JP2018164926A - 通気性鋳型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の製品キャビティが鉛直方向に配された、注入歩留りに優れる通気性鋳型を提供する。【解決手段】 湯口部と、製品キャビティと溶湯流路とからなり前記溶湯流路は鉛直方向の湯道を有して前記湯口部に連通するように構成される鋳型キャビティとを有する通気性鋳型であって、前記鋳型キャビティよりも小さく前記製品キャビティよりも大きい体積の仮想の液体が前記鋳型キャビティ内において重力下で静置された平衡状態を仮定したときの前記仮想の液体の液面の高さが互いに異なるように構成された複数の前記鋳型キャビティを有し、前記仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,・・・,第Nの鋳型キャビティとするとき、任意のNについて、第N−1の鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道は、第Nの鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道と前記第N−1の鋳型キャビティの前記仮想の液体の液面以上の高さの接続位置で連通するように構成されている通気性鋳型。【選択図】 図1

Description

本発明は通気性鋳型、特に複数の製品キャビティが鉛直方向に配された通気性鋳型に関するものである。
通気性鋳型のキャビティのうちの一部である所望のキャビティ部分に金属溶湯(以下、溶湯ともいう。)を充填するため、通気性鋳型のキャビティ全体の体積よりも小さく、所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を重力注湯し、注湯された溶湯が所望のキャビティ部分に充填される前に、湯口部からガス(圧縮ガス)を送気して所望のキャビティ部分に溶湯を充填して凝固させる鋳造物品の製造方法(以下、送気加圧鋳造法という場合がある。)が、特許文献1および特許文献2に開示されている。
特開2007−75862号公報 特開2010−269345号公報
特許文献2には、送気加圧鋳造を、製品キャビティが鉛直方向に複数配された鉛直方向の見切り(分割面)を有する通気性鋳型(以下、縦込め鋳型ともいう。)に適用する形態が開示されている(例えば、実施例2に係る、段落0085〜段落0089および図4〜図6を参照)。この形態では、鋳型キャビティとして、湯口部、下段横湯道部、上段横湯道部、縦湯道部、押湯部、および4つの製品部(以下、製品キャビティともいう。)から構成され、溶湯を充填したい所望のキャビティ部分は、押湯部と4つの製品部のすべてと下段湯道部と上段横湯道の一部としている(段落0086)。そして、この形態において、溶湯を充填したい所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯を注湯した状態の例として、下方に配された2つの製品部は完全に充填されていて、これらよりも上方に配された2つの製品部には充填されていない状態が示されている(段落0087および図4)。
特許文献2に開示のように、送気加圧鋳造法を縦込め鋳型に適用する場合の多くは、所望のキャビティ部分とほぼ等しい体積の溶湯が注湯された段階において、下方の製品キャビティは既に溶湯で満たされた状態としなければならない。注湯完了段階において、湯面が鋳型キャビティ全体にわたって一律の高さにしかならないような湯道構造となっているためである。したがって、注入歩留りをより高めるように、最上方の鋳型キャビティより下方に配される個々の製品キャビティにまで、所望のキャビティ部分に相当する溶湯の体積をできるだけ少なく個別に設定することができない。このため、通常の縦込め鋳型のような湯道構造の通気性鋳型に対しては、送気加圧鋳造を適用しても注入歩留りを高める効果を十分に得ることが難しい。
本発明の目的は、送気加圧鋳造法の適用により注入歩留りを向上できる、複数の製品キャビティが鉛直方向に配された通気性鋳型を提供することである。
すなわち本発明は、上面に開口する受湯部と前記受湯部に連通し下方に延伸する導入管部とからなる湯口部と、製品キャビティと前記製品キャビティに連通する溶湯流路とからなり、前記溶湯流路は鉛直方向の湯道を有して前記湯口部に連通するように構成される
鋳型キャビティとを有し、前記鋳型キャビティの体積よりも小さく、前記製品キャビティの体積よりも大きい体積の金属溶湯を前記鋳型キャビティに重力注湯し、次いで前記湯口部からガスを送気して、前記溶湯流路内の金属溶湯を押込むことで前記製品キャビティ内の金属溶湯を押し上げて、前記製品キャビティを金属溶湯で充填する鋳造物品の製造方法に用いられる通気性鋳型であって、前記鋳型キャビティの体積よりも小さく、前記製品キャビティの体積よりも大きい体積の仮想の液体(ここで、仮想の液体とは、凝固、蒸発、膨張、収縮、鋳型への浸み込みおよび気体の吸収や放出がない液体である。)が前記鋳型キャビティ内において重力下で静置された平衡状態を仮定したときの前記仮想の液体の液面の高さが互いに異なるように構成されたN個(ここで、Nは2以上の整数である。)の前記鋳型キャビティを有し、前記N個の鋳型キャビティを、前記仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,第2,・・・,第N−1、および第Nの鋳型キャビティとするとき、任意のNについて、第N−1の鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道は、第Nの鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道と前記第N−1の鋳型キャビティの前記仮想の液体の液面以上の高さの接続位置で連通するように構成されている通気性鋳型である。
である。
本発明の他の一形態は、第Nの前記鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道の前記接続位置は、任意のNについて同一の前記湯口部である。
本発明のさらに他の一形態は 第Nの前記鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道の前記接続位置は、任意のNについての前記受湯部の前記上面に開口する面である。
本発明は、鉛直方向の見切りを有する通気性鋳型であることが好ましい。
本発明により製品キャビティ毎に必要かつ最少量の金属溶湯を供給可能となるので、送気加圧鋳造法の適用により注入歩留りを向上できる、複数の製品キャビティが鉛直方向に配された通気性鋳型が提供される。
本発明の実施の形態1に係る通気性鋳型を説明する模式断面図である。 本発明の実施の形態2に係る通気性鋳型を説明する模式断面図である。 本発明の実施の形態3に係る通気性鋳型を説明する模式断面図である。
(送気加圧鋳造法)
本発明が適用される送気加圧鋳造法は、特許文献1および特許文献2に開示されるように、通気性鋳型の湯口部から溶湯流路内に金属溶湯を供給し、次いで湯口部からガスを送気して、溶湯流路内の金属溶湯を押込むことで前記溶湯流路内の金属溶湯を所望のキャビティ部分に供給し、前記所望のキャビティ部分を構成する製品キャビティ内を金属溶湯で充填する方法である。
本発明は上述の送気加圧鋳造法に好適な通気性鋳型であって、鉛直方向に見切り(分割面)を有する縦込め鋳型に適用するのが特に好ましいが、これに限定されず、製品キャビティが鉛直方向に複数配された通気性鋳型であれば適用可能である。例えば、水平方向の見切り(分割面)を有する横込めの通気性鋳型であってもよい。あるいは見切りを有さない、例えば消失模型によりキャビティが画成された通気性鋳型であってもよい。
本発明の通気性鋳型は、その構成材料の観点では、生砂型、シェル型、自硬性型その他の砂粒子を用いて造型された一般的な鋳型であってよいが、セラミックス粒子や金属粒子を用いて造型された鋳型も適用できる。石膏などのほとんど通気性のない鋳型でも、通気性材料を混在させる、又は部分的に通気性材料を用いて十分な通気性をもたせることによって通気性鋳型として使用可能である。さらに、金型のように全く通気性のない材料を用いた鋳型であっても、ベントホール等その他の通気孔を設けて通気性をもたせた場合には通気性鋳型として使用可能である。
金属溶湯として、鋳鉄、鋳鋼などの鉄合金、アルミニウム合金、銅合金、マグネシウム合金、亜鉛合金などの一般的な鋳造物品の製造に使用される金属材料の溶湯を使用することができる。
送気加圧鋳造法によれば、湯口部からガスを送気する方法により、鋳型キャビティ全体の体積よりも小さい体積の溶湯でも、製品キャビティに充填することが可能である。従来の通気性鋳型を用いた重力注湯による鋳造法では、製品部だけでなく、一般に製品部以外の全キャビティにも溶湯を充填して凝固させることが健全な製品を得るために不可欠であることから、注入歩留りは高々70%程度に留まって、それ以上に大幅な向上は見込めない。これに対して送気加圧鋳造方法を用いれば、鋳型キャビティの全体の体積よりも小さく、製品キャビティよりも大きい体積の溶湯を重力注湯することにより、原理的には注入歩留りをほぼ100%にできる可能性がある。ただし、縦型に適用する場合は、前述した課題があるため、以下に述べる本発明の構成とすることが好ましい。
次に、本発明の通気性鋳型の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、これらはそれぞれの類例の一形態を示すものであって、以下に示す形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る通気性鋳型の模式断面図である。図1(a)は後述する仮想の液体Qを注入後の重力下で静置された平衡状態にある段階、図1(b)は次いで送気加圧鋳造法を適用して製品キャビティに仮想の液体Qが充填されている段階を示すものである。図1は、3つの鋳型キャビティが鉛直方向に配置された通気性鋳型を例示したものである。通気性鋳型1はその上面に開口する一の受湯部2xと、受湯部2xに連通し下方に延伸する導入管部2yとからなる湯口部2を有している。第1の鋳型キャビティ5aは、製品キャビティ3aと製品キャビティ3aに連通する溶湯流路4aとからなる。溶湯流路4aは鉛直方向の湯道4a1を有していて、この湯道4a1を介して湯口部2(導入管部2y)に連通する構成としている。また、第2の鋳型キャビティ5bは、製品キャビティ3bと製品キャビティ3bに連通する溶湯流路4bとからなり、溶湯流路4bは鉛直方向の湯道4b1を有していて、湯道4b1が湯道4a1と接続位置6aで接続することにより湯道4a1を介して湯口部2に連通する構成としている。さらに同様に、第3の製品キャビティ5cは、製品キャビティ3cと製品キャビティ3cに連通する溶湯流路4cとからなり、溶湯流路4cは鉛直方向の湯道4c1を有していて、湯道4c1が湯道4b1と接続位置6bで接続することにより湯道4b1を介して湯口部2に連通する構成としている。つまり、接続位置6aおよび6bは互いに異なる鉛直方向の湯道に配されていて、溶湯流路4a、4bおよび4cは互いに同一の鉛直方向の湯道からは分岐しない形態としている。
次に、仮想の液体Qを用いて本発明の通気性鋳型の特徴を詳しく説明する。仮想の液体Qとは、凝固、蒸発、膨張、収縮、鋳型への浸み込みおよび気体の吸収や放出がない液体であり、その体積をVとする。
図1(a)において、仮想の液体Qを湯口部2(受湯口2x)から静かに注ぐ工程を考える。受湯口2xより通気性鋳型1の外部より注入された仮想の液体Qは、導入管2yを経て最初に湯道4a1を流下することにより、溶湯流路4aを経て製品キャビティ3aに流入し、鋳型キャビティ5aにおいて体積Vaの仮想の液体Qaとして導入される。ここで体積Vaは、第1の鋳型キャビティ5aの体積よりも小さく、製品キャビティ3aの体積よりも大きい体積である。
鉛直方向に垂直な任意の面(実施の形態1では通気性鋳型1の底面とする。以下の実施の形態も同様。)を高さの基準L(L=0、鉛直上向きに正の値。以下の実施の形態も同様。)とするとき、重力下で静置された平衡状態において、仮想の液体Qaが第1の鋳型キャビティ5aに存在する形態は、仮想の液体Qaの液面Saの高さhaが、接続位置6aの高さha以下となる形態である。言い換えれば、接続位置6aの高さは仮想の液体Qaの高さha以上である。図1(a)では、液面Saの高さhaが接続位置6aの高さに等しい形態で示す。
引き続いて、残りの体積V−Vaの仮想の液体Qを湯口部2から注いでいく工程を考える。仮想の液体Qはこれ以上鋳型キャビティ5aには流入できないので、接続位置6aで分岐する湯道4b1を流下することにより、溶湯流路4bを経て製品キャビティ3bに流入して、鋳型キャビティ5bにおいて、体積V−Vaの一部である体積Vbの仮想の液体Qbとして導入される。ここで体積Vbは、第2の鋳型キャビティ5bの体積よりも小さく、製品キャビティ3bの体積よりも大きい体積である。
静置された平衡状態において、仮想の液体Qbが第2の鋳型キャビティ5bに存在する形態は、仮想の液体Qbの液面Sbの高さhbが、接続位置6bの高さhb以下となる形態である。言い換えれば接続位置6bの高さは仮想の液体Qbの高さhb以上である。図1(a)では、液面Sbの高さhbが接続位置6bの高さに等しい形態で示す。
さらに引き続いて、残りの体積V−Va−Vbの仮想の液体Qを湯口部2から注いでいく工程を考える。仮想の液体Qはこれ以上鋳型キャビティ5bには流入できないので、接続位置6bで分岐する湯道4c1を流下することにより、溶湯流路4cを経て製品キャビティ3cに流入して、鋳型キャビティ5cにおいて体積Vc(=V−Va−Vb)の仮想の液体Qcとして導入される。ここで体積Vcは、第3の鋳型キャビティ5cの体積よりも小さく、製品キャビティ3bの体積よりも大きい体積である。
このように、通気性鋳型1の鉛直方向に配置された3つの鋳型キャビティ5a、5b、および5cは、いずれもそれぞれ鉛直方向の湯道4a1、4b1、および4c1を有し、図1に示す2つの接続部6aおよび6bによって、仮想の液体Qが第1の鋳型キャビティ5a、第2の鋳型キャビティ5b、および第3の鋳型キャビティ5cに分離して注入可能に構成され、それぞれの仮想の液体Qa、Qb、およびQcの液面高さha、hbおよびhcがha>hb>hcの順で互いに異なる高さになるように構成されている。
すなわち、本実施の形態に係る通気性鋳型1は、鋳型キャビティの体積よりも小さく、製品キャビティの体積よりも大きい体積の仮想の液体が鋳型キャビティ内において重力下で静置された平衡状態を仮定したときの仮想の液体の液面の高さが互いに異なるように構成された3個の鋳型キャビティ5a、5b、および5cを有し、3個の鋳型キャビティを、仮想の液体の液面の高さが高い順に第1、第2、第3の鋳型キャビティとするとき、第2の鋳型キャビティ5bの鉛直方向の湯道4b1は、第1の鋳型キャビティ5aの鉛直方向の湯道4a1と第1の鋳型キャビティ5aの仮想の液体Qaの液面Saの高さhaの接続位置6aで連通するように構成されており、第3の鋳型キャビティの鉛直方向の湯道4c1は、第2の鋳型キャビティ5bの鉛直方向の湯道4b1と第2の鋳型キャビティ5bの仮想の液体Qbの液面Sbの高さhbの接続位置6bで連通するように構成されている。この構成により、静置された平衡状態において鋳型キャビティ同士でそれぞれの仮想の液体が互いに分離、すなわち鋳型キャビティ毎に仮想の液体を分離して独立に存在させることが可能である。
次いで、図1(b)に示すように、送気部材7を受湯口2xに被せてガスGを送気する工程を考える。複数の矢印でその送気方向を示すガスGが、仮想の液体Qa、QbおよびQcをそれぞれ押込むことにより、製品キャビティ3a、3bおよび3c内の仮想の液体を押し上げて、製品キャビティ3a、3bおよび3c内をそれぞれ仮想の液体Qa、QbおよびQcで満たすことができる。充填されたときの仮想の液体の液面Sa1、Sb1、およびSc1は、それぞれの溶湯流路4a、4bおよび4c内に位置することになるが、仮想の液体Qはできるだけ少ない量とすることが好ましいので、その液面Sa1、Sb1およびSc1の位置はそれぞれ製品キャビティ3a、3bおよび3cに対してできるだけ近い位置となるように体積Va、VbおよびVcを設定することが可能である。つまり、製品キャビティ3a、3b、および3cを満たすのに必要かつ十分な仮想の液体Qの体積V(=Va+Vb+Vc)を設定することができる(以下の実施の形態についても同様である。)。
以上のように、実施の形態1の通気性鋳型1の特徴を仮想の液体Qを用いて説明したが、仮想の液体Qに替えて、実際の鋳造において金属溶湯Mを用いても同様の効果を得ることが可能である(以下の実施の形態についても同様である。)。また、実施の形態1は3つの鋳型キャビティに対して同一の湯口部2(受湯口2x)であるので、湯口部2に覆い被せて接続する送気部材7は1つ用いれば足り、効率よく金属溶湯Mを各製品キャビティに充填することが可能である。
なお、図1では、実施の形態1の鋳型キャビティ5としてその数を3個としているが、4個以上の構成とすることも可能である。すなわち、N個(但し、N=2以上)の鋳型キャビティを有する通気性鋳型は、仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,第2,・・・,第N−1、および第Nの鋳型キャビティとするとき、任意のNについて、第N−1の鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道は、第Nの鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道と前記第N−1の鋳型キャビティの前記仮想の液体の液面の高さ以上の接続位置で連通するように構成される。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2に係る通気性鋳型11の模式断面図である。図2(a)は仮想の液体Qを注入後の重力下で静置された平衡状態にある段階、図2(b)は次いで送気加圧鋳造法を適用して製品キャビティに仮想の液体Qが充填されている段階を示すものである。実施の形態1における図1と同様に、製品キャビティ3a、3bおよび3cの3つ(N=3)を有する例としているが、実施の形態2では接続位置16、すなわち第1の鋳型キャビティ15aと第2の鋳型キャビティ15bの接続位置16a、および第2の鋳型キャビティ15bと第3の鋳型キャビティ15cの接続位置16bは、受湯部12xの底面である構成、すなわち通気性鋳型11のすべての鋳型キャビティの鉛直方向の湯道の接続位置が同一の湯口部(受湯部)にある構成としていることが、実施の形態1とは異なる。
この実施の形態2の湯口部の構成を詳しく説明する。図2に示す実施の形態2の湯口部12は、通気性鋳型11の上面に開口する一つの受湯部12xと、互いに独立に受湯部12xに連通し下方に延伸する3つの導入管部12ay、12by、および12cyとからなる。また、第1の鋳型キャビティ15aは製品キャビティ3aと製品キャビティ3aに連通する溶湯流路14aとからなり、溶湯流路14aは鉛直方向の湯道14a1を有し、鉛直方向の湯道14a1が導入管部12ayに連通することにより湯口部12に直接連通している。同様に、鉛直方向の湯道14b1を有する溶湯流路14bと製品キャビティ3bとからなる第2の鋳型キャビティ15bは導入管12byに連通することにより湯口部12に直接連通し、鉛直方向の湯道14c1を有する溶湯流路14cと製品キャビティ3cとからなる第3の鋳型キャビティ15cは導入管12cyに連通することにより湯口部12に直接連通する構成となっている。このため、第1の鋳型キャビティ15aと第2の鋳型キャビティ15bはそれぞれ導入管部12ayと導入管部12byを介して、受湯部12xの底部をなす接続位置16aで連通し、同様に、第2の鋳型キャビティ15bと第3の鋳型キャビティ15cはそれぞれ導入管部12byと導入管部12cyを介して、受湯部12xの底部をなす接続位置16bで連通する構成としている。
この湯口部12の構成により、体積Vの仮想の液体Qのうち、体積Vaの仮想の液体Qaを第1の鋳型キャビティ15aに、体積Vbの仮想の液体Qbを第2の鋳型キャビティ15bに、体積Vbの仮想の液体Qcを第3の鋳型キャビティ15cに、それぞれ独立に受湯部22xから注入することが可能である。
したがって実施の形態2に係る通気性鋳型11においても、実施の形態1と同様に、体積Va、VbおよびVcを、それぞれ、製品キャビティ3a、3bおよび3cよりも大きく、第1の鋳型キャビティ15a、第2の鋳型キャビティ15bおよび第3の鋳型キャビティ15cの体積よりも小さい体積とすることが可能である。そして仮想の液体Qa、QbおよびQcが、注入後に重力下で静置された平衡状態にあるとき、接続部位16の高さは、仮想の液体Qaの液面S1aの高さh1a以上の位置に構成される。そして、仮想の液体Qbの液面S1bの高さh1b、仮想の液体Qcの液面S1cの高さh1cとするとき、h1a>h1b>h1cの関係を有するように構成可能である。
すなわち、実施の形態2に係る通気性鋳型11は、鋳型キャビティの体積よりも小さく、製品キャビティの体積よりも大きい体積の仮想の液体が鋳型キャビティ内において重力下で静置された平衡状態を仮定したときの仮想の液体の液面の高さが互いに異なるように構成された3個の鋳型キャビティ15a、15b、および15cを有し、3個の鋳型キャビティを、仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,第2,第3の鋳型キャビティとするとき、第2の鋳型キャビティ15bの鉛直方向の湯道14b1は第1の鋳型キャビティ15aの鉛直方向の湯道14a1と第1の鋳型キャビティ15aの仮想の液体Qaの液面以上の高さの接続位置16aで連通し、第3の鋳型キャビティ15cの鉛直方向の湯道14c1は、第2の鋳型キャビティ15bの鉛直方向の湯道14b1と第2の鋳型キャビティ15bの仮想の液体Qbの液面S1b以上の高さの接続位置16bで連通するように構成されている。この構成によっても、平衡状態において鋳型キャビティ同士でそれぞれの仮想の液体が互いに分離、すなわち鋳型キャビティ毎に仮想の液体を分離して独立に存在させることが可能である。
次いで、図2(b)に示すように、送気部材17を受湯口12xに被せてガスGを送気する工程では、ガスGが仮想の液体Qa、QbおよびQcをそれぞれ押込むことにより、製品キャビティ3a、3bおよび3c内の仮想の液体を押し上げて、製品キャビティ3a、3bおよび3c内をそれぞれ仮想の液体Qa、QbおよびQcで満たすことができる。
仮想の液体Qに替えて金属溶湯Mを用いる実際の鋳造での注湯においては、導入管12ay、12byおよび12cyに対しそれぞれ独立に順次注湯してもよいが、タップアンドコーン方式のように、予め各導入管を栓などで塞いでおき、受湯口12xに金属溶湯Mを注湯し終えてから、各栓を同時に引き上げて各鋳型キャビティに対し溶湯Mを同時に流下させる注湯方法等を用いることもできる。また、実施の形態2も実施の形態1と同様に、3つの鋳型キャビティに対して同一の湯口部22(受湯口22x)であるので、湯口部22に覆い被せて接続する送気部材17は1つ用いれば足り、効率よく金属溶湯Mを各製品キャビティに充填することが可能である。
図2においても、形態の形態2の鋳型キャビティ15としてその数を3個としているが、4個以上の構成とすることも可能である。すなわち、N個(但しN=2以上)の鋳型キャビティを有する通気性鋳型は、仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,第2,・・・,第N−1、および第Nの鋳型キャビティとするとき、任意のNについて、第N−1の鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道は、第Nの鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道と前記第N−1の鋳型キャビティの前記仮想の液体の液面の高さ以上の接続位置で連通するように構成される。
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3に係る通気性鋳型21の模式断面図である。図3(a)は仮想の液体Qを注入後の重力下で静置された平衡状態にある段階、図3(b)は次いで送気加圧鋳造法を適用して製品キャビティに仮想の液体Qが充填されている段階を示すものである。実施の形態2における図2と同様に、製品キャビティ3a、3bおよび3cの3つ(N=3)を有する例としているが、実施の形態3では湯口部22の構成が実施の形態2と異なる。すなわち、第1の鋳型キャビティ25aと第2の鋳型キャビティ25bの接続部位26aおよび第2の鋳型キャビティ25bと第3の鋳型キャビティ25cの接続部位26bは受湯部22xの底部からそれぞれ上方に突出する凸部の頂部に位置しており、また、これら凸部によって受湯部22xの下方部分が隔てられ、導入管部22ayに連通するサブ受湯部22ax、導入管部22byに連通するサブ受湯部22bx、および導入管部22cyに連通するサブ受湯部22cxを有する構成としている。なおこれらサブ受湯部は適宜その大きさを設定可能である。つまり、図3では接続部位26bの位置を接続部26aの位置よりも高い例で示すが、低くてもよく、あるいは等しくてもよい。また、図3では各サブ受湯部の底部の基準Lからの高さを、サブ受湯部22ax、22bx、22cxの順に高い例で示すが、任意の順で異なる高さでもよく、あるいは互いに等しくてもよい。
この湯口部22の構成でも、体積Vの仮想の液体Qのうち、体積Vaの仮想の液体Qaを第1の鋳型キャビティ25aに、体積Vbの仮想の液体Qbを第2の鋳型キャビティ25bに、体積Vcの仮想の液体Qcを第3の鋳型キャビティ25cに、それぞれ独立に注入することが可能である。
したがって実施の形態3に係る通気性鋳型21においても、実施の形態2と同様に、体積Va、VbおよびVcを、それぞれ、製品キャビティ3a、3bおよび3cよりも大きく、第1の鋳型キャビティ25a、第2の鋳型キャビティ25bおよび第3の鋳型キャビティ25cの体積よりも小さい体積とすることが可能である。そして仮想の液体Qa、QbおよびQcが、注入後に重力下で静置された平衡状態にあるとき、接続部位26の高さは、仮想の液体Qaの液面S2aの高さh2a以上の位置に構成される。そして、仮想の液体Qbの液面S2bの高さh2b、仮想の液体Qcの液面S2cの高さh2cとするとき、h2a>h2b>h2cの関係を有するように構成可能である。
すなわち、実施の形態3に係る通気性鋳型21は、鋳型キャビティの体積よりも小さく、製品キャビティの体積よりも大きい体積の仮想の液体が鋳型キャビティ内において重力下で静置された平衡状態を仮定したときの仮想の液体の液面の高さが互いに異なるように構成された3個の鋳型キャビティ25a、25b、および25cを有し、3個の鋳型キャビティを、仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,第2,第3の鋳型キャビティとするとき、第2の鋳型キャビティ25bの鉛直方向の湯道24b1は第1の鋳型キャビティ25aの鉛直方向の湯道24a1と第1の鋳型キャビティ25aの仮想の液体Qaの液面以上の高さの接続位置26aで連通し、第3の鋳型キャビティ25cの鉛直方向の湯道24c1は、第2の鋳型キャビティ25bの鉛直方向の湯道24b1と第2の鋳型キャビティ25bの仮想の液体Qbの液面S2b以上の高さの接続位置26bで連通するように構成されている。この構成によっても、平衡状態において鋳型キャビティ同士でそれぞれの仮想の液体が互いに分離、すなわち鋳型キャビティ毎に仮想の液体を分離して独立に存在させることが可能である。
次いで、図3(b)に示すように、送気部材27を受湯口22すなわち22ax、22bxおよび22cxのすべてを覆うように被せてガスGを送気する工程では、ガスGが仮想の液体Qa、QbおよびQcをそれぞれ押込むことにより、製品キャビティ3a、3bおよび3c内の仮想の液体を押し上げて、製品キャビティ製品キャビティ3a、3bおよび3c内をそれぞれ仮想の液体Qa、QbおよびQcで満たすことができる。
仮想の液体Qに替えて金属溶湯Mを用いる実際の鋳造での注湯においては、導入管22ay、22byおよび22cyに対しそれぞれ独立に順次注湯してもよいが、溶湯Mが予め3つに分岐可能に構成された不図示の注湯装置等を用いて、サブ受湯部22ax、22bxおよび22cxに同時に注湯する方法等を用いてもよい。また実施の形態3ではサブ受湯部22ax、22bxおよび22cxの大きさは適宜設定可能であるので、受湯部22x内で必要かつ十分な量の金属溶湯Mを各鋳型キャビティに分配可能である。例えばタップアンドコーン式で重力により鉛直下方に金属溶湯Mを所定の量流下させることが可能な溶湯貯留槽などの、必要かつ十分な量の金属溶湯Mを予め分岐させずに受湯部22xに注湯可能に構成された不図示の注湯装置を用いることができるので、より効率のよい注湯が可能である。
図3においても、形態の形態3の鋳型キャビティ25としてその数を3個としているが、実施の形態2と同様に4個以上の構成とすることも可能である。すなわち、N個(但しN=2以上)の鋳型キャビティを有する通気性鋳型は、仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,第2,・・・,第N−1、および第Nの鋳型キャビティとするとき、任意のNについて、第N−1の鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道は、第Nの鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道と前記第N−1の鋳型キャビティの前記仮想の液体の液面の高さ以上の接続位置で連通するように構成される。
1、11、21:通気性鋳型
2、12、22:湯口部
2x、12x、22x:受湯部
22ax、22bx、22cx:サブ受湯部
2y、12ay、12by、12cy、22ay、22by、22cy:導入管部
3a、3b、3c:製品キャビティ
4a、14a、24a:溶湯流路
4a1、14a1、24a1:鉛直方向の湯道
4b、14b、24b:溶湯流路
4b1、14b1、24b1:鉛直方向の湯道
4c、14c、24c:溶湯流路
4c1、14c1、24c1:鉛直方向の湯道
5、15、25:鋳型キャビティ
5a、15a、25a:第1の鋳型キャビティ
5b、15b、25b:第2の鋳型キャビティ
5c、15c、25c:第3の鋳型キャビティ
6、16、26:接続位置
6a、16a、26a:接続位置
6b、16b、26b:接続位置
7、17、27:送気部材

Claims (4)

  1. 上面に開口する受湯部と前記受湯部に連通し下方に延伸する導入管部とからなる湯口部と、
    製品キャビティと前記製品キャビティに連通する溶湯流路とからなり、前記溶湯流路は鉛直方向の湯道を有して前記湯口部に連通するように構成される鋳型キャビティと
    を有し、
    前記鋳型キャビティの体積よりも小さく、前記製品キャビティの体積よりも大きい体積の金属溶湯を前記鋳型キャビティに重力注湯し、次いで前記湯口部からガスを送気して、前記溶湯流路内の金属溶湯を押込むことで前記製品キャビティ内の金属溶湯を押し上げて、前記製品キャビティを金属溶湯で充填する鋳造物品の製造方法に用いられる通気性鋳型であって、
    前記鋳型キャビティの体積よりも小さく、前記製品キャビティの体積よりも大きい体積の仮想の液体(ここで、仮想の液体とは、凝固、蒸発、膨張、収縮、鋳型への浸み込みおよび気体の吸収や放出がない液体である。)が前記鋳型キャビティ内において重力下で静置された平衡状態を仮定したときの前記仮想の液体の液面の高さが互いに異なるように構成されたN個(ここで、Nは2以上の整数である。)の前記鋳型キャビティを有し、前記N個の鋳型キャビティを、前記仮想の液体の液面の高さが高い順に第1,第2,・・・,第N−1、および第Nの鋳型キャビティとするとき、
    任意のNについて、第N−1の鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道は、第Nの鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道と前記第N−1の鋳型キャビティの前記仮想の液体の液面以上の高さの接続位置で連通するように構成されていることを特徴とする通気性鋳型。
  2. 前記第Nの鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道の前記接続位置は、任意のNについて同一の前記湯口部である請求項1に記載の通気性鋳型。
  3. 第Nの前記鋳型キャビティの前記鉛直方向の湯道の前記接続位置は、任意のNについての前記受湯部の前記上面に開口する面である請求項1に記載の通気性鋳型。
  4. 前記通気性鋳型は、鉛直方向の見切りを有する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通気性鋳型。
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