JP2018167384A - エンドミル - Google Patents

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Norikazu Suzuki
教和 鈴木
真靖 細川
Masayasu HOSOKAWA
真靖 細川
光太郎 坂口
Kotaro Sakaguchi
光太郎 坂口
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Abstract

【課題】びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で得ることができ、様々な切削条件において加工精度を向上できること。【解決手段】複数の外周刃1、2には、所定のねじれ角αを有する2つ以上の第1の外周刃1と、ねじれ角αとは異なる所定のねじれ角βを有し第1の外周刃1の数と同数の2つ以上の第2の外周刃2と、が含まれ、第1の外周刃1と第2の外周刃2とは周方向に交互に配置され、外周刃1、2の刃長領域のうち所定位置におけるエンドミル横断面視において、第1の外周刃1と工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が少なくとも2つ以上であり、第2の外周刃2と工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が少なくとも2つ以上である。【選択図】図4

Description

本発明は、びびり振動を効果的に抑制できるエンドミルに関する。
従来、例えば下記特許文献1に示されるようなエンドミルが知られている。
エンドミルは、軸状をなすエンドミル本体と、エンドミル本体の外周に形成され、エンドミル本体の軸線方向の先端から基端側へ向かうに従い軸線回りの周方向に向けて延びる切屑排出溝と、切屑排出溝における工具回転方向を向く壁面とエンドミル本体の外周面との交差稜線に形成された外周刃と、切屑排出溝における工具回転方向を向く壁面とエンドミル本体の先端面との交差稜線に形成された底刃と、を備えている。
特許文献1のエンドミルは、複数の外周刃のねじれ角が2種類設けられており、いわゆる不等リードのエンドミルとされている。このような不等リードのエンドミルは、切削加工時に生じる自励振動を抑えてびびり振動を抑制する効果が得られる。
特開2009−220188号公報
しかしながら、従来のエンドミルでは、外周刃で被削材を切削する際のびびり振動をより抑制できるようにする点に改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で得ることができ、様々な切削条件において加工精度を向上できるエンドミルを提供することを目的としている。
本発明の一態様は、軸状をなすエンドミル本体と、前記エンドミル本体の外周に形成され、前記エンドミル本体の軸線方向の先端から基端側へ向かうに従い前記軸線回りの周方向に向けて延びる外周刃と、を備えたエンドミルであって、前記外周刃は、前記周方向に互いに間隔をあけて複数形成され、複数の前記外周刃には、所定のねじれ角αを有する2つ以上の第1の外周刃と、前記ねじれ角αとは異なる所定のねじれ角βを有し、前記第1の外周刃の数と同数の2つ以上の第2の外周刃と、が含まれ、前記第1の外周刃と、前記第2の外周刃とは、前記周方向に交互に配置され、前記外周刃の刃長領域のうち所定位置における前記軸線に垂直なエンドミル横断面視において、前記周方向に隣り合う一対の前記外周刃と、前記軸線と、を繋ぐ一対の仮想直線間に形成される中心角をピッチ角θnとして、前記第1の外周刃と該第1の外周刃の前記周方向のうち工具回転方向に隣り合う前記第2の外周刃との間に形成される前記ピッチ角θnと、前記第1の外周刃のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、少なくとも2つ以上であり、前記第2の外周刃と該第2の外周刃の前記工具回転方向に隣り合う前記第1の外周刃との間に形成される前記ピッチ角θnと、前記第2の外周刃のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、少なくとも2つ以上であることを特徴とする。
本発明のエンドミルは、エンドミル本体の外周に、周方向に互いに間隔をあけて交互に配列する第1の外周刃と第2の外周刃とを、各2つ以上備えている。また、第1の外周刃と第2の外周刃とは互いに同数であり、外周刃の総数は、例えば4枚刃、6枚刃、8枚刃、…等である。第1の外周刃と第2の外周刃とは、互いにねじれ角の大きさが異なり、第1の外周刃は所定のねじれ角αを有し、第2の外周刃は所定のねじれ角βを有する(α≠β)。つまり、本発明のエンドミルは、外周刃のねじれ角がすべて同一とされた等リードのエンドミルではなく、複数種類のねじれ角α、βを有する不等リードのエンドミルである。
そして、本発明の発明者は、エンドミルについて鋭意研究を重ねた結果、切削加工時においてびびり振動を発生させる周波数を効果的に抑制するには、複数の外周刃同士で再生振動の位相差をずらすことが好ましく、これにより共振周波数付近で生じる自励振動の発生を抑制することができ、その結果びびり振動を抑えることができる、という知見を得るに至った。
上述の知見に基づき、本発明は、外周刃の刃長領域のうち所定位置におけるエンドミル本体の横断面視において、エンドミル本体の軸線回りに並ぶ複数のピッチ角(分割角)をθnとしたときに、第1の外周刃と該第1の外周刃の工具回転方向に隣り合う第2の外周刃との間に形成されるピッチ角θn(つまり第1の外周刃の工具回転方向に隣接するピッチ角θn)と、第1の外周刃のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が少なくとも2つ以上であり、第2の外周刃と該第2の外周刃の工具回転方向に隣り合う第1の外周刃との間に形成されるピッチ角θn(つまり第2の外周刃の工具回転方向に隣接するピッチ角θn)と、第2の外周刃のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が少なくとも2つ以上である、という特別な構成を用いた。
具体的には、複数の第1の外周刃のねじれ角αと組み合わされる各ピッチ角θnが、例えばθ、θ、…と2種類以上であり、複数の第2の外周刃のねじれ角βと組み合わされる各ピッチ角θnが、例えばθ、θ、…と2種類以上である。
このように本発明では、角度の組合せ(θn、α)の種類が2つ以上であり、かつ角度の組合せ(θn、β)の種類が2つ以上であるので、例えば外周刃の総数が4枚の場合には、角度の組合せが計4つできる。各角度の組合せは、互いに異なる周波数帯域のびびり振動抑制効果を発揮することから、本発明によれば、びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で得ることができ、様々な切削条件において加工精度を向上することができる。
詳しくは、例えば上記特許文献1(特開2009−220188号公報)の図1〜図4に記載の4枚刃エンドミルの場合、エンドミル横断面視において、ねじれ角θAとされた2つの外周刃6の工具回転方向Tに隣接する各ピッチ角同士が互いに同一であり、また、ねじれ角θBとされた2つの外周刃6の工具回転方向Tに隣接する各ピッチ角同士が互いに同一であるため、ねじれ角とピッチ角との角度の組合せの種類は2つのみである。
これに対して、本発明を適用した4枚刃エンドミルの場合、角度の組合せの種類が4つ確保されているため、その分、びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で発揮することができる。解析結果によれば、本発明のエンドミルによるびびり振動の抑制効果は、従来の不等リード・不等ピッチのエンドミルに比べて数倍に及ぶ格別顕著なものであった。
さらには、びびり振動の周波数を事前に知ることができず、従来であれば、びびり振動を発生させる所定の周波数帯域の範囲内において任意の周波数でびびり振動が生じ得る状況であっても、本発明のエンドミルによれば、前記所定の周波数帯域の全域にわたってびびり振動を抑制することが可能である。
また、上記エンドミルにおいて、前記外周刃の総数がN枚である場合に、前記角度の組合せ(θn、α)の種類が、(N/2)個であることが好ましい。
この場合、第1の外周刃のねじれ角αと、該第1の外周刃の工具回転方向に隣接するピッチ角θnと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、外周刃の総数Nの半分である。つまり、複数の第1の外周刃の工具回転方向に隣接する各ピッチ角θn同士が、互いにすべて異なっていることとなるので、その分、びびり振動の抑制効果をより広い周波数帯域で得ることができる。
また、上記エンドミルにおいて、前記外周刃の総数がN枚である場合に、前記角度の組合せ(θn、β)の種類が、(N/2)個であることが好ましい。
この場合、第2の外周刃のねじれ角βと、該第2の外周刃の工具回転方向に隣接するピッチ角θnと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、外周刃の総数Nの半分である。つまり、複数の第2の外周刃の工具回転方向に隣接する各ピッチ角θn同士が、互いにすべて異なっていることとなるので、その分、びびり振動の抑制効果をより広い周波数帯域で得ることができる。
また、上記エンドミルにおいて、前記刃長領域のうち所定位置が、前記刃長領域における先端部以外の部位であることが好ましい。
この場合、刃長領域の先端部においては、外周刃のピッチ角θn同士を互いにすべて異ならせることが容易となる。つまり、外周刃の刃長領域のうち先端部は、被削材に切り込み始める位置であるとともに、切削加工に多用される箇所であり、この先端部においてピッチ角θnがすべて異なっていると、上述したびびり振動を抑制する効果がさらに格別顕著なものとなりやすいため、好ましい。
また、上記エンドミルにおいて、前記刃長領域のうち所定位置が、前記刃長領域における中央部であることが好ましい。
この場合、ピッチ角θnを設定するための外周刃の刃長領域の所定位置が、該刃長領域の中央部(刃長方向に沿う中央部)であるので、外周刃の刃長領域の先端部や基端部において、該外周刃に隣接する切屑排出溝の溝幅が小さくなり過ぎるようなことを抑制できる。従って、上述のようにびびり振動の発生を抑制しつつ、切屑排出性を良好に維持することができる。
本発明のエンドミルによれば、びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で得ることができ、様々な切削条件において加工精度を向上できる。
本発明の第1実施形態に係るスクエアエンドミルを示す斜視図である。 図1のスクエアエンドミルを径方向から見た側面図(平面図)である。 図1のスクエアエンドミルを先端から基端側へ向けて見た正面図である。 図2のIV−IV断面を示す図(エンドミル横断面図)である。 第1実施形態のスクエアエンドミルの外周刃の配列を模式的に示す図である。 第1実施形態の変形例のスクエアエンドミルの外周刃の配列を模式的に示す図である。 第1実施形態の変形例のスクエアエンドミルを簡略化して示すエンドミル横断面図である。 第2実施形態のスクエアエンドミルを簡略化して示すエンドミル横断面図である。 第3実施形態のスクエアエンドミルを簡略化して示すエンドミル横断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るエンドミルの一例であるスクエアエンドミル20について、図1〜図5を参照して説明する。本実施形態のスクエアエンドミル20は、金属材料等からなる被削材に対して切削加工(転削加工)を施す切削工具(転削工具)である。
なお、本発明は、スクエアエンドミル20に限定されるものではなく、それ以外の例えばラジアスエンドミル、ボールエンドミル(テーパボールエンドミル、ロングネックエンドミル、テーパネックエンドミル等を含む)などの各種エンドミルに対して適用可能である。
〔スクエアエンドミルの概略構成、及びエンドミル本体〕
図1〜図4に示されるように、本実施形態のスクエアエンドミル20は、例えば超硬合金や高速度工具鋼等からなる軸状のエンドミル本体3を有している。
エンドミル本体3は概略円柱状をなしており、該エンドミル本体3の軸線O方向に沿う少なくとも先端部に刃部3aが形成され、該刃部3a以外の部位がシャンク部3bとされている。
スクエアエンドミル20は、エンドミル本体3において円柱状をなすシャンク部3bがマシニングセンタ等の工作機械の主軸に取り付けられ、該主軸によって軸線O回りのうち工具回転方向(エンドミル回転方向)Tに回転させられる。スクエアエンドミル20は、上記回転とともに軸線O方向への切り込みや軸線Oに直交する径方向への送りを与えられて被削材に対して刃部3aで切り込んでいき、外周削りや正面削り等の各種加工を施す。
スクエアエンドミル20により被削材を切削加工する際には、該スクエアエンドミル20の刃部3a及び被削材の加工面(被加工部)に向けて、クーラントが供給される。クーラントとしては、例えば、油性又は水溶性の切削液剤や圧縮エア等が用いられる。クーラントは、工作機械の主軸からエンドミル本体3の内部を通して刃部3a及び加工面に供給されてもよいし、エンドミル本体3の外部から刃部3a及び加工面に供給されてもよい。
〔本実施形態で用いる向き(方向)の定義〕
本実施形態においては、エンドミル本体3の軸線Oに沿う方向(軸線Oが延在する方向)を、軸線O方向という。また、軸線O方向のうち、シャンク部3bから刃部3aへ向かう方向を先端側といい、刃部3aからシャンク部3bへ向かう方向を基端側という。
また、軸線Oに直交する方向を径方向という。径方向のうち、軸線Oに接近する向きを径方向の内側といい、軸線Oから離間する向きを径方向の外側という。
また、軸線O回りに周回する方向を周方向という。周方向のうち、切削時に工作機械の主軸等によりエンドミル本体3が回転させられる向きを工具回転方向Tといい、これとは反対の回転方向を、工具回転方向Tとは反対側(反工具回転方向)という。
〔切屑排出溝〕
刃部3aの外周には、周方向に互いに間隔をあけて切屑排出溝4が複数形成されている。これらの切屑排出溝4は、互いに周方向に不等間隔をあけて配置されている。本実施形態の例では、エンドミル本体3に切屑排出溝4が4条形成されており、これらの切屑排出溝4のうち、周方向に隣り合う2条の切屑排出溝4の溝幅同士が互いに同一とされ、残りの2条の切屑排出溝4の溝幅同士が、前述の溝幅とは異なる溝幅で互いに同一とされていて、エンドミル全体としては切屑排出溝4が不等間隔の配置とされている。
切屑排出溝4は、エンドミル本体3の軸線O方向に沿う先端から基端側へ向かうに従い周方向へ向けて延びている。本実施形態の例では、切屑排出溝4が、エンドミル本体3の先端面に開口しており、該先端面から基端側へ向かうに従い徐々に工具回転方向Tとは反対側へ向けてねじれて、螺旋状に延びている。切屑排出溝4は、刃部3aの基端側の端部において、エンドミル本体3の外周に切り上がっている。言い換えると、エンドミル本体3において、軸線O方向に沿う切屑排出溝4が形成された領域が、刃部3aとされている。
各切屑排出溝4は、工具回転方向Tを向く壁面を有しており、この壁面のうち、切れ刃に隣接する部分がすくい面である。具体的には、切れ刃のすくい面のうち、該切れ刃の後述する外周刃1、2、及び底刃9に隣接する部分がそれぞれ、外周刃1、2のすくい面4a、及び底刃9のすくい面4bとされている。底刃9のすくい面4bは、切屑排出溝4のうちギャッシュ7に形成されている。
切屑排出溝4の軸線O方向の先端部には、溝状のギャッシュ7が形成されている。図3に示されるように、エンドミル本体3を軸線O方向の先端から基端側へ向けて見たエンドミル本体3の正面視において、ギャッシュ7は径方向に沿うように延びている。ギャッシュ7は、径方向内側の端部が軸線O近傍に配置されており、この径方向内側の端部から径方向外側へ向かうに従い徐々に軸線O方向の基端側へ向けて延びている。
ギャッシュ7の数は、切屑排出溝4の数に対応しており、本実施形態の例では4つのギャッシュ7が形成されている。これらのギャッシュ7のうち、周方向に隣り合う一対のギャッシュ7同士(ギャッシュ7の組)が、各ギャッシュ7における径方向内側の端部において互いに連通している。またこれにより、4つの底刃9のうち、ギャッシュ7(の組)により切り欠かれる2つの底刃9(短刃)の刃長が、ギャッシュ7により切り欠かれない2つの底刃9(長刃)の刃長よりも、短くなっている。
〔切れ刃〕
図1〜図4に示されるように、刃部3aには、周方向に互いに間隔をあけて切れ刃が複数形成されている。これらの切れ刃はそれぞれ、外周刃1又は2、及び底刃9を有している。各切れ刃は、外周刃1又は2と、底刃9とが互いに接続されることで、全体として略L字状をなしている。切れ刃の数は、切屑排出溝4の数に対応しており、本実施形態の例では4つ(4組)の切れ刃が設けられている。つまり、本実施形態のスクエアエンドミル20は、4枚刃のエンドミルである。
〔外周刃〕
切れ刃のうち、外周刃1、2は、エンドミル本体3の刃部3aの外周に形成され、エンドミル本体3の軸線O方向の先端から基端側へ向かうに従い周方向に向けて延びている。外周刃1、2は、周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。
具体的に、刃部3aには、切屑排出溝4の数(4条)に対応する数(4つ)の外周刃1、2が、互いに周方向に間隔をあけて配列している。各外周刃1、2は、その工具回転方向Tに隣接する切屑排出溝4と等しいリードで、エンドミル本体3の先端から基端側へ向かうに従い徐々に工具回転方向Tとは反対側へ向けてねじれて、螺旋状に延びている。
外周刃1、2を軸線O回りに回転させて得られる回転軌跡は、軸線Oを中心とする1つの仮想円筒面状をなす。
外周刃1、2は、切屑排出溝4における工具回転方向Tを向く壁面と、エンドミル本体3の外周面との交差稜線に形成されている。外周刃1、2は、切屑排出溝4の前記壁面の外周端縁に沿って、つる巻き線状に延びている。具体的に、外周刃1、2は、切屑排出溝4の工具回転方向Tを向く壁面のうち、径方向外側の端部に位置するすくい面4aと、刃部3aの外周面のうち、該切屑排出溝4の工具回転方向Tとは反対側に隣接する外周逃げ面5と、の交差稜線に形成されている。
刃部3aの外周面には、周方向に隣り合う切屑排出溝4同士の間に、外周逃げ面5がそれぞれ形成されている。図示の例では、外周逃げ面5の幅(外周刃1、2に直交する向きの長さ)が、外周刃1、2の延在方向(刃長方向)に沿って略一定とされている。
図2に示されるスクエアエンドミル20の側面図(平面図)、及び図5に示される外周刃1、2の配列を模式的に表す図(エンドミル外周を平面状に展開して表す図)において、エンドミル本体3の刃部3aが備える複数の外周刃1、2には、所定のねじれ角αを有する2つ以上の第1の外周刃1と、ねじれ角αとは異なる角度の所定のねじれ角βを有し、第1の外周刃1の数と同数の2つ以上の第2の外周刃2と、が含まれる。
本実施形態の例では、4つの外周刃1、2として、所定のねじれ角αを有する2つの第1の外周刃1と、所定のねじれ角β(ただしα≠β)を有する2つの第2の外周刃2と、が含まれている。
また、第1の外周刃1と第2の外周刃2とは、周方向に交互に配置されている。
第1の外周刃1のねじれ角αと、第2の外周刃2のねじれ角βとの角度の差分(ここでいう差分とはα−βの絶対値であり、以下の説明では単に|α−β|と表すことがある)は、例えば0°<|α−β|≦20°であり、好ましくは、2°≦|α−β|≦15°である。角度の差分|α−β|が20°以下とされていることにより、切屑排出溝4の先端部及び基端部のいずれかにおいて、溝幅が小さくなり過ぎるようなことを抑制できる。
本実施形態の例では、第1の外周刃1のねじれ角αが、該外周刃1の刃長ap領域の全域(つまり全刃長)にわたって一定であり、第2の外周刃2のねじれ角βが、該外周刃2の刃長ap領域の全域にわたって一定である。
なお、本実施形態でいう「ねじれ角」とは、図2に示されるエンドミル本体3の側面視において(エンドミル本体3を径方向から見て)、軸線Oと、外周刃1、2(ねじれのつる巻き線)との間に形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指す。
本実施形態の例では、外周刃1、2が、軸線O方向に沿って先端から基端側へ向かうに従い工具回転方向Tとは反対側へ向けて延びていることから、外周刃1、2のねじれ角は、正角(ポジティブ角)である。なお、本実施形態の例では図5において、ねじれ角αがねじれ角βよりも正角(ポジティブ角)側に大きくされており、つまりα>βであるが、これに限らず、α<βであってもよい。
〔外周刃のピッチ角〕
本実施形態では、図4に示される軸線Oに垂直なエンドミル横断面視において、周方向に隣り合う一対の外周刃1、2と、軸線Oと、をそれぞれ繋ぐ一対の仮想直線間に形成される中心角(符号θ、θで示される角度)を、「ピッチ角(分割角)θn」という。
そして、図4に示されるように、外周刃1、2の刃長ap領域のうち所定位置におけるエンドミル横断面視において、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、少なくとも2つ以上であり、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、少なくとも2つ以上である。なお、本実施形態では、前記刃長ap領域のうち所定位置が、刃長ap領域における先端部以外の部位であり、具体的には、刃長ap領域における中央部である(つまり外周刃1、2の刃長方向に沿う中央部であり、図5にap1/2として表す)。
詳しくは、図4及び図5において、4つの外周刃1、2を工具回転方向Tとは反対側へ向かって順番に、外周刃No.I〜IVで表した場合に、図示の例では奇数の外周刃No.I、IIIが第1の外周刃1であり、これらの外周刃1のねじれ角はαである。また、偶数の外周刃No.II、IVが第2の外周刃2であり、これらの外周刃2のねじれ角はβである。
そして、外周刃No.Iで示される第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.IVで示される第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnはθであり、よって外周刃No.Iの第1の外周刃1のねじれ角αとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、α)である。
また、外周刃No.IIIで示される第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.IIで示される第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnはθであり(θ≠θ)、よって外周刃No.IIIの第1の外周刃1のねじれ角αとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、α)である。
つまり本実施形態では、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、2つである。
また、外周刃No.IIで示される第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.Iで示される第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnはθであり、よって外周刃No.IIの第2の外周刃2のねじれ角βとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、β)である。
また、外周刃No.IVで示される第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.IIIで示される第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnはθであり(θ≠θ)、よって外周刃No.IVの第2の外周刃2のねじれ角βとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、β)である。
つまり本実施形態では、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、2つである。
上述の構成より、図5に示されるようにピッチ角θ、θ、θ、θは、周方向(図5の横軸方向)に沿ってこの順に並ぶ。なお、ピッチ角θ、θ、θ、θが周方向に配列するのは、外周刃1、2の刃長ap領域のうち「所定位置」においてのみである。
ピッチ角θとピッチ角θとの角度の差分(ここでいう差分とは、最大ピッチ角θnと最少ピッチ角θnとの差分であり、つまりθ−θの絶対値である。以下の説明では単に|θ−θ|と表すことがある)は、例えば0°<|θ−θ|≦20°であり、好ましくは、5°≦|θ−θ|≦15°である。角度の差分|θ−θ|が20°以下とされていることにより、切屑排出溝4の先端部及び基端部のいずれかにおいて、溝幅が小さくなり過ぎるようなことを抑制できる。
また、外周刃1、2の総数がN枚である場合に、角度の組合せ(θn、α)の種類が、(N/2)個である。つまり、外周刃1、2の総数Nのうち半数(N/2)の第1の外周刃1における、各第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣接するピッチ角θn同士が、互いにすべて異なる。
また、外周刃1、2の総数がN枚である場合に、角度の組合せ(θn、β)の種類が、(N/2)個である。つまり、外周刃1、2の総数Nのうち半数(N/2)の第2の外周刃2における、各第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣接するピッチ角θn同士が、互いにすべて異なる。
具体的に本実施形態では、外周刃1、2の総数Nが4枚であり、角度の組合せ(θn、α)の種類が(N/2)個、つまり2つである。また、角度の組合せ(θn、β)の種類が(N/2)個、つまり2つである。
上述した本実施形態の外周刃1、2とそのねじれ角α、β及びピッチ角θnについて、下記表1にパターン1として示す。
Figure 2018167384
〔底刃(先端刃)〕
図1〜図3に示されるように、切れ刃のうち、底刃(先端刃)9は、エンドミル本体3の刃部3aの先端に形成され、径方向に沿うように延びている。底刃9は、周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。底刃9の径方向の外端は、外周刃1又は2の軸線O方向の先端に接続している。
具体的に、刃部3aには、切屑排出溝4の数(4条)に対応する数(4つ)の底刃9が、互いに周方向に間隔をあけて配列している。本実施形態の例では、4つの底刃9に、一対の長刃(ギャッシュ7により切り欠かれない底刃9)と、一対の短刃(ギャッシュ7により径方向内側の端部が切り欠かれる底刃9)と、が含まれる。一対の長刃の内端(径方向内側の端縁)は、軸線Oに接近して配置されている。一対の短刃の内端と、軸線Oとの間には、ギャッシュ7が配置されている。
また、図2に示されるエンドミル本体3の側面視において、底刃9は、その外端(径方向外側の端縁)から径方向内側に向かうに従い徐々に僅かに基端側へ向けて延びている。
底刃9を軸線O回りに回転させて得られる回転軌跡は、該底刃9の外端から径方向内側に向かうに従い徐々に基端側へ向けて傾斜する仮想円錐面(テーパ面)状をなす。
底刃9は、切屑排出溝4における工具回転方向Tを向く壁面と、エンドミル本体3の先端面との交差稜線に形成されている。底刃9は、切屑排出溝4の前記壁面の先端縁に沿って、直線状に延びている。具体的に、底刃9は、切屑排出溝4のギャッシュ7において工具回転方向Tを向く壁面のうち、先端側の端部に位置するすくい面4bと、刃部3aの先端面のうち、該ギャッシュ7の工具回転方向Tとは反対側に隣接する先端逃げ面8と、の交差稜線に形成されている。
刃部3aの先端面には、周方向に隣り合う切屑排出溝4同士の間に、先端逃げ面8がそれぞれ形成されている。図示の例では、先端逃げ面8の幅(底刃9に直交する向きの長さ)が、底刃9の延在方向(刃長方向)に沿って略一定とされている。
〔本実施形態の変形例〕
ここで、本発明に含まれる本実施形態の変形例について、図6及び図7を参照して説明する。なお、前述した構成と同じ構成要素については詳細な説明を省略し、主として異なる点についてのみ、下記に説明する。
図6は、外周刃1、2の配列を模式的に表す図(エンドミル外周を平面状に展開して表す図)であり、図7は、エンドミル本体3の刃部3aを簡略化して(単なる2点鎖線の円として)示すエンドミル横断面図である。この変形例では、上述した本実施形態の図4及び図5とは、外周刃1、2とピッチ角θ、θの配置(位置関係)が異なっている。
具体的にこの変形例では、外周刃No.Iで示される第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.IVで示される第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnはθであり、よって外周刃No.Iの第1の外周刃1のねじれ角αとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、α)である。
また、外周刃No.IIIで示される第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.IIで示される第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnはθであり(θ≠θ)、よって外周刃No.IIIの第1の外周刃1のねじれ角αとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、α)である。
つまりこの変形例では、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、2つである。
また、外周刃No.IIで示される第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.Iで示される第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnはθであり、よって外周刃No.IIの第2の外周刃2のねじれ角βとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、β)である。
また、外周刃No.IVで示される第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う外周刃No.IIIで示される第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnはθであり(θ≠θ)、よって外周刃No.IVの第2の外周刃2のねじれ角βとピッチ角θnとの角度の組合せは、(θ、β)である。
つまりこの変形例では、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、2つである。
上述の構成より、図6に示されるようにピッチ角θ、θ、θ、θは、周方向(図6の横軸方向)に沿ってこの順に並ぶ。この変形例における外周刃1、2とそのねじれ角α、β及びピッチ角θnについて、上記表1にパターン2として示す。
そして、この変形例においても、図7及び表1に示されるように、外周刃1、2の刃長ap領域のうち所定位置におけるエンドミル横断面視において、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、少なくとも2つ以上であり、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、少なくとも2つ以上である。
〔本実施形態による作用効果〕
以上説明した本実施形態のスクエアエンドミル(エンドミル)20は、エンドミル本体3の外周に、周方向に互いに間隔をあけて交互に配列する第1の外周刃1と第2の外周刃2とを、各2つ以上備えている。また、第1の外周刃1と第2の外周刃2とは互いに同数であり、外周刃1、2の総数Nは、本実施形態の例では4つ(4枚刃)である。第1の外周刃1と第2の外周刃2とは、互いにねじれ角の大きさが異なり、第1の外周刃1は所定のねじれ角αを有し、第2の外周刃2は所定のねじれ角βを有する(α≠β)。つまり、本実施形態のスクエアエンドミル20は、外周刃のねじれ角がすべて同一とされた等リードのエンドミルではなく、複数種類のねじれ角α、βを有する不等リードのエンドミルである。
そして、本発明の発明者は、エンドミルについて鋭意研究を重ねた結果、切削加工時においてびびり振動を発生させる周波数を効果的に抑制するには、複数の外周刃1、2同士で再生振動の位相差をずらすことが好ましく、これにより共振周波数付近で生じる自励振動の発生を抑制することができ、その結果びびり振動を抑えることができる、という知見を得るに至った。
なお、上記「びびり振動を発生させる周波数」とは、具体的には所定範囲の周波数帯を示しており、例えば300〜900Hzの範囲である。
上述の知見に基づき、本実施形態は、外周刃1、2の刃長ap領域のうち所定位置におけるエンドミル本体3の横断面視において、エンドミル本体3の軸線O回りに並ぶ複数のピッチ角(分割角)をθnとしたときに、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θn(つまり第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣接するピッチ角θn)と、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が少なくとも2つ以上であり、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θn(つまり第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣接するピッチ角θn)と、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が少なくとも2つ以上である、という特別な構成を用いた。
具体的には、複数の第1の外周刃1のねじれ角αと組み合わされる各ピッチ角θnが、例えばθ、θ、…と2種類以上であり、複数の第2の外周刃2のねじれ角βと組み合わされる各ピッチ角θnが、例えばθ、θ、…と2種類以上である。
なお本実施形態では、スクエアエンドミル20が4枚刃エンドミルであることから、表1に示されるように、角度の組合せ(θn、α)の種類が2つであり、角度の組合せ(θn、β)の種類が2つである。つまり、ねじれ角αに組み合わされるピッチ角θnの種類が2種類(表1に示す例ではθ、θ)であり、ねじれ角βに組み合わされるピッチ角θnの種類が2種類(表1に示す例ではθ、θ)である。
このように角度の組合せ(θn、α)の種類が2つ以上であり、かつ角度の組合せ(θn、β)の種類が2つ以上であるので、例えば本実施形態のように外周刃1、2の総数Nが4枚の場合には、角度の組合せが計4つできる。各角度の組合せは、互いに異なる周波数帯域のびびり振動抑制効果を発揮することから、本実施形態によれば、びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で得ることができ、様々な切削条件において加工精度を向上することができる。
詳しくは、例えば特許文献1(特開2009−220188号公報)の図1〜図4に記載の4枚刃エンドミルの場合、エンドミル横断面視において、ねじれ角θAとされた2つの外周刃6の工具回転方向Tに隣接する各ピッチ角同士が互いに同一であり、また、ねじれ角θBとされた2つの外周刃6の工具回転方向Tに隣接する各ピッチ角同士が互いに同一であるため、ねじれ角とピッチ角との角度の組合せの種類は2つのみである。
これに対して、上述した本実施形態の4枚刃エンドミルの場合、角度の組合せの種類が4つ確保されているため、その分、びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で発揮することができる。解析結果によれば、本実施形態のスクエアエンドミル20によるびびり振動の抑制効果は、従来の不等リード・不等ピッチのスクエアエンドミルに比べて数倍に及ぶ格別顕著なものであった。
さらには、びびり振動の周波数を事前に知ることができず、従来であれば、びびり振動を発生させる所定の周波数帯域の範囲内において任意の周波数でびびり振動が生じ得る状況であっても、本実施形態のスクエアエンドミル20によれば、前記所定の周波数帯域の全域にわたってびびり振動を抑制することが可能である。
具体的に、本実施形態のエンドミル20では、びびり振動を発生させる所定の周波数帯域の略全域にわたって再生数RFを効果的に抑えることができ、びびり振動の発生が顕著に抑制されることが確認された。
上記再生数RFについて説明する。
各切れ刃における再生振動の位相遅れεj,lを用いて表すことのできる複素ベクトルの総和が再生数RFであり、その絶対値|RF|が小さい場合に再生効果が小さいと考えることができる。再生数RFの定義式を下記式(1)に示す。なお、等ピッチ工具を用いる場合には、再生効果が最大となり再生数|RF|は1となる。εj,lはN枚刃の工具におけるj番目の切れ刃において、軸方向にN分割したl番目の微小切れ刃における位相遅れを意味する。位相遅れは同じ微小切れ刃におけるピッチ角△θj,lとびびり振動の周波数f及び主軸回転数nを用いて下記式(2)で表すことができる。
Figure 2018167384
また本実施形態では、外周刃1、2の総数がN枚である場合に、角度の組合せ(θn、α)の種類が、(N/2)個であるので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、第1の外周刃1のねじれ角αと、該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣接するピッチ角θnと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、外周刃1、2の総数Nの半分である。つまり、複数の第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣接する各ピッチ角θn同士が、互いにすべて異なっていることから、その分、びびり振動の抑制効果をより広い周波数帯域で得ることができる。
また本実施形態では、外周刃1、2の総数がN枚である場合に、角度の組合せ(θn、β)の種類が、(N/2)個であるので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、第2の外周刃2のねじれ角βと、該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣接するピッチ角θnと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、外周刃1、2の総数Nの半分である。つまり、複数の第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣接する各ピッチ角θn同士が、互いにすべて異なっていることから、その分、びびり振動の抑制効果をより広い周波数帯域で得ることができる。
また本実施形態では、刃長ap領域のうち所定位置が、刃長ap領域における先端部以外の部位であるので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、刃長ap領域の先端部においては、外周刃1、2のピッチ角θn同士を互いにすべて異ならせることが容易となる。つまり、外周刃1、2の刃長ap領域のうち先端部は、被削材に切り込み始める位置であるとともに、切削加工に多用される箇所であり、この先端部においてピッチ角θnがすべて異なっていると、上述したびびり振動を抑制する効果がさらに格別顕著なものとなりやすいため、好ましい。
また本実施形態では、刃長ap領域のうち所定位置が、刃長ap領域における中央部であるので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、ピッチ角θnを設定するための外周刃1、2の刃長ap領域の所定位置が、該刃長ap領域の中央部(刃長方向に沿う中央部)であるので、外周刃1、2の刃長ap領域の先端部や基端部において、該外周刃1、2に隣接する切屑排出溝4の溝幅が小さくなり過ぎるようなことを抑制できる。従って、上述のようにびびり振動の発生を抑制しつつ、切屑排出性を良好に維持することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るスクエアエンドミル30について、図8を参照して説明する。図8(a)〜(c)は、スクエアエンドミル30のエンドミル本体3の刃部3aを簡略化して(単なる2点鎖線の円として)示すエンドミル横断面図である。
なお、前述の実施形態と同じ構成要素については詳細な説明を省略し、主として異なる点についてのみ、下記に説明する。
〔前述の実施形態との相違点〕
本実施形態のスクエアエンドミル30は、6枚刃のエンドミルであり、エンドミル本体3の外周に、周方向に互いに間隔をあけて交互に配列する第1の外周刃1と第2の外周刃2とを、各3つ備えている。つまり、エンドミル本体3の外周に形成された複数の外周刃1、2には、所定のねじれ角αを有する2つ以上の第1の外周刃1と、ねじれ角αとは異なる所定のねじれ角βを有し、第1の外周刃1の数と同数の2つ以上の第2の外周刃2と、が含まれる。
そして、図8(a)〜(c)に示されるように、外周刃1、2の刃長ap領域のうち所定位置におけるエンドミル横断面視において、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、少なくとも2つ以上であり、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、少なくとも2つ以上である。なお、本実施形態においても、上記刃長ap領域のうち所定位置は、刃長ap領域における先端部以外の部位であり、具体的には、刃長ap領域における中央部である。
下記表2に、図8(a)の角度の組合せをパターン1として示し、図8(b)の角度の組合せをパターン2として示し、図8(c)の角度の組合せをパターン3として示す。
Figure 2018167384
具体的に、図8(a)においては(表2のパターン1)、6つの外周刃1、2を工具回転方向Tとは反対側へ向かって順番に外周刃No.I〜VIで表した場合に、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、3つである(θ≠θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、3つである(θ≠θ≠θ)。
また、図8(b)においては(表2のパターン2)、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、2つである(θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、2つである(θ≠θ)。
また、図8(c)においては(表2のパターン3)、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、2つである(θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、2つである(θ≠θ)。
なお、図8(a)〜(c)においては、説明の便宜上、各ピッチ角θn同士の角度の差分を強調して表している。具体的に本実施形態において、刃長ap領域のうち所定位置におけるエンドミル横断面視で、最大ピッチ角θnと最少ピッチ角θnとの角度の差分は、0°より大きく20°以下である。前記角度の差分が20°以下とされていることにより、切屑排出溝4の先端部及び基端部のいずれかにおいて、溝幅が小さくなり過ぎるようなことを抑制できる。好ましくは、前記角度の差分は、5°以上15°以下である。
また、図8(a)〜(c)においては、複数のピッチ角θ、θ、θがこの順に大きくされているが、ピッチ角θn同士の大小関係は、これに限定されるものではない。
〔本実施形態による作用効果〕
以上説明した本実施形態のスクエアエンドミル30によれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
具体的に本実施形態では、従来タイプのエンドミル(ねじれ角αのピッチ角θnが1種類であり、ねじれ角βのピッチ角θnが1種類であるもの)に比べて、再生数RFが例えば1/5程度にまで抑えられることがわかった。
特に、図8(a)に示される例のように、外周刃1、2の総数がN枚(6枚)である場合において、角度の組合せ(θn、α)の種類が(N/2)個(3つ)である場合や、角度の組合せ(θn、β)の種類が(N/2)個(3つ)である場合に、格別顕著なびびり振動抑制効果が得られることが確認された。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るスクエアエンドミル40について、図9を参照して説明する。図9(a)〜(f)は、スクエアエンドミル40のエンドミル本体3の刃部3aを簡略化して(単なる2点鎖線の円として)示すエンドミル横断面図である。
なお、前述の実施形態と同じ構成要素については詳細な説明を省略し、主として異なる点についてのみ、下記に説明する。
〔前述の実施形態との相違点〕
本実施形態のスクエアエンドミル40は、8枚刃のエンドミルであり、エンドミル本体3の外周に、周方向に互いに間隔をあけて交互に配列する第1の外周刃1と第2の外周刃2とを、各4つ備えている。つまり、エンドミル本体3の外周に形成された複数の外周刃1、2には、所定のねじれ角αを有する2つ以上の第1の外周刃1と、ねじれ角αとは異なる所定のねじれ角βを有し、第1の外周刃1の数と同数の2つ以上の第2の外周刃2と、が含まれる。
そして、図9(a)〜(f)に示されるように、外周刃1、2の刃長ap領域のうち所定位置におけるエンドミル横断面視において、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、少なくとも2つ以上であり、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、少なくとも2つ以上である。なお、本実施形態においても、上記刃長ap領域のうち所定位置は、刃長ap領域における先端部以外の部位であり、具体的には、刃長ap領域における中央部である。
下記表3に、図9(a)の角度の組合せをパターン1として示し、図9(b)の角度の組合せをパターン2として示し、図9(c)の角度の組合せをパターン3として示し、図9(d)の角度の組合せをパターン4として示し、図9(e)の角度の組合せをパターン5として示し、図9(f)の角度の組合せをパターン6として示す。
Figure 2018167384
具体的に、図9(a)においては(表3のパターン1)、8つの外周刃1、2を工具回転方向Tとは反対側へ向かって順番に外周刃No.I〜VIIIで表した場合に、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、4つである(θ≠θ≠θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、4つである(θ≠θ≠θ≠θ)。
また、図9(b)においては(表3のパターン2)、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、2つである(θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、2つである(θ≠θ)。
また、図9(c)においては(表3のパターン3)、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、2つである(θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、2つである(θ≠θ)。
また、図9(d)においては(表3のパターン4)、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、3つである(θ≠θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、3つである(θ≠θ≠θ)。
また、図9(e)においては(表3のパターン5)、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、2つである(θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、2つである(θ≠θ)。
また、図9(f)においては(表3のパターン6)、第1の外周刃1と該第1の外周刃1の工具回転方向Tに隣り合う第2の外周刃2との間に形成されるピッチ角θnと、第1の外周刃1のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、3つである(θ≠θ≠θ)。また、第2の外周刃2と該第2の外周刃2の工具回転方向Tに隣り合う第1の外周刃1との間に形成されるピッチ角θnと、第2の外周刃2のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、3つである(θ≠θ≠θ)。
なお、図9(a)〜(f)においては、説明の便宜上、各ピッチ角θn同士の角度の差分を強調して表している。具体的に本実施形態において、刃長ap領域のうち所定位置におけるエンドミル横断面視で、最大ピッチ角θnと最少ピッチ角θnとの角度の差分は、0°より大きく20°以下である。前記角度の差分が20°以下とされていることにより、切屑排出溝4の先端部及び基端部のいずれかにおいて、溝幅が小さくなり過ぎるようなことを抑制できる。好ましくは、前記角度の差分は、5°以上15°以下である。
また、図9(a)〜(f)においては、複数のピッチ角θ、θ、θ、θがこの順に大きくされているが、ピッチ角θn同士の大小関係は、これに限定されるものではない。
〔本実施形態による作用効果〕
以上説明した本実施形態のスクエアエンドミル40によれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
具体的に本実施形態では、従来タイプのエンドミル(ねじれ角αのピッチ角θnが1種類であり、ねじれ角βのピッチ角θnが1種類であるもの)に比べて、再生数RFが例えば1/7程度にまで抑えられることがわかった。
特に、図9(a)に示される例のように、外周刃1、2の総数がN枚(8枚)である場合において、角度の組合せ(θn、α)の種類が(N/2)個(4つ)である場合や、角度の組合せ(θn、β)の種類が(N/2)個(4つ)である場合に、格別顕著なびびり振動抑制効果が得られることが確認された。
〔本発明に含まれるその他の構成〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前述の実施形態では、刃長ap領域(外周刃1、2の全刃長)の所定位置におけるエンドミル横断面視を定義するにあたり、この所定位置が、刃長ap領域における先端部以外の部位とされ、具体的には中央部(ap1/2)であるとした。本発明はこれに限定されるものではなく、前記所定位置は、刃長ap領域における中央部以外の部位であってもよく、例えば先端部であってもよい。
ただし、前記所定位置が、刃長ap領域における先端部以外の部位とされていたり、中央部とされていたりすることにより、前述の実施形態で説明した作用効果が得られることから、好ましい。
また、前述の実施形態では、4枚刃のスクエアエンドミル20、6枚刃のスクエアエンドミル30、8枚刃のスクエアエンドミル40を例に挙げて説明したが、エンドミルの刃数はこれらに限定されるわけではなく、例えば10枚刃以上であってもよい。
また、外周刃の総数Nが偶数に限らず奇数とされており、その中に、2つ以上の第1の外周刃1と、該第1の外周刃1と同数の2つ以上の第2の外周刃2と、が含まれていてもよい。この場合、5枚刃以上のエンドミルであれば本発明を適用可能である。
また本発明は、前述の実施形態で説明した角度の組合せの種類(θn、α)、(θn、β)に限定されるものではない。すなわち、前述した表1のパターン1、2、表2のパターン1〜3、表3のパターン1〜6に限られることはなく、それ以外の角度の組合せの種類(θn、α)、(θn、β)を用いてもよい。
また、前述の実施形態では、切屑排出溝4が、エンドミル本体3の外周において軸線O方向に沿って先端から基端側へ向かうに従い徐々に工具回転方向Tとは反対側へ向けてねじれて延びている。またこれに伴い、各外周刃1、2は、エンドミル本体3の外周において軸線O方向に沿って先端から基端側へ向かうに従い徐々に工具回転方向Tとは反対側へ向けてねじれて延びている。つまり、外周刃1、2のねじれ角は、正角(ポジティブ角)とされている。ただし本発明はこれに限定されるものではなく、切屑排出溝4は、エンドミル本体3の外周において軸線O方向に沿って先端から基端側へ向かうに従い徐々に工具回転方向Tへ向けてねじれて延びていてもよい。またこれに伴い、各外周刃1、2は、エンドミル本体3の外周において軸線O方向に沿って先端から基端側へ向かうに従い徐々に工具回転方向Tへ向けてねじれて延びていてもよい。つまり、外周刃1、2のねじれ角は、負角(ネガティブ角)とされていてもよい。
本発明によれば、外周刃1、2のねじれ角が、正角の場合であっても、負角の場合であっても、上述した優れた作用効果が得られる。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明のエンドミルは、びびり振動の抑制効果を広い周波数帯域で得ることができ、様々な切削条件において加工精度を向上できる。従って、産業上の利用可能性を有する。
1 第1の外周刃(外周刃)
2 第2の外周刃(外周刃)
3 エンドミル本体
20、30、40 スクエアエンドミル(エンドミル)
ap 刃長
N 外周刃の総数
O 軸線
T 工具回転方向
α 第1の外周刃のねじれ角
β 第2の外周刃のねじれ角
θn(θ〜θ) ピッチ角

Claims (5)

  1. 軸状をなすエンドミル本体と、
    前記エンドミル本体の外周に形成され、前記エンドミル本体の軸線方向の先端から基端側へ向かうに従い前記軸線回りの周方向に向けて延びる外周刃と、を備えたエンドミルであって、
    前記外周刃は、前記周方向に互いに間隔をあけて複数形成され、
    複数の前記外周刃には、
    所定のねじれ角αを有する2つ以上の第1の外周刃と、
    前記ねじれ角αとは異なる所定のねじれ角βを有し、前記第1の外周刃の数と同数の2つ以上の第2の外周刃と、が含まれ、
    前記第1の外周刃と、前記第2の外周刃とは、前記周方向に交互に配置され、
    前記外周刃の刃長領域のうち所定位置における前記軸線に垂直なエンドミル横断面視において、
    前記周方向に隣り合う一対の前記外周刃と、前記軸線と、を繋ぐ一対の仮想直線間に形成される中心角をピッチ角θnとして、
    前記第1の外周刃と該第1の外周刃の前記周方向のうち工具回転方向に隣り合う前記第2の外周刃との間に形成される前記ピッチ角θnと、前記第1の外周刃のねじれ角αと、の角度の組合せ(θn、α)の種類が、少なくとも2つ以上であり、
    前記第2の外周刃と該第2の外周刃の前記工具回転方向に隣り合う前記第1の外周刃との間に形成される前記ピッチ角θnと、前記第2の外周刃のねじれ角βと、の角度の組合せ(θn、β)の種類が、少なくとも2つ以上であることを特徴とするエンドミル。
  2. 請求項1に記載のエンドミルであって、
    前記外周刃の総数がN枚である場合に、前記角度の組合せ(θn、α)の種類が、(N/2)個であることを特徴とするエンドミル。
  3. 請求項1又は2に記載のエンドミルであって、
    前記外周刃の総数がN枚である場合に、前記角度の組合せ(θn、β)の種類が、(N/2)個であることを特徴とするエンドミル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンドミルであって、
    前記刃長領域のうち所定位置が、前記刃長領域における先端部以外の部位であることを特徴とするエンドミル。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンドミルであって、
    前記刃長領域のうち所定位置が、前記刃長領域における中央部であることを特徴とするエンドミル。
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