JP2018168500A - 安全ネット用網地に用いる複合糸 - Google Patents

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浩紀 室谷
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雄俊 中谷
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こゆ 田代
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Abstract

【課題】ネットにおける強力のバラツキが小さく、均一性が高い安全ネット用網地を得ることを課題とする。【解決手段】安全ネット用網地を編網するための糸であって、非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えた引き揃え糸、あるいは非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えて加撚した撚糸であり、前記マルチフィラメント糸(A)および前記マルチフィラメント糸(B)のいずれもが、実質的に撚りを有しない糸であるか、甘撚が施された糸であり、前記マルチフィラメント糸(A)および前記マルチフィラメント糸(B)のいずれもが、速度100m/分における金属摩擦係数(F/M)が、0.16以下であることを特徴とする安全ネット用網地に用いる複合糸。【選択図】 図1

Description

本発明は、安全ネットに適用する複合糸に関するものである。
安全ネットは、土木現場や建設現場等において、人体落下時の人体を保護するために、衝撃吸収性および一定基準以上の網糸強度を有することが求められている。また溶接作業等の火花が生じる作業環境下において、容易に着火、着炎しない難燃性能を具備することも求められている。
難燃性能を具備するためには、難燃性能を有する化合物を共重合したポリエステル繊維によって網地を構成させることが挙げられる。しかしながら、このような共重合したポリエステル繊維は、強度がやや劣る。これを解消する方法として、特許文献1には、難燃性ポリエステル繊維と非難燃性ポリエステル繊維との2種の繊維を用いてネット構造物を構成することを提案している。
特許第5167905号
特許文献1には、2種の繊維を用いて強力利用率が向上するネットを得ることを提案しているが、ネット構造物を得る際に、2種の繊維をどのように配するかについては記載されていない。また、2種の繊維は、一方は難燃性に優れるが強度がやや劣り、他方は難燃性を有しないが強度が優れるものであり、それぞれの繊維を用いることによって機能を補完しあうものであるが、2種の繊維は糸質が異なるため、取扱いにくく、得られるネット全体において、均一な強度を得にくいという問題がある。
本発明は、ネットにおける強力のバラツキが小さく、均一性が高く、強度が向上した安全ネット用網地を得ることを課題とする。
本発明者等は、上記課題を達成するために種々検討した。安全ネット用網地を得るにあたり、整経工程〜編網工程を経るが、これらの工程で、マルチフィラメント糸には、種々のガイドを通る際に引っ張られ、応力がかかる。強度や難燃性等の機能を同時に満足するために2種類のマルチフィラメント糸(非難燃性マルチフィラメント糸と難燃性マルチフィラメント糸)を用いると、それぞれの糸質が異なるため、ガイドを通る際にかかる応力も異なる。2種の異なるマルチフィラメント糸において、糸質を同じにすれば、付加される応力もほぼ同じとなることも考えられるが、一方の糸は、難燃性を付与しているため、非難燃性マルチフィラメント糸とは構成するポリマーが異なることから、2種のマルチフィラメント糸において、糸質と総繊度等の構造を同一のものを得ようとすることは非常に困難である。
本発明者等は、糸質や総繊度等のマルチフィラメント糸としての構造が異なる2本の糸を用いた場合でも、全体に均一な網地を得るために検討していたところ、ガイドを通る際の応力を小さく設計し、糸質等が異なる2種の糸においてガイド等通過の際の応力差が発生しないようにすれば、強力のバラツキが小さく、均一性の高い網地を得られるのではないかと考え、本発明に至った。
すなわち、本発明は、安全ネット用網地を編成するための糸であって、
非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えた引き揃え糸、あるいは非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えて加撚した撚糸であり、
非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)および難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)のいずれもが、実質的に撚りを有しない糸であるか、甘撚が施された糸であり、
非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)および難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)のいずれもが、速度100m/分における金属摩擦係数(F/M)が0.16以下であることを特徴とする安全ネット用網地に用いる複合糸を要旨とするものである。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明は、非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とによって構成される複合糸であり、マルチフィラメント糸(A)とマルチフィラメント糸(B)とが引き揃えてなる引き揃え糸、あるいはマルチフィラメント糸(A)とマルチフィラメント糸(B)とが引き揃えて加撚した撚糸であり、複合糸の形態にて安全ネット用網地の編成に用いられる。
非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)は、難燃成分を含まないポリエステル系マルチフィラメント糸であって、フィラメント糸を構成するポリエステルとしては、強度や寸法安定性を考慮して、芳香族ポリエステルを好ましく用いることができ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等が挙げられるが、ポリエチレンテレフタレートをより好ましく用いる。なお、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、上記したポリエステルに他のジカルボン酸成分、ジオール成分あるいはオキシカルボン酸成分等を共重合してもよく、あるいは上記したポリエステル同士のブレンドや、上記したポリエステルと共重合したポリエステルとをブレンドしたものであってもよい。また、ポリエステルの相対粘度としては、強伸度等の実用的な観点から、相対粘度が1.4以上であることが好ましく、1.5以上のものをより好ましく用いることができる。
難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)は、難燃成分を含むポリエステル系マルチフィラメント糸である。難燃成分としては、リン化合物、ハロゲン化合物、リンハロゲン化合物、三酸化アンチモン、有機イオウ窒素化合物等が挙げられ、これらの物質を単体で用いてもよく、また複合体で使用してもよいが、ポリエステルとの相溶性の観点から、リン化合物を用いることが好ましい。また、難燃成分を、マルチフィラメント糸を構成するポリエステル中に含有させるためには、上記した化合物をポリエステル中に共重合させるとよい。具体的には、ポリエステル樹脂の重合工程で、上記した難燃成分となる化合物を添加して共重合させるとよい。難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)を構成するポリエステルは、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするものが挙げられるが、非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と同様のポリエステルを用いることが好ましく、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とし、難燃成分である化合物が共重合してなる共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
本発明において、マルチフィラメント糸(A)および(B)は、いずれも実質的に撚りを有しない糸であるか、甘撚が施された糸である。実質的に撚りを有しないとは、積極的に撚りを施すものではなく、ボビンに巻いた状態から引き出す際に自然に付与される程度の撚りであり、甘撚は、複数本の単繊維の集合体であるマルチフィラメント糸において、容易に単繊維同士がばらけない程度に極めてゆるく撚りを施したものである。甘撚は一般的に50〜100T/Mであり、実質的に撚りを有しないものは甘撚の撚数以下(50T/M以下)である。このように実質的に無撚りもしくは甘撚りのマルチフィラメント糸を使用することにより、マルチフィラメント糸を構成する個々の繊維の繊維軸方向の軸線と、マルチフィラメント糸の糸軸方向の軸線とで構成される角度が極めて小さく、それぞれの軸方向がほぼ一致する傾向となり、そのようなマルチフィラメント糸(A)と(B)とを引き揃えた場合、それぞれのマルチフィラメント糸を構成する単繊維同士もまた軸方向が一致し、引き揃えた状態で一体化しやすく、複合糸内において引き揃え性が良好となる。また、実質的に無撚りもしくは甘撚りであることにより、マルチフィラメント糸の断面形状が、円形ではなく、楕円形状もしくは偏平状となるため、マルチフィラメント糸(A)とマルチフィラメント糸(B)とを引き揃えた際に、両者の糸同士における接触面積も大きくなり、摩擦抵抗が大きくなり、糸同士が滑りにくく、一体化しやすく、引き揃え性が良好となる。
本発明においては、非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)および難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)のいずれもが、速度100m/分における金属摩擦係数(F/M)が、0.16以下である。金属と糸との摩擦係数である金属摩擦係数を0.16以下とすることにより、非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)のごとき、糸質等が異なる2種の糸同士を引き揃えて複合糸としても、ガイド等通過の際の応力差が発生しにくくなる。応力差が発生しなければ、糸のズレ等が生じにくく、この複合糸を用いて製網した際に、得られる網地において、強力のバラツキが小さく、均一性の高い網地となる。なお、マルチフィラメント糸には、通常、平滑性を向上させるために平滑油剤を付着させるが、本発明において、平滑油剤としてオレイルオレエート系油剤を用いることが好ましい。
本発明において、金属摩擦係数(F/Mμ)は、以下の方法により求める。すなわち、とは、図1に示すような測定装置〔糸送りローラ1、動滑車2、荷重(初荷重T)3、金属ピン4、テンションメータ(T応力検出部)5、糸送りローラ6〕を用いて測定し、算出するものである。まず、糸条に初荷重T=1000g(荷重W=2000g)をかけて速度100m/分、温度20℃の雰囲気内で糸条を走行させ、糸条の金属ピン通過後の応力T(g)をテンションメータ5にて測定し、初荷重T1に対する応力T2の比として、以下に示す式で算出する。
F/Mμ=T/T
本発明において、マルチフィラメント糸(A)およびマルチフィラメント糸(B)の総繊度は、安全ネットの強度等を考慮して、800デシテックス以上であることが好ましく、取扱い性を考慮して上限は、2200デシテックス程度がよい。マルチフィラメント糸を構成するフィラメント数は、適宜設定すればよく100〜200本程度がよいが、単繊維繊度は10デシテックス未満であることが好ましく、下限は5デシテックスがよい。また、マルチフィラメント糸(A)を構成する単繊維繊度とマルチフィラメント糸(B)を構成する単繊維繊度との繊度差が3デシテックス以内であることが好ましく、より好ましくは2デシテックス以内である。それぞれのマルチフィラメント糸を構成する単繊維繊度を10デシテックス未満とし、かつそれぞれのマルチフィラメント糸を構成する単繊維繊度差を3デシテックス以内とすることにより、個々の繊維形状においても2種のマルチフィラメント間に差を設けにくくし、引き揃え性を向上させることができる。2種のマルチフィラメント間において、引き揃え性を向上させると、接触する単繊維同士における滑り等が生じにくくなり、工程通過の際に引き揃えた2種のマルチフィラメント糸が一体となってズレにくく、得られる網地全体において物性の均一性と強度を向上させることができる。
また、マルチフィラメント糸(A)および(B)の2%伸張時の単繊維強力が5〜20cN/fであり、マルチフィラメント糸(A)と(B)との2%伸張時の単繊維強力差が5cN/f以内であることが好ましく、より好ましくは3cN/f以内である。網地を得るにあたっては、種々の工程を経るが、特に、マルチフィラメント糸(A)および(B)から構成される複合糸は、整経工程や編網工程において、多数の金属ガイドを通過し、金属ガイドを通過する際に、張力が付与される。複合糸を構成するマルチフィラメント糸(A)および(B)において、張力が付与された際に、それぞれの糸を構成する単繊維においては、その張力に耐えうる応力を有するとともに、それぞれの糸を構成する単繊維同士の応力の差を小さく設定することにより、工程通過の際に引き揃えた2種のマルチフィラメント糸が一体となって走行し、複合糸全体に均一に応力が付与されるため、一部の繊維に応力が集中することなく、また複合糸における張力斑が生じにくく、良好に整経でき、かつ、均一な製編網を行えることから、得られる網地においても、物性の均一性を向上させることができる。
本発明においては、マルチフィラメント糸(A)および(B)における180℃×20分の熱収縮率が8〜15%、マルチフィラメント糸(A)と(B)との熱収縮率差が5%以下であることが好ましい。熱収縮率を15%以下とすることにより、網地を製網した後に熱セットした際の寸法安定性が良好である。また、マルチフィラメント糸(A)と(B)との熱収集差を5%以下とすることにより、複合糸内における収縮差が小さいことから、一部の繊維が緩みやループ等発生することなく、均一な表面形態を有する網地を得ることができる。なお、熱収縮率は小さいほど熱安定性が良好であるが、その下限を8%とするのは、繊維の機械的強力と熱収縮のバランスを考慮したためである。すなわち、繊維の製造する際の熱延伸工程で、熱延伸倍率が大きいほど強力は向上するが、得られた繊維は熱延伸による熱履歴を内在するため、網地を得る際の熱処理(再加熱)によって大きく収縮しやすくなる。したがって、下限は、繊維の機械的強力とのバランスを考慮して8%とする。
本発明は、上記した非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えた引き揃え糸を本発明の複合糸として用いる、あるいは非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えて加撚した撚糸を本発明の複合糸として用いて、製編網して、安全ネットを得る。編網方法については特に制限しないが、例えば、無結節網、かえる又網、ラッセル網等が挙げられ、なかでも、網地伸度が大きく、仮設現場での人体落下時の衝撃吸収性を考慮すると、網地伸度が大きいラッセル網が好ましい。
網地の製造する工程は、大きく分けて、整経工程、編網工程、熱セット工程により構成される。整経工程は、本発明の複合糸を用いて整経を行い、編網の準備段階の工程である。次いで、編網工程は、整経工程で得られた整経糸をラッセル編網機にセットして、所望の設計で編網する。次いで、熱セット工程では、編網工程で得られた網地を熱セットすることにより、寸法安定性の良好な安全ネット用網地を得る。得られた網地は、所望の大きさにカットし、また、周囲ロ−プや固定用取り付けロ−プを仕立て、安全ネットとするとよい。
本発明の複合糸は、非難燃性マルチフィラメント糸と難燃性マルチフィラメント糸とによって構成されてなり、安全ネットを編網するために適用するものであり、2種のマルチフィラメント糸は糸質や繊度が異なるものであっても、得られる安全ネットにおいては、ネット全体において強力のバラツキが小さく、均一性と強度の高い網地を提供することができる。
金属摩擦係数(F/Mμ)の測定方法についての概略説明図である。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。実施例におけるマルチフィラメント糸および網地の評価は、次の方法で行った。
(1)マルチフィラメント糸の強度および2%伸長時の単繊維強力
JIS L−1013 8.5 引張強さ及び伸び率の記載に準じて、定速伸長形引張試験機(島津製作所製オートグラフAG−I)を用い、つかみ間隔25cm、引張速度30cm/分の条件で測定した。得られた引張強さの値をマルチフィラメント糸の総繊度で除した値を強度(cN/dtex)とした。また、前記測定の際に、2%伸長時の強力を読み取り、マルチフィラメント糸を構成するフィラメント数で除した値を2%伸長時の単繊維強力とした。
(2)乾熱収縮率
JIS L 1013の8.18.2 乾熱寸法変化率 かせ寸法変化率(A法)の記載に準じて、算出式より乾熱収縮率を算出した。なお、温度180℃の乾燥機中で吊り下げ、放置時間は20分間とした。
(3)金属摩擦係数(F/Mμ)
前述した方法により、金属摩擦係数を求めた。
(4)網地強度
仮設工業会が定める「仮設基材認定基準とその解説(労働大臣が定める企画と認定基準)」における安全ネットの編糸の引張強度 試験方法の記載に準じて、ラッセル網地より1本2節の状態にサンプリングし、引張速度50cm/minの速度で引張試験を行った。サンプル数は、10点とした。なお、仮設工業会が定める認定基準では、網目の大きさが1.5cmのラッセル網地は、引張強度(平均値)が0.40kN以上と定めている。
実施例1
非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)として、ポリエチレンテレフタレート繊維によって構成され、1100dtex/120f、マルチフィラメント糸の強度6.7cN/dtex、2%伸長時の単繊維強力12.5N、乾熱収縮率14.9%、金属摩擦係数(F/Mμ)0.152のマルチフィラメント糸(A)を準備した。なお、マルチフィラメント糸(A)は、繊維製造において、常法により溶融紡糸〜冷却後、一旦巻き取り、その後の熱延伸条件(1段延伸)は、第一ローラー(非加熱)と第二ローラー(設定温度200℃)間でスチーム処理機を用いて、温度450℃で圧力0.6MPaの過熱水蒸気をマルチフィラメント糸に拭き付けながら、延伸倍率5.25倍で延伸し、その後、第三ローラー(設定温度140℃)に通して、弛緩処理およびリラックス処理(0.96倍)を施した。
また、難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)として、ポリエチレンテレフタレートにリン化合物が共重合してなる共重合ポリエステルによって構成され、1460dtex/192f、マルチフィラメント糸の強度6.4cN/dtex、2%伸長時の単繊維強力10.4N、乾熱収縮率10.6%、金属摩擦係数(F/Mμ)0.161のマルチフィラメント糸(B)を準備した。なお、マルチフィラメント糸(B)は、繊維製造において、常法により溶融紡糸〜冷却後、一旦巻き取り、その後の熱延伸条件(1段延伸)は、第一ローラー(非加熱)と第二ローラー(設定温度250℃)間でスチーム処理機を用いて、温度450℃で圧力0.6MPaの過熱水蒸気をマルチフィラメント糸に拭き付けながら、延伸倍率5.40倍で延伸し、その後、第三ローラー(設定温度180℃)に通して、弛緩処理およびリラックス処理(0.95倍)を施した。
なお、いずれのマルチフィラメント糸においてもオレイルオレエート系油剤(平滑剤)を繊維質量に対して、マルチフィラメント糸(A)は0.62質量%、マルチフィラメント糸(B)は0.49質量%付着し、実質的に無撚りとした。
これらマルチフィラメント糸(A)および(B)を引き揃えた引き揃え糸(複合糸)を用いて整経し、280dtex×46本格のラッセル網を編網後、熱処理工程(180℃×5分)を経て、15mm目合いの安全ネット用ラッセル網を得た。得られたラッセル網地の引張強度(平均値)は404Nであった。
実施例2
マルチフィラメント糸(A)および(B)として、下記の糸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして安全ネット用ラッセル網を得た。なお、いずれのマルチフィラメント糸においてもオレイルオレエート系油剤(平滑剤)を繊維質量に対して、マルチフィラメント糸(A)は0.61質量%、マルチフィラメント糸(B)は0.49質量%付着し、実質的に無撚りとした。
非難燃性マルチフィラメント糸(A):1100dtex/140f、マルチフィラメント糸の強度6.8cN/dtex、2%伸長時の単繊維強力10.7N、乾熱収縮率14.6%、金属摩擦係数(F/Mμ)0.159
なお、マルチフィラメント糸(A)は、繊維製造において、常法により溶融紡糸〜冷却後、一旦巻き取り、その後の熱延伸条件(1段延伸)は、第一ローラー(非加熱)と第二ローラー(設定温度190℃)間でスチーム処理機を用いて、温度450℃で圧力0.6MPaの過熱水蒸気をマルチフィラメント糸に拭き付けながら、延伸倍率5.25倍で延伸し、その後、第三ローラー(設定温度140℃)に通して、弛緩処理およびリラックス処理(0.97倍)を施した。
難燃性マルチフィラメント糸(B):1460dtex/192f、マルチフィラメント糸の強度6.4cN/dtex、2%伸長時の単繊維強力10.4N、乾熱収縮率10.6%、金属摩擦係数(F/Mμ)0.161
なお、マルチフィラメント糸(B)は、繊維製造において、常法により溶融紡糸〜冷却後、一旦巻き取り、その後の熱延伸条件(1段延伸)は、第一ローラー(非加熱)と第二ローラー(設定温度250℃)間でスチーム処理機を用いて、温度450℃で圧力0.6MPaの過熱水蒸気をマルチフィラメント糸に拭き付けながら、延伸倍率5.40倍で延伸し、その後、第三ローラー(設定温度180℃)に通して、弛緩処理およびリラックス処理(0.95倍)を施した。
実施例2で得られたラッセル網地の引張強度(平均値)は、402Nであった。
比較例1
マルチフィラメント糸(A)および(B)として、下記の糸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして安全ネット用ラッセル網を得た。なお、いずれのマルチフィラメント糸においてもトリカプリエート系油剤(平滑剤)を繊維質量に対して、マルチフィラメント糸(A)は0.50質量%、マルチフィラメント糸(B)は0.65質量%付着したものであり、実質的に無撚りであった。
非難燃性マルチフィラメント糸(A):1100dtex/120f、マルチフィラメント糸の強度6.7cN/dtex、2%伸長時の単繊維強力12.5N、乾熱収縮率14.5%、金属摩擦係数(F/Mμ)0.179
なお、マルチフィラメント糸(A)は、繊維製造において、常法により溶融紡糸〜冷却後、一旦巻き取り、その後の熱延伸条件(1段延伸)は、第一ローラー(非加熱)と第二ローラー(設定温度225℃)間でスチーム処理機を用いて、温度450℃で圧力0.6MPaの過熱水蒸気をマルチフィラメント糸に拭き付けながら、延伸倍率5.17倍で延伸し、その後、第三ローラー(設定温度200℃)に通して、弛緩処理およびリラックス処理(0.97倍)を施した。
難燃性マルチフィラメント糸(B):1460dtex/192f、マルチフィラメント糸の強度6.4cN/dtex、2%伸長時の単繊維強力13.6N、乾熱収縮率16.5%、金属摩擦係数(F/Mμ)0.173
なお、マルチフィラメント糸(B)は、繊維製造において、常法により溶融紡糸〜冷却後、一旦巻き取り、その後の熱延伸条件(1段延伸)は、第一ローラー(非加熱)と第二ローラー(設定温度210℃)間でスチーム処理機を用いて、温度450℃で圧力0.6MPaの過熱水蒸気をマルチフィラメント糸に拭き付けながら、延伸倍率5.41倍で延伸し、その後、第三ローラー(設定温度150℃)に通して、弛緩処理およびリラックス処理(0.94倍)を施した。
比較例1で得られたラッセル網地の引張強度(平均値)は、395Nであった。
1 糸送りローラ
2 動滑車
3 荷重(初荷重T
4 金属ピン
5 テンションメータ(T応力検出部)
6 糸送りローラ

Claims (3)

  1. 安全ネット用網地を編網するための糸であって、
    非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えた引き揃え糸、あるいは非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)と難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)とを引き揃えて加撚した撚糸であり、
    非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)および難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)のいずれもが、実質的に撚りを有しない糸であるか、甘撚が施された糸であり、
    非難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(A)および難燃性ポリエステル系マルチフィラメント糸(B)のいずれもが、速度100m/分における金属摩擦係数(F/M)が、0.16以下であることを特徴とする安全ネット用網地に用いる複合糸。
  2. マルチフィラメント糸(A)および(B)におけるマルチフィラメント糸を構成する単繊維繊度が10デシテックス未満であり、マルチフィラメント糸(A)と(B)との単繊維繊度差が3デシテックス以内、
    マルチフィラメント糸(A)および(B)の2%伸張時の単繊維強力が、5〜20cN/fであり、マルチフィラメント糸(A)と(B)との2%伸張時の単繊維強力差が5cN/f以内である請求項1記載の複合糸。
  3. マルチフィラメント糸(A)および(B)における180℃×20分の熱収縮率が8〜15%、マルチフィラメント糸(A)と(B)との熱収縮率差が5%以下であることを特徴とする請求項1記載の複合糸。
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