JP2018165571A - テンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、圧油室内のオイル圧を安定させることが可能なテンショナを提供すること。
【解決手段】圧油室11内のオイル圧を調整する圧力調整機構50を備え、圧力調整機構50は、シリンダ部51と、圧油室11側に接近および離間可能な状態でシリンダ部51内に設置されたピストンユニット60と、ピストン付勢手段52とを備え、シリンダ部51とピストンユニット60との間は、ピストンユニット60が最も圧油室11側に移動した位置から最も調整空間12側に移動した位置までの間のいずれの位置においても、液密状態で保持されるように構成されているテンショナ10。
【選択図】図2

Description

本発明は、走行するチェーンやベルト等に適正張力を付与するテンショナに関する。
従来、チェーン等の張力を適正に保持するためにテンショナを用いることが慣用されており、例えば、エンジンルーム内のクランク軸とカム軸の夫々に設けたスプロケット間に無端懸回したローラチェーン等の伝動チェーンをテンショナレバーによって摺動案内を行うチェーンガイド機構において、チェーン等の張力を適正に保持するために、テンショナによってテンショナレバーを付勢するものが公知である。
このようなチェーンガイド機構に用いられる公知のテンショナとして、図8に示すように、後方側に開口したプランジャ穴521を有するプランジャ520と、プランジャ520を収容する前方側に開口したプランジャ収容穴531を有するハウジング530と、圧油室511内のオイル圧が高まった時に圧油室511のオイルをプランジャ520外にリリーフするリリーフ機構と、プランジャ520およびプランジャ収容穴531の間に形成される圧油室511に伸縮自在に収納されてプランジャ520を前方側に向けて付勢するメインスプリング540とを備えたテンショナ510が知られている(例えば特許文献1を参照)。
この特許文献1に記載のテンショナ510では、プランジャ520の底部に、圧油室511に連通する圧力通路524と、圧力通路524とプランジャ520の外部とを連通する流出口523と、圧力通路524の前方側に形成されたばね収容室512とが形成され、また、リリーフ機構が、圧力通路524に摺動自在に嵌挿される弁体560と、ばね収容室512内に配置されて弁体560を圧油室511側に向けて付勢するリリーフスプリング552とから構成されている。
そして、このテンショナ510では、圧油室511内のオイル圧が高まった際に、リリーフスプリング552の付勢力に抗して弁体560が前方側に向けて移動し、圧力通路524が流出口523と連通して、流出口523からオイルがリリーフされる。
特開2001−12569号公報
ところが、このようなテンショナ510では、プランジャ520がチェーン側から受ける力の変動や、圧油室511に供給されるオイル量の変動等に起因して、圧油室511内のオイル圧が大きく変動することがあり、この場合、特許文献1に記載のテンショナ510では、弁体560によって圧力通路524が塞がれ、プランジャ520の外部へのオイルのリリースが阻止された状態と、圧油室511内のオイル圧によって弁体560が前方側に移動し、プランジャ520の外部へ流出口523からオイルがリリースされる状態の、2つの状態しか取ることができないため、圧油室511内のオイル圧を安定させることが難しいという問題があった。
また、特許文献1のようなリリーフ機構を設けた場合、圧油室511内のオイル圧が上昇した時に、オイルポンプ等の油圧発生源から供給されたオイルの一部が外部に放出されることになるため、オイル消費量が増加し、油圧発生源の動力を大きくする必要があるという問題もある。
また、特許文献1のようなリリーフ機構を設けた場合、テンショナ510へのオイルの供給が止まるエンジン停止時に、流出口523を通して圧油室511内のオイルが外部に徐々に漏れ出し、その結果、エンジンの再稼働時に、圧油室511のオイル量が充分に確保できておらず、異音発生等の不具合が生じることがあるという問題もあった。
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構成で、圧油室内のオイル圧を安定させることが可能なテンショナを提供することを目的とするものである。
本発明は、後方側に開口したプランジャ穴を有するプランジャと、前記プランジャを収容する前方側に開口したプランジャ収容穴を有するハウジングと、前記プランジャおよび前記プランジャ収容穴の間に形成される圧油室に伸縮自在に収納されて前記プランジャを前方側に向けて付勢するメイン付勢手段と、前記圧油室内のオイル圧を調整する圧力調整機構とを備えたテンショナであって、前記圧力調整機構は、シリンダ部と、前記圧油室側に接近および離間可能な状態で前記シリンダ部内に設置され、前記プランジャおよび前記ハウジングの間に形成される空間を前記圧油室と調整空間とに区画するピストンユニットと、前記ピストンユニットを前記圧油室側に向けて付勢するピストン付勢手段とを備え、前記シリンダ部と前記ピストンユニットとの間は、前記ピストンユニットが最も前記圧油室側に移動した位置から最も前記調整空間側に移動した位置までの間のいずれの位置においても、液密状態で保持されるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項1に係る発明によれば、圧油室内のオイル圧を調整する圧力調整機構が、シリンダ部と、圧油室側に接近および離間可能な状態でシリンダ部内に設置され、プランジャおよびハウジングの間に形成される空間を圧油室と調整空間とに区画するピストンユニットと、ピストンユニットを圧油室側に向けて付勢するピストン付勢手段とを備え、シリンダ部とピストンユニットとの間が、ピストンユニットが最も圧油室側に移動した位置から最も調整空間側に移動した位置までの間のいずれの位置においても、液密状態で保持されるように構成されている。
これにより、圧油室内のオイル圧が上昇した場合に、ピストンユニットが圧油室から離間する方向に向けて移動して、ピストンユニットの移動量に応じて圧油室の容積が増加し、チェーンに対するプランジャの押し付け力を徐々に低下させることが可能であるため、簡素な構成で、圧油室内のオイル圧およびプランジャの押し付け力を安定させることができる。
また、リリーフ機構を設けた従来のテンショナのようにオイルの一部を外部に放出することを回避できるため、オイル消費量を低減することができ、油圧発生源の動力の小型化を実現することができ、また、テンショナへのオイルの供給が止まるエンジン停止時に、圧油室内のオイルが外部に徐々に漏れ出すことを回避できるため、圧油室のオイル量を長期間に亘って維持でき、エンジンの再稼働時に、異音発生等の不具合が生じることを防止できる。
本請求項2に係る発明によれば、プランジャ穴の内周面の前後方向における一部分が、ピストンユニットに対向するシリンダ内周面として機能することにより、プランジャ穴とは別途にシリンダ内周面を形成する必要がないため、製造負担を低減することができるばかりでなく、プランジャ穴の内周面をシリンダ内周面として利用することにより、ピストンユニットの径寸法を大きく設定することが可能であるため、ピストンユニットの移動による圧油室の容積変化を大きくすることができる。
本請求項3に係る発明によれば、圧力調整機構が、ピストンユニットの調整空間側への移動を規制する第1規制部を有していることにより、ピストンユニットの移動範囲を制限することで、高精度に加工する必要のあるシリンダ内周面のピストン移動方向における寸法を短くすることが可能であるため、製造負担を低減でき、また、組み付け時においてピストンユニットを位置決めする部位として第1規制部を利用することも可能であるため、組み付け負担を低減できる。
本請求項4に係る発明によれば、圧力調整機構が、ピストンユニットの圧油室側への移動を規制する第2規制部を有していることにより、ピストンユニットの移動範囲を制限することで、高精度に加工する必要のあるシリンダ内周面のピストン移動方向における寸法を短くすることが可能であるため、製造負担を低減でき、また、組み付け時においてピストンユニットを位置決めする部位として第2規制部を利用することも可能であるため、組み付け負担を低減できる。
本請求項5に係る発明によれば、ピストン付勢手段としてのピストンスプリングのばね力は、メイン付勢手段としてのメインスプリングのばね力よりも大きく設定されていることにより、メインスプリングがピストンユニットを押すように、メインスプリングを設置した場合であっても、通常時において、ピストンユニットを第2規制部に押し付けた状態とすることができる。
本請求項6に係る発明によれば、テンショナが、ハウジングの外部と調整空間とを連通させるオイル供給路を有し、ピストンユニットが、調整空間側から圧油室側へのオイルの流入を許容するとともに圧油室側から調整空間側へのオイルの流出を防止するチェックバルブとして構成されていることにより、圧油室に供給されるオイルを貯留可能なオイルリザーバとして、調整空間を利用することができ、また、ピストンユニットにチェックバルブとしての機能を担わせることによって、部品点数を低減し、テンショナの構造を簡素化することができる。
本請求項7に係る発明によれば、ピストンユニットが、チェックバルブユニットと、チェックバルブユニットの外周側に配置される外筒部材とを有し、外筒部材がシリンダ部に対向するピストン外周面を有していることにより、高精度に加工する必要のあるピストン外周面を、チェックバルブユニットに形成する必要が無いため、既存のチェックバルブユニットを使用することができる。
本請求項8に係る発明によれば、圧力調整機構が、プランジャ穴内に配置されるインナースリーブを備え、インナースリーブ内に、ピストン付勢手段としてのピストンスプリングが配置され、インナースリーブが、ピストンユニットに嵌合していることにより、プランジャ穴内におけるピストンユニットの姿勢を安定させることができるとともに、ピストンスプリングの座屈等の不具合を回避でき、また、ピストンユニットとピストンスプリングとインナースリーブとを一体のものとして取り扱うことも可能であるため、組み付け負担を低減することができる。
本請求項9に係る発明によれば、インナースリーブに、その内周面から外周面に貫通するスリーブ貫通孔が形成されていることにより、インナースリーブの内側の空間をオイルリザーバとして利用する場合に、インナースリーブの外周側を流動するオイルを、スリーブ貫通孔を通してインナースリーブの内側に回収し、オイルリザーバ内のオイル量を充分に確保することができる。
本請求項10に係る発明によれば、円筒状のプランジャ本体の前端側に取り付けられるキャップ部材が、キャップ本体部の底面から下方に向けて延びる柱部を一体に有し、柱部が、ピストン付勢手段としてのピストンスプリングの内周側に配置され、ピストンユニットの調整空間側への移動を規制する第1規制部として機能する。これにより、プランジャ本体に取り付けられるキャップ部材を利用して、簡素な構成で、ピストンユニットの調整空間側への移動を規制することができるばかりでなく、柱部をピストンスプリングの内周側に配置することで、ピストンスプリングの径を大きく設計することが可能であるため、ピストンスプリングの姿勢の安定性を確保できるとともに、ピストンスプリングによる付勢力を大きく設計することもできる。
本発明の第1実施形態に係るテンショナを組み込んだタイミングシステムを示す説明図。 テンショナを示す断面図。 テンショナの一部を拡大して示す断面図。 圧力調整機構を構成するインナースリーブおよび外筒部材を示す斜視図。 通常時およびオイル圧の上昇時における圧力調整機構の状態を示す断面図。 第2実施形態に係るテンショナを示す断面図。 テンショナの変形例を示す断面図。 従来のテンショナを示す断面図。
以下に、本発明の第1実施形態に係るテンショナ10について、図面に基づいて説明する。
まず、テンショナ10は、自動車エンジンのタイミングシステム等に用いられるチェーン伝動装置に組み込まれるものであり、図1に示すように、エンジンブロック(図示しない)に取り付けられ、複数のスプロケットS1〜S3に掛け回された伝動チェーンCHの弛み側にテンショナレバーGを介して適正な張力を付与し、走行時に生じる振動を抑止するものである。
テンショナ10は、図2や図3に示すように、後方側に開口した円筒状のプランジャ穴21を有するプランジャ20と、プランジャ20を収容する前方側に開口したプランジャ収容穴31を有するハウジング30と、プランジャ20およびプランジャ収容穴31の間に形成される圧油室11に伸縮自在に収納されてプランジャ20を前方側に向けて付勢するメインスプリング(メイン付勢手段)40と、圧油室11内のオイル圧を調整する圧力調整機構50と、ハウジング30に揺動可能に支持され、ばねによって付勢されてプランジャ20に係合するラチェット80とを備えている。
以下に、テンショナ10の各構成要素について、図面に基づいて説明する。
まず、プランジャ20は、鉄等の金属から形成され、図2や図3に示すように、プランジャ収容穴31内に前後方向に進退可能に挿入されている。
また、プランジャ穴21には、調整空間12側から圧油室11側に向けて縮径する段差部が形成されており、この段差部が、後述するピストンユニット60の圧油室11側への移動を規制する第2規制部54として機能する。
また、プランジャ20の外周面には、ラチェット80に係合するためのラック歯22が形成されている。
ハウジング30は、図1や図2に示すように、円筒状のプランジャ収容穴31と、後方側に形成された底部32と、底部32に形成され外部から調整空間12にオイルを供給するための孔状のオイル供給路33と、ハウジング30をエンジンブロックに固定するための取付部34とを有している。
メインスプリング40は、図2に示すように、圧油室11内に伸縮自在に収納され、具体的には、その一端がプランジャ穴21の底部(プランジャ20の前方側部分)に当接するとともに、その他端がピストンユニット60(外筒部材62)に当接して配置されている。
圧力調整機構50は、圧油室11内のオイル圧を調整するものであり、図2や図3に示すように、円筒状のシリンダ内周面51aを有したシリンダ部51と、圧油室11側に接近および離間可能な状態でシリンダ部51内に設置され、プランジャ20およびハウジング30の間に形成される空間を圧油室11と調整空間12とに区画するピストンユニット60と、ピストンユニット60を圧油室11側に向けて付勢するピストンスプリング(ピストン付勢手段)52と、ピストンユニット60の調整空間12側への移動を規制する第1規制部53と、ピストンユニット60の圧油室11側への移動を規制する第2規制部54と、プランジャ穴21内に配置されるインナースリーブ55とを備えている。
シリンダ部51は、その内側にピストンユニット60を前後方向に摺動可能な状態で、配置する部位である。
本実施形態では、図2や図3に示すように、プランジャ穴21を有したプランジャ20の前後方向における一部分がシリンダ部51として機能し、言い換えると、プランジャ穴21の内周面の前後方向における一部分が、円筒状のシリンダ内周面51aとして機能する。
本実施形態では、ピストンユニット60が、調整空間12側から圧油室11側へのオイルの流入を許容するとともに圧油室11側から調整空間12側へのオイルの流出を防止するチェックバルブとして構成されている。
ピストンユニット60は、図2や図3に示すように、チェックバルブとして機能するチェックバルブユニット61と、チェックバルブユニット61の外周側に配置される外筒部材62とを有している。
チェックバルブユニット61は、図3に示すように、球状のチェックボール61aと、圧油室11側に開放するチェックボール収容部が形成されたボールシート61bと、チェックボール61aの移動を規制するリテーナ61cと、チェックボール61aとリテーナ61cとの間に配置されたボールスプリング61dとから構成されている。これらチェックバルブユニット61の構成部品は、金属や合成樹脂等から形成されている。
なお、チェックバルブユニット61の具体的構成については、圧油室11へのオイルの流入を許容するとともに圧油室11からのオイルの流出を防止するものであれば、如何なるものでもよく、例えば、ボールスプリング61dを無くしてもよい。
外筒部材62は、金属等から形成され、図3や図4に示すように、その全体形状が略円筒状に形成されている。
外筒部材62の外周面は、図3や図4に示すように、圧油室11側に大径部を有し、調整空間12側に小径部を有している。
外筒部材62の圧油室11側の大径部は、シリンダ内周面51aに対向して配置される円筒状のピストン外周面62aとして機能する。
シリンダ内周面51aおよびピストン外周面62aの径の差は、シリンダ内周面51aおよびピストン外周面62aの間が液密状態で保持される程度に僅かであり、これにより、シリンダ内周面51aおよびピストン外周面62aの間を抜けてオイルが流動することを阻止できる。
また、外筒部材62の外周面には、外筒部材62の調整空間12側の一端から大径部の途中に亘って形成された面取り部62bが、180°対称な位置にそれぞれ形成されている。
外筒部材62の内周面は、図3に示すように、チェックバルブユニット61(ボールシート61b)を圧入状態または遊嵌状態でその内側に設置させる設置部62cと、設置部62cの圧油室11側に形成され、設置部62cよりも小径な小径部と、設置部62cの調整空間12側に形成され、設置部62cよりも大径な大径部とを有している。
また、外筒部材62の内周面において、設置部62cと圧油室11側の小径部との間に形成された段差部は、チェックバルブユニット61の圧油室11側への移動を規制する規制部62dとして機能する。
インナースリーブ55は、金属等から形成され、図3や図4に示すように、その全体形状が略円筒状に形成されている。
インナースリーブ55の後方側の底部には、図3や図4に示すように、インナースリーブ55の中心を通って径方向に延びる凹溝55aが形成されている。
また、インナースリーブ55の後方側の底部付近には、インナースリーブ55の内周面から内側に突出する円環部55bが形成されている。
また、インナースリーブ55には、その内周面から外周面に貫通する複数のスリーブ貫通孔55cが形成されている。
このような凹溝55aやスリーブ貫通孔55cを設けることにより、インナースリーブ55の外周側のオイルを、圧油室11に供給されるオイルを貯留可能なオイルリザーバとして機能するインナースリーブ55の内周側に回収することができる。
また、インナースリーブ55の前端部(圧油室11側の部分)は、図3に示すように、外筒部材62の後端部(調整空間12側の部分)の内側に遊びを有した状態で嵌合している。
また、本実施形態では、インナースリーブ55の前端部(圧油室11側の部分)が、ピストンユニット60の調整空間12側への移動を規制する第1規制部53として機能する。
また、インナースリーブ55内には、図3に示すように、ピストンスプリング52が配置されている。
ピストンスプリング52は、その一端がピストンユニット60(チェックバルブユニット61)に当接するとともに、その他端がインナースリーブ55の円環部55bに当接して配置されている。
ピストンスプリング52のばね力は、メインスプリング40のばね力よりも大きく設定されている。
このようにして得られた本実施形態のテンショナ10では、まず、通常時には、図5(a)に示すように、ピストンユニット60がピストンスプリング52によって圧油室11側に向けて付勢され、ピストンユニット60(外筒部材62)がプランジャ穴21の内周面に形成された段差部状の第2規制部54に押し付けられた状態となる。
そして、圧油室11内のオイル圧が上昇した時には、図5(b)に示すように、ピストンユニット60が圧油室11内のオイル圧によって圧油室11から離間する方向に向けて移動して、ピストンユニット60の移動量に応じて圧油室11の容積が増加し、伝動チェーンCHに対するプランジャ20の押し付け力を徐々に低下させることが可能であるため、簡素な構成で、圧油室11内のオイル圧およびプランジャ20の押し付け力を安定させることができる。
なお、図5(a)、(b)に示すように、ピストンユニット60が最も圧油室11側に移動した位置(第2規制部54によって移動を規制される位置)から、最も調整空間12側に移動した位置(第1規制部53によって移動を規制される位置)までの間のいずれの位置においても、シリンダ部51とピストンユニット60との間は液密状態で保持され、具体的には、シリンダ内周面51aとピストン外周面62aとの間は液密状態で保持されるように構成されている。
また、本実施形態のテンショナ10は、ハウジング30の外部と調整空間12とを連通させるオイル供給路33を有し、ピストンユニット60が、調整空間12側から圧油室11側へのオイルの流入を許容するとともに圧油室11側から調整空間12側へのオイルの流出を防止するチェックバルブとして構成されていることにより、調整空間12が、圧油室11に供給されるオイルを貯留可能なオイルリザーバとして機能する。
次に、本発明の第2実施形態に係るテンショナ10について、図6に基づいて説明する。ここで、第2実施形態では、一部構成については、前述した第1実施形態と全く同じであるため、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
まず、第2実施形態では、プランジャ20が、図6に示すように、プランジャ穴21を有した円筒状のプランジャ本体20Aと、プランジャ本体20Aの前端側に取り付けられたキャップ部材20Bとから構成されている。
プランジャ本体20Aは、鉄等の金属から形成され、キャップ部材20Bは、合成樹脂や金属等から構成されている。
キャップ部材20Bは、図6に示すように、プランジャ穴21の前端側の底部を構成し、また、キャップ部材20Bには、調整空間12とプランジャ20の外部を連通させる外部リリーフ孔が形成されている。
なお、この外部リリーフ孔を設けなくともよいが、調整空間12内の圧力が過剰に上昇することを防止する観点から設けた方が好ましい。
また、第2実施形態では、ハウジング30の底部32に、外部から圧油室11にオイルを供給するためのオイル供給孔35が形成されている。
また、第2実施形態では、圧力調整機構50は、図6に示すように、シリンダ内周面51aを有したシリンダ部51と、シリンダ部51内に設置されるピストンユニット60と、ピストンユニット60を圧油室11側に向けて付勢するピストンスプリング52と、ピストンユニット60の圧油室11側への移動を規制する第2規制部54とを備えている。
第2実施形態では、プランジャ20の前後方向における一部分がシリンダ部51として機能する。
また、ピストンユニット60が、略円柱状の単一部品として構成されている。
また、第2規制部54が、プランジャ本体20Aのプランジャ穴21の内周壁から内周側に突出して形成された部位として構成されている。
また、第2実施形態では、図6に示すように、ハウジング30の底部32に、オイル供給孔35を通じた外部から圧油室11へのオイルの流入を許容するとともに、オイル供給孔35からのオイルの流出を防止するチェックバルブユニット70が設置されている。
チェックバルブユニット70は、図6に示すように、ハウジング30の底部32の前面に密着して配置されたボールシート71と、ボールシート71に密着可能に着座する球状のチェックボール72と、チェックボール72の前方に配置されチェックボール72の移動を規制するリテーナ73とから構成されている。
なお、チェックバルブユニット70の具体的構成については、圧油室11へのオイルの流入を許容するとともに圧油室11からのオイルの流出を防止するものであれば、如何なるものでもよく、例えば、チェックボール72をボールシート71側に向けて付勢するボールスプリングをチェックボール72とリテーナ73との間に配置してもよい。
次に、第2実施形態の変形例について、図7に基いて説明する。
まず、図7に示す変形例では、キャップ部材20Bが、キャップ本体部20Baと、キャップ本体部20Baの底面から下方に向けて延びる円筒状の柱部20Bbとを一体に有している。
柱部20Bbは、キャップ本体部20Baよりも小径に形成され、ピストンスプリング52の内周側に配置され、ピストンユニット60の調整空間12側への移動を規制する第1規制部53として機能する。このように、ピストンスプリング52の内周に第1規制部53を配置することにより、ピストンスプリング52の径を大きく設計でき、ピストンスプリング52による付勢力を大きく設計することもできる。
また、図7に示す変形例では、調整空間12とプランジャ20の外部を連通させる外部リリーフ孔が、キャップ本体部20Baに、横方向に沿って延びるように形成されている。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。複数の実施形態や変形例の各構成を、任意に組み合わせてテンショナを構成しても何ら構わない。
例えば、上述した実施形態では、テンショナ10が自動車エンジン用のタイミングシステムに組み込まれるものとして説明したが、テンショナ10の具体的用途はこれに限定されない。
また、上述した実施形態では、テンショナ10がテンショナレバーGを介して伝動チェーンCHに張力を付与するものとして説明したが、プランジャ20の先端で直接的に伝動チェーンCHの摺動案内を行い、伝動チェーンCHに張力を付与するようにしてもよい。
さらに、伝動チェーンCHによる伝動機構に限らず、ベルト、ロープ等の類似の伝動機構に適用されてもよく、長尺物に張力を付与することが求められる用途であれば、種々の産業分野において利用可能である。
また、上述した実施形態では、プランジャ20を収容するハウジング30が、エンジンブロック等に取り付けられる所謂テンショナボディであるものとして説明したが、ハウジング30の具体的態様は、上記に限定されず、テンショナボディに形成されたボディ穴内に挿入される円筒状の所謂スリーブであってもよい。
また、上述した実施形態では、シリンダ内周面51aおよびピストン外周面62aの径寸法を僅かな差とすることで、シリンダ内周面51aおよびピストン外周面62aの間を液密状態で保持するものとして説明したが、当該液密状態を保持するための方法は上記に限定されず、例えば、シリンダ内周面51aおよびピストン外周面62aの間に、パッキン等の液密状態を保持するための部材を配置してもよい。
また、上述した実施形態では、プランジャ穴21の内周面の一部をシリンダ内周面51aとして利用するものとして説明したが、シリンダ内周面51a(シリンダ部51)の具体的態様はこれに限定されず、例えば、プランジャ20とは別途に形成されたシリンダ部材をプランジャ穴21内に配置し、当該シリンダ部材の内周面をシリンダ内周面51aとして利用してもよい。
また、上述した実施形態では、第1規制部53や第2規制部54を設けることにより、ピストンユニット60の圧油室11側または調整空間12側への移動を規制するものとして説明したが、このような規制部53、54を設けることなく、メインスプリング(メイン付勢手段)40およびピストンスプリング(ピストン付勢手段)52のばね力(付勢力)を調整することにより、ピストンユニット60の位置を制御するように構成してもよい。
また、上述した第1実施形態では、図2に示すように、圧油室11を前方側に配置するとともにオイルリザーバ(調整空間12)を後方側に配置し、これら圧油室11およびオイルリザーバ(調整空間12)の間にシリンダ部51およびピストンユニット(チェックバルブ)60を設置するものとして説明した。しかしながら、圧油室11を後方側に配置するとともにオイルリザーバ(調整空間12)を前方側に配置し、これら圧油室11およびオイルリザーバ(調整空間12)の間にシリンダ部51およびピストンユニット(チェックバルブ)60を設置してもよい。なお、この場合、ハウジング30の外部からオイルリザーバ(調整空間12)とを連通させるオイル供給路33を、ハウジング30やプランジャ20に形成された溝や孔から構成すればよい。
10 ・・・ テンショナ
11 ・・・ 圧油室
12 ・・・ 調整空間
20 ・・・ プランジャ
20A ・・・ プランジャ本体
20B ・・・ キャップ部材
20Ba ・・・ キャップ本体部
20Bb ・・・ 柱部
21 ・・・ プランジャ穴
22 ・・・ ラック歯
30 ・・・ ハウジング
31 ・・・ プランジャ収容穴
32 ・・・ 底部
33 ・・・ オイル供給路
34 ・・・ 取付部
35 ・・・ オイル供給孔
40 ・・・ メインスプリング(メイン付勢手段)
50 ・・・ 圧力調整機構
51 ・・・ シリンダ部
51a ・・・ シリンダ内周面
52 ・・・ ピストンスプリング(ピストン付勢手段)
53 ・・・ 第1規制部
54 ・・・ 第2規制部
55 ・・・ インナースリーブ
55a ・・・ 凹溝
55b ・・・ 円環部
55c ・・・ スリーブ貫通孔
60 ・・・ ピストンユニット
61 ・・・ チェックバルブユニット
61a ・・・ チェックボール
61b ・・・ ボールシート
61c ・・・ リテーナ
61d ・・・ ボールスプリング
62 ・・・ 外筒部材
62a ・・・ ピストン外周面
62b ・・・ 面取り部
62c ・・・ 設置部
62d ・・・ 規制部
70 ・・・ チェックバルブユニット
71 ・・・ ボールシート
72 ・・・ チェックボール
73 ・・・ リテーナ
80 ・・・ ラチェット

Claims (10)

  1. 後方側に開口したプランジャ穴を有するプランジャと、前記プランジャを収容する前方側に開口したプランジャ収容穴を有するハウジングと、前記プランジャおよび前記プランジャ収容穴の間に形成される圧油室に伸縮自在に収納されて前記プランジャを前方側に向けて付勢するメイン付勢手段と、前記圧油室内のオイル圧を調整する圧力調整機構とを備えたテンショナであって、
    前記圧力調整機構は、シリンダ部と、前記圧油室側に接近および離間可能な状態で前記シリンダ部内に設置され、前記プランジャおよび前記ハウジングの間に形成される空間を前記圧油室と調整空間とに区画するピストンユニットと、前記ピストンユニットを前記圧油室側に向けて付勢するピストン付勢手段とを備え、
    前記シリンダ部と前記ピストンユニットとの間は、前記ピストンユニットが最も前記圧油室側に移動した位置から最も前記調整空間側に移動した位置までの間のいずれの位置においても、液密状態で保持されるように構成されていることを特徴とするテンショナ。
  2. 前記プランジャ穴の内周面の前後方向における一部分が、前記ピストンユニットに対向するシリンダ内周面として機能することを特徴とする請求項1に記載のテンショナ。
  3. 前記圧力調整機構は、前記ピストンユニットの前記調整空間側への移動を規制する第1規制部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテンショナ。
  4. 前記圧力調整機構は、前記ピストンユニットの前記圧油室側への移動を規制する第2規制部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のテンショナ。
  5. 前記ピストン付勢手段としてのピストンスプリングのばね力は、前記メイン付勢手段としてのメインスプリングのばね力よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項4に記載のテンショナ。
  6. 前記テンショナは、前記ハウジングの外部と前記調整空間とを連通させるオイル供給路を有し、
    前記ピストンユニットは、前記調整空間側から前記圧油室側へのオイルの流入を許容するとともに前記圧油室側から前記調整空間側へのオイルの流出を防止するチェックバルブとして構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のテンショナ。
  7. 前記ピストンユニットは、チェックバルブユニットと、前記チェックバルブユニットの外周側に配置される外筒部材とを有し、
    前記外筒部材は、前記シリンダ部に対向するピストン外周面を有していることを特徴とする請求項6に記載のテンショナ。
  8. 前記圧力調整機構は、前記プランジャ穴内に配置されるインナースリーブを備え、
    前記インナースリーブ内には、前記ピストン付勢手段としてのピストンスプリングが配置され、
    前記インナースリーブは、前記ピストンユニットに嵌合していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のテンショナ。
  9. 前記インナースリーブには、その内周面から外周面に貫通するスリーブ貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項8に記載のテンショナ。
  10. 前記プランジャは、円筒状のプランジャ本体と、前記プランジャ本体の前端側に取り付けられたキャップ部材とを有し、
    前記キャップ部材は、キャップ本体部と、前記キャップ本体部の底面から下方に向けて延びる柱部とを一体に有し、
    前記ピストン付勢手段は、前記調整空間内に配置されたピストンスプリングから構成され、
    前記柱部は、前記ピストンスプリングの内周側に配置され、前記ピストンユニットの前記調整空間側への移動を規制する第1規制部として機能することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のテンショナ。
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