以下で説明する実施形態に係る光配向用偏光光照射装置は、第1のステージ及び第2のステージと、搭載空間部と、第1の照射部と、第2の照射部と、第1の待機空間部と、第2の待機空間部と、搬送機構と、を備える。第1のステージ及び第2のステージには、対象物が搭載される。搭載空間部は、第1のステージ及び第2のステージのそれぞれに対して対象物を搭載するためのものである。第1の照射部は、第1のステージに搭載された対象物に偏光光を照射するためのものである。第1の照射部は、搭載空間部の周囲に配置されている。第2の照射部は、第2のステージに搭載された対象物に偏光光を照射するためのものである。第2の照射部は、搭載空間部の周囲に配置されている。第1の待機空間部には、搭載空間部から第1の照射部を通過した第1のステージが待機する。第2の待機空間部には、搭載空間部から第2の照射部を通過した第2のステージが待機する。搬送機構は、第1のステージを搭載空間部と第1の待機空間部との間で往復させる。また、搬送機構は、第2のステージを搭載空間部と第2の待機空間部との間で往復させる。
また、以下で説明する実施形態に係る光配向用偏光光照射装置が有する搭載空間部において、第1のステージ及び第2のステージは、対象物の載置面を回転可能に搬送機構に支持されている。
また、以下で説明する実施形態に係る光配向用偏光光照射装置が有する第1のステージ及び第2のステージは、矩形状の載置面を有する。第1の照射部と第2の照射部は、搭載空間部を挟んで対向して配置されている。搭載空間部は、第1の照射部と第2の照射部との間に、第1のステージ及び第2のステージのそれぞれの載置面の対角線の長さ以上の間隔を有する。
また、以下で説明する実施形態に係る光配向用偏光光照射装置が有する第1のステージ及び第2のステージは、矩形状の載置面を有する。第1の待機空間部及び第2の待機空間部は、第1のステージ及び第2のステージの搬送方向に対して、第1のステージ及び第2のステージの載置面の短辺の長さ以上の空間を有する。
また、以下で説明する実施形態に係る光配向用偏光光照射装置は、搬送機構は、第1のステージと第2のステージの一方のステージが搭載空間部に位置するときに、他方のステージが第1の待機空間部または第2の待機空間部に位置するように、第1のステージ及び第2のステージを搬送する。
また、以下で説明する実施形態に係る光配向用偏光光照射装置は、第1のステージ及び第2のステージと、第1の搭載空間部と、第2の搭載空間部と、第1の照射部と、第2の照射部と、待機空間部と、搬送機構と、を備える。第1のステージ及び第2のステージには、対象物が搭載される。第1の搭載空間部は、第1のステージに対して対象物を搭載するためのものである。第2の搭載空間部は、第2のステージに対して対象物を搭載するためのものである。第1の照射部は、第1のステージに搭載された対象物に偏光光を照射するためのものである。第2の照射部は、第2のステージに搭載された対象物に偏光光を照射するためのものである。待機空間部は、第1の照射部及び第2の照射部に隣接して配置されている。待機空間部は、第1の搭載空間部から第1の照射部を通過した第1のステージが待機する。また、待機空間部は、第2の搭載空間部から第2の照射部を通過した第2のステージが待機する。搬送機構は、第1のステージを第1の搭載空間部と待機空間部との間で往復させる。また、搬送機構は、第2のステージを第2の搭載空間部と待機空間部との間で往復させる。
また、以下で説明する実施形態に係る液晶パネルの製造方法は、液晶パネルに光配向を行うための偏光光を照射する液晶パネルの製造方法である。液晶パネルの製造方法では、搭載空間部で液晶パネルを第1のステージに搭載し、液晶パネルが搭載された第1のステージを搭載空間部から移動させて、液晶パネルに偏光光を照射する第1の照射部を通過した第1のステージを第1の待機空間部に停止させた後、第1の待機空間部から搭載空間部へ第1のステージを戻す。また、液晶パネルの製造方法では、搭載空間部で液晶パネルを第2のステージに搭載し、液晶パネルが搭載された第2のステージを搭載空間部から移動させて、液晶パネルに偏光光を照射する第2の照射部を通過した第2のステージを第2の待機空間部に停止させ後、第2の待機空間部から搭載空間部へ第2のステージを戻す。
以下、実施形態に係る光配向用偏光光照射装置(以下、単に偏光光照射装置と称する。)について、図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る偏光光照射装置を示す平面図である。図2は、実施形態に係る偏光光照射装置を示す側面図である。本実施形態に係る偏光光照射装置は、例えば、対象物である配向膜に直線偏光光等の偏光光を照射することで、光配向を行うために用いられる。本実施形態に係る偏光光照射装置は、例えば、液晶パネルの配向膜や、視野角補償フィルムの配向膜等の製造に用いられる。ここでは、対象物としての配向膜が形成された基板(以下、単に基板と称する。)に偏光光を照射するための偏光光照射装置について説明する。
(実施形態の偏光光照射装置の構成)
図1及び図2に示すように、実施形態の偏光光照射装置1は、基板5が搭載される第1のステージ11及び第2のステージ12と、第1のステージ11及び第2のステージ12のそれぞれに対して基板5を搭載するための搭載空間部(作業空間部)13と、を備える。偏光光照射装置1は、第1のステージ11上に搭載された基板5に偏光光を照射するための第1の照射部14と、第2のステージ12上に搭載された基板5に偏光光を照射するための第2の照射部15と、搭載空間部13から第1の照射部14を通過した第1のステージ11が待機する第1の待機空間部16と、搭載空間部13から第2の照射部15を通過した第2のステージ12が待機する第2の待機空間部17と、を備える。また、偏光光照射装置1は、第1のステージ11を搭載空間部13と第1の待機空間部16との間で搬送方向A1、A2に対して往復させると共に、第2のステージ12を搭載空間部13と第2の待機空間部17との間で搬送方向A1、A2に対して往復させる搬送機構18を備える。
第1のステージ11及び第2のステージ12は、外形が矩形状の板状に形成されている。第1のステージ11は、矩形状の載置面11aを有する。第2のステージ12は、矩形状の載置面12aを有する。載置面11a、12aにおいて、図1に示すように、長辺の長さをLとし、短辺の長さをSとする。第1のステージ11の載置面11a及び第2のステージ12の載置面12aには、基板5に形成された配向膜を上方へ向けて基板5が搭載される。第1のステージ11及び第2のステージ12は、搬送機構18が有する後述の搬送路19に沿って移動可能に設けられている。
搭載空間部13は、第1の照射部14と第2の照射部15との間に挟まれた空間であり、第1のステージ11または第2のステージ12を収容可能な大きさを有する。搭載空間部13は、図1に示すように、第1の照射部14と第2の照射部15との間に、第1のステージ11及び第2のステージ12のそれぞれの載置面11a、12aの対角線の長さD以上の間隔を有する。このため、搭載空間部13は、第1のステージ11及び第2のステージ12を搭載空間部13内で回転可能な空間が確保されており、第1のステージ11及び第2のステージ12が回転機構(図示せず)を介して搬送機構18に回転可能に支持されている。このため、第1のステージ11及び第2のステージ12に対して基板5を搬入及び搬出するときに第1のステージ11及び第2のステージ12を任意に回転可能になり、基板5の取り扱い時の作業性が高められている。
第1の照射部14と第2の照射部15は、搭載空間部13の周囲にそれぞれ配置されており、搭載空間部13を間に挟んで対向して配置されている。第1の照射部14及び第2の照射部15としては、基板5に偏光光を照射する照射領域を有する照射ユニットが用いられている。第1の照射部14及び第2の照射部15は、紫外線を含む光を発する管状の光源21と、光源21が発した光の配向を制御する反射板22と、を有する。また、第1の照射部14及び第2の照射部15は、光源21が発した光と、反射板22で配向が制御された光とが入射して偏光光を出射する偏光素子(不図示)を有する。
光源21は、例えば、紫外線透過性のガラス管内に、水銀、アルゴン、キセノンなどの希ガスが封入された高圧水銀ランプや、高圧水銀ランプに鉄やヨウ素等のメタルハライドが更に封入されたメタルハライドランプ等の管型ランプが用いられており、直線状の発光部を有する。光源21は、発光部の長手方向が、第1の照射部14に対する第1のステージ11の搬送方向A1、A2及び第2の照射部15に対する第2のステージ11の搬送方向A1、A2とそれぞれ直交しており、発光部の長さが、基板5の一辺の長さよりも長くされている。光源21は、直線状の発光部から、例えば波長が200nm程度から400nm程度までの紫外線を含む光を発することが可能なものが用いられている。光源21が発する光は、さまざまな偏光軸成分を有する、いわゆる非偏光の光である。
反射板22は、光源21に対向する面に、光源21が発した光を反射する反射面を有しており、反射面が楕円の一部をなす形状に形成されている。これにより、反射板22は、光源21が発した光を集光する、いわゆる集光型の反射板として構成されている。偏光素子は、光源21が発し、一様にあらゆる方向に振動したさまざまな偏光軸成分を含む光から基準方向のみに振動した偏光軸の光を取り出すことが可能とされている。なお、基準方向のみに振動した偏光軸の光を、一般に直線偏光という。また、偏光軸とは、光の電場及び磁場の振動方向である。
第1の待機空間部16は、第1の照射部14を通過した第1のステージ11を収容可能な大きさを有する。同様に、第2の待機空間部17は、第2の照射部15を通過した第2のステージ12を収容可能な大きさを有する。すなわち、第1の待機空間部16内に位置する第1のステージ11上の基板5は、第1の照射部14の照射領域から外れる。同様に、第2の待機空間部17内に位置する第2のステージ12上の基板5は、第2の照射部15の照射領域から外れる。本実施形態において、第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17は、搬送機構18の搬送路19に沿う第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して、載置面11a、12aの長辺の長さLの空間を有する。
また、第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17は、搬送機構18の搬送路19に沿う第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して、第1のステージ11及び第2のステージ12の載置面11a、12aの短辺の長さS以上の空間を有すればよい。例えば、搭載空間部13内で第1のステージ11及び第2のステージ12を回転させ、第1のステージ11及び第2のステージ12を載置面11a、12aの短辺方向に沿って搬送させることで、第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17が、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して占める大きさを更に小さくすることができる。
搬送機構18は、第1のステージ11及び第2のステージ12を搬送する直線状の搬送路19を有する。搬送路19には、両端部に第1の待機空間部16と第2の待機空間部17がそれぞれ位置しており、中央部に搭載空間部13が位置している。搬送路19には、搭載空間部13に隣接して第1の待機空間部16側に第1の照射部14が配置されている。また、搬送路19には、搭載空間部13に隣接して第2の待機空間部17側に第2の照射部15が配置されている。言い換えると、第1の照射部14は、搭載空間部13と第1の待機空間部16との間に配置されている。第2の照射部15は、搭載空間部13と第2の待機空間部17との間に配置されている。したがって、搬送路19には、第1の待機空間部16が位置する一端側から、第2の待機空間部17が位置する他端側に向かって、第1の待機空間部16、第1の照射部14、搭載空間部13、第2の照射部15、第2の待機空間部17の順に並んでいる。
また、偏光光照射装置1は、搬送機構18を駆動制御する制御部としての制御回路(図示せず)を有しており、制御回路によって第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送動作が制御される。搬送機構18は、基板5が載置された第1のステージ11を搭載空間部13から搬送し、第1の照射部14を通過して第1の待機空間部16に第1のステージ11を停止させた後、第1の待機空間部16から搭載空間部13へ戻す。同様に、搬送機構18は、基板5が載置された第2のステージ12を搭載空間部13から搬送し、第2の照射部15を通過して第2の待機空間部17に第2のステージ12を停止させた後、第2の待機空間部17から搭載空間部13へ戻す。このように、偏光光照射装置1は、第1の照射部14によって第1のステージ11上の基板5に偏光光を照射する動作と、第2の照射部15によって第2のステージ12上の基板5に偏光光を照射する動作とを交互に繰り返すことが可能に構成されている。
また、搬送機構18は、第1のステージ11と第2のステージ12の一方のステージが搭載空間部13に位置するときに、他方のステージが第1の待機空間部16または第2の待機空間部17に位置するように、第1のステージ11及び第2のステージ12を搬送する。これにより、第1のステージ11上の基板5に対する照射動作と第2のステージ12上の基板5に対する照射動作とを交互に行うと共に、搭載空間部13で第1のステージ11及び第2のステージ12に対して基板5を搬入及び搬出する搭載作業をスムースに行うことができる。
以上のように構成された実施形態の偏光光照射装置1について、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して装置全体が占める長さを説明する。図1及び図2に示すように、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向、すなわち搬送路19の長さ方向に対する、第1の照射部14の照射領域及び第2の照射部15の照射領域の幅をEとする。また、上述したように、第1のステージ11及び第2のステージ12の各載置面11a、12aの長辺の長さをLとし、各載置面11a、12aの対角線の長さをDとする。このとき、実施形態において、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して装置全体が占める長さは、L+E+D+E+L=D+2E+2Lとなる。実施形態と参考形態とを比較して後述するが、このように実施形態では、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送距離が短縮されている。
また、上述したように、第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17は、搬送機構18の搬送路19に沿う第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して、第1のステージ11及び第2のステージ12の載置面11a、12aの短辺の長さSに設定することで、第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17が、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して占める大きさが更に小さくなり、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送距離が更に短縮される。
(参考形態の偏光光照射装置の構成)
ここで、実施形態の偏光光照射装置1の構成と比較するために、参考形態の偏光光照射装置の構成ついて説明する。図3は、参考形態に係る偏光光照射装置を示す平面図である。
図3に示すように、参考形態の偏光光照射装置101は、基板105が搭載される第1のステージ111及び第2のステージ112と、第1のステージ111に対して基板105を搭載するための第1の搭載空間部113と、第2のステージ112に対して基板105を搭載するための第2の搭載空間部114と、を備える。偏光光照射装置101は、第1のステージ111上の基板105に偏光光を照射するための第1の照射部115と、第2のステージ112上の基板105に偏光光を照射するための第2の照射部116と、第1の搭載空間部113から移動されて第1の照射部115を通過した第1のステージ111が待機する第1の待機空間部117と、第2の搭載空間部114から移動されて第2の照射部116を通過した第2のステージ112が待機する第2の待機空間部118と、を備える。
また、偏光光照射装置101は、第1の搭載空間部113と第1の待機空間部117との間で搬送方向A1、A2に対して往復させると共に、第2の搭載空間部114と第2の待機空間部118との間で搬送方向A1、A2に対して往復させる搬送機構119を備える。搬送機構119は、第1のステージ111及び第2のステージ112を搬送する直線状の搬送路120を有する。
搬送路120には、両端部に第1の搭載空間部113と第2の搭載空間部114がそれぞれ位置しており、中央部に第1の照射部115及び第2の照射部116が隣接して配置されている。第1の照射部115は第1の搭載空間部113側に配置されており、第2の照射部116は第2の搭載空間部114側に配置されている。また、搬送路120には、第2の照射部116と第2の搭載空間部114との間に、第1の待機空間部117が位置しており、第1の照射部115と第1の搭載空間部113との間に、第2の待機空間部118が位置している。したがって、搬送路120には、第1の搭載空間部113が位置する一端側から、第2の搭載空間部114が位置する他端側に向かって、第1の搭載空間部113、第2の待機空間部118、第1の照射部115、第2の照射部116、第1の待機空間部117、第2の搭載空間部114の順に並んでいる。
搬送機構119は、基板105が載置された第1のステージ111を第1の搭載空間部113から搬送し、第1の照射部115を通過して第1の待機空間部117に第1のステージ111を停止させた後、第1の待機空間部117から第1の搭載空間部113へ戻す。同様に、搬送機構119は、基板105が載置された第2のステージ112を第2の搭載空間部114から搬送し、第2の照射部116を通過して第2の待機空間部118に第2のステージ112を停止させた後、第2の待機空間部118から第2の搭載空間部114へ戻す。このように、偏光光照射装置101は、第1の照射部115によって第1のステージ111上の基板105に偏光光を照射する動作と、第2の照射部116によって第2のステージ112上の基板105に偏光光を照射する動作とを交互に繰り返す。
以上のように構成された参考形態の偏光光照射装置101について、第1のステージ111及び第2のステージ112の搬送方向A1、A2に対して装置全体が占める長さを説明する。参考形態においても、第1のステージ111及び第2のステージ112、第1の照射部115及び第2の照射部116の大きさが実施形態とそれぞれ等しいものとして、実施形態と参考形態とを比較する。
図3に示すように、第1のステージ111及び第2のステージ112は、矩形状の載置面111a、112aを有しており、載置面111a、112aにおいて、長辺の長さをL、短辺の長さをS、対角線の長さをDとする。また、第1のステージ111及び第2のステージ112の搬送方向、すなわち搬送路120の長さ方向に対する、第1の照射部115の照射領域及び第2の照射部116の照射領域の幅をEとする。このとき、参考形態において、第1のステージ111及び第2のステージ112の搬送方向A1、A2に対して装置全体が占める長さは、D+L+E+E+L+D=2D+2E+2Lとなる。
このため、参考形態と実施形態とを比較すると、搬送方向A1、A2に対して装置全体が占める長さは、実施形態がD+2E+2L(図1)であるので、実施形態が参考形態よりも、第1のステージ11(111)及び第2のステージ12(112)の対角線の長さD分だけ短縮される。したがって、実施形態の偏光光照射装置1によれば、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送距離が短縮されるので、タクトタイムの長大化が抑えられると共に、装置全体の設置スペースの増大が抑えられる。
(偏光光照射装置の照射動作)
上述のように構成された偏光光照射装置1について、第1の照射部14及び第2の照射部15に対して第1のステージ11及び第2のステージ12を搬送し、基板5の配向膜に偏光光を照射する動作について図面を参照して説明する。
図4及び図5は、実施形態に係る偏光光照射装置1を用いた照射動作を説明するための平面図である。便宜上、図4以降では(図12を除く)、搬送機構18及び搬送路19の図示を省略する。まず、図4(a)に示すように、第1のステージ11が搭載空間部13内に位置し、第2のステージ12が第2の待機空間部17内に位置する状態から説明を始める。搭載空間部13では、第1のステージ11に対して基板5が搭載される。続いて、図4(b)に示すように、搬送機構18は、搭載空間部13で基板5が載置された第1のステージ11を搬送方向A1へ搬送し、第1の照射部14の照射領域を通過させながら、第2のステージ12を第2の待機空間部17から搭載空間部13へ向けて搬送方向A1へ搬送する。このとき、第1の照射部14は、照射領域を通過する第1のステージ11上の基板5へ偏光光を照射する。
続いて、図4(c)に示すように、搬送機構18は、第1の照射部14の照射領域を通過した第1のステージ11を第1の待機空間部16に停止させて待機させ、第2の待機空間部17から搬送した第2のステージ12を搭載空間部13に停止させる。搭載空間部13では、第2のステージ12に対して基板5が搭載される。続いて、図5(a)に示すように、搬送機構18は、搭載空間部13で基板5が載置された第2のステージ12を搬送方向A2へ搬送し、第2の照射部15の照射領域を通過させながら、第1のステージ11を第1の待機空間部16から搭載空間部13へ向けて搬送方向A2へ搬送する。このとき、第2の照射部15は、照射領域を通過する第2のステージ12上の基板5へ偏光光を照射する。
続いて、図5(b)に示すように、搬送機構18は、第2の照射部15の照射領域を通過した第2のステージ12を第2の待機空間部17に停止させて待機させ、第1の待機空間部16から搬送した第1のステージ11を搭載空間部13へ戻して停止させる。搭載空間部13では、第1のステージ11から基板5が取り外されると共に、第1のステージ11に対して新たな基板5が搭載される。続いて、図5(c)に示すように、搬送機構18は、搭載空間部13で新たな基板5が載置された第1のステージ11を搬送方向A1へ搬送し、第1の照射部14の照射領域を通過させながら、第2のステージ12を第2の待機空間部17から搭載空間部13へ向けて搬送方向A1へ搬送する。このとき、第1の照射部14は、照射領域を通過する第1のステージ11上の基板5に偏光光を照射する。以降、図4(c)に示した状態となり、搭載空間部13において第1のステージ11上に搭載された基板5と第2のステージ12上に搭載された基板5とに対して、第1の照射部14及び第2の照射部15によって偏光光の照射動作を交互に繰り返す。
このように第1のステージ11と第2のステージ12とを同時に用いて、第1のステージ11上の基板5と第2のステージ12上の基板5とに対する偏光光の照射動作を交互に繰り返すことで、タクトタイムを効果的に短縮することが可能になる。なお、偏光光照射装置1を用いた照射動作は、上述の照射動作に限定されず、後述する照射動作の変形例1〜3が適用されてもよい。
(照射動作の変形例1)
図6及び図7は、実施形態における照射動作の変形例1を説明するための平面図である。上述した照射動作では、第1のステージ11と第2のステージ12とを同時に用いて、第1のステージ11上の基板5と第2のステージ12上の基板5とに対する照射動作を交互に行ったが、第1のステージ11及び第2のステージ12のうち、一方のステージのみを用いて照射動作を行ってもよい。ここでは、一例として第1のステージ11のみを用いた照射動作について説明するが、第2のステージ12のみを用いて照射動作を行ってもよい。
図6(a)に示すように、第1のステージ11が搭載空間部13内に位置し、第2のステージ12が第2の待機空間部17内に位置する状態から説明を始める。搭載空間部13では、第1のステージ11に対して基板5が搭載される。続いて、図6(b)に示すように、搬送機構18は、搭載空間部13で基板5が載置された第1のステージ11を搬送方向A1へ搬送し、第1の照射部14の照射領域を通過させると共に、第2のステージ12を第2の待機空間部17に待機させる。このとき、第1の照射部14は、照射領域を通過する第1のステージ11上の基板5へ偏光光を照射する。以降、搬送機構18は、使用しない第2のステージ12を第2の待機空間部17に待機させ続ける。
図6(c)に示すように、搬送機構18は、第1の照射部14の照射領域を通過した第1のステージ11を第1の待機空間部16に停止させる。第1のステージ11を第1の待機空間部16に停止させた後、図7(a)に示すように、搬送機構18は、第1のステージ11を第1の待機空間部16から搭載空間部13へ向けて搬送方向A2へ搬送する。図7(b)に示すように、搬送機構18は、第1の待機空間部16から搬送した第1のステージ11を搭載空間部13に戻して停止させる。搭載空間部13では、第1のステージ11から基板5が取り外されると共に、第1のステージ11に対して新たな基板5が搭載される。引き続き、図7(c)に示すように、搬送機構18は、搭載空間部13で新たな基板5が載置された第1のステージ11を搬送方向A1へ搬送し、図6(b)に示した状態となり、以降、第1のステージ11上に搭載された基板5に対して、第1の照射部14によって偏光光の照射動作を繰り返す。
(照射動作の変形例2)
図8及び図9は、実施形態における照射動作の変形例2を説明するための平面図である。上述の変形例1では、第1のステージ11のみまたは第2のステージ12のみを単独で用いたが、第1のステージ11と第2のステージ12とをそれぞれを交互に単独で用いて照射動作を行ってもよい。図8(a)に示すように、第1の照射部14によって基板5に偏光光を照射した後、基板5が載置された第1のステージ11が第1の待機空間部16から搭載空間部13へ戻されて停止させた状態から説明する。このとき、使用していない第2のステージ12は、第2の待機空間部17に待機しており、搭載空間部13において、第1のステージ11から基板5が取り外されるが、新たな基板5は第1のステージ11に搭載されない。
第1のステージ11を単独で用いて照射動作を行った後、図8(b)及び図8(c)に示すように、使用しない第1のステージ11を第1の待機空間部16へ搬送して待機させ、次に使用する第2のステージ12を第2の待機空間部17から搭載空間部13へ搬送して停止させる。搭載空間部13では、第2のステージ12に対して基板5が載置される。搬送機構18は、第2のステージ12を用いて照射動作を行っている間、使用しない第1のステージ11を第1の待機空間部16に待機させ続ける。
続いて、図9(a)及び図9(b)に示すように、搬送機構18は、基板5が載置された第2のステージ12を搬送方向A2へ搬送し、第2の照射部15の照射領域を通過させて、第2のステージ12を第2の待機空間部17で停止させる。このとき、第2の照射部15は、照射領域を通過する第2のステージ12上の基板5へ偏光光を照射する。搬送機構18は、第2のステージ12を第2の待機空間部17に停止させた後、図9(c)に示すように、第2のステージ12を第2の待機空間部17から搭載空間部13へ向けて搬送方向A1へ搬送し、第2のステージ12を搭載空間部13に戻して停止させる。搭載空間部13では、第2のステージ12から基板5が取り外されるが、新たな基板5は第2のステージ12に搭載されない。以降、使用しない第2のステージ12を第2の待機空間部17に待機させ、使用する第1のステージ11を第1の待機空間部16から搭載空間部13へ搬送する。これにより、第1のステージ11と第2のステージ12とを交互に単独で用いて照射動作を行う。
(照射動作の変形例3)
図10及び図11は、実施形態における照射動作の変形例3を説明するための平面図である。変形例3では、実施形態における搭載空間部13を待機空間部として利用する点で、実施形態における照射動作と異なる。また、第1の待機空間部16を第1の搭載空間部として利用し、第2の待機空間部17を第2の搭載空間部として利用する点で、実施形態における照射動作と異なる。このように各空間部の用途が異なっているが、説明の便宜上、変形例3においても、実施形態における各空間部の名称、符号を同一にして説明する。なお、図1及び図2に示した実施形態の偏光光照射装置1の構成を、変形例3の照射動作に対応するように言い換えた構成についても後述する。
図10(a)に示すように、照射動作の変形例3では、第1のステージ11が第1の待機空間部16内に位置し、第2のステージ12が第2の待機空間部17内に位置する状態から説明を始める。第1の待機空間部16では、第1のステージ11に対して基板5が搭載される。続いて、図10(b)に示すように、搬送機構18は、第2のステージ12を第2の待機空間部17に待機させながら、基板5が載置された第1のステージ11を搬送方向A2へ搬送し、第1の照射部14の照射領域を通過させる。第1の照射部14は、照射領域を通過する第1のステージ11上の基板5へ偏光光を照射する。図10(c)に示すように、搬送機構18は、第1の待機空間部16から搬送した第1のステージ11を搭載空間部13で停止させて待機させる。このとき、第2の待機空間部17では、第2のステージ12に対して基板5が載置される。
続いて、図11(a)に示すように、搬送機構18は、第1のステージ11を搭載空間部13から第1の待機空間部16へ向けて搬送方向A1へ搬送すると共に、基板5が載置された第2のステージ12を第2の待機空間部17から搭載空間部13へ向けて搬送方向A1へ搬送する。このとき、第2の照射部15は、照射領域を通過する第2のステージ12上の基板5へ偏光光を照射する。図11(b)に示すように、搬送機構18は、第2の照射部15の照射領域を通過した第2のステージ12を搭載空間部13に停止させて待機させ、搭載空間部13から搬送した第1のステージ11を第1の待機空間部16へ戻して停止させる。第1の待機空間部16では、第1のステージ11から基板5が取り外されると共に、第1のステージ11に対して新たな基板5が搭載される。
続いて、図11(c)に示すように、搬送機構18は、第1の待機空間部16で新たな基板5が載置された第1のステージ11を搬送方向A2へ搬送し、第1の照射部14の照射領域を通過させながら、第2のステージ12を搭載空間部13から第2の待機空間部17へ向けて搬送方向A2へ搬送する。このとき、第1の照射部14は、照射領域を通過する第1のステージ11上の基板5に偏光光を照射する。以降、図10(c)に示した状態となり、第2の待機空間部17において第2のステージ12上に搭載された基板5と、第1の待機空間部16において第1のステージ11上に搭載された基板5とに対して、第1の照射部14及び第2の照射部15によって偏光光の照射動作を交互に繰り返す。
ここで、照射動作の変形例3に対応する偏光光照射装置1の構成について、図1及び図2に示す実施形態の偏光光照射装置1の構成を言い換えて記載する。変形例3に対応する偏光光照射装置1の構成において、実施形態における各空間部の符号と同一符号を付けて説明する。
図1及び図2に示すように、実施形態の偏光光照射装置1は、基板5が搭載される第1のステージ11及び第2のステージ12と、第1のステージ11に対して基板5を搭載するための第1の搭載空間部16(上述の第1の待機空間部16に相当)と、第2のステージ12に対して基板5を搭載するための第2の搭載空間部17(上述の第2の待機空間部17に相当)と、を備える。偏光光照射装置1は、第1のステージ11に搭載された基板5に偏光光を照射するための第1の照射部14と、第2のステージ12に搭載された基板5に偏光光を照射するための第2の照射部15と、第1の搭載空間部16から第1の照射部14を通過した第1のステージ11が待機すると共に、第2の搭載空間部17から第2の照射部15を通過した第2のステージ12が待機する待機空間部13(上述の搭載空間部13に相当)と、を備える。待機空間部13は、第1の照射部14及び第2の照射部15に隣接して配置されている。また、偏光光照射装置1は、第1のステージ11を第1の搭載空間部16と待機空間部13との間で搬送方向A1、A2に対して往復させると共に、第2のステージ12を第2の搭載空間部17と待機空間部13との間で搬送方向A1、A2に対して往復させる搬送機構18を備える。
(液晶パネルの製造方法)
偏光光照射装置1を用いた液晶パネルの製造方法は、液晶パネルとしての基板の配向膜に光配向を行うための偏光光を照射する製造方法であって、搭載空間部13で基板5を第1のステージ11上に搭載し、基板5が搭載された第1のステージ11を搭載空間部13から移動させて、基板5に偏光光を照射する第1の照射部14を通過した第1のステージ11を第1の待機空間部16に停止させた後、第1の待機空間部16から搭載空間部13へ第1のステージ11を戻す。また、この製造方法では、搭載空間部13で基板5を第2のステージ12上に搭載し、基板5が搭載された第2のステージ12を搭載空間部13から移動させて、基板5に偏光光を照射する第2の照射部15を通過した第2のステージ12を第2の待機空間部17に停止させ後、第2の待機空間部17から搭載空間部13へ第2のステージ12を戻す。
上述したように実施形態の偏光光照射装置1は、第1のステージ11及び第2のステージ12のそれぞれに対して基板5を搭載するための搭載空間部13と、搭載空間部13の周囲に配置された第1の照射部14及び第2の照射部15と、第1のステージ11及び第2のステージ12のそれぞれが待機する第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17と、第1のステージ11を搭載空間部13と第1の待機空間部16との間で往復させると共に、第2のステージ12を搭載空間部13と第2の待機空間部17との間で往復させる搬送機構18と、を備える。これにより、搬送方向A1、A2に対して装置全体が占める長さが短縮されて、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送距離が短縮される。その結果、タクトタイムの長大化を抑えると共に、装置全体の設置スペースの増大を抑えることができる。
上述したように実施形態の偏光光照射装置1が有する搭載空間部13において、第1のステージ11及び第2のステージ12は、基板5の載置面11a、12aを回転可能に搬送機構18に支持されている。これにより、第1のステージ11及び第2のステージ12に対して基板5を搬入及び搬出するときに第1のステージ11及び第2のステージ12を任意に回転可能になり、基板5の取り扱い時の作業性を高めることができる。
また、実施形態の偏光光照射装置1が有する搭載空間部13は、搭載空間部13を挟んで対向して配置された第1の照射部14と第2の照射部15との間に、第1のステージ11及び第2のステージ12のそれぞれの載置面11a、12aの対角線の長さD以上の間隔を有する。これにより、搭載空間部13内には、第1のステージ11及び第2のステージ12を回転可能な空間が確保されるので、第1のステージ11及び第2のステージ12を回転可能にすることができる。
また、実施形態の偏光光照射装置1が有する第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17は、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して、第1のステージ11及び第2のステージ12の載置面11a、12aの短辺の長さS以上の空間を有する。これにより、第1の待機空間部16及び第2の待機空間部17が、第1のステージ11及び第2のステージ12の搬送方向A1、A2に対して占める大きさを更に小さくすることができる。その結果、タクトタイムの長大化を更に抑えると共に、装置全体の設置スペースの増大を更に抑えることができる。
また、実施形態の偏光光照射装置1が有する搬送機構18は、第1のステージ11と第2のステージ12の一方のステージが搭載空間部13に位置するときに、他方のステージが第1の待機空間部16または第2の待機空間部17に位置するように、第1のステージ11及び第2のステージ12を搬送する。これにより、第1のステージ11上の基板5に対する照射動作と第2のステージ12上の基板5に対する照射動作とを交互に行うと共に、搭載空間部13で第1のステージ11及び第2のステージ12に対して基板5を搬入及び搬出する搭載作業をスムースに行うことができる。その結果、タクトタイムの長大化を抑えることができる。
(変形例)
図12は、実施形態に係る偏光光照射装置の変形例を示す平面図である。変形例において、実施形態と同一の構成部材には、実施形態と同一符号を付して説明を省略する。変形例は、搬送機構の搬送路が曲げられた点が、実施形態と異なる。
実施形態における搬送機構18は、第1のステージ11及び第2のステージ12を搬送する直線状の搬送路19を有するが、図12に示すように、変形例の偏光光照射装置2が有する搬送機構30は、第1のステージ11を搬送方向A1、A2に対して往復させる第1の搬送路31と、第2のステージ12を搬送方向B1、B2に対して往復させる第2の搬送路32と、を有する。搭載空間部13において、第1の搬送路31の搬送方向A1、A2と第2の搬送路32の搬送方向B1、B2とが直交している。第1の照射部14及び第2の照射部15は、搭載空間部13の周囲にそれぞれ隣接して配置されている。なお、搭載空間部13の周囲における第1の照射部14と第2の照射部15の各位置を変更することにより、第1の搬送路31の搬送方向A1、A2と第2の搬送路32の搬送方向B1、B2とがなす角度は適宜変更されてよい。
変形例の偏光光照射装置2においても、第1の搬送路31に沿う第1のステージ11の搬送距離と、第2の搬送路32に沿う第2のステージ12の搬送距離が短くなるので、実施形態と同様に、タクトタイムの長大化を抑えると共に、装置全体の設置スペースの増大を抑えることができる。また、変形例の偏光光照射装置2においても、上述した実施形態の照射動作、照射動作の各変形例1〜3のいずれが適用されてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。