JP2018167749A - 蓄冷熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄冷ケースの蓄冷剤が凍結するのに時間がかかると、冷媒チューブ内を冷媒が流れない時(例えば、車両のアイドルストップ時)に車室内に冷たい空気を供給することが迅速にできないため、蓄冷ケースを早く冷やすことができる蓄冷熱交換器を提供する。【解決手段】冷媒が流れる複数の冷媒チューブ2と、空気が流れる隙間空間に配置されたアウターフィンと、冷熱を蓄積する蓄冷材が収容された複数の蓄冷ケース4とを有し、少なくとも1つの冷媒チューブ2は、蓄冷ケース4に挟まれて配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、冷媒チューブとともに蓄冷ケースを備えた蓄冷熱交換器に関する。
この種の蓄冷熱交換器としては、特許文献1に開示されたものがある。この蓄冷熱交換器は、間隔を置いて平行配置された複数の冷媒チューブと、隣り合う冷媒チューブの間の隙間に配置された複数のアウターフィンと、隣り合う冷媒チューブの間の隙間で、アウターフィンが介在されない隙間に配置された複数の蓄冷ケースとを備えている。蓄冷ケースの両側には冷媒チューブが配置され、各冷媒チューブの他方側にはアウターフィンがそれぞれ配置されている。
この蓄冷熱交換器は、冷媒チューブ内を流れる冷媒と冷媒チューブの外を流れる空気とが熱交換し、空気を冷却する。アウターフィンは、冷媒と空気との間の熱交換を促進する。蓄冷ケースは、冷媒チューブより伝達される冷媒の冷熱を蓄熱する。蓄熱された冷熱は、冷媒チューブの温度上昇時(冷媒が流れない時期)に冷媒チューブに放冷される。これにより、蓄冷熱交換器は、車両空調に使用された場合にあって、冷媒チューブ内を冷媒が流れない時(例えば、車両のアイドルストップ時)でも空気を冷やし、冷えた空気を車室内に供給できる。
しかしながら、前記従来の蓄冷熱交換器では、上記したように、蓄冷ケースの両側に冷媒チューブが配置され、各冷媒チューブの他方側にはアウターフィンが配置されているため、冷媒チューブ内を流れる冷媒は、蓄冷ケースの蓄冷剤とアウターフィン間を通過する空気との双方を冷却している。そのため、蓄冷ケースの蓄冷剤が凍結するのに時間を要する。蓄冷ケースの蓄冷剤が凍結するのに時間がかかると、冷媒チューブ内を冷媒が流れない時(例えば、車両のアイドルストップ時)に車室内に冷たい空気を供給することが迅速にできない。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、蓄冷ケースを早く冷やすことができる蓄冷熱交換器を提供することを目的とする。
本発明は、冷媒が流れる複数の冷媒チューブと、空気が流れる隙間空間に配置されたアウターフィンと、冷熱を蓄積する蓄冷材が収容された複数の蓄冷ケースとを有し、少なくとも1つの冷媒チューブは、蓄冷ケースに挟まれて配置されていることを特徴とする蓄冷熱交換器である。
本発明によれば、冷媒チューブを冷媒が流れるとき、2つの蓄冷ケースを挟んで配置された冷媒チューブは、その冷媒の冷熱が空気を冷却するために使用されず、ほぼ蓄冷ケースを冷却するためにのみ使用される。従って、蓄冷ケースを早く冷やすことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態を示す。蒸発器としての蓄冷熱交換器1は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、膨張弁等と共に冷凍サイクルを構成している。冷凍サイクルは、車両の空気調和装置に適用されている。コンプレッサは、エンジンの回転力によって駆動し、エンジンが停止すると停止する。つまり、アイドルストップ時には、コンプレッサが停止し、蓄冷熱交換器1への冷媒流れも停止する。蓄冷熱交換器1は、空調ユニット(図示せず)の送風路内に配置されている。送風路に供給された空気は、蓄冷熱交換器1等を通って車室内に吹き出される。以下、蓄冷熱交換器1の構成を説明する。
図1に示すように。蓄冷熱交換器1は、間隔を置いて平行配置された複数の冷媒チューブ2と、隣り合う冷媒チューブ2の間の隙間空間に配置された複数のアウターフィン3と、隣り合う冷媒チューブ2の間の隙間で、アウターフィン3が介在されない隙間に配置された複数の蓄冷ケース4とを備えている。蓄冷熱交換器1は、冷媒チューブ2内を冷媒が上下方向に流れる向きに設置されている(図2に示す向きに設置)。各部品同士は、互いに接触している箇所でロー付け接合されている。
冷媒チューブ2は、アルミニューム材より形成されている。冷媒チューブ2は、2枚の伝熱プレート21を重ね合わせて形成されている。冷媒チューブ2は、両端部にそれぞれ2つの連通孔22を有する。尚、一部の冷媒チューブ2は、連通孔22を有さず、端部が閉塞されたものも含まれる。冷媒流れを下記するように複数パスとするためである。
冷媒チューブ2は、両端部の2つの連通孔22間を連通する2つの冷媒通路23を内部に有する。2つの冷媒通路23は、各伝熱プレート21の外壁の窪み壁部24で仕切ることによって完全に分割されている。各冷媒通路23は、空気流れの直交方向に沿って延びている。各冷媒通路23には、伝熱部材であるインナーフィン25が配置されている。
冷媒チューブ2の積層群は、図2に示すように、空気流れの上流側(冷媒通路群)が第1熱交換部11とされ、空気流れの下流側(冷媒通路群)が第2熱交換部12とされている。第1熱交換部11の出口と第2熱交換部12の入口は、例えば連通管13(図2に示す)をよって連通されている。外部から流入した冷媒は、図2にて矢印のごとく冷媒チューブ2の積層体内をジグザグに流れ、第2熱交換部12(例えば3パス)を流れた後に第1熱交換部11(例えば3パス)を流れて外部に流出する。尚、図2で符号14は、冷媒チューブ2に連通孔22が形成されていない位置を示している。
アウターフィン3は、アルミニューム材より形成されている。アウターフィン3は、空気流れの方向から見て、波形状である。アウターフィン3が配置された隣り合う冷媒チューブ2の間を通る空気は、アウターフィン3と冷媒チューブ2によって形成された隙間を通る。
2つの蓄冷ケース4は、冷媒チューブ2(実施形態では、当該冷媒チューブ2は、図面上での明確化のために符号:2(2A)とする)を挟むようにして配置されている。換言すれば、1本の冷媒チューブ2(2A)は、蓄冷ケース4に挟まれて配置されている。冷媒チューブ2(2A)を挟むように配置された2つの蓄冷ケース4は、冷媒チューブ2の積層体の中に等間隔位置に配置されている。
蓄冷ケース4は、アルミニューム材より形成されている。蓄冷ケース4は、内部に蓄冷材(図示せず)が充填されている。蓄冷ケース4は、2枚のケースプレート41を重ね合わせて形成されている。蓄冷ケース4は、その側面のほぼ全域で冷媒チューブ2に面接触されている。双方の熱伝導効率を可能な限り高めるためである。
蓄冷ケース4は、図3に示すように、一部で連通しているが、互いにほぼ仕切られた2つの蓄冷室4a,4bを有する。一方の蓄冷室4aは、第1熱交換部11の冷媒通路23となる冷媒チューブ2の箇所に、他方の蓄冷室4bは、第2熱交換部12の冷媒通路23となる冷媒チューブ2の箇所にそれぞれ面接触している。
蓄冷ケース4に接する冷媒チューブ2は、内部を流れる冷媒が同じ方向を流れる位置に配置されている。詳細には、蓄冷ケース4は、互いに仕切された2つの蓄冷室4a,4bを有し、その各蓄冷室4a,4bに対して内部を流れる冷媒が同じ方向を流れる位置に配置されている。
このように構成された蓄冷熱交換器1は、冷媒チューブ2内を流れる冷媒と冷媒チューブ2の外を流れる空気とが熱交換し、空気を冷却する。アウターフィン3は、冷媒と空気との間の熱交換を促進する。蓄冷ケース4は、冷媒チューブ2より伝達される冷媒の冷熱を蓄熱する。蓄熱された冷熱は、冷媒チューブ2の温度上昇時(冷媒が流れない時期)に冷媒チューブ2に放熱される。これにより、蓄冷熱交換器1は、車両空調に使用された場合にあって、冷媒チューブ2内を冷媒が流れない時(例えば、車両のアイドルストップ時)でも空気を冷やし、冷えた空気を車室内に供給できる。
以上説明したように、蓄冷熱交換器1は、冷媒が流れる複数の冷媒チューブ2と、空気が流れる隙間空間に配置されたアウターフィン3と、冷熱を蓄積する蓄冷材が収容された複数の蓄冷ケース4とを有し、少なくとも1本の冷媒チューブ2(2A)は、蓄冷ケース4に挟まれて配置されている。従って、冷媒チューブ2(2A)を冷媒が流れるとき、冷媒の冷熱は冷媒チューブ2(2A)を介して2つの蓄冷ケース4に伝達され、2つの蓄冷ケース4が冷熱を蓄熱する。ここで、2つの蓄冷ケース4を挟んで配置された冷媒チューブ2(2A)は、その冷媒の冷熱が空気を冷却するために使用されず、ほぼ蓄冷ケース4を冷却するためにのみ使用される。従って、蓄冷ケース4を早く冷やすことができ、蓄冷剤の凍結にかかる時間が短い。
冷媒チューブ2(2A)に一方の面が接する蓄冷ケース4は、他方の面も冷媒チューブ2に接し、蓄冷ケース4は、2つの冷媒チューブ2,2(2A)に挟まれて配置されている。従って、蓄冷ケース4が一方の側面が冷媒チューブ2(2A)に接し、他方の側面がアウターフィン3に接している場合に較べて、蓄冷ケース4を早く冷やすことができ、蓄冷剤の凍結にかかる時間が短い。
(変形例)
前記実施形態では、蓄冷熱交換器1は、その構成部品である冷媒チューブ2が両端部の連通孔22とその間を連通する冷媒通路23とを内部に有する構造である。しかし、冷媒通路を有する冷媒チューブと、冷媒チューブとは別体で、連通路を形成するタンク部材とを有する構造の蓄冷熱交換器にも本発明は適用できる。
前記実施形態では、蓄冷熱交換器1は、その構成部品である冷媒チューブ2が両端部の連通孔22とその間を連通する冷媒通路23とを内部に有する構造である。しかし、冷媒通路を有する冷媒チューブと、冷媒チューブとは別体で、連通路を形成するタンク部材とを有する構造の蓄冷熱交換器にも本発明は適用できる。
前記実施形態では、蓄冷熱交換器1は、第1熱交換部11と第2熱交換部12から構成したが、3つ以上の熱交換部より構成したものであっても良い。又、1つの熱交換部より構成したものであっても本発明は適用できる。
1 蓄冷熱交換器
2 冷媒チューブ
3 アウターフィン
4 蓄冷ケース
4a,4b 蓄冷室
2 冷媒チューブ
3 アウターフィン
4 蓄冷ケース
4a,4b 蓄冷室
Claims (3)
- 冷媒が流れる複数の冷媒チューブと、
空気が流れる隙間空間に配置されたアウターフィンと、
冷熱を蓄積する蓄冷材が収容された複数の蓄冷ケースとを有し、
少なくとも1つの前記冷媒チューブは、前記蓄冷ケースに挟まれて配置されていることを特徴とする蓄冷熱交換器。 - 請求項1記載の蓄冷熱交換器であって、
前記冷媒チューブに一方の面が接する前記蓄冷ケースは、他方の面も前記冷媒チューブに接し、前記蓄冷ケースは、2つの冷媒チューブに挟まれて配置されていることを特徴とする蓄冷熱交換器。 - 請求項1又は請求項2記載の蓄冷熱交換器であって、
前記蓄冷ケースを挟んで配置された2つの前記冷媒チューブは、内部を流れる冷媒が同じ方向を流れることを特徴とする蓄冷熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017067776A JP2018167749A (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 蓄冷熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017067776A JP2018167749A (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 蓄冷熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018167749A true JP2018167749A (ja) | 2018-11-01 |
Family
ID=64019741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017067776A Pending JP2018167749A (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 蓄冷熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018167749A (ja) |
-
2017
- 2017-03-30 JP JP2017067776A patent/JP2018167749A/ja active Pending
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