JP2018163989A - ヘテロ接合太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池のヘテロ接合界面の価電子帯端または伝導帯端の少なくとも一方に存在する高いエネルギー障壁による直列抵抗を減少させることにより、太陽電池の発電効率を向上させる。【解決手段】第1の半導体層1と異なる導電型で、かつ、第1の半導体層1よりも大きな禁制帯幅を有する第2の半導体層2に、第1の半導体層1の価電子帯端11または伝導帯端12のエネルギー準位から0.2eVの範囲内にギャップ準位14を導入する。キャリアに対して、ギャップ準位14を介したトンネル電流によってエネルギー障壁を透過することができるため、直列抵抗が減少して、発電効率が向上する。【選択図】図2
Description
本発明は、主として太陽光発電に用いられるヘテロ接合太陽電池に関する。
近年、高効率の太陽電池として、禁制帯幅の異なる半導体を積層したヘテロ接合太陽電池が開発されている。例えば日本国特許公開平4−130671号には、導電型の異なる単結晶半導体と非晶質半導体とを積層して、両者の間に25nm以下の膜厚の真性非晶質半導体を挿入した構造が提案されている。
また、日本国特許公表2012−502450号には、導電型の異なる単結晶シリコンと非晶質シリコンとを積層して、両者の間に酸化アルミニウム、酸化シリコン、および窒化シリコンのうちの少なくとも1つから形成されるトンネルパッシベーション層を挿入した構造が開示されている。
これらのヘテロ接合太陽電池では、非晶質半導体の禁制帯幅が単結晶半導体よりも大きいため、単結晶半導体のみからなるホモ接合太陽電池と比べて、高い開放電圧を得ることができる。さらに、薄い真性の非晶質半導体層またはトンネルパッシベーション層で単結晶半導体の表面を覆うことにより、表面再結合速度を低減し、光によって励起されたキャリアの寿命が長く保たれることで、ホモ接合太陽電池と比較して高い変換効率が得られている。
しかしながら、これらの太陽電池では、ヘテロ接合界面の価電子帯端または伝導帯端の少なくとも一方に存在する高いエネルギー障壁によって、正孔または電子のうち少なくとも一方のキャリアに対しては電流が流れにくく、直列抵抗が増大して、特に電流が大きな場合には、障壁のない理想的な状態に比べて効率が十分に上がらないという課題があった。たとえば、結晶シリコンと非晶質シリコンの積層構造では、価電子帯端に0.4eV以上のエネルギー障壁があり、結晶シリコン中の正孔が非晶質シリコンを通過して透明導電膜または電極に到達して外部に取り出されるためには、障壁を越える熱イオン化電流または障壁を透過するトンネル電流として移動する必要があるため、障壁のない場合に比べて直列抵抗が著しく増大してしまうという問題があった。
太陽電池の発明が以下で開示される。
当該太陽電池は、一導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体と異なる導電型で前記第1の半導体層よりも大きな禁制帯幅を有し、前記第1の半導体の価電子帯端または伝導帯端のエネルギー準位から0.2eVの範囲内にギャップ準位を有する第2の半導体層と、前記第2の半導体上に配置された透明導電膜と、前記第1の半導体上に配置された第1の電極と、前記透明導電膜上に配置された第2の電極と、を備えている。
上記太陽電池の発明によれば、禁制帯幅の大きな半導体中に、禁制帯幅の小さな半導体の価電子帯端または伝導帯端に近いエネルギー準位のギャップ準位を導入することにより、少なくとも一方のキャリアに対してはこれらの準位を介したトンネル電流によってエネルギー障壁を透過することができ、直列抵抗が減少して、発電効率が向上する。
本明細書中において、以下のように用語が規定される。結晶系半導体には単結晶半導体および多結晶半導体が含まれる。非晶質系半導体には非晶質半導体および微結晶半導体が含まれる。真性の非晶質系半導体とは、不純物が意図的にドープされていない非晶質系半導体である。真性の非晶質系半導体には、半導体原料に本来的に含まれる不純物または製造過程において自然に混入する不純物も含む非晶質系半導体も含まれる。
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による太陽電池の第1の実施形態の断面図を示している。図1では、光が進行する方向Pを白抜き矢印で示している。この太陽電池は、ヘテロ接合構造を有する太陽電池である。
当該太陽電池は、第1の半導体層1と、前記第1の半導体層1よりも大きな禁制帯幅を有する第2の半導体層2と、透明導電膜3と、第1の電極4と、第2の電極5とを備えている。第1の半導体層1は薄板状であり、一導電型を示す。一導電型とは、n型またはp型のいずれか一方であることを意味する。第2の半導体層2は、第1の半導体層1の光を受光する面側の上に配置されている。第2の半導体層2は、第1の半導体層1の価電子帯端または伝導帯端のエネルギー準位から0.2eVの範囲内にギャップ準位を有する。また、第2の半導体層2は、第1の半導体層1とは異なる導電型を示す。透明導電膜3は、第2の半導体層2の上に配置されている。第1の電極4は、光を受ける受光面とは反対側の第1の半導体層1の上に配置されている。第2の電極5は、透明導電膜3の上に部分的に配置されている。部分的とは、平面視において、例えば櫛歯状または魚骨状である。平面視とは、特に断りのない限り、第1の半導体層1の表面に垂直な方向で、受光面側から太陽電池を見た様子を意味する。
第1の半導体層1は、結晶シリコン、化合物半導体、その他板状に形成可能な半導体材料から形成される。結晶シリコンとしては、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコンが挙げられる。化合物半導体は、例えば、GaAs、InPが挙げられる。第1の半導体1として、n型の単結晶シリコン基板が好ましく用いられる。
第1の半導体層1の厚みに特に制限はないが、部材コストやハンドリングの観点から、その厚みが10〜200μmであることが好ましい。
第1の半導体層1は、効率向上の観点から、片面もしくは両面にテクスチャ構造を有することが好ましい。テクスチャ構造は入射した光を十分に閉じ込めることができるため、効率の向上が見込める。テクスチャ構造は、例えば、微小凹凸構造であってよい。微小凹凸構造は周期性を有していてよい。もちろん、テクスチャ構造は必須ではない。
以下では、n型の第1の半導体層1を用いた例を中心に説明する。もちろん、p型の第1の半導体層1を用いてもよく、その場合、以下の説明においてn型とp型とを入れ替えれば、構造が理解され得る。
第2の半導体層2は、第1の半導体層1よりも大きな禁制帯幅を有し、第1の半導体層1と積層することでヘテロ接合をなす。第2の半導体層2として、非晶質系半導体が好ましく用いられる。非晶質系半導体は、シリコンを含む水素化非晶質系半導体により構成されていることが好ましい。非晶質系半導体としては、例えば、非晶質シリコン、非晶質シリコンカーバイド、非晶質シリコンゲルマニウムが挙げられる。
第2の半導体層2は、p型の半導体である。p型の非晶質系半導体層の不純物としては、例えば、B(ボロン)、Al、Ga(ガリウム)が挙げられる。この不純物は、第13族元素が好ましい。不純物として、B(ボロン)が好ましく用いられる。
第1の半導体層1がp型の場合には、第2の半導体層2は、n型の半導体である。n型の非晶質系半導体層の不純物としては、例えば、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)が挙げられる。この不純物は、第15族元素が好ましい。不純物として、P(リン)が好ましく用いられる。
第2の半導体層2中のギャップ準位は、不純物のドーピングまたはダングリングボンドなどの欠陥の導入により形成される。不純物としては、例えば、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、Pt(白金)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)、S(硫黄)またはMg(マグネシウム)である。あるいは、これらの組合せであってもよい。第1の半導体層1がn型の結晶シリコンで、第2の半導体層2がp型の非晶質シリコンの場合、より好ましくは、不純物はZnである。これにより、第2の半導体層2中に、第1の半導体層1の価電子帯端から0.2eV内の位置に、非晶質半導体の不規則性により0.2〜0.3eVの幅を持ってギャップ準位が形成される。また、第1の半導体層1がp型の結晶シリコンで、第2の半導体層2がn型の非晶質シリコンの場合、より好ましくは、不純物はSである。これにより、第2の半導体層2中に、第1の半導体層1の伝導体帯端から0.2eV内の位置に、非晶質半導体の不規則性により0.2〜0.3eVの幅を持ってギャップ準位が形成される。ギャップ準位の密度は、容易にキャリアのトンネリングが生じる程度に高いことが望ましく、一方でそれを介したキャリアの再結合でライフタイムが大きく損なわれない程度に低いことが望ましいため、好ましくは1×1018〜5×1020cm−3である。
第2の半導体層2の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜50nmの範囲内であってよい。正孔の移動に必要な電界を発生するだけの厚みがあり、一方でエネルギー障壁による直列抵抗を抑えるためには、例えば、10nm程度である。
第2の半導体層2上には、全面に透明導電膜3が配置されることが好ましい。それにより、電流が取り出しやすくなる。透明導電膜3は、例えば、透明金属酸化物によって形成され得る。例えば、ITO(酸化インジウム錫)、SnO2(酸化錫)、またはZnO(酸化亜鉛)から形成され得る。好ましくは、ITOで形成される。
透明導電膜3の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10〜200nmの範囲内であってよい。例えば、反射防止の効果を考慮すると、厚みは70nm程度である。
第1の電極4は、第1の半導体層1の裏面上全体に配置されている。第2の電極5は、透明導電膜3上に櫛歯状または魚骨状に配置されて、正極を構成する。第2の電極5の櫛歯または魚骨の幅は、特に限定されるものではないが、例えば、50〜5000μmの範囲内であってよい。
第1の電極4及び第2の電極5は、例えば、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Au(金)から形成され得る。第1の電極4と第2の電極5とは、同じ材料で形成されてもよいし、違う材料で形成されてもよい。第1の電極4は、好ましくは、Agで構成される。第2の電極5は、好ましくは、Alで構成される。
本発明の第1の実施形態による太陽電池の動作原理を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態における、第1の半導体層1および第2の半導体層2および透明導電膜3の積層部分のエネルギーバンド図である。伝導帯端12では、ヘテロ接合15における障壁によって、光励起により第1の半導体層1中に生成した電子22が第2の半導体層2中に移動することが抑制され、太陽電池としての動作に必要なキャリアの選択性が実現される。一方、第2の半導体層2中にギャップ準位14が存在しない場合、第2の半導体層2から透明導電膜3への正孔21の移動は、それらの界面に多数存在する界面準位16を介して容易に行われるものの、第1の半導体層1から第2の半導体層2への正孔21の移動は、熱イオン化によって価電子帯端11の高いエネルギー障壁を乗り越える必要があり、確率的には困難である。また、第1の半導体層1から透明導電膜3への直接的なバンド間トンネル効果による正孔の移動も考えられるが、これも発生確率は低い。したがって、正孔の移動に伴う直列抵抗が増大し、結果的に太陽電池の発電効率が直列抵抗のない理想的な場合に対して低下してしまうという問題があった。
しかしながら、本発明により、第2の半導体層2中に第1の半導体層1の価電子帯端11のエネルギー準位から0.2eVの範囲内にギャップ準位14を形成した場合、正孔21はギャップ準位14を介したトンネル効果によって容易に第2の半導体層2を透過することができる。すなわち、正孔の移動に対する直列抵抗が大幅に減少するため、特に光強度が強く電流密度が高い場合には、太陽電池のFF(フィルファクター)が改善し、発電効率が大きく向上する。
また、第2の半導体層がn型であって、第1の半導体層の伝導体帯端から0.2eV内の位置に、非晶質半導体の不規則性により0.2〜0.3eVの幅を持ってギャップ準位が形成された場合は、電子はギャップ準位を介したトンネル効果によって容易に第2の半導体層を透過することができる。すなわち、電子の移動に対する直列抵抗が大幅に減少するため、特に光強度が強く電流密度が高い場合には、太陽電池のFF(フィルファクター)が改善し、発電効率が大きく向上する。
次に、本発明の第1の実施形態による太陽電池の製造方法を説明する。
まず、第1の半導体層1の基板を準備する。第1の半導体層1としては、n型単結晶シリコン基板が例示される。第1の半導体層1を洗浄し、真空チャンバー内に搬送して加熱を行う。これにより、基板の表面に付着した水分を除去する。以下では、n型半導体基板を用いた例を説明するが、p型半導体基板を用いた場合は、各材料のn型とp型とを入れ替えればよい。
次に、真空チャンバー内に真空チャンバー内にSiH4ガス、H2(水素)ガスおよびB2H6(ジボラン)ガスおよび、水素をキャリアガスとして170℃程度に加熱したジンクアセチルアセトン(Zn(C5H7O2)2)を導入し、PECVD(プラズマ励起気相成膜)法により第1の半導体層1の受光面に、第2の半導体層2を形成する。第2の半導体2は、その価電子帯端から約0.2eV〜0.5eVの位置にギャップ準位を有するp型非晶質シリコンで形成され得る。ギャップ準位を形成するZnの原料としては、ジエチル亜鉛(Zn(C2H5)2)を用いてもよい。
次いで、第2の半導体層2上に、スパッタ法あるいはMOCVD(有機金属気相成膜)法により透明導電膜3を形成する。透明導電膜3は、例えば、ITOで形成され得る。
次に、第1の半導体層1の裏面に、蒸着法あるいはスパッタ法によりにより、第2の電極5を形成する。第2の電極5は、例えば、Alで形成され得る。
次いで、透明導電膜3上に、スクリーン印刷法により第1の電極4を櫛歯状または魚骨状に形成する。第1の電極4は、例えば、Agで形成され得る。第1の電極4の形成方法としては、インクジェット印刷法やマスクを用いたスパッタ法によってもよい。
最後に加熱処理を行って、図1に示す第1の実施形態の太陽電池が得られる。
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図3は、本発明による太陽電池の第2の実施形態の断面図を示している。第2の実施形態は、第1の実施形態の一導電型の第1の半導体層1と、第1の半導体層1より禁制帯幅が大きく導電型の異なる第2の半導体層2との間に、第1の半導体層1より禁制帯幅が大きく真性の第3の半導体層6を設けた構造である。
第3の半導体層6として、第2の半導体層2と同じく、非晶質系半導体が好ましく用いられる。非晶質系半導体としては、例えば、非晶質シリコン、非晶質シリコンカーバイド、非晶質シリコンゲルマニウムが挙げられる。
第3の半導体層6の厚みは、トンネル効果でキャリアが容易に第1の半導体層1から第2の半導体層2に移動できるよう、1〜15nmの範囲内であることが好ましい。例えば、5nm程度である。
第1の実施形態では第2の半導体層2中の不純物や欠陥によって第1の半導体層1とのヘテロ接合15の界面に多数の界面準位が発生し、それによるキャリアの再結合でライフタイムが短くなって、太陽電池の発電効率が低下するおそれがある。これに対し、第2の実施形態においては、欠陥や不純物の少ない真性の第3の半導体層6と第1の半導体層1の間でヘテロ接合が形成され、界面準位の発生が抑制されるため、キャリアのライフタイムが増大し、太陽電池の効率がさらに向上する。
次に、本発明の第2の実施形態による太陽電池の製造方法を説明する。
まず、第1の半導体層1の基板を準備する。第1の半導体層1としては、n型単結晶シリコン基板が例示される。第1の半導体層1を洗浄し、真空チャンバー内に搬送して加熱を行う。これにより、基板の表面に付着した水分を除去する。
次に、真空チャンバー内にSiH4(シラン)ガスを導入し、PECVD法により第1の半導体層1の受光面に、第3の半導体層6を形成する。第3の半導体層6は不純物を含まない。第3の半導体層6は真性である。
次いで、第3の半導体層6上に第2の半導体層2を形成する。以降の工程は、第1の実施形態の製造方法と同一である。
これにより、図3に示す第2の実施形態の太陽電池が得られる。
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図4は、本発明による太陽電池の第3の実施形態の断面図を示している。第3の実施形態は、第1の実施形態の一導電型の第1の半導体層1と、第1の半導体層1より禁制帯幅が大きく導電型の異なる第2の半導体層2の間に、トンネルパッシベーション層7を設けた構造である。
トンネルパッシベーション層7として、酸化アルミニウム、酸化シリコン、および窒化シリコンあるいはそれらの組合せが好ましく用いられる。
トンネルパッシベーション層7の厚みは、量子力学的トンネル効果でキャリアが容易に第1の半導体層1から第2の半導体層2に移動できるよう、0.5〜10nmの範囲内であることが好ましい。例えば、1nm程度である。
第1の実施形態では第2の半導体層2中の不純物や欠陥によって第1の半導体層1とのヘテロ接合15の界面に多数の界面準位が発生し、それによるキャリアの再結合でライフタイムが短くなって、太陽電池の発電効率が低下するおそれがある。これに対し、第3の実施形態においては、トンネルパッシベーション層7と第1の半導体層1の間でヘテロ接合が形成され、界面準位の発生が抑制されるため、キャリアのライフタイムが増大し、太陽電池の効率がさらに向上する。
次に、本発明の第3の実施形態による太陽電池の製造方法を説明する。
まず、第1の半導体層1の基板を準備する。第1の半導体層1としては、n型単結晶シリコン基板が例示される。
次に、第1の半導体層1を洗浄し、熱した硝酸に浸漬して表面の酸化を行う。これにより、第1の半導体層1の受光面に酸化シリコンのトンネルパッシベーション層7が形成される。
次いで、基板を真空チャンバー内に搬送して加熱を行う。これにより、基板の表面に付着した水分を除去する。そして、PECVD法によりトンネルパッシベーション層7上に第2の半導体層2を形成する。以降、透明導電膜2を形成するまでの工程は、第1の実施形態の製造方法と同一である。
次に、希フッ酸により、第1の半導体層1の裏面の酸化シリコン膜を除去する。そして、第1の半導体層1の裏面に、蒸着法あるいはスパッタ法によりにより、第2の電極5を形成する。これ以降の工程も、第1の実施形態の製造方法と同一である。
これにより、図4に示す第3の実施形態の太陽電池が得られる。
なお、本発明による太陽電池の実施形態は、上記に限られるものではない。
第1の実施形態において、第1の半導体層1の裏面にもヘテロ接合を設けて、負極としてもよい。この場合、裏面のヘテロ接合は、第1の半導体層1よりも禁制帯幅が大きく導電型が同一の半導体層からなる。また、第1の半導体層1の裏面にヘテロ接合からなる正極と負極とを櫛歯状に配置してもよい。これらの太陽電池においても、直列抵抗が大幅に減少するため、発電効率が向上する。
1 第1の半導体層
2 第2の半導体層
3 透明導電膜
4 第1の電極
5 第2の電極
6 第3の半導体層
7 トンネルパッシベーション層
11 価電子帯端
12 伝導帯端
13 フェルミ準位
14 ギャップ準位
15 ヘテロ接合
16 界面準位
21 正孔
22 電子
2 第2の半導体層
3 透明導電膜
4 第1の電極
5 第2の電極
6 第3の半導体層
7 トンネルパッシベーション層
11 価電子帯端
12 伝導帯端
13 フェルミ準位
14 ギャップ準位
15 ヘテロ接合
16 界面準位
21 正孔
22 電子
Claims (7)
- 一導電型の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層と異なる導電型で前記第1の半導体層よりも大きな禁制帯幅を有し、前記第1の半導体層の価電子帯端または伝導帯端のエネルギー準位から0.2eVの範囲内にギャップ準位を有する第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上に配置された透明導電膜と、
前記第1の半導体層上に配置された第1の電極と、
前記透明導電膜上に配置された第2の電極と、
を備えた、太陽電池。 - 前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に第1の半導体層よりも大きな禁制帯幅を有する真性の第3の半導体層を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に量子力学的トンネル電流が流れる厚さのトンネルパッシベーション層を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
- 前記第1の半導体層を結晶シリコン、前記第2の半導体層を非晶質シリコンとしたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 前記第3の半導体層を非晶質シリコンとしたことを特徴とする、請求項2または4に記載の太陽電池。
- 前記トンネルパッシベーション層が酸化アルミニウム、酸化シリコン、および窒化シリコンのうちの少なくとも1つから形成されることを特徴とする、請求項3または4に記載の太陽電池。
- 前記第2の半導体層中のギャップ準位は、銅、銀、金、白金、ニッケル、鉄、亜鉛、硫黄およびマグネシウムのうち少なくとも1つをドーピングすることによって形成されたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池。
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WO2020252771A1 (zh) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 友达光电股份有限公司 | 太阳能电池模块 |
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