の回転軸方向に隣接して配置されている。
本発明の他の態様によると、前記固定導電体を複数備え、前記固定導電体の各々は前記回転体の回転方向の位相が異なる位置に配置されている。
本発明の他の態様によると、前記可動導電体を複数備え、前記可動導電体の各々は前記回転体の回転方向の位相が異なる位置に配置されている。
本発明の他の態様によると、前記位相検出装置を備えるモータである。前記モータは、前記可動導電体が形成された回転子と、前記固定導電体が配置された固定子と、前記信号出力回路からの信号に基づいて前記回転子の回転位相を制御する信号処理回路と、を備える。
本発明の他の態様によると、前記可動導電体と前記固定導電体とは、前記回転体の回転方向の長さが異なる。
本発明の他の態様によると、前記可動導電体及び前記固定導電体の一方は、前記回転体の回転軸方向の長さが回転方向の所定間隔で異なるように形成されている。
本発明の他の態様によると、前記固定導電体を複数備え、前記固定導電体の各々は前記回転体の回転軸方向に隣接して配置されている。
本発明の他の態様によると、前記固定導電体を複数備え、前記固定導電体の各々は前記回転体の回転方向の位相が異なる位置に配置されている。
本発明の他の態様によると、前記可動導電体を複数備え、前記可動導電体の各々は前記回転体の回転方向の位相が異なる位置に配置されている。
本発明の他の態様によると、前記位相検出装置を備えるモータである。前記モータは、前記可動導電体が形成された回転子と、前記固定導電体が配置された固定子と、前記信号出力回路からの信号に基づいて前記回転子の回転位相を制御する信号処理回路と、を備える。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、本実施形態では、本発明に従う位相検出装置として、例えばDC(Direct-Current)ブラシレスモータなどの電動機に搭載される位相検出装置を示すが、本発明に係る位相検出装置の構成は、これに限らず、電動機以外の他の一般の回転体の位相を検出する場合にも適用することができる。
[第1実施形態]
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る位相検出装置を備えたモータ1の一断面を示すものであり、また、図1(b)は、モータ1及び該モータ1を制御する制御回路の構成を示すブロック図である。モータ1は、本実施形態では、例えばDCブラシレスモータであり、モータケース112の内部に、永久磁石が搭載された回転子102、回転子102を貫通するように取り付けられた回転シャフト107、モータケース112に固定された固定子108、を有している。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る位相検出装置を備えたモータ1の一断面を示すものであり、また、図1(b)は、モータ1及び該モータ1を制御する制御回路の構成を示すブロック図である。モータ1は、本実施形態では、例えばDCブラシレスモータであり、モータケース112の内部に、永久磁石が搭載された回転子102、回転子102を貫通するように取り付けられた回転シャフト107、モータケース112に固定された固定子108、を有している。
モータ1の固定子108には、3相の励磁コイル109a、109b、109cが配置されており、各励磁コイル109a、109b、109cの一端がY結線されると共に他端は、該モータ1を制御するスイッチング回路2のトランジスタに接続されている。さらに、モータ1は、前記回転子102の回転位置を検出する位相検出装置10を搭載している。
ここで、本実施形態に係る位相検出装置10は、励磁コイルの相数に応じた3つの位相検出素子と、各位相検出素子に接続された検出信号出力回路とを備えている。該3つの位相検出素子は、例えば、120°の位相差をもつように回転子102及び固定子108上に配置されている。なお、図1(a)、(b)では、本発明の第1実施形態に係る位相検出装置10の構成について、説明を簡潔にして理解を容易にすべく、1つの位相検出素子100と、当該位相検出素子100に接続された検出信号出力回路101のみを示すものとする。また、図示しない他の位相検出素子及び検出信号出力回路は、以下に説明する位相検出素子100及び検出信号出力回路101と同様の構成を備えている。
本実施形態に係る位相検出装置10では、特に、回転子102の位相を検出する位相検出素子100が、静電容量カップリングする2つの導電体から構成されている。2つの該導電体は、回転子102の側面に形成されて回転子102と共に回転する可動導電体104と、固定子108の表面に固定され固定導電体106とから構成されており、例えば回転子102の回転速度に応じた周期で両者が近接及び対向することにより静電容量が変動する可変容量コンデンサ203を構成している。
また、位相検出素子100の固定導電体106には、検出信号出力回路101が接続されて、可変容量コンデンサ203の静電容量に応じたアナログ信号を当該信号処理回路4に出力する。
信号処理回路4は、例えば、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリを備えるコンピュータであって、入力された該アナログ信号に基づいてモータ1の回転子102の回転位置を特定する。信号処理回路4は、特定した該回転子102の位置に基づいてスイッチング回路2を駆動し、各励磁コイル109a〜109cに通電される電流の量や方向を制御してモータ1を回転させる。
ここで、スイッチング回路2は、6つのトランジスタTr1〜Tr6で構成されており、各トランジスタの制御端子に入力される前記信号処理回路4からの信号により、各トランジスタTr1〜Tr6のオン/オフを制御することにより、電源3から各トランジスタを通じて各励磁コイル109a〜109cへと通電される電流を制御する。
次に、本発明の第1実施形態に係る位相検出装置10の詳細について、図2(a)、(b)を用いて説明する。図2(a)は、本実施形態の位相検出装置10を構成する位相検出素子100の構成であり、また、図2(b)は、本実施形態の位相検出素子100に接続される検出信号出力回路101の回路構成と、回転軸Aに沿って見た位相検出素子100の模式図を示している。
位相検出装置10は、位相検出素子100と、該位相検出素子100からの信号が入力される検出信号出力回路101とから構成される。位相検出素子100は、回転子102の側面に形成されて回転子102と共に回転する可動導電体104と、固定子108の表面に固定された固定導電体106とから構成されている。
可動導電体104及び固定導電体106の各々は、回転子102の側面に沿って形成された円弧状の曲板体であり、例えばアルミニウムや銅などのなどの永久磁石や励磁コイル109a〜109cからの磁場の影響を受けにくい非磁性体などで構成されている。
また、可動導電体104及び固定導電体106は、両者の表面間の距離が一定値:dとなるように配置されており、該回転子102の回転に応じて変化する各導電体の重なり部分の面積変化により静電容量が変化する可変容量コンデンサ203を構成する。可変容量コンデンサ203は、可動導電体104と固定導電体106との重なりの開始から徐々に静電容量が大きくなり、重なり面積が最大となる回転位置において静電容量がピークとなり、その後、徐々に静電容量が減少するように変化することとなり、このような静電容量の変化に応じた三角波状の信号を固定導電体106に接続された検出信号出力回路101に出力する。なお、位相検出素子100の可動導電体104は回転子102外部において接地されている。
検出信号出力回路101は、所定の容量のコンデンサ209を介して前記固定導電体106に接続された交流電流源208と、前記固定導電体106から出力される電流が通電される電流検出用抵抗212と、該電流検出用抵抗212に生じる電圧を電流に変換するバッファアンプ214と、ダイオード216で整流された該電流を電圧信号に変換するコンデンサ218及び抵抗220と、該電圧信号を信号処理回路4に出力するバッファ回路222とから構成されている。
このような回路構成により、可動導電体104と固定導電体106とにより構成される可変容量コンデンサ203の静電容量が電圧に変換されて、回転子102の位相信号として次段の信号処理回路4へと出力される。なお、検出信号出力回路101は、このような回路構成に限らず、位相検出素子100からの出力が次段の信号処理回路へと正確に伝搬できる回路であれば、任意の回路構成の検出信号出力回路を使用することができる。
図3(a)、(b)、(c)は、第1実施形態における位相検出装置10を構成する位相検出素子100の変形例であり、位相検出素子100の可動導電体104及び固定導電体106に代えて用いることのできる、第1、第2及び第3の可動導電体及び固定導電体の構成を示している。
図3(a)は、第1実施形態における第1変形例である可動導電体304と固定導電体306が形成された位相検出素子300の構成を示す図である。位相検出素子300では、回転子302に形成された可動導電体304の回転方向の長さ(可動導電体304の図示短手方向の長さ)が、固定導電体306の回転方向の長さよりも短くなるように構成されている。本変形例では、例えば、可動導電体304の回転方向の長さが固定導電体306の回転方向の長さの1/6となるように構成されている。
ここで、第1実施形態では、可動導電体104と固定導電体106とによる可変容量コンデンサ203は三角波状のアナログ信号が出力されるものであったが、本変形例の位相検出素子300では、可動導電体304の回転方向の長さが固定導電体306の長さよりも短く、固定導電体306により可動導電体304の全面が一瞬で覆われる構成を有しているため、固定導電体306及び可動導電体304で構成される静電容量が瞬時に一定値に達することとなる。
これにより、本変形例に係る位相検出素子300では、出力される静電容量を二値化(該一定値の静電容量と静電容量を有さない場合の2つの状態)することができ、擬似的なデジタル信号で構成される位相信号の出力が可能となる。これにより、次段の信号処理回路4を省略または簡略化することができ、大幅に位相検出装置のコストダウンを図ることができる。なお、本変形例では、可動導電体304の回転方向の長さを固定導電体306の回転方向の長さの1/6としたが、これに限らず、可動導電体304の回転方向の長さは、位相検出素子300からの出力信号が二値化できる範囲において任意の長さとすることができる。
図3(b)は、第1実施形態における第2変形例である可動導電体314と固定導電体316とを備えた位相検出素子310の構成を示す図である。位相検出素子310は、固定導電体316の回転方向の長さ(固定導電体316の図示短手方向の長さ)が、回転子312に形成される可動導電体314の回転方向の長さよりも短くなるように構成されている。第2変形例では、例えば、固定導電体316の回転方向の長さが可動導電体314の回転方向の長さの1/6となるように構成されている。
第2変形例の位相検出素子310においても、第1変形例の場合と同様に、位相検出素子310からの出力信号を二値化することができ、位相信号を擬似的なデジタル信号で構成することができる。これにより、次段の信号処理回路4を省略または簡略化することができ、装置の大幅なコストダウンを実現することができる。なお、第2変形例では、可動導電体314の回転方向の長さを固定導電体316の回転方向の長さの1/6としたが、これに限らず、固定導電体316の回転方向の長さは、位相検出素子310からの出力が二値化できる範囲において任意の長さとすることができる。
図3(c)は、第1実施形態における第3変形例である可動導電体324と固定導電体326が形成された位相検出素子320の構成を示す図である。第3変形例の位相検出素子320では、回転子側に形成された可動導電体324の回転軸A方向の長さが階段状に徐々に大きくなるように構成された4つの部分で構成されており、各部分の回転方向の各々長さは、固定導電体326の回転方向の長さと略同一となるように構成されている。
これにより、第3変形例の位相検出素子320の可動導電体324と固定導電体326とにより構成される可変容量コンデンサは、回転軸方向の長さが異なる該4つの部分と、可動導電体324が形成されていない部分との5つの状態とに対応する五値化された静電容量を出力する。また、可動導電体324の複数の当該部分の各々を、回転子の回転方向の位置を対応させることができるため、回転子の位置検出を容易に且つ確実に行うことができるため、信号処理回路4の構成を簡略化して装置の大幅なコストダウンが実現できると共に、回転子の精密な位置制御が可能となる。
なお、第1実施形態における第3変形例では、可動導電体324を4つの部分で構成したが、これに限らず、所望の位置検出の精度や検出位置の細かさに応じて、回転軸方向の長さが異なる当該部分を必要数形成することができる。また、本変形例では、可動導電体324に回転軸方向の長さが異なる部分を形成したが、これに代えて、可動導電体324と固定導電体326とが逆の構成(固定導電体326に回転軸方向の長さが異なる部分を形成する構成)を有するようにすることもできる。また、本変形例では、異なる複数の幅部分の軸方向の長さがを変えたが、長さに代えて、当該導電体の厚みを変えることにより、各部分の静電容量を各々変更するように構成してもよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る位相検出装置について説明する。本実施形態に係る位相検出装置では、2つの固定導電体が固定子側において隣接して形成されると共に、各固定導電体が回転子に形成された可動導電体を共有するように構成されている。これにより、本実施形態に係る位相検出装置では、可動導電体側に接地構造を設ける必要がないため、該位相検出装置の回路構成が簡略化できると共に、更に、回転子402に電気的な接点を設ける必要もないことから、該回転子402の機械的構造も簡素化することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る位相検出装置について説明する。本実施形態に係る位相検出装置では、2つの固定導電体が固定子側において隣接して形成されると共に、各固定導電体が回転子に形成された可動導電体を共有するように構成されている。これにより、本実施形態に係る位相検出装置では、可動導電体側に接地構造を設ける必要がないため、該位相検出装置の回路構成が簡略化できると共に、更に、回転子402に電気的な接点を設ける必要もないことから、該回転子402の機械的構造も簡素化することができる。
図4(a)は、本発明の第2実施形態に係る位相検出装置40の構成を示す図であり、図4(b)は、位相検出装置40の等価回路を示している。なお、図4(a)、(b)に示す位相検出装置40において、図2に示す第1実施形態に係る位相検出装置10と同じ構成要素については、図2に示す符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した図2についての説明を援用する。
本位相検出装置40は、第1実施形態に係る位相検出装置10に代えて用いることのできる位相検出装置である。本実施形態に係る位相検出装置40では、固定子側に2つの固定導電体406a、406bが回転軸Aの方向に隣接して形成されると共に、各固定導電体406a、406bが回転子402に形成された可動導電体404を共有する位相検出素子400を備えている。
本位相検出装置40は、一方の固定導電体406aと可動導電体404とで構成される可変容量コンデンサ407aと、他方の固定導電体406bと可動導電体404とで構成される可変容量コンデンサ407bとが、可動導電体404により直列に接続された構成を備えている。これにより、位相検出素子400は、回転子402が回転して固定導電体406a、406bと可動導電体404とが一定の周期で相対向した場合に、各可変容量コンデンサ407a、407bの直列容量に対応した値を検出信号出力回路401に出力する。
このような構成により、本位相検出装置40では、回転子の可動導電体側に接地構造を設ける必要がなくなるため、該位相検出装置40の回路構成が簡略化できると共に、回転子402に電気的な接点を設ける必要がないことから該回転子402に機械的構造も簡素化することができる。
図5(a)、(b)、(c)は、第2実施形態の位相検出装置40の位相検出素子400の変形例であり、可動導電体404と固定導電体406a、406bに代えて用いることのできる、第1、第2及び第3の可動導電体及び固定導電体の構成を示している。
図5(a)は、第2実施形態における第1変形例である位相検出素子500a、500bの構成を示す図である。図5(a)は、2枚の固定導電体506a、506bを回転子の位相に対して180度ずれた位置に配置したもので、一方の固定導電体506aはコンデンサ509を介して交流電源508に接続されると共に、他方の固定導電体506bは、接地電位に接続される。また、回転子502に設けられる可動導電体504a、504bは回転子502の位相に対して180度ずれた位置に設けて、両者を例えば回転子502内部で電気的に接続して同電位としている。
第2実施形態における第1変形例に係る位相検出装置の位相検出素子400では、可変容量素子507aと、当該可変容量素子507aとは位相が180度ずれた位置に設けられた可変容量素子507bとが、回転子502内部の接続線を介して直列に接続された構成を備えており、これにより、回転子502の180度ずれた2つの回転子位置を簡単な回路構成で検出することができる。また、第2実施形態と同様に、本変形例においても、回転子502に形成された可動導電体に接地構造を設ける必要がないため、位相検出装置の回路構成が簡略化できると共に、該回転子502に機械的構造も簡素化することができる。なお、第2実施形態における第1変形例では、2組の位相検出素子500a、500bを用いて、180度ずれた2つの回転子位置を検出する構成としたが、これに限らず、3組以上の位相検出素子を用いて、回転子の位置を更に細かく検出するような構成とすることもできる。
図5(b)は、第2実施形態における第2変形例である位相検出素子510の構成を示す図である。位相検出素子510は、回転子512に形成された可動導電体514と、回転子512の回転方向に隣接して配置され2つの固定導電体516a、516bとからなり、該固定導電体516a、516bが可動導電体514を共有している。
本変形例の位相検出素子510は、一方の固定導電体516aと可動導電体514とで構成される可変容量コンデンサと、他方の固定導電体516bと可動導電体514とで構成される可変容量コンデンサとが、可動導電体514により直列に接続された構成を備えている。
この構成により、回転子512の回転方向に配置された固定導電体516a、516bの各々位置に応じて変化する可変容量コンデンサの静電容量から、回転子512の回転位置を特定することができる。また、第2実施形態と同様に、本変形例では、回転子に形成された可動導電体に接地構造を設ける必要がないため、位相検出装置の回路構成が簡略化できると共に、回転子512に電気的な接点を設ける必要がないことから該回転子512に機械的構造も簡素化することができる。
図5(c)は、第2実施形態における第3変形例である位相検出素子の構成を示す図である。本変形例の位相検出素子では、位相検出用の位相検出素子520aの他に、可動電極534と固定電極536とで構成されたリファレンス用静電容量カップリング素子520bを備えている。なお、位相検出用の位相検出素子520aについては、第2実施形態における第2変形例に係る位相検出素子510と同一の構成を有しているため、説明は省略する。
本変形例のファレンス用静電容量カップリング素子520bでは、可動電極534は回転子522の周囲を一周するように形成されているため、該可動電極534と固定電極536とのカップリングにより構成される静電容量は回転子522の回転により変動せず一定値となるが、例えば、回転子522の回転軸に軸ずれなどの不具合が生じた場合には、該可動電極534と固定電極536とにより構成される静電容量に変動が生じることとなる。このため、リファレンス用静電容量カップリング素子520bからの信号をモニタすることで回転子522の不具合を早期に検出することができ、また、当該リファレンス用静電容量カップリング素子520bの出力を用いて、位相検出素子520aの出力を校正することもできる。
このように、第1実施形態、第2実施形態、及び、各変形例の位相検出装置は、回転体に設けられた可動導電体と、該可動導電体の表面から間隙を設けて配置固定導電との重なり部分の面積変化により静電容量が変化する可変容量コンデンサで構成された位相検知素子で構成されているため、従来技術の位相検出装置のように磁場を検出する機構の位相検知素子に比べると、外来ノイズの影響を受けにくく、また、出力される信号がひずむことがない。また、検出したい回転子の位置に対向電極を設けるのみで、回転子の複数位置を特定することができるため、この結果、回転子の回転位置を精密に制御することができる。
なお、第1実施形態、第2実施形態、及び、各実施形態に係る各変形例では、本発明の位相検出装置を、回転子が固定子の内側にあるインナーロータ型ブラシレスモータに適用する例を示したが、これに限らず、回転子が固定子の外側にあるアウターロータ型ブラシレスモータにも、インナーロータ型ブラシレスモータと同様に適用することができる。
また、上述の各実施形態及び各変形例では、各位相検出装置をモータ1に搭載する例を示したが、このような例に限られるものではなく、例えば、位相検出素子100のみをモータ1内に配置して、位相検出素子からの信号が入力される検出信号出力回路101については、例えばモータ1の外部にモータ1と分離して配置することができる。
さらに、上述の各実施形態及び各変形例では、回転子及び固定子に可動導電体及び固定導電体を設置する例を示したが、回転子及び固定子に設置する場合に限らず、例えば回転シャフト107の側面に可動導電体104を配置し、固定導電体106を回転シャフト107の側面から一定距離離れた位置に配置するような構成としてもよい。また、回転シャフトのように磁場の影響をうけにくい部位に位相検出素子を設置するような場合には、各導電体の材料も非磁性体に限らず任意の材料を使用することができる。
以上、説明したように、本発明の位相検出装置は、前記回転体の表面に形成された可動導電体と、前記回転体の表面から所定距離を隔てて配置された固定導電体であって、前記回転体の回転速度に応じた周期で前記可動導電体と相対向する固定導電体と、前記可動導電体と前記固定導電体との間で生じる静電容量に基づいた信号を出力する信号出力回路と、を備える位相検出装置である。本発明によれば、ノイズやひずみの影響を受け易い磁気検出素子を使用せずとも位相の検出が可能となり、ノイズやひずみを除去する電気回路も不要となることから、回転体の正確な位置検出を低コストで実現できる。また、本発明の位相検出装置は、位相検出素子を構成する可動導電体及び固定導電体の導電体サイズを回転体のサイズに応じて調整して該回転体の周囲に必要な個数の位相検出素子を配置することができるため、回転体の精密制御を実現することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において改変して用いることができる。
1・・・モータ、2・・・スイッチング回路、3・・・電源、4・・・信号処理回路、10、40・・・位相検出装置、100、300、310、320、400、500a、500b、510、520a・・・位相検出素子、101,401・・・検出信号出力回路、102、302、312、322、402、502、512、522・・・回転子、104、304、314、324、404、504a、504b、514,524・・・可動導電体、106、306、316、326、406a、406b、506a、506b、516a、516b、526a、526b・・・固定導電体、108・・・固定子、107・・・回転シャフト、112・・・モータケース、109a、109b、109c・・・励磁コイル。
Claims (7)
- 回転体の位相を検出する位相検出装置であって、
前記回転体の表面に形成された可動導電体と、
前記回転体の表面から所定距離を隔てて配置された固定導電体であって、前記回転体の回転速度に応じた周期で前記可動導電体と相対向する固定導電体と、
前記可動導電体と前記固定導電体との間で生じる静電容量に基づいた信号を出力する信号出力回路と、を備える
位相検出装置。 - 前記可動導電体と前記固定導電体とは、前記回転体の回転方向の長さが異なる、
請求項1に記載の位相検出装置。 - 前記可動導電体及び前記固定導電体の一方は、前記回転体の回転軸方向の長さが回転方向の所定間隔で異なるように形成されている、
請求項1または2に記載の位相検出装置。 - 前記固定導電体を複数備え、前記固定導電体の各々は前記回転体の回転軸方向に隣接して配置されている、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の位相検出装置。 - 前記固定導電体を複数備え、前記固定導電体の各々は前記回転体の回転方向の位相が異なる位置に配置されている、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の位相検出装置。 - 前記可動導電体を複数備え、前記可動導電体の各々は前記回転体の回転方向の位相が異なる位置に配置されている、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の位相検出装置。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の前記位相検出装置を備えるモータであって、
前記モータは、
前記可動導電体が形成された回転子と、
前記固定導電体が配置された固定子と、
前記信号出力回路からの信号に基づいて前記回転子の回転位相を制御する信号処理回路と、を備える、
モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017067754A JP2018169327A (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 位相検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017067754A JP2018169327A (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 位相検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018169327A true JP2018169327A (ja) | 2018-11-01 |
Family
ID=64017879
Family Applications (1)
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JP2017067754A Pending JP2018169327A (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 位相検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018169327A (ja) |
-
2017
- 2017-03-30 JP JP2017067754A patent/JP2018169327A/ja active Pending
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