JP2018165301A - 成型体用バインダー、成型炭およびコークスの製造方法ならびに成型体用バインダー、成型炭およびコークス - Google Patents

成型体用バインダー、成型炭およびコークスの製造方法ならびに成型体用バインダー、成型炭およびコークス Download PDF

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Abstract

【課題】廃プラスチックをバインダーとして用いる際に、溶媒中への廃プラスチックの分散性および/または溶解性を高めることができる成型体用バインダーの製造方法を提供すること。【解決手段】廃プラスチックと、木質バイオマスを、溶媒中で混合して成型体用バインダーを製造する、成型体用バインダーの製造方法。前記溶媒は石炭系タールであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、成型体用バインダー、成型炭およびコークスの製造方法ならびに成型体用バインダー、成型炭およびコークスに関する。
現在の大型高炉操業においては、高炉内の通気性を保つために高強度コークスを用いることが必要とされている。かかる高強度コークスを製造する手段としては、石炭の充填密度を高めることが有効であり、そのために、石炭を事前に乾燥または予熱する技術あるいは機械的に圧縮する技術といった石炭の事前処理技術が用いられている。
石炭を事前に乾燥または予熱する技術では、石炭中に含まれる水分を減少させることで石炭の充填密度を向上させる。そのため、コークス乾留時に発生するコークス炉壁への押圧が高まり炉壁を損傷させる危険性があり、老朽炉には不向きである。
一方、石炭を事前に機械的に圧縮する技術では、石炭中に含まれる水分を通常の湿炭程度に保つことができ、乾留時に過度な押圧が発生する問題がないとされる。前記機械的に圧縮する技術の一つとして、石炭の一部を、ピッチ、バインダーとともに混練、成型して得られる成型炭を、配合炭に配合し乾留する成型炭配合法が知られている。この成型炭配合法により、高強度コークスが得られ、特に劣質炭の使用範囲の拡大が可能となる。
前記成型炭は、成型炭の成型装置からコークス炉まで搬送される過程で、機械的な衝撃により破損するため、破損を抑制するための所定のハンドリング強度が必要とされる。成型炭が所定のハンドリング強度を有するためには、バインダーの添加および混練が充分に行われる必要がある。バインダーとして、SOP(軟ピッチ)やPDA(プロパン脱れきアスファルト)などが良好な成型能を発揮することが知られているが、いずれも高価であり多量の使用は困難である。特許文献1には、バインダーとして成型能の低い石炭系タールに、廃プラスチックを混合および/または溶解して成型能を向上した混合バインダーを用いた成型炭の製造方法が開示されている。
特開2005−240009号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いると、石炭系タール中に廃プラスチックを分散および/または溶解できずに、廃プラスチックが膨潤した状態となって混合バインダー中に残存する場合があった。そして、かかる混合バインダーを用いて成型炭を製造すると、成型炭の歩留が低下し、また、成型炭の強度が低下して成型炭の品質が低下する場合があった。さらに、このような成型炭からコークスを製造すると、コークスの強度が低下しコークスの品質が低下する場合があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、廃プラスチックをバインダーとして用いる際に、溶媒中への廃プラスチックの分散性および/または溶解性を高めることができる成型体用バインダーの製造方法を提供することを目的とする。また、成型体の強度を高められ成型体の品質をより向上することのできる成型体用バインダーを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の特徴を有する。
[1]廃プラスチックと、木質バイオマスを、溶媒中で混合して成型体用バインダーを製造する、成型体用バインダーの製造方法。
[2]前記溶媒が石炭系タールである、[1]に記載の成型体用バインダーの製造方法。
[3][1]または[2]に記載の成型体用バインダーの製造方法により製造された成型体用バインダーと石炭とを混合した混合物を、加圧成型して成型炭を製造する、成型炭の製造方法。
[4][3]に記載の成型炭の製造方法により製造された成型炭を乾留してコークスを製造する、コークスの製造方法。
[5]廃プラスチックと、木質バイオマスを、溶媒中に分散および/または溶解してなる、成型体用バインダー。
[6]前記溶媒が石炭系タールである、[5]に記載の成型体用バインダー。
[7][5]または[6]に記載の成型体用バインダーと石炭との混合物を成型してなる、成型炭。
[8][7]に記載の成型炭を乾留してなる、コークス。
本発明によれば、廃プラスチックをバインダーとして用いる際に、溶媒中への廃プラスチックの分散性および/または溶解性を向上できる。
また、本発明の成型体用バインダーを用いて成型体を製造することで、成型体の歩留が高められ成型体の生産性を向上できる。さらに、成型体の強度が高められ成型体の品質を向上できる。本発明の成型体用バインダーは、特に成型炭用のバインダーとして好適であり、本発明の成型体用バインダーを用いて製造した成型炭を乾留してコークスとすることで、コークスの強度が高められコークスの品質を向上できる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
(成型体用バインダー)
本発明の成型体用バインダー(以下、単に「バインダー」ともいう)は、廃プラスチックと、木質バイオマスを、溶媒中に分散および/または溶解してなる。本発明のバインダー中には、溶媒中に分散および/または溶解されずに膨潤した状態となった廃プラスチックが存在せず、本発明のバインダーは、均一なスラリー状または木質バイオマスが分散したスラリー状の外観を有する。
<廃プラスチック>
本発明のバインダーは、廃プラスチックを含有することで成型能が高められる。本発明のバインダーは、廃プラスチックを溶媒中に分散および/または溶解した状態で含有することで、その成型能を最大限に発揮することが可能となり、成型体の強度を高められる。廃プラスチックとしては、産業廃棄物や一般廃棄物として排出されるプラスチックまたは前記プラスチックを含む廃棄物等が挙げられる。通常、廃プラスチックは、複数のプラスチックの混合物で構成されている。廃プラスチックに含まれるプラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。廃プラスチックとしては、熱可塑性樹脂を50質量%以上含むものが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましい。
また、廃プラスチックとしては、予め所定の形状に粉砕処理したものを用いることが好ましく、例えば、最大長さが、50mm以下となるように粉砕処理したものを用いることが好ましく、30mm以下となるように粉砕処理したものを用いることがより好ましく、20mm以下となるように粉砕処理したものを用いることがさらに好ましい。
バインダー中の廃プラスチックの含有量は、特に限定されず、適宜に調節される。バインダーの成型能をより高める点、廃プラスチックの有効利用を図る点等からは、廃プラスチックの含有量は、バインダーの総質量に対して5質量%以上とされることが好ましく、10質量%以上とされることがより好ましい。また、溶媒中での廃プラスチックの混合操作がしやすくなりバインダーを製造しやすくなる点、製造したバインダーの粘度が高くなりすぎずバインダーのハンドリング性を良好に維持できる点等からは、廃プラスチックの含有量は、バインダーの総質量に対して50質量%以下とされることが好ましく、40質量%以下とされることがより好ましく、30質量%以下とされることがさらに好ましい。
<木質バイオマス>
木質バイオマスは、前記廃プラスチックの分散および/または溶解を促進する作用を有する。木質バイオマスは、再生可能な生物由来の有機性資源のうち木材からなるものをいい、例えば、樹木の伐採や造材の際に発生した枝葉などの林地残材、製材工場等から発生する樹皮やのこ屑、住宅の解体材や街路樹の剪定枝等の種類があるが、本発明において用いられる木質バイオマスの種類に制限はない。
木質バイオマスとしては、特に限定されないが、スギ、マツ、ユーカリ、ヒノキ等の針葉樹や、シラカバ、ブナ、ケヤキ等の広葉樹等が挙げられる。木質バイオマスとしては、針葉樹を含むものが好ましい。
また、木質バイオマスの形状は、特に限定されないが、例えば、粉状、チップ状等が挙げられる。本発明においては、最大長さが、2mm以下に調整された木質バイオマスを用いることが好ましい。
バインダー中の木質バイオマスの含有量は、特に限定されず、適宜に調節される。廃プラスチックの分散および/または溶解をより促進する点や、木質バイオマスの有効利用を図る点等からは、木質バイオマスの含有量は、バインダーの総質量に対して0.5質量%以上とされることが好ましく、1質量%以上とされることがより好ましい。また、溶媒中での廃プラスチックと木質バイオマスの混合操作がしやすくなりバインダーを製造しやすくなる点、製造したバインダーのハンドリング性を良好に維持できる点あるいは成型体の強度への影響等を考慮すると、木質バイオマスの含有量は、バインダーの総質量に対して20質量%以下とされることが好ましく、10質量%以下とされることがより好ましい。
また、前記廃プラスチックと前記木質バイオマスの含有割合は、特に限定されず、適宜に調節されるが、廃プラスチック100質量部に対して、木質バイオマスを、5〜50質量部含有することが好ましく、10〜30質量部含有することがより好ましい。廃プラスチックに対する木質バイオマスの含有割合が前記下限値以上であると、廃プラスチックの分散性および/または溶解性をより高められる。また、廃プラスチックに対する木質バイオマスの含有割合が前記上限値以下であると、バインダーのハンドリング性や、成型体の強度等の品質をより高められやすくなる。
<溶媒>
溶媒としては、プラスチックを分散および/または溶解可能な有機化合物からなる溶媒を用いることが好ましい。また、溶媒としては、バインダーおよび成型体を製造する際に、揮発しない程度の沸点を有することが好ましい。さらに、本発明のバインダーを用いて成型炭を製造する場合には、その後乾留した際に固形分が残留する、芳香族基を有する有機化合物からなる溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、石油系タールおよび/または石炭系タールを用いることが好ましく、石炭系タールを用いることがより好ましい。
石炭系タールとしては、コールタール、コールタールピッチ、タール滓等が挙げられる。これらの石炭系タールは、コークスの製造工程において発生するコークス炉ガスを精製する際に、副産物として回収されたタール等を分離して得られるものである。具体的には、前記回収されたタール等から、デカンター等によってコールタールとタール滓とを分離し、前記コールタールから蒸留によってコールタールピッチが得られる。
本発明によれば、溶媒としてタール滓を用いることができ、タール滓の有効利用を図れる。タール滓には、石炭微粉、微粉コークス、半成コークス粉等からなるスラッジが含まれており、一例として、タール滓は、40〜50質量%のスラッジと50〜60質量%のコールタールとから構成される。かかるタール滓は粘度が高く流動性に乏しいため、タール滓を溶媒として用いる場合には、タール滓をコールタール及び/または水で希釈し流動性を高めて用いることが好ましい。
本発明においては、タール滓の有効利用を図りつつ、かつ、タール滓のハンドリング性を向上する点等から、溶媒として、タール滓をコールタールと水で希釈した溶媒(以下、「タール滓希釈溶媒」ともいう)を用いることが好ましい。前記タール滓希釈溶媒は、タール滓をそのまま溶媒として用いるよりも、流動性が高くハンドリング性に優れる。一例として、タール滓希釈溶媒は、コールタール40〜90質量%とスラッジ5〜30質量%と水(水分)5〜30質量%を含有する。
バインダー中の溶媒の含有量は、特に限定されず、適宜に調節される。溶媒中での廃プラスチックと木質バイオマスの混合操作がしやすくなる点、バインダーのハンドリング性を良好に維持できる点等から、溶媒の含有量は、バインダーの総質量に対して、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。また、溶媒の含有量が多くなりすぎると相対的に廃プラスチックおよび木質バイオマスの含有量が少なくなり、成型体の強度の向上効果が得られにくくなる点等から、溶媒の含有量は、バインダーの総質量に対して、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましい。
また、前記溶媒と前記廃プラスチックとの含有割合は、特に限定されず、適宜に調節されるが、成型体の強度がより高められる点や、廃プラスチックの有効利用を図る点等から、溶媒100質量部に対する廃プラスチックの含有割合を、10質量部以上とすることが好ましく、15質量部以上とすることがより好ましく、20質量部以上とすることがさらに好ましい。また、溶媒中での廃プラスチックの混合操作がしやすくなる点、バインダーのハンドリング性を良好に維持できる点等から、溶媒100質量部に対する前記廃プラスチックの含有割合を、50質量部以下とすることが好ましく、40質量部以下とすることがより好ましく、30質量部以下とすることがさらに好ましく、30質量部未満とすることが特に好ましい。
また、前記溶媒と前記木質バイオマスとの含有割合は、特に限定されず、適宜に調節されるが、廃プラスチックの分散性および/または溶解性をより高める点、木質バイオマスの有効利用を図る点等から、前記溶媒100質量部に対する前記木質バイオマスの含有割合を、0.5質量部以上とすることが好ましく、1質量部以上とすることがより好ましく、3質量部以上とすることがさらに好ましい。また、製造したバインダーのハンドリング性や、成型体の強度への影響等を考慮すると、前記溶媒100質量部に対する前記木質バイオマスの含有割合を、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下とすることがより好ましい。
バインダーを製造する際には、前記溶媒に、前記廃プラスチックと前記木質バイオマスを添加し、溶媒中で、廃プラスチックと木質バイオマスを混合する。混合方法は、特に限定されず、各種の撹拌・混合装置を用いることができる。前記装置としては、溶媒を加熱しながら廃プラスチックと木質バイオマスを混合できるものが好ましい。また、前記装置として、高速剪断が可能なホモジナイザー等を用いることも好ましい。
また、バインダーを製造する際には、廃プラスチックの分散および/または溶解を促進するために、溶媒を加熱して混合することが好ましい。混合温度としては、60〜250℃が好ましく、150℃〜220℃がより好ましい。混合温度が、前記下限値以上であると、廃プラスチックの分散性および/または溶解性がより高められる。また、混合温度が前記上限値以下であると、成分の揮発等によりバインダーの成分組成が変わることを抑制しやすくなる。
本発明においては、溶媒中で、廃プラスチックを木質バイオマスとともに混合することで、溶媒中への廃プラスチックの分散および/または溶解を促進することができる。そのメカニズムは、必ずしも明らかでないが、以下のように推定している。
廃プラスチックが溶媒中に分散および/または溶解する過程においては、廃プラスチックの高分子鎖間へ溶媒分子が入り込む。これにより廃プラスチックは膨潤する。この状態から、さらに廃プラスチックの高分子鎖間への溶媒分子の入り込みが進行すると、廃プラスチックの高分子鎖がばらばらになり溶媒分子に囲まれた状態、すなわち、廃プラスチックの高分子鎖が溶媒中に分散および/または溶解した状態となる。
すなわち、上記のような廃プラスチックの分散および/または溶解過程において、廃プラスチックの高分子鎖間への溶媒分子の入り込みが十分に進行しないと、廃プラスチックが膨潤した状態のまま溶媒中に残存することになる。
本発明では、廃プラスチックとともに木質バイオマスを溶媒中で混合する。木質バイオマスは、溶媒中で混合された際、膨潤した廃プラスチックに衝突する。この衝突力により、前記廃プラスチックの裁断が促進され、これにより溶媒中への廃プラスチックの分散性および/または溶解性が高められる。また、木質バイオマスが存在すると、廃プラスチックが溶融してプラスチック同士で凝集するのを抑制することができる。木質バイオマスが存在すると、廃プラスチックが凝集しようとする際に、木質バイオマスを巻き込んで凝集するので、凝集物ができても脆弱なものとなり攪拌によって細かく分散され、その結果表面積が小さくなった廃プラスチックは溶媒に溶解しやすくなる。
上記のような木質バイオマスの化学的な作用または物理的な作用もしくはこれら両方の作用により、溶媒中への廃プラスチックの分散および/または溶解が促進されるものと考えられる。
本発明のバインダーは、例えば、成型炭、固形燃料、金属、金属酸化物、スラグ等の各種の成型体を製造する際に用いることができる。本発明のバインダーは、成型炭を製造する際に用いるバインダーとして好適である。
(成型炭)
本発明の成型炭は、上記バインダーと石炭との混合物を成型してなる。バインダーと石炭の混合割合は、特に限定されず、適宜に調節されるが、石炭100質量部に対して、バインダーを1〜20質量部混合することが好ましい。バインダーの混合割合が前記下限値以上であると成型体の強度がより高められる。また、バインダーの混合割合が前記上限値以下であると、成型時にバインダーと石炭の混合物が柔らかくなりすぎて成型しにくくなることを抑制しやすくなり、さらに、その後乾留した際にバインダー成分が溶融、揮発することにより空間が形成され密度が低下し乾留物(コークス)の強度が低下するのを抑制しやすくなる。
また、成型炭を製造する際には、前記混合物に、さらに固形バインダーを添加してもよい。固形バインダーとしては、常温(25℃)で固体の固形ピッチ、例えば、軟ピッチ(SOP)、アスファルトピッチ(ASP)、プロパン脱れきアスファルト(PDA)等を用いることが好ましい。
前記混合物に、固形バインダーを添加する場合、その添加量は、特に限定されないが、例えば石炭100質量部に対して前記固形バインダーを0.5〜15質量部添加することができる。
バインダーと石炭との混合温度は、特に限定されないが、製鉄所内においては蒸気の使用が適しているため、蒸気で加熱可能な温度範囲である120℃以下程度とすることが好ましい。また混合方法についても、特に限定されないが、スクリュー方式あるいは攪拌羽根等の撹拌機を有する混合装置等を適宜使用すればよい。攪拌羽根を用いた混合装置を使用する場合は、攪拌性能を確保する為、150rpm以上の攪拌速度を確保できるモーター駆動力を備える混合装置を用いることが好ましい。
その後、前記混合物を加圧成型して成型炭とする。加圧成型に用いる成型機は、特に限定されず、押し出し成型機でも、ダブルロール式の成型機でも適宜に利用可能である。また、成型後のハンドリング等を考慮して、成型機自体を加熱できるもの、もしくは成型前に加熱混合機構を有する成型機を用いることが好ましい。成型炭の形状は任意であるが、例えば豆炭状に成型される。成型炭の大きさは、特に限定されないが、成型炭をコークスの製造原料とする場合には、コークス炉での乾留後の大きさが通常のコークスと同程度となることが好ましく、具体的には18cm〜75cmとすることが好ましい。
(コークス)
本発明のコークスは、上記成型炭を乾留してなる。乾留は、成型炭をコークス炉に装入して行われる。この際、成型炭を石炭と混合して石炭とともに乾留することが好ましい。これにより高炉用として好適なコークスを得ることができる。コークス炉に装入する際の成型炭と石炭の混合割合は、成型炭の形状等に応じて適宜に調節されるが、石炭100質量部に対して、成型炭1〜40質量部を混合することが好ましい。成型炭の混合割合が前記下限値以上であると、コークスの強度がより高められる。成型炭の混合割合が前記上限値以下であると、コークス炉における装入密度が高くなり過ぎず、コークスの押し詰まりや、コークス炉の炉壁損傷を抑制しやすくなる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(成型体用バインダーの製造)
廃プラスチックと、木質バイオマスを、溶媒中で混合して成型体用バインダーを製造した。
廃プラスチックとしては、容器包装リサイクル法の対象であるプラスチック製容器包装廃棄物からあらかじめ異物除去を行い、最大長さ20mm以下に破砕したものを用いた。前記廃プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂を含むものであって、工業分析値で、灰分:3.5%、揮発分:95.2%であり、化学分析値で、C:75.8%、H:10.3%、O:8.8%、N:0.2%、S:0.1%の性状を有するものである。また、木質バイオマスとしては、最大長さ2mm以下に調整されたスギを用いた。溶媒としては、タール滓希釈溶媒(コールタール80質量%、スラッジ10質量%、水分10質量%)を用いた。
前記廃プラスチックと、木質バイオマスと、溶媒とをアジテーターに装入し、200℃、150rpmの条件で、120分間混合し、成型体用バインダーを製造した(実施例1)。
また、木質バイオマスを用いなかったこと以外は、上記と同様にして成型体用バインダーを製造した(比較例1)。また、前記タール滓希釈溶媒をそのまま成型体用バインダーとしたものを比較例2とした。各成型体用バインダーの構成を表1に示す。
また、製造した成型体用バインダー(実施例1、比較例1)を観察し、溶媒中に分散および/または溶解できずに、膨潤した状態となって存在する廃プラスチックの有無を目視で確認し、廃プラスチックの分散性および/または溶解性を評価した。結果を表1に示す。
(成型炭の製造)
石炭95質量%とコールタールピッチ5質量%を含む混合物27kgに対して、水分が9.5質量%となるように水を添加し、さらに、軟ピッチ(SOP)を1質量%添加して混合し予備混合物を得た。この予備混合物に対し、上記各成型体用バインダーを5.5質量%外枠で添加し、混練した後、カップ容量55ccのダブルロール型の成型機により加圧成型し、成型炭を製造した。その際の歩留を表1に示す。
また、得られた成型炭を、25℃一定とした室内で1時間放置した後、水平面に静置し、短軸方向に10mm/分で圧縮を行い破壊時の最大値を圧潰強度として測定し、成型炭の強度を評価した。結果を表1に示す。
(コークスの製造)
上記成型炭を、1050℃で6時間乾留しコークスを製造した。前記コークスを、内径130mm×高さ700mmの円筒状容器に10個投入し、20rpmの回転速度で600回転した後、目開き9.5mmの篩にかけ、篩上に残ったコークスの質量割合を求め、コークスの強度を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018165301
表1に示されるように、本発明の製造方法により製造した成型体用バインダー(実施例1)は、膨潤した廃プラスチックが観察されず、廃プラスチックを溶媒中に分散および/または溶解することができた。また、前記バインダー中には木質バイオマスも均一に分散し、前記バインダーは、全体として均一なスラリー状の外観を有していた。
特に、本実施例のように、熱可塑性樹脂を含む廃プラスチックをコールタールを含む溶媒中に分散および/または溶解しようとする場合、廃プラスチックが溶媒の表面に浮上して凝集しやすくなるが、溶媒中に木質バイオマスを存在させることで、凝集物ができても撹拌により細かく分散することができ、その結果、廃プラスチックを溶媒中に良好に分散および/または溶解することができる。
これに対して、木質バイオマスを用いずに製造した成型体用バインダー(比較例1)では、廃プラスチックを溶媒中に分散および/または溶解できず、膨潤した廃プラスチックが観察された。なお、前記膨潤した廃プラスチックは、バインダーの表面(バインダーを容器に収容した際のバインダーと大気との界面)に浮かぶようにして残存しており、その状態を撮像して画像解析したところ、前記膨潤した廃プラスチックの面積は、バインダーの表面積の37%を占めた。
さらに、実施例1の成型体用バインダーを用いて成型炭を製造した場合、比較例1の成型体用バインダーを用いて成型炭を製造した場合と比較して、成型炭の歩留が向上した。また、実施例1の成型体用バインダーを用いて製造した成型炭は、比較例1、比較例2の成型体用バインダーを用いて製造した成型炭よりも強度が高くなり品質が向上した。さらに、実施例1の成型体用バインダーを用いて製造したコークスは、比較例1、比較例2の成型体用バインダーを用いて製造したコークスよりも強度が高くなり品質が向上した。
以上、説明したとおり、本発明によれば、廃プラスチックをバインダーとして用いる際に、溶媒中への廃プラスチックの分散性および/または溶解性を向上できる。そのため、バインダーに廃プラスチックをより多く混合することが可能となり、また、バインダーの成型能を最大限に発揮することが可能となり、成型体の強度向上や廃プラスチックの有効利用を図れる。また、本発明の成型体用バインダーを用いて成型体を製造することで、成型体の歩留が向上し成型体の生産性が高められる。さらに、成型体の強度が高められ成型体の品質を向上できる。また、本発明の成型体用バインダーを用いて製造した成型炭を乾留してコークスとすることで、コークスの強度が高められコークスの品質を向上できる。

Claims (8)

  1. 廃プラスチックと、木質バイオマスを、溶媒中で混合して成型体用バインダーを製造する、成型体用バインダーの製造方法。
  2. 前記溶媒が石炭系タールである、請求項1に記載の成型体用バインダーの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の成型体用バインダーの製造方法により製造された成型体用バインダーと石炭とを混合した混合物を、加圧成型して成型炭を製造する、成型炭の製造方法。
  4. 請求項3に記載の成型炭の製造方法により製造された成型炭を乾留してコークスを製造する、コークスの製造方法。
  5. 廃プラスチックと、木質バイオマスを、溶媒中に分散および/または溶解してなる、成型体用バインダー。
  6. 前記溶媒が石炭系タールである、請求項5に記載の成型体用バインダー。
  7. 請求項5または6に記載の成型体用バインダーと石炭との混合物を成型してなる、成型炭。
  8. 請求項7に記載の成型炭を乾留してなる、コークス。
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