JP2018167411A - タイヤ内面用パッチおよびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通傷等の故障箇所の補修や、故障予防のための補強を容易に行うことを可能にするタイヤ内面用パッチおよびその使用方法を提供する。
【解決手段】
エチレンと酢酸ビニルとを必須のモノマー成分として含有するエチレン‐酢酸ビニル系共重合体、或いは、炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須のモノマー成分として含有するアクリル系共重合体を含む粘着剤41中に、不織布または編布を支持材42として備え、タイヤ内面に貼付可能な平板状に成形されたタイヤ内面用パッチ40をタイヤ内面に粘着によって貼付してパンク孔Pを補修する。
【選択図】図1
【解決手段】
エチレンと酢酸ビニルとを必須のモノマー成分として含有するエチレン‐酢酸ビニル系共重合体、或いは、炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須のモノマー成分として含有するアクリル系共重合体を含む粘着剤41中に、不織布または編布を支持材42として備え、タイヤ内面に貼付可能な平板状に成形されたタイヤ内面用パッチ40をタイヤ内面に粘着によって貼付してパンク孔Pを補修する。
【選択図】図1
Description
本発明は、貫通傷等の故障箇所の補修や、故障予防のための補強を容易に行うことを可能にするタイヤ内面用パッチおよびその使用方法に関する。
近年、車両に装着されたタイヤにパンク等の故障が発生した際に、故障箇所を応急的に修理する(パンク孔を塞ぐ)ための様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1では、コンプレッサによって発生させた圧縮空気を用いてパンク修理液をパンクしたタイヤの内腔に注入することによってパンク孔に流し込んでパンク孔を塞ぐことを提案している。特許文献2では、パンク孔内に栓状のゴム材を挿入することでパンク孔を塞ぐことを提案している。特許文献3では、空気透過性の高い樹脂からなる薄膜修理材を接着剤による接着や加硫熱による溶着によってパンク孔を覆うように貼付することを提案している。
しかしながら、これらの方法では、専用の装置や工具が必要であったり、確実な補修を行うためには慣れや熟練を要したり、修理を完了するまでに長時間を要する場合があるという問題があった。そのため、簡潔かつ容易に故障箇所の補修を行うための新たな方策が求められていた。
本発明の目的は、貫通傷等の故障箇所の補修や、故障予防のための補強を容易に行うことを可能にするタイヤ内面用パッチおよびその使用方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ内面用パッチは、エチレンと酢酸ビニルとを必須のモノマー成分として含有するエチレン‐酢酸ビニル系共重合体、或いは、炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須のモノマー成分として含有するアクリル系共重合体を含む粘着剤中に、不織布または編布を支持材として備え、タイヤ内面に貼付可能な平板状に成形されていることを特徴とする。
本発明のタイヤ内面用パッチは、上述のように構成されて、基材となる粘着剤が上述の材質からなることで加硫ゴム(空気入りタイヤの内面)に対して優れた粘着性を示す。そのため、空気入りタイヤがパンクした際にパンク孔を応急的に塞ぐことや、加硫後の空気入りタイヤの内面に貼付してタイヤを補強することに好適に用いることが可能になる。このとき、基材となる粘着剤が上述の材質で構成されることで、貼付後に固化する接着剤等で接着される場合と異なり粘着後にも貼付面(粘着面)は濡れた状態が保たれて、タイヤ内面の凹凸や走行中のタイヤの変形に対して優れた追随性を示す。また、このように濡れた状態が保たれるため、パンク補修をする場合にはパンク孔に対して若干の浸入性を示すため、効果的にパンク孔を塞ぐことが可能になる。一方で、支持材が上述のように不織布または編布からなるため、タイヤ用内面パッチの平板状の形状を貼付の前後で維持しながら、上述の追随性や浸入性(部分的な流動性)を担保することができ、タイヤ内面に貼付する部材に用いるには有利なる。尚、本発明において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」(「アクリル」および「メタクリル」のうちの一方または両方)を意味する。
本発明では、不織布または編布の目付が10g/m2以下であることが好ましい。このように薄手の不織布または編布を用いることで、上述の部分的な流動性とパッチ全体としての形状の安定性とをバランスよく両立することができる。
本発明では、貼付面が離型フィルムまたは離型紙で密着保護されていることが好ましい。これにより、タイヤ内面に貼付する部材としての実用性を高めることができる。
上述のタイヤ内面用パッチを用いた空気入りタイヤの修理方法では、空気入りタイヤの損傷箇所の内表面に損傷箇所を覆うようにタイヤ内面用パッチを貼付することが好ましい。上述のようにタイヤ内面用パッチが加硫ゴム(空気入りタイヤの内面)に対して優れた粘着性を示すので、このようにタイヤ内面にタイヤ内面用パッチを貼付するだけで、損傷箇所(例えばパンク孔)を確実に補修する(パンク孔を塞ぐ)ことができる。
上述のタイヤ内面用パッチを用いた空気入りタイヤの補強方法では、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、加硫後の前記空気入りタイヤの前記トレッド部の内表面の全域に前記タイヤ内面用パッチを追加の保護層として後付けで貼付することが好ましい。このとき、タイヤ内面用パッチが長尺ロール状に巻き取られた巻回状態で供され、タイヤ内面用パッチを巻回状態から巻き出しながらトレッド部の内表面に周回的に貼付することが好ましい。上述のようにタイヤ内面用パッチが加硫ゴム(空気入りタイヤの内面)に対して優れた粘着性を示し、且つ、部分的な流動性を有しているので、このようにタイヤ内面に予めタイヤ内面用パッチを貼付することで、損傷が生じた場合には損傷箇所(例えばパンク孔)に対して粘着剤が浸入し、損傷を抑制することができる。
上述のタイヤ内面用パッチを用いた空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、トレッド部の内表面にタイヤ内面用パッチが貼付されていることが好ましい。このようなタイヤでは、上述のように損傷が生じた場合には損傷箇所(例えばパンク孔)に対して粘着剤が浸入するので損傷を抑制することができる。
このとき、タイヤ内面用パッチを介してトレッド部の内表面に多孔質材料からなる吸音材が貼付されていることが好ましい。上述のようにタイヤ内面用パッチは粘着剤を基材とするので、タイヤ内面に吸音材を取り付けるための粘着層を兼ねることができ、タイヤ内面用パッチによる上述の損傷抑制効果に加えて、タイヤ内面用パッチを介して粘着された吸音材による吸音効果を得ることができる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1,2に、本発明のタイヤ内面用パッチを使用した空気入りタイヤTの例を示す。これら図1,2において、符号CLはタイヤ赤道を表わす。この空気入りタイヤTは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とから構成される。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図示の例では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8(図示の例ではベルト層7の全幅を覆う2層のベルト補強層8)が設けられている。ベルト補強層8は例えばタイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。タイヤ内面にはインナーライナー層9が設けられている。このインナーライナー層9は空気透過防止性能を有するブチルゴムを主体とするゴム組成物や、空気透過防止性能を有する樹脂等(熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散した熱可塑性エラストマー組成物)で構成され、タイヤ内に充填された空気がタイヤ外に透過することを防いでいる。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側にはトレッドゴム層10が配され、サイドウォール部2におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはサイドゴム層20が配され、ビード部3におけるカーカス層4の外周側(タイヤ幅方向外側)にはリムクッションゴム層30が配されている。トレッドゴム層10は、物性の異なる2種類のゴム層(キャップトレッドゴム層、アンダートレッドゴム層)をタイヤ径方向に積層した構造であってもよい。
更に、図1,2の例では、上述の基本構造を備えた空気入りタイヤTに対して、本発明のタイヤ内面用パッチ40が使用されている。具体的には、図1の例では、トレッド部1に形成されたパンク孔Pがタイヤ内面においてこのパンク孔Pを覆うように貼付されたタイヤ内面用パッチ40によって補修されている。図2の例では、タイヤ内面用パッチ40がパンク等の故障を予防するための層としてタイヤ内面(インナーライナー層9の内周側)に設けられている。タイヤ内面用パッチ40は、パンク等の故障箇所の補修や、パンク等の故障を抑制するために用いられるので、必要に応じて任意で設けられるものである。
本発明は、主として、このタイヤ内面用パッチ40に関するので、タイヤ内面用パッチ40を除いた空気入りタイヤTの基本的な構造は上述の構造に限定されるものではない。また、タイヤ内面用パッチ40は後述のようにパンクした空気入りタイヤTや加硫成形された空気入りタイヤTに後付けで施工(貼付)されるので、タイヤ内面用パッチ40を除いた空気入りタイヤTの製造方法は特に限定されず、従来の一般的な方法で製造することができる。
本発明のタイヤ内面用パッチ40は、図3に示すように、基材(マトリクス)となる粘着剤41中に支持材42が埋設された平板状の複合材で構成される。尚、図3では、後述の離型フィルム43または離型紙44上にタイヤ内面用パッチ40が形成されている。
粘着剤41としては、貼付対象である加硫ゴム(特に、空気入りタイヤTの内面)に対して優れた粘着性を示すものを用いる。即ち、後述のエチレン‐酢酸ビニル系共重合体を含むもの、或いは、後述のアクリル系共重合体を含むものが使用される。
エチレン‐酢酸ビニル系共重合体を含む粘着剤は、例えば、エチレン‐酢酸ビニル系共重合体が乳化したエマルジョンで構成される。エチレン‐酢酸ビニル系共重合体とは、エチレンと酢酸ビニルとを必須のモノマー成分として含有する共重合体であり、例えば、エチレン‐酢酸ビニル‐バーサチック酸ビニル共重合体、エチレン‐酢酸ビニル系共重合体、エチレン‐酢酸ビニル‐デカン酸ビニル共重合体、エチレン‐酢酸ビニル‐ビニルアルコール共重合体、エチレン‐酢酸ビニル‐カルボン酸ビニル共重合体、エチレン‐酢酸ビニル‐(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩素化エチレン‐酢酸ビニル系共重合体、等を用いることができる。なかでも、エチレン‐酢酸ビニル‐バーサチック酸ビニル共重合体が加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対する粘着性や、タイヤ内面の凹凸や変形等に対する追随性の観点から好ましい。尚、エチレン‐酢酸ビニル系共重合体が上述のいずれかであれば、その物性については特に限定されないが、空気入りタイヤTの使用条件(温度)において粘着剤としての機能を充分に維持できるように、ガラス転移温度が好ましくは0℃以下、より好ましくは−40℃〜−20℃であるとよい。上述の各種化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着剤がエチレン‐酢酸ビニル系共重合体を含む場合、本発明の目的に反しない限り(加硫ゴムに対する粘着性を阻害しない限り)、上述の必須のモノマー成分の他に、更に、可塑剤として、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジイソノニル、コハク酸ジエチルなどの脂肪族2塩基酸エステル類、エチレングリコールアセテートのようなグリコールエステル酸、リン酸トリブチルなどのリン酸エステル類などを用いてもよい。このような可塑剤を用いる場合、これら可塑剤をポリマー成分(上述の酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合体)に対して10重量%〜50重量%添加することが好ましい。
アクリル系共重合体を含む粘着剤は、アクリル系共重合体を有機溶剤中に混合して構成される。或いは、アクリル系共重合体が乳化したエマルジョンで構成されたものを用いてもよい。有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、メチルエチルケトン;メチルイソブチルケトン等のケトン類、イソプロピルアルコールなどのアルコール類などの有機溶剤を用いることができる。アクリル系共重合体とは、炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須のモノマー成分として含有する共重合体である。
炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルを用いることができる。なかでも、加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対する粘着性の観点から、アクリル酸ブチルが好ましく、アクリル酸n−ブチルがより好ましい。上述の各種化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸イソウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシルを用いることができる。なかでも、空気入りタイヤTの内面の凹凸や変形等に対する追随性の観点から、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。上述の各種化合物は単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、上述の各種化合物からそれぞれ任意に選択して組み合わせることができるが、特に、前者としてアクリル酸ブチルを選択し、後者としてアクリル酸2−エチルヘキシルを選択することが、加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対する粘着性や、タイヤ内面の凹凸や変形等に対する追随性の観点から好ましい。
このとき、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対する粘着性や、タイヤ内面に対する追随性の観点から、モノマー成分全量(100重量%)に対して例えば50重量%〜90重量%にするとよい。また、粘着剤がアクリル系共重合体を含む場合、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分中の炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対する粘着性や、タイヤ内面に対する追随性の観点から、モノマー成分全量(100重量%)に対して例えば10重量%〜50重量%にするとよい。
粘着剤がアクリル系共重合体を含む場合、本発明の目的に反しない限り(加硫ゴムに対する粘着性を阻害しない限り)、上述の必須のモノマー成分の他に、アクリル系共重合体を構成するモノマー成分として、分子内に極性基を有する極性基含有モノマー(例えば、エチレン性不飽和モノマー)や、多官能モノマーや、その他のモノマーを含んでいてもよい。
支持材42は、上述の粘着剤41のみで構成されると充分に安定しないパッチの平板状の形状を安定させるものであり、図3に示すように、タイヤ内面用パッチ40の面方向に沿って埋設される。支持材42は、不織布または編布で構成される。尚、本発明では、所謂「和紙」についても、天然の繊維(麻、楮、三椏などの靭皮繊維)を織らずに絡み合わせてシート状に成形したものであるので「不織布」と見做す。支持材42を構成する不織布または編布は非常に薄く且つ軽量であるとよく、目付が好ましくは10g/m2以下であるとよい。このように薄く軽量な不織布または編布は、タイヤ内面用パッチ40中に埋設されていても粘着剤41のタイヤ内面に対する追随性やシート40が貼付されたタイヤの性能に対して影響を及ぼさず、タイヤ内面用パッチ40の形態安定性を効果的に高めることができる。支持材45を構成する不織布または編布の目付が10g/m2を超えると空気入りタイヤTの内面に対する追随性を充分に得ることが難しくなる。
このように粘着剤41と支持材42とで構成されたタイヤ内面用パッチ40は、基材となる粘着剤41が上述の材質からなることで加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対して優れた粘着性を示す。そのため、図1に示すように空気入りタイヤTがパンクした際にパンク孔Pを応急的に塞ぐことや、図2に示すように加硫後の空気入りタイヤTの内面に貼付してパンク等の故障を予防することに好適に用いることが可能になる。また、基材となる粘着剤41が上述の材質で構成されることで、貼付後に固化する接着剤等で接着される場合と異なり粘着後にも貼付面(粘着面)は濡れた状態が保たれて、タイヤ内面の凹凸や走行中のタイヤの変形に対して優れた追随性を示す。更に、このように濡れた状態が保たれるため、パンクの補修をする場合には、粘着剤41がパンク孔Pに対して若干の浸入性を示すため、効果的にパンク孔Pを塞ぐことが可能になる。同様に、予めタイヤ内面用パッチ40がタイヤ内面に貼付されている場合も、パンク等の故障が生じた際にその故障(例えばパンク孔P)に濡れた状態を保った粘着剤41が浸入性を示し、故障の抑制が可能となる。一方で、支持材42が上述のように不織布または編布からなるため、上述の追随性や浸入性(部分的な流動性)を損なうことなく、タイヤ用内面パッチ40の平板状の形状を貼付の前後で維持して作業性を良好に保つことができ、タイヤ内面に貼付する部材に用いるには有利になる。
本発明のタイヤ内面用パッチ40は、パンク等の故障を確実に補修・予防するために、充分な厚さを有することが好ましい。そのため、パッチ厚さを例えば1.0mm〜5.0mmにするとよい。パッチ厚さが1.0mmよりも小さいと、タイヤ内面用パッチ40が薄過ぎるため、パンク等の故障を確実に補修・予防することが難しくなる。パッチ厚さが5.0mmよりも大きいと、タイヤ内面用パッチ40が厚過ぎるため、タイヤ内面の形状(湾曲や凹凸)やタイヤの変形に対する追随性が低下する。また、特に故障予防のためにタイヤ内面に予め貼付する場合に、タイヤ内面用パッチ40自体が構造物としてタイヤ性能に影響を及ぼす虞がある。
タイヤ内面用パッチ40は、少なくとも一方の面(貼付面)が粘着性を有していれば、空気入りタイヤTの内面に対して貼付することが可能になる。実用性を考慮すると、粘着性を有した貼付面に他物体を誤って粘着することや、未使用時に粘着剤成分が劣化することを避けるために、図3にしめすように貼付面が離型フィルム43または離型紙44で密着保護されていることが好ましい。このように離型フィルム43や離型紙44を用いると、前述の粘着剤41を離型フィルム43または離型紙44上に塗布し、その上から支持材42(不織布や織布)を配置することで粘着剤41中に支持材42を埋設した状態にし、オーブン等で水分または溶剤を乾燥させることで、貼付面(粘着面)が離型フィルム43または離型紙44で保護された状態のタイヤ内面用パッチ40を製造することが可能になる。
また、上記のように少なくとも一方の面(貼付面)が粘着性を有していればよいので、タイヤ内面用パッチ40の貼付面以外の面については非粘着処理を施してもよい。この場合、タイヤ内面用パッチ40の貼付方向は限定されるが、貼付作業時にタイヤ内面用パッチ40の誤粘着が生じることや貼付面以外に他物体が粘着する不具合を回避することが可能になる。非粘着処理としては、例えば、沈降性炭酸カルシウム粉末、タルク、雲母粉、クレー、等の無機粉体を打粉することが例示できる。無機粉体がタイヤ内面用パッチ40の表面(表面に露出した粘着剤41)を覆うことで当該表面は粘着性を失い、また、個々の無機粉体はタイヤ内面用パッチ40の表面上において独立しているのでタイヤ内面用パッチ40のタイヤ内面に対する追随性は阻害しない。上記のように離型フィルム43または離型紙44上でタイヤ内面用パッチ40を製造する場合、乾燥後に離型フィルム43や離型紙44と反対側の露出面に上記無機粉体を打粉することで当該露出面に非粘着化処理を施すことができる。
本発明のタイヤ内面用パッチ40は、空気入りタイヤTの内面に貼付することを意図したものであり、上述のように空気入りタイヤTの内面に貼付可能な平板状に成形されている。このタイヤ内面用パッチ40を提供するにあたって、図4に例示するように、長尺ロール状に巻き取った巻回状態にしてもよい。この仕様では、未使用時に保管し易く、使用時には巻回状態のタイヤ内面用パッチ40を巻き出しながら貼付するため作業性に優れるという利点がある。勿論、タイヤ内面用パッチ40は、平板状(シート状)のまま提供してもよい。
本発明のタイヤ内面用パッチ40を用いて空気入りタイヤTを修理する場合、パンク等の損傷が生じた空気入りタイヤTをホイールから取り外し、必要に応じて損傷箇所(パンク孔P)に対応するタイヤ内表面を洗浄し、貼付面(粘着面)が離型フィルム43または離型紙44で保護されている場合は離型フィルム43または離型紙44を剥離し、図1に示すように損傷箇所(パンク孔P)に対応するタイヤ内表面に損傷箇所(パンク孔P)を覆うようにタイヤ内面用パッチ40を貼付するとよい。このとき、タイヤ内面用パッチ40をパンク孔Pの大きさに対応する大きさであれば、タイヤ内面用パッチ40はそのまま貼付することができる。また、タイヤ内面用パッチ40が損傷箇所(パンク孔P)に対して著しく大きい場合は損傷箇所(パンク孔P)の大きさに対応する大きさに切り取ったうえで貼付してもよい。或いは、タイヤ内面用パッチ40が長尺ロール状に巻き取られている場合は、必要分を巻き出して貼付することもできる。この使用方法では、上述のようにタイヤ内面用パッチ40が加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対して優れた粘着性を示すので、タイヤ内面にタイヤ内面用パッチ40を貼付するだけの簡単な作業で、損傷箇所(例えばパンク孔P)を確実に補修する(パンク孔Pを塞ぐ)ことができる。
本発明のタイヤ内面用パッチ40を用いて空気入りタイヤTを補強する場合、例えば上述の構造を有する空気入りタイヤTを加硫した後、加硫後の空気入りタイヤTのトレッド部1の内表面の全域にタイヤ内面用パッチ40を追加の保護層として後付けで貼付するとよい。このとき、タイヤ内面用パッチ40がトレッド部1の内表面の幅に対応する幅と、タイヤ内周長に対応する長さを有していれば、そのタイヤ内面用パッチ40を適宜貼付すればよい。また、図4に示すように、タイヤ内面用パッチ40が長尺ロール状に巻き取られた巻回状態で供される場合は、特に、タイヤ内面用パッチ40がトレッド部1の内表面よりも幅の狭い帯状である場合、タイヤ内面用パッチ40を巻回状態から巻き出しながらトレッド部の内表面に周回的に貼付するとよい。尚、この場合も、貼付面(粘着面)が離型フィルム43または離型紙44で保護されている場合は、離型フィルム43または離型紙44を剥離したうえでタイヤ内面用パッチ40を貼付する。
上記のようにタイヤ内面用パッチ40を補修または補強のいずれに用いる場合であっても、タイヤ内面用パッチ40は上述のように加硫ゴム(空気入りタイヤTの内面)に対して優れた粘着性を示し、且つ、部分的な流動性を有しているので、損傷箇所(パンク孔P)を覆うように貼付すれば粘着剤41の一部が損傷箇所(パンク孔P)に侵入して効果的な補修ができ、予めタイヤ内面に設けておけば損傷が生じた場合に損傷箇所(パンク孔P)に対して粘着剤が浸入するので損傷を抑制することができる。この方法では、タイヤ内面用パッチ40を貼付するだけの簡単な操作で補修または補強を行うことができ、専用の装置や工具は不要であり、慣れや熟練も要さず、加硫接着のように長時間を要さない。
本発明のタイヤ内面用パッチ40は、上述の非粘着処理を施さない場合、基本的に両面が粘着性を有する。そのため、図5に示すように、空気入りタイヤTの内部に吸音材50等の他物体を貼り付ける粘着層として兼用することもできる。図5の例では、上述の基本構造を有する空気入りタイヤTの内面(トレッド部1におけるインナーライナー層9の内周側)にタイヤ内面用パッチ40が設けられ、更にその内面に多孔質材料からなる吸音材50が設けられている。言い換えれば、トレッド部1におけるインナーライナー層9の内周側にタイヤ内面用パッチ40を介して吸音材50が設置されている。このようにタイヤ内面用パッチ40を、吸音材50等の他物体をタイヤ内面に取り付けるための粘着層として兼用した場合、タイヤ内面用パッチ40の優れた粘着性によって吸音材50等の他物体を確実に取り付けることができ、設置した他物体による効果(吸音材50の場合は吸音効果)を良好に発揮することが可能になる。尚、非粘着処理を施さずに両面に粘着性を有するタイヤ内面用パッチ40を製造して、これを用いて他物体(吸音材50)を後付けする他に、タイヤ内面用パッチ40自体を予め他物体(吸音材50)が片面に粘着された積層体として製造して、この積層構造のタイヤ内面用パッチ40を貼付するようにしてもよい。
タイヤサイズが195/65R15であり、図1に示す基本構造を有する既存の空気入りタイヤのトレッド部に直径2.0mmの釘を外から貫通させたのちに抜去して孔(パンク孔)を形成し、このパンク孔に対する補修を行うにあたって、タイヤ内面用パッチを表1のように異ならせて、実施例1〜3および比較例1〜2とした。また、タイヤサイズが195/65R15であり、図1に示す基本構造を有する既存の空気入りタイヤのトレッド部の内面にタイヤ内面用パッチを用いて保護層を形成するにあたって、タイヤ内面用パッチの種類を表2のように異ならせた、実施例4〜6および比較例3〜4の空気入りタイヤを製造した。
各例(パッチ1〜5)の詳細は以下の通りである。尚、表1,2には、各パッチにおける粘着剤の種類、支持材(不織布)の有無、パッチ厚さを参考のために併記している。
実施例1,4(パッチ1)
バーサチック酸共重合エチレン酢酸ビニルエマルジョン(住友化学社製スミカフレックス950HQ)を固形成分として50重量部配合して粘着剤とした。この粘着剤を離型紙上にバーコーターで塗布し、その上から支持材として目付2g/m2の不織布(ひだか和紙社製)を配置し、オーブンにて水分を乾燥させた。次いで、離型紙と反対側の露出面に沈降性炭酸カルシウム粉末(白石工業社製白艶華A)を打粉して、当該露出面に非粘着化処理を施し、厚さ1.8mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ1)を得た。
バーサチック酸共重合エチレン酢酸ビニルエマルジョン(住友化学社製スミカフレックス950HQ)を固形成分として50重量部配合して粘着剤とした。この粘着剤を離型紙上にバーコーターで塗布し、その上から支持材として目付2g/m2の不織布(ひだか和紙社製)を配置し、オーブンにて水分を乾燥させた。次いで、離型紙と反対側の露出面に沈降性炭酸カルシウム粉末(白石工業社製白艶華A)を打粉して、当該露出面に非粘着化処理を施し、厚さ1.8mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ1)を得た。
実施例2,5(パッチ2)
トルエンを溶剤として、アクリル酸n‐ブチル(BA)を70重量部、アクリル酸2‐エチルヘキシル(2EHA)を30重量部、アクリル酸(AA)を5重量部、開始剤として2,2‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.1重量部配合して、窒素気流中で3時間重合を行い、固形分濃度が40重量%のアクリル系共重合体からなる溶液を得た。この溶液に、溶液中のアクリル系共重合体100重量部に対して2重量部(固形分換算)のイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)を配合して粘着剤とした。この粘着剤を離型紙上にバーコーターで塗布し、その上から支持材として目付2g/m2の不織布(ひだか和紙社製)を配置し、オーブンにて溶剤を乾燥させた。次いで、離型紙と反対側の露出面に沈降性炭酸カルシウム粉末(白石工業社製白艶華A)を打粉して、当該露出面に非粘着化処理を施し、厚さ1.8mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ2)を得た。
トルエンを溶剤として、アクリル酸n‐ブチル(BA)を70重量部、アクリル酸2‐エチルヘキシル(2EHA)を30重量部、アクリル酸(AA)を5重量部、開始剤として2,2‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.1重量部配合して、窒素気流中で3時間重合を行い、固形分濃度が40重量%のアクリル系共重合体からなる溶液を得た。この溶液に、溶液中のアクリル系共重合体100重量部に対して2重量部(固形分換算)のイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製コロネートL)を配合して粘着剤とした。この粘着剤を離型紙上にバーコーターで塗布し、その上から支持材として目付2g/m2の不織布(ひだか和紙社製)を配置し、オーブンにて溶剤を乾燥させた。次いで、離型紙と反対側の露出面に沈降性炭酸カルシウム粉末(白石工業社製白艶華A)を打粉して、当該露出面に非粘着化処理を施し、厚さ1.8mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ2)を得た。
実施例3,6(パッチ3)
上記パッチ1において、支持材を目付10g/m2の不織布(サンオーク社製)に置換して、厚さ3.0mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ3)を作成した。
上記パッチ1において、支持材を目付10g/m2の不織布(サンオーク社製)に置換して、厚さ3.0mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ3)を作成した。
比較例1,3(パッチ4)
支持材(不織布)を用いない(埋設しない)こと以外は上記実施例1と同様にして、支持材(不織布)を含まない厚さ3.0mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ4)を作成した。
支持材(不織布)を用いない(埋設しない)こと以外は上記実施例1と同様にして、支持材(不織布)を含まない厚さ3.0mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ4)を作成した。
比較例2,4(パッチ5)
酢酸ビニルエマルジョン(高圧ガス工業社製ペガール150)を固形成分として50重量部配合して粘着剤とした。この粘着剤を離型紙上にバーコーターで塗布し、その上から目付2g/m2の薄手の不織布(ひだか和紙社製)を配置し、オーブンにて水分を乾燥させた。次いで、離型紙と反対側の露出面に沈降性炭酸カルシウム粉末(白石工業社製白艶華A)を打粉して、当該露出面に非粘着化処理を施し、厚さ1.8mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ5)を得た。
酢酸ビニルエマルジョン(高圧ガス工業社製ペガール150)を固形成分として50重量部配合して粘着剤とした。この粘着剤を離型紙上にバーコーターで塗布し、その上から目付2g/m2の薄手の不織布(ひだか和紙社製)を配置し、オーブンにて水分を乾燥させた。次いで、離型紙と反対側の露出面に沈降性炭酸カルシウム粉末(白石工業社製白艶華A)を打粉して、当該露出面に非粘着化処理を施し、厚さ1.8mmのタイヤ内面用パッチ(パッチ5)を得た。
これら実施例1〜6,比較例1〜4について、作業性、密着性を以下の方法により評価し、表1,2に併せて示した。
作業性
各例について、パンク孔の補修またはパッチの施工に要する時間(タイヤ内面用パッチを離型紙から剥がしてからパッチの貼付が完了するまでの所要時間)を測定した。評価結果は4段階で示し、所要時間が5分以内の場合を「〇」、所要時間が5分超の場合を「×」で示した。所要時間が短いほど作業性に優れることを意味する。
各例について、パンク孔の補修またはパッチの施工に要する時間(タイヤ内面用パッチを離型紙から剥がしてからパッチの貼付が完了するまでの所要時間)を測定した。評価結果は4段階で示し、所要時間が5分以内の場合を「〇」、所要時間が5分超の場合を「×」で示した。所要時間が短いほど作業性に優れることを意味する。
密着性
各例の空気入りタイヤ(実施例1〜3および比較例1〜2についてはパンク補修を完了したタイヤ)について、リムサイズ6JJのホイールに組み付けて、半径854mmのドラムを備えた転がり抵抗試験機に装着し、初期温度5℃、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度80km/hの条件にて30分間の走行試験を実施し、走行後のタイヤ内面用パッチの密着状態について目視で評価した。評価結果は2段階で示し、剥離が一切生じていない場合を「〇」、少なくとも一部に剥離が生じた場合を「×」で示した。
各例の空気入りタイヤ(実施例1〜3および比較例1〜2についてはパンク補修を完了したタイヤ)について、リムサイズ6JJのホイールに組み付けて、半径854mmのドラムを備えた転がり抵抗試験機に装着し、初期温度5℃、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度80km/hの条件にて30分間の走行試験を実施し、走行後のタイヤ内面用パッチの密着状態について目視で評価した。評価結果は2段階で示し、剥離が一切生じていない場合を「〇」、少なくとも一部に剥離が生じた場合を「×」で示した。
表1から明らかなように、実施例1〜3では、容易かつ確実にパンクを補修することができた。同様に、実施例4〜6では、容易かつ確実にタイヤ内面に保護層を設けることができた。
一方、比較例1,3では、タイヤ内面用パッチが支持材を備えず、非常に柔軟であるため、離型紙を剥がしてからサイドウォール部に貼付するまでにパッチを慎重に取り扱う必要があり、実施例1〜6に比べて所要時間が増加した。また、タイヤ走行後にタイヤの温度上昇に伴い粘着剤の貼付面上での移動が生じることでタイヤのバランスが低下し、乗心地等のタイヤ性能に影響がみられた。比較例2,4では、タイヤ内面用パッチを構成する粘着剤の種類が異なり、パッチの粘着性が弱いため、走行試験後に剥がれが生じた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
9 インナーライナー層
10 トレッドゴム層
20 サイドゴム層
30 リムクッションゴム層
40 タイヤ内面用パッチ
41 粘着剤
42 支持材
43 離型フィルム
44 離型紙
50 吸音材
T 空気入りタイヤ(タイヤ)
CL タイヤ赤道
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
9 インナーライナー層
10 トレッドゴム層
20 サイドゴム層
30 リムクッションゴム層
40 タイヤ内面用パッチ
41 粘着剤
42 支持材
43 離型フィルム
44 離型紙
50 吸音材
T 空気入りタイヤ(タイヤ)
CL タイヤ赤道
Claims (8)
- エチレンと酢酸ビニルとを必須のモノマー成分として含有するエチレン‐酢酸ビニル系共重合体、或いは、炭素数が1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと炭素数が6〜14の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須のモノマー成分として含有するアクリル系共重合体を含む粘着剤中に、不織布または編布を支持材として備え、タイヤ内面に貼付可能な平板状に成形されていることを特徴とするタイヤ内面用パッチ。
- 前記不織布または編布の目付が10g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ修理用パッチ。
- 貼付面が離型フィルムまたは離型紙で密着保護されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ内面用パッチ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ内面用パッチを用いた空気入りタイヤの修理方法であって、空気入りタイヤの損傷箇所の内表面に損傷箇所を覆うように前記タイヤ内面用パッチを貼付することを特徴とする空気入りタイヤの修理方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ内面用パッチを用いた空気入りタイヤの補強方法であって、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤを加硫した後、加硫後の前記空気入りタイヤの前記トレッド部の内表面の全域に前記タイヤ内面用パッチを追加の保護層として後付けで貼付することを特徴とする空気入りタイヤの補強方法。
- 前記タイヤ内面用パッチが長尺ロール状に巻き取られた巻回状態で供され、該タイヤ内面用パッチを巻回状態から巻き出しながら前記トレッド部の内表面に周回的に貼付することを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤの補強方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ内面用パッチを用いた空気入りタイヤであって、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記トレッド部の内表面に前記タイヤ内面用パッチが貼付されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ内面用パッチを介して前記トレッド部の内表面に多孔質材料からなる吸音材が貼付されたことを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017064600A JP2018167411A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | タイヤ内面用パッチおよびその使用方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018167411A true JP2018167411A (ja) | 2018-11-01 |
Family
ID=64017625
Family Applications (1)
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JP2017064600A Pending JP2018167411A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | タイヤ内面用パッチおよびその使用方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018167411A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021046129A (ja) * | 2019-09-19 | 2021-03-25 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
-
2017
- 2017-03-29 JP JP2017064600A patent/JP2018167411A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2021046129A (ja) * | 2019-09-19 | 2021-03-25 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP7348009B2 (ja) | 2019-09-19 | 2023-09-20 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
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